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2008年4月30日
- 7巡b指名WRブレット・スウェイン(サンディエゴ州立大)について、トンプソンGM。「秋に現地を訪れたスカウトたちがQB相手のプレーも見てみたのだが、彼をとても気に入った。そこで先日グリーンベイにも呼んでさらに見てみたのだ。とてもよい選手だし、7巡だし、よいピックだと思っている」
- スピードのないレシーバー、という見方に本人は強く反発している。コンバインに招待されず、大学での Pro Day では4.41秒を出した。「僕のスピードについて、4.6秒級という見方ばかりされ、そのせいで全て(ドラフト指名)が影響を受けてしまったように感じている。スピードは僕のプレーの重要な部分だし、プロ・デイではそれを証明する必要があった」
- 「自分のことはユーティリティ・プレーヤーだと思っている。オフェンスでも、スペシャルチームのリターナーやカバーマンでも、必要とされれば何でもできる」
- 大学通算44試合に出場して26試合先発。昨年は大きく伸びて58キャッチ973yds(平均16.8yds)、5TDを挙げ、それまでの3年間を足したよりも数字を稼いでいる。
- サンディエゴの北にあるカールスバッド市の出身で、カールスバッド高校の先輩には今年パッカーズに加わったLBブランドン・チラーがいる。
- 前述のOGシットンの家族とは違い、サンディエゴ州立大の同僚QBケヴィン・オコネルの母は全球団のキャップを買ってドラフトに備えた。息子がペイトリオッツに3巡指名されたので、余ったパッカーズのキャップをWRブレット・スウェインにプレゼントし、残った30個は返品したという。
- 2人目のQBとしてマット・フリン(ルイジアナ州立大)を7巡a指名した理由についてトンプソンGM。「我々はかなりマットを気に入っていて、それが7巡でも残っていたということだ。彼は試合に強いタイプだ。ジャマーカス・ラッセルがいたために1年しか先発経験がないが、見れば見るほど我々は気に入ってきた。それにQBというのはデプスが重要なポジションだし、この3人がいればチームの助けになると思っている」
- 今後のベテランQB補強の可能性についてトンプソンGMは、「これで補強終了ということは決してないし、他のQBも検討はしていくつもりだ。しかし現時点ではこのまま様子を見るだろう。マイク(マッカーシーHC)もトム(クレメンツQBコーチ)も、若手の育成にとても自信を持っている。スカウティングスタッフもコーチングスタッフも、今の陣容にとても満足している」と語っている。QBクレイグ・ノールとの再契約について聞かれると、「現時点ではたぶんないだろう」とのこと。
- ドラフトの翌日、QBジェリー・バブとQBダルトン・ベル(どちらも昨年のドラフト外)が解雇された。ドラフトでQBを2人指名したせいであるのは明らかだ。これでQB陣は再び3人体制となり、新たな補強がない限りQBブロームが2番手、QBフリンが3番手ということになるだろう。
- 大学3年までQBジャマーカス・ラッセル(現OAK)の控えに甘んじた経験についてQBフリン本人は、「つらい状況だった。2003年にジャマーカスと一緒にLSUに入ったんだ。(先発はラッセルだったが)彼とは毎年タイトなバトルをしたし、大きな差があったとは思わない。そういった経験全てが将来の助けになると思いたい」と振り返っている。2005年シーズン末のボウルゲームでは負傷欠場のラッセルに代わって初先発し、ランク9位のマイアミ大に40-3の大勝を収めている。
- QBフリンが初めてフルタイムの先発QBとなった昨年のLSUは、12勝2敗でみごと全米制覇。最後のBCSチャンピオンシップでも、QBフリンは4TDを挙げて優勝の原動力となっている。
- Journal Sentinel紙のグレッグ・べダード記者は、この指名もまたニード・ピックであると以下のように分析している。QBブロームは完成度の高いタイプなので1年ほどで実戦投入の準備ができ、2年ほどでパッカーズはロジャースとブロームのどちらかを選ばなければならなくなる。ロジャースが勝てばブロームが魅力的なトレード材料として浮上し、その頃にはこのQBフリンも2番手となる準備ができている、とのこと。
- 5巡指名のOTブレノ・ジャコミニ(ルイヴィル大)について、トンプソンGM。「彼は元タイトエンドで、今もまだ大型ラインマンに成長しつつあるところだ。デカい骨格、デカい脚、非常にアスレチックだ。秋にルイヴィルに見に行ったとき、他の選手たちも全て見たが、彼はスタッフから非常に賞賛されていた。あの競争心の強さもいい」
- ポジションについてキャンペンOLコーチは、「まず左右両サイドをやらせてみて、どのようなプレーをするかを見るつもりだ。彼は学習能力が高い。最初の試合から全て通して見たが、彼は毎年着実に進歩してきている」とのこと。
- 大学の2年上の先輩にRGジェイソン・スピッツがいる。「僕がパッカーズ関係者と会ったのはコンバインが初めてだったけど、スピッツとは知り合いだから、チームのことは彼から聞いていた。僕がどのような人間か、彼からもきっと推薦があっただろう。コンバインの後は、僕に強い興味を示しているチームの1つがグリーンベイだという感触は感じていた」
- ケンタッキー大戦の試合前にファンに向かって中指を立てた事件については公式に謝罪を行い、ヘッドコーチからの処罰(公共奉仕とダッシュ何本)を受けている。「僕の過ちだった。二度とあのようなことは起こさない。ライバル校との試合で、気合が入りすぎてコントロールできなくなったしまった。僕は激しいタイプで、喋るのも大好きだ。どんどん声を出してチームを盛り上げるのが好きだけど、口だけの人間じゃない。言葉を実証することでリーダーシップを示す方だ」
- 3月21日に飲酒運転で逮捕されているが、全て解決したところ、と本人は説明している。(詳細不明)
- 高校時代はDEやLBとしてプレーし、高校3年目はフットボールを休んでバスケットボールで平均21得点(リーグ2位)の大活躍も見せている。
- コテコテのイタリア系の名前だが、両親はブラジルから合衆国に移民し、1年後に彼が生まれたとのこと。彼の曽祖父がイタリアからブラジルに移民したようだ。トンプソンGMは彼の名前を覚えることも発音することもできず、「ジーノ(Geno)、私は彼の姓を発音してみようとさえ思わないが・・・何といったかな、そうブレノ・ジャコミニ」と記者会見の中で話していた。
- 4巡b指名のOGジョシュ・シットン(セントラルフロリダ大)は右タックルで33試合、右ガードで7試合の先発経験があり、左ガードで出場したこともある。パッカーズはそうした器用なところを高く評価している。まずガード(ロースター上もガード表示)として使い、タックルやセンター(出場経験はない)としての可能性も考えているようだ。
- OGシットンについて、キャンペンOLコーチ。「ドラフト3週間前にパッカーズを訪問したときの面談の内容が素晴らしかった。黒板での演習も非常によく、彼の頭のよさを示した。フィールドでは、いったん彼が相手DLに触れるとまるでVelcro(日本で言うマジックテープ)のようで、彼を突き放すことはできない。そして最大の強みの1つが、あの激しい情熱と大きなエネルギー、ホイッスルが鳴るまでファイトするタフガイだ」
- 入団すぐから先発ガードを争えるか、との質問にキャンペンOLコーチは、「もちろんだ。彼を含めて(先発両OTとCを除いた)13人が先発スポットを激しく争うことになる」と答えている。OGシットンにゾーンブロッキングの経験は?との質問には、「彼らはゾーンも多少やり、パワーギャップ的なスキームもやっていた。だから我々のスキームにうまくアジャストできると思う」
- 指名直後のインタビューでOGシットンは、「信じられない。この喜びは表現のしようがないよ。不安や緊張が全て吹き飛んでしまった。指名から1時間経ってもまだ神経がたかぶっている」
- ドラフト前に評価を上げたOGシットンに対し、強い興味を示したチームの1つがパッカーズだった。「グリーンベイに呼ばれて行ったジョシュから電話があって、『ママ、ここは絶対見るべきだよ。すごい伝統とロンバルディ・トロフィーが並んでる』 と言うので私は、『あなたを指名するよう言っといて。そうしたら私も行くわ』 と答えたんです」と母ロレット。
- OGジョシュ・シットンの一家は、フロリダ州ペンサコラ(海軍航空基地で有名)の自宅でドラフトを見ていた。4巡で息子が指名されると、父ジョージは急いでスポーツ用品店に走り、パッカーズグッズをいくつか買ってきた。息子にキャップをかぶらせたのはよかったものの、サイズの合うシャツがあるわけはなく、よりによってショッキングピンクのポロシャツで地元メディアのインタビューを受ける結果に。
- オーバーン大など複数から奨学金オファーがあった中でセントラルフロリダ大を選んだのは、すぐに出番があると思ったから。その目論見どおり、彼はレッドシャツなしで1年目からスターター(4試合)を務めたため、現在まだ21歳。
- 2006年に飲酒運転と駐車違反で免停処分を受けたことがある。
- 4巡a指名のDEジェレミー・トンプソン(ウェイクフォレスト大)は、快速パスラッシャー的なタイプではなく、ラン守備もよい万能タイプ。左サイドでDEキャンプマンの控えにうってつけと見られている。実際ドラフト前から、「キャンプマンに似たタイプ」との評判が少なかった。メンタルがしっかりしていることも含めてのようだ。
- ドラフト後のトンプソンGMの会見で記者から、「初トレードアップおめでとう」の声。「みなさんに見せるためにやったんだよ(笑)。本当のところ、我々が非常に気に入った選手がそこにいて、トレードアップも決して軽率でない、と考えたからだ。以前にもやろうとしたことはあるが、結果としてまとまらなかっただけだ。今回はジェレミーを手に入れることができて我々はとても喜んでいる。我々は彼を非常に高く評価していたので、4巡で残っていることに驚いた。そのことがトレードアップの原動力になった」
- 担当スカウトのブライアン・グートクンストは、「普通の大学と違って、彼はサックを量産するような仕事には専念させてもらえなかった。カバレッジへのドロップバックなども含めてたくさんのread-and-react的な役割を担当していた。彼が1つのことに集中する機会を与えられたらどれだけやれるか楽しみだ。容易に倒されないところを非常に高く評価している。多くの選手と違って、地面に倒されずに残って追い続けることができる。」
- サックの数(昨季6.5回・通算8.5回)が物足りないとの見方もあるが、大学2年目でのヒザの大ケガをしたことが大きかった。2005年シーズンの終盤、彼はヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してしまったため、当然翌シーズンにも悪影響が残り(肩のケガも)、昨年はシーズンが進むうちにようやく完調に戻ってきた。彼についてのネガティブ評価は復調以前のものが多いと考えれば、期待できるかもしれない。
- 左ヒザの大ケガから2年半が経ち、もう影響は全く残っていない、と本人。「リハビリの専門家のところで本当にハードに頑張ったからね。今では反対のヒザよりも強くなっているぐらいだ」
- ハードワーカーで頭がよく、人格面は申し分ない。全米スポーツマンシップ賞のファイナリスト(10人)にも選ばれた。学業も順調で、最後の科目の試験がドラフトの翌日とのこと。今日はお祝いを早めに切り上げて必死に勉強し、月曜に試験を受け、火曜からフットボールに集中する、と本人は指名直後のインタビューで語っている。
- 最後の試験の科目は何かと記者から聞かれ、"Fathers and daughters"とDEトンプソン。「そりゃ一体なんです」と聞かれると、「アメリカにおける父と娘の関係について。選択科目なんだ。僕は将来の娘のために受けているんだけど、自分の父との関係をよくするために受けてる女性もいっぱいいるよ。とても勉強になる」とDEトンプソン。記者から「はっきりいって女性を手に入れるためでは?」と突っ込まれると、「ノー、ノー。そんなためじゃない。じっさい僕にはガールフレンドがいて、真剣に付き合っている女性なんだ」と懸命に否定している。
- 兄のOTオーリン・トンプソン(デューク大出身)は一昨年パッカーズのプラクティス・スクワッド、昨年はついにロースター入りを果たした。しかしジェレミーはフットボールシーズンになれば自分も試合があるので、グリーンベイに行ったことは一度もないとのこと。
2008年4月29日
- 指名各選手の背番号は昨日の全指名リストの右端に追加してあるので参照のこと。QBブロームは大学時代に12番だったが、QBロジャースと重なるため11番を選んでいる。TEフィンリーは昨年までババ・フランクスが着けていた88番。DEトンプソンはDTコーリー・ウィリアムズの着けていた99番。
- 1巡が15分から10分に、2巡が10分から7分に短縮されたドラフトについて、マッカーシーHC。「すごくいいね。我々コーチが40秒でプレーコールしなければならないのに、なぜテッドたちGMにあれほどの時間が必要なのかわからないよ。よい変更だったと思う」
- すでにドラフト外ルーキーたちの契約が始まっていて、パッカーズも10人ほど契約したと報道されているが、これはいずれまとめて紹介の予定。全米屈指のロングスナッパーと評価されたノートルダム大のJ.J.ジャンセン選手とも契約したようだ。
- パッカーズ指名選手の話題を、今回は3巡までの4人について以下に紹介。
- 3巡指名のTEジャーマイケル・フィンリーについて、マカドゥーTEコーチ。「選手のフィルムを見るときは、コーチできない天性の才能を持っているかどうかをまず探すものだが、彼にはそういったものがいくつもあると思う。映像を見始めてすぐに興味をそそられた選手だった。まだ身体能力のごく一部をあらわしたにすぎない。あの身長にしてはスリムな243ポンドで、若く未熟な選手だ。向上の余地は大きく、トレーニングを続ければもっと体重を増やせるだけの骨格がある」
- 出場資格があと2年残っていながらアーリーエントリーしたことについてTEフィンリー本人は、最近結婚したことや2人の子供がいることとは関係ないとしている。「フィールドの中でも外でも、人生のより大きなチャンレンジへの準備ができていたからだ。だからNFLに入る決断をした。迷いはなかった。暮れのボウルゲーム(アリゾナ州立大に快勝)の前に決心はできていたし、やっていける自信はあった」
- ランブロッキングを自分で評価するならBマイナスだとTEフィンリーは言う。「ランゲームについては努力が必要だね。グリーンベイに行ったら、必死で頑張るつもりだ」
- 21歳というTEフィンリーの若さについて、トンプソンGM。「彼は非常に若いが、我々はさほど心配はしなかった。アーリーエントリーの選手で用心が必要なのは、4年生と比べてスカウティングの対象となる試合が少ないことだ。しかし彼はとても才能ある選手だと我々は思った。素晴らしいキャッチ力があり、非常にアスレチックだ。ドナルド(TEリー)とトリー(TEハンフリー)に彼を加えることができて、コーチたちはとても喜んでいる」
- TEフィンリーは高校時代バスケットボールでも大活躍し、平均24得点・20リバウンドを挙げて地区のMVPにも選出された。アリゾナ大からはバスケとフットボールの両方で奨学金をオファーされたという。「でもテキサス大を選んだときに、どちらかに絞るようにマック・ブラウンHCから言われ、フットボールに夢を賭けた」とのこと。
- テキサスA&MのエースRBジョヴォスキー・レーンは腹違いの兄で、生まれが2ヶ月弱しか違わない。TEフィンリーは珍しいことに両親の名前をプロフィールに載せておらず、RBレーンも両親でなく祖父母の名前をプロフィールに載せている。同じテキサス東部の5マイルほど離れた街で、それぞれの母方の祖母に育てられたらしい。子供の頃から毎日のように一緒に遊び、大学ではライバル校同士で、「1年間いばる権利」を賭けて毎年対戦した。
- 2巡c指名のCBパトリック・リー。「年上の選手たちをよく見て学び、言われたことはどんどん取り入れようと思う。アル・ハリスにチャールズ・ウッドソン、彼らはすごいよ。彼らから学んで最高の選手になりたい」
- CBリーについてマッカーシーHC。「フィルムで分析して我々のスキームに求められる資質は見て取れたし、パトリックなら我々のディフェンスにフィットすると確信している。サイズがあって、フィジカルなところが非常にいい。タックリングやバンプ&ランでのアグレッシブさを見ても、あの気性や姿勢はウチのスタイルに合っている」
- CBリーについてトンプソンGM。「彼はタフガイだ。バンプ&ランを好む。我々のディフェンスによくフィットすると思う。エネルギッシュで優れたアスリートだ。全体60位で指名できるとは思っていなかったし、非常によいバリュー・ピックだったと我々は感じている」と語っている。
- CBリーは4年目で先発に昇格した遅咲きだが、という質問に対してトンプソンGM。「オーバーン大は非常に優秀なチームなので、遅咲きと言えるかどうか。3年までもずっとニッケルやダイム・パッケージで出場していたし、フルタイムの先発となった昨年は素晴らしい内容だった」
- 4年目までフルタイムのスターターになれなかった理由についてCBリー本人。「2004年はすごい先輩たちがいた(現WASのCBカーロス・ロジャースや現ATLのCBデヴィッド・アイアンズ)。2005年に5試合に先発した後でケガがいろいろあって、コーチたちは僕の健康を優先したんだ」
- 全米各メディアも、CBリーはマンカバー、プレスカバレッジ向きとの評価が多いようで、パッカーズにはうってつけの好指名という声が多い。オーバーン大でのパスカバレッジ戦術についてCBリー本人は、「オフカバレッジは全体の4%か5%ぐらいで、それ以外はプレスカバレッジだった。片側がゾーンで片側がマンであったり、いろいろと変化はつけたけど」
- ポジションについてCBリー。「僕はセーフティもプレーできる。高校ではセーフティだったんだ。大学ではやらなかったけど、セーフティとコーナーを両方プレーできるよ」
- 2巡b指名のQBブライアン・ブロームは、1巡上位指名候補だった昨年はプロ入りせず、4年目はヘッドコーチ交代もあってインターセプトが増えて評価を落とした。「いや後悔はしていない。自分の心と相談して決めたことだ。僕はもう1年ルイヴィルに残りたかった。チームとしての目標を追い求め、それは達成できなかったけれど(6勝6敗)、自分としては選手として進歩できたと思うし、成熟したと思う。指名順位が下がったとしてもそれは関係ない。1年前よりよいクォーターバックになれたし、プロのレベルへとステップを上がる準備ができたと思う。この1年は本当によい勉強になって、今後の自分の助けになるだろう。だから、あの決断は全体としてみれば正しかったと思う」
- 自分の加わるパッカーズのQB状況について、「まずしっかりとプレーブックを消化して、競争したいと思う。自分のなれる最高の選手になるため、ハードに努力するだけだ。グリーンベイはとても優れたチームだし、早く僕もその一員に加わりたい」とQBブロームは語っている。自分の指名がロジャースへのプレッシャーになるのでは、という質問には、「それはコーチが決めることだ。自分にできるのは、できる限りの努力をして最高の仕事をすること。そして自分の能力をコーチたちに見てもらい、判断してもらえばいい」
- QBブロームの評価についてマッカーシーHC。「全てにおいてよいと思っている。ポケットにおいて、ポケットの外で、スローイングの基本、スライドして投げる能力、ブリッツへの対応など、全てにおいて合格点をつけられる。最も速い脚や最も強い肩は持っていないかもしれないが、彼は正確だし、非常に安定していると思う」
- QBブロームを指名しようと2巡の途中でトレードアップしようとしたが、交渉がまとまらなかった、とトンプソンGMは明かしている。「全体56位では残っていないだろうと私は予測していた。ドラフトは予想どおりに行かないもので、彼が残っていてくれて本当に幸運だった。チームにとってプラスになる選手だと思うし、我々が彼を鍛える間、アーロン(ロジャース)の後ろでしっかりやってくれると思う。私にとってもマイク(マッカーシーHC)にとっても球団全体にとっても、エースはアーロンだ。ブライアン本人にも電話で伝えたし、それは理解してくれている」
- QBを上位指名したことについてQBアーロン・ロジャースに説明したか、と聞かれたトンプソンGM(ドラフト初日終了時点)。「いや、私は特に必要を感じない。アーロンは大丈夫だ。彼はプロだし、今は自分が先発QBだとわかっている。たしかにメディアからはあれこれ言われることだろう。しかしこれがプロフェッショナル・フットボールであり、アーロンはプロだ。出場経験は少ないが、みなさん彼を取材しておわかりのように、非常にしっかりと振舞っている」
- QBロジャースと話をしたかという同じ質問に対してマッカーシーHC(ドラフト初日終了時点)。「いや、その必要は感じない。じっさい私は昨日アーロンと話をして、そのこと(QB上位指名の可能性)について話し合った。我々が彼についてどう思っているか、彼はよくわかっているし、このチームでの役割もわかっている。グリーンベイ・パッカーズのクォーターバックとして成功するためのあらゆる機会を、彼は与えられるだろう」
- QBブロームの父オスカーも兄のグレッグとジェフも、全てルイヴィル大で活躍した。グレッグはWRとして活躍し、2006年からルイヴィル大の Director of Football Operations を務めている。もう一人の兄ジェフは同大エースQBとして活躍したあとNFLで控えQBを7年間務め、現在は同大のアシスタントHC兼オフェンシブコーディネーター。QBブロームがそうしたプレッシャーの下で4年間頑張ってきた経験も、マッカーシーHCは高く評価しているようだ。
- 高校ではバスケットボールでも活躍して高校初の地区大会優勝に貢献し、野球でも州大会準優勝に導いている。
- 2巡a指名のWRジョーディ・ネルソンについて、マッカーシーHC。「ヴァーサタイルなタイプで、デカく強くフィジカルなレシーバーだ。あのタフネス、特にランアフターキャッチには惚れ込んでいる。過去2年のウチのレシーバーたちは、3ステップや5ステップの速いタイミングの短いパスから、ランアフターキャッチで大きな成果を挙げている。彼はそういったパッシングゲームにうってつけの選手だ。それにあの体があるから、スペシャルチームでも大きな貢献が期待できる」
- 層の厚いWRを2巡a指名したことについて、トンプソンGM。「我々は常に向上を目指している。このポジションはもう十分だから、優秀な選手が残っていても獲らない、ということは決してないのだ。このユニットは優秀だと思っていても、何人かケガ人が出ればダメになってしまう。特に最近のマイク(マッカーシーHC)たちは、5WRなどスプレッド隊形を好んで使っている。ネルソンをパントリターナーとして使うかどうかはわからないが、昨年はわずかな回数で2つもTDを決めている。リターナーをするかどうかは別にして、我々が求めているランアフターキャッチ能力の高さを示しているのはたしかだ」
- WRネルソンに注目した経緯についてトンプソンGM。「彼の対戦相手を見るために、12月にはずいぶん彼のプレーを見る結果になり、『この27番は誰だ?』と私は驚いてばかりいた。見れば見るほど彼を認めざるをえなくなった。あら探しをしようとしてもね。それに昨秋彼を見たスカウトたちが、みな熱烈に推薦し続けたので、我々としても真剣に検討を続けてきた」
- WRネルソンについてスカウトのレニー・マクギル(元CB)は、「波のない選手で、毎週毎週コンスタントに見事なプレーを見せた。彼のチームには他に武器が少なく、相手ディフェンスは彼を止めることに全力を挙げたにもかかわらずだ」と語っている。ロビンソンWRコーチは、「オールラウンドプレーヤーで、ポゼッションタイプとディープスレットの両方ができると思う。おそらく大学では、アンダーニースなど短いポゼッション系のルートの方が多かっただろうが、縦に抜き去るプレーもあった。決して遅いレシーバーではない」
- 自分の特徴をパッカーズファンに説明して、と言われたWRネルソン。「僕のフットボール・スピードは、(コンバインなどでの)タイム・スピードより速いんだと思う。パッドを着けて速く走れる。鋭いカットや加速ができる。僕は安定したプレーヤーで、同じルートを毎回同じ深さで走る。フィールド上でもフィールド外でも、正しい行動をする。グリーンベイでは、オフェンスでもスペシャルチームでも、チームから求められることは何でもするよ」
- WRネルソンの代理人のヴァン・マケロイ。「彼をトップWRと評価するチームもいくつかあった。グリーンベイでは長きにわたってファンから愛される選手になるだろう。よくいるような、ハードワークだけがとりえの白人選手じゃない。素晴らしいサイズのある、信じられないようなアスリートだ。人格的にも申し分ない。物静かで、几帳面な子だ。常に全力で頑張る。最近のレシーバーというのは、少しばかり頭がどうか、といった選手が少なくないが、ジョーディはその正反対で、信頼できる」
- 2巡最初にWRネルソンが指名されたとき、昨年の3巡指名WRジェームズ・ジョーンズはランボーフィールドでの"Packers Draft Party"に出席して、ファンにサインをしているところだった。すぐそばで見ていたファンによると、WRジョーンズはできる限り感情を表面に出さないようにはしていたものの、小さく首を横に振って、「何のためにそんなことをする・・・」とつぶやいたらしい。トンプソンGMも指名後に会場に姿を現し、やはり昨年と同じくブーイングを浴びた。
- WRネルソンのハイライトビデオでは、バッカニアーズの1巡20位指名CBアキーブ・タリーブ(カンザス大)を縦にぶち抜いて68ydsTDを挙げるシーンが印象的(動画)。スカウトのレニー・マクギルは言う。「1つ言えるのは、非常にレベルの高いビッグ12カンファレンスの相手と彼は対戦してきたということだ。40yds走のタイムが4.5秒でも、彼はトップクラスのCBを苦もなく打ち破ってオープンになっていた。だからスピードは問題にならないと思う」
2008年4月28日
ドラフト2日目は3巡から。パッカーズの3巡はトレードダウンなく、これもニーズどおりにテキサス大のTEジャーマイケル・フィンリーを指名した。4巡に入ると、トンプソンGMがキャリア初のトレードアップを敢行。再びジェッツとのトレード(代償は5巡指名権)で11スポット上がり、4巡3位でウェイクフォレスト大のDEジェレミー・トンプソンを指名した。4巡2つめはまたもトレードダウンし、4巡末と5巡で連続してOLを指名。3つある7巡の最初は2人めのQB、さらに2人めのWRを指名。
最後の指名権は来年の6巡指名権と交換し、計9人指名して今年のドラフトを終えた。今年のトレードは計5つで、内訳はトレードダウン3つ、トレードアップ1つ、来季の指名権との交換が1つ。
2008
Green Bay Packers Draft Picks |
Pick |
全体 |
Pos. |
Name |
College |
備考 |
No. |
1巡30位 |
30位 |
|
NYJの2巡5位(全体36位)へトレードダウン 4巡14位をゲット |
2巡 5位 |
36位 |
WR |
Jordy Nelson |
Kansas State |
身長6フィート3の大型白人WR |
87 |
2巡25位 |
56位 |
QB |
Brian Brohm |
Louisville |
1巡予想も多かったが2巡下位まで残った |
11 |
2巡29位 |
60位 |
CB |
Patrick Lee |
Auburn |
サイズのあるフィジカルなCB |
22 |
3巡28位 |
91位 |
TE |
Jermichael Finley |
Texas |
身体能力高い荒削りなレシービングTE |
88 |
4巡3位 |
102位 |
DE |
Jeremy Thompson |
Wake Forest |
長身でスリムな万能タイプDE |
99 |
4巡14位 |
113位 |
|
1巡トレードでNYJから獲得 その後NYJ相手に再びトレードアップ |
4巡29位 |
128位 |
|
5巡2位にトレードダウンして7巡10位をSTLからゲット |
4巡36位 |
135位 |
OG |
Josh Sitton |
Central Florida |
大学ではRTだがガードの予定 |
71 |
5巡 2位 |
137位 |
|
4巡29位からここへトレードダウン さらにMIN相手にトレードダウン |
5巡15位 |
150位 |
OT |
Breno Giacomini |
Louisville |
長身右タックル ブロームの同僚 |
68 |
5巡27位 |
162位 |
|
4巡のトレードアップでジェッツに譲渡 |
7巡 2位 |
209位 |
QB |
Matt Flynn |
Louisiana State |
2人目のQB指名 |
10 |
7巡10位 |
217位 |
WR |
Brett Swain |
San Diego State |
またWR指名 |
16 |
7巡30位 |
237位 |
|
来年の6巡指名と交換でセインツに譲渡 |
- NFL.comのドラフトページはこちら
- ドラフト当日のトレードのリストはこちら
- パッカーズ公式サイトのドラフトページはこちら
2つめの7巡指名権はまたもWRのブレット・スウェインで、かなりの無名選手のようだ。トンプソンGMはこれで就任以来4年連続でWR2人指名。最後の7巡c指名権はセインツに譲渡して、来年の6巡指名権を手に入れた。
7巡10位 WR ブレット・スウェイン Brett Swain |
San Diego State |
Senior |
6-1 (185cm) |
200lb(91kg) |
40yds/4.41秒 |
1985年6月21日生 |
各メディアとも全くといっていいほどノーマークの選手で、情報がほとんどない。数チームの興味を引いたのは、QBケヴィン・オコネル(3巡でNEへ)を見に来たスカウトたちの前で40yds走を4.1秒で走ったからかも。先日パッカーズは彼を呼んでワークアウトを見ている。昨年は58キャッチ973yds(平均16.8yds)と優秀な成績を残した。飛びぬけた部分はないもののキャッチが上手く、タフで頭のよいレシーバー。パントリターン経験も多少ある。DEバジャ=ビアミラの大学の後輩にあたる。 |
3つある3巡の最初は2人めのQBとしてLSUのマット・フリンを指名。QBアーロン・ロジャースに加えて2巡でQBブライアン・ブローム、そしてこのフリンを獲ったことにより、ベテランQBの獲得がなくなったのかどうか。
7巡2位 QB マット・フリン Matt Flynn |
Louisiana State |
Senior |
6-2 (188cm) |
227lb(103kg) |
40yds/4.80秒 |
1985年6月20日生 |
Strengths : まずまずの肩の強さがある。フットワークがよくメカニックがしっかりしていて、リリースもまずまずクイック。ミドルレンジまでのパスのタッチがよくコントロールが正確。頭がよく、判断がしっかりしている。直線的なスピードは十分ある。リーダーシップや精神面や勝負強さなど、いわゆる Intangibles が高く評価されている。ジャマーカス・ラッセル(現OAK)の控えを務めていたため、先発経験が1年しかなく、伸びシロが大きいと見込んだのかもしれない。 |
Weaknesses : NFLで先発が務まる器ではない、という見方が一般的。サイズが小さめで強肩ではない。狭いところに合わせるタイミングもイマイチ。プレッシャーをかわすクイックネスやアジリティに欠け、ボールを持ちすぎてサックをくらう癖がある。先発経験が少ないため、相手ディフェンスの読みなど戦術眼にまだ未熟な点が多い。今オフに肩の手術を受けたところなので、そこをまず完全に治す必要がある。 |
Rivals.comのハイライトビデオはこちら |
5巡はルイヴィル大のOTブレノ・ジャコミニを指名。QBブライアン・ブロームのチームメイトであり、RGジェイソン・スピッツの後輩でもある。大学途中まではタイトエンドをプレーしていた長身選手で、荒削りだが伸びシロの大きさを買っての指名かもしれない。
5巡15位 OT ブレノ・ジャコミニ Breno Giacomini |
Louisville |
Senior |
6-7 (201cm) |
303lb(137kg) |
40yds/5.20秒 |
1985年9月27日生 |
Strengths : サイズに恵まれ、腕が長い。しっかりヒザを曲げてパスプロできる。まずまずのクイックネスでアウトサイドのパスラッシャーに対処できる。競争心が強く、ホイッスルが鳴るまで頑張る。体重242ポンドのTEとして入学し、TE(パスキャッチ4回19yds・1TD)と両OTを行ったりきたりしてきたので、伸びシロはかなり残っているはず。40yds走はそこそこだが、10ydsまでならOT中トップタイムで、20ydsシャトルや3コーンドリルも優秀。
大学1年目は控えTE兼OT、2年目はTEとして13試合に出場し、先発も2試合。3年目は左タックルとして2試合先発など両OTおよびセンターをプレーし、4年目の昨季ようやく先発右タックルに定着した。 |
Weaknesses : NFLの速いパスラッシャーを相手にするにはクイックネスやアジリティに欠ける。ブルラッシャーをスローダウンさせるハンドパンチがなく、懐に入られて押し込まれやすい。タックルをプレーするにはアスレチック能力に欠け、ガードをプレーするには馬力やタフネスに欠ける、という評も少なくない。NFLで一人前になるには、手の使い方やフットワークなどテクニックを磨く必要がある。敵地での試合前にファンに対して挑発的な態度を見せた(おそらく中指を立てた)らしく、批判を受けた。 |
4巡2つめは5巡にトレードダウンし、4巡最後でセントラル・フロリダ大のOGジョシュ・シットンを指名。情報の非常に少ない選手で、4巡指名は意外と受け止められている。過去3年間右タックルをプレーしていたので、下記は主にタックルとしての評価。
4巡36位 OG ジョシュ・シットン Josh Sitton |
Central Florida |
Senior |
6-3 (192cm) |
324lb(147kg) |
40yds/5.20秒 |
1986年6月6日生 |
Strengths : フットワークのよいアスリート。素早く外にスライドしてスピードラッシャーを封じ込める。ヒザをしっかり曲げて持ちこたえることができる。TEの外への小さなプルブロックが上手く、セカンドレベルへのブロックも速い。直線スピードは速くないが、コンバインでは20ydsシャトルでOT中トップタイムを出した。レッドシャツを経ず1年目の途中で先発右ガードとなり、2年目から3年間フルに先発右タックルを務めた。
無名選手だったが、セントラルフロリダ大のプロ・デイで、RBケヴィン・スミス(3巡でDETへ)を見るために集まったスカウトたちの前でよい動きを見せて注目された。キャンペンOLコーチによると、ガードとタックルの両方で考えているとのこと。セントラルフロリダ大といえば、SSアタリ・ビグビーの後輩にあたり、1年だけ重なっている。 |
Weaknesses : プロでタックルをやるには上背がなく、腕が短いずんぐり型。パスプロテクションではアグレッシブなハンドパンチがなく、相手を懐に入れてしまって押し込まれる。柔らかそうな体つきからして、トレーニングが足りているのかどうか。 |
3つある4巡の最初は、5巡27位指名権をジェッツに譲渡して4巡14位から4巡3位にトレードアップし、ウェイクフォレスト大のDEジェレミー・トンプソンを指名した。
4巡3位 DE ジェレミー・トンプソン Jeremy Thompson |
Wake Forest |
Senior |
6-4 (193cm) |
264lb(120kg) |
40yds/4.75秒 |
1985年10月9日生 |
Strengths : 十分なサイズのある優れたアスリート。嗅覚に優れ、常にボールのそばにいる。素早いフットワークとフレキシブルなボディバランスで、相手OLに崩されにくい。見た目は細いが、ポイントオブアタックで持ちこたえる馬力もある。逆サイドへのランプレーでもしっかりコンテインする。3コーンドリルが6.97秒は全DE中2位のタイム。頭がよく、複雑なディフェンスでも問題なく理解できる。
兄のOTオーリン・トンプソンはデューク大からドラフト外でパッカーズに入団し、控えLTとして昨季ロースター入りを果たしている。 |
Weaknesses : 爆発的な加速でOTの外を回り切るようなスピードラッシャーではない。パスラッシュ技術のバリエーションが少なく、コンスタントにQBにプレッシャーがかけられない。ときどき腰高になることがある。しっかりラップアップせずタックルミスすることがある。大学2年目でヒザの前十字靭帯(ACL)断裂、3年目は肩の打撲に苦しんだ。 |
3巡指名はアップもダウンもせず28位のまま、テキサス大のTEジャーマイケル・フィンリーを指名した。
3巡28位 TE ジャーマイケル・フィンリー Jermichael Finley |
Texas |
Sophomore |
6-5 (195cm) |
243lb(110kg) |
40yds/4.76秒 |
1987年3月26日生 |
Strengths : サイズとアスレチック能力に恵まれている。クイックにリリースし、スムーズなライン取り。タフなボールをキャッチするボディコントロールと集中力がある。各種タイムよりもプレーぶりの方が速い。フィールドをストレッチするスピードがある。まだ21歳になったばかり。レッドシャツの後、2年しかプレーしていないのであと2年出場資格が残っていた。
「大学に残るべき」との声も少なくなかったが、本人はプロ入りの理由を「家族の問題で」と説明している。3歳の娘と生後3ヶ月の息子がいる。 |
Weaknesses : 前述のように経験が浅く、かなり荒削りなタイプ。実質的には大型のワイドレシーバーとしてだけしかチームに貢献していない。線が細く、ブロッキングが一人前になるためにはかなりハードな努力が必要。汚れ仕事をこなすタフネスには疑問符がつく。 |
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2008年4月27日
3つある2巡指名の最後はようやく順当にコーナーバックを指名。
2巡29位 CB パトリック・リー Patrick Lee |
Auburn |
Senior |
6-0 (183cm) |
200lb(91kg) |
40yds/4.41秒 |
1984年2月20日生 |
Strengths : 6フィート強のサイズがありフィジカルなマンツーマンタイプの選手で、パッカーズのスキームにフィットする(逆にカバー2向きとする見方も)。コンパクトでクイックなバックペダルからのターン&ランがいい。ランサポートでも犠牲をいとわずタフにプレーする。10ydsまで1.47秒は今年のCBでトップクラス。昨季は4インターセプト。キックオフリターナーとしても昨季は11回平均25.8ydsとよい数字を残し、ガンナーとしても優秀。
先発昇格まで時間がかかっただけにニッケルバックの経験が豊富で、そちらで即戦力になるかもしれない。すでに2006年12月に犯罪学の学位を取得して卒業している。 |
Weaknesses : 動きの柔軟さについては見方が分かれ、スムーズな方向転換にやや問題ありとする声もある。NFLのレシーバーの鋭いカットに苦労するかもしれない。フルタイムのスターターとなったのは昨年が初めてなので(先発は通算22試合)経験不足が心配され、一人前になるまで時間がかかるかもしれない。フットワークを磨く必要がある。ゾーンなどレシーバーから離れたカバレッジでの判断力に改善の余地あり。 |
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3つある2巡指名の2つめは注目の人、QBブライアン・ブローム。QBとしては今年3人目の指名だった。
2巡25位 QB ブライアン・ブローム Brian Brohm |
Louisville |
Senior |
6-3 (191cm) |
228lb(103kg) |
40yds/4.79秒 |
1985年9月23日生 |
Strengths : 十分なサイズがあり、プロで必要な全てのパスを投げられる肩の強さと正確性がある。ポケットでの落ち着きがある。優れたフィールドビジョンで相手カバレッジを見分け、正しい判断ができる。ポケットで素早くスライドして時間を稼ぐフットワークもある。先発経験がたっぷり3年間あり、同大やカンファレンスのさまざまな記録を作った。ハードワーカーでチームメイトからの尊敬も篤い。フットボール一家に生まれ、よく鍛えられている。
父や兄たちも大学やプロで選手として活躍し、現在はコーチ。特に兄ジェフはNFLで控えQBとして7年間プレーし(先発はゼロ)、母校ルイヴィル大に戻ってオフェンシブコーディネーターとして弟ブライアンを指導した。 |
Weaknesses : ロケットアームの持ち主ではなく、実際は地肩の強さよりも優れたメカニックで投げている。腕が短め。しっかり踏み込めないときにダウンフィールドに投げ込める力があるかどうか。ボールを腹のあたりまで下げる癖があり、大きくあおるようなモーションになってしまうことがある。そのせいかパスをディフレクトされる回数が多い。スクランブルでビッグプレーを生み出す走力には欠ける。真面目だが、どんどん声を出してリーダーシップを発揮する方ではない。手はそこそこ大きいが、腕が短め。右ヒザの前十字靭帯断裂、右手親指の腱断裂、左肩の手術と、ここ3年連続で大きなケガをしている。 |
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4月23日のNFL Networkによるインタビュー映像はこちら |
1巡からトレードダウンして、2巡最初の指名は大方の予想を裏切ってカンザス州立大のWRジョーディ・ネルソン。大型のポゼッションレシーバーのようだ。今年は1巡でWRが1人も指名されず、2巡でこのネルソンが3人目の指名。
2巡5位 WR ジョーディ・ネルソン Jordy Nelson |
Kansas State |
Senior |
6-3 (191cm) |
217lb(98kg) |
40yds/4.52秒 |
1985年5月31日生 |
Strengths : サイズがあり、バランスがよくボディコントロールに優れる。タフで勝負強いキャッチを見せる、本番に強いタイプ。アクロス・ザ・ミドルの密集の中で難しい球をキャッチでき、優れたビジョンを活かして巧みなランアフターキャッチでロングゲインに変える。パントリターナー(大学通算6回だけ)としても、何度もビッグリターンを繰り出して平均44.5yds・2TDととんでもない数字を残している。トリックプレーからのパスも6回投げて2TD。
高校ではQBをプレーしたが卒業時には奨学金オファーがなく、セーフティとしてウォークオン入学。2005年にチーム事情によりWRに転向するといきなり全試合に先発して669ydsを記録し、4年目の昨季は122キャッチ1606yds・11TDを挙げている。毎年着実に進歩してプレミアレシーバーに成長したファン・フェイバリット。人格面は申し分なく、リーダーシップにも優れている。 |
Weaknesses : トップクラスの身体能力はなく、フィールドをストレッチしたり相手CBが警戒して大きなクッションを置くようなスピードには欠ける。スクリメージでのジャムに負けぬよう、手の使い方などテクニックに向上の余地あり。身長のわりにまだ線が細いので、バルクアップが必要。 |
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2008年4月26日
今週土日はいよいよ第73回NFLドラフト。今年は大きな変更がいくつかある。
- 会場は3年連続でニューヨークのRadio City Music Hall。マディソン・スクエア・ガーデンなど、長きにわたってニューヨークで開催されてきたNFLドラフトだが、今後は別の街で行うことも検討され始めたところ。TV中継は29年連続でESPNが担当する。
- これまでは初日にドラフト3巡まで行われていたが、今年から初日が2巡まで、2日目に3巡から7巡の指名が行われる。
- 開始時間がこれまでより3時間遅くなり、米東部時間の土曜午後3時(日本時間は日曜午前4時)にスタート。2日目は逆に1時間早くなり、日曜午前10時(日本時間午後11時)開始となっている。
- 指名までの持ち時間も変更。1巡が各球団15分から10分に、2巡が10分から7分に短縮された。3巡以降は5分のまま変更なし。
- 今年は合計252人の選手が指名される。
- ニューヨークのドラフト会場には、毎年5人か6人の上位指名候補が招待され、家族とともにグリーン・ルームと言われる部屋で指名を待つ。2005年にはQBアーロン・ロジャースが1巡24位まで下がったため数時間グリーン・ルームに取り残され、大きな同情を集めた。
- 日本のプロ野球とは違い、各球団の首脳はドラフト会場に姿を見せない。各球団本部にいわゆる"War Room" つまり作戦司令室を設営し、そこで戦略を話し合ったり、電話でトレードの交渉をしたりする。長丁場なので普段着でリラックスし、途中でサンドウィッチをパクついていたりする。ドラフト会場には球団の代表者(実際は下っ端)が派遣され、"War Room" からの電話による指示を待つ。指名選手が決まると、電話を受けたその代表者がカードに書いてリーグ側に提出する。
- 制限時間内に指名カードを提出しなかった場合、次のチームが先に指名してもよい。それでも元のチームがぐずぐずして指名しなければ、さらに次のチームが指名してもよい。実際にそのような事態が過去にはあったため、次に控えるチームの代表者は、最近ではカードを2枚持ち、「前のチームが時間切れとなったらこの選手を」とダッシュに備える。
- 指名に時間がかかるのは、たくさんのチームと常にトレード交渉をしているから。10以上のチームと話し合うのも珍しくないが、両者が条件を真剣に検討するような交渉になるとは限らない。指名が早いければ「最善の選手だとよほど確信があるのだろう」と推測できるが、制限時間いっぱい使ったからといって自信がないわけではなく、あらゆるオファーを検討しているだけ。
- たいていの場合、トレードアップよりもトレードダウンの需要が多い。少し詳しくなったファンであれば、なぜトレードダウンしないのかと不満を持つことが少なくないが、打診をしてもトレードアップしてくれる球団がないのだから仕方がない。
- 好選手が予想外の下位まで残っていた場合に、複数球団のトレード交渉が盛り上がりを見せることがある。しかし実際は、前日までに「もしウチの欲しい選手がその順位で残っていたら、この条件でトレードに応じるか?」といった内容の下交渉をたくさんのチームと進めておくのが普通で、外側から見るほどには当事者はヒートアップしないものらしい。
- 指名選手が決まると、球団からその選手のところに「これから君を指名する」と電話をするのが普通のようだ。家族や友人たちと集まってドキドキしながらドラフト中継を見ていた選手は、「友達からのイタズラではないか」と半分疑いながら、GMやヘッドコーチなど球団首脳からの電話を受けることになる。「見慣れない市外局番なので本物とわかった」という後日談が多い。
- ドラフト2日目が終了すると、ドラフト外選手の獲得が可能になる。これは全くの自由競争。複数球団から誘いのある選手は数千ドルから1万ドル以上の契約ボーナスを手にするが、ゼロのこともある。最近は全体に相場が上がっているようだ。
- ドラフト指名選手は、(通常7月キャンプ前に成立する)正式契約の前はロースター枠(80人)にカウントされない例外扱いとなっている。しかしドラフト外選手は契約したところでロースターにカウントされる。
- ドラフト当日のパッカーズの"War Room"は2006年・2007年のような雰囲気になっている。白髪のトンプソンGMが長テーブルの端に座り、その隣がマッカーシーHC、ジョン・ドーシー・カレッジ・スカウト部長、GM補佐のジョン・シュナイダー、レジー・マッケンジー・プロ人事部長の順になる。
- "War Room"の中核は上記のメンバーだが、話し合っている選手のポジションのコーチや(ドラフト前のスカウティングにも当然加わっている)やスカウトたち、ケガの前歴がある場合には、チームドクター(コンバインで診察をしている)も話し合いに加わることが少なくない。そのため"War Room"の周囲にはかなりの人数が常時たむろし、出たり入ったりしている。指名選手のグリーンベイ訪問の手配など、事務方もそのまわりで忙しく立ち働いている。
- 準備が終った"War Room"の壁の様子はこちら。2003年の写真なのでトンプソン体制になっても同じかどうかはわからないが、大きな違いはないはず。ロン・ウルフGM時代から今に至るまで、パッカーズのスカウティングはシステマティックかつ徹底しているとの定評がある。
- 上の写真を見ると、"War Room"の東側の壁には、最も重要な"Draft Board"がセットされている。数百人もの大学選手をランク付けした極秘リストであり、1年がかりのスカウティングと、果てしない会議の末に出来上がった努力の結晶。まさにトップシークレットなので、この写真ではカバーで覆われ、普段も漏洩しないよう厳重に鍵がかけられているらしい。選手名の書かれたカードの裏にはマグネットがついていて、実際に指名された選手から順に、一枚一枚、カードが外されていく。
- 南側の壁には現在行われているドラフト指名が表示される。西側の壁には、NFL全チームのロースター表が掲げられている。各選手の価値を評価したリストも揃っていて、トレードに備えている。北側の壁にはパッカーズのデプス・チャート。
- パッカーズは毎年Packers Draft Partyというイベントをランボーフィールドのアトリウムで開催する(2007年写真)。大画面の前で選手とファンが一緒になってドラフトを楽しみ、トンプソンGMやマッカーシーHCへのインタビューや選手サイン会など、さまざまなイベントが用意されている。
- 2005年にまとめたドラフト用語解説はこちら。
全米放送の人気トークショー"The Late Show with David Letterman"にブレット・ファーヴが出演した。引退会見での格好にジャケットを追加しただけといういでたちで、リラックスして会話を楽しんでいた。趣味のハンティングの話題では、過去には試合当日にもグリーンベイ近郊へボウ・ハンティングに行ったことがあり、ちゃんと試合前に戻った、と告白している。
人気司会者デヴィッド・レターマンとファーヴ
「本当に引退した? 引退してない?」 「引退した。TVで見てないの?」と会場を沸かせたあと、今回もまた思わせぶりな流れに。「ミニキャンプが近づいたら何かを感じる?」 「いや、ミニキャンプではね。去年だってミニキャンプでは興奮しなかった。でもトレーニングキャンプが近づいたら、きっと何かが起こるだろう(something is bound to happen)」と聞いてレターマンは大喜び。「いま、何かが起こると言ったね。だから『引退していない』と思うわけ」 「胸騒ぎかなにかわからないけど、何かが起こるよ」 「でもそのときになってからでは(復帰を願っても)遅いのではないかな。もし仮に、夏のキャンプで(負担を減らすような)調整ができたら、復帰に興味を持つ?」 「・・・なにか手を打てるの?」 「打てる!私なら打てるとも!」とレターマンが煽って、場内から大きな拍手。
「あなたは(引退発表で)あの街を大混乱に陥れた。いまグリーンベイはどうなってる? 彼らは(落胆のあまり)街をたたんでいるらしいよ、聞くところによるとね。彼らは街をたたんでミシガンに移るそうだ」と言われ、「それは聞いてないけど」とファーヴが答えると、「TVで見てないの?!」とレターマンがやり返してきれいにオチがついた。
アメリカで今年8月発売のゲーム"MaddenNFL 2009"のカバーに、ファーヴが起用されることも明らかになった。引退選手が使われるのはこれが初めて。マデンNFLシリーズと言えば、毎年カバーに起用された選手がスランプや大ケガに見舞われる"The Madden Curse"でも有名だが、引退したファーヴなら問題ないということなのか。
パッカーズは、OGトニー・パーマー、OGクリフ・ウォッシュバーン、OTクリス・パトリックの3人を解雇した。OGパーマーはガード陣で最もパワフルなブロッカーとして期待され、昨年も開幕ロースター入りを果たしたが、第2週ジャイアンツ戦で首の小さな骨を折るケガでシーズンエンド。オフに入っても回復は思わしくなく、場所が場所だけに現役続行が危ぶまれていた。正式発表はまだないが、一昨年のWRテレンス・マーフィと同じように、チームとしては医学的に現役続行を許可できない、ということかもしれない。
OGウォッシュバーンとOTパトリックは昨年プラクティス・スクワッドにいた選手。解雇理由は不明だが、80人枠のロースターにはこれで68人となり、ドラフト外選手の獲得準備が整ったのはたしかだ。
2008年4月25日
- あのQBダンテ・カルペッパーが水曜にパッカーズを訪問した。Journal Sentinel紙によると、パッカーズは獲得を真剣に検討しているとのこと。パッカーズがQBを招くのはクイン・グレイ(JAC→HOU)、ガス・ファーロット(STL→MIN)に続いて今年3人目。カルペッパーに興味を示したチームは複数あったが、球団訪問は今オフ初めてのようだ。
- ヴァイキングスではWRランディ・モスとのコンビでパッカーズを苦しめたQBカルペッパー(31歳)だが、2005年第8週パンサーズ戦でヒザの靭帯を3ついちどに断裂する大ケガを負ってからは苦難が続いている。翌2006年春には2巡指名権とのトレードでドルフィンズに移るがヒザが完治せず、4試合(レーティング77.0)しか出場できずに再び手術。昨年7月に解雇されるとレイダーズに移って中盤6試合に先発(レーティング78.0)したが、今度は練習中に太ももを痛めてシーズンエンドとなってしまった。「パッカーズの複雑なウェストコーストオフェンスには全く不向き」とする見方が少なくないが、安価で実績あるFA選手となるともはや選択の余地があまりないのも事実。
- 先日DTコリン・コールは制限付きフリーエージェント(RFA)として$1.417ミリオンのオファーにサインした。先日RBモレンシーも再契約したので、これで今年のパッカーズのRFA選手は全て残留が確定したことになる。
- RBライアン・グラントはまだExclusive-rights Free Agentとしての$37万ドルのオファーにサインせず。オフシーズン・プログラムには参加しており、ホールドアウトを避けつつ長期契約を求めていく構え。「決してせっぱつまった状況ではないし、話し合いはうまくまとまると期待している」と本人。
- 長きにわたってパッカーズの人事部門で活躍したディック・コリックが74歳で死去した。1971年にスカウトとしてパッカーズに加わったコリックは、1975年にプロ人事部長、1978年には人事部長に昇進し、バート・スターHCおよびフォレスト・グレッグHC時代のスカウティング部門を事実上統括。1981年ドラフト1巡では彼がSロニー・ロット指名を主張したにもかかわらず、バート・スターHCがQBリッチ・キャンベルを指名して裏目に出た、というエピソードもある。その後ファルコンズに移ってケン・ヘロックGMの下で10年働いたあと2001年に引退。現在もグリーンベイ近郊に住み、かつて手術を受けた心臓のエクササイズのため、グリーンベイ市内を自転車で走っている最中の心臓発作だった。
- Wisconsin State Journal紙のカメラマン、スティーヴ・アップスがプレーオフのシーホークス戦で撮影したQBブレット・ファーヴの写真が、NFLホール・オブ・フェイムの選ぶフォト・オブ・ザ・イヤーに選出された。
- 5月から7月までの正式なキャンプ日程が以下のように発表された。Organized Team Activities(OTA)については、例年と違ってファン公開される日が4日間はっきりと指定されている。
Packers 2008
Camp Schedule |
Event |
Date |
備考 |
ルーキー・オリエンテーション・キャンプ |
5月 2日 |
? |
5月 4日 |
屋内練習場ドン・ハトソン・センターにて非公開 |
Organized Team Activities |
5月19日 |
? |
6月12日 |
ファン公開日は5月21日、29日、6月4日、11日の4日間のみ。レイ・ニチキ・フィールド(人工芝)にて |
ミニキャンプ (全員参加) |
6月17日 |
? |
6月19日 |
レイ・ニチキ・フィールドでファン公開、ただし天候によりドン・ハトソン・センターへ |
トレーニングキャンプ |
7月28日 |
? |
|
クラーク・ヒンクル・フィールド(天然芝)でファン公開 |
2008年4月24日
モックドラフト集で何度も取り上げているように、高齢先発コンビの後継コーナーバック補強がディフェンスの最優先事項なのは衆目の一致するところ。早ければ1巡、遅くとも3巡目までには指名があるのではないか。今年のドラフトはまずまずCBの層が厚いらしい。
31歳のチャールズ・ウッドソンは相変わらず勝負強いプレイメーカーぶりを発揮しているが、プロボウル初出場を果たした33歳のアル・ハリスについては地元メディアの意見が割れている。「プレーオフではWRバレスにやられたが、シーズンを通してみれば決して悪くなく、急激な衰えは考えにくい」という見方がある一方で、「最初のバンプをしくじると相手について行けなくなってきた。今年急激な衰えが来てもおかしくない」とする見方も。ドラフト外出身のトラモン・ウィリアムズが3番手/ニッケルバックとして頑張りを見せたものの、期待の若手ウィル・ブラックモンはケガばかりしていて成長が停滞ぎみ。
セーフティでは、NFLヨーロッパ出身のアタリ・ビグビーが新先発ストロングセーフティとなり、波はあるもののビッグプレー能力のあるところを見せ、スターターの座を固めたといってよさそう。いっぽうフリーセーフティのニック・コリンズはプロ3年目も相変わらず伸び悩んでDB陣のウィークポイントとなっているが、昨年3巡指名のアーロン・ラウスが代役出場で光るものを見せた。FA市場で動きを見せなかったのは、今年はこの2人の先発争いを見守れば十分、と首脳陣は見ているのか。ダレン・シャーパーがプロ4年目でブレークした例もある。
というわけで、よほど魅力的な素材が残っていれば上位指名もなくはないが、指名ゼロもありうる。今年のドラフトではセーフティが不作ぎみらしい。指名するとしたら3巡以降で、ボールスキルに優れたフリーセーフティのタイプが望ましい。
スペシャルチームの課題はロブ・デイヴィスが引退したロングスナッパー。現在ロースターにいるのはNFL出場経験のないトーマス・ギャフォードだけなので、ドラフト外かFAでもう1人獲得してキャンプで競争させることになりそう。トレードダウンなどで6巡や7巡指名権が豊富にあればドラフト指名の可能性もゼロではない。
Kメイソン・クロスビーとPジョン・ライアンは昨年十分な成績を残したので、彼ら若手が順調に成長すれば問題ない。キャンプを乗り切るためにキッカーとパンターは2人ずつ確保するのが常套手段で、パンターはすでにライアン・ドアティ(昨年のドラフト外)を獲ってあるので、あとはドラフト外かFAでキッカーを1人獲る程度だろう。
2008年4月23日
毎年6月のパッカーズ・チャリティ・ソフトボールゲームは、主催者ブレット・ファーヴの慈善活動規模縮小のため存続が危ぶまれていたが、WRドナルド・ドライバーが引き継いで6月15日にぶじ開催されることになった。試合はオフェンス対ディフェンスで行われ、その他ホームラン・ダービーなどさまざまなアトラクションが用意されている。6月15日午前11時、会場はアップルトン西郊のフォックス・シティーズ・スタジアムにて。(シアトル・マリナーズ傘下のシングルA球団 ウィスコンシン・ティンバーラトラーズの本拠地)
チケットは5月1日発売開始の予定で、一般席$10ドル、予約席$20ドル、ボックス席$30ドルなど。昨年は過去最高の8,597人のファンを集めている。例年のとおりであれば、「選手と一緒に出場できる権利」がe-Bayのオークションにかけられるはず。昨年は1位の$14000ドル、2位$9000ドルを入札したファンがそれぞれオフェンス組とディフェンス組で参加した。イベントの収益金はドナルド・ドライバー財団を通して、ウィスコンシン州およびテキサス州ヒューストン(ドライバーの故郷)のホームレスなど恵まれない家庭のために寄付される。
今年のモックドラフト集もいよいよ最終回。下記のリストから1巡指名ポジション予想を集計すると、CB13、QB3、OT3、LB3、TE2、RB1、DE1、S1となっている。CB13人の内訳は、ブランドン・フラワーズ6、アントワン・ケイソン4、アキーブ・タリーブ3。 2巡や3巡を含めると、OTやTEが含まれている予想が多い。
2008年4月22日
ディフェンシブラインの先発陣は現有戦力でさほど問題ない。デプスに懸念のあるのはディフェンシブエンド、特にパスラッシュDEだろう。DEカビーア・バジャ=ビアミラが30歳となり、DEマイケル・モンゴメリーら若手の押し上げが物足りない。バジャ=ビアミラから先発の座を奪ったDEカレン・ジェンキンズも、昨年はいくつものケガに苦しんで$16ミリオン契約の期待に応えることができなかった。
昨年予想外のDTを1巡指名した前歴があるうえ、パスラッシャーはなにしろプレミア・ポジションなので、成り行きしだいでは1巡指名もありうる。ディフェンスではCBの次に1巡指名の可能性があるのではないか。
ディフェンシブタックルでは、DTコーリー・ウィリアムズをトレードに出したとはいえ、先発がライアン・ピケットとジョニー・ジョリー、控えがジャスティン・ハレルとコリン・コールとダニエル・ムーアと、デプスはそれなりにある。指名があるとしたら3巡以下だろう。ランスタッファータイプは揃っているので、ペネトレートできるパスラッシャータイプが望ましい。
ラインバッカーはストロングサイド(先発ポピンガ)が課題だったが、FAでブランドン・チラーを獲ったので、上位指名の可能性は消えたといってよさそう。チラーは3ポジション全て経験があるので、LB全体のデプスが増したことになる。ミドルLBの控えにはビショップとホッジがいるので十分。できればウィークサイドの控えをトレイシー・ホワイトからアップグレードしたいところだが、指名があるとしても4巡以降だろう。
2008年4月21日
ドラフトにかぎらず、テッド・トンプソンGMのチーム作りについて、地元メディアの間で言われているものを列挙してみる。
- FAよりもドラフトを中心にチームを作る。内側からの成長を重視する。
- サラリーキャップの余裕があれば、FAを物色するより自前の中核選手との契約延長を優先する。
- 実績や知名度のあるFA選手に飛びつくことはせず、キャップが余っていても決してオーバーペイせずに獲得競争から撤退する。ケガがちのベテランよりも元気のよい若手を好む。
- 「ディフェンスは、FAをポンポンと獲って比較的短期間にチームが作れるが、オフェンスは時間をかけて作っていくもの」というフィロソフィーを師匠のロン・ウルフGMから受け継いでいる。
- 「ドラフトは将来への投資だ。すぐ1年目に成果が出れば言うことはない。しかし、ドラフトですべきことは長期的に考えることだ。今のチームに必要なポジションだからといって、より優秀な選手よりも重視するようなことをしていては、我々のためにならない。私が後悔している過去のドラフト指名は、たいていニーズを優先してしまったときのものだ」
- ドラフトでトレードアップしたことが一度もない。シーホークス時代を含めて8回のドラフトを指揮し、トレードダウン14回、トレードアップゼロ。現在パッカーズの指名権は8つあるが、「今年だって、成り行きしだいでは10人か11人指名する可能性もある。一般論としては、6人よりも10人指名することを我々は好んでいる。そうした方が、よい選手を見つけられる可能性が高くなるからだ」と本人。
- 昨年はチームが躍進したためトンプソンGMのチーム作りも賞賛されたが、ドラフトに関して言えば過去3年間かならずしも成功しているわけではない。2巡のWRジェニングス指名を大成功させ、6巡のDTジョリーもスターターに成長した2006年組は成功と言えるが、2005年組は(QBロジャースはまだ判定できないが)失敗で、11人中6人がすでにチームを去っている。
- おそろしく口が堅く、実のある情報をめったに口にしないメディア泣かせのGM。「市民球団なのに、いくらなんでもGMが秘密主義すぎる」と本気で批判する地元記者もいる。メディアやファンからのあらゆる批判に屈することなく自分の方針を貫く面の皮の厚さは立派なもの。
2008年4月20日
オフェンシブラインのうちどこに補強が必要か、見方は分かれているが、毎年1人はOLを指名するのが通例なので、今年も同じだろう。
タックルは両先発とも能力的には申し分ないが、年齢的に30歳をすぎ、後継者を考えるべき時が来ている。プロボウル初出場を果たしたLTチャド・クリフトンは過去5年間で1試合しか欠場していないとはいえ、ヒザに爆弾を抱え、それ以外にも細かなケガが増えてきた。健康状態からしてRTマーク・タウシャーの方が選手寿命が長そうなので、左タックルを獲るべきという声が少なくない。
ただ、現在左ガードをプレーしているダリン・カレッジやアレン・バーバーにクリフトンの後任が任せられると首脳陣が判断しているなら話は別で、即戦力ガード補強の方が重要度は高くなる。1巡指名の可能性もあれば全く指名しない可能性もあるのではないか。
2005年春にマイク・ウォールとマルコ・リヴェラが去って以来、ガードは相変わらずパッカーズの悩みの種で、インサイドのランが安定して出せないのもそのせい。13勝シーズンの終盤戦というのにスターターが確定していないのだから驚かされる。昨季終盤の起用法を見ると、どうやら右ガードのジェイソン・スピッツは先発の座を固めたようで、今年はダリン・カレッジ、アレン・バーバー、ジュニアス・コストンで先発左ガードを争うのではないか。
現時点の戦力としてはタックルよりも要補強ポイントであるのは明らかだが、内側からの成長を重視するチーム方針から、今年もFA補強の動きはなく、前述の若手たちの成長を見守る様子だ。2006年にゾーンブロッキングに転換してからは、大学で左タックルをしていたようなタイプばかり獲ってイマイチの結果が続いているが、今年は生粋のガードを獲るのかどうか。タックルと同じく、上位指名の可能性もあれば全く指名しない可能性もある。
センターでは、不安定な両ガードに悩まされながらもスコット・ウェルズがスターターとしてよく頑張り、RGスピッツが控えセンターを兼ねている。もしスピッツが先発右ガードとして不可欠な存在に成長すれば、控えセンターの必要性は増してくるが、コストンもセンター経験はあり、今年はドラフトで獲る必要はなさそう。指名があるとしてもかなり下位の方だろう。
2008年4月19日
ワイドレシーバー陣は2年連続ドラフト成功のおかげで大きく成長し、NFL2位のパスオフェンスに貢献した。特にグレッグ・ジェニングスは12TDを量産、ドナルド・ドライバーをしのいで事実上のエースといっていい。3巡指名のジェームズ・ジョーンズはプロ1年目で676ydsを挙げ、ショートからミドルレンジで頼りになるレシーバーへと成長してくれそう。三度目のプロボウル出場を果たしたドライバーはチーム最年長の33歳となったが、体作りは万全のタイプなので、これから下り坂になるとしても緩やかなはず。
4番手を争うコーレン・ロビンソンとルヴェル・マーティンまでWR陣5人の粒が揃っているので、今年はオフェンスの中で最も優先順位の低いポジションだろう。トンプソンGMが就任以来3年連続でWRを2人ずつ指名したのはリターナー補強を意図してのことだったが(しかしWR/KRは全員失敗だった)、昨年CBブラックモンとCBトラモン・ウィリアムズがリターナーとして活躍したので、そちらでも重要性は下がった。今年は指名があるとしても3巡以下で1人だけだろう。
タイトエンドでは、昨年575yds・6TDを挙げたドナルド・リーが立派なエースTEに成長したが、層があまりに薄いのでドラフト指名が確実視されている。2番手のババ・フランクスを解雇し、3番手のライアン・クラウスはFA(現在フリーのままなので再契約の可能性も)なので、現在ロースターにいるTEはドナルド・リーとトリー・ハンフリー(足首骨折で昨季を棒に振った)の2人しかいないからだ。
もともとマッカーシーHCは昨年のようにWRばかり4人も5人も投入する隊形よりは、タイトエンドを複数入れて柔軟に活用することを好むタイプ。今年からはQBファーヴの素早い判断能力を頼れなくなるのでなおさらだろう。ドラフトでは遅くとも3巡まで、展開しだいでは1巡でも指名があると予想されている。その上で、ドラフト後にベテラン(めぼしいのは残っていないが)をもう1人補強するかもしれない。
2008年4月18日
QBブレット・ファーヴの引退欠番セレモニーは、9月8日のヴァイキングスとの開幕戦(マンデーナイト)の際に行うことがマーク・マーフィ社長から発表された。「テッド・トンプソンGMとマイク・マッカーシーHCと私がスケジュールを詳しく調べ、またブレットとも話し合った結果、第1戦が理想的だろう、というみなの結論となった」とマーフィ社長は述べている。セレモニーの内容はまだ計画中とのこと。
「開幕戦というのは常にエキサイティングなイベントだが、ブレットの背番号4を永久欠番とするセレモニーまで加えることができて、非常にうれしく思っている。ランボーフィールドは熱狂的な雰囲気になることだろうし、全米放送の中で各地のファンが一緒に祝う機会ができるのも素晴らしい」
パッカーズの永久欠番は、WRドン・ハトソン(背番号14)、RBトニー・カナデオ(3)、QBバート・スター(15)、LBレイ・ニチキ(66)、DEレジー・ホワイト(92)に続いてこれが6つ目。ランボーフィールド北側スタンド上部(3年前のレジー・ホワイトの時の設置作業写真)に、ファーヴの名前と番号も加わることになる。
ランオフェンスが大苦戦していた半年前の時点ではランニングバックの2年連続上位指名は必至の情勢だったが、ライアン・グラントの台頭によって救われた。コーチ陣はブランドン・ジャクソンら控えRB陣を高く評価するコメントをしているが、グラント(フル出場した経験がない)が負傷した時に代役を任せられるのかどうか。典型的な3rdダウンバックのノア・ヘロンに加えてヴァーナンド・モレンシーもスターターの器でないことがはっきりしてきたので、ドラフト指名があるかどうかは、プロ2年目のジャクソンやデショーン・ウィンの能力をどう評価するかにかかっている。
今年のドラフトはRBがかなりの豊作らしいので、2巡以下でも優秀なRBは手に入りそう。3巡・4巡あたりでよい選手が残っていれば、指名の可能性は十分ある。重量級でも軽量級でも構わないが、ゾーンブロッキング向きの(一瞬で穴を選ぶ)判断やビジョンのよさは必要。レシービングがあまり下手では困る。
LBからコンバートされた6巡ルーキーのコーリー・ホールと2年目のジョン・クーンという陣容にしては、昨年のフルバック陣はまずまずの働きを見せ、RBグラントの躍進を助けた。パスレシービングなど物足りない面はあるものの伸びシロはかなり残っており、スペシャルチームでの働きもいい。インジャリーリザーブにいたライアン・パウドレル、プラクティス・スクワッドにいたコーリー・ホワイトというドラフト外コンビも2人に挑戦するので、彼ら若手の成長を見守れば十分と首脳陣は見ているのではないか。
というわけで、よほど魅力的な選手が下位で残っていれば指名もなくもないが、可能性は高くなく、ドラフト外で1人獲るぐらいではないか。ゾーンブロッキング・スキームではRBと同じくFBも一瞬の判断で穴を選ぶので、それに適したセンスのある選手が望ましい。古典的な250ポンド級パワーFBでなく軽量クイックネス型が向いている。
2008年4月16日
2008年のNFLレギュラーシーズンスケジュールが正式発表された(NFC全球団・AFC全球団)。パッカーズ分は下表のとおり。
- バイウィークは昨年より1週遅い第8週。昨年もそうだったがヴァイキングス戦が第10週で終わってしまい、逆にベアーズ戦は後半に固まっている。
- ファーヴ引退で心配されたが、プライムタイムの全米中継は昨年と同じく4試合が組まれている。パッカーズのマンデーナイトゲーム登場は16年連続。ホームでマンデーナイトゲームが行うのはマッカーシーHC就任3年目で初めてのこと。マッカーシーHCがかつて5年間所属した古巣ニューオーリンズとの試合もマンデーナイトとなった。
- プライムタイム4試合の他に、第6週@シーホークス戦(FOX)と第7週コルツ戦(CBS)も全米中継の予定。
- ホーム最初の2試合が両方プライムタイムに組まれるのは球団史上初。
- 第11週以降のサンデーナイトゲーム(NBC)は、好カードが前々週に選ばれるフレキシブル・スケジューリングとなっている。今年のパッカーズの場合、*印のついた5試合がナイトゲームに変更の可能性がある。
- 昨年はホーム8試合のうち7試合が午後1時(現地正午)開始だったが、今年の1時開始ホームゲームは5試合だけ。しかし気温の下がる夕方や夜の試合はシーズン前半に集中していて、バイウィーク以降のホームゲームは全て午後1時開始(変更がなければ)と、寒さに耐える地元ファンに配慮したスケジュールとなっている。
- さいわい今年のパッカーズはNFL Networkでの放送がない。同ネットワークは大手ケーブルTVとの紛争のため、地元にいてもパッカーズ戦を見られない人が多い。
- 開幕から2試合続けて同地区と対戦するのは2003年以来。12月にアウェーのベアーズ戦とホームでのライオンズ戦が両方組まれるのはこれで5年連続。
- ヒューストン・テキサンズは球団創設以来初めてのランボーフィールド遠征となる。
- 昨年の成績などアテにならないとはいえ、パッカーズのスケジュールはNFL11番目の難しさで(全球団リスト)、対戦相手の2007年成績を合計すると勝率.531。昨年成績のよかったAFC南地区と対戦することが大きい。前半8試合のうち5チームが昨季プレーオフに出場し、後半8試合ではジャガーズ1チームだけ。前半8チームの成績合計が74勝54敗、後半8チームは62勝66敗。
- プレシーズン4試合の日程も同時に発表されている。(公式サイト)
Packers 2008
Regular Season Schedule |
Date |
|
Opponent |
|
Time |
米TV |
備考 |
9/8 |
|
Minnesota Vikings |
|
7:00 p.m. |
ESPN |
Monday Night |
9/14 |
@ |
Detroit Lions |
|
1:00 p.m. |
FOX |
|
9/21 |
|
Dallas Cowboys |
|
8:15 p.m. |
NBC |
Sunday Night |
9/28 |
@ |
Tampa Bay Buccaneers |
|
1:00 p.m. |
FOX |
|
10/5 |
|
Atlanta Falcons |
|
1:00 p.m. |
FOX |
|
10/12 |
@ |
Seattle Seahawks |
|
4:15 p.m. |
FOX |
|
10/19 |
|
Indianapolis Colts |
|
4:15 p.m. |
CBS |
|
- |
- |
Open Date |
- |
- |
|
|
11/2 |
@ |
Tennessee Titans |
|
1:00 p.m. |
FOX |
|
11/9 |
@ |
Minnesota Vikings |
|
1:00 p.m. |
FOX |
|
11/16 |
|
Chicago Bears |
|
1:00 p.m. |
FOX |
* |
11/24 |
@ |
New Orleans Saints |
|
8:30 p.m. |
ESPN |
Monday Night |
11/30 |
|
Carolina Panthers |
|
1:00 p.m. |
FOX |
* |
12/7 |
|
Houston Texans |
|
1:00 p.m. |
CBS |
* |
12/14 |
@ |
Jacksonville Jaguars |
|
1:00 p.m. |
FOX |
* |
12/22 |
@ |
Chicago Bears |
|
8:30 p.m. |
ESPN |
Monday Night |
12/30 |
|
Detroit Lions |
|
1:00 p.m. |
FOX |
* |
2008年4月15日
NFLの審判団は主審(Referee)はじめ7人で構成されるチームで、計17チームがそれぞれ平均15試合を担当する。彼らNFL審判はフルタイムではなく、普段は別の職業を持っていて、中には興味深い職業も少なくない。2007年の主審17人について、ウィキペディア等で判明していることを以下に紹介する。
試合数が少ないため、四大プロスポーツの中ではサラリーが格段に安い。昨年10月のUSA Todayの記事によると、NFL審判(主審に限らない)のサラリーは年$44,000ドルから130,000ドル。彼らはこの副業のために、移動時間など全て含めて週に25時間から35時間を費やしているとのこと。
なお、NFL審判団はイースト10チームとウェスト7チームで構成され(2006年の編成)、審判の居住地によって東西どちらかに所属が分かれるようだ。下のリストのうち、ロン・ウィンターまでがイースト、マイク・ケアリーから下がウェスト。
- ウォルト・アンダーソン Walt Anderson 1952年生まれ。スーパーボウルの主審1回。長く歯科医をしていたが、2003年に主審に昇格する際に引退した。2006年からは大学のビッグ12カンファレンスの審判コーディネーターも務めている。
- ジェラルド・オースティン Gerald Austin 1941年生まれの最年長で、名審判の1人として尊敬を集めている。このほどNFL審判から引退することが発表されたばかり。スーパーボウルの主審を2回務め、パッカーズの勝った第31回スーパーボウルも彼だった。ノースカロライナ大の博士号を持ち、公立学校の運営に30年間たずさわっていた(今は引退)。アンダーソンと同じく、大学界ではカンファレンスUSAの審判コーディネーターを務めている。
- ジェローム・ボーガー Jerome Boger 1955年生まれ。2006年にNFL史上3人目の黒人の主審に昇格したばかり。ディビジョンIIのモアハウス大で4年間先発QBを務め、現在は大手保険会社に勤めている。息子のSトレイ・ボーガーはテュレーン大から2006年ドラフト外でパッカーズに入団したが開幕ロースターに残れず、その後はどことも契約していないようだ。なおNFLの規定により、審判は家族がプレーしている球団の試合を担当できない。
- ビル・キャローロ Bill Carollo 1951年生まれ。スーパーボウルの主審1回。2001年の労使紛争の際には、審判組合の役員として交渉の中心の1人となった。ウィスコンシン州ショアウッド在住で、IBMで30年働いたあと、現在はミルウォーキーにある大手人材派遣会社の重役をしている。ウィスコンシン大ミルウォーキー校で先発QBとして活躍。
- ウォルト・コールマン Walt Coleman 2002年1月19日、OAK@NEのAFCディビジョナル・プレーオフで、QBブレイディのファンブルに見えたプレーにタック・ルールを適用したことでも有名。アーカンソー州リトルロックで5世代も続く大きな酪農の同族会社Coleman Dairy社を経営し、アーカンソー州酪農協会の会長を務めたこともある。現在も地元のさまざまな団体で役員を務める。
- スコット・グリーン Scott Green 2004年に主審昇格。首都ワシントンで対政府関係の法律事務所のパートナー(共同経営者)。
- テリー・マコーレー Terry McAulay 2001年に主審昇格し、スーパーボウルの主審1回。国防総省でグローバル・ネットワーク・アナリストとして働いている。
- ジーン・ステラトーレ Gene Steratore NFL歴わずか3年で2006年に主審昇格。大学バスケットボールの審判を兼ね、NCAAトーナメントでも笛を吹いている。弟のトニーは同じNFL審判チームでバック・ジャッジ。父のジーンSr.は大学でフットボールやバスケットボールの審判をしていた審判一家。
- ジェフ・トリプレット Jeff Triplette 主審昇格1年目の1999年に、ブラウンズのOTオーランド・ブラウンの目にフラッグを投げ込んでしまう事件を起こした。2007年1月から住宅ローン関連会社の社長兼COOに就任し、その前はエネルギー関連大手のデューク・エナジー社の重役だった。ファニーな顔立ちに似合わず元陸軍予備役大佐であり、1991年の湾岸戦争ではノースカロライナ州軍として出征し、青銅星章を受勲している。
- ロン・ウィンター Ron Winter 1998年に主審昇格。WRグレッグ・ジェニングスの母校ウェスタン・ミシガン大の教授。
- マイク・ケアリー Mike Carey 1995年に主審昇格。今年のスーパーボウルで黒人として初めて主審を務めた。サンタクララ大でRBとして4年間プレーしたが、キャリア終了の原因となった足首のケガの後遺症が今も残り、走るのは審判を務める日だけとのこと。ウィンタースポーツ関連製品製造の Serius Innovation社を夫婦で経営し、さまざまな製品を考案・発明している。2007年9月には SnowSports Industries America の会長に就任している。
- トニー・コレント Tony Corrente 1952年生まれ。1998年に主審昇格し、昨年スーパーボウル主審を初めて務めた。カリフォルニア州ラミラダ市の公立高校で社会科を教えている。
- エド・ホーキュリ Ed Hochuli 1950年生まれ。1992年に主審昇格し、スーパーボウル主審も2回。テキサス大エルパソ校ではLBをプレーした。2001年の労使紛争の際には審判組合の会長として交渉の先頭に立った。法律事務所を共同経営する優秀な法廷弁護士で、製造物責任をはじめとするさまざまな民事訴訟が専門。かつてはマラソン(13回)が趣味だったが、NFL審判となってからは時間がかかりすぎるため長距離走は断念し、ウェイトトレーニングの方にシフトしたとのこと。今ではマッスル自慢の名物審判となり、フィールドで選手たちと筋肉を競うジョークを飛ばすことも。二度の結婚で6人の子供をもうけたが、現在は独身。
- ビル・リーヴィー Bill Leavy 2001年に主審昇格し、スーパーボウル主審1回。PIT対SEAの第40回スーパーボウルでは、スティーラーズ有利の判定が続いて大きな批判を浴びた。大学のマウンテン・ウェスト・カンファレンスの審判コーディネーターも務めている。かつてサンノゼ市で27年にわたって警察官と消防士として働いていた。
- ピート・モレリ Pete Morelli 1952年生まれ。2003年に主審昇格。父や叔父たちの影響で、19歳のころから審判をするようになった。カリフォルニア州ストックトン市でカトリック系私立高校の校長を務めている。
- ラリー・ネマーズ Larry Nemmers 1991年から主審を務めてきたベテランで、このほど審判を引退してリプレー・ディレクターに就任することが発表されたばかり。かつてはイリノイ州エルジン市で公立高校の校長を12年務めた。教職を引退してからは全米各地で講演活動も行っている。
- ジョン・パリー John Parry 健康問題で主審を続けられなくなったビル・ヴィノヴィッチに代わって2007年に主審昇格。オハイオ州アクロン市でフィナンシャル・プランナーをしている。父デイヴもまた元NFL審判で、現在NCAAフットボール審判の全国コーディネーターという重職にあり、ビッグテン・カンファレンスの審判コーディネーターでもある。
- 主審を退くジェラルド・オースティンとラリー・ネマーズに代わって、カール・シェファーズとアル・リヴェロンの主審昇格が発表されている。リヴェロンはNFL初のヒスパニック系の主審とのこと。
- フットボールの審判構成の解説はこちら。
- 過去のスーパーボウル審判リストはこちら。
2008年4月14日
- 制限つきフリーエージェント(RFA 用語集参照)だったRBヴァーナンド・モレンシーは、パッカーズのオファーしていた最低額$927000ドルの1年契約にサインした。元3巡入団の彼を他球団が獲得するには3巡指名権をパッカーズに譲渡しなければならず、そのような球団は現れそうにないため。
- 今年のパッカーズからはもう1人、DTコリン・コールもRFAとなっている。彼はドラフト外入団だが、モレンシーより一段階上の$1.417ミリオンのオファーをしてあるため、他球団が獲得するには2巡指名権をパッカーズに譲渡しなければならない。当然どの球団も手を出さないうちに、今月18日のRFA交渉期限を迎えるはず。
- ロジャースがもしケガでもして現役復帰を求められたら魅力を感じるだろう、といったファーヴ発言について、マイク・マッカーシーHC。「全く気にならない。ブレットとは頻繁に話をしているし、彼の現状はよくわかっている。彼は引退の決断にとても満足している、というのが私の理解だ。ブレットが述べたような思考過程は、引退した誰もが経験するごく普通の感情だと思う。やはり時間を持て余すことになるだろうし、引退1年目はきっと大変だろう」
- RTマーク・タウシャーがリー・レメル賞の表彰式(後述)で、ファーヴについて次のように語っている。「彼はプレーすることが大好きだが、自分で引退を決断したのだし、僕らはフットボールチームとして前に進む準備ができている。復帰の憶測について、僕らはいちいち心配したりしない。僕らはブレットを心から尊敬している。素晴らしいチームメイトだった。しかし今は、これはアーロン・ロジャースのチームだ」
- Press-Gazette紙のマイク・ヴァンダーマウスが、「復帰について余計な憶測を呼ぶだけなのだから、たとえ仮定の話でもファーヴは復帰の可能性など口にするな」と、もっともな内容のコラムを書いている。
- プレーオフ敗退の痛手と将来への見通しについて、RTタウシャー。「あれほど有利な立場にいながらスーパーボウルに届かなかった、その失望は今も僕につきまとっている。僕らは自分たちへの期待がすごく高かったし、チーム外部から見れば高すぎたのかもしれないけど。この世界には変化がつきもので、だからこそ僕らにあのようなチャンスが来たんだし、それだけにチャンスをモノにできなかったのはこたえる。(ファーヴが抜けたとはいえ)中核になる素晴らしい選手たちがいて、進歩を続ける若いチームだ。だから将来は明るい。それは間違いないよ」
- 10年ほど前に離婚してこれまで独身(今年16歳の娘が1人)だったマイク・マッカーシーHCが、先月アリゾナで挙式を上げていたことが明らかになった。互いにバツイチで、相手のジェシカ・クレスさんはパッカーズの理事ウィリアム・F・クレスの元妻らしい。
- 昨年いっぱいでパッカーズの"Team Historian"を引退した83歳のリー・レメルは、彼の主催する "Lee Remmel Sports Awards" の表彰式を病気のため欠席した。1月のプレーオフ戦にも出席できなかったことからして、おそらく軽いものではないのだろう。今回の式典では例年とは逆に、受賞者のRTタウシャーやマッカーシーHCがレメル翁の62年にわたる功績を讃える会のようになった。
2008年4月13日
結論から言うと、上位か下位かは別にしてQBを指名することはほぼ確実と見られている。今年のパッカーズは2巡から4巡で計5つも指名権があるので、そのどこかで指名するのではないか。よほどの選手が1巡30位で残っていれば指名もなくはないが、1巡指名選手が入ってくるとなると先発1年目のアーロン・ロジャースに余計なプレッシャーがかかると心配する声もある。
ロジャースの先発の座は確定しているとはいえ、彼のケガの多さや実力面の不安を考えるとQBを3人枠(昨年は2人)としなければならないはず。控えはベテランをFAで1人、ルーキーを1人といった構成が標準的だが、今年はここまでFA補強をしておらず、現在ロースターにいる控えQBはジェリー・バブ(ルイジアナ大ラファイエット校)とダルトン・ベル(ウェスト・テキサスA&M)だけ。どちらも昨年のドラフト外ルーキーで、急成長して3人枠に食い込む可能性がないわけではないが、経歴からして泡沫候補クラスと見るべきだろう。
QB育成に実績のあるマッカーシーHCは、若手だけでQB陣を構成することに前向きの発言をしている。「その案に反対はしないね。私に言わせれば、経験か才能かだ。私はこれまで常に、才能の方を重視してQBを育ててきた。そのQBが若いからといって起用を恐れたことは一度もない。たしかにブレット・ファーヴが全試合出場していればそう言うのは簡単だが、サンフランシスコ(2005年)でも若手ばかり4人いて、そのメリットはあった」
トンプソンGMも、「ベテランがいるのはたしかによいことだ。経験があることは多少のアドバンテージになる。しかしもっと重要なのは、実戦で必要とされたときにプレーできる能力のある選手、それを見つけることだ」と語り、ベテランにこだわらない意向を明らかにしている。
じっさいパッカーズでも若手QBばかりを揃えた例が過去にはあって、1993年は先発がプロ3年目のファーヴ、2番手が4巡ルーキーのマーク・ブルネル、3番手が前年9巡指名のタイ・デトマーだった。しかし、(前年活躍した)ファーヴが立派なエースになる見通しが立っていた1993年時点と、まだ評価のしようのないロジャースが先発を務める今年とは事情がかなり違う。戦力がそれなりに整っているだけに、QBのケガや不振のせいでシーズンを台無しにはしたくないので、いずれはFAかトレードで控えQBを獲るだろう、と球団内部の情報筋は話しているらしい。
2008年4月12日
モックドラフト集の第3回。*印をつけたのは前回からバージョンアップされていないサイト。1巡指名はCBブランドン・フラワーズ予想が増えてきているが、2巡まで含めるとオフェンシブラインやタイトエンド指名予想も少なくない。
2008年4月10日
QBブレット・ファーヴの功績を讃えるため、街路などにファーヴの名前をつけようというプランをグリーンベイのジム・シュミット市長が提案し、市民からの意見を募っている。現在すでに Brett Favre Pass という道があるとはいえ、ホルムグレン・ウェイからファーヴのステーキハウスへの取付道路のような短いもので、ファーヴを讃えるとなったらこの程度でよいはずがない。市長によると、現時点で自分が考えているのは以下の5つとのこと。
上の5つの候補を聞いた市民からは、「スタジアムの西側に面している Ridge Road にすべき」という声が少なくない。「軍人や退役軍人を讃えるMilitary Avenueをフットボール選手の名前に変えるのを好まない人はいるかもしれないが、(尾根を意味する一般名詞の)Ridgeなら誰も気を悪くしないだろう」というのも根拠の1つ。
また市民からはそれ以外にも、ファーヴの名前をグリーンベイ第5小学校につける、公園か青少年センターにつける、グリーンベイ空港(現在の正式名称は Austin Straubel International Airport)につける、といったアイディアも寄せられている。
2008年4月 9日
新人ながら3番手WRとして活躍を見せたジェームズ・ジョーンズが、パッカーズ公式サイトのインタビューに答えている。全ルーキーWR中3位の47キャッチ676ydsを記録したものの後半はやや失速気味で、それだけに来季への意気込みは大きいようだ。
Q. ここまでのオフシーズンはどのような過ごし方を?
1ヶ月休んで、その後はかなりハードにワークアウトしている。トレッドミルで走り、坂を駆け上り、スレッドを引っ張ったり。いろいろと違う種類のトレーニングに一生懸命取り組んでいるところ。
Q. シーズン終了後の最大の出来事は?
婚約したこと。2月4日に婚約して、7月19日に結婚式があるんだ。そう、トレーニングキャンプが始まる直前なんだよ。
Q. 自分の2007年シーズンをどう採点する?
「並」だね。通知表で言えば「C」だよ。僕は自分自身にとても厳しい。フィールド上でやり残したこと、もっとうまくやれたはずだったことがたくさんあると感じている。だから「並」なんだ。NFL入りして初めてのシーズンなので全く予想がつかなかったし」
Q. 個人的に昨年の最高の瞬間は?
たぶんデンバーでのタッチダウンだね(ビデオ)。夢にまで見たマンデーナイト・フットボールで、79ydsのタッチダウンを決めることができた。ルーキーシーズンの忘れられない思い出になる。スーパーボウルに行けたら素晴らしかっただろうとは思うけれど、1年目でNFC決勝まで行けたんだから、これ以上の贅沢は言えないよ。
Q. 2008年シーズンで最も楽しみにしていることは?
スーパーボウル。いくら若いからって、将来そのようなチャンスが来るとは限らない。「自分は若いんだから、時間はいくらでもある」なんて気持ちでいるヤツもいるだろうけど、僕は今行きたいんだ。次にいつチャンスが来るかわからないんだから。スーパーボウルのために必死で頑張っていれば、それ以外のことは自然にうまくいくものだと思う。
Q. 来季の個人的な目標は?
1000ydsシーズン、10タッチダウン。もちろん一番大事なのは、自分のプレーを向上させてよりよい選手になること。でもスタッツ的には1000ydsだ。
2008年4月 8日
ルール改正によりディフェンス選手も1人受信装置をつけることになり、シグナルコーラーのLBニック・バーネットがその役目を務めることになりそうだ。「すごくいいことだと思うよ。もともとオフェンスは通信装置でコーチの声を聞き、時間を無駄にせずに済んでいたんだから。コーチのハンドシグナルを読み取るのは、試合の第4Qとかになって疲れてくると大変になってくるし、人込みの中でコーチを見つけにくいこともある。そういったコミュニケーションの混乱をなくすことができるはずだ」
ディフェンスもQBと同じように、40秒計のスタートから、残り15秒(またはプレー開始)になるまで通信を行うことができる。「かなりの長さだよ。残り12秒とか13秒でプレーが始まることが多いから、実際は相手がラインナップしている間もコーチが話すことができる。どんなことになるか楽しみだね」
「オフェンスはさまざまな選手の組み合わせで変化をつけてくる。しかも時間ぎりぎりになって選手が入ってくるようなときに、ディフェンスのコーチは7つものシグナルを繰り出さなきゃいけないし、こちらも相手がラインナップする前に全てのシグナルを受け取るのは大変だ。そういったときに、ヘッドセットで通信ができれば仕事は容易になるはずだ」
「もし自分が拙いプレーをしたら、コーチの怒鳴り声が耳元で聞こえることになりはしないかと、それは少々心配だけどね(笑)。長いことサイドラインからのハンドシグナルを受け取っていると、時には混乱することもあるんだ。直接通信を聞くことができれば、その点で試合が少し容易になる」
2008年4月 7日
- 今年もパッカーズ首脳はガード陣をFA補強する様子はなく、若手の成長に期待しているようだ。「OL全体として、ウチはパスプロテクションのよいチームだ。私がこれまでコーチしたユニットの中でも上位に入る。とくに昨季前半、ランゲーム不振が批判されたために、その長所が見過ごされがちなだけだ。昨年示すことができたように、我々はどんな相手でもパスで攻めることができると大きな自信を持っている。ただ、インサイドのラン・ゲームを向上させる必要がある。ブロッキングの拙かったプレーがたくさんあり、それはテクニックや認識力の問題であることが多かった。言い訳をするわけではないが、ガード陣の若さのせいもあるし、入れ替わってばかりでメンバーが安定しなかったせいでもある」とマッカーシーHC。
- マッカーシーHCによると、昨季後半に最も安定していたガードはRGジェイソン・スピッツで、もし今日試合があれば彼がスターター。また、昨年の4巡指名LGアレン・バーバーが先発争いに加わることに大きな期待を寄せているとのこと。
- 新加入のLBブランドン・チラーがスターターになるというのが大方の見方だが、マッカーシーHCは、「ブレイディ・ポピンガの成長については非常に満足している。1年目から2年目にかけて大きな進歩を遂げた選手の1人だ」と賞賛し、あくまで2人の先発争いを見守る姿勢を強調している。
- 昨季終盤は左ヒザの問題に悩まされて100%のプレーができなかったCBチャールズ・ウッドソンだが、手術の必要はなく、順調に回復してきている、とマッカーシーHC。過去2年とは違い、今年のオフシーズンはグリーンベイで過ごすことが多いようだ。「チャールズはグリーンベイにいることがとても多いね。私がトレーニングルームを覗くと彼がワークアウトしていることが多かった。フィジカル的に非常によい状態にある。ドクター・マッケンジーも、今は完全に回復したと言っている」
- 今夏ラムズがグリーンベイの近くでトレーニングキャンプをする場合、パッカーズと合同スクリメージ練習をする可能性について、両球団首脳が予備的な話し合いをしている。2005年にビルズと行ったときと同様、パッカーズ側の条件はあくまで「相手側がグリーンベイに来てくれた場合」に限られる。相手はもともと本拠地を離れて涼しいウィスコンシン州でキャンプを張っているからよいが、こちらは地元ファンを失望させたくない、というのがその理由。「我々は決してグリーンベイから離れたところで練習を行いたくない、というのが難しいところだ。そういう条件があるので、たとえ合同練習を提案するとしても、(互いのキャンプ地を1年おきに訪問するなどの)互恵関係にはなりえない」とトンプソンGMは説明している。
- ラムズのキャンプ地としてはウィスコンシン大ラクロス校(地図)が第1候補だったが、今は施設の改修中で不可能。ウィスコンシン大ホワイトウォーター校(地図)も施設上の問題がある。そこで現在はウィスコンシン大オシュコシュ校(地図)とウィスコンシン大スティーヴンスポイント校(地図)、それに州都マディソン(地図)周辺を検討している、とラムズのスコット・リネハンHCは語っている。もしオシュコシュならばグリーンベイからわずか80kmしか離れておらず、合同練習実現の可能性はぐっと高くなる。また同じミズーリ州のチーフスは、ミネソタ州境のウィスコンシン大リヴァーフォールズ校(地図)で毎年キャンプを行っている。
- 今回ルール改正された「フォースアウトの撤廃」について、「5年前にそうであればヴァイキングスがプレーオフに・・・」とStar Tribune紙のコラムニストが振り返っている。2003年最終週、プレーオフ争いでパッカーズを半歩リードしていたヴァイキングスはカーディナルスに手痛い逆転負けを喫してプレーオフを逃した。カーディナルスは試合残り4秒でMIN陣28での4thダウン25。QBジョシュ・マカウンからのパスをエンドゾーン右端でキャッチしたWRネイト・プールは、着地前にSブライアン・ラッセルに押し出されたが、審判はフォースアウトと判定して逆転TD成立となった(Play-by-Play)。諦めかけていたところへプレーオフ進出が決まり、ランボーフィールドはまさに歓喜の渦に。
2008年4月 6日
今週開かれたNFLミーティングで可決された主なルール改正は以下のとおり。可決には多数決でなく32球団中24球団の賛成が必要となる。パッカーズのマーク・マーフィ新社長は初参加だったが、元NFL選手でありカレッジ界での豊富な経験もあるため、積極的に発言して議論をリードする場面もあったようだ。
- ディフェンス選手も1人だけヘルメットに受信装置を着け、コーチのプレーコールを音声で伝達できるようになった。
- 受信装置付きヘルメットにはQBと同じように緑丸のマークがつく。
- その選手が負傷した場合に備えて予備の選手を1人指定しておき、受信装置付きヘルメットをベンチに用意しておくことができる。
- 受信装置付きヘルメットを着けた選手が2人同時にフィールドに入った場合は5ydsの反則となる。
- 昨年は賛成22票で2票足りなかったが、今回は賛成25票で可決された。パッカーズは反対した7球団の1つで、他にもオフェンス系のヘッドコーチのチームからの反対が多かったらしい。
- フォースアウトの撤廃。サイドライン際でジャンプしてキャッチしたレシーバーが着地前に押し出された場合、これまでは「押されなければインバウンズだったはず」と審判が判断すればフォースアウトとしてパス成功が認められていた。しかし今後は、押されようが押されまいが、レシーバーの両足が残っていなければパス失敗となる。
- フォースアウト判定は論議の対象(パッカーズも昨季第6週WAS戦でTEフランクスへのTDパスがアウトオブバウンズ判定に)となることが多かったが、ジャッジメントコールであるため、チャレンジの対象でなかった。今回の改正はそうした曖昧さを解消し、審判の判定基準を一定にするため。
- ただし、ディフェンス選手に(押された程度ではなく)抱え上げられアウトオブバウンズに運ばれたような場合は除く。
- これまでルール改正といえばオフェンスを有利にするものがほとんどだったが、今回はディフェンス有利。たとえキャッチされても着地までに押し出せばよいので、小柄なCBにとっては福音かもしれない。オフェンス側にとってはフィールドの横幅が狭くなることになる。
- 5ydsフェイスマスクの撤廃。フェイスマスクをつかんだ場合はこれまでどおり15ydsの反則だが、偶発的にフェイスマスクに手がかかってもすぐに放せば、今後はおとがめなしとなる。
- コイントス勝者の選択肢が増え、試合前のコイントスで勝った側が「後半開始時のためにキックオフorレシーブorサイドを選ぶ権利をとっておく」ことが可能になる。カレッジではこれまでもそうだったらしい。30対2で可決。
- フィールドゴールの成否がチャレンジ可能となる。
- CLE@BALの試合でブラウンズのKフィル・ドーソンの51ydsFGがバーを越えながら(ビデオ)いったんは失敗と判定され、あやうく試合に負けるところだった試合の反省に基づくもの。2人の審判が間近で見ていても誤審はありうる。
- ただし、ポールの上を越えていったキックの判定は、ジャッジメントコールであるため今後もチャレンジはできない。
可決に至らなかったルール改正案は以下のとおり。
- プレーオフのシード順を変更しようという案は、賛成が少ないため撤回された。これまで地区優勝チームが上位4シードを占め、プレーオフ初戦をホーム開催できたが、地区優勝チームより高勝率のチームがあればそちらを上位にしようという案だった。あまりにも早くシードが決まったためにレギュラーシーズン最終盤が無意味なものになる、という事態を避けようという考え方で、今後もシード順のありかたは検討されるとのこと。
- 背番号や名前が見える程度に髪を切るか、しまい込むべし、というロングヘア規制をチーフスが提案していたが、こちらも投票は行われず、継続審議に。髪型の自由は労使協約で認められていて、それを制限するためには選手会との話し合いも必要であるため。
- 開幕までのロースター枠を80人から86人に増やそうという案も投票には至らず、継続審議となった。NFLヨーロッパ派遣選手はロースター枠の例外扱いだったので80人プラスアルファを抱えることができたが、NFLヨーロッパが廃止された今年はぴったり80人でトレーニングキャンプやプレシーズンゲームを行わなければならない。
2008年4月 5日
涙の引退会見から4週間、LAタイムズ紙が情報筋の話として、「代理人バス・クックがブレット・ファーヴのトレードの可能性を他球団に密かに打診中」と報じてちょっとした騒ぎとなった。しかしすぐにバス・クック本人やトンプソンGMが強く否定し、翌朝にはファーヴ本人も、スポーツ・イラストレイテッドのピーター・キングの電話取材に対し、以下のようにコメントしている。
「復帰は全く考えていない。そんな話がどこから出てきたのか分からないが、少なくとも僕から出た話じゃない。自分の下した決断に満足しているし、『自分は間違った判断をしてしまったのでは』 などと一度も思ったことがない。正しい決断だったと僕には分かっている。自分のあずかり知らぬところで、そこらじゅうの話題になるなんて馬鹿げた話だ。ちょっと可笑しいよね。引退したというのに、他人が引退させておいてくれないのだから」
噂の火元について、「高額サラリー(代理人は3%を受け取るので$36万ドル)に未練のある代理人が勝手にやっているのではないか」との見方も少なくない。今回のLAタイムズ記事を全く相手にしなかったのはむしろ地元メディアで、Press-Gazette紙のマイク・ヴァンダーマウス記者は同紙ブログの中で次のように述べている。「3月6日の引退会見を見た者なら誰でも、彼はこれで終わったのだとわかっている。炎は消えたのだ。彼の内なる炎はもう存在しない」
とはいえ、昨年あれだけ活躍できたファーヴだけに、噂がこれっきりということは考えにくい。たとえば他チームの有力QBがキャンプで大ケガでもすれば、「ファーヴのトレードをパッカーズに打診」とか「ファーヴが復帰に乗り気」などと噂が流れるはず。こういった騒ぎは数年後まで時おり起こるだろう、という見方が一般的だ。
パッカーズの2008年プレシーズンゲームの対戦相手が発表された。第1週のベンガルズ戦を除いて詳しい日時は未定。
- 8月11日のベンガルズ戦はESPNでマンデーナイトの全米中継。
- 第2週、49ersとのプレシーズンゲームは1975年以来33年ぶりの対戦となる。
- 第3週、ブロンコスとのプレシーズンゲームは7年ぶり。
- 最終週は例によってタイタンズ。2002年以来7年連続の対戦で、その全てがプレシーズン最終週に組まれている。
Packers 2008 Preseason Game Schedule |
Date |
|
Opponent |
|
Time |
米TV |
8/11 |
|
Cincinnati Bengals |
|
8:00 p.m. |
ESPN |
8/14 - 18 |
@ |
San Francisco 49ers |
|
未定 |
state |
8/21 - 25 |
@ |
Denver Broncos |
|
未定 |
state |
8/28 - 29 |
|
Tennessee Titans |
|
未定 |
state |
2008年4月 3日
- 今週開催されているNFLミーティングで、「QBと同じようにディフェンス選手のヘルメットにも通信装置(受信オンリー)をつける」というルール変更が25対7で可決された。これにより、コーチがハンドシグナルでディフェンス選手にサインを送る必要がなくなる。これまでにも同システムの提案はあったが、今回賛成票が増えたのはペイトリオッツのスパイ事件のため。装置をつける選手は1人だけで、QBと同じように緑の丸がヘルメットに表示される。その選手の負傷に備えて2番手選手をあらかじめ指定しておく。装置をつけた選手が2人同時にフィールドに入った場合、5ydsの反則となる。
- パッカーズ(マッカーシーHCが投票)は上記のルール変更に反対した7球団の1つ。基本的には賛成だが、運用方法に問題があると感じたからだ、とマッカーシーHCは説明している。パッカーズの誰が着用するのかと聞かれると、LBニック・バーネットが論理的な選択肢だが、セーフティのどちらかが着ける可能性もあるとのこと。
- チーフスの主張していたロングヘア規制については投票は行われず、次回5月の会合で継続審議されることになった。
- これ以外のルール変更については後日まとめて。
- WRルヴェル・マーティンが Exclusive-Rights Free Agent (EFA 用語集へ)としての1年契約のオファーにサインした。これで未サインのEFA選手はRBグラントだけとなったが、大型契約を求めているため、交渉はまだ時間がかかりそうだ。
- 肩の手術を受けてリハビリ中のDTジョニー・ジョリーだが、回復は非常に順調だ、とトンプソンGM。いっぽう首を手術したOGトニー・パーマーが現役続行できるかどうかは、今後の検査を待たなければわからない、とのこと。両ヒザの手術を受けて昨季を棒に振ったLBアブドゥル・ホッジは、グリーンベイでなくアリゾナでトレーニングをしている。
- QBブレット・ファーヴがリーグ側にまだ正式な引退の書類を提出していないことが、ちょっとした話題となっている。ファーヴがそうすればパッカーズのキャップの余裕は$12ミリオンほど増えるが、現状でも$20ミリオン以上の余裕があってさほど問題はない。「我々はまったく心配していないが、気にする人たちがいるのは理解してるよ」とトンプソンGM。
- グリーンベイを訪問した2人のQBのうち、クイン・グレイ(JAC)はすでにテキサンズ移籍が決まり、ガス・ファーロット(STL)もヴァイキングスと合意した。パッカーズがA.J.フィーリー(PHI)やJ.P.ロスマン(BUF)に興味を示しているとの噂があるが、どちらもFAではないため、獲得するためにはトレードが必要。控えQB補強についてトンプソンGMは、「2日以内に決断するなどと言えれば格好はいいが、そのように運ぶものではない。さいわい当分試合はないし、たくさんの選手を調べたり、いろいろな人物と話し合ったり、何ができるか検討する時間はある」
- オーナー会に初めて出席するマーク・マーフィ新社長夫妻を他球団首脳に紹介するため、ボブ・ハーラン名誉会長夫妻が付き添って出席している。
- 今年のパッカーズは、例年5月に行われてきた全員参加のミニキャンプを6月17日(火)から18日の3日間行うことをマッカーシーHCが明らかにした。それ以外には、ルーキー・ミニキャンプをドラフト(4月26・27日)の翌週末に行い、5月半ばごろからOrganized Team Activities(OTA)を行うが、それらの詳細な日程は未定とのこと。
- ミニキャンプとOTAの順番を逆にした理由についてマッカーシーHCは、「これによって教育をよりうまく進めることができる。(ミニキャンプの前にオフシーズン・プログラムやOTAでたっぷり教えることができるため)ミニキャンプがより競争の激しいものになる。5月に全員集合するのでなく、7月のトレーニングキャンプに近い時期にフットボールチームとして1つにまとまっておくことができる。これまでは(6月半ばの)OTAが終わるときに、チームがバラバラになってしまう感じがしていた」
2008年4月 2日
Compensatory Draft Pickつまり補償ドラフト指名権(用語集へ)として、今年のパッカーズはドラフト4巡指名権(全体135位)を手に入れることができた。この仕組みはNFLの戦力均衡策の1つで、前年のFA流出がFA獲得と比べて多かったチームに対し、3巡から7巡のドラフト指名権をNFLが配布するもの。人間が決めるのではなく、複雑な計算式で割り出されるらしい。各巡の最後に付け加える形になっていて、この指名権はトレードできない決まりになっている。
昨年のパッカーズはRBアーマン・グリーン(HOU)とTEデヴィッド・マーティン(MIAで15試合先発)をFAで失い、獲得したFAはCBフランク・ウォーカー(先発ゼロ)だけだった。今年は3巡指名権を受け取るのが4チーム、4巡指名権を受け取るのは5チームで、パッカーズはその中で最下位の36位。
発表直前にトンプソンGMは「期待するとがっかりするので私は予想はしないでおく」と語ったばかりだが、4巡ならば喜ばしいことだろう。4巡を受け取るのは2002年以来6年ぶりのことで、2003年は6巡1つと7巡3つ、2004年は7巡1つ、2005年はゼロ、2006年は5巡と7巡、2007年は7巡1つだった。1994年にこのシステムが始まってからの15年間で、パッカーズはNFL5位タイの計24個を受け取っている。1位はレイヴンズの29個で、今年も3巡を含む4つの指名権を手に入れている。
これまでパッカーズはこのCompensatory Draft Pickで、CBタイロン・ウィリアムズ(1996年3巡)、OGマルコ・リヴェラ(1996年6巡)、QBマット・ハッセルベック(1998年6巡)、QBアーロン・ブルックス(1999年4巡)、Pジョシュ・ビドウェル(1999年4巡)、RBダヴェンポート(2002年4巡)、Cスコット・ウェルズ(2004年7巡)といった選手たちの指名に成功している。
昨秋RBグラントを獲得するために6巡指名権を使い、DTコーリー・ウィリアムズのトレードで2巡25位指名権をブラウンズから受け取っているので、今年のパッカーズのドラフト指名権は以下の8つとなった。
1巡30位
2巡25位 (全体56位)
2巡29位 (全体60位)
3巡28位 (全体91位)
4巡29位 (全体128位)
4巡36位 (全体135位)
5巡27位 (全体162位)
7巡30位 (全体237位)
2008年開幕週のパッカーズは、マンデーナイトゲームでホームにヴァイキングスを迎えることが明らかになった。米東部標準時で9月8日午後7時、グリーンベイ時間では午後6時から、ポスト・ファーヴ時代の幕開けが全米中継されることになる。全米放送の開幕戦なのでファーヴの永久欠番セレモニーにちょうどよいのでは? という質問に対してトンプソンGMは、「それはファーヴ家と球団が話し合って決めることだから」と答えているが、リーグ側はそのつもりで試合を組んだのかもしれない。
今回発表されたのは開幕週のプライムタイム・ゲームだけで、全スケジュールが発表されるのは来週または再来週の見込み。木曜夜に行われる開幕戦はワシントン@NYジャイアンツ(NBC)だが、共和党大会と重なるため、通常より1時間半早い東部時間7時キックオフに変更されている。サンデーナイトのシカゴ@インディアナポリス(NBC)は、第41回スーパーボウルの再戦でありルーカス・オイル・スタジアムのこけら落とし。ESPNが放送するマンデーナイトはダブルヘッダーで、パッカーズ戦の次はデンバー@オークランドが行われる。
パッカーズがマンデーナイトで開幕週を迎えるのは球団史上4回目で、過去3回は全て勝利している。ヴァイキングスとマンデーナイトで当たるのはこれで6回目。これまでの成績はパッカーズが2勝3敗で負け越しているが、2000年11月6日のマンデーナイトでは、球団史上に残るWRアントニオ・フリーマンのミラクルキャッチで延長戦を制している。パッカーズはこれで16年連続でマンデーナイトゲームに顔を見せており、通算成績は25勝25敗1分けのちょうど5割。
2008年4月 1日
モックドラフト集の第2回。*印をつけたのは前回からバージョンアップされていないサイト。今回はQB指名を予想したものが2つある。なお、NFL Draft Countdownがパッカーズの2巡指名bに挙げているニューベリー大のOTヒース・ベネディクトは3月26日に急死してしまった。心臓発作によるものらしい。
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