グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2008年7月26日
毎年恒例のグリーンベイ・パッカーズ株主総会が開催され、9375人もの熱心な株主がランボーフィールドに詰めかけた。以前は近くのレシュ・センターで行われていたが、増える出席者を収容しきれなくなったため、2006年からはランボーフィールドの東側スタンドを利用して屋外で行われている。(写真集1・写真集2)
ファーヴ問題で紛糾することも心配されたが、もともと首脳陣の報告の際には質疑応答は行われないため、一部でブーイングが起きたほかは大きな混乱はなかったようだ。例年どおり、総会が終了してからマーフィ社長とトンプソンGMがスタジアム内のアトリウムで、取り囲んだファンからの質問に答えたり、サインや記念写真に応じるセッションがあった。
- マーク・マーフィ社長が冒頭のスピーチ。手話通訳もついている。
- ファーヴ問題が論議を呼んでいることに言及すると、数人のファンから "Bring Back Brett"の連呼があり、対抗するように声援も起きたが、それを除けば会場は比較的平静だった。
- 「今は非常に微妙な状況で、この球団に長期的な影響を与えることになるだろう。ブレット・ファーヴのことはフットボール上の決定だが、私も密接に関わっていて、みなの意見は一致している。我々はブレットに対してフェアでありたいと思っているが、同時にグリーンベイ・パッカーズの利益となるよう最善を尽くしたいと望んでいる」
- スムーズにCEOを継承できたことをボブ・ハーラン名誉会長に感謝。ハーラン名誉会長には大きな拍手が送られた。
- テッド・トンプソンGMがマーフィ社長から紹介されて壇上に上がると、中にはブーイングもあったが、拍手を送るファンが大多数だった。報告は30分ほど。
- 「我々はファミリーだ。ファミリーというのは時に意見の衝突があるものだ」とファーヴ問題に言及。「誰にとっても困難な時を迎えている。非常に複雑な問題だが、我々の最重要目標は、球団として正しい道を進むことだ」
- 席上でトンプソンGMは、LBブレイディ・ポピンガと契約延長を結んだことを明らかにした。
- RBライアン・グラントとの契約交渉が進行中だが、長期的に見て大きな問題とはならないと考えている、とのこと。
- NFLヨーロッパ枠がなくなったことでキャンプ中のロースターが80人に減り、その人数でキャンプ練習をこなしていくには、自分たち人事部門がケガ人に備えることも必要になる。「今年のキャンプではケガ人を出さないとマイク(マッカーシーHC)が約束してくれたが」とジョーク。
- 各ポジションについてひと通りの現状報告。QB陣の話の際にはファーヴには触れなかった。
- 「今後も、内側からのチーム作りに注力していきたい。我々が目指すのは勝つこと、いま勝つこと。それは昨年もここで述べたとおりだ。昨年の成績を誇りに思ってはいるが、我々は満足していない」
- マイク・マッカーシーHCも15分ほど報告を行ったが、ファーヴ問題への言及は避けた。
- 「大きな成長を果たしたシーズンだった」と昨季を振り返り、NFL2位のオフェンスばかりでなく、ディフェンスにも喝采を送ってほしいと求めると、スタンディングオベーション。躍進を遂げたスペシャルチームにも、と求めると、再びスタンディングオベーション。
- オフシーズン・プログラムの成果を強調。「よくあるようなポジティブな嘘っぱちを並べるつもりはないが、我々は素晴らしいオフシーズンを過ごした。前向きなエネルギーがチームじゅうに満ちている。しかしやるべき仕事はまだたくさん残っている。大事なのはワールド・チャンピオンを勝ち取ることだ」
- 話し終えたマッカーシーHCは(その後のスピーチを聞かず)ポディウムを降りると、拍手を浴びながらさっそうと選手入場トンネルから退場。「こうしている暇はない、私は2008年シーズンに取り掛からねば、という明確なメッセージが伝わってきた。そういう台本だったのかもしれない。とにかく見事だった」と感想を記した記者も。
- 来年以降のトレーニングキャンプ会場を、屋内練習場の反対側にあるレイ・ニチキ・フィールドに移すことを検討しているとジェイソン・ウィード副社長が明らかにした。交通量の多いオナイダ・ストリートに面しているクラーク・ヒンクル・フィールドは安全面の問題があり、レイ・ニチキ・フィールドなら周囲に観覧席を増やすことも可能になるため。
- 財務担当のヴィッキー・ヴァンイーブンホーフェン副社長からは、経常経費が20%もアップして過去最高の$220ミリオンとなり、利益を圧迫していることなどを報告。内容は先月のリポートのとおり。
- 総会終了後ランボーフィールドのアトリウムでは、球団首脳を囲んでファンが自由に質問したりサインをもらえる恒例のセッション。
- トンプソンGMはおそらく混乱を避けるため、1時間以上経って人数が減ってから登場したが、あっという間にファンやメディアに取り囲まれた(写真)。
- トンプソンGMに近づいた大半のファンは、「100%支持している」 「こうするより他ないよ」 「素晴らしい仕事をしてくれてる。今後も頑張って」と励まし、サインをもらったり写真を撮ったり。
- 「ブレット・ファーヴはもっと尊重されるべきよ!」と、離れたところから女性ファンが叫ぶと、別のファンが「彼は引退したんだ!もう乗り越えろよ!」と怒鳴り返す場面も。トンプソンGMに「チームに復帰させない理由を説明して」と礼儀正しく質問したファンもいたが、「わたしの顔さえ見ず、ちゃんと答えてもらえなかった」と不満をあらわにしている。
- 「今日はその件はお話しできない、と私は言っているだけなんだ」とトンプソンGM。
- この日はエルヴィスの扮装をしたファンも登場した。しかもチーズヘッド。 「正直、今日はテッド・トンプソンにとって厄介な日になると思うぜ。 Favre is King. 」と宣言し、意気揚々と会場に乗り込んでいった。
- 株主総会後の記者会見でマーク・マーフィ社長は、開幕戦に予定されていたブレット・ファーヴの永久欠番セレモニーをいったん保留とすることを発表した。ファーヴ本人が現役復帰の希望を表明した以上、当然の措置だろう。