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2007年1月31日
いまコーチ陣が進めている作業がセルフ・スカウティング。2006年シーズンに何がうまくいき、何がうまくいかなかったか、何を変える必要があるかをコーチ全員がそれぞれ分析する作業だ。シーズン中は、対戦相手の分析やゲームプランの作成、練習の組み立てなど毎週の仕事に追われて時間が取れないため、シーズン後に時間をかけて徹底的に自チームの評価を行うのだ。
コーチ陣が調べるのは文字どおり全スナップ。オフェンス1117プレー、ディフェンス1044プレー、スペシャルチーム466プレー、合計2627プレーについて、数週間をかけて調べ上げる。「プレーコールごと、ゲインごと、ダウン&ディスタンスごとにビデオを切り分けて、あらゆるシチュエーションを見る。全プレー、全シチュエーション、練習で何がうまく行ったか、本番でどうコールしたか、詳細な評価を行う。練習について、試合について、自分たちが正しいことをしているかを確認するのだ」とボブ・サンダースDC。
その作業の中で、来季に向けてどのような変更をすべきかが浮かび上がってくる。何を加えるべきか、何を減らすべきか。「あちこちで新たな変更があることだろう。まあできれば、大きな変更でなく調整程度ですめばありがたいがね。何か加えるべきことが見つかれば、必ず来季にそれを試すことになるだろう」とサンダースDCは語る。「シーズン中はどうしても時間の制約があるから、何かを変えようとするときは、たくさんのことに少しずつ時間をかけるより、いくつかに絞って時間をかけて取り組むのが基本だ。それだけに、こういった機会にはあらゆることを検討しておきたい」
攻・守・STの中で、今の時期の選手評価が最も重要になるのがスペシャルチーム。キャンプでは普通スペシャルチームのフルコンタクト練習を行わないこともあり、控え選手において重要になるスペシャルチーマーとしての能力評価を、今のうちにまとめておく必要があるからだ。
マイク・ストックSTコーチ。「それぞれの選手たちが安定したプレーをしているかどうか、来季の戦力になってくれるかどうかを、我々は正確に知っておく必要がある。一番よく働いたのは誰か、誰を次のキャンプに呼ぶべきか、といったことまで評価を行う。オフシーズンになれば、より徹底的な評価を行える。チーム向上のためどんなドリルを増やすべきか、どんな選手を新たに必要としているか」
オフェンス側ではOL関連コーチ3人がそれぞれ内部昇格したため、新しい仕事に慣れるための良い機会でもある。ジョー・フィルビン新OCは、「以前と似てはいるけれど、今度はOL5人でなく11人全員のことを考えなければならない。いま我々はランニングゲームの分析をしているところだから、オフェンシブラインとランニングバックが焦点となっている。あと1週間か10日したらパッシングゲームの方に移るが、以前と違ってパスプロテクションだけ心配すればいいというわけにはいかない。より広い視野で見ることが必要になる」と語っている。
「いまの作業は、コーチングスタッフの中のケミストリーを作り上げていく良い機会だ。優れたフットボールチームには優れたケミストリーがある。スタッフ同士が結束しているか、考え方が一致しているかは選手には自然と分かるものだし、我々はそうなりたいと願っている。2006年シーズンの分析は重要だが、スタッフが土台を固めることも同じぐらい重要なことだ。よい結果を出すために、どのように仕事を進めるか、どのような協力体制を築くか。我々は選手たちに最善の努力を求めるが、それは我々スタッフ自身についても同じことだ」
2007年1月30日
昨年パッカーズから移籍した選手たちの現況報告。
- ビルズにFA移籍したQBクレイグ・ノールは最後まで3番手QBのままで、出番なし。
- ドラフト当日のトレードでブロンコスに移ったWRジャヴォン・ウォーカーは、パスキャッチ69回1084yds、8TDの活躍。QB交代のせいか終盤はやや数字を落としてプロボウルを逃したが、エースにふさわしい働きを見せた。最終戦の夜、CBダレント・ウィリアムズが射殺された事件の際に同じ車内にいたことでも話題となった。
- 9月半ばにテキサンズにトレードされたRBサムコン・ガドーは、ラッシング54回214yds(平均4.0)、1TDの成績だった。ロン・デイン、ワリ・ランディとの3つどもえの争いに敗れ、12月の5試合には出場さえさせてもらえなかった。トレード相手のRBモレンシーは91回421yds(平均4.6)、2TDを挙げており、いまのところパッカーズ側が得をした形になっている。
- 開幕前に解雇されスティーラーズに移ったRBナジェ・ダヴェンポートは、2番手RBとしてラッシング60回221yds(平均3.7)、1TD。 しかし後半はRBヘインズのケガで3rdダウンバックの仕事が増え、パスキャッチ15回193ydsとキャリア最高の成績を残した。キックオフリターナーも務めたが、平均21.3ydsは今ひとつの数字。
- ラムズにFA移籍したRBトニー・フィッシャーは3番手RB/3rdダウンバックとしてパスキャッチ14回159yds。キックオフリターナーを務めることもあったが、第9週にヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してしまい、インジャリーリザーブでシーズンを終えた。1年契約だったためまたフリーエージェントとなるが、来季に間に合うかどうか。
- 開幕戦終了後に解雇されたFBヴォンテ・リーチは、セインツで1週だけ過ごしたあと第6週からテキサンズへ。ブロッキングFBとして11試合に出場、4試合に先発し、パスキャッチ6回61yds、1TDを挙げた。
- ベンガルズにFA移籍したWRアントニオ・チャットマンはキャンプで鼠蹊部を痛めて出遅れ。いったん復帰してリターナー兼任で3試合に出場したが鼠蹊部を再び痛めてしまい、10月末にインジャリー・リザーブに入ってシーズンを終えた。パスキャッチ3回22yds。
- 開幕ロースターに残れなかったWRロッド・ガードナーは、チーフスと契約して14試合に出場したが、わずかパスキャッチ2回17yds。スペシャルチームばかりだったのかもしれない。2年契約だったが、これでは来季の開幕ロースターに残れるかどうか。
- 昨年春パッカーズにFA入団したWRマーク・ボーリクターは若手との争いに敗れ、8月下旬にパッカーズから解雇された。その後コルツと契約したが開幕ロースターに残れず、結局フリーのままシーズンを終えた。
- テキサンズにFA移籍したCマイク・フラナガンは、足のケガで2試合欠場した後10月半ばに復帰したが、わき腹を負傷して11月末にインジャリーリザーブ入りしてシーズンを終えた。先発は9試合。
- 2番手センターだったCクリス・ホワイトは、RB補強のあおりで10月末にパッカーズから解雇され、フリーのままシーズンを終えている。
- 2005年には7巡ルーキーながら14試合に先発出場したOGウィリアム・ウィティカーだが、2年目の今季は開幕ロースターに残れなかった。ハムストリングのケガから回復した9月半ばにドルフィンズと契約したが、10月上旬にまた解雇。シーズン終了後にレッドスキンズと契約している。
- FAとなったDTグレイディ・ジャクソンはなかなか行き先が決まらなかったが、8月末にファルコンズと契約。相変わらずヒザはだましだましだが、けっきょく今年も全試合先発出場を果たしている。34歳ながら33タックルを挙げ、ファルコンズのラン守備9位に貢献する良い働きをしていたようだ。
- 開幕前に解雇されたDE/DTケニー・ピーターソンは10月半ばにブロンコスと契約。足首のケガは治っていたはずだが、出場はわずか2試合で、それ以外はアクティブ登録されなかった。
- 昨年春にパッカーズから解雇されてレイダーズに移ったDTドネル・ワシントンは開幕ロースターに残れず解雇され、フリーのままシーズンを終えている。
- 昨年春に解雇されてパンサーズに移ったLBナイル・ディッグスはキャンプでヒザを負傷し、開幕スターターにはなれず。しかしLBダン・モーガンの戦線離脱でLBクリス・ドラフトがミドルに回ったため空いたウィークサイドのスターターとなり、11試合に先発出場した。61タックル、INTもファンブルフォースもゼロ。
- ライオンズにFA移籍したLBパリス・レノンはミドルLBとして全試合に先発出場し、71タックル。
- 1年だけパッカーズに在籍して解雇されたLBロバート・トーマスは、レイダーズで控えLBとして全試合に出場。
- Sマーク・ローマンはキャンプ直前にパッカーズから解雇され49ersへ。開幕当初は控えだったがSトニー・パリッシュからスターターの座を奪い、第6週からは全試合に先発出場した。58タックル、1INT、1サック、1ファンブルフォース、1ファンブルリカバー。
- 元1巡指名のCBアマド・キャロルは10月4日に解雇されてジャガーズに移ったが、一度もアクティブ登録されないままシーズンを終えた。パッカーズは彼がいなくなっただけで反則が大幅に減る結果となっている。
- 2005年の5巡指名のCBマイク・ホーキンズは開幕直前にパッカーズから解雇され、10月24日にブラウンズと契約。控えCB兼スペシャルチーマーとして7試合に出場したあと12月27日に解雇され、ヴァイキングスに移っている。
- 開幕直前に解雇されたCBジェイソン・ホートンはフリーのまま。
- ヴァイキングスにFA移籍したKライアン・ロングウェルは、フィールドゴール25回中21回成功、成功率84%はNFL14位。
- Kレイナーに敗れて解雇されたKビリー・カンディフは、キックオフ兼ロングFG専門として11月末にセインツと契約。レギュラーシーズンとプレーオフで1回ずつFGを蹴る機会があったが、どちらも失敗している。
- 2004年3巡指名のパンター、B.J.サンダーはキャンプ後半に解雇され、フリーのままシーズン終了。
2007年1月29日
1990年代のパッカーズを攻守で支え、スーパーボウル制覇にも貢献した元Sリロイ・バトラーと元WRロバート・ブルックスが、今年のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りに選ばれた。7月21日にランボーフィールドのアトリウムで、第37回式典が行われることになっている。
フロリダ州立大から1990年のドラフト2巡指名で入団したSリロイ・バトラーは、プロ12年間を全てパッカーズで過ごし、球団史上2位の通算38インターセプトに加え、得意のセーフティ・ブリッツで通算20.5サックも記録。非常に頭がよく嗅覚に優れ、DEレジー・ホワイトに次ぐディフェンスのリーダーとして、スーパーボウル制覇にも大きく貢献した。プロボウル4回、オールプロは5回。1990年代の All-Decade Team にも選出されている。
通算181試合出場はディフェンシブバックとしては球団史上最多。全ポジションでは、QBファーヴ(239)、QBバート・スター(196)、LBレイ・ニチキ(196)、OTフォレスト・グレッグ(187)、FBウィリアム・ヘンダーソン(187)に次いで球団史上6番目となっている。
1993年12月26日のレイダーズ戦で、バトラーはRBランディー・ジョーダンのボールを叩き落し、それを拾ったDEレジー・ホワイトがラテラルパス、受け取ったバトラーが左サイドライン際を走り抜けてタッチダウン。その勢いでスタンドに飛び込んだのが、史上初のランボーリープだった。
◆ ◆ ◆
WRロバート・ブルックスは、サウスカロライナ大から1992年のドラフト3巡指名でパッカーズに入団。3年目からスターターとなり、スターリング・シャープが去った1995年にはパスキャッチ102回(球団史上3位)、1497yds(球団史上1位)、13TDの大活躍を見せた。背中のケガのため29歳で引退を強いられるまで、実質プロ7年間で通算パスキャッチ306回4225yds、32TDを記録している。プレーオフで通算パスキャッチ45回651ydsは球団史上2位。またプレーオフでの通算パントリターン平均15.3ydsはNFL記録として残っている。
ファーヴ時代のエースレシーバーは、最初がスターリング・シャープ、そしてロバート・ブルックス、アントニオ・フリーマン、ドナルド・ドライバーと続いている。上記のバトラーが始めたランボー・リープを、(DBでは機会が少ないこともあり)パッカーズ名物として定着させたのも、1995年に13TDを挙げたブルックスだった。
2007年1月28日
- レジー・マッケンジー・プロ人事部長がナッシュヴィルを訪れ、タイタンズ首脳とGM職の面接を行った。他にも数人が候補に挙がっていて1人ずつ面談を行っている最中だが、誰が有力なのかは不明。マッケンジーはテネシー州ノックスヴィルの出身でテネシー大を卒業しており、故郷のチームのGMになれれば理想的だろう。
- レジー・マッケンジーがパッカーズを去る場合の後任プロ人事部長だが、内部からであればジョン・シュナイダーGM補佐が有力候補となりそうだ。シュナイダーはまだ35歳だがチーフスやレッドスキンズでプロ人事部長や副社長を務めた経験があり、この5年間はマッケンジーやジョン・ドーシー・カレッジ・スカウト部長と3人でGMを補佐する体制となっていた。
- 昨年のドラフト7巡指名のDEデイヴ・トルフソンがレイダーズと契約。ロースターに残れずプラクティス・スクワッドにいた彼は、11月に背中を痛め、インジャリーリザーブシーズンを終えた。他のプラクティス・スクワッド選手はシーズン終了とともにパッカーズと再契約したが、トルフソンが契約しなかった理由はわからない。長引いている背中のケガをパッカーズ側が嫌ったのか、再契約に値しないと判断されたのか、本人が何らかの理由で移籍を望んだのか。昨年のドラフト指名選手12人のうち、退団したのは4巡指名のWRコーリー・ロジャースに続いて2人目。
- ミニキャンプの日程が一部だけ決定した。ルーキーおよび1年目選手だけが参加するミニキャンプは、ドラフト翌週の5月4日から6日。全員参加義務付けのミニキャンプは5月18日から20日。自由参加のミニキャンプ "Organized Team Activities" は6月に行われることが多いが、こちらは未定。昨年はマッカーシーHCの就任初年度で新システムとあってやたらと日数が多く、そのためかえって出席率の低下を招いた観もあったが、今年はどうなるか。
- ランボーフィールドの芝をハイブリッド型の"DD GrassMaster"に変更する工事が始まっているが、芝だけでなく最下部の排水やヒーティングのシステムまで根こそぎ新しくするため、およそ3フィート(91cm)の深さまで掘り進んだところ。(写真)
- 元OTジョン・マイケルズは、1996年の1巡指名でパッカーズに入団して優勝シーズンにも貢献したが、その後はヒザの前十字靭帯断裂など度重なるケガに悩まされ、26歳の若さで引退を強いられた。本人が先日ESPNに語ったところによると、早期引退のショックから彼はうつ病に苦しみ、妻のメリッサが真剣に自殺を心配するほどだったという。現在33歳のマイケルズは、サザンカリフォルニア大のメディカルスクールで放射線学を学んでいるところ。また、パッカーズの先輩だった元OTケン・ルトガーズとともに "Game's Over" という非営利組織を作り、引退したアスリートの精神面を支援する活動を始めている。
2007年1月27日
シニアボウル・ウィーク(23日の記事参照)の練習を視察するため、パッカーズからもトンプソンGMをはじめとする総勢13名のチームがアラバマ州モービルに乗り込んでいる。「選手たちにとってはビッグ・ウィークだよ」と語るのはティム・テリー。NFLでは主に控えLBとしてプレーし、2004年秋からパッカーズのプロ・スカウト部門に加わった32歳の若手だ。「僕が出たときも、カレッジ最大のオールスター戦だった。プロのスカウト全員が集まる才能の見本市だ。大きなスポットライトにどう対処するか。うまくやれる者もいるが、プレッシャーに負けてしまう者もいる」
パッカーズは非常にシステマティックな方法で選手評価を行っている。全スタッフが、LBやOLなど決められたポジションをそれぞれ担当し、ノース・チームとサウス・チームの両方を毎日見て、詳細なレポートを書く。1日が終わると全員がそれを持ち寄って、その日に観察してきたことについて話し合いを行う。今週末にグリーンベイに帰っても仕事は続き、今回の練習や試合のフィルムをチェックしてさらにレポートを充実させる。
ドラフトに向けたイベントとしては2月末のスカウティング・コンバインが最もメディアの注目を集めるが、シニアボウル・ウィークの重要性はコンバインに勝るとも劣らないとスカウトたちは言う。「この機会が貴重なのは、(コンバインとは違って)実際のフットボールを観察できるからだ。練習を見ることによって、彼らがどのように戦い、どのように反応するかがわかる」とエリオット・ウルフ。ロン・ウルフ元GMの息子で、スカウティング部門に加わってもうじき3年になる。
普段のカレッジ練習とは違い、トップ・タレントを相手に毎日練習するのがシニアボウル・ウィークの良さだとエリオット・ウルフは言う。「全てがフットボール中心の環境になっていて、彼らがコーチングをどのように受け入れるか、黒板に書かれたことをフィールドで実行できるかを見ることができる。離れたところから、そういったことをできる限り観察するのが我々の仕事だ。優れた選手が優れた選手を相手にどれだけやれるかを見たい。月曜から木曜の間で変化するかどうか。出だしは良くてさらに良くなっていくのか、最初は良くてもだんだん悪くなるのか」
一昨年のSニック・コリンズは、ディビジョンI-AA校ながらケガ人の代役として繰り上げ出場し、有力校の選手相手に全くひけを取らないプレーを見せてドラフト2巡指名につなげた。「彼のプレーは、全米のトップレシーバー相手にアスレチック的に負けていないことを示していた。あれで彼の株が大きく上がった。彼がいい例だ。僕はその場で見てはいなかったが、練習のフィルムを見て、『OK、こいつはやれる』と思ったのを憶えている」
2007年1月26日
QBブレット・ファーヴは長女ブリタニーの高校バスケットボールの試合を応援したあと、地元のハティスバーグ・アメリカン紙との短いインタビューに応じた。引退問題についてまだ結論に至ってはいないものの、結論に近づいてはきている、と語っている。「締め切り期日というものがあるわけではない。12月31日の最終戦のあとで、『2週間のうちに』と僕は言ってしまったが、それはちょっと早まった考えだった」
「今朝マッカーシーHCから連絡があったようだから、今夜(火曜)こちらから電話をする予定だ。昨年のように長引かせたくはない。今はできる限りフットボールから離れようと努めているところだ。いつ引退すべきなのか、自分ではっきりわかる時が来るのかどうかはわからないね」
2007年1月25日
WRコーレン・ロビンソンは、ヴァイキングス在籍中の昨年8月に起こしたカーチェイス事件について検察との司法取引に応じ、検察側は逃走罪を除く飲酒運転などの訴追を取り下げることになった。今回の司法取引"Alford plea"というのは、被告が有罪を認める必要はなく、「有罪につながるかもしれない証拠があることを認める」というものらしい。量刑の言い渡しは2月20日に予定されており、最大で禁固3年の可能性がある。
昨季序盤にパッカーズと契約して4試合に出場したロビンソンだが、シアトル時代からアルコールの問題を繰り返し、10月半ばにNFLから1年間の出場停止処分を受けている。順調に復帰できたとしても来季の第6戦からとなり、それまではキャンプに参加することも、パッカーズの施設でトレーニングすることも許されない。保有権はパッカーズにあるが、彼がアルコール依存症を克服して生活を立て直せるのか、フットボールのできる体を自力できちんと作れるのか、戦力としてアテにするには不安要素が多い。
2007年1月24日
昨年他チームへと移った元パッカーズコーチたちの現況について。
- 昨年パッカーズから解任されてテキサンズのアシスタントHCとなったマイク・シャーマン前HCは、先日カーディナルスHCの有力候補となったが、条件面で折り合わなかったのか指名には至らず。その後テキサンズのオフェンシブ・コーディネーター就任が発表された。キュービアックHCとの関係が上手く行っている証拠かもしれない。
- マイク・シャーマン前HCとともにパッカーズを去ったトム・ロスリー前OCは、その後ライオンズのOC候補にもなったが、この1年は浪人をしていたようだ。60歳という年齢もあり、オファーがなければこのまま引退となるかもしれない。
- 昨年パッカーズのヘッドコーチになれずに退団したジム・ベイツ前DCは、1年間浪人してグリーンベイ周辺で暮らしていたが、先日ブロンコスのアシスタントヘッドコーチ就任が発表された。息子のジェレミーもブロンコスでオフェンシブ・アシスタントをしている。
- 2004年シーズンにパッカーズのDCを務めたボブ・スロウィックはブロンコスでセカンダリー・コーチをしていたが、このたびディフェンシブ・コーディネーターに昇格。地元紙の報道によると、上記のジム・ベイツと一緒にゲームプランは立てるが、試合でプレーコールをするのはスロウィックDCでなくジム・ベイツの方になりそう、とのこと。なお、彼の息子ライアンもブロンコスでディフェンシブ・アシスタントを務めている。
- 昨年パッカーズからライオンズに移ったラリー・ベクトルOLコーチはわずか1年で解雇。Journal Sentinel紙によると、今回もマイク・マーツOCと衝突したことが原因と噂されている、とのこと。
- ダレル・ベヴェルはパッカーズのQBコーチから昨年ヴァイキングスのオフェンシブ・コーディネーターに出世。プレーコールはチルドレスHCが出すためオフェンス不振(トータルオフェンス23位)の批判はヘッドコーチに向けられているが、新エースQBタヴァリス・ジャクソンで迎える来季が正念場になりそうだ。
- パッカーズで1年だけWRコーチを務めたジェームズ・フランクリンは、昨年カンザス州立大のオフェンシブコーディネーターに就任。前年の5勝6敗からは勝ち星を伸ばして7勝6敗としたが、ボウルゲームで完敗を喫するなど、まだ不振を脱したとは言えないようだ。
- パッカーズで3年間LBコーチを務めたマーク・ダフナーは昨年ジャガーズのLBコーチとなって、トータルディフェンス2位の好成績に貢献した。
- 1年だけセカンダリーコーチを務めたジョー・ベイカーはラムズに移ってアシスタントをしていたが、(おそらくベイツやスロウィックの縁で)ブロンコスのLBコーチに就任すると報じられている。正式発表はまだ。
- ジョン・ボナメイゴ前STコーチは、昨年パッカーズから解雇されるとすぐにセインツのSTコーチに就任。ご存知のとおりのシンデレラ・シーズンとなったが、プレーオフではスペシャルチームがチームを助けることはあまりできなかったようだ。
2007年1月23日
毎年スーパーボウルの前週に開催されるのがシニアボウル。大学4年目を終えた優秀選手だけが招待され、いくつかある大学オールスター戦の中でも最もレベルが高い、スカウトする側にとっての最重要ゲームだ。月曜から始まるシニアボウル練習を見るため、NFL各球団からGMやヘッドコーチやスカウトがアラバマ州モービルに集まり、多いチームは20人以上のスタッフを送り込んでくる。4月末のドラフトに向け、2月のスカウティングコンバインと並んで最も注目されるイベントと言ってよく、当然こういったドラフト関連サイトも特集を組んでいる。
このイベントの特徴は、土曜日の本番よりも練習の内容が注目されること。カレッジはプロと比べて選手個々の力の差の大きいが、ここに来ると高いレベルで揃うため、そういったハイレベルな選手相手にどれだけやれるかが、ドラフト評価に大きな影響を与えることになる。「今日はCBの○○がWRの△△についていけなかった」とか、「OTの▲▲がDEの××のパスラッシュを完封」といったことがシニアボウル・ウィークの話題となる。
この試合では、NFLから2球団がコーチングスタッフを提供する。今年は"North" がバッカニアーズ、"South"は2年連続で49ersのスタッフが担当することになっている。ミーティングをはじめとしてドラフト候補選手の精神面・頭脳面を間近で観察できる機会なので、両軍のコーチにとってはむしろ役得といってもいい。各選手は普段とは違うスキームの下でプレーしなければならないため、シニアボウルは適応力を見る機会でもある。
NFLシーズンが終わるまでは、カレッジ・スカウティングはGMをはじめとする人事部門の仕事だったが、このあたりからはコーチたちも加わって次第に熱を帯びてくる。球団首脳だけでなく代理人も多数集まるため契約交渉を進めるにも都合がよく、またアシスタントコーチの職を求める人たちの売り込みの舞台でもある。こうして大きな賑わいを見せるメキシコ湾岸の街だが、金曜の練習が終わると、「試合なんかテレビで見ればいい」と引き上げてしまう関係者も少なくない。
なお、ここはミシシッピ州ハティスバーグのブレット・ファーヴ邸から近いため、昨年のシニアボウル・ウィークにはトンプソンGMとマッカーシー新HCが相次いでファーヴを訪れて話し合いを持った。
2007年1月22日
先日オール・ルーキー・チームに選ばれたLGダリン・カレッジ。2巡上位指名の期待を背負いながらキャンプ半ばで先発の座を失い、そこから盛り返して15試合先発出場、という興味深いルーキーシーズンを送った。全米の子供たちから「サンタクロースへの手紙」が送られてくるアラスカ州ノース・ポール(北極の意)出身という物珍しさも手伝って、放送中でも彼のことが取り上げられる機会が多い。
オフシーズンに入ってもパワーアップのためトレーニングを続ける彼が受賞の知らせを聞いたのは、やはりウェイトルームでのことだった。「プレーさせてもらえるだけですごく楽しい。ウチはいいラインメンがたくさんいて、いいコーチングスタッフがいる。賞をもらえるのは名誉なことだけど、他にも賞に値する選手たちはいるよ」
OLコーチとして彼を指導したジョー・フィルビン新OC。「最も喜ぶべきことは、期待されて入団しながらプレシーズンで壁にぶつかり、それでも彼の姿勢がグラつかなかったことだ。コツコツと努力を続け、頑張り続けて、逆境から這い出した。これはチーム全員にとって最高の教訓となるだろう。我々がこのチームの選手に求めるもの、地道な努力を続けて決して自分を信じることをやめない、という良きお手本となる」
故郷アラスカからの取材に応えるLGダリン・カレッジ。「左タックルから左ガードへのコンバートは、テクニックや体の使い方がいろいろと違うし、メンタリティそのものから変えなければならなかった。時間をかければ必ず成功できると思ってはいたけどね。大学時代と違うのは、プロでは全スナップですごい選手と対戦しなければならないことだ。大学ではすごい選手は各チームに3、4人しかいないものだけど」
いったんは先発の座を失いながら取り戻した経験について。「僕なんか先発すべきじゃない、プロでは通用しないと多くの人が思っているときも、僕は自信を持ってフィールドに出なければならなかった。自分を信じて、彼らが間違っていることを証明するだけだ。誰にも負けないよう彼は最善の努力をしている、と言われたい。自分が高いレベルで競争できたことを、今回の受賞は示していると僕は思う」
2007年1月20日
- 最終戦から2週間以上が経ったが、引退問題についてのブレット・ファーヴからの発表はまだない。この1週間ほどファーヴと話をしていない、というマッカーシーHCは、「近いうちにわかるだろう。現時点ではブレットの意図がどちらなのか、私にも全く予想がつかない」
- できれば早い方がいい、というのが球団首脳の考えだが、今年もファーヴに対してはっきりした締め切りは設けていない。昨年もそうだったように、時間をかけるほど現役への意欲が強くなると感じているからだ。2月の上旬から中旬のあたりまでに、というのが球団側の要望ではないかとPress-Gazette紙は推測している。FA解禁は3月2日なので、最悪でもそれまでに結論を出せば補強の上でチームに迷惑を与えることにはならないだろう。
- ファーヴは今年も帰ってくる、とボブ・ハーラン会長。「最終戦の後のロッカールームで私はそう感じたし、今もそう感じている。実を言うと昨年もそうで、冬のあいだ結論を待っている間もその考えは変わらなかった。 『なぜそんなふうに言える?』 とよく言われるのだが、やはりブレットの競争心の強さを知っているからだろう。結論のときが近づくほど彼のそういった部分が前に出てきて、また戻ってやってみたくなるのだと思う」
- ハーラン会長。 「昨年は 『ファーヴが去ってロジャースに任せる時が来た』 といった内容の手紙も少数ではあるが私は受け取った。しかし今年はそういう意見を全く聞かないのだ。ただ去年よりは早く決めてほしい、という意見は熱心なファーヴファンの中にもあるようだ」 「昨年は、テッド・トンプソンGMがブレットの現役続行を望んでいないという誤解がファンの間にはあった。2005年シーズン終了直後にテッドがブレットと4回も話し合いを持ったことや、テッドやマイク(マッカーシー新HC)がそれぞれハティスバーグのファーヴ宅を訪問した、ということを私から説明しなければならなかったのだ」
- グリーンベイのゴルフ場"Oneida Golf and Country Club"の会員権を数週間前にファーヴが手放していたことが判明し、今週ちょっとした話題となった。しかしこれまでにも、長女との(シーズン中のみ)別居や家の売却などで「これは引退か」と憶測が流れたことが何度もあるため、今回も引退と直接結びつけるのは危険だろう、というのが大方の見方。
- ボブ・ハーラン会長はファーヴのゴルフ会員権の件について、別に驚かないと語っている。「ずいぶんと話題になったようだ。どんな意味があるか? 彼がもうコースを使っていないという他に何の意味もないと思うね。使っていないならなぜ無駄使いする必要がある? 昨年はほとんどゴルフをしなかった。KロングウェルやQBピーダーソンといったゴルフ好きの仲間がいなくなったせいか、最近の彼はあまりコースに出ないのだ。ミシシッピに帰っても最近はゴルフをしなくなったと聞いている。ただ、これも現実だ。ブレットが何かをするたびに、彼がどうするつもりなのか、いろいろと憶測が飛び交う」
- 昨季のファーヴは4勝12敗シーズンの上に29インターセプトの不調だったため、現役を続けるべきかファンの間にも議論が多かったが、議論の点では今年はかなり静かだ。地元の新聞・ラジオ・ウェブサイトがファンからの意見を募っても、現役続行を求める声が圧倒的だという。「満場一致に近いですよ。『もう退くべき』という意見の人もいることはいるのでしょうが、たぶんそういう人たちはソフトクリームをケツから食べるような人でしょう」とラジオ番組のホストは笑っている。
- かねてから予想されていたとおり、レジー・マッケンジー・プロ人事部長がタイタンズの新GM候補となっている。タイタンズ側が正式に面談の許可を求め、パッカーズ側が許可した。近いうちに面談が行われるものと見られている。
- Pro Football Weekly誌および"Pro Football Writers of America"が選ぶ今季のオールNFCの1stチームに、WRドナルド・ドライバーとDEアーロン・キャンプマンが選ばれた。プロボウル投票ではNFCの先発に選ばれなかった2人だが、こちらの選考では少し評価が高かったことになる。パッカーズのWRで同賞に選ばれたのは1993年のスターリング・シャープ以来で、アントニオ・フリーマンも選ばれたことがなかった。
- WRドナルド・ドライバーはプロボウルでNFCのスターターを務めることになった。先発に選ばれていたWRトリー・ホルト(STL)がヒザの手術で欠場することになったため。
- 今季はテキサンズのアシスタントHCを務めていたマイク・シャーマン前HCだが、来季はオフェンシブ・コーディネーターも兼ねることが発表された。トロイ・カルフーンOCが空軍士官学校のヘッドコーチに就任したため、その穴を埋める形。今年はヘッドコーチとなる望みが消えたことを受けて、本決まりとなったようだ。プレーコールは彼とキュービアックHCが共同で行うらしい。
2007年1月19日
ポジションごとに優れたルーキーを選ぶオール・ルーキー・チームに、パッカーズから3人の選手が選ばれた(全員のリストはこちら)。LB A.J.ホーク(1巡)、LGダリン・カレッジ(2巡a)、WRグレッグ・ジェニングス(2巡b)の3人で、ドラフト指名上位3人が順調に1年目から結果を残したことになる。
LBホークは16試合全てに先発出場し、チーム最多の155タックル、3.5サック、2INT、2ファンブルリカバーを挙げた。LGカレッジはキャンプ中盤で先発の座を失ったものの第2週からスターターに復帰し、15試合連続先発出場。代役で左タックルを務めたとき以外はサックを許さなかった。WRジェニングスは逆に中盤から足首の捻挫で苦しんだものの11試合に先発し、パスキャッチ45回632yds、3TDを記録している。
3人がオール・ルーキー・チームに選ばれたパッカーズは、セインツと並んでNFL最多。チームから複数が選ばれたのは、1993年にLBウェイン・シモンズとSジョージ・ティーグ(どちらも1巡指名)が選ばれて以来とのこと。昨年はSニック・コリンズ1人だけだった。
今季のパッカーズはNFL最多の12人をドラフト指名し、最も平均年齢が若いチームだった。Dallas Morning News紙の調べによると、ドラフト入団選手が先発した延べ試合数でもパッカーズの66試合がNFL最多。2位はテキサンズの62試合で、以下ビルズ(58)、レイダーズ(51)、ジェッツ(47)と続いている。8試合以上先発したドラフト入団選手の数でも、5人のパッカーズがNFL最多。(LGカレッジ、RGスピッツ、RT/RGモール、WRジェニングス、LBホーク)
「この受賞は彼ら選手たちだけでなく、コーチングスタッフへの賛辞でもある。彼らは進んでルーキーを先発に起用し、選手もよく結果を出した。それ以外のルーキーたちもまずまずよくやったと思う」とテッド・トンプソンGMは語っている。「本当は、たくさんのルーキーを獲って何年か鍛え、それから実戦で使いたいものだ。しかし今のNFLではそうも言っていられない」
2006年のドラフトがチームの流れを変えるものだったか、と聞かれたトンプソンGMは、「そう願ってはいるが、そこまで言うのはまだ早い。3年経ってから振り返れば、そういった類のことも言えるかもしれないが。長きにわたって中核となってくれる選手がこの中にたくさんいるだろう、と我々が予想しているのは確かだ。今後どこまで行けるかは、コーチと選手自身にかかっている」
2007年1月18日
- マッカーシーHCは、今後どこからか引抜きがない限り、これでコーチングスタッフ改造を終えて来季に向かう、と語っている。
- ジョー・フィルビン新OCはどちらかというと静かなタイプだが、豊富な知識と指導力で選手からもコーチからも非常に高く評価されていた人物。マッカーシーHCは、「彼は極めて優れた教師で、選手たちと非常によい関係を築いている。過去1年間、彼をそばで観察していたことが、彼を選んだ理由だよ。しっかりした人格の持ち主で、我々のオフェンスの方向性にとてもよくフィットしている」
- ジョー・フィルビンをOLコーチから昇格させた理由について、マッカーシーHC。「継続性は大事なことだ。たとえば、正直言ってウチのチームは今季前半は1つのフットボールチームになっていなかった。こうすることによって、チーム作りを今までどおりに続けていくことができる。ジョー・フィルビンのような人物がOCへと成長していくのを見るのは嬉しい。内側から昇進する者が出るのは良いことだ。優れたコーチを集めていた証拠だし、そのコーチたちが一段階成長した証でもあるからね。これはジェームズ・キャンペンやジェリー・フォンテノーについても言えることだ」
- ジョー・フィルビン新OC。「マイク(マッカーシーHC)の経歴からして、コーディネーターはランニングゲームの知識がある方がいい、ということはあっただろうね。そういったスタッフ構成が私の有利に働いたのだろう」
- アシスタント・ヘッドコーチの肩書きがついたウィンストン・モスだが、LBコーチの仕事もこれまでどおり続けるとのこと。また、ディフェンスのプレーコールもこれまでどおりボブ・サンダースDCに任せることをマッカーシーHCは明言している。
- ウィンストン・モスをアシスタント・ヘッドコーチに選んだ理由について、マッカーシーHC。「昨年コーチングスタッフを選んだ際にも、彼をそのようにすべきかと迷った。今になって考えると、そうしなかった判断は誤りではなかったものの、いま必要なポジションであるのは確かだ。チームが成長するためのさまざまな活動に関して、ウィンストン・モスは私のパートナーとなる。LBコーチを続けるわけだから、もちろんディフェンスが重点だ。ボブ・サンダースはコーディネーターであり続けるが、ウィンストン・モスには私の右腕になってもらう」
- 上記のコメントでマッカーシーHCは、戦術面よりもリーダーシップやケミストリー面でのウィンストン・モスの貢献を期待している口ぶりだ。自分がオフェンス側の人間であるだけに、ディフェンス全体を見るコーチが必要と考えたのかもしれないし、さらにうがった見方をすれば、プレーコール以外の面でサンダースDCの指導力に物足りなさを覚えたのかもしれない。またメディアへの対応をあまり好まないサンダースDCの負担を軽くするために、モスがディフェンスのスポークスマン役を務めるのではないか、という見方も出ている。
- OLコーチへと昇格するジェームズ・キャンペンについて、RTマーク・タウシャー。「彼なら、いつでもその用意はできている。彼の能力の高さに驚く人たちもきっといると思う。NFLでプレーした経験があり、彼はそれをコーチングに活かすことができる。選手たちのメンタリティをよくわかっているよ」
- アシスタントOLコーチへと昇格したジェリー・フォンテノー。「ウチのラインは非常に大きな潜在能力がある。成長したいという強い意欲をみな持っているし、人格面でもしっかりしていると思う。これからは、彼らがその能力を最大限に伸ばせるようにするのが、キャンピー(キャンペン新OLコーチ)と私の役目だ」
- エドガー・ベネットRBコーチは母校フロリダ州立大のRBコーチに就任するとの噂もあったが、けっきょく別の人物の就任が発表された。ボビー・ボウデンHCから打診はあった、とベネットは認めている。
- ニック・セイバンHCの下でアラバマ大のOCに、という噂のあったトム・クレメンツQBコーチだが、そのような噂に心当たりはなく、パッカーズに残留するつもりであることをマッカーシーHCに伝えた、と本人。
- レジー・マッケンジー・プロ人事部長は昨年5月にテキサンズGMの有力候補となったが、今年はフロイド・リースGMが辞任したタイタンズの後任GM候補と取り沙汰されている。まだ具体的な内部情報などがあるわけではなく、噂以前の段階。
- マイク・シャーマン前HCがカーディナルスのヘッドコーチに決定という情報がいったんは流れたが、けっきょくスティーラーズのケン・ウィゼンハントOCに決まった。カーディナルス側はいったんシャーマンに決めたが、シャーマン側が年$4ミリオンという巨額契約を求めたため話が流れたとの噂。GMを兼任していたパッカーズでも$3ミリオン弱だったことや実績を考えるととんでもない額で、本当にそこまでの金額を求める(ようなバカ)とも考えにくいが、真相はよくわからない。
- マイク・シャーマンはスティーラーズHCの候補としても名前が挙がっていたが、こちらは別の3人が最終候補に絞られた明らかになった。(スティーラーズのラス・グリムOLコーチ、ヴァイキングスのマイク・トムリンDC、ベアーズのロン・リヴェラDC)
2007年1月17日
ボストン・カレッジのヘッドコーチに就任したジェフ・ジャゴジンスキーOCの後釜として、ジョー・フィルビンOLコーチがオフェンシブ・コーディネーターに昇格することが発表された。空いたOLコーチにはジェームズ・キャンペンがアシスタントOLコーチから昇格、空いたアシスタントOLコーチにはジェリー・フォンテノーが昇格している。
意外なのは、ウィンストン・モスLBコーチに「アシスタント・ヘッドコーチ」の肩書きが加えられたこと。「他チームから誘いのかかったコーチを引き留めたいがコーディネーターに昇格させる空きはない」といった場合にこのようにして昇格と昇給を与えることが多いので、水面下でどこかから誘いがかかっていたのかもしれない。また単に、(LB陣改造がうまくいった)指導力が高く評価されただけなのかもしれない。1年前、就任直後のマッカーシーHCがDCを決める前にLBコーチに指名したように、次代の有力コーチとしてもともと評価が高く、すでに昨年の時点でDC就任の噂もあった。
Joe Philbin - Offensive Coordinator
ジョー・フィルビンはマサチューセッツ州出身の45歳。ワシントン&ジェファーソン大でTEとしてプレーしたあと、その母校でコーチの道へ。ウォーチェスター工科大、国立商船大、アレゲニー大、オハイオ大、ノースイースタン大、ハーヴァード大、アイオワ大でOLコーチやOCを歴任した。優れたOLを多数輩出した実績を認められ、2003年にパッカーズのアシスタントOLコーチとなり、2004年からはTEコーチも兼任。昨年OLコーチに昇格し、若いOL陣を指導した。
パッカーズオフェンスはマッカーシーHC自身がプレーコールを出し、パスオフェンスやQB指導を担当するため、OCに求められるのは(ジャゴジンスキー前OCもそうだったが)、ゾーンブロッキングによるラン攻撃の構築。フィルビンはアイオワ大でもゾーンブロッキングを経験しており、昨年からの路線を継続するには最適と見られている。
Winston Moss - Assistant Head Coach/Defense
ウィンストン・モスはマイアミ大出身の41歳。1987年のドラフト2巡でNFL入りし、バッカニアーズで4年、レイダーズで4年、シーホークスで3年、合計146試合にLBとして先発出場している。引退の翌年からシーホークスでコーチのキャリアをスタートし、2000年途中から2005年までセインツでLBコーチ。そこでマッカーシーHCとのつながりができた。昨年パッカーズに移って若いLB陣を指導し、シーズンが深まるにつれてプレー内容が大幅によくなって改造は成功したと言えそうだ。
マイアミ大ではジミー・ジョンソンHCのもと全米王座も経験しているが、そこでは現スカウトのアロンゾ・ハイスミスがチームメイトだった。また、レイダーズ時代には現CBコーチのライオネル・ワシントンが同僚だった。
James Campen - Offensive Line Coach
ジェームズ・キャンペンはテュレーン大出身の42歳。Cフランク・ウィンタースの前に先発センターを務めていた元パッカーズ選手だ。1986年にドラフト外でセインツに入団、1989年にはFAでパッカーズに移り、翌年ついに先発センターに昇格。ケガのためウィンタースに先発の座を譲って引退するまで、通算42試合に先発出場した。1992年9月27日、初先発のファーヴにスナップしたセンターも彼だった。
彼をテュレーン大に誘ったのは、当時同大のOLコーチだったマイク・シャーマン前パッカーズHC。1993年限りでNFLを引退すると故郷カリフォルニアに戻って高校のヘッドコーチを務め、好成績を残した。2004年に古巣のパッカーズから声がかかり、これまで3年間アシスタントOLコーチを務めていた。
Jerry Fontenot - Assistant Offensive Line Coach
ジェリー・フォンテノーはテキサスA&M出身の40歳。1989年のドラフト3巡指名でベアーズに入団し、4年目から先発センターに定着。ベアーズで8年、セインツで7年、ベンガルズで1年、合わせてプロ16年で239試合に出場した。38歳までプレーして2004年限りで引退し、2005年にはシカゴ地区で解説者をしていた。
コーチ志望のフォンテノーは、セインツ時代の縁を頼って彼の方からマッカーシーHCに連絡を取り、昨年のキャンプからパッカーズでインターンに。現役選手に近い立場でのリーダーシップや指導力が認められ、早くも8月末からフルタイムのアシスタントコーチとして契約し、豊富な経験を活かして若いOL陣のアドバイザー役を務めていた。
2007年1月16日
主にJournal Sentinel紙の記事から、チーム内のさまざまなスタッツを紹介する。多くは同紙独自の集計によるもので、NFLが公式に記録していないジャンルばかり。
- 相手ディフェンスがブリッツ(5人以上でパスラッシュ)をかけたのはパスプレー全体のわずか21.8%で、1998年の集計開始以来最も低かった。6人以上でのラッシュは4.7%。相手は4メンラッシュで十分にプレッシャーがかかり、パッカーズはパスプロ不安でブロッカーを増やさざるをえなかった。相手が多人数で守っているところを少人数のレシーバーが走るのだから、フリーになれないのも無理はない。
- LGカレッジは左タックルをしたとき(ドルフィンズ戦でDEテイラーに2サック)を除き、サックを一度も許さなかった。以下、Cウェルズ(0.5サック)、RTタウシャー(1)、LTクリフトン(2)、RGスピッツ(3)、RT/RGモール(4)の順となっている。TEフランクスの責任が3回、QBファーヴが2.5回。
- QBへのサックとノックダウンとハリーを合わせた「プレッシャー」のカテゴリーでは、OLの責任によるものが昨年の106回から96.5回に減少している。集計開始以来最少だったのは2004年の64回とのこと。
- プレッシャーを許した回数では、RT/RGモールの23.5回が最多。以下RGスピッツ(19.5)、LGカレッジ(19)、LTクリフトン(14)、Cウェルズ(11)、RTタウシャー(9.5)、TEフランクス(9.5)の順となっている。
- ランが1yds以下しか出なかったプレーを"Bad Run"と規定する。そのバッド・ランの原因となった回数ではRGスピッツが最多の17.5回。以下、Cウェルズ(17)、LGカレッジ(14.5)、LTクリフトン(12)、RT/RGモール(10)、TEフランクス(7.5)、RTタウシャー(7.5)、FBマイリー(6)の順となっている。
- シーズン終盤戦の放送中に、「パッカーズは1stダウンでのラン獲得ydsがNFL最下位」という数字が紹介されていたが、最終的な順位がどうなったかは不明。
- パス落球はチーム合計43回で昨年よりも18回多く、2002年以来最多。
- RBグリーンがキャリア最悪の8落球を犯し、落球率12.7%もチーム最悪。昨年までの3年間は合計でわずか6回しか落球していなかった。
- 最も落球率が低かったのはRBヘロンの2.9%で、わずか1回しか落としていない。2番目はWRドライバーの3.5%で、これはキャリアベストの数字。3位以下は、WRジェニングス(4.9%)、WRルヴェル・マーティン(7%)、TEデヴィッド・マーティン(8.6%)、TEフランクス(11.3%)となっている。
- 平均ランアフターキャッチではWRジェニングスがドライバーを上回って5.51yds。以下、WRドライバー(4.95)、WRルヴェル・マーティン(4.91)となっている。ドライバーの4.95ydsはキャリア最高で、ウェストコーストオフェンス時代に入って以来のエースWRとしては、1998年のWRフリーマン(7.3)、1995年のWRブルックス(5.1)に次いで3番目の好成績。
- QBファーヴの18TDパスのうち、タイトエンドへのTDパスはわずか2回だけで、シーズン後半は一度もなかった。また、シーズン後半に20ydsのTDパスは5回あったが、1回(WRルヴェル・マーティン)を除いて全てWRドライバーへのパスだった。
- QBファーヴの平均リリースタイムは3.05秒で、2001年以来最短。パスプロが不安定なためにクイックパスを増やさざるをえなかった。
- QBファーヴの18インターセプトからの失点は41点で、2005年の82点から半減した。
- 18インターセプトのうち、ショットガンからのパスが9回で最多。5ステップドロップからが4回、3ステップドロップが3回、1ステップドロップが1回、ブーツレグが1回。
- 18インターセプトのうち、相手にリードされていた場面が11回、同点が1回、リードしていたのが6回。13回が試合後半のもの。敵陣でのものが半分の9回、うち敵陣レッドゾーンが4回。相手がブリッツしていたのはわずか2回だった。
- 試合のオープニングドライブで得点できたのはわずか4回だけで、3TD、1FGの24得点。いっぽう相手のオープニングドライブは6回で得点され(3TD・3FG)、30失点。
- パッカーズがターンオーバーバトルで相手を上回った試合は6つで、そのうち5試合で勝利を収めている。
- ディフェンシブラインはローテーション起用されるが、その中でチーム最多出場はDEキャンプマンの93.2%。シーズン後半に限れば97.6%の高率で、いかに彼が欠かせない存在であるかを示している。シーズン93.2%は1999年のDEヴォニー・ホリデイが94.1%出場して以来。今季の2番目はDEバジャ=ビアミラの71.7%だが、先発から降格された終盤4試合に限ればわずか48.8%。3番目以降はDTピケット(61.8%)、DTウィリアムズ(54.6%)、DE/DTジェンキンズ(38.7%)、DTコール(38.6%)と続いている。
- パッカーズDL陣のタックル数はDEキャンプマンがダントツだが、タックル数を出場スナップ数で割ると、DTピケット(7.0スナップに1タックル)、DTコール(7.6)、DE/DEジェンキンズ(8.4)、DEキャンプマン(8.6)の順となっている。
- 相手QBへのサックとノックダウンとハリーを合わせた「プレッシャー」では、やはりDEキャンプマンの55回が最高。プレッシャー数を出場スナップ数で割ると、1位はDE/DTジェンキンズ(15.5スナップに1回)、2位がDEキャンプマン(17.7)、以下DEモンゴメリー(19.7)、DEバジャ=ビアミラ(20.8)、DTウィリアムズ(28.5)となっている。
- ロスタックル回数ではLBバーネットが5.5回でチーム最多。2位はLBホークとDTピケットとDTコールが3.5回で並んでいる。
- ミスタックル回数ではSマニュエルの15回が最多だが、チーム最多が15回というのは過去8年間で最少とのこと。2位以下はLBバーネット(13)、Sコリンズ(8)、CBウッドソン(8)、LBポピンガ(8)、LBホーク(7)、DEバジャ=ビアミラ(6)、CBハリス(6)、DEキャンプマン(5)となっている。
- DEキャンプマンはソロ・アシスト合わせて113タックルを挙げ、パッカーズDL選手としては史上最多(パッカーズがタックル数の記録を始めたのは1975年から)。これまでの球団記録は、1983年のDEエズラ・ジョンソンの107タックル。
- LBホークはソロ・アシスト合わせてチーム1位の155タックルを挙げ、ルーキーとしては1979年のLBリッチ・ウィンゴの166タックルに次ぐ球団史上2位。
- パッカーズディフェンスがブリッツをしたのはパスプレー全体の24.5%で、昨年の30.9%から下がり、2002年(エド・ドナテルDC)の19.7%以来の低さとなった。6人以上のラッシュは7.7%でこちらも昨年の12.5%から大幅ダウン。DEキャンプマンをはじめとしてフロント4のパスラッシュがよくなったことに加え、DB陣にポカが多くて一発が怖い、という事情もありそうだ。
- インターセプトとファンブルフォースとファンブルリカバーを合わせたターンオーバー・プレーの回数では、CBウッドソンの12回がダントツのチーム1位。2位はLBホークとSコリンズが5回で並んでいる。
- CBウッドソンの8インターセプトは、パッカーズのCBとしては1986年のCBマーク・リーが9INTを記録して以来の好成績。CBがチームトップのインターセプトを挙げたのは1997年のCBタイロン・ウィリアムズ(7INT)以来のこと。上記のターンオーバー・プレー12回は、1993年にSリロイ・バトラーが同じく12回を記録して以来。
- パッカーズディフェンスが20yds以上のビッグプレーを許したのは今季60回で2005年よりも14回多く、過去11年間で2番目の多さ。2004年の81回が最多。
- 20yds以上のビッグプレーを許した回数では、CBウッドソンとLBバーネットがそれぞれ8回ずつでチームトップ。以下LBホーク(7.5回)、CBハリス(5.5回)、Sマニュエル(5回)、Sコリンズ(5回)、CBデンディ(5回)、CBキャロル(4回)となっている。
- TDパスを許した回数ではSマニュエルの5.5回が最多で、1994年の集計開始以来パッカーズのセーフティとしては最多のこと。以下、LBバーネット(4.5回)、Sコリンズ(4回)、CBウッドソン(3.5回)、CBデンディ(2.5回)、CBキャロル(2回)、CBハリス(1.5回)、LBホッジ(1回)、LBホーク(0.5回)。LBポピンガはゼロ。
- オフェンスの反則回数(ディクライン除く)では、LTクリフトンとLGカレッジが6回ずつで最多。3番目以下は、RT/RGモール(5)、Cウェルズ(4)、TEフランクス(4)、RGスピッツ(3)、WRドライバー(3)、RTタウシャー(2)、FBマイリー(1)の順となっている。RB陣の反則はゼロ。WRドライバーの3回はキャリア最多。LTクリフトンは過去3年間で29回も反則していたので、大きく改善されたと言える。
- ディフェンスの反則回数(ディクライン除く)では、CBハリスの6回が最多で、以下CBウッドソン(5回)、LBバーネット(4回)、LBホーク(4回)、DEキャンプマン(3)、DTウィリアムズ(3)、DEバジャ=ビアミラ(2)、LBポピンガ(2)、CBキャロル(2)の順。DTピケットとDTコールとSコリンズは一度もなかった。
2007年1月15日
パッカーズの2006年レギュラーシーズンスタッツのまとめ。今日はオフェンスとターンオーバーの数字を紹介する。今季前半終了時 ・ 2005年 ・ 2004年 のスタッツも参照のこと。
オフェンス |
Total |
得点 |
ラン |
ラン(1回) |
ランTD |
FumLos |
パス |
パス% |
パスTD |
INT |
サック |
3rd% |
341.1 |
18.8 |
103.9 |
3.9 |
9回 |
15回 |
237.2 |
55.6% |
18回 |
18回 |
24回 |
39.2% |
9位 |
22位 |
23位 |
19位 |
23位T |
25位T |
8位 |
27位 |
20位T |
19位T |
5位 |
12位 |
ヤードは稼げるのにタッチダウンが少なく点が獲れない。つまりディフェンス側の問題を裏返したようなものだ。後半戦8試合でわずか7TDパス、4TDランしか挙げられないというレッドゾーンでの不振から抜けられないままシーズンが終わってしまった。
前半は平均4.3ydsと頑張っていたラン攻撃が中盤ごろからスランプ気味となり、RBモレンシーの一発ロングゲインで補ったものの、後半8試合でRBグリーンの100ydsラッシングゲームは1回しかなかった。ファーヴのパス3885ydsは例年並だが、成功率は彼のキャリア最低で、20TDを下回ったのも1993年以来のこと。前半には7つに抑えていたインターセプトも後半には11回。昨年もそうだったが、WRドライバー以外は若く経験の浅いレシーバーばかりで、ルート取りのミスからインターセプトになるパターンが非常に目立つ。
被サック24回は昨年(27回)よりは改善されNFL5位の好成績だが、若く不安定なOL陣を助けるためTEやRBやFBの多くをパスプロに残し、7メンプロテクションを多用してようやく達成した数字。QBファーヴを守るのと引きかえにオフェンスの攻め手が減ったのは明らかで、相手守備はブリッツを入れずに多人数で少人数のレシーバーをカバーするために、どうしてもオフェンスは手詰まりになった。それでも3rdダウン成功率12位をキープ(例年よりは悪いが)できたのは、QBファーヴとWRドライバーの奮闘によるところが大きい。
ターンオーバー |
反則 |
相手反則 |
Takeaways |
Giveaways |
DIFF |
回数 |
ヤード |
回数 |
ヤード |
Total |
Int |
FumRec |
Total |
Int |
FumLos |
|
|
|
|
|
33 |
23 |
10 |
33 |
18 |
15 |
±0 |
90回 |
689yd |
97回 |
710yd |
5位T |
3位 |
22位T |
26位 |
19位T |
25位T |
13位T |
10位T |
8位 |
10位T |
22位 |
昨年はターンオーバーレシオ-24(NFL31位)が不振の原因だったが、今季のとくに後半はCBウッドソンらがインターセプトを連発して±0でシーズンを終えることができた。逆に言えば、昨季は「あのターンオーバーさえなければ」という試合がいくつもあったが、今季の8敗は地力で負けていた、と言えるのかもしれない。NFLで最も若いチームながら反則が97回でNFL10位だったのは立派。
ファーヴのインターセプト18回は昨年の29回よりはずっとマシだが、決して少なくはない。RBグリーンのファンブルロストはスターターになって最少の数字だが、Cウェルズのスナップミスなど痛いミスが相手レッドゾーンで多かった。
ディフェンスのインターセプト23回は申し分ない数字で、シーズンが深まるにつれて捕り損ないも少なくなった。CBウッドソンがNFL3位タイの8INTを記録、CBハリス、Sコリンズ、CBデンディが各3回、LBホーク、LBバーネットが各2回。ファンブルフォースはCBウッドソンとDEキャンプマンが3回ずつ。
2007年1月14日
パッカーズの2006年レギュラーシーズンスタッツのまとめ。今日はディフェンスとスペシャルチームの数字を紹介する。今季前半終了時 ・ 2005年 ・ 2004年 のスタッツも参照のこと。
ディフェンス |
Total |
失点 |
ラン |
ラン(1回) |
ランTD |
FumRec |
パス |
パス% |
パスTD |
INT |
サック |
3rd% |
320.9 |
22.9 |
114.1 |
4.1 |
12回 |
10回 |
206.8 |
55.5% |
25回 |
23回 |
46回 |
32.6% |
12位 |
25位 |
13位 |
15位 |
11位T |
22位T |
17位 |
2位 |
27位T |
3位 |
4位 |
4位 |
シーズン前半は21位(失点29位)だったディフェンスだが、3試合連続1ケタ失点など終盤に持ち直したおかげでトータル12位、失点25位で終わることができた。サックは前半からずっと好調だったが、特に後半だけで16インターセプトを記録してNFL3位にジャンプアップしたのが4連勝の原動力となった。
後半だけ見ればよくやったディフェンス陣だがシーズンを通して見ると、相手のパス成功率が低いわりにパスTDが非常に多い、つまり一発ビッグプレーを許し過ぎなのは明らかだ。シーズン中盤に崩壊していたラン守備は、第14週のDEバジャ=ビアミラ先発降格から改善された。4勝12敗の昨季は、リードした相手が後半にラン回数を多くするためにラン守備成績が悪化したが、今年はその点がマシになっただけでラン守備力としては横ばいか。
インターセプトを量産したのと対照的にファンブルリカバーは非常に少なく、計10回のうちQB以外から奪ったのは第4週イーグルス戦のRBバックホルターのみ。
スペシャルチーム |
Kickoff |
Punt |
Kickoff Ret |
Punt Ret |
Field Goals |
Avg. |
Coverage |
Avg. |
Coverage |
Net |
|
|
成功率 |
回数 |
65.1 |
22.8 |
44.5 |
9.1 |
35.7 |
19.7 |
7.8 |
74.3% |
26回 |
10位 |
14位 |
9位 |
18位 |
25位 |
31位 |
25位 |
25位 |
8位T |
WRファーガソンの負傷でRBモレンシーが担当したキックオフリターンは目も当てられない出来で、非力なオフェンスを助けることがまるでできなかった。今季最長のリターンがわずか35ydsというのはNFL最下位。パントリターナーのCBウッドソンはハンドリングミスがないのは立派だが、キックオフリターンよりは見所がある、といった程度か。シーズン半分以上を肩のケガを押してプレーしていたせいもある。今年もまたリターナー補強に失敗したうえ、両ユニットともブロッキングチームの働きが悪い。
Kデイヴ・レイナーはシーズン前半は成功率80%だったが、気候が寒くなるにつれ不安定に。後半は50yds以上のトライが一度もなかったにもかかわらず、最終的に4分の3を割り込んだ。PATと30yds未満を1回ずつ失敗、30から39ydsも3回失敗したのはいただけない。実質プロ1年目ということを考えればぎりぎり合格点かもしれないが、シーズン後半の寒さや風や足場の悪さへの対応が課題となりそうだ。
NFL1年目のPジョン・ライアンは、飛距離はいいが滞空時間が不安定。ラインドライブを蹴ってしまうためにビッグリターンを許すパントが目立った。相手インサイド20に落とした回数がわずか17回(29位)、またタッチバック12回もNFLで3番目に多く、微妙なコントロールは今後の大きな課題。
カバレッジチームはまずまずよくやっている。昨年までのKロングウェルよりもKレイナーは飛距離が出るため、相手リターンを差し引いた相手攻撃開始位置が昨年と比べて平均3ydsほど後ろに下がっている。パントカバレッジは、Pライアンの滞空時間が改善されればもっとよくなるはず。
2007年1月13日
「人生を変えるような4ヶ月間だった」と語るのはカナダ人パンターのジョン・ライアン。CFLからNFLに移ってパッカーズの正パンターの座をつかんだが、シーズンの真っただ中に父を失った。8月のプレシーズンの頃に末期がんの宣告を受け、闘病の末に12月1日に父ボブはこの世を去ったのだった。亡き父の希望もあって、彼は欠場することなく最後まで出場を続けた。(記事1・記事2・記事3)
滞空時間などまだかなり不安定だが、パント平均44.5ydsはパッカーズ史上3位の成績だった。「今シーズンの出来を自分で評価するなら"B"をつける。アップ&ダウンがたくさんあった。フットボールのことだけじゃなくてね。私生活であのようなことがあって、プレーに影響しないつもりでいても、実際はそうはいかなかった。人生最悪の時には、フィールドでも最悪の出来になってしまったんだ」
長いシーズンを終えたライアンは、今は故郷カナダのサスカチュワン州都レジャイナに戻り、非常に仲のよい家族に囲まれて過ごしている。そばで最期を看取った家族たちとは違い、今になって父の不在が身にしみるのだと彼は言う。「2ヶ月かけて心構えができていただけに、父が死んだときもショックはさほどではなかった。でも父がいなくなったここに帰ってくれば、以前と全く違った感じがやはりするよ。今でもときどき、『オヤジにこれ言わなきゃ』 とか 『どうやるのか聞いてみよう』 などと思ってしまう。そうして、もう二度と父から何かを教わることはできないことを悟るんだ」
2月4日には弟スティーヴと一緒にマイアミでスーパーボウルを観戦する予定だが、今は久しぶりの故郷レジャイナで、毎日スポーツクラブに通ってトレーニングを続けている。ただ、どうしても帰宅が遅くなってしまうのは、あのグリーンベイ・パッカーズでの暮らしがどういうものか、誰もが話を聞きたがるからだ。
「NFLでプレーするのは長いあいだ僕の夢だった。かなえたのは自分の夢だけじゃない。レジャイナのアマチュア・アスリートたちが夢に見てきたことを、彼らを代表してかなえたんだ。ホッケーチームや少年フットボールのチームメイトのみんなと話をした。『試合をいつも見てるよ。オレはこいつを知ってんだぞ、とみんなに自慢してるんだ』 と言ってくれる。みんなが自分の試合を見てくれて、夢を共有してくれるのは素晴らしいことだと思う」
2007年1月12日
- ランボーフィールドの芝を"DD GrassMaster"に変更する(先月の記事参照)ための工事が始まった。今回は芝の部分だけでなく一番下の排水設備やヒーティング・システムまで全て変更するため、天候にもよるが完成までおよそ6ヶ月、プロジェクト全体で$3ミリオンほどのコストが見込まれている。まずは土を全て取り除くため、ベルトコンベアを使ってスタジアムの外に土を運び出している。(写真)(地元ニュース映像)
- ランボーフィールドでは、毎年終盤になると痛んだ芝を張り替える必要があるが、今後はその必要がなくなることが期待されるため、長期的にはコスト減につながるとのこと。
- 昨年のファミリーナイトのスクリメージでは、アウトオブバウンズに走り出たSニック・コリンズがフェンス直前のコンクリート部分で転倒してあやうく大ケガをしそうになった。今回の工事では、そのコンクリート部分もラバーで覆うよう改修する。
- 新OC候補をチーム外部に求める場合、現バッカニアーズQBコーチのポール・ハケットも当然候補に入るだろうと見られている。ハケットはかつてピッツバーグ大HCをしていた時期に若きマイク・マッカーシーをQBコーチに招き、1993年にチーフスOCに就任した際にも一緒に連れて行った、マッカーシーのまさに師匠格であり恩人といってもいい。ビル・ウォルシュの愛弟子の1人でもあるが、ジェッツDC時代には3rdダウンロングでのドロープレーが定番となるなど、極端に保守的なプレーコールでファンの不評を買ったこともある。チーフスではリッチ・ギャノン再生のきっかけを作るなどQB育成の実績は非常に豊富。
- トム・クレメンツQBコーチは、ドルフィンズからアラバマ大に移ったニック・セイバンHCの下でオフェンシブ・コーディネーターに就任するという噂もあったが、トンプソンGMによるとこれまでのところパッカーズ側に連絡はないとのこと。カレッジ界からNFLのコーチを誘う場合、契約下にあるコーチと面談するのに所属球団の許可を取る必要はないが、それでも一応は挨拶をするのが一般的らしい。
- 2005年にパッカーズのディフェンシブ・コーディネーターを務めたジム・ベイツが、ブロンコスのアシスタントヘッドコーチに決まった。ブロンコスには彼の息子ジェレミーもオフェンシブ・アシスタントとして在籍している。グリーンベイではパス守備1位など素晴らしい成果を残したジム・ベイツだが、昨年1月にはヘッドコーチになることができなかったこともあって、DC留任を求めたマッカーシーHCの要請を断り、ウィスコンシンに住みながら1年間浪人していた。なおブロンコスの新DCには、同じく元パッカーズDCのボブ・スロウィックがセカンダリー・コーチから昇格することになった。
- NFL各球団は最低3人はNFLヨーロッパに派遣しなければならない。昨年まではNFLヨーロッパから帰った10選手までロースター枠(80人)の例外扱いが可能だったが、今年からは5人だけと変更された。今年のパッカーズからは、WRカールトン・ブリュースター、OTアダム・ステナヴィッチ、LBティム・グッドウェル、CBアントニオ・マローン、Sアルヴィン・ナブーフィという5選手の派遣が決まっている。追加があるかどうかは不明だが、シャーマン前HC時代に毎年10人以上を送り込んでいたのと比べると、手元に置いてオフシーズン・プログラムで鍛える方を重視しているのは間違いない。
2007年1月11日
- DEアーロン・キャンプマンが、全米記者の選ぶオールプロの2ndチームに選出された。NFL全体で1チーム分しか選ばれないオールプロはプロボウルよりずっと狭き門。今季NFL2位の15.5サックを挙げたDEキャンプマンは、DEジェイソン・テイラー(MIA)とDEジュリアス・ペッパーズ(CAR)に次ぐ3位の票を集めた。オールプロ全員の顔ぶれはこちら。WRドライバーはWR中5位となり、惜しくも2ndチーム選出を逃している。
- 今春FAとなる予定のRBアーマン・グリーンに関して、エースRBティキ・バーバーが引退するジャイアンツが興味を持っている、とNew Jersey Star-Ledger紙が報じている。
- 今年の"Packers Fan Fest"の概要が発表された。開催日は3月8日と9日で、昨年までの3日間から圧縮されたがイベントの内容は変わらないとのこと。チケット価格は$75ドル(2日間通し)で、抽選制によって計3500枚が販売される(ネット申し込みはこちら)。締め切りは1月26日。現役・引退選手多数が顔を出すサイン会に加え、普段のスタジアム・ツアーでは見られないロッカールームなど選手エリアを見学できるのが目玉となっている。
- 昨年パッカーズからライオンズに移ったラリー・ベクトルOLコーチが、わずか1年で解雇された。OL指導の手腕は高く評価されながら気難しい性格でも知られ、パッカーズ最終年も他のコーチや選手との関係が悪化していた。Journal Sentinel紙によると、今回もマイク・マーツOCと衝突したことが原因と噂されている、とのこと。
- 毎年恒例(半年以上前の情報で恐縮です) Harris Poll の「全米で最も人気のあるスポーツ・スター」調査で、1位はゴルフのタイガー・ウッズ、2位はバスケのマイケル・ジョーダン(13年ぶりに1位を譲った)、3位にブレット・ファーヴが入った。 ファーヴは1997年以来ずっと4位以内をキープしており、2005年にペイトン・マニングに譲ったNFL1位の座を取り戻している。中西部に限ればジョーダンやタイガーを上回って1位。
- NFCのゲームを担当するFOX系のNFL中継の視聴率(パッカーズだけでなくNFL全体)において、全米56地区の中でミルウォーキー地区(平均22.8%)が2年連続でトップを記録している。プリゲームショーの"Fox NFL Sunday"の視聴率でもミルウォーキー地区が全米1位とのこと。
2007年1月 9日
ファーヴの長女ブリタニーはもうじき18歳。高校に入る頃から、NFLシーズン中はグリーンベイの両親と別れて叔母夫婦とミシシッピで暮らし、何試合かはグリーンベイまで観戦に来る。この秋からは大学に進む予定で、第1志望のデューク大のほか数校に願書を出しているところだ。
「もう本当に、どこに行くにも父のファッションは最悪。見た目を全然気にしない。1995年から着てるような破れた短パンやTシャツを着てくるから、こっちは『パパ! いいかげんにしてよ!』って感じになる」
彼女が生まれたとき父ブレットはまだサザンミシシッピの大学生。父ブレットと母ディアナはそのまま結婚せずにいろいろなことがあり、2人がようやく結婚したのは1996年、ブリタニーが7歳になってからのことだった。「私が生まれたとき両親はまだ若くて、父のキャリアがうまく行くまで、母と私は2人だけで暮らしていた。生まれたときからメイドや執事に世話されて育ったように思われがちだけど、私はそんなふうじゃない。私はごくふつう」
普通の感覚を持つ子に育てたい、というのは両親とくに母ディアナの強い方針だった。「小さいときからブリタニーは独立心が強く、常にその年齢よりも大人でした。きっと成功してくれると思う。あの子のことはとても誇りに思っているんです」と母は言う。グリーンベイとハティスバーグを行ったり来たりの不安定な学校生活にもかかわらず学業成績は優秀で、バレーボールでも昨年は地区大会優勝に貢献した。ゴシップ誌からトルーマン・カポーティまで幅広く本を読み、ショッピングをし、ボーイフレンドと付き合い、ファーストフードを食べ、遅い運転者にイラついている。
「フィールドで父が倒れると怖いけれど、私も他の人たちと同じように、父がまた平気で立ち上がるのを当たり前のように思ってしまってる。深刻そうなケガをした時でさえ、『あーパパがケガした!』 とはなかなか思えない。また立ち上がってプレーを続けることがわかっているから。両親は2人ともとてもアスレチックでタフで、それと比べたら私なんか普通の小娘という感じ」
ファーヴの父の急死、ディアナの弟の事故死、ディアナの乳がん、そしてハリケーン被害とファーヴ一家にはつらい時期が続いてきた。「誰にとってもつらいことだけど、それがESPNで大々的に報道されるのだからよけい大変になってしまう。家族に起きていることを世界中が知っているのだから。(苦難を乗り越えて頑張っていると)称賛されるのはいいけれど、全てを知られてしまっているのはね。そっとしてほしい、何も答えたくない、というときもある」
父の引退問題について。「私が答えを知ってて黙っている、と世間では思っているみたい。私としては、知らないものは教えようがない。父が正しい判断をできるのは、自分のことだけを考えていないからだと思う。 『自分はチームに迷惑をかけているか? チームの助けになっているか』 と父はいつも考えてる。引退すべきときが来たら父にはわかるはずだし、そのときが来れば父はそうする、と私は信頼してる。私たち家族はそのときにそばにいるだけ。まあ違いはクリスマスのときに父がどこにいるか、だけだけど」
2007年1月 8日
LGダリン・カレッジ、RGジェイソン・スピッツ、T/Gトニー・モールの3人は、ルーキーながら多くの試合に先発出場し、貴重な経験を積むことができた。2005年シーズンは左ガードでエイドリアン・クレムが失敗、右ガードでウィリアム・ウィティカーが失敗し、「両ガードとも新たな先発を探さねば」といったチーム状態だったが、今年は彼らルーキーの成長を見守れば十分、という見方がほとんどだ。
「今季成し遂げたことの価値はずっと先にならなければわからないだろうけど、僕らはみんな10試合以上の先発経験を積むことができた。これはものすごいことだよ。そんなチームは他にはないだろう。2巡から5巡のルーキーが実戦に出て、ちゃんとそれなりの仕事をした。よいコーチングとよい選手たちがいることの証明だよ」とLGカレッジは振り返る。
しかしジョー・フィルビンOLコーチは、彼ら3人が慢心することのないよう、「来季は新たな競争が待っている」と思いっきり尻を叩いてからオフシーズンの休暇に送り出している。
「連中にも多少は休息が必要だ。5ヶ月半にわたってここで頑張ってきたからね。しかし私が彼らに強調したのは、来季はまた新しい競争があるということだ。大学フットボールとは違うのだからね。彼らが今季あのように良い仕事をしても、3月20日(オフシーズンのワークアウト開始)に再び集まった時には、全く違った環境が待っていると覚悟しなければならない。だって、わからないだろう。1巡でOLを指名するかもしれないのだから。彼らにもわからないし、私にも予想はつかない。ただ1つわかるのは、来季はまた新しい選手たち、職に飢えた若者たちがロッカールームに集まるということだ」
ゾーンブロッキング用にドラフト指名しただけあって3人ともアスレチック能力は高く、技術的な部分も経験を積むにしたがって安定してくることが期待できる。いま彼らに足りないのは、化け物のようなDTたちに簡単に押し負けないパワーの部分。ゾーンブロッキング向きの300ポンド前後の軽量をキープしたままで、馬力をつけていかなければならない。「オフシーズン・プログラムが始まる3月20日までにも、彼らはトレーニングを積むことになる。それが大事なことだ。みな20代前半と若く、成長の余地は非常に大きいと思っている」
5巡指名入団のT/Gトニー・モールは、右ガードで5試合、右タックルで5試合先発出場を果たした。2005年春まではタイトエンドをやっていたため、3人の中でも最も粗削りで不安定だが、2年目のジュニアス・コストンを押しのけて先発出場を続けたのは潜在能力を評価されたためだろう。「トニー・モールについては、この中では誰よりも筋力トレーニングが必要だろう」とフィルビンOLコーチ。
2巡指名入団のLGダリン・カレッジは、キャンプでいったん先発の座を失いながら、RGスピッツの欠場で第2週から先発左ガードに戻り、二度と手放すことはなかった。LTクリフトン欠場時には(TEたちのヘルプもあったが)代役左タックルもまずまずこなした。パスプロテクションの上手さが特徴で、左ガードとしてはサックを一度も許さなかった。「ダリンについては、我々は何よりもフレキシビリティを注意した。体のバランスをよくして、パッドのレベルをもっと低く保つことだ。ウェイトルームでの努力は、そういった部分の目標を達成する助けにもなっていくと思う」
3巡指名入団のRGジェイソン・スピッツはシーズン序盤で太ももを痛めて3試合欠場したが、LGカレッジが左タックルに入った時には左ガードに移り、試合中には一時的に代役センターを務めたこともあった。うまくハマったときのランブロックは優秀だが、パスプロテクションではまだ不安定なところも多い。「スピッツは上体が非常に強く、下半身のパワーも使うことができる」とフィルビンOLコーチは評している。
2007年1月 7日
パッカーズの来季16戦の対戦相手が全て決定した。来季のNFC北地区チームはNFC東およびAFC西と対戦する順番。それに加え、地区2位のパッカーズはNFCの残り2地区の2位チームと対戦する仕組みになっている。ホームorアウェーについては下表の通り。対戦相手の2006年成績は合計126勝130敗で勝率.492だが、それはライオンズとレイダーズが大きく下に引っ張っているせいで、勝ち越しチームが8つ、5割チームが2つ、負け越しチームは6つ。
なお、具体的な日程は毎年4月ごろに発表される。
Packers
2007 Regular Season Opponents |
|
Opponent |
Division |
2006 |
前回の対戦 |
|
Philadelphia Eagles |
NFC東 |
10 |
6 |
L |
9-31 |
'06 |
|
Washington Redskins |
NFC東 |
5 |
11 |
W |
28-14 |
'04 |
|
Carolina Panthers |
NFC南2位 |
8 |
8 |
L |
29-32 |
'05 |
|
San Diego Chargers |
AFC西 |
14 |
2 |
W |
38-21 |
'03 |
|
Oakland Raiders |
AFC西 |
2 |
14 |
W |
41-7 |
'03 |
|
Chicago Bears |
同地区 |
13 |
3 |
1勝1敗 |
|
Minnesota Vikings |
同地区 |
6 |
10 |
2勝 |
|
Detroit Lions |
同地区 |
3 |
13 |
2勝 |
|
|
|
|
|
|
|
|
@ |
Dallas Cowboys |
NFC東 |
9 |
7 |
W |
41-20 |
'04 |
@ |
New York Giants |
NFC東 |
8 |
8 |
L |
7-14 |
'04 |
@ |
St. Louis Rams |
NFC西2位 |
8 |
8 |
L |
20-23 |
'06 |
@ |
Kansas City Chiefs |
AFC西 |
9 |
7 |
L |
34-40 |
'03 |
@ |
Denver Broncos |
AFC西 |
9 |
7 |
W |
31-3 |
'03 |
@ |
Chicago Bears |
同地区 |
13 |
3 |
1勝1敗 |
@ |
Minnesota Vikings |
同地区 |
6 |
10 |
2勝 |
@ |
Detroit Lions |
同地区 |
3 |
13 |
2勝 |
|
|
計 |
126 |
130 |
(.492) |
2007年1月 6日
- 新オフェンシブ・コーディネーター探しについて。具体的な情報があるわけではないが、内部昇格の場合の候補は、ジョー・フィルビンOLコーチとトム・クレメンツQBコーチという見方が一般的。
- 外部に求める場合の候補として地元メディアが挙げているのは、これまでのところ下記のとおりだが、まだ噂以前の段階。ファルコンズのグレッグ・ナップOCとトム・ケーブルOLコーチはゾーンブロッキング経験があり、同じくファルコンズのビル・マスグレーヴQBコーチは、OCとしてもQBコーチとしても数チームで実績がある。彼らファルコンズの3人は、すでにモーラHCが解任されているためレイムダック状態で、獲得は難しくなさそうに見える。ブロンコスのボビー・ターナーRBコーチもゾーンブロッキング経験が豊富。
- ブレット・ファーヴはけっきょく足首の手術を受けずにグリーンベイを後にした。これが何を意味するのかは不明で、引退説も現役続行説もこのことで増えたり減ったりしてはいないようだ。マッカーシーHCは詳しいことは分からないとしながらも、「(手術を受けるかどうか)決めるのは彼だからね。あの状態で7年間プレーしてきたわけだし」と語っている。
- 契約に不満といわれるCBアル・ハリスは、地元フロリダでのトレーニングを好むこともあって、今年も自由参加のミニキャンプは欠席が予想される。問題はそれ以上のたとえばトレーニングキャンプのホールドアウトなどがあるかどうか。マッカーシーHCは、 「最終戦のあとに話し合いをしたが、ポジティブな内容のものだった。私は選手と金銭面についての話はしないが、球団側と大きな対立をすることはなさそうな印象を持ったね。アルはベテランだし、ビジネス面のことは理解している。担当するのは(コーチではなく)ビジネスの部門だ。あとは成り行きを見守るしかない。彼は非常にポジティブだった。チームの方向性を気に入っていたし、今のディフェンスを気に入っていた」
- 今季タッチダウンを挙げられなかったTEババ・フランクスついて解雇論が強くなっているが、マッカーシーHCは来季の彼の復活に期待する旨のコメントをしている。「ババ・フランクスについては、起用法(ブロッカーとしてばかり使われた)が影響を与えたことと、うまく行かないときに彼の自信が揺らいだ、ということもあると思う。彼と話し合った結果、(3月ごろには)ここに戻ってきてオフシーズン・プログラムをこなしてくれると私は期待している。年齢は若返ることはないのだし、オフシーズンから積極的に取り組む必要がある。そしてチームとしては(OLが成長することで)、以前から目指していたようにタイトエンド陣がもっと重要なパスターゲットとなるようにしたい。しかし彼自身も基本に返って取り組み、自信を取り戻さなければならない」
- シーズンが終わればロースター53人の制限が解けて80人枠に増えるため、パッカーズはプラクティス・スクワッドの8人全員をロースターに加えた。これからも、ストリート・フリーエージェント(どことも契約していなかったフリーの選手)との契約は続き、そのうち何人かがNFLヨーロッパに派遣されることが予想される。
2007年1月 5日
マイク・マッカーシーHCが今季最後の記者会見を行い、シーズンを振り返った。
「今シーズンについては複雑な心境だ。我々が成し遂げてきた数多くの事柄について、私は誇らしく思っている。しかしプレーオフに行けなかったのは残念だ。私がチームをプレーオフに導くことができなかったことに失望している。ここにきてチームの健康状態が非常によく、今季最高のフットボールができるようになっていたからだ。トップに立つまでは完璧に満足することなどできないだろう。だから、今季成し遂げたことに満足してはいるが、我々にはやるべき仕事がたくさん残っている」
ファーヴに現役続行を説得することについて。 「帰ってきてほしいことはしっかり伝えてある。しかしそのために補強をどうする、といったことを約束はしない。『なあブレット、君が戻ってくれるなら誰々を獲るよ』 などと私もテッド(トンプソンGM)も決して言うことはないのだ。どのようにフットボールチームを作るべきかというテッドの信念は、決して揺れ動いたことがない。我々はあらゆる選択肢を検討はするが、誰を獲ると約束することは決してないし、ブレット・ファーヴが帰ってきてくれるようエサをぶらさげるようなことはしない」
「ブレットは(自分たちが説得しなくても)必要な情報は全て手に入れている。このところかなり話し合いはした。しかし決断のために彼がこれ以上何か知る必要などないのだ。去年であれば、もっと疑問点はあっただろう。新しいコーチ、新しいスタッフ、新しいシステム、新しいオフェンスの用語。今年よりも疑問点がずっと多かったはずだ。今年に関しては、全ての事実は彼の前にもう揃っている。あと必要なのは、ブレットとディアナがここを離れ、感情的なものを取り除き、100%の確信を持てるまでじっくり考えることだけだ」
「テッド・トンプソンと私はブレットとじっくり話し合いをして、純粋にいち選手としてどう評価しているかを彼に伝えた。過去の業績とは関係なしに、今の彼をどう考えているかを伝え、その上で彼に帰ってきてほしいと我々は話した。その後で、どのように考えているかを彼が話した。球団全体が彼をどのように感じているか、ブレットは完全に理解している」
今季もっとも成長した選手としてマッカーシーHCが名前を挙げたのはLGダリン・カレッジ。「トレーニングキャンプ(いったん先発の座を失った)を考えると、若手の中でも彼が最も成長を見せたと思う。彼のパフォーマンスにはとても感心した」
今オフに大きな手術を予定している選手はいない、とのこと。
新オフェンシブ・コーディネーター探しについて、前任者と同じようにゾーンブロッキングの経験のある人物が望ましいということは認めたが、やはり具体的な名前は挙げなかった。 「2、3週のうちには決めたい。昨日にでも決められたら言うことはないが、必要な調査を全て終えてから決めたいからね。リーダーシップをとるポジションであり、その資質が求められることになる。それから私としては、今のパッカーズにフィットする人物、ということを何よりも重視している。というのは、我々オフェンスのスタッフによって確立された方向性というのがすでにあるわけだからね」
ジャゴジンスキーOCを除いて、コーチ陣の変更はないと示唆。「変更は予想していない。しかしコーチ人事も、他の事柄の検討と何も変わらないのだ。あらゆる可能性を検討する。今後4日間は、今季のコーチングスタッフの全ての仕事について、たくさんの話し合いが行われることだろう」
2007年1月 4日
レギュラーシーズン全日程が終了し、パッカーズの今年のドラフト1巡指名順位は16位となった。8勝8敗チームが8球団もあるため、今季の対戦相手の成績を合計した "Strength of Schedule" で順位が決まった。パッカーズの今季の対戦相手は128勝128敗の5割で、並んだ8球団の中ではSTL(全体13位)、CAR(14位)、PIT(15位)に次ぐ4番目で指名する。
ただし2巡目以降はこの順番で固定ではなく、8勝8敗チームの中でローテーションしていくため、13番目から20番目の間で変動することになる。詳細はまだ不明。
2007年1月 3日
- 1995年の3巡指名入団以来11年間パッカーズでプレーしてきたFBウィリアム・ヘンダーソンだが、シーズン第4週からはFBブランドン・マイリーに先発の座を明け渡し、ついに引退という見方が強まっている。「今は息子(4歳)をかまってやり、娘(0歳か1歳)をかまってやり、そして妻をかまってやるときだ」と彼は語り、しばらくは今後の進路よりもオフシーズンを楽しみたいとしている。引退の場合は解説者となるのが以前からの彼の希望だ。1999年からは地元グリーンベイでTV番組を持ち、NFLヨーロッパの解説も何試合か経験し、昨年4月のドラフト当日にはESPNのアナリストも務めた。(写真はロッカールームでDEキャンプマンとハグして別れるところ)
- 地区内5勝1敗で終えられたことについてFBヘンダーソン。「ミネソタに2つとも勝ったしシカゴにも1つ勝てたし、みんな胸を張っていいと思う。地区内成績なら首位タイなんだから、決して悪いシーズンじゃなかった。残念ながらもう1歩先には進めず、若手たちにポストシーズンを経験させてやることはできなかったけれど」
- 昨年春にFA移籍して期待通りの活躍を見せたDTライアン・ピケット。「フットボールを始めて以来最も楽しいシーズンだった。チームメイトやコーチにも恵まれた。キャリアをリスタートできたような気分がしている。すごくいい1年だった。来年はもっとよくなるだろう」
- LBベン・テイラーは開幕戦直前にLBブレイディ・ポピンガに先発の座を奪われ、最後まで取り返すことができなかった。「プレイング・タイムについては、思い描いていたようには行かなかった。でも降格が決定してからも、僕は自分にできることはどんなことでもやった。ブレイディに必要なことは何でも手助けした」とテイラーは振り返っている。FAとして1年契約だったため、先発できそうなチームに移る可能性は十分ある。「あらゆる選択肢をオープンにして残しておきたい。でもパッカーズと再契約はぜひしたいよ。あらゆる選択肢を検討し、全てはそれからだ」
- 月曜のマッカーシーHCは、選手たちとの今季最後の個別面談を精力的にこなしていた。今後はジャゴジンスキーに代わる後任オフェンシブ・コーディネーター探しが重要な仕事になる。
- ボストン・カレッジのヘッドコーチに就任するジェフ・ジャゴジンスキーOCは、シーズン総括の仕事を済ませてから水曜に東海岸に経つ予定とのこと。自分の後任についてマッカーシーHCに意見は述べたが、その内容についてはノーコメント。
- 1ヶ月前にはボブ・サンダースDCとカート・ショッテンハイマーDBコーチの解任は決定的と見られていたが、3試合連続1ケタ失点という好成績で、留任の可能性が強まっている。ショッテンハイマーは、「私は自分の職の安定について心配したことは生涯一度たりともない。記者の方たちも仕事だということはわかるが、私の仕事上の能力について判定できる資格があるとは思えないからね。意見を述べる資格はあるが、私は屁とも思わないし、信頼が置けるとも思わない」
- ベアーズ戦でフェイクパントから37ydsのゲインを許したプレーについて、「欲張りすぎた」とマイク・ストックSTコーチは責任を認めている。直前のパントをもう少しでブロックできるところだったため、もう1回とブロックを狙った布陣にしてしまったらしい。
- 試合後のロッカールームでのブレット・ファーヴについて、QBアーロン・ロジャース。「ブレットはエモーショナルな人だけど、ロッカールームでは涙やなんかはなかった。みんなで大笑いして、いつもの試合後と同じように、賑やかにお互いにあれこれ自慢話とかしていたよ。楽しい時間だった。みんなの至福の時だった」
- カーディナルスではデニス・グリーンHCが解任されたが、元パッカーズHCのマイク・シャーマン(現テキサンズのアシスタントHC)はその後任候補の1人で、今週木曜には現地を訪れて面談することになっている。現在明らかになっている候補は彼を含めて6人で、ベアーズのロン・リヴェラDCも含まれている。
2007年1月 2日
- 試合後のTVインタビューでQBブレット・ファーヴは、「もしこれが僕の最後の試合なら、いつまでも忘れずにいたいからね。とてもつらいよ。僕は仲間を愛しているし、フットボールを愛している。(ベアーズのような)すごいチームを相手にこのように終えられて素晴らしかった。これ以上の去り方はないというものだ」と涙ながらに語った。(映像)
- 引退問題の決定についてファーヴは、「たぶん2、3週のうちに」と語り、昨年よりは早く決める意思を明らかにしている。昨年は4月のドラフト直前まで長引いてしまったため、今年はチームの補強に迷惑をかけないよう遅くとも3月のFA解禁日までには、という配慮もあるだろう。
- 残り1分53秒でファーヴが退くと、サイドラインを迎えたWRドライバーが彼を抱き上げ、他のチームメイトたちとも笑顔で抱き合った。「フィールドにいた僕らもみんなそっちを見ちゃって、あやうくディレイオブゲームになるとこだった」と語るのは、代わりにニーダウンを行ったQBイングル・マーティン。
- 涙のTVインタビューによって、「あのインタビューまでは現役続行と思っていたけど・・・」と引退説に傾く人々がファンにもメディアにも非常に多い。
- 昨年は最終戦後の記者会見を行わなかったファーヴだが、今年は一昨年と同じように普通に会見を行い(映像)、落ち着いた様子で質問に答えている。引退問題についてはノーコメントで、試合やシーズンについて話したようだ。「ウチは若いチームだ。僕を除けば本当に若い。今季はとても楽しめた。本当だよ。プレーオフに出られたら最高だったけどね。そのチャンスがあるところまで来られたし、アップダウンは多かったけれど、仲間たちと一緒に楽しむことができた」
- 同じく記者会見で、ファーヴ。「まだプレーできる力があることは自分でわかっている。ただ正直に言って、あるプレー、ある試合で悪い結果が出たときに、自分を疑ったことも何度かあるよ。オレのせいなのか? オフェンスが結果を出せないのは自分のせいなのか?とね。それでも、自分はまだ高いレベルでプレーできると、僕は常に信じてきた。今日はそれを他の人々に示すとともに、自分に対して再確認することもできた。プレーする以上は、高いレベルでプレーしたい。今日はそれができた」
- トンプソンGMとマッカーシーHCは、現役続行を望んでいることはファーヴにはっきり伝えてある、とどちらも明言している。
- 昨季終了時もロッカールームで涙のスピーチをしたファーヴだけに、TVインタビューでの涙を見ても驚かない関係者も多い。マッカーシーHCもその1人で、あの涙は引退を決心したからではなく、いろいろなことのあったシーズンを振り返って感極まったのだと解釈している。「本当にエモーショナルな1年だった。彼としても、非常に苦労した1年だったんだ。いろいろな困難に対処する彼のやり方には敬服する他ない。彼はエモーショナルな人間だ。彼は本当に大変だったんだよ」
- TVインタビューでファーヴが泣いたと記者に聞かされたFBウィリアム・ヘンダーソン。「そうなの? 僕が(その後のロッカールームで)見たときには、若い連中としゃべくりまくってたよ。ブレットはとても強い男だ。それにロッカールームで仲間といるときには、彼はいつも堂々としている。どんなチーム状態にあっても、彼自身が内面でどれほど動揺していても、彼は落ち着きを失わず、『日はまた昇り、芝生は緑に輝き、俺たちにもまだチャンスがある』 とみんなに感じさせてくれるんだ」
- WRドナルド・ドライバー。「彼がどうするかはわからないが、僕が辞めるまで続けてほしいと願ってる」
- ファーヴが試合後にOLたちと記念写真を撮っていたのは、OL陣の方から求められたからで、ファーヴの意思とは関係がなかった。「思ってたんだよ。『試合後にブレットと写真を撮ったことがないな』ってさ。だからブレットに頼んだら、『もちろん』と応じてくれた。それだけだ。誓って言うが、彼のために僕が嘘を言ってるんじゃない」とLTチャド・クリフトン。「ここにいる全員が、ブレットが戻ってきてくれることを心から願っている」
- OLたちとの記念写真についてRTマーク・タウシャー。「大きな勝利が嬉しかったということもあるし、今後どうなるかわからないから、ということもあるじゃないか。もしこれが彼の最後の試合なら、僕らにとって素敵な記念になる。もちろんそうならないことを願ってるけどさ。とにかくわからないよ。去年の最終戦のときは、もう戻ってこないだろうなという印象を僕は受けた。だから今年もわからない。帰ってきてほしいけれど、決めるのは彼とその家族だ。彼はこの球団とこの州にたくさんの素晴らしい思い出を与えてくれた。もしこうして引退するのなら、地区のライバルを破って辞めるのは素晴らしい終わり方だよ」
- TVインタビューでのファーヴの涙について、「僕はあまり深い意味があるとは思わない」とQBアーロン・ロジャース。ファーヴの引退問題が自分の来季への準備に影響を与えることはないと彼は言う。「僕にとっては同じ準備になることだろう。理想体重、理想の体脂肪率で、自分にできる限り最高の体を作り、より大きくなるかもしれない来季の自分の役割に備えるだけだ」
- ファーヴは何年も前から悩まされていた左足首の関節鏡手術を今週の前半に受け、それからミシシッピに帰る予定。妻ディアナが語ったところによると、彼女とチームドクターが以前から説得を続けていたとのこと。オフシーズンや練習中の痛みをなくすことが、シーズン全体の重荷を軽減することになり、また引退する場合でも手術は必要だという。「足首の手術は、もう4年も前からする必要があったんです。状態は本当に悪い。とにかくあの痛みからは解放される必要があるから」とディアナ。
- マイク・マッカーシーHC。「素晴らしい形でシーズンを終えることができた。チーム全体に対していくら褒めても足りないほどだが、特に6ターンオーバーを奪ったディフェンスだ。彼らは素晴らしかったし、シーズン後半になって本当によくまとまってきた。オフェンス的にも、1つのターンオーバーを除いて、ポジティブな点がいくつもあった。スペシャルチームではカバレッジユニットが目覚しい活躍を見せてくれた。今日の勝利は非常に嬉しい。最後に4連勝、地区内5勝1敗。オフシーズンから計画を立ててやってきたとおりにチームが前進できたのは素晴らしい気分だ。それにこの気分をシーズン後に持ち越せるのもいいね」
- プレーオフの可能性が消えても、同地区ライバルのベアーズを倒したい気持ちに変わりはなかった。「土曜までのコメントはリップサービスで言っていたわけじゃない。僕らは心底ベアーズに勝ちたかったんだよ。開幕戦で惨敗し、それはランボーフィールドでのとてもつらい敗戦だったんだ。何とかしてその借りを返したかった」とDEアーロン・キャンプマン。
- ファーヴの最終的なパス成功は21/42の5割だったが、最初の18回のうち13回が1stダウンとなるパスだったとのこと。ポケットの中でうまくパスラッシュをかわして時間を稼ぎ、ダウンフィールドに投げることができた。「安全なショートパスを通すも1stダウンには足りず」ということがほとんどなかったのが勝因の1つ。
- どうやら首のつながった観のあるボブ・サンダースDCは、終盤のディフェンス躍進について、「もともとのプランを堅持して、全員がお互いを信じたおかげだ。たくさんある細部へ我々は注意を払った」と振り返っている。DTコーリー・ウィリアムズはサンダースDCについて、「僕らは彼の力を疑ったことはない。不振のときも彼の責任じゃない。フィールドで僕らがやるべきことをできていなかったんだ。彼は素晴らしいコーチだし、長くここにいてくれることを願っている。彼の下でプレーできて僕はとてもよかった」
- シーズン終盤のディフェンスの進歩についてDEカレン・ジェンキンズは、「過去3試合の内容は、僕らが運や何かで勝ってきたんじゃないことを示している。僕らがどれだけ良いか、どれだけ進歩したかの証明だ。おかげでみんな、来年を楽しみにする気持ちが強くなったよ」と語っている。LB A.J.ホークは、「うまくいかない時期も、僕らはこのスキームとシステムを信じていた。目に見えるプレー内容よりも、僕らの本当の力はずっと上だと分かっていた」
- インターセプトを連発したディフェンスについて、マッカーシーHC。「本当はディフェンシブラインから始まっているんだ。試合を通してQBにプレッシャーをかけられたと思う。特に前半4メンラッシュでプレッシャーをかけられたのが大きかった。チャールズ・ウッドソンはこれまで私が見た誰よりも嗅覚に優れたDBだ。ニック・コリンズが本来の力を発揮し始めたのも、ご覧になったとおり。このところ彼はいくつもビッグプレーをし、今日もインターセプト2つだけでなく、もう少しで3つ目までできるところだった。繰り返すが、ディフェンス全体が素晴らしい頑張りを見せたと思う」
- 初のINTリターンTDで、試合の流れを決定付けることになったSニック・コリンズ。「素晴らしい気分だ。大学や高校の時はエンドゾーンに慣れていたけど、プロでは初めてだからね。毎週でもできる能力はある。流れさえつかめて、チャンスをくれれば、これからたくさんお見せできるだろう」と自信家の彼らしいコメントをしている。DTピケットは「ディフェンスは試合最初から好調だったが、ニックのインターセプトで本当に波に乗ることができた。あれで勢いがついたんだ」
- ジェニングス欠場の穴を見事に埋めたWRルヴェル・マーティン(7回118yds)とWRカーライル・ホリデイ(5回87yds)について、「連中はベテランのようにしっかりとしたプレーを見せた。仕事のやり方をわかっていた。彼らの頑張りがチームを大きく助けてくれたよ」とWRドライバーは賞賛している。
- ドライバー以外が100ydsレセプションを記録したのは、第5週ラムズ戦のWRジェニングス以来。WRルヴェル・マーティンは、「相手はドナルドを止めるためにデザインしたディフェンスをしてくるが、それは他のレシーバーの働きしだいで崩すことができる。僕とカーライルがいいプレーをできたのは、チームにとって大きいことだったと思う。(初の100ydsゲームは)僕にとっても大きな意味がある。いつでも僕は、チームメイトたちに、そして球団側に、自分がいいプレーができることを示したかった。ようやくその機会ができ、そのチャンスを活かすことができて本当に嬉しいよ」
- 唯一ファーヴが許したインターセプトは、WRルヴェル・マーティンがオーディブルを分かっていなかったためらしい。
- RBアーマン・グリーンは自身6回目のシーズン1000ydsラッシング。「1000ydsを超えるのはリトルリーグの頃からの目標だからね。ランニングバックを長くやっていると、1000ydsを超えるのはむしろプライドの問題なんだ。もしRBが1000yds走れれば、そのチームはその年、いい形になっているということだから」と振り返っている。サイドライン際でファンブルした(アウトオブバウンズで事なきをえる)のは第3週以来のミスだったが、今季ファンブルロスト2回はパッカーズに来て以来最少。(大ケガをした昨季は除く)
- Cスコット・ウェルズ。「去年と比べて、ずっと明るい気持ちでオフシーズンを迎えることができるよ。4勝8敗だったときはとてもつらかった。あそこが重要なポイントで、言ってみれば決定的な瞬間だったと思う。下位のチームはあのあたりで諦めてしまうところだから」
- 6巡ルーキーのDTジョニー・ジョリーは、今季もっともプレー回数が多かったらしい。代わりに機会を減らされたのはDTコリン・コールで、彼は2年目の今季期待されたほどの成長を見せられなかった。
- WRジェニングスが急きょ欠場したことについて、マッカーシーHC。「奥さんの二コールが今日の午後出産したからだ。昨夜(土曜)遅くに連絡が来て、彼はシカゴからグリーンベイに帰った。私がいつも言っているように、最初の子供が産まれるのは、フィールド上の何よりも大事なことだ。だから彼はいるべき場所に行ったのだ」
2007年1月 1日
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Packers (8-8) |
13 |
10 |
0 |
3 |
26 |
Bears (13-3) |
0 |
0 |
7 |
0 |
7 |
天気は曇り。気温は10℃。風はやや強いもののこの時期としては穏やかな天候に恵まれた。
最初のドライブでWRドライバーが先制TDを挙げたパッカーズは、ディフェンスが次々とインターセプトを重ねてなんと23点リードでハーフタイム。後半のベアーズは不振のQBグロスマンからQBグリーシーに交代させたが流れは大きくは変わらず、けっきょく合計5INTを挙げたパッカーズが危なげなく逃げ切った。パッカーズはこれで8勝8敗、シャーマン前HCの初年度と同じく4連勝でシーズンを終えることができた。
第1Q、GB陣25からのパッカーズはWRホリデイへの35ydsと12ydsパスでレッドゾーンに入り、最後はWRドライバーに9ydsTDパスが通って先制。ベアーズが3&アウトのあと、パッカーズはWRルヴェル・マーティンへの33ydsパスで敵陣に入るがそこまで。ベアーズは再び3&アウトに終わり、パッカーズはCHI陣45からのチャンスだったがインターセプトに終わる。ベアーズはGB陣に入ったところでSコリンズがインターセプトしてそのままリターンTD(PAT失敗)。ベアーズはRBベンソンの30ydsランでGB陣に入って第2Qへ。
第2Q、ベアーズは3rdダウンでのスナップミスでファンブルロスト。パッカーズはWRルヴェル・マーティンへの34ydsパスでレッドゾーンに入るが、Kレイナーが32ydsFG失敗で13点差のまま。ベアーズはWRムハマドへの27ydsパスでフィールド中央に進むが、今度もCBウッドソンがインターセプト。パッカーズは敵陣に入るが、リバースの失敗が響いて結局パント。CHI陣10からのベアーズはRBベンソンの18ydsランが出るがそこまで。ナイスリターンでGB陣42からのパッカーズは、WRルヴェル・マーティンへの18ydsパス、WRホリデイへの15ydsパスで得点圏に入るがTDならず、25ydsFG成功で16点差に。前半残り43秒からのベアーズ攻撃は、ティップしたボールをCBデンディがインターセプトしてまたもタッチダウン。
第3Q、ベアーズはQBグロスマンに交代するが、3rdダウンでサックが出て3&アウト。パッカーズはRBグリーンのランで1stダウンを1つ取ってパント。ベアーズも4thダウンとなるが、パンターがフェイクパントでパスを決めて34ydsのビッグプレーに。しかしレッドゾーンでLBホークがインターセプト。パッカーズが3&アウトのあと、CHI陣32からのベアーズは、WRラシャード・デイヴィスへのパスなどでGB陣に入るが結局パント。パッカーズが3&アウトのあと、ベアーズはWRブラッドリーに75ydsのTDパスが決まってようやく初得点。
第4Q、パッカーズはWRドライバーへの8ydsパス、WRホリデイへの18ydsパスで敵陣に入り、最後は46ydsFG成功で19点差。CHI陣32からのベアーズは21ydsスクリーンとアンネセサリーラフネスで一気に得点圏に進むが、Sコリンズがこの日2つめのインターセプト。パッカーズはRB2人のランとショートパスで時間を使い、最後の8分半を使い切って試合終了。
- QBブレット・ファーヴは21/42、285yds、1TD、1INT。WRドライバーが万全でなくWRジェニングスも欠場のため、レシーバーとの呼吸が合わず苦しんだが、勝負強く3rdダウンでのパスを成功させてドライブをつないだ。
- 試合後のTVインタビューでファーヴは涙を流し、言葉に詰まるほど感極まった様子を見せた(ビデオ・写真1・写真2)。これまでどおり現役続行か否かは「決めるのはこれから」としているが、このところ支配的になりつつあった現役続行説がこれで再び引退説に傾いている。
- RBアーマン・グリーンは22回71yds(平均3.2)。前半は1stダウンでのランをほとんどシャットアウトされていたが、相手が消化試合ということもあってか、後半になると徐々にゲインできるようになった。RBモレンシーも後半を中心に9回37ydsを挙げ、逃げ切りに貢献している。
- レシーバー陣ではWRジェニングス(妻の出産で欠場)に代わって先発出場のWRルヴェル・マーティンが7回118ydsの大活躍。3番手WRとして出場のカーライル・ホリデイも5回87ydsと頑張りを見せた。WRドライバーは先制TDはあったものの、3回23yds。肩のケガのせいか、おとりとしてダブルカバーを引き受ける役目だったのかもしれない。
- パッカーズが犯したターンオーバーはファーヴのインターセプト1つ。WRルヴェル・マーティンのルート取りのミスのようだ。
- OL陣は2試合続けてベストメンバー。パスプロテクションは2サックを許したがまずまずの出来で、ファーヴに時間を与えることができた。開幕戦ではファーヴが追いかけられ回されて完封負けを喰らったことを考えれば、成長したところを見せることができた。
- パッカーズディフェンスが奪ったターンオーバーは、5つのインターセプトと、相手センターのスナップミスによるファンブルリカバーが1つ。Sコリンズが2INTのほか、LBホーク、CBウッドソン、CBデンディがそれぞれインターセプトを決めた。Sニック・コリンズは2INT以外にもナイスタックルやナイスカバーを連発し、キャリア最高の試合内容だった。
- パス守備は8/28、181yds。下記の75ydsTDパスを除けばほぼ完璧な内容だった。特に3rdダウンで2/13とと頑張ったのが勝利の原動力となった。
- サックはDEバジャ=ビアミラとDEカレン・ジェンキンズが1つずつ。それ以外にも、両QBにプレッシャーをかけて投げ急がせることができていた。
- ラン守備は24回135yds(平均5.9)。 2番手RBセドリック・ベンソンに10yds以上のランを5回も許し、今季初の100ydsラッシングゲームをプレゼントしてしまった。
- 自陣に攻め込まれてもターンオーバーでしのいできたパッカーズディフェンスだったが、大きなミスは第3QのWRブラッドリーへの75ydsTDパス。CBデンディがアウトサイドをカバーし、Sマニュエルがインサイドを押さえるはずが、Sマニュエルが前に上がってしまったため、ランアフターキャッチでエンドゾーンまで走られる結果にとなった。
- 反則は3回35ydsと少なかった。RTタウシャーのフォルススタート、CBウッドソンのフェイスマスク、LBバーネットのアンネセサリーラフネス。
- パントリターンはCBウッドソンが3回平均9.7ydsと水準以上の出来。
- キックオフリターナーのRBモレンシーは1回26yds。
- カバーチームは、大きな課題だったCBデヴィン・ヘスターにビッグリターンを許さず、勝利に大きく貢献した。
- Pジョン・ライアンのパントは5回平均40.0yds。うち2回は敵陣10yds以内にコントロールできた好パントで、残る3回も平均2.6ydsしかリターンさせず、申し分のない内容だった。
- Kデイヴ・レイナーは、2つめTDの際にPATをアップライトに当てて失敗し(キャリア初)、次の32ydsFGも左に外してしまった。その後は25yds、46ydsと成功。
- アクティブ登録から外れたのは、WRジェニングス、RBポープ、TEマーティン、T/Gコストン、OGパーマー、LBホッジ、Sカルヴァー、そして第3QBイングル・マーティン。
- ケガ人。第2QにSコリンズが太ももを痛めて一時退場したが、すぐに復帰して2つめのインターセプトを決めている。大きなケガ人はいなかったようだ。
- SコリンズもCBデンディも初のINTリターンTDを決めた。1試合でディフェンスが2つのタッチダウンを挙げたのは、2005年10月9日のセインツ以来、球団史上9回目とのこと。
- RBグリーンは自身6回目のシーズン1,000ydsラッシングを達成。
- 試合後にはOL陣がファーヴを囲んで記念写真を撮っていた。