フルパッド練習の予定だったが、直前でマッカーシーHCがノーパッド練習に変更した。最高気温31℃とグリーンベイの晩夏としてはかなり暑い1日となった。
2連休明けのフルパッド練習は2時間23分にわたる熱のこもった内容となった。残る公開練習はこの日を含め3回だけ。
この日の会見でマイク・マッカーシーHCが、「フィラデルフィア(開幕戦)での先発左ガードはダリン・カレッジ」と明言した。先週ブライアン・ブラガが股関節屈筋を痛め、開幕までに実戦で逆転する見込みがなくなってしまったためだ。コルツ戦を欠場したブラガはこの日も練習を見学、プレシーズン最終戦の出場も微妙だ。いっぽうダリン・カレッジは「追い込まれると強い」という不思議な特性を今年も発揮、ミスの少ない安定したプレーを続けている。
記者からHC発言を聞かされたLGダリン・カレッジは、「そりゃすごい。そもそも僕がスターターじゃないなんて知らなかったし」と切り替えし。ブラガの先発昇格を確実視していた世間を皮肉ってのことだろう。「僕はスターターとして練習を続けていたし、ブラガが元気であろうとなかろうと、スターターを明け渡すつもりはなかった。今年は自分のキャリアでも最高のキャンプだと思う。先日のコルツ戦は、プレシーズンとしてはたぶん僕にとって過去上位クラスの内容だった」
敗れたとはいえT/Gブライアン・ブラガは、8月9日に初めて左ガードに挑戦し、プロ5年目のカレッジと遜色のないプレーができたのだから立派だ。「一流の左タックルになれるかはまだわからないが、ガードならプロボウル級になれるのは間違いない」と地元記者たちは口を揃えている。「ブライアンは少ないプレー機会で進歩してきていたが、ケガをしたら戦力にはなれない。私は(カレッジのいる)1stチームOLの働きに満足している」とマッカーシーHC。
今年T/Gブラガに先発のチャンスが来るとしたら、LTクリフトンかLGカレッジが負傷または不振に陥った場合となる。「僕が選ばれなかったことはがっかりだけど、ケガしてしまったからね。当然の成り行きだ。どのポジションを任されようと、チャンスを活かせるよう頑張るよ。ダリンは経験豊富で、すごく頭のいいプレーヤーだ。でも僕としても左ガードで自信を持ってプレーできている。2試合で1stチームに加わり、何も知らない新人、という感じは全くなかった」
31日の第1次ロースターカットを前に、パッカーズはまずWRショーン・ゴアの解雇を発表した。第1次ロースターカットでは80人いた選手を75人に絞ればよく、火曜午後4時(東部時間)の締め切りまでにあと4人を解雇することになる。
ショーン・ゴア Shawn Gore はカナダのトロント出身。CFLドラフトでも全体10位指名を受けている。今春パッカーズのルーキーミニキャンプにトライアウト参加して正式契約を手に入れたが、トレーニングキャンプではまったくよいところを見せられず、デプスチャートの最底辺に甘んじていた。今夏のパッカーズはWR陣にケガ人が少なく、プレシーズン最終戦(主力組は早く引っ込む)をまかなうのに十分なので、一番下のゴアがまずカットされたのだろう。
外国出身選手といえばもう1人、オーストラリア人のPクリス・ブライアンがPティム・マステイと熾烈なパンター争いを続けている。キャンプ練習ではややブライアン有利の展開だったが、実戦での安定性でマステイが逆転した印象。コーチの口ぶりではまだ未定のようなので、決着は最終戦までもつれこむことになりそう。パンターに悩んでいる球団が複数あるので、パッカーズで敗れた方もそちらでチャンスがある、と見る向きも。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Cots (0-3) | 10 | 7 | 7 | 0 | 24 |
Packers (2-1) | 7 | 21 | 10 | 21 | 59 |
天気は晴れ、気温22℃、湿度52%と申し分のない気候。4000ydsパサー同士の対戦とあって、試合は序盤から点の取り合いに。パッカーズはいったん7-17とリードを許したが、そこからは一方的なGBペースとなった。先発組が28-17とリードして退いたあと、控えQBたちもこれまでになく好調。QBロジャースで21点、QBフリンで17点、QBハレルで7点、カバレッジチームのTDで7点、リターンTDで7点という大騒ぎだった。
先週と同じくディフェンスのスターター半分が欠場し、オフェンスではWRジェニングスとT/Gブラガが休んでいる。パッカーズの先発組は前半いっぱいプレーし、コルツの1stチームオフェンスは後半最初のシリーズまで出場。ケガ人は何人か出ているが、主力は大きなケガなく終えることができたようだ。
新人スターターのSSモーガン・バーネットが絶妙なインターセプトなど今夏最高のプレーを見せ、代役先発のDEマイク・ニールも力強いプレーで期待に応えた。ドラフト外のCBサム・シールズもスペシャルチームでの活躍とインターセプトで、同じくOLBフランク・ゾンボもサック&ファンブルフォースでロースター入りに前進。オフェンスではブラガ欠場の間にLGダリン・カレッジがよく頑張り、これで先発の座を固めたかもしれない。3番手WR争いではジェームズ・ジョーンズがリードを広げた。
昨年のパッカーズは絶好調のプレシーズンを過ごし、先発オフェンスは出場13シリーズで9タッチダウン、被サックはゼロ。スーパーボウル候補ともてはやされたのも無理はない。ところがレギュラーシーズンが始まると、ベアーズ戦での4被サックを皮切りに、前半8試合でなんと37被サック。ようやく立て直せたのはシーズン半ばのことで、地区首位ヴァイキングスには大差をつけられていた。この経験が、チームにもQBロジャースにもよい教訓になったのは言うまでもない。
「謙虚さを学んだ? そう、まさにその通りだね」とQBアーロン・ロジャースは振り返る。
「今年は違った雰囲気を感じる。去年とは違った種類の自信なんだ。今年のは本当の自信・・・成熟し、現実的な自信だ。去年は誰もがウチを優秀なチームだと言い、僕ら自身も 『そうだ、僕らはフィールドに出るだけでいい。プレシーズンを見てみろ、僕らを誰も止められはしない』 という感じが多少あった。まあそこまでひどくはなかったけど。でも今年はもっと地に足の着いた自信というかな、『ウチがよいチームであることはわかってる、でもそれを本番で実行してみせなきゃいけない』 という感じだ」
「第1週の相手がフィラデルフィアであることを決して忘れちゃいけない。彼らのディフェンスは変幻自在なフロントラインを使い、非常に力強いパスラッシャーがいて、彼らのシステムとスキームを打ち破るのは容易じゃない。毎シリーズで得点するなんてとても期待できない」
「僕らはミスを修正していかないと。先日は僕ら1stチームにとってメンタル・エラーやアサインメント・ミスが多すぎた。2ポゼッションで2タッチダウンだったけれど、ビッグプレーの成功がミスを覆い隠してしまったところがある。この木曜はしっかりやれるといいけどね」
「僕らはプレシーズンでつかんだのと同じようなリズムに乗れるよう、レギュラーシーズン序盤は努力することになるだろう。紙の上では、そうたしかに、僕らを止めるのは難しいように見えるだろう。しかし相手ディフェンスだって給料をもらってやっているんだ。僕らのやること全てに対応したゲームプランを必ず練ってくる」
今週唯一のフルパッド練習。さわやかな天気しかも午前10時45分からの練習とあって、2000人以上のファンが集まっている。
夕方6時半の練習もこの日が最後。レイ・ニチキ・フィールドの照明灯ともしばしのお別れだ。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Packers (1-1) | 14 | 3 | 0 | 10 | 27 |
Seahawks (1-1) | 7 | 7 | 7 | 3 | 24 |
気温23℃、やや空席の目立つクエスト・フィールド。第3Q途中で雨が降ってきた。パッカーズは1stチームオフェンス(2シリーズで2TD)がベストメンバーで好調をキープしているのと比べ、昨季のスターター8人を欠いたディフェンスはパス守備で苦しんだ。先週よりよくなったのはラン攻撃で、FBクーンとRBジャクソンが終盤に走りまくったおかげで逆転勝ちを収めることができた。
両チームとも1stチームオフェンスが好調で前半はほぼ互角の内容。GBの1stチームオフェンスは第1Qだけ、SEAは前半いっぱい出場した。ヤーデージ(421yds対272yds)で圧倒した割に得点が競ったのは、スペシャルチームの差でフィールドポジションが不利だったため。とくにSEAのPジョン・ライアンが素晴らしいパントを何度も決め、放出したパッカーズを見返している。パッカーズのケガ人はRBクイン・ポーター(足首)だけのようだ。
ウェストコーストオフェンスにおいては、エースWRをフランカーに、3WRセットならスロットに配するのが常道といっていい。スナップ前にモーションでき、スクリメージラインから離れるので相手CBのジャムを受けずにリリースでき、フィールド中央に近いので相手の動きを察知しやすく、サイドラインから遠いぶんルートの幅が広く、QBにプレッシャーがかかったときのホットレシーバーにもなりやすい。だから、もっとも能力が高く、戦術眼に優れ、QBと瞬時の意思疎通ができる優秀なレシーバーがスロットに入るものだ。
マイク・ホルムグレンがパッカーズにウェストコーストオフェンスを導入して以来、スターリング・シャープ、ロバート・ブルックス、アントニオ・フリーマン、そしてドナルド・ドライバーが担ってきた(1例)その花形ポジションに、今夏は異変が起きている。ドライバーの独占ではなくなり、WRジェニングス、WRネルソン、WRジョーンズ、それにTEフィンリーがかわるがわるスロットに入っているのだ。WRドライバーに衰えは見られないので、若手が信頼できるレシーバーに育ったこと、それに戦術的な自由度を増すことが大きな理由だ。
WRドライバーはこの変化をポジティブにとらえている。「1人の選手が1人のポジションじゃなくなった感じだ。レシーバーを散らし、全員にオープンになる機会を与えるやり方を始めている。僕はこれまでいつもスロットに入ってきた。相手としては、誰が何をするか予想がしやすいよね。でも今は、グレッグ(ジェニングス)と入れ替わってアウトサイドに行ったり、ジャーマイケル(TEフィンリー)がフランカーになって僕がスロットに戻ったり、選択肢がたくさんある」
ジョー・フィルビンOC。「スキームを大きく変えることなく、選手たちを違うスポットに動かせれば、それはこちらのアドバンテージになる。相手としては、80番(ドライバー)がスロットに入ればこうするだろう、88番(フィンリー)が入ればこうするだろう、とオーディブルで対応できた。それを変えることで有利な状況を生み出せれば、というのが我々の意図だ」
スロットでのプレーを最も望んでいるのはTEフィンリーだろう。昨季は、レシーバーに入ったプレーのうちスロットはわずか25%だった。「スロットならクイックなCBを相手にせずにすむしね(CBは両WRに、フィンリーにはセーフティがつく)。それが僕の望みだ。ボールが来るのはスロット。A-Rodもスロットに投げるのが大好きだし」
WRグレッグ・ジェニングス。「僕らは固定したポジションをやめたいんだ。以前は、ハドルを解いたら僕が左に、ドナルドが右に行くと相手もわかっていた。それをわからなくしたい。すごくフレキシブルになるのは間違いないよ。いつも同じフォーメーションで各自が同じポジションに入っていたら、選択肢が限られてしまうから」
休日明けのこの日は朝がフルパッド、夕方はノーパッド練習だった。1日2回の練習は今日が最終日となり、今後はレギュラーシーズンに近いスケジュールとなっていく。
朝8時に16℃という肌寒さ。夕方はフルパッド練習の予定がノーパッドに変更されている。
午後のフルパッド練習。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Browns (1-0) | 14 | 7 | 0 | 6 | 27 |
Packers (0-1) | 7 | 7 | 7 | 3 | 24 |
天気は晴れ、気温は28℃。序盤にファンブルロストなどで失点を重ねたパッカーズは、QBロジャースの活躍で同点に追いついて後半へ。第4Qにはいったんリードするが、2ミニッツに入ったところでKドーソンが58ydsの同点FGを成功させ、最後は終了と同時に46ydsFGが決まってしまいサヨナラ負け。
さいわい主力組に目立ったケガ人はなかった。ブライアン・ブラガはLGとLTを両方プレーし、安定したプレー内容。2巡指名のDEマイク・ニールも光るものを見せた。3番手を争RBうポーターとRBランプキンも悪くない働きだった。スペシャルチームはCBサム・シールズがファンブルロストを犯すなどリターナー陣が散々の内容で、カバレッジミスや反則も目立った。
第1Q
ブラウンズは先発QBデロームが次々とパスを通し、4thダウン1のギャンブルもノーバック隊形からWRマッサクワにパス成功。最後はRBハリソンが4ydsTDラン。パッカーズがいきなりRBグラントのファンブルでボールを失うと、ブラウンズは2番手QBウォレスが左に逃げながらエンドゾーン左奥のWRロビスキーに13ydsTDパスを通すスーパープレーを決め、あっという間に14点差に。
QBロジャースはTEフィンリーへのパス2回とWRジョーンズへの13ydsパスなどで得点圏に進み、最後はWRジェニングスへ25ydsTDパス成功。ディフェンスはOLBポピンガの好パス守備で3&アウト。QBロジャースからFBホールへの14ydsパス、WRジェニングスへの見事な34ydsパスでレッドゾーンへ。
第2Q
RBジャクソンへの11ydsスクリーンパスでゴール前に迫り、FBクーンの2ydsTDランで同点。QBウォレス率いるブラウンズはWRロビスキーへの13yds、FBヒリスへの26ydsスクリーンパスなどでレッドゾーンに進み、TEワトソンに20ydsTDパス成功。QBロジャース最後のシリーズはWRドライバーへのパスで1stダウンを取ってパント。
ブラウンズは新人QBコルト・マッコイ、パッカーズは2番手のQBフリンが登場(OL陣も2ndチーム)するが、どちらも3&アウト。ブラウンズはQBスクランブルで1stダウンを取った後パントとなるが、リターナーのCBシールズがファンブルロスト。自陣でのピンチに、CBアンダーウッドがエンドゾーンへのパスをインターセプト。GB攻撃は残り28秒で得点圏に進めず、ヘイルメリーもエンドゾーンに届かずインターセプト。
第3Q
パッカーズはRBポーターの8ydsランやWRジョーンズへの22ydsパスのあと、エンドゾーンでパスインターフェアをもらい、RBランプキンが1ydsの同点TDラン。ブラウンズはまたもQBスクランブルで1stダウンを取るがそこまで。パッカーズは自陣1ydsからRBランプキンのランなどで2回1stダウンを取ってパント。直後のプレーでSマーティンがインターセプト。
第4Q
パッカーズはRBランプキンの12ydsランが出るが、ファンブルと反則とサックでFG圏内から出てしまう。ブラウンズは4番手QBラトリフが出場するが3&アウト。パッカーズは3番手QBハレルが登場、RBポーターのラン中心に時間を使い、33ydsFG成功で勝ち越し。ブラウンズはRBデイヴィスのランで1stダウンを取ってパント。
パッカーズはホールディングが響いて3&アウト。ブラウンズは2ミニッツ明けにTEアレックス・スミスへの23ydsパスでGB陣に入り、4thダウンはギャンブルせず、Kドーソンがなんと58ydsFGを成功させて同点。残り1分22秒、QBハレルは得点圏に進めず3&アウトに終わり、スペシャルチームのミスと反則で、残りちょうど1分、CLE陣46からブラウンズの攻撃。QBラトリフはギャンブルも成功させてGB陣に進み、WRアレンへの12ydsパスで残り02秒。終了と同時にKドーソンが46ydsFGを成功。
木曜のキャンプ練習を訪問したのはアンナ・シュミット13歳。パッカーズは慈善団体Make a Wishに協力し、そのささやかな夢を叶えられるよう、難病に苦しむ子供たちを数多く受け入れてきた(2004年の記事も参照)。今回アンナは家族でランボーフィールドや練習フィールドを見学し、QBアーロン・ロジャースら選手たちとの交流を楽しみ、週末のプレシーズンゲームにも招待されている。
アンナの体に異変が起きたのは昨年の12月だった。「胃の痛みを訴えたアンナを病院に連れて行くと、拡張型心筋症という難病だと診断されたんです。投薬治療を行うが、いずれは心臓移植が必要だと」と父ブライアンは振り返る。1月からは左心室を助けるため補助ポンプをつけて自宅療養していたが、何度も大きな発作が起きた。血液凝固(クロット)のために脳内出血を起こして右半身が麻痺し、見ることも話すことも歩くこともできなくなった。出血と頭蓋内圧を下げるための手術を受けなければならなかった。
絶望的な状況にあった一家に朗報が訪れたのは3月29日のこと。適合するドナーが現れたとの連絡を受けたのだ。翌30日、15時間にわたる手術はぶじ成功した。歩くことや話すことをゼロから学びなおさなければならなかったが、回復ぶりはめざましく、右手の機能回復にやや時間がかかっていることを除けば、心身ともに100%に近い。なんとか勉強も追いついて再び8年生に加わることができた、と父ブライアンは喜びを語る。
そしてパッカーズ訪問の夢がかなったこの日。アンナはランボーフィールドじゅうを案内されたあと、チームのハドルにも加わった。練習が終わるとQBロジャースがアンナの自転車に乗り、彼女はロジャースのヘルメットを抱え、2人で親友のようにおしゃべりしながらスタジアムまで戻った。チームのダイニングルームでロジャースと1時間かけてランチを楽しみ、その間に彼がチームメイトを次々と紹介してくれた。CBアル・ハリスは長い間いっしょに過ごしてくれて、RBライアン・グラントやKメイソン・クロスビーたちもサインをくれた。「ドナルド・ドライバーはその朝はオフだったのに、アンナと過ごすためにわざわざ来てくれた」と父ブライアン。
「バレーボールとソフトボールは今後も続けたいと本人は言っています。あのつらい日々を振り返ると、私たちは本当に幸運でした。アーロン・ロジャースとの別れ際に、『幸運を祈ってるわ』 とアンナは言いました。『新しい心臓をもらった日がわたしの人生で最高の日だった。でも今日はそれに近い2番目だ』 って」
朝夕の2回練習。どちらもフルパッド練習の予定だったが、夕方はノーパッドに変更、時間も短めだった。
昨季オフェンス・ディフェンスとも好成績を残したパッカーズにとって、リーグ最悪を争うスペシャルチームが最大の弱みなのは衆目の一致するところ。「このチームが能力を発揮するためには、スペシャルチームが進歩することが必要だ。すべてが噛み合ってくるまでにまだやるべき仕事は多いが、私は最初のスクリメージでの結果に満足している」とショーン・スローカムSTコーチ。
マイク・マッカーシーHCは、今キャンプでのスペシャルチーム強化を次のように説明し、よくあるかけ声だけではないことを強調している。「たぶん1回の練習(2時間から2時間半)のうち、スペシャルチーム練習を平均10分増やしているはずだ。1回の練習のうち10分のスペシャルチーム・ピリオドが2回、というのが普通だった。今は、15分のピリオドと10分のピリオド、そして全体練習終了後に5分間のピリオドを設けている」
具体的な取り組みについてショーン・スローカムSTコーチ。「いいかい、我々はこれまでより多くの時間、かなり多くの時間を費やしている。それにミーティングの時間も増やしている。もっとも重視しているのは、基本技術向上のための時間を増やすこと。オフェンスやディフェンスのポジション練習と同じことだ。ブロッキングでは相手の体の内側に手を置くことに大きな力点を置いている。そうすることはホールディングやイリーガルブロックの反則を避けることにもなる」
◆ ◆ ◆
マッカーシーHCはパンター2人の争いがプレシーズン最終戦までもつれこむ可能性も認めている。「ファミリーナイトのスクリメージでは、ウチには才能あるパンターが2人いることを証明してくれた。彼らは照明灯の下で、実戦に近い状況での最初のテストに合格した。2人とも内容は非常によかったと思う。しかし本当のテストは今週末のクリーヴランド戦だ」
スローカムSTコーチ。「彼らのパントとフィールドゴール・オペレーション(ホルダー役)を、プレシーズンを通してしっかり見極めることが重要だ。ホルダーについて言えば、1人が連続してホールドを続け、メイソン(Kクロスビー)との組み合わせで慣れるのが理想的だ。パントについて言えば、こちらは試合前に計画が立てやすいが、パント機会の回数にもよるからね」
◆ ◆ ◆
キックオフリターナーについてスローカムSTコーチ。「我々のキックオフリターンチームの組み立てから言うと、ランニングバックが体つきの点でも完璧にフィットする。ヒットを受けてもバランスを保ち、密集を抜けていくことに彼らは慣れているからね。ブランドン・ジャクソン、彼はリターナーとして成熟してきている。チームに来て長いし、我々が求めているのが何かをよくわかっている」
「CBサム・シールズとRBクイン・ポーター、彼らもたしかに候補だ。どちらも走る能力が高いし、ただキャッチングを向上させる必要がある。このキャンプを通じて、2人とも急ピッチで進歩してきているのが私にも見て取れる」
今キャンプでは、パスラッシュのエースであるOLBクレイ・マシューズを左サイドに移したことが注目されている。3-4のアウトサイドLBを逆サイドへコンバートするのは、パスラッシュの仕事が多いこともあって、決して容易ではない。今回のコンバートについてドム・ケイパースDC。「私の見たかぎりでは、クレイに悪影響は出ていないようだ。彼は左アウトサイドラインバッカーが自然だと私は思う。彼は左右どちらもできる。頭がいいし、右利きなので、左からのパスラッシュの方が右手を使いやすい」
「左サイド起用は、クレイが入団したときから私が考えていたことだ。1年目は右サイドをずっとやらせたが、永遠にやらせると決まったわけではない。こちらがその気になれば、いつでもサイドを変えられる選手だ」
「(どこから来るかわからなければ)相手にとってターゲッティングの問題が生じる。クレイとカレン(DEジェンキンズ)を同じ右サイドに並べれば、相手はプロテクションをどうすべきか定めやすい。2人をいろいろな場所に動かすスキームがあれば、それだけこちらは有利になる。彼ら2人がウチのトップ・ラッシャーであるのだから、いろいろな場所からラッシュさせる努力を続けなければならない」
朝夕の2回練習。朝はノーパッド練習で、ベテラン選手の多くが休養を与えられている。
WRドナルド・ドライバーが先日結んだ新契約は、今年を含めた3年間で$16ミリオンほどであることが判明した。契約ボーナスがないので、来年サラリーキャップ制が復活した後であっても、解雇の場合のキャップへの痛手は全くない。今年のサラリー総額は契約前よりも$20万ドル増え、ベースサラリーをロースターボーナス(契約直後に受け取ったはず)に変えて一括で受け取ることで、(ドライバー側から見た)今季中の解雇のリスクを大幅軽減している。
新契約を結ぶ前の今年のサラリーは、$1ミリオンのロースターボーナス(春に獲得済み)、$20万ドルのワークアウトボーナス(獲得済み)、$4ミリオンのベースサラリー、試合出場ごとのロースターボーナスが計$1.8ミリオン、すべて合わせると$7ミリオンの予定だった。
新契約では、2010年の新ロースターボーナスが$5ミリオン、ベースサラリーが$1ミリオン。すでに獲得済みのボーナス(上記)を加えると計$7.2ミリオンとなる。2011年は$70万ドルのロースターボーナスと$4ミリオンのベースサラリー。2012年は$2.2ミリオンのロースターボーナスと$2.6ミリオンのベースサラリー。2年とも$20万ドルのワークアウトボーナス、さらにレシービング成績に応じたインセンティブも設定されている。
少しずつ力が落ちて行くとすると、2012年春に$2.2ミリオンを払うかどうかがチームにとって考えどころになるかもしれない。
午後1回だけのフルパッド練習。気温32℃のうえ風がなく湿度が高く、今キャンプで最も蒸し暑い日となった。ケガ人が多いこともあって、マッカーシーHCは2時間06分で練習を切り上げている。
ブライアン・ブラガは1巡指名入団以来左タックルだけをプレーしてきたが、この日は初めて左ガードもプレーし、ダリン・カレッジに代わって1stチームに入る場面もあった。カレッジの内容は悪くはないがよくもなし、しかもLTクリフトンが元気なので当面ブラガに先発のチャンスはなく、かといってベンチに置いておくのは惜しい、ということだろう。「これは先週考え始め、昨日スタッフと話し合って決めた。このチャンスは彼が自分で勝ち取ったものだ。左タックルについては、今後も彼が控えの一番手であり続ける」とマッカーシーHC。
「これはブライアンの実力の証だ。彼には才能があり、タフで、すべてを正しいやり方で行う。オフェンシブライン全体について言うと、これは私が就任して以来最も層の厚いグループだ。なるべく1つのポジションに専念させようと努力してはいるが、実際は難しいし、現実的でもない。もう一度言うが、これは彼が自分で勝ち取ったものだ。個人ドリル、グループドリル、そしてチームドリルとよくやっていたし、ファミリーナイトもそうだった。だから我々は彼に機会を与えることにしたんだ」
カレッジとの左ガード争いが予想されたジェイソン・スピッツだが、今のところインサイド3ポジションのユーティリティ的な控えにとどまり、左ガードよりむしろ右ガードの出番が多い。また、主に2ndチームの左ガードをプレーしてきたアレン・バーバーは今日は(ブラガと入れ替わって)左タックルに回っており、ポジション争いから完全に脱落した印象。カレッジを脅かすには程遠く、ファミリーナイトの内容も散々だった。
ブラガにとってLGはアイオワ大1年生のとき以来。「僕にとってはチャンスだ。LG争いのチャンスがもらえると聞いてうれしかった。それを活かせるよう頑張るよ。慣れる必要はある。いわば孤島に置かれる左タックルとは感覚が違うから。インサイドでは物事の動きがすこし速いし、スタントとかいろいろある。アジャストにはちょっと時間がかかるだろうけど、今日だけでもたっぷり経験ができた。思ったより早く先発のチャンスが来た? いや、いつ来るとはあまり考えていなかった。ただフィールドで頑張ってきただけだし、今後もそれを続け、結果を待つだけだ」
先輩選手たちが映画などでリラックスして休養日を楽しむなか、新人SSモーガン・バーネットに休みはなく、プレーブックにかじりついて日曜を過ごしている。新人セーフティの彼にとってディフェンス習得が至上命令であるうえ、SSビグビー(足首)の戦線離脱で開幕スターターが確実となり、プレッシャーは増す一方なのだ。「プレーブックにかじりつき、それから自分にクイズを出すんだ。知っておくべきことを完全に身につけられるようにね」
「僕、同室のCBサム・シールズ、あとSアンソニー・レヴィーンの3人はいつも一緒にいて、お互いにクイズを出し合うんだ。部屋で3人固まって、その日の練習で見たプレーやプレーブックの中のプレーについて、わからないことを質問することもある」
向上が必要なところは? 「正直言ってすべてだよ。今はまだ自分のアイデンティティを探して確立しようとしてるところなんだから。NFLには僕の知らないたくさんのパス・ルート、ルートの組み合わせ、対戦したことのないパーソネル・グループがある。学ぶべきことはすごく多い」
FSニック・コリンズについて。 「こちらからニックに質問をすることもあるし、僕の間違いに気付いた彼が直しに来てくれたり、ひとことアドバイスをくれることもある。『このプレーの場合はこうすべきだった』 っていう風にね。頻度? 毎日だよ。毎日そうしてくれてる。アドバイスをくれる人には僕は必ず耳を傾ける」
「他のDBたちとも馴染んできたところだけど、(フィールド上での)コミュニケーションはまた別のことだからね。僕はコミュニケートの仕方を学ばなきゃいけない。大声で意思を伝達し、自分がしたチェックに自信を持ち、セカンダリー全員の呼吸が合うように」
「僕はまだトレーニングキャンプの最初の1週間を終えたところで、まだ先は長い。いずれは必ず僕の出番が来る。今は苦労してその権利を勝ち取らないと。僕は毎日向上してるけれど、ディフェンスを習得したというには程遠い。やるべきことは山積みだよ」
第10回パッカーズ・ファミリー・ナイトがランボーフィールドで開催され、スクリメージ練習とさまざまなイベントを多くのファンが楽しんだ。観客が47,844人と昨年よりさらに少ないのは、(不況にくわえて)昨年雨で練習が中止になったのに払い戻しがされなかったのも一因ではないか、と地元メディアは推測している。
午後1回だけのフルパッド練習。これまで1週間、すべて屋外で練習できている。
キャンプを訪れているNFL審判団が新ルールまたは新解釈を解説している。
契約最終年を迎えていたWRドナルド・ドライバーが2012年まで2年の契約延長にサインした。金額は不明。契約が切れる2013年春には彼は38歳になっている。「格別のうれしさだ。キャリアを通じてグリーン&ゴールドを着られるなんて滅多にないし、偉大な伝統のある球団で現役を終えられるのは素晴らしいことだ。妻は 『グリーンベイを離れたくない』 と口癖のように言っているし、僕もそう言い続けてきた。この球団でキャリアを終え、いつの日かパッカーズ・ホール・オブ・フェイムに入れたらと願っている」
「昨季が終わったところで球団と話し合い、契約延長をまとめようということで合意した。そのとおりになって、これで僕はパッカーとして引退できる。長い間夢に見てきたことだ。妻も子供たちも大喜びしている。さっき家族と一緒に上の階(球団事務所)に行って契約にサインしてきたんだ」
プロ12年目のドライバーはすでにパスキャッチ回数(647)で球団史上1位、レシービングyds(9050)もジェームズ・ロフトン(9656)に次ぐ2位。34歳の昨季も70回1061yds・6TDを挙げ、キャリア7回目(球団史上最多)の1000ydsシーズンを達成している。(通算スタッツ)。
ドラフト7巡指名入団から4年目でスターターの座をつかんだ彼は、2002年、2006年、2007年、そして今年と、実績に応じた金額を上乗せしつつ小刻みな契約延長を重ねてきた。オフも決して手を抜かない練習の虫であり、エゴを見せることのない理想的なチームメイトであり、慈善活動に熱心な模範市民。そのような選手には球団が必ず報いる、というメッセージを他の選手に伝える効果もあるのでは、と地元メディアは見ている。
休日明けの木曜日は朝夕2回ともフルパッド練習。朝8時台からスタンドは満員で、キャンプ開始からこれまでの観客動員が昨年を大幅に上回っているのは間違いない。夕方の練習は今夏最長の2時間45分だった。
SSアタリ・ビグビーが明日ノースカロライナで足首の手術を受けることをマッカーシーHCが明らかにした。復帰時期はわからないが、少なくとも開幕戦出場は絶望的で、PUPリストのまま開幕を迎える可能性もある(その場合、復帰可能になるのは第6週以降)。SSビグビー本人によると、大きなものではなく関節鏡手術にすぎない、今季絶望というようなことはない、とのこと。これで3巡ルーキーのSSモーガン・バーネットの開幕スターターがほぼ確実になった。
一般に、(ややこしい箇所のケガを除き)外部のドクターの診察を受けたり手術を受けたり、といった行為は、その選手の球団への信頼が揺らいだ証拠であることが多い。今回のSSビグビーも、契約問題でギクシャクした直後だけに、そのパターンがぴったり当てはまるように見える。しかも彼の代理人は、強引な手法で悪名高いドリュー・ローゼンハウス。パッカーズ側にとって、もともと契約延長する気のない選手だったのが不幸中の幸いだ。
朝の練習は今夏初めてのノーパッド。選手たちの疲労もピークに達している時期で、わずか82分で終了となった。夕方はふたたびフルパッド練習にもどり、小競り合いが頻発するなど大いに盛り上がった。
鎮痛剤コデインの大量不法所持事件において、DEジョニー・ジョリーが司法取引を受け入れ、当面は投獄をまぬがれることに成功した。これは"pretrial diversion plan"という手続きで、1年間トラブルを起こさずに以下の条件を満たせば告発は取り下げられる。160時間の公共奉仕、ドラッグをテーマにした講演をヒューストン地区で10回行い、ドラッグだけでなくアルコールも禁止され、アルコールを提供する場所への出入りも禁止、毎月のドラッグおよびアルコール検査、などなど厳しい条件が課せられている。
法的問題がいちおうの決着をみたことで、問題はNFLからの無期限出場停止処分だけ。仮に今季終了後にコミッショナーが処分を解除してくれたとしても(良い子にしていないと許してもらえない)、来春には無制限フリーエージェントとなるので、事実上これでパッカーズを退団となるのではないか。彼に限らず、出場停止処分中の選手は球団施設に入ることすら許されないため、フットボールを続けたければ独自にトレーニングをするしかない。もともと悪い友人たちに取り囲まれているので、NFLを離れてしまったら品行方正に暮らすこと自体が彼にとって容易ではない。
初日から4回連続のフルパッド練習というキツい日々。月曜日にもかかわらず2500人ものファンが集まっている。
キャンプ2日目は朝(8:45)と夕方(18:30)の2回、どちらもフルパッド練習。好天に恵まれたが湿度が高く、脚がつる選手が何人もいた。そのため夕方の練習は予定より10プレー早く切り上げた、とマッカーシーHC。
キャンプ最初の練習がレイ・ニチキ・フィールドで行われ、小雨にもかかわらず多くのファンがつめかけて選手たちに声援を送った。スタンドに2000人、スタンドに入りきれないファンが2500人ほど南北フェンス際に集まり、今季のパッカーズの期待度の高さを示している。これほどの盛り上がりは2004年以来、ひょっとすると1998年(連続スーパーボウル出場直後)以来かもしれない、とPress-Gazette紙。