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2008年7月31日

ファーヴ情報: ファーヴとマーフィ社長が会談

ミシシッピ州ハティスバーグに住むブレット・ファーヴは、例によってオークグローヴ高校の水曜朝の練習に参加して汗を流した。妻のディアナと一緒にスタンドを駆け上がるトレーニングを済ませると、マーク・マーフィ社長との会談のため急いで同校を後にした。「9時からの会合に遅れそうなんだ、嘘じゃない」

会合場所となった代理人バス・クックの事務所のスポークスパーソンは、おそらく会談は終日にわたるのでは、との見通しを示していたが、会談は午後12時30には終了した。事務所から出てきたファーヴは集まったメディアに対し、「なぜ(この暑いのに)日陰に入らないんだ?」とだけ話し、それ以外のコメントはなし。ファーヴが自宅に帰ったところを地元 Hattiesburg American 紙の記者がつかまえたが、やはりノーコメントだった。(写真

ファーヴが去ったあと、午後はマーフィ社長とクックが話し合いを続けている模様。またprofootballtalk.com によると、ハティスバーグ空港を16時10分に発ってグリーンベイ空港に18時20分に到着する飛行機のフライトスケジュールが提出されているとのこと。大方のところマーフィ社長の乗るパッカーズ機と思われるが、ファーヴの自家用機でないという確証もまだない。

いっぽう、コミッショナーは今日も復帰許可を出さないことが明らかになった。「コミッショナーは今日は何のアクションも起こさない。パッカーズとブレットの双方に、ロースター枠やサラリーキャップを含めた諸問題に対処できるよう適当な時間を与えたいと彼は考えている。コミッショナーからブレットの復帰許可が下りたら、我々がアナウンスする」とNFLスポークスマンは述べている。木曜はパッカーズの練習がないので、復帰許可が下りたとしても、キャンプ練習に強行出席するのは早くて金曜朝となる。

Day 2: DTジャスティン・ハレルはPUPリストに

2008年7月30日

ファーヴ情報: ついに復帰願いを提出

ブレット・ファーヴが火曜午後、復帰願いをNFLにファックス送信した、とESPNのクリス・モーテンセンが報じている。コミッショナーはすぐに許可する(一応許可が必要)はずなので、ファーヴはパッカーズのロースターに戻ることになる。パッカーズの選択肢は3つあり、解雇するか、トレードするか、キャンプへの参加を認めるか。労使協約によって、契約下にある選手を球団施設から締め出すことは許されていない。

すでにトレード合意ができたから、という推測もできなくはないが、「交渉の成果はなく、早期のトレード成立は望み薄」という見方を地元2紙が前日に報じたばかり。トレード交渉に進展がないことに業を煮やしたファーヴが、もともとの第1希望である「解雇」、第2希望である「すみやかなトレード成立」に向け、さらにプレッシャーをかけてきたということだろうか。 

この情報が流れたのは火曜午後の練習の最中。練習後の記者会見でマッカーシーHCは、ファーヴから復帰願いが提出されたことを認めた。今後は通常の手順に従い、まずファーヴがフィジカルチェックを受け、コンディショニングテスト(ランニングなど)で体調をチェックされたうえで、今後の練習プランについて話し合うことになる、とマッカーシーHCは説明。これまでも「チームに復帰したら受け入れる」と話していたとおり(ブラフと見られていたが)、下記のように冷静なコメントをしている。

「ブレットが復帰するための、これが最初のステップであることは言うまでもない。彼が正式に復帰したら我々はそれに対応するし、我々はすでにプランを立ててある。ブレット・ファーヴは今でも非常に優れた選手であり、我々フットボールチームの大きな財産だ。彼に関するプランはまず本人と話し合い、それから公にお話しすることになる。ブレット・ファーヴへの悪感情は何もないし、彼は我々のロッカールームで歓迎されるだろう」

いっぽうNFLスポークスマンは、「今日はコミッショナーは許可を出さない」とコメント。先日来コミッショナーが「すぐにも許可を出す」といった発言をしていたことと矛盾するが、トレードをまとめるまでの時間稼ぎをしてくれている、ということなのか。

ファーヴ情報: マーフィ社長がミシシッピで説得へ

Press-Gazette紙によると、復帰願いを提出したブレット・ファーヴが家に留まるよう、マーク・マーフィ社長が説得に当たることになった。マーフィ社長は火曜夜にミシシッピに向かい、水曜朝に代理人バス・クックの事務所において、ファーヴおよび代理人と話し合いを行うとのこと。

Day 1: CBトラモン・ウィリアムズ負傷

QBロジャース、マッカーシーHC、トンプソンGMの発言から

2008年7月29日

ファーヴ情報: 再びトンプソンGMを非難

ブレット・ファーヴはESPNのインタビューの中で、トレーニングキャンプ出席を見合わせたのはあくまでテッド・トンプソンGMの頼みによるものだ、という実情を明らかにした。「土曜に、『僕が出席したら球団は歓迎してくれるのだろうか?』 と質問すると、テッドはしどろもどろになって、『ブレット、それはできない。私の首が飛んでしまう』 って調子だった。誰の首も飛ばすつもりはないと僕が言うと、『2、3日待ってくれれば解決するから』 と彼は言った」

「僕はテッドに言ったんだ。『(ロジャースと)競争させてくれ。きっと僕が勝つから』 ってね。すると 『ブレット、状況はすでに変わってしまった。アーロン・ロジャースが我々のクォーターバックなんだ』 という返事だった。コミッショナーにも伝えたことだけど、(パッカーズ側の姿勢は)もうはっきりしているよ。彼らは僕に去ってほしい。引退していてほしい。他のチームのユニフォームを着るよりは ?本当は避けたいだろうけど? $12ミリオンの控えQBでいてほしい、ってことだ。口でなんと言おうとね。彼らはきっと交渉を引き延ばすだろう。トレード話が立ち消えになることに望みを賭けて、相手チームに大きな代償を求めるだろう」

復帰願いにはすでにサインを済ませたが、NFL本部にファックスするのは見合わせたとのこと。「(妻の)ディアナも(代理人の)バスも、あなたはバカだ。こんな風にパッカーズに扱われるなんて、と言っていたよ。彼女たちは復帰願いの提出を望んでいたが、僕は火曜ごろまで待つかもしれない」

タンパリング疑惑について改めて否定。「ブラッド・チルドレスと話したことを否定するつもりはない。12年前、彼とジェイ・ノーヴェルがウィスコンシン大のアシスタントだったとき、彼らが(友好関係にある)パッカーズを訪問してQBミーティングに出席したりしていた。その後ブラッドはフィラデルフィアに行ってアンディ・リードの下でコーチをした。ご存知のようにアンディと僕は親しい。 (調査担当の)ミルト・アーレリッチやコミッショナーにも説明したが、僕はチルドレスと話をしている。ダレル・ビーヴェルともしている。アンディ・リードとも、マイク・シャーマンとも、マット・ミレンとも、スティーヴ・マリウッチとも。友人であり僕のコーチをして友人でもある人たちと、いつも話をしているし、携帯メールも送っている」

ルーキー全員が契約 RBグラントはこじれる?

QBブライアン・ブロームが4年契約にサインし、これでルーキー全員がキャンプ初日から練習に参加できることになった。いっぽう進展がなかったのはRBライアン・グラントで、パッカーズ側からの新しいオファーが屈辱的な内容だった、と代理人は怒りをあらわに。長期欠席もありそうな雲行きになってきた。

トレーニングキャンプの見どころ

ホームを離れてキャンプを行うチームも少なくないが、グリーンベイが涼しいこともあって、パッカーズは地元ファンの前で毎年キャンプを行う。選手たちはグリーンベイ南郊デピア市にあるセント・ノーバート大学の学生寮で合宿生活(2人1部屋)を行い、毎朝チームバスでランボーフィールドに通ってくる。ミーティングや着替えを済ませると、スタジアムの出入り口で待ち構える子供たちの差し出す自転車に乗り、道の反対側にある練習場クラーク・ヒンクル・フィールドに向かう(略図)。セント・ノーバート大を利用するのは1958年以来、今年で51年目。キッズファンの自転車に乗るのはヴィンス・ロンバルディHC時代に始まったようなので、これも約半世紀にわたる伝統だ。

ファンの見学はもちろん無料で、よい位置で見るためには朝早くから場所取りしなければならない(夜の練習は比較的すいている)。悪天候の場合は隣にある屋内練習場ドン・ハトソン・センターに移り、非公開練習となる。マッカーシーHCは休養を重視し、昨年から朝・夜・昼という練習ローテーションを採用。毎週1回の全休日を置くのもNFLでは珍しい試みだ。そのおかげかどうかわからないが、昨年はケガの少ないシーズンを送ることができ、今年も同じパターンとなった(スケジュール表)。朝・夜とある場合、かならず夜の方にフルパッド練習がある。

ファーヴ騒動にかまけて各ポジション分析をサボったので、せめて今トレーニングキャンプの注目点を、攻・守・STの順で挙げてみることにする。公式サイトのデプスチャート(オフシーズンは掲載されない)が公開されたのでそちらも参照のこと。

2008年7月28日

ファーヴ情報: キャンプ参加を見合わせ

ブレット・ファーヴはスポーツ・イラストレイテッド誌のピーター・キングのインタビューの中で、パッカーズのキャンプ初日には出席しないことを明らかにした。「パッカーズのトレーニングキャンプの初めから出席するつもりだったが、『2日ほどくれたら今の状況を解決できるよう努力する』 とテッド・トンプソンが言ったので、僕もそれに同意した。僕はパッカーズの邪魔になるようなことをしたくないし、僕がフットボールを続けられるよう、今後数日のうちに合意できればと望んでいる」

ファーヴの口ぶりからして、パッカーズで復帰する線は完全に消えたと言ってよさそうだ。またパッカーズ側もキャンプでの混乱を避けるため、小さな妥協が成立したのだろう。今後の焦点は、パッカーズが満足するような代償がトレード先から手に入るかどうか、相手チームがファーヴの$12ミリオンのサラリー(それがイヤなら契約を結び直す)を受け入れるのか、ファーヴが(またも変心せず)新チームでプレーする気になるかどうか、といった点になる。

「今週はコミッショナーのロジャー・グッデルと何度か話をした。ある種の調停者になってくれないかと思ってね」とファーヴ。先日コミッショナーがトンプソンGMにトレードを促したのも、それを受けてのことのようだ。

ファーヴはヴァイキングスのチルドレスHCと話をしたことも認めたが、タンパリングに相当するような内容ではない、と強く否定している。「彼らと話したことははっきり認めるよ。(NFLの代表として調査をしている)ミルト・アーレリッチと面談した。『ブレット、彼らは君に移籍を誘ったのか?』 と聞かれたが、ノーと答えた。『僕は誰からも誘われる必要はない』 ってね。彼らは決して僕にミネソタに来るように誘ってなどいない」

トレード先の候補として挙がっているジェッツについて地元のNew Jersey Star-Ledger紙は、「トレードがまとまる可能性は非常に低い」との情報筋の話を伝えている。またファーヴに近い筋も、ジェッツとのトレードは可能性が低い、と述べているようだ。

ドラフト上位指名3人と契約

2巡a指名のWRジョーディ・ネルソン、2巡c指名のCBパトリック・リー、3巡指名のTEジャーマイケル・フィンリーがそれぞれ4年契約に合意し、未契約のルーキーは2巡b指名のQBブライアン・ブロームだけとなった。しかしそのブロームも時間の問題と見られている。彼のすぐ下で指名されたQBチャド・ヘニー(MIA)がすでに契約に合意しており、その内容を参考にすれば交渉が進めやすいためだ。 

RBライアン・グラント交渉は進展あり

キャンプ参加が危ぶまれているRBライアン・グラントだが交渉の進展があった模様で、「まだ安心はできないが、楽観できる材料はある」と代理人は語っている。グラント側が提示した妥協案にパッカーズ側も乗り気で、ただインセンティブやキャップ上の扱いについてNFL本部に問い合わせを行っている最中とのこと。そのため月曜の練習初日の参加はかなり難しくなってきたが、欠席は最小限で済むかもしれない。 

マッカーシーHCの記者会見から

トレーニングキャンプを前にマイク・マッカーシーHCが記者会見を行ったが、冒頭から20分ほどぶっ通しでファーヴに関する質問ばかり。さすがのマッカーシーHCも苛立ってきたようで、「ファーヴ以外の質問をした方には$50ドル」というジョークを繰り出したが、次の質問もファーヴだった。

2008年7月27日

ファーヴ情報: NYJとTB首脳が質問攻めに

ブレット・ファーヴの動向に注目の集まった金曜午後だったが、けっきょく復帰願いの提出はされず、NFL本部も公式にそれを認めている。やはり提出するのは三者の間でトレード合意ができてからなのか。

ジェッツとバッカニアーズがファーヴと直接話し合う許可を得た、と報道されたため、すでにトレーニングキャンプの始まっている両チームのヘッドコーチは練習後の会見で質問攻めに。どちらも事実上ノーコメントだったが、獲得しないとも言わなかった。バッカニアーズのジョン・グルーデンHCは、「現時点ではジェフ・ガルシアが我々のクォーターバックだ。グリーンベイがどうするつもりか私は知らない。ブレット・ファーヴがどうするつもりかも私は知らないし、そのことは私の携帯電話が証明できる」と、ヴァイキングスのタンパリング疑惑にひっかけて上手いコメント。

トレードが有力となりつつある中、「ファーヴは今でもパッカーズでプレーするのがファーストチョイスであり、パッカーズならスーパーボウルが狙えると考えている」と代理人バス・クックは周囲に漏らしている。また、ファーヴはロジャースから先発QBを奪い返せると自信を持っている、という情報もある。しかし、そういった話も全て、パッカーズ側がファーヴに本気でキャンプに来られては困ることを見越して、トレードへの圧力に使っているのだろう、という見方も。

DEジェレミー・トンプソンが契約 4選手を解雇

2008年7月26日

ファーヴ情報: 復帰願いを提出のかまえ

ブレット・ファーヴが早ければ今日中にも復帰願いを提出し、パッカーズのトレーニングキャンプ(土曜のうちに集合、日曜朝に最初のミーティング)に出席する構えであることが明らかになった。最初にNFL.comのアダム・シャフターが報じ、パッカーズの地元紙も確認を取っていて、どちらも情報元は代理人バス・クックからのようだ。それによると、ファーヴは木曜にトンプソンGMに電話をし、パッカーズに復帰してトレーニングキャンプに参加したい意思を明らかにしたとのこと。

ファーヴが軟化して 「ロジャースが先発QBだがファーヴの復帰は歓迎する」 というトンプソンGMの先日の話を受け入れ、本気でロジャースと先発争いをする、という見方もできなくはない。しかし、もうパッカーズにファーヴを受け入れる気がないのを承知で、「本気でトレードを成立させろ」と圧力をかける戦術、と見る向きが多い。後述のように、トレードに関する情報があちこちから多数流れてきているからだ。

水曜には、パッカーズがファーヴ側とトレード先の候補について話し合ったようだ。その後のESPNの情報によると、ジェッツはファーヴと直接話し合う許可をパッカーズから得たとのこと。他にもバッカニアーズが興味を示している、とパッカーズに近い筋が認めているが、今年対戦のあるバッカニアーズはできれば避けたいところで、ジェッツ同様の交渉許可を出すかどうかはまだわからない。(追記 : Fox Sports によるとバッカニアーズにも許可を出したようだ)

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

毎年恒例のグリーンベイ・パッカーズ株主総会が開催され、9375人もの熱心な株主がランボーフィールドに詰めかけた。以前は近くのレシュ・センターで行われていたが、増える出席者を収容しきれなくなったため、2006年からはランボーフィールドの東側スタンドを利用して屋外で行われている。(写真集1写真集2

ファーヴ問題で紛糾することも心配されたが、もともと首脳陣の報告の際には質疑応答は行われないため、一部でブーイングが起きたほかは大きな混乱はなかったようだ。例年どおり、総会が終了してからマーフィ社長とトンプソンGMがスタジアム内のアトリウムで、取り囲んだファンからの質問に答えたり、サインや記念写真に応じるセッションがあった。 

LBブレイディ・ポピンガが契約延長にサイン

LBブレイディ・ポピンガと契約延長を結んだことをトンプソンGMが明らかにした。今季限りで契約の切れるポピンガだが、FA加入のLBブランドン・チラーと先発争いをしている最中の契約延長は意外だ。2012年までの5年契約なので、実質4年の契約延長ということになる。Journal Sentinel紙によると総額は約$17ミリオンで、LBボス・ベイリー(DET→DEN)の5年$17.5ミリオン、LBカウィカ・ミッチェル(NYG→BUF)の3年$17.5ミリオンに近く、スターターにふさわしい金額であるのは言うまでもない。

2008年7月25日

ファーヴ情報 : パッカーズはトレードまとめる気なしか

Notebook: 4巡のOGシットンと5巡のOTジャコミニも契約

昨日の7巡指名2人に続いて、4巡b指名のOGジョシュ・シットンと5巡指名のOTブレノ・ジャコミニも契約に合意した。これで9人のうち下から4人は決まったことになる。 

2008年7月24日

ファーヴ情報: コミッショナーは早期解決を促す

Notebook: 7巡のQBフリンとWRスウェインが契約

2008年7月23日

マルコ・リヴェラがパッカーズ選手として引退

OGマルコ・リヴェラが古巣パッカーズと一日契約を結び、パッカーズ選手として引退した。ペン州立大から1996年のドラフト6巡指名で入団した彼は、入団3年目の1998年に先発に昇格すると106試合連続出場(プレーオフ含む)などタフな右ガードとして活躍。強力OLの中核として3年連続プロボウルにも選ばれた。NFLヨーロッパも経験した苦労人ということで地元ファンの人気も高かったが、2005年にカウボーイズにFA移籍。しかし腰のケガに悩まされて期待されたような活躍ができず、昨年6月に解雇されていた。(写真集

「パッカーとして自分のキャリアを終えられたことは、NFL選手だったことと同じぐらい素晴らしいことだ。こうして引退し、一緒にプレーした仲間たち、そして先輩の素晴らしい選手たちと一緒にパッカーズの卒業生の一員となれることは大きな名誉だ」とリヴェラは述べている。

トンプソンGM。「マルコは正真正銘のプロフェッショナルだった。彼のタフネスとフットボールへの真摯な取り組みはチームメイトの素晴らしいお手本であり、慈善活動への献身も同様だ。我々はチームのOBの一員としてマルコを迎えられたことをとても嬉しく思っている」

プエルトリコ系のリヴェラは、2002年5月にはヒスパニック系の有名人たちと一緒にホワイトハウスに招待されたことがある。彼も最初からおっさんだったわけではなく、Journal Sentinel紙のサイトには1997年のこんな写真も残っている。また、ブルックリンの肉屋の息子、という点がヴィンス・ロンバルディと同じ。

2008年7月22日

ファーヴ情報: ファーヴ支持集会に400人

ブレット・ファーヴの復帰を球団側に訴えるため、400人ものファンがランボーフィールドに集まって気勢を上げた(写真)。初回の先週日曜は百数十人、先週月曜のミルウォーキーの集会はわずか30人ほどしか集まらなかったことも報道されたが、この日は遠くアリゾナから駆けつけたファンもいて、初回の3倍もの人数が集まった。関係者によると、今週木曜に開催される株主総会に合わせてさらに大きな集会を予定しているとのこと。

2008年7月21日

パッカーズ・ホール・オブ・フェイム式典

今年パッカーズの殿堂入りを果たしたのは元Cフランク・ウィンタース、元DTギルバート・ブラウンという優勝メンバー2人に加え、長年にわたってフィルム/ビデオ分析部門を支えたアル・トレムル。渦中のブレット・ファーヴが久しぶりにパッカーズを訪れるとあって全米メディアが注目したが、主役の3人の邪魔にならぬよう、ファーヴはウィンタースについて語っただけで記者からの質問には答えなかった。

元DTサンタナ・ドットソンと元DTギルバート・ブラウン
元Cフランク・ウィンタースとブレット・ファーヴ
元QB/HCのバート・スターとアル・トレムル

2008年7月20日

ファーヴ情報: 地元高校で練習

2008年7月19日

2人目の女性重役が誕生

ローラ・サンスキーをマーケティング&セールス担当の上級副社長として招聘することをマーク・マーフィ社長が発表した。マーフィ社長にとって初めての大きな人事であり、マーフィ社長に続く州外からの採用だ。昨年4月にはヴィッキー・ヴァンイーヴンホーフェンが財務担当副社長に内部昇格しており、女性の重役はこれで2人目。これまで大手企業のマーケティング部門を率い、プロスポーツとも深く関わってきた経験を活かし、球団の収入アップを図ることになる。

ローラ・サンスキーはオハイオ州シンシナティ出身の43歳で、夫ケヴィンとの間に3人の子供(10歳の娘、8歳と6歳の息子)がいる。ダートマス大学を卒業後ノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院で修士号を取得。プロクター&ギャンブル社などで働いたあと、1993年からビール大手クアーズ社でマーケティング担当副社長として活躍。NFLやNASCAR関連の事業も担当した。2006年には同じくデンバーに本拠を置く通信大手Qwest社の副社長となり、シーホークスのクエスト・フィールドなどさまざまなプロスポーツ球団とのパートナーシップを主導した。

シンシナティで生まれ育っただけにかつてはベンガルズやレッズのファン。デンバーで働くようになってからは、街の4大メジャースポーツすべてのシーズンチケットを所有または共有していた熱心なスポーツファンのようだ。

ファーヴ情報: タンパリング告発 続報

ブレット・ファーヴ騒動に関してこの日は久しぶりに動きがなかった。昨日明らかになったタンパリング告発について、ヴァイキングスのスポークスマンは当然ノーコメント。Press-Gazette紙は情報筋の話として、調査対象期間が6月初めに遡るだけなので調査は1週間ほどで済むのではないか、との見通しを明らかにしている。また、関係者をニューヨークのNFL本部に呼びつけるよりも、両球団本部を担当者が訪れて調査することになるだろう、とのこと。

2008年7月18日

ファーヴ情報: ヴァイキングスのタンパリング行為を告発

パッカーズはヴァイキングをタンパリング(不正な事前交渉)の容疑でNFLに告発した。AP通信は関係筋の話として、「ブレット・ファーヴとヴァイキングスのダレル・ビーヴェルOCとの間で通常の交際以上のやりとりがあった」とする証拠をパッカーズは提出し、リーグ側もすでに証拠の検証を始めている、と報じている。その人物(おそらくパッカーズ関係者だろう)によると、「ファーヴとヴァイキングスの間で何らかの合意があり、ファーヴが急に解雇を求めたのもそのせいだ、とパッカーズ側は見ている」とのこと。

かつてウィスコンシン大でスターQBとして活躍したダレル・ビーヴェルOCは、2000年から2005年までパッカーズのアシスタントコーチを務め、最後の3年間はQBコーチとしてファーヴとは密接な関係にあった。有力選手ひしめくヴァイキングスにとって最大の弱点がQBであることは衆目の一致するところだが、チルドレスHCやチームメイトたちが、先日来くちぐちにQBタヴァリス・ジャクソンへの信頼を強調しているところ。

フリーエージェントでない選手は他球団と交渉できないのがルールとはいえ、多数の選手をかかえる代理人が複数球団と常に連絡を取り合っているNFLの世界で、タンパリング疑惑を証明するのは実際は難しい。そのためこれまでは野放しに近い状態だったが、コミッショナーが交代して以来取締りが厳しくなってきたのは事実だ。今年3月にはベアーズのLBランス・ブリッグスに対してFA解禁前のタンパリング行為があったとして、49ersのドラフト5巡指名権を没収(さらに3巡7位と3巡12位の交換を命令)する裁定が下っている。

引退した選手が昔馴染みのコーチに電話をかけるだけでは違反行為ではない。前述の49ersが有罪と判断された証拠は球団内部のEメールだった。友人同士の会話以上のものがあった証拠を本当にパッカーズ側がつかんでいるのか、ライバル球団の今後の動きを牽制するためにハッタリをかけているだけなのか、本当のところはまだわからない。

ファーヴ情報: まだ復帰願いは提出せず

ブレット・ファーヴが正式な復帰願いを出すかどうか聞かれた代理人バス・クックは、「今すぐに提出するはっきりとした予定はない」と語っている。「まだレギュラーシーズン開幕まで6週間もある。それにブレットは、バックアップとして現役復帰するつもりはないと明言している。彼が復帰願いを提出してキャンプに合流しなければ、チームは1日$15000ドルの罰金を科すことができる。それでは意味がない」

「いま我々は、グリーンベイがどのようにしたいのか、彼らに決めさせようとしているところだ。次の行動は彼らの番だ」とクックは付け加えたが、これは意味不明のコメント。ファーヴが復帰願いを出さない限りパッカーズは何もする必要がなく、明らかに「次はファーヴの番」だからだ。先日のFox News独占インタビューでもファーヴは今年絶対プレーしたいのかどうかやや曖昧な様子も見せており、彼への世論、メディアの論調は厳しくなる一方だ。

2008年7月17日

ファーヴ情報: Turmoil Notebook

2008年7月16日

ファーヴ情報: ブレット・ファーヴのインタビュー

ブレット・ファーヴがFox Newsの "On the Record with Greta Van Susteren" に出演し、はじめて自らの言葉で現状を語った。専門分野の違うグレタが全米注目の独占インタビューを手に入れたことに驚きの声が上がったが、彼女はグリーンベイにほど近いアップルトンの出身で、パッカーズの株式を所有しており、1月のNFC決勝の直前にはチーズヘッドをかぶって出演したこともある(動画)。ファーヴが彼女に話をもちかけたのは、パッカーズファンに本当のところを説明したい、という意図らしい。

インタビューは二晩に分けて放送されることになったが、二日目の内容もすでに文書にして各メディアに配布されているので、それも合わせてお伝えする。チームやトンプソンGMへの不信感をこれまで以上に強調する内容となっていて、「両者の不和は決定的で修復不可能」とする見方が圧倒的だ。前日のトンプソンGMのインタビューと比べると、(特に下記に示した3つの件について)かえってファーヴの身勝手さが浮き彫りになっているようで、メディアにおける支持率はむしろダウンしている。

2008年7月14日

ファーヴ情報: テッド・トンプソンGMのインタビュー

これまで沈黙を守ってきたテッド・トンプソンGMが地元メディアのインタビューに応じた。まずは、チームの置かれている困難な状況、自分の苦しい胸のうちについてファンの理解を求め、昨季終了時からここまでの経緯についても詳しく説明。肝心の今後のファーヴの扱いについては、解雇をするつもりはないこと、復帰は受け入れチームに迎えること、今の先発クォーターバックはロジャースであることなどを述べた。ただ競争の結果ファーヴが先発の座を取り返せないとは言っておらず、真意を読み取るのは難しい。

DTジョニー・ジョリーが逮捕

先発DTジョニー・ジョリーが故郷テキサスで、規制薬物コデイン(鎮痛剤)の所持容疑で逮捕された。重罪(felony)扱いとなっているのは、200グラム以上所持していたために販売目的とされたからか。ジョリーは$1万ドルの保釈金を支払って釈放されており、今月22日に最初の出廷が予定されている。各メディアとも関係者からコメントが取れておらず、これ以上の詳しいことはわかっていない。

今オフはここまで警察沙汰のなかったパッカーズにとって、これが初の逮捕者となった。もし有罪となって出場停止処分にでもなれば、DTコーリー・ウィリアムズを放出して手薄になったDT陣にとって大きな痛手だ。

2008年7月13日

ファーヴ情報: 3月末に復帰を決断、その後撤回していた

2008年7月12日

ファーヴ情報: ファーヴが解雇を求める

ブレット・ファーヴに近い筋およびパッカーズ側の情報筋によると、ファーヴがチームに対し、解雇を求める書面を提出した、とESPNのクリス・モーテンセンが報じている。情報源は両サイドとのことなので、情報の確度は高いように思われる。(追記 : 地元両紙も関係者から確認が取れたようだ)

記事によると、ファーヴ、代理人バス・クック、マッカーシーHC、トンプソンGMの四者による電話会談が火曜に行われ、ファーヴは再びプレーしたい意思を明確に示した。チーム側は復帰を歓迎せず、「フットボールに100%コミットできないと3月には言ったではないか」と再考を求めた。「当時はそうだったが、3月にそう思うのは毎年のこと。それにチーム側が早い決断を求めたので引退を選ばざるをえなかった」とファーヴ。話し合いで決着がつかなかったので、木曜に解雇を求める書面を発送、パッカーズには金曜に到着した、という順序らしい。

ファーヴはトレードされるより、自由に移籍先が選べるよう解雇を望んでいるようだ。しかしあと3年の契約が残っているので、パッカーズ側が求めに応じてファーヴを手放す必要は、ルール上はない。そこで代理人バス・クックは、「これまでのフランチャイズへの貢献の大きさにかんがみ、本人の希望をかなえてほしい」と書面の中で主張しているらしい。書面を提出とはいっても、NFL公式の復帰願い(コミッショナーにも提出する)ではない。

金曜朝にモーテンセンが取材をしたとき、ファーヴは地元ハティスバーグの高校で練習をしている最中(昨年も同じようにしていた)。今回の件についてはノーコメントだったが、体調は非常によさそうで、高校生レシーバー相手にかるがるとロングパスを投げている。リラックスしてポジティブな様子で、自分やかつてのチームメイトやコーチたちについてのジョークも。ファーヴによると、来週も練習を続ける予定とのこと。

 

こうした報道を受け、パッカーズがついに公式サイトにおいて以下の声明を発表した。

ブレットはその権利を行使して彼自身の意思で引退した。現役続行を求め、歓迎する意思を、我々は再三にわたって彼に示した。

ブレットの引退会見そしてその後数週間にわたる彼の発言は、引退する意思の固さを示していた。引退が動かぬものであることを球団は受け入れ、その時点で、グリーンベイ・パッカーズはフットボールチームとして前に進むこと決心を固めた。

引退選手として、ブレットはコミッショナーに対して復帰願いを提出する選択肢がある。もしそれがなされたなら、彼はグリーンベイ・パッカーズのアクティブ・メンバーとなる。いつもどおり、パッカーズはチームにとって適切かつ最善な行動をとることだろう。

全ての偉大なパッカーズ選手たちと同じように、彼個人の意思がどのように変化したとしても、ブレットの功績はファンからも球団からも決して忘れ去られることはない。ブレットとディアナはこれからも常にパッカーズ・ファミリーの一員であり続ける。

 

Journal Sentinel紙は、ファーヴの復帰希望は本物だがパッカーズ側は解雇するつもりはなく、移籍があるとすればトレードだ、との関係筋の話を伝えている。たとえばヴァイキングスなどライバルチームに行ってしまった場合にパッカーズがこうむる不利益とファンの反感の大きさを考えれば、たとえ偉大なファーヴの願いだとしても解雇するわけにはいかない。36歳のジョー・モンタナがトレードされた際は、モンタナと3巡指名権とSデヴィッド・ウィットモアをチーフスに譲渡するかわり、49ersは1巡指名権を受け取っている。

ロースター展望 RB編

昨季序盤は大不振に見舞われたRB陣だが、グラントが台頭してくれたおかげで今年はまずまず安心して見ていられるユニットとなった。ただグラントの契約問題がこじれた場合は、低レベルの先発争いに再突入する。グラントがぶじ合流した場合の注目は2番手・3番手争い。現時点ではジャクソンが2番手として大きくリードしていて、残りの選手たちで3番手を争うものと見られている。ドラフト指名が予想されていたが結局指名はなく、ドラフト外でジョージア大のクレッグ・ランプキンを獲得したのみ。

ロースター枠は通常3人。昨年4人枠だったのはキャンプでケガ人が多かったためだろう。グラントとジャクソンは当確で、最後のイスを4年目のモレンシーとヘロン、2年目のウィンで争う。実績ではモレンシー、器用さと信頼性でヘロン、ポテンシャルでウィンといったところか。

ライアン・グラント Ryan Grant

ノートルダム大ではジュリアス・ジョーンズの影にかくれ、2005年のドラフト外でジャイアンツに入団。2年間まったく出場機会がなかったが、昨年開幕直前に6巡指名権とのトレードでパッカーズに移り、第8週ブロンコス戦で負傷のウィンにかわってスターターに昇格すると、目覚しい活躍を見せてRB陣の救世主に。第8週以降プレーオフを含めた12試合で1186yds(平均5.2yds)と目覚しい働きを見せた。今春はEFAとしての1年契約にサインせず大型契約を求めているが、キャンプに間に合わないとチームとしては困ったことになる。

ビジョンが非常によく、的確な穴を選んで迷わず突っ込むので、ゾーンブロッキングのスキームにぴったり合っている。一瞬の加速が鋭く、第一線を突破したあとのカットバックも効果的なので、一発ロングゲインが少なくない。(プレーオフでは2回ファンブルしたものの)ボールセキュリティもまずまずで、1stダウンや2ndダウンのランに関しては、もう課題は多くない。

未熟な点としてはパスキャッチ(昨季は1回平均わずか4.1yds)、ブロッキング、スクリーンパスでの動きなど。昨季はまだ3rdダウンで安心して使えなかったので、今年はそういった細かい技術を向上させ、真のエヴリダウン・バックに成長したいところ。精神的にしっかりしていて天狗になるタイプではないとはいえ、今春のOTAやミニキャンプに参加できなかったことが成長の妨げになる恐れはある。

ブランドン・ジャクソン Brandon Jackson

ネブラスカ大から昨年のドラフト2巡指名で入団。モレンシーとの先発争いは不戦勝の形で開幕を迎えたが、OL陣のランブロッキング不振とあいまって平均2.4ydsしか走れず、3試合で先発の座を失った。いったん3番手まで下がったもののシーズン終盤には再び2番手に昇格し、最終戦で113ydsラッシング、プレーオフでもパスキャッチTDを記録するなど、まずまずの形でシーズンを終えた。今オフの成長はいちじるしいと首脳陣は強調している。

スピードもクイックネスも十分あり、時にはタックラーを引きずるような馬力も見せるが、グラントに大きく劣るのはゾーンブロッキング適性か。ホールを選ぶところで躊躇する傾向があり、肝心の穴に突っ込む瞬間にスピードが下がってしまうことがある。課題だったブロッキングは向上し、パスプレーやスクリーンでも巧い動きを見せる。このぶんなら3rdダウンバックとしてやっていけるのは間違いないが、エースが不在のときに安心して先発を任せられる優秀な2番手RBになれるかどうか、今年の成長が注目されている。

ヴァーナンド・モレンシー Vernand Morency

2005年ドラフト3巡でオクラホマ州立大からテキサンズに入団。2年目シーズンの序盤にパッカーズにトレードされ、91回421yds(平均4.6yds)の好成績を残した。RBアーマン・グリーンの抜けた昨季は先発争いが期待されたが、キャンプ初日にヒザを負傷して回復に時間がかかり、若手3選手の後塵を拝する結果に。復帰後は経験と技術を活かして3rdダウンバック役を務め、グラントに並ぶ30キャッチを記録。しかし一昨年のような鋭いカットバックからのロングゲインは見られなかった。

パスキャッチもブロッキングもそつなくこなすが、ジャクソンもヘロンも同じような3rdダウンバックのタイプで、今夏は熾烈な3番手争いが待っている。もう先発の座を脅かす存在ではなく、今年は話題に上ることさえ少ない。すでに28歳で伸びシロがなさそうなのもマイナス。

ノア・ヘロン Noah Herron

ノースウェスタン大から2005年の7巡指名でスティーラーズに入団、プラクティス・スクワッドにいたところをパッカーズが獲得した。器用さと安定感が認められて3rdダウンバックに定着するが、3年目の昨季はプレシーズン最終戦でヒザを負傷し、インジャリーリザーブでシーズンを終えた。かなりの努力家で、ウィンとは正反対。鋭い加速やクイックネスには欠けるが、ビジョンや戦術眼に優れ、ブロッキングもしっかりしているので首脳陣から信頼されている。モレンシーやウィンとの3番手争いだろう。

デショーン・ウィン DeShawn Wynn

フロリダ大から昨年の7巡指名で入団。大学時代から問題児との評判だったが、NFL入り後もやはり精神面が課題だ。昨夏は異例の長時間説教付きでかろうじて開幕ロースターに残ったが、それもモレンシーとヘロンのケガのおかげだった。ジャクソンの不振でスターターに昇格し、4試合で平均4.1ydsとまずまずの働き。しかしその間もわずかなケガでサイドラインに下がるなど、首脳陣からもタフネスを疑問視され、グラントが台頭するとあっさりインジャリーリザーブへ。

230ポンド級のガタイで4.4秒台で走るなど身体能力は申し分なく、RBとしてのセンスもいい。問題は体作りや体調管理といった部分で、今オフにもRBコーチが「毎日同じレベルの努力を続けられるようでなければ」と公にコメントするなど、精神的な幼さが大きな課題として残っている。才能だけでプレーしてきた彼が真のプロに成長できればロースター入りなど簡単なはずだが、現実はモレンシーやウィンとの3番手争いで、今夏はかなりの頑張りが必要だろう。

クレッグ・ランプキン Kregg Lumpkin

ジョージア大からドラフト外で入団したルーキー。40yds走は4.64秒。高卒時は全米トップクラスのRBと評価された選手だが、大学ではケガに苦しみ、4年間合計で1699yds(平均5.3yds)、17TDにとどまっている。大学1年目はハムストリング、2年目のキャンプでヒザの前十字靭帯(ACL)断裂。1年休んで3年目は9試合に先発して798yds(平均4.9yds)を挙げるが、昨年は親指骨折のうえ再びヒザの手術を受け、4試合で計12回しかキャリーできなかった。

2008年7月11日

QBアーロン・ロジャースのインタビュー

セレブリティ・ゴルフ・トーナメント"American Century Championship"に出場するQBアーロン・ロジャースが、電話による記者会見を行った。ファーヴ騒動が勃発して以来初めて公の場に姿を現したロジャースの発言が注目されたが、ファーヴ騒動については(おそらくチーム側との打ち合わせの結果)事実上ノーコメントに近い。

Q : ファーヴの噂についてどう思う?

「球団の出したコメントと、僕も全く同じだ。いろいろ飛び交っている噂に関してあれこれ発言するつもりはない」

Q : 噂は気になる?

「家族と山登りとかしていたから、メディアの報道にはあまり接することなくいられた。それが僕の基本的な姿勢だ。いまはゴルフトーナメントに出場するため、ここネバダ州タホに来ている。これからの4日か5日はそのことに集中する」

Q : こういった騒ぎから離れて休暇を楽しんでる?

「いいオフシーズンを過ごしてるよ。最近はサンディエゴでWRジェームズ・ジョーンズが練習相手をしてくれた。WRブレット・スウェインもルーキー・シンポジウムの後サンディエゴにいてくれたし。いまは体調もすごくいい。携帯を持たずに家族と山登りをしたのもよかったし、今週はタホでこの夏の最高の1週間を楽しんでる」

Q : (先発に昇格した今年は)準備のやり方が変わった?

「これまでと同じだよ。トレーニングキャンプ開始の1週間以上前にグリーンベイに戻り、中西部時間に体を慣らし、トレーニング・コーチのロック・ガリクソンとワークアウトを重ねる。何も変わらないよ。全てスケジュールどおりに進んでいるし、よいトレーニングキャンプを過ごせると期待している」

Q : この1週間にチーム側から連絡があった?

「マッカーシーHCやクレメンツQBコーチとは常に連絡を取り合っていて、それは何も変わっていない」

Q : ファーヴとは最近なにか話をした?

「僕とブレットはグリーンベイで非常に仲良くやっていて、よい友人になった。でも彼の今後のプランについて、彼と話し合ってはいない」

Q : オフシーズンはどのような点に注力を?

「やはり頭脳面だと思う。(マッカーシーHCが行う)オフシーズンのクォーターバック・スクールはその点で大きなチャレンジなんだ。オフェンス全てを使い、ディフェンスを読んで分析する。毎日たくさんのフィルムを見る。自分たちのスキームや、その意図するところを完全に理解し、同時に相手がしようとしていることを把握しようと努める。そういったことが僕にとって一番重要だ」

Q : 2008年シーズンにブレットがチームメイトである可能性をどう思う?

「さっきも言ったように、噂についてあれこれコメントしたくない。来るべきシーズンや自分のもらったチャンスに興奮している」

Q : 今後の3週間の休暇のあいだ、騒ぎからできるだけ離れる? 毎日の展開をチェックする?

「予定は何も変えないよ。今週はタホにいて、来週はL.A.、その後はグリーンベイ。それが僕のスケジュールで、何も変更はない」

ファーヴ情報: 関係者のコメント

2008年7月10日

Tailgate Tourでマーフィ社長がコメント

ウィスコンシン各地を大型バスでめぐるふれあい企画、第3回"Packers Tailgate Tour"が始まった(公式サイトブログ)。今回の参加者はマーク・マーフィ社長、ボブ・ハーラン名誉会長に加え、RBブランドン・ジャクソン、WRジェームズ・ジョーンズ、RGジェイソン・スピッツという若手選手たちだ。 ファーヴ騒動が始まって以来パッカーズ首脳が公の場に姿を現すのはこれが初めてとあって、マーフィ社長にはメディアからもファンからも鋭い質問が飛んだ。コメントの内容は、復帰を思いとどまるようファーヴに直接話しかけているように聞こえなくもない。

Q : ブレットは復帰するでしょうか?

「ブレット自身も言っていたように、現時点では全て噂と憶測にすぎない。そして、3月の引退会見を思い起こす必要がある。非常に感動的で心のこもった記者会見だったし、彼にとって難しい決断の結果だったのはご存知のとおりだ。おなじ元NFL選手として、彼がいま体験している状況は、私には完璧に理解できる。フットボールから離れるのは非常につらいことだし、長くプレーした選手ならなおさらのことだ。彼の気持ちはとても揺れ動いていると私は思うし、過渡期に対処しようとしている最中だと思う。しかし現時点ではただの噂に過ぎず、それ以上の反応は我々にはできかねる」

Q : 彼が再びパッカーズのユニフォームを着るかどうかはわからない?

「私にはわからない」

Q : 今日のファンとのふれあいの中では、(ファーヴについて)質問攻めだったのでは?

「5歳の子供からも聞かれたよ。たくさんの人々の関心の的であるのは明らかだね」

Q : ファーヴ問題は3週間後のトレーニングキャンプ開幕までに決着する?

「もちろんそう願っている」

Q : この話題についてファンからの電話がたくさんかかって来る?

「いくつか電話をもらったよ。さっきの話に戻るが、私が思うに、フットボールに限らずどんなスポーツでも引退の決断は容易ではないし、どのようにキャリアを終えるかは容易なプロセスではない。自分の望むような終わり方はできないものだ。自分がどうすべきなのかブレットが非常に苦しんでいる、というのが現在の状況だ。あのエモーショナルな引退会見を見ればわかるように、彼と奥さんはとても苦しんであの結論を出し、あそこで心からの決断を下したのだ」

[ 火曜夜のテイルゲート・パーティに集まったフォンデュラクの人々への発言 ]

「非常にデリケートな状況であることをご理解いただきたい。それも、彼がパッカーズの歴史の中で特別な存在であればこそです。どんなプレーヤーも、徐々に辞めていくことなどできません。彼らを偉大な選手たらしめている強烈な競争心。それがあるからこそ彼らは常に競争を求め、次の挑戦を求める。しかし同じような興奮やアドレナリンをもたらすような 『次の挑戦』 など見つけるのは困難なものです。いま我々が見ているのはそういったことでしょう」

2008年7月 8日

ドラフト指名選手紹介 9: WRブレット・スウェイン

7巡10位 | Matt Flynn | Wide Receiver | San Diego State  | Senior |
6-0 (185cm) | 200lbs (91kg) | 40yds/4.41秒 | 1985年6月21日生 |

経歴 : サンディエゴの北にあるカールスバッド市の出身で、高校の先輩には今年パッカーズに加わったLBブランドン・チラーがいる。高校ではWR兼Sとしてプレーし、野球や陸上でも活躍した。地元のサンディエゴ州立大に進むと3年目の2006年からフルタイムのスターターとなり、47回528yds、2TD。昨年はさらに大きく伸ばして58キャッチ973yds(平均16.8yds)、5TDを挙げ、それまでの3年間を足したよりも数字を稼いでいる。カンファレンスの2ndチームにも選出された。

Strengths : 飛びぬけた部分はないもののボディバランスがよく、キャッチ力もまずまず。頭がよく、ショートエリアで手薄なゾーンを見つけるのが上手い。ルート取りがよく、密集でのキャッチを恐れないタフさがある。リバース等でもよい結果を出している。またパントリターン経験もあり、昨年は(おそらく代役として)10回平均8.8ydsの成績を残している。

Weakness : エリート級のスピードや、CBをぶち抜くような爆発的な加速はない。キャッチは決して下手ではないが、ときどき手で捕らず体で受けてしまう癖がある。ランアフターキャッチのセンスはよいが、ディフェンダーを振り切るクイックネスに欠ける。下半身はしっかりしているものの全体的にまだ線が細く、バルクアップが必要。

メンタル面 : 2006年には指の腱を断裂しながら全試合に出場するなど、精神的タフさには定評がある。ワンダーリックテスト17点は平均以下だが、WRとしてはそれほど悪くない。

指名の経緯 : 無名選手のためコンバインには招待されなかったが、QBケヴィン・オコネル(3巡でNEへ)を見に来たスカウトたちの前で40yds走を4.41秒で走るなど、プロ・デイの出来がよかったため数チームの興味を引いた。その後パッカーズは彼をグリーンベイに呼んでワークアウトを見ている。

有望な若手が揃っているパッカーズWR陣だけに2人目のWR指名は意外で、チーム首脳の日ごろからのコメントどおり、その時点でのベスト・プレーヤーと評価したのだろう。「秋に現地を訪れたスカウトたちがQB相手のプレーも見てみたのだが、彼をとても気に入った。そこで先日グリーンベイにも呼んでさらに見てみたのだ。とてもよい選手だし、7巡だし、よいピックだと思っている」 とトンプソンGM。

パッカーズにとって : 即戦力WRは必要ない状況なので、あくまで将来性を買っての指名。ネルソン(2巡)と同じように、どちらかといえばミドルからショート寄りのオールラウンダーか。

昨年のWR陣は6人枠だったが、5人の年も少なくない。ドライバー、ジェニングス、ジョーンズ、ネルソン(2巡指名)までは開幕ロースター入りが間違いなく、ルヴェル・マーティンもほぼ確実とすれば、そこまでで5人枠が埋まってしまう。スウェインが6人目に滑り込むには、スペシャルチームでの活躍が不可欠。ミニキャンプではパントリターナーやキックオフリターナーとしてもテストされている。もしロースター入りできなければプラクティス・スクワッドの有力候補。

スピード : スピードのないレシーバー、という見方に本人は強く反発している。コンバインには招待されなかったが、大学でのプロ・デイでは4.41秒を出したと強調している。「僕のスピードについて、4.6秒級という見方ばかりされ、そのせいで全て(ドラフト指名)が影響を受けてしまったように感じている。スピードは僕のプレーの重要な部分だし、プロ・デイではそれを証明する必要があった」

白人レシーバー : 自分たちのような白人レシーバーが評価されるのは、ウェス・ウェルカー(NE)の大活躍のおかげだ、とスウェイン。「僕らのような選手たちがドラフトされたり注目されたりするのは、ウェス・ウェルカーのおかげだ。彼が台頭する前は、あのサンディエゴ州立の白人の子は誰だ、って感じだっただろう。彼のおかげで僕らの存在が認知されたと思う」

サンディエゴ州立大 : DEバジャ=ビアミラ(2000年5巡)の後輩にあたる。同大からパッカーズに指名されたのは、2005年のSマーヴィール・アンダーウッド以来3年ぶり11人目。パッカーズで80試合以上に出場した選手がCBウィリー・ブキャノン(在籍1972-78)、LBマイク・ダグラス(1978-85)、OGリッチ・モラン(1985-93)、そしてDEバジャ=ビアミラと4人もいる。中でもCBブキャノンはプロボウルに3回選ばれるなど、70年代パッカーズを代表する名選手の1人。LBダグラスはパッカーズの殿堂入り、OGモランはファーヴのデビューした1992年まで先発左ガードを務めていた。

2008年7月 7日

ファーヴ情報: パッカーズ側の選択肢

ブレット・ファーヴが本当に復帰を希望していると仮定して(じっさいそれを否定する報道はほとんど見られない)、パッカーズが取りうる4つの道を、Press-Gazette紙のロブ・デモフスキー記者が以下のように解説している。

1. 希望どおり復帰させる 

実現の見込みは薄い。あらゆる状況証拠からして、パッカーズはファーヴ抜きですでに前に進んでおり、ポスト・ファーヴ時代をすすんで受け入れている。マッカーシーHCらオフェンスのコーチたちはロジャース向きのオフェンスを作ってきているし、それよりさらにポスト・ファーヴ時代を歓迎しているのはトンプソンGMをはじめとした人事部門。自らが指名したロジャースの活躍を見たがっているし、今年はさらに2人もQBをドラフト指名した。

2. 解雇して自由の身にする 

前項で述べた理由により、ファーヴがあくまで復帰を望んだ場合には、これが現実的な選択肢となる。「ファーヴがすでに解雇を求めた」 「解雇を求めたがトンプソンGMが拒否」 「まだ解雇は求めていない」と相反する報道がなされている。過去にファーヴは「他のチームではプレーしたくない」と繰り返し述べてきたが、それらは全て引退する前のこと。パッカーズ側が自分を受け入れてくれないのなら、他チームでプレーする道を選ぶ可能性はある。 

3. トレードする 

パッカーズがタダで手放すことを望まない場合、この第3の選択肢がありうる。しかし「放っておけば解雇されてくるのだから」と相手チームが思えば、交渉が難航するかもしれない。ファーヴを手放す以上、トンプソンGMは比較的上位のドラフト指名権(たとえば2巡か3巡)を望むはずだが、わずか1年か2年しかプレーしない選手のためにそれだけの代償を支払うチームがあるかどうか。

ファーヴが復帰に本気になったとしても、新しいチームで新しいオフェンスを習得しなければならないことに、腰が引けるかもしれない。また、トンプソンGMには将来にわたって「ファーヴをトレードした男」というレッテルがつきまとうことになる。

4. 説得して現役復帰を思いとどまらせる 

パッカーズにとっては最善の選択肢のように思われる。こうすれば、「ファーヴを街から追い出した」と数多くのパッカーズファンの怒りを買わずにすむ。

なお、ESPNのビル・ウィリアムソンがファーヴの移籍先候補としてNFL全球団について検証し、現実的な可能性としてはレイヴンズとテキサンズとバッカニアーズだ、と結論している(記事)。 またPress-Gazette紙のマイク・ヴァンダーマウスはコラムの中で、ファーヴの周囲がトンプソンGMを悪者にしようとしていることを批判。「マッカーシーHCが現役続行を説得に行っただけでは不満で、『トンプソンGMが熱心でなかった』 と責めるのか。一体いつから、そこまで甘やかされなければプレーできない選手になったのか。プレーをしたいのにチーム側が望んでいないと感じたなら、持ち前の負けず嫌いを発揮して競争し、チーム側が間違っていたことを証明すればいいだけではないか」と述べている。

2008年7月 6日

ドラフト指名選手紹介 8: QBマット・フリン

7巡2位 | Matt Flynn | Quarterback | Louisiana State  | Senior |
6-2 (188cm) | 227lbs (103kg) | 40yds/4.80秒 | 1985年6月20日生 |

経歴 : テキサス州タイラー出身。高校では走れるQBとして大活躍し、4年時はパスで9TD、ランで12TDを挙げた。有力選手ひしめく同州でトップクラスのQBと評価されてニック・セイバン率いるルイジアナ州立大に進むが、不幸にも同期にジャマーカス・ラッセル(現OAK)がいた。3年間は控えに甘んじたものの、ラッセルが1年早くNFL入りした昨年先発QBに昇格し、同大をNCAA王座に導く活躍を見せた。オハイオ州立大とのBCSチャンピオンシップでも4TDを成功させ、優勝に貢献している。

2006年までの3年間はフィールドゴールのホルダーとして38試合に出場している。

Strengths : まずまずの肩の強さがある。フットワークがよくメカニックがしっかりしていて、リリースもクイック。ミドルレンジまでのパスのタッチがよくコントロールが正確。頭がよく、判断がしっかりしている。リーダーシップを含めた精神面は高く評価されている。40yds走のタイムではQBブロームに劣るものの、昨年215ydsを走って4TDを挙げるなど、実際のフィールドではけっこう足を活かしたプレーをしている。

Weakness : スケールの大きさを感じさせるものがなく、スターターの器でないと見られている。サイズが小さめで強肩ではなく、パスの正確性も「そこそこ」どまり。狭いところに合わせるタイミングも今ひとつ。プレッシャーをかわすクイックネスやアジリティに欠けるのか、ボールを持ちすぎてサックをくらう癖がある。先発経験が1年しかないため、相手ディフェンスの読みなど戦術眼にまだ未熟な点が多い。今オフに肩の手術を受けたのは減点材料だが、OTAやミニキャンプではすでに普通にプレーできている。

メンタル面 : ワンダーリックテスト26点はQBとしては平均的な数字。精神的にタフで気骨のあるタイプで、リーダーシップ、勝負強さといった"Intangibles"に優れた選手と見られている。

指名の経緯 : 事実上ロジャースの控えがいない状態でドラフトを迎えたが、2巡のQBブロームとあとはベテランのFA選手でまかなうだろう、という見方が一般的で、2人目のQB指名はやはり意外。「若手ばかりのQB構成でもかまわない」というマッカーシーHCのコメントが、強がりでなかったことが証明されたことになる。その後、パッカーズがドラフト前にQBダンテ・カルペッパーに$1ミリオンのオファーをして断られていたことが明らかになった。

フリンを指名した理由についてトンプソンGM。「我々はかなりマットを気に入っていて、それが7巡でも残っていたということだ。彼が残っていたのはとても驚いた。試合に強いタイプだ。ジャマーカス・ラッセルがいたために1年しか先発経験がないが、見れば見るほど我々は気に入ってきた。それにQBというのはデプスが重要なポジションだし、この3人がいればチームの助けになると思っている」

パッカーズにとって : 前述のように、一般的にはスターターの器ではないと見られていて、将来「頼れる2番手」に成長すれば十分だろう。キャンプの結果フリンの能力が物足りないと判断すれば、ロースター入りさせずに(昨年のように)QB2人体制をとる可能性もある。その場合はプラクティス・スクワッドの有力候補。

90年代にはドラフト下位指名からマーク・ブルネル、タイ・デトマー、マット・ハッセルベック、アーロン・ブルックスといった先発級QBを輩出したパッカーズだが、2000年以降はあまり成功していない。

控え期間の長さ : テキサス州の有力QBとして進学したものの、大学3年までQBジャマーカス・ラッセル(現OAK)の控えに甘んじた。しかし2005年シーズン末のボウルゲームでは、負傷欠場のラッセルに代わって初先発し、ランク9位のマイアミ大に40-3の大勝を収めている。初めてフルタイムの先発QBとなった昨年のLSUは、12勝2敗でみごと全米制覇。最後のBCSチャンピオンシップでも彼が4TDを挙げて優勝の原動力となっている。

3年間控えを務めた経験についてQBフリン本人は、「たしかにつらい状況だった。2003年にジャマーカスと一緒にLSUに入ったんだ。(先発はラッセルだったが)彼とは毎年タイトなバトルをしたし、大きな差があったとは思わない。そういった経験全てが将来の助けになると思いたい」と振り返っている。QBブロームと同期入団となったことについては、「ある意味で、僕とジャマーカスのいた状況と同じだね。お互いに切磋琢磨して、2人ともよりよく成長していけると思う」

肩の強さ : 「僕はアスレチックなプレーヤーだし、ほとんどのパスは投げられると思っている。大学時代にはストロングアームの持ち主でないと言われたけど、そりゃあジャマーカスが100yds投げるのを見れば、隣の僕は見劣りしてしまう」

ルイジアナ州立大 : LSU出身のパッカーズ選手といえばなんといっても殿堂入りFBジム・テイラー。しかしそれに次ぐ選手となるとDEアブナー・ウィンバリー(1950-52)の35試合出場が最多で、目立った活躍をした選手はいない。ドラフト指名は2000年7巡のRBロンデル・ミーリー以来で、フリンがパッカーズ史上10人目。移籍組ではSマーク・ローマン(現49ers)やDTケンドリック・アレン(現MIN)も同大の出身。

2008年7月 5日

ファーヴ情報: パッカーズ首脳からのコメントはなし

2008年7月 4日

ファーヴ情報: ブレット・ファーヴが復帰希望の噂

ブレット・ファーヴ現役復帰のこれまでで最大の噂が持ち上がった。ESPNのクリス・モーテンセン記者が情報筋の話として、「ファーヴはプレーしたいと願っていて、トレーニングキャンプ参加を望んでいる」と伝えたところから大騒ぎが始まった。Wisconsin State Journal紙も、「ファーヴ本人または代理人バス・クックが、過去数週のうちにパッカーズ側に復帰を打診したもののチーム側の反応は芳しくなく、最後は、(他のチームでプレーするための)解雇をファーヴ側が求めた」とする情報筋の話を伝えている。

マッカーシーHCもトンプソンGMもみなバケーションに入ってしまっているので、球団首脳からのコメントは全くなく、広報から「パッカーズからのコメントはありません」という一言だけ。

これまでの噂ばなしと違ったのは、ファーヴ家の人々がウィスコンシンのテレビ局のインタビューに答えたこと。ファーヴの兄スコットは、「本人がどうするつもりかはわからない。でもキャンプの時期が近づいてきているし、その気になってもおかしくはない。復帰の可能性は50-50だと思う。能力的にまだプレーできることに疑問の余地はない。体調はいいし、ちゃんとワークアウトもしている。だから、復帰しても僕は驚かない」と語っている。しかし「家族がファーヴに復帰を促している」とのESPN報道は否定し、「たしかに僕はまたプレーしてほしいと思ってるけど、彼には何も言っていない。またプレーするのを見たいという僕らファミリーの気持ちは彼にもわかっている。しかし全てはブレットしだいだ。彼がハッピーでないのならプレーしてほしくない」

いっぽうファーヴの母ボニータは、特にトンプソンGMへの恨み言とも思えるコメント。「過去2年間、ブレットはパッカーズが本当は現役続行を望んでいないような印象を持っていました。誰もはっきり口に出して言ったのではないけれど、細かいことが積み重なって、彼らが無理に彼をキープしたいと望んでいないように思えることばかりでした。まるで『君はもう終わりだ』と言っているような」

代理人バス・クックは、「私の知るかぎり、現時点では、ブレット・ファーヴは引退しているし、そうでなくなったと本人から聞かされるまでは、そういう状態だ」

水曜の夜になって、ファーヴと親しいビロキシ・サン・ヘラルドのおなじみアル・ジョーンズ記者にブレット・ファーヴ本人からメールがあり、「すべては噂にすぎない。根拠のない話だ」と否定。

CBアル・ハリスはESPNのNFL Liveに出演し、家族の話を裏付けるような証言。「僕はブレットと連絡を取り合っているけど、彼がまたプレーしたい気持ちであることは知ってる。本当に復帰するどうかは僕にもわからない。しかしプレーしたい気持ちは知ってるよ。今の僕らのクォーターバックはアーロンだ。ブレットは引退したんだから。しかし復帰したいのであれば別に構わないという連中もいるだろう。僕は腕を広げて彼を歓迎するよ」

このESPN出演後にWisconsin State Journal紙からコメントを求められたCBアル・ハリスは、「ファーヴと話したのはしばらく前のことだ。今の季節になれば、引退しようと現役であろうと、プレーしたい気持ちは出てくるものだ。彼がどうするつもりかは僕にはわからない。すべてブレットしだいだ。でも本当にプレーしたいのなら、プレーすべきだよ。他のチームでプレーする彼の姿を思い描けるか? いや、想像できないね。彼自身もきっとそうだろう。でもありえない話じゃない」

ESPNのモーテンセン記者はNFL関係者の話として次のようなコメントを載せていて、口ぶりからしてパッカーズ関係者であることを匂わせている。「ブレットがパッカーズに正式な復帰希望を提出すれば、チーム側はその通りにするか解雇するしかないが、それは推測に過ぎないし、そこまでは行かないと思う。我々はブレットの名声を大事に思っていて、彼もそうだと思うし、我々はそれを守りたい。ブレットの立派な人柄からして、球団側に決断を迫るところまで押すことはないだろう。彼は正しい行動を取る(復帰しない)と思う。こういった状況はだいたい予想できたことだ。シーズンが近づけばブレットがプレーしたくなるだろう、ということはね」

いっぽう、クリス・モーテンセンの誤報歴を指摘する記事もあり、「ヴィックは起訴されない見通し」 「イーライが4週から6週欠場」などと報じた過去の失敗の数々をあげつらっている。

2008年7月 2日

Notebook: LBバーネットの司法手続き完了

2008年7月 1日

ドラフト指名選手紹介 7: OTブレノ・ジャコミニ

5巡15位 | Breno Giacomini | Tackle | Louisville  | Senior |
6-7 (201cm) | 303lbs (137kg) | 40yds/5.20秒 | 1985年9月27日生 |

経歴 : マサチューセッツ州モルデン出身。ブラジル移民の息子なので中学まではサッカーをプレーし、長身を活かしてフォワードやキーパーをしていた。高校時代はDEやLBとしてプレーし、高校3年目はフットボールを休んでバスケットボールで平均21得点(リーグ2位)の大活躍も見せている。ルイヴィル大に進むと1年目は控えTE兼OT、2年目はTEとして13試合に出場し、先発も2試合。3年目は左タックルとして2試合先発など両OTおよびセンターをプレーした。

4年目の昨季ようやく先発右タックルに定着し、QBブローム率いる全米6位(1試合平均488yds)の強力オフェンスに貢献した。ビッグ・イースト・カンファレンスの2ndチームにも選出されている。

Strengths : サイズに恵まれ、しっかりヒザを曲げてパスプロできる。まずまずのクイックネスでアウトサイドのパスラッシャーに対処できる。競争心が強く、ホイッスルが鳴るまで頑張る。体重242ポンドのTEとして入学し、TEと両OTを行ったりきたりしてきたので、伸びシロはかなり残っているはず。40yds走はそこそこだが、10ydsまでならOT中トップタイムで、20ydsシャトルや3コーンドリルも優秀。

Weakness : NFLの速いパスラッシャーを相手にするにはクイックネスやアジリティに欠けるので、LTよりRT向きか。ブルラッシャーをスローダウンさせるハンドパンチがなく、懐に入られて押し込まれやすい。タックルをプレーするにはアスレチック能力に欠け、ガードをプレーするには馬力やタフネスに欠ける、という評も少なくない。経験が浅く荒削りなので、NFLで一人前になるには手の使い方やフットワークなどテクニックを磨く必要がある。

メンタル面 : タフで激しいメンタリティの持ち主。ワンダーリックテスト24点はOLとしては標準的な数字。前回のOGジョシュ・シットンと同じく、飲酒運転で逮捕歴がある。今年のルーキーの中では最もよく喋る外向的な選手で、記者の側からすると面白いコメントが取れるありがたい選手らしい。

ライバルのケンタッキー大との試合前、敵地のファンに対して中指を立てる事件を起こしたことがある。公式に謝罪を行い、ヘッドコーチからの処罰(公共奉仕とダッシュ何本か)を受けた。「僕の過ちだった。二度とあのようなことは起こさない。ライバル校との試合で、気合が入りすぎてコントロールできなくなったしまった。僕は激しいタイプで、喋るのも大好きだ。どんどん声を出してチームを盛り上げるのが好きだけど、口だけの人間じゃない。言葉を実証することでリーダーシップを示す方だ」

パッカーズにとって : 先発の左右両タックルが30歳を過ぎたため、そろそろ後継者を考えるべき、という見方が一般的だった。4巡のシットンは大学では右タックルだったがパッカーズではガード専任、こちらのジャコミニは右タックルの控え候補となるようだ。

ドラフト直後のキャンペンOLコーチの話では両サイドをやらせてみるとのことだったが、入団からここまでは右タックル専門でプレーしている。先発OL5人(LGはバーバーとする)に加えてLGカレッジとRGシットンまで開幕ロースター入り確実と見られている。OL9人枠とすれば、あと2つの枠をこのジャコミニ、C/Gコストン、OTモール、OTトンプソンらで争うことになる。

長身OT : 長身の右タックルといえば、2003年6巡指名入団のOTブレナン・カーティン(ノートルダム大)はケガにも悩まされてモノにならず、1試合も出場できないままNFLから姿を消した。一般に長身すぎるOL選手は、たとえ直線スピードが速くても成功しないことが多く、スカウトから敬遠されやすい傾向がある。ジャコミニはOTAやミニキャンプで軽いフットワークを見せていてなかなか評判がよいものの、現状ではランブロッキングの迫力に欠けるようだ。これまでの経験則から、やはり長身すぎるのがマイナスに働くにでは、と懸念する声は消えていない。

元タイトエンド : 高校ではDEやLB、大学に入ってTEにコンバート、やがてOT兼任となり、3年目は代役左タックルやセンターを務め、4年目の昨季初めて先発右タックルに定着した。大学入学時は242ポンドだったが、昨年は303ポンド。それでも身長からすると線が細すぎるので、馬力をつけることが大事になるだろう。タイトエンドとしては通算パスキャッチ4回19yds・1TD。

「彼は元タイトエンドで、今もまだ大型ラインマンに成長しつつあるところだ。デカい骨格、デカい脚、非常にアスレチックだ。秋にルイヴィルに見に行ったとき、他の選手たちも全て見たが、彼はスタッフから非常に賞賛されていた。あの競争心の強さもいい」とトンプソンGM。

イタリア系ブラジル経由 : コテコテのイタリア系の姓名だが、まず曽祖父がイタリアからブラジルに移民し、そして両親がブラジルから合衆国に移民し、その1年後に彼が生まれたとのこと。父は191cmの長身サッカー選手で、母は173cmのバレーボール選手だった。親戚の住むマサチューセッツのブラジル系の多い街に移民し、父はビルのメンテナンスの仕事、母は掃除婦として5人の子供たちを育てた。ポルトガル語の家庭だったため、ジャコミニが小学校に入るときには英語の補助クラスも受講したという。

ブラジル系のNFL選手はジャコミニが初めてなのかどうか、NFL本部も確認できていないとのこと。

ルイヴィル大 : 2巡のQBブロームのチームメイトであり、RGジェイソン・スピッツの2年後輩でもある。パッカーズがルイヴィル大の選手を指名するのはRGスピッツ以来2年ぶり、QBブロームが6人目でOTジャコミニが7人目となる。その他にルイヴィル大といえば、QBダン・マリーノ時代のドルフィンズで活躍(プロボウル5回)したWRマーク・クレイトンが、1993年に1年だけパッカーズでプレーしている。2002年にセインツから高額FA移籍して失敗に終わったDEジョー・ジョンソンもルイヴィル大。