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2006年 ルーキー紹介

2006 Green Bay Packers Draft Picks
Pick 全体 Pos. Name College 備考
1巡 5位 5位 LB A.J. Hawk Ohio State 即先発。もっともっと上を期待
2巡15位 47位 T/G Daryn Colledge Boise State アスレチックなLTだが先発LGになれるか
2巡20位 52位 WR Greg Jennings Western Michigan マイナー校だが実績は十分
3巡 3位 67位 LB Abdul Hodge Iowa タフでフィジカルなMLB
3巡11位 75位 G/C Jason Spitz Louisville ガード起用か
4巡 7位 104位 WR/KR Cory Rodgers Texas Christian リターナーとしての期待大
4巡18位 115位 CB Will Blackmon Boston College WRやKRも経験あるがまずはCB
5巡15位 148位 QB Ingle Martin Furman フロリダ大から転校して活躍
5巡33位 165位 T/G Tony Moll Nevada TEからOTに転向して先発経験1年
6巡14位 183位 DT Johnny Jolly Texas A&M 馬力のあるランスタッファー
6巡16位 185位 S Tyrone Culver Fresno State 身体能力より頭のいいFS
7巡45位 253位 DE Dave Tollefson NW Missouri State 軽量スピード派の白人パスラッシャー


 1巡5位 LB A.J.ホーク A.J. Hawk
Ohio State Senior 6-1 (185cm) 246lb(111kg) 40yds/4.53秒 1984年1月6日生

経歴 : オハイオ州センターヴィル出身。高校ではミドルLBとして通算585タックル。パンターも務め平均40ydsを記録している。またバスケではポイントガードとして活躍した。地元の名門オハイオ州立大に進み(レッドシャツを経ず)1年目からウィークサイドの控えとして26タックル。2年目からウィークサイドでスターターとなり、4年目はキャプテンを務めた。

3年連続でチーム最多タックルを記録し、通算394タックルは同大史上5位。3年目からは各メディアのオールアメリカンやビッグ10カンファレンスの1stチームに連続して選ばれ、4年目にはロンバルディ賞やビッグ10のディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞。全米最高のLBとの評価を確固たるものにした。

Strengths : スピードほか身体能力に恵まれ、嗅覚や頭脳も素晴らしく、先発経験も豊富で、リーダーシップなど精神面も申し分なし。タックリングマシーンかつプレイメーカー。ミスタックルが少なく、ポイントオブアタックで強い。オープンフィールドへのパスートも速く、アングルがよい。ブリッツ能力も高い。ラン・パスの見極めがよく、ポジショニングがよい。

ヴァーサタイルでインサイド・アウトサイドどちらもでき、4-3も3-4も問題なくこなせそう。大学1年目から出場、2年目でスターターとなり、まる3年間の先発経験がある。伝統的なタイプの白人タフガイでもある。

Weakness : やや身長が低い。前や横方向のスピードが素晴らしいのと比べると、後ろ方向や方向転換はやや物足りず、プロの速いレシーバーのカバレッジに不安がある。下半身のパワーを増す必要がある。

メンタル面 : 非常に頭がよく、判断ミスが少ない。素晴らしい嗅覚を持ち、高い集中力をもってプレーする。派手な名声に興味を持たない生粋のハードワーカー。オハイオ州立の強力ディフェンスを率いたリーダーシップも文句なく、メンタル面での懸念は全くといっていいほどない。高校でヒザを痛めて5試合休んで以来、大学では練習も試合も1スナップも休んだことがない。

指名の経緯 : ホークは今年のドラフト上位で最もリスクの低い選手という声もある。DEマリオ・ウィリアムズが1位となったため、5位のパッカーズはLBホークまたはTEヴァーノン・デイヴィスのどちらかに絞られ、やはりホークを選ぶことになった。いっぽう2位のセインツは、RBレジー・ブッシュが1位指名された場合、DEウィリアムズでなくLBホークを選ぶつもりだった、という噂もある。

パッカーズにとって : ウィークサイドで先発させるべく、すでにミニキャンプから1stチームに入れている。ホークとバーネットのスピードを最大限に活かすには、DLがブロッカーをしっかり引き受けて彼らを自由に動かしてやる必要がある。これまではブリッツの下手なLBばかりだっただけに、ホークのパスラッシュにも期待。スピードのある万能LBが2人になったため、ニッケル隊形の頻度が増えそうだ。3巡指名のLBホッジは本来ミドルLBだが、さしあたってバーネットはMLBのままとし、その他の選手たちでストロングサイドの先発を争う。

スポーツ一家 : 祖父はカーレーサーで、彼の名前もA.J.フォイト(インディ500の優勝3回)にちなんで名付けられた。兄ライアンはQBとしてマイアミ大(オハイオ)に進んだが、ロスリスバーガーがいたためオハイオ大に転校。現在はアリーナフットボールのaf2のバーミンガム・スティールドッグスで先発QBとして活躍している。

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 2巡15位 T/G ダリン・カレッジ Daryn Colledge
Boise State Senior 6-4 (194cm) 299lb(136kg) 40yds/5.04秒 1982年2月11日生

経歴 : アラスカ州ノースポール出身。高校ではフットボール(オフェンス/ディフェンス/パンター)のほかに野球や陸上でも活躍。砲丸投げでは州大会で入賞した。アイダホ州のボイジー州立大に進むと、レッドシャツを経た1年目から4年間全て先発左タックルを務めた。2年目にはオールWACの2ndチーム、3年目と4年目には1stチームに選ばれ、全米屈指の左タックルと評価されている。

ボイジー州立大は2004年には全米2位の平均48.9得点、2005年は全米8位の37.3得点と強力オフェンスを誇った。この4年間で47勝5敗、4年連続でWACのカンファレンスチャンピオンになっている。

Strengths : 10yds走1.67秒はOT中トップ、3コーンドリルも垂直跳びもトップクラスとアスレチック能力に非常に恵まれている。クイックネスとボディバランスがよく、しっかりヒザを曲げられるのでパスプロテクションに優れる。スピードを活かしダウンフィールドに進んでのランブロックも速い。バルクはないが、まだ体重を増やせる骨格がある。ベンチプレスなどの数字はガードとしては物足りないものの、体幹部の馬力はかなりあるとパッカーズのコーチは見ている。

Weakness : OTの理想にはややサイズが小さい。腕が短めで、バルクに欠ける。下半身のパワーがなく、大型DLが相手だと馬力で押し負けることがある。評価はかなりまちまちで、テクニックが不安定という声もある。所属カンファレンス(WAC)がややマイナーで、トップクラスのパスラッシャーとの対戦経験が不足気味かもしれない。

メンタル面 : タフでナスティでミーン。意地の悪いプレーができる。ケガを押してプレーする。ワンダーリックテスト30点と頭がよく(OLとしては普通かも)、学習能力も高い。たまに集中力を欠くプレーも見受けられ、素晴らしいプレーと悪いプレーの落差が大きい。コンバインで各球団の面接を受けた際には、あまりに自信たっぷりの態度に、「うぬぼれ屋タイプなのでは」との懸念を持ったチームも多かったらしい。すでに結婚しており、「ヨメを養わなければ」というプロ根性はしっかりしている。

指名の経緯 : ゾーンブロッキングを導入した今年のパッカーズは何よりもアスレチックなOL選手を望んでおり、昨年のOGウィティカーのようなオーソドックスな巨漢OGは不向きだった。2巡5位の時点でOGタイトゥシ・ルトゥイ(USC)が残っていたが、より軽量アスレチックでパッカーズ向きのダリン・カレッジが2巡下位でも残っていると判断し、指名権を増やすべくトレードダウン。2巡15位でのカレッジ指名となった。

パッカーズにとって : 大学4年間すべて左タックルで先発してきたが、パッカーズでは空席の左ガードで先発させるべく、ミニキャンプ初日から1stチームに入れている。ガード初体験とはいえ、ゾーンブロッキングそのものは大学でずっとやっていた。そのため、もともと高く評価されていたパスプロテクションよりも、ランブロッキングの方が今のところは楽にこなせているようだ。

ボイジー州立大のコーチたちは、カレッジは昨年の1巡32位指名のローガン・マンキンズ(フレズノ州立大)と似ていると語っている。マンキンズも大学ではずっと左タックルをしていたが、ペイトリオッツでは左ガードとして1年目から全試合に先発出場した。比較的スリムな体格もアスレティシズムも似通っている。またパッカーズのコーチたちによると、現パンサーズのLGマイク・ウォールに似ているとのこと。

現在はチーム事情から左ガードをやらせているが、ガードがダメなら左タックルの控えとなるだろう。将来的には、先発LTクリフトンの後継者となってもおかしくない。

アラスカ出身 : アラスカで生まれた彼は3歳のとき南カリフォルニアに引越し、11歳で再びアラスカに戻った。そのブランクがあるためか、アラスカで最も人気のあるホッケーはプレーしなかった。父親はフェンス建設の会社を経営しており、彼自身も夏休みに建設の仕事を手伝ったことがある。アラスカにはフットボール部のある高校は十数校しかないらしい。ボイジー州立大のコーチは、別の選手をチェックするためにビデオを見ていたところ彼が目に付き、奨学金をオファーしてくれた。

今年の全体47位指名となったカレッジは、NFL史上最も高い順位でドラフト指名されたアラスカ州出身者となった。これまでの最高は、1996年に全体58番目に指名されたオレゴン州立大のSレジー・タング(アラスカ州フェアバンクス出身)だった。

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 2巡20位 WR グレッグ・ジェニングス Greg Jennings
Western Michigan Senior 5-11 (180cm) 197lb(89kg) 40yds/4.42秒 1983年9月21日生

経歴 : ミシガン州カラマズー出身。高校ではフットボールの他にバスケや陸上でも活躍し、4x100mリレーでは州大会決勝に進出。地元のウェスタンミシガン大に進み、2年目からはスターターとして全試合に先発出場した。2003年には1050ydsで14TD、2004年には1092ydsで11TD、2005年には1259ydsで14TDと大活躍を続け、3年連続でチームのオフェンスMVPに選ばれた。

3回の1000ydsを記録したWRはディビジョンI-A史上11人目。2年時にはカンファレンスの2ndチーム、3年・4年と連続で1stチームに選ばれている。4年時の98キャッチと1試合平均8.91回はどちらも全米1位で、1試合平均114.45ydsは全米2位。3年時にはパントリターンで14.8ydsと素晴らしい数字を残した。

Strengths : 全てにおいて穴がなく、アスリートとしてよりもレシーバーとして優秀。スピードもあるがそれ以上にクイックでアジリティに優れ、特に3コーンドリルはWR中トップクラスの数字。鋭いカットと加速を持つ。ボディコントロールがよく、シャープなルートランナー。パスキャッチが非常に上手く、体から離れたパスでもスピードを落とさず容易に捕ることができる。目がよく、オープンフィールドでタックラーをかわすのも巧み。身長はないが比較的ガッチリしている。

大学の特に最後の頃はショートパス主体のオフェンスだったためディープスレットとしては使われず、ロングボールのキャッチはほとんどなかった。しかし密集を恐れずにタフなキャッチを重ね、ランアフターキャッチを稼いできた。優れたリターナー実績がある。

Weakness : サイズが小さい。スピードや爆発力はエリート級とは言えない。カンファレンスのレベルは高くなく、トップクラスのCBを振り切れるかどうか。プロのCBのフィジカルなバンプに押し負けるかもしれない。ときおりキャッチ直前に目を離してイージーなキャッチミスすることがある。ランブロッキングで手抜きをすることはないが、サイズ的にどうか。

メンタル面 : フットボール頭はかなりよく、学習能力が高い。優れた嗅覚を持ち、判断力もよい。多少のケガを押して出場を続けてきたようにタフで、ハードにプレーする。ビッグゲームでビッグプレーを見せる。

指名の経緯 : 素晴らしい成績のわりに目立たない存在だったが、プロのスカウトの間で評価が高かった選手。「今ドラフトで2番目のWR」と評価する他球団のスカウトもいる。いっぽうパッカーズは、WRウォーカーのトレード要求とWRマーフィの(ケガにより)解雇というダブルパンチで、将来の先発WR候補を上位で指名する必要に迫られていた。

もともと2巡4位指名権を持っていたパッカーズは、WRとしては全体2番目でWRチャド・ジャクソン(フロリダ大)を指名することもできたが、2巡20位にトレードダウンして3巡11位を受け取った。そしてトレード相手のペイトリオッツがそのままWRチャド・ジャクソンを指名し、パッカーズは20位でWRジェニングスを指名した。

パッカーズにとって : WRウォーカーを放出したいま、スターターが確定しているのはドライバーだけ。ファーガソン、ガードナー、ボーリクター(元KC)がスターターを争い、ジェニングスもそこに加わることになる。WRが1年目から活躍するのは非常に難しいものだが、さしあたって3番手・4番手あたりを争い、シーズンが深まるにつれて数字を伸ばしてくれれば理想的。将来的にはもちろんスターターとなることを期待されている。2回のミニキャンプを終え、不気味なほど彼の評判はいい。

4巡指名のWRロジャースもジェニングスも、パント/キックオフ両方で優れたリターナー実績を持っていて、今年の有力候補となっている。CBウッドソンもミニキャンプではリターナーをプレーしたが、ケガがちのベテランCBよりも若手WRに担当させるのが現実的な選択ではないか。

MAC : ウェスタン・ミシガン大はミッドアメリカン・カンファレンス(MAC)の中ではやや地味な存在だが、昨年はLBジェイソン・バビン(テキサンズ)が同大史上初の1巡指名選手となった。今年はWRジェニングスの他にTEトニー・シャフターが2巡29位でブロンコスに指名されている。また、カラマズー・セントラル高校で彼のチームメイトだったRBジェローム・ハリソン(ワシントン州立大)は、ブラウンズに5巡指名されている。

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 3巡3位 LB アブドゥル・ホッジ Abdul Hodge
Iowa Senior 6-0 (184cm) 233lb(106kg) 40yds/4.66秒 1982年9月9日生

経歴 : 米領ヴァージン諸島で生まれ、フロリダ州ローダーデール・レイクスで育った。高校では陸上やバスケもプレー。フットボールでは3年間キャプテンを務め、オール・フロリダ州の1stチームなどさまざまな賞を受賞する。地元から遠いアイオワ大を選び、レッドシャツを経た1年目はスペシャルチーム、2年目には先発MLBとなり、以後3年連続で同大の最多タックルを記録した。4年間1試合も休まず出場している。

2年時には早くもビッグ10の1stチームに選ばれ、以後オールアメリカンやオールビッグ10の受賞多数。通算453タックルは同大史上3位。

Strengths : タフでフィジカルでパワフルな典型的なミドル/インサイドLB。しっかりしたテクニックがある。読みや嗅覚が非常によく、常にボールの近くにいる。反応が速く、プレーアクションにひっかかることも少ない。アグレッシブかつハードノーズで、笛が鳴るまでチェイスを止めない。ポイントオブアタックで強く、大きなブロッカーたちをしっかり受け止めるパワーがある。ハードヒットでファンブルフォースも多い。

Weakness : インサイド/ミドルLBには身長・体重とも小さく、NFLでやるにはもう少し下半身の馬力がほしいところ。動きがやや硬く、パスカバレッジの守備範囲は広くない。スピードのあるレシーバーのカバーでは苦戦するかも。ブリッツ能力はあまりないという見方もある。バルクを増そうとすると、そのぶんスピードが殺がれるかもしれない。

メンタル面 : 頭がよく、読みや嗅覚が非常に優れている。高い集中力を保ってプレーし、ミスが少なく安定している。チームプレーヤーで、リーダーシップも文句なし。

指名の経緯 : プレーぶりにあまり欠点のない即戦力タイプとされ、2巡あたりの評価が多かった。しかし最近のNFLではスピードのあるアスレチックなLBが好まれることも、彼が3巡まで落ちた理由のようだ。すでに1巡でLBホークを獲得したパッカーズが他の要補強ポイントを無視してわざわざ3巡で指名したということは、よほど彼を高く評価していたのかもしれない。

パッカーズにとって : 「彼なら3ポジションどこでもできる」とコーチは言うものの、やはり典型的なミドルLBタイプ。バーネットがいる以上、今年はミドルでのスターターはなさそうだ。「最終的にどのような形になるかは分からないが、ベストな3人のLBをプレーさせることになるだろう」とトンプソンGM。ミニキャンプではバーネットに次ぐミドルLBの2番手に入っていたが、今後はストロングサイドで試すこともありそうだ。

もしホッジが評判どおりに素晴らしければ、2年後にFAとなるバーネットとの再契約をせずにホッジにミドルを任せる可能性もなくはない。

LB兄弟 : 弟イライジャはウィスコンシン大でプレーしている。2年生になる今年は、兄と同じくミドルLBで2番手となるようだ。「スプリング・プラクティスを見にウィスコンシン大に行ったとき、『もしグリーンベイが獲ってくれたら理想的だよな』って弟と話したところなんだ。母は両方の試合を観ることができるし、僕は(アイオワ大と同じ)中西部に住み続けられるし、言うことないね」と本人。

アイオワ大 : 同大はウィスコンシン大と同じカンファレンスであるため、パッカーズファンにとっては比較的なじみの選手でもある。同僚のLBチャド・グリーンウェイは1巡17位でヴァイキングスに指名された。現在パッカーズの同大出身者はDEキャンプマンやDTコリン・コールがおり、地味だが真面目なハードワーカーという点で共通している。ウィスコンシン州の西南に接するアイオワ州ではNFLの中ではパッカーズが1番人気で、ヴァイキングス、ベアーズが続いている。

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 3巡11位 G/C ジェイソン・スピッツ  Jason Spitz
Louisville Senior 6-4 (193cm) 313lb(142kg) 40yds/5.17秒 1982年12月19日生

経歴 : フロリダ州ジャクソンビル出身。高校では円盤投げや砲丸投げ、ウェイトリフティングでも活躍した。フットボールでは攻守両方のラインマンとしてシーズン10サックも記録し、オール・フロリダ州の2ndチームに選出された。ルイヴィル大に進むと、レッドシャツを経た1年目から右ガードのスターターとなり3年間先発。昨年春にはいったんセンターにコンバートされるが、チーム事情から結局左ガードとなり全試合に先発出場した。

2年・3年と右ガードとしてカンファレンスの2ndチームに選出、4年時には左ガードとして1stチームに選出されている。2004年の同大は全米1位となる1試合平均539.0yds、49.75得点の強力オフェンスを誇り、2005年も平均482.08ydsで全米9位、43.2得点で全米3位となっている。

Strengths : まずまずのサイズがある。クイックネスに優れ、スナップからの瞬間的な動きが速い。手の使い方が非常に上手く、タフで効果的なプレーをする。パワフルなランブロッカー。ブリッツやスタントなどの判断に優れ、タイミングを遅らせたブリッツにもよく対応する。インサイドの3ポジションは全て経験がありヴァーサタイル。まる4年間の先発経験がある。

Weakness : サイズもアスレティシズムもエリート級のものはない。直線のスピードと比べると全般的なアスレチック能力、特に横方向の動きがイマイチ。方向転換がスムーズさに欠け、スペースでの動くターゲットを捕らえるのがあまり上手くない。パワフルなランブロッキングと比べると、パスプロテクションでは動きの堅さが目立つこともある。

メンタル面 : タフなハードワーカー。賢く、フットボールのセンスがいい。人間的に成熟していて、チームメイトの先頭に立つリーダーシップもしっかりしている。

指名の経緯 : パッカーズは両ガードのスターターが定まらず、Cフラナガンも抜けたため、インサイドの3ポジション全てに補強の必要があった。にもかかわらずFAでの補強が全くなかったため、ドラフトでOLを複数指名することが確実視され、そのとおりに2巡でダリン・カレッジ、3巡でジェイソン・スピッツ指名となった。パッカーズはもともと持っていた2巡4位をペイトリオッツにトレードして、2巡20位(WRジェニングスを指名)と3巡11位指名権を受け取っていた。

パッカーズにとって : Cウェルズにケガでもない限り、1年目からセンターでの先発はなく、ここまでのミニキャンプでは左ガードでダリン・カレッジの2番手に入っている。右ガードの2番手だったケヴィン・バリーが今季絶望となったため、今後は右ガードを試すことも予想される。将来的にセンターでウェルズと先発を争うことになるのか、ガードでスターターになるのか、今後のOL陣全体の成り行きしだいとなりそうだ。

ポジション : ルイヴィル大では1年目から先発右ガードとなり、3年目までスターターを務めた。4年の春にはセンターにコンバートされ準備をしていたが、ケガ人が出たチーム事情のため、左ガードで全試合に先発出場した。大学のほとんどでガードをプレーしてきた彼がセンターで公式戦に出場したことはないが、「プロではセンターの方が成功しそう」との見方が多い。

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 4巡7位 WR/KR コーリー・ロジャース  Cory Rodgers
Texas Christian Junior 6-0 (183cm) 188lb(85kg) 40yds/4.59秒 1983年2月22日生

経歴 : テキサス州ヒューストン出身。高校では走るタイプのQBとして活躍し、2年間で計62TD(パス37TD・ラン25TD)を記録。テキサス・クリスチャン大に進むとWRに転向してレッドシャツを経た1年目から3試合に先発出場し、590ydsの活躍を見せる。2年・3年と先発WRを務めるいっぽう、パント/キックオフ・リターナーとしても大きな実績を残している。

昨年はパントリターン平均15.3yds、キックオフリターン平均31.7yds、2TDと素晴らしい成績を残した。キックオフリターナーとしてオールアメリカンやカンファレンスの1stチームなど、さまざまな栄誉に輝いている。

Strengths : スピードよりもクイックネスに優れ、アジリティがよい。まずまずのサイズ。鋭い加速でディフェンダーを振り切る。(スピードがないわりに)優れたディープスレット。ボールへのアジャストも上手く、難しいボールも容易にキャッチしてみせる。リターナーとしてはフィールドビジョンが非常によく、状況をよく読んで最大のヤーデージを稼ぎ出す。

Weakness : スピードが物足りない。スクリメージ上で好きなようにジャムされてしまうことがあり、NFLのDBを相手にするにはもう少しガタイを大きくしたいところ。胸で捕ることも多く、パスキャッチがやや不安定。ブロッカーとしても安定性に欠ける。

メンタル面 : フットボール頭はいいほう。オープンなスペースを見つける嗅覚にも優れたものを持っている。タフなチームプレーヤーで、ランアフターキャッチでは倒れるまで少しでも前に進もうと頑張る。3年終了でアーリーエントリーした決断については、「早く家族を楽にしてやりたかった」とのこと。

指名の経緯 : コンバインで40yds走などの数字が振るわなかったことが不安視され、評価を大幅に下げた。ここ数年リターナー確保に苦しんできたパッカーズは、2003年の7巡でWRデアンドリュー・ルービン、2005年の2巡でWRテレンス・マーフィ、6巡でWRクレイグ・ブラッグといったリターナー実績の豊富な選手を指名してきたが、結局うまくいかなかった。今度こそリターンスペシャリストを手に入れることができるか。

パッカーズにとって : レシーバーとしては、今年は4番手から6番手のどこかに入ってロースター入りを目指す。それ以上に即戦力の期待がかかるのがパント/キックオフ・リターナー部門で、同じくルーキーのWRジェニングスらと正リターナーの座を争うことになりそう。

リターナー候補 : リターナー実績のある選手がドラフトで3人も入ってスペシャルチームコーチはホクホクだが、特にロジャースへの期待は大きく、今のところ今年のリターナー最有力候補とマイク・ストックSTコーチは見ている。「彼はキックをブロックでき、カバーができ、タックルができ、リターンができる。恐れを知らず(横に逃げず)縦方向に突っ走る。タックルを破る。キャッチもしっかりしている。短いパントが来てもバウンドさせるのを好まず、突っ込んで捕りに行く。知識も豊富で才能のある子だよ」

警察沙汰 : 今年のパッカーズ指名選手は比較的メンタルのしっかりした(評判の)選手が揃っていて、しかもアーリーエントリーはこのロジャースだけ。だからというわけでもないだろうが、5月下旬に彼はバーでの大乱闘事件に関わって逮捕されてしまった(記事へ)。そしてマッカーシーHCに呼ばれて長い話し合いを行い、丁寧な謝罪コメントをしている。ロジャースが本当に問題児タイプなのか、今後を見守るしかない。

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 4巡18位 CB ウィル・ブラックモン Will Blackmon
Boston College Senior 6-0 (183cm) 191lb(87kg) 40yds/4.47秒 1984年10月27日生

経歴 : ロードアイランド州ウォーウィック出身。高校ではRB兼DBとして大活躍し、シーズン1618ydsラッシングと100タックルを達成した。州の最終優秀選手やオールアメリカン1stチームなど受賞多数。陸上やバスケもプレーし、100m走10.87秒で州大会優勝。ボストンカレッジではレッドシャツを経ず1年目から出場し、2年目には先発に昇格した。3年目までに8INTを挙げカンファレンスの2ndチームにも選出されたが、4年目にはWRに転向、763yds、4TDを挙げた。

4年間通してキックオフリターナーを務め、通算114回2,803yds(平均24.6yds)はNCAA I-A記録からわずか120yds足りないだけだった。キックオフリターンほどではないがパントリターンでも通算40回平均12.7ydsを記録している。

Strengths : 優れたアスリート。スピードもさることながら、垂直跳びや幅跳びもCB中トップクラス。動きが柔らかく、ターン&ランでレシーバーについていける。CBとしては十分なサイズがあり、大型WRとのマッチアップも問題ない。ボールスキルがありキャッチが上手く、ビッグプレーメイカーでもある。

Weakness : CBとしてエリート級のスピードはない。アスレチック能力をフィールドで活かせないことも多く、ビッグプレーを許すことがある。ルート判断を磨く必要がある。もう少しバルクを増してフィジカルなプレーに強くなりたいところ。

メンタル面 : ワンダーリックテスト31点はCBとしては異例の高得点。ハードワーカーで人格面も文句なく、短期間でWRへのコンバートに成功したのはその努力のたまもの。

指名の経緯 : 大学最終年でWRにコンバートされたため、どちらのポジションでも経験不足が指摘される結果になってしまった。それがなければもっと上位で指名されたはずとの声も多い。パッカーズはWRウォーカーのトレードで得た全体37位指名権をさらにトレードに出し、ブラックモンを含む5人の選手を指名した。

パッカーズにとって : 先発CBのアル・ハリスとチャールズ・ウッドソンのコンビは実力的には申し分ないが、年齢が31歳と29歳ではいつ衰えが始まってもおかしくなく、有望な若手がほしいところだった。またサイズ面では、5-10(177cm)と小柄なキャロルを除けば、ハリス(6-1)、ウッドソン(6-1)、ホーキンズ(6-1)、そしてブラックモンと大型CBを揃えることができた。

両先発CBはハリスとウッドソン。ニッケル/3番手CBはキャロルで、それを2年目のホーキンズが追っている。ブラックモンはさしあたって4番手をホーキンズたちと争うことになりそうだ。ミニキャンプではなかなかよいプレーを見せ、特にボールスキルでは「すでにキャロルよりいいかも」という記者も。しかしその後、足を骨折してしまい、大幅に出遅れることになってしまった。

ポジション : 大学3年目まではずっとCBをプレーしていたが、4年目になってチームの都合でWRに転向した。CBの方がいい、WRの方がいいと評論家の意見は分かれているが、パッカーズはCBとしての将来性に期待している。リターン実績も豊富だが、今のところミニキャンプではリターナーはやらせていないようで、さしあたってはCBに集中させる意図か。

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 5巡15位 QB イングル・マーティン Ingle Martin
Furman Senior 6-2 (188cm) 224lb(101kg) 40yds/4.65秒 1982年8月15日生

経歴 : テネシー州ナッシュビル出身。高校ではオプションQBとして大活躍し、同州最高の選手と評価され、多くの誘いの中からフロリダ大を選んだ。レッドシャツを経て1年目は先発パンター、2年目には先発QBとなるがシーズン半ばで降格されてしまう。出場機会を求めてディビジョンI-AAのファーマン大に移り、そこで2年間素晴らしい活躍を見せてドラフト候補に復活してきた。

ファーマン大での1年目(大学3年扱い)は2792yds、22TD。昨年は2年目は2,959yds、20TD。2年間で21勝6敗。 レシーバーの経験もあり、昨年はパンターとしてディビジョンI-AAのオールアメリカン1stチームに選ばれている。

Strengths : かなり強い肩とアスレチック能力がある。コントロールがいい。ポケットでの落ち着きがある。リリースがコンパクトかつクイックで、ブリッツに対応してホットレシーバーにパスを通すことができる。白人QBとしてはかなり足が速く、動きながらのパスもいい。大事なところでビッグプレーを決める勝負強さがある。身長6フィート2は現代ではやや小型だが、QBファーヴやQBロジャースと全く同じ。

Weakness : 活躍したといってもディビジョンI-AAのレベルでしかない。肩の強さに頼りすぎる傾向があり、判断力を磨く必要がある。パスの正確さもエリート級ではない。時おりフットワークが雑になり、しっかり前に踏み込まずに投げるときに不安定なパスになる。

メンタル面 : ワンダーリックテスト32点は、頭のいい選手が多いQBとしても上出来の部類。スナップ前の相手ディフェンスの読みがよく、嗅覚もある。積極的にチームメイトに働きかけるリーダーシップもよい。時おり集中を欠いて不安定に見えるときがある。

すでに経営学の学位を取得して卒業済み。妻のジェニファー・ライトはアラバマ大のソフトボールで先発投手として活躍した。

指名の経緯 : ディビジョンI-AA出身のため目立たない存在だったが、コンバインではジェイ・カトラー(1巡11位でブロンコス)を上回って(パス練習を選択した中では)QB中トップの球速を記録し、"Sleeper"候補として名前が挙がるようになる。なお2002年5巡指名のQBクレイグ・ノールも、出場機会を求めてディビジョンI-AAの大学に移った選手だった。

パッカーズにとって : QBクレイグ・ノールがビルズに移籍したため、マーティンは3番手としてすんなり開幕ロースター入りできそう。しかしファーヴが今季限りで引退した場合に2番手に昇格できるかは別の話。ベテランQBの獲得が必要になるかどうかは、マーティンの成長しだいだ。

フロリダ大からファーマン大へ : フロリダ大を選んだのは、スティーヴ・スパリアーHCがQB育成の手腕で知られており、彼の下でパサーとしての勉強をしたかったからだ。ところが入学からわずか1年でスパリアーはレッドスキンズに去ってしまった。レックス・グロスマン(現CHI)が卒業した2003年にはいったんスターターになったものの、ロン・ズックHCが勧誘してきたQBクリス・リークに先発の座を奪われてしまった。

先発を降ろされてまもなく、彼は転校を決意した。「冷静に判断してのことだ。クリス(リーク)はロン・ズックHCに誘われて来た選手だし、僕は前任のコーチに誘われた選手だ。そのことが関係あったのかどうかは分からないし、クリスにチャンスを与えた方が勝てると判断しただけかもしれない。でも僕としては、ただ試合でプレーしたかった」とマーティンは振り返る。同じディビジョンI-A内で転校すると1年間はプレーできない決まりがあるので、ディビジョンI-AAのファーマン大を選び、移るとすぐにスター選手となった。

ホワイトハースト親子 : ファーマン大からパッカーズにドラフト指名されたのは、1977年8巡のQBデヴィッド・ホワイトハースト以来のこと。彼は83年までパッカーズに在籍、主にQBリン・ディッキーの控えとしてプレーして、計37試合に先発して16勝20敗1分け。そのホワイトハーストの息子チャーリーはクレムソン大でQBとして活躍し、今年のドラフト3巡でチャージャーズに入団している。

今春ドラフト前にそのチャーリー・ホワイトハーストのアドバイザーを務めたのが、同じくパッカーズの元控えQBだったジーク・ブラコウスキー。ブラコウスキーは1960年代にQBバート・スターの優秀な控えQBで、その後QBコーチやOCとして活躍した。そのブラコウスキーの息子ボブは現在ベンガルズでOCを務めている。

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 5巡33位 T/G トニー・モール Tony Moll
Nevada Senior 6-4 (194cm) 308lb(140kg) 40yds/5.10秒 1983年8月23日生

経歴 : カリフォルニア州ソノマ出身。熱心な49ersファンとしてベイエリアで育った。高校ではタイトエンドとディフェンシブエンドの両方で活躍し、DEではリーグの1stチームに選ばれる。ネヴァダ大に進むと、レッドシャツを経た1年目は控えTE兼スペシャルチーマー。2年目はに先発TEとなったが、Hバックをやることも多かったようだ。

3年目に2番手TEに後退すると、4年目の春にはタックルへコンバートされ、全試合に先発出場。オールWACの1stチームに選ばれている。同大では左/右タックルという区別ではなく、モールはウィークサイドOTを担当していた。そのため左右タックルの経験がある。

Strengths : タイトエンドから転向してわずか1年なのでまだ線が細いが、NFLのラインマンには十分なサイズがある。アスレチック能力に非常に恵まれ、潜在能力は高い。左右両タックルの経験があり、ガードもこなせるだろうとパッカーズは見ている。

Weakness : OTとしてのスターター経験が1年しかなく、かなり粗削り。細かい技術がまだ未熟で、アスレチック能力をゲームで活かせないことも多い。一人前になるにはある程度の時間がかかると覚悟すべきだろう。225ポンドのベンチプレス18回はオフェンシブラインとしては物足りず、パワーをつける必要がある。

メンタル面 : ワンダーリックテスト23点はまずまず。それ以外の情報が全くない。

指名の経緯 : ドラフト前に興味を示したのはパッカーズとカウボーイズで、グリーンベイを訪問してワークアウトも行っていた。しかしパッカーズはOTダリン・カレッジを2巡指名し、モール指名は消えたかに見えた。「いっぽうダラスは、4巡からの3つのピックで僕とレシーバーとセーフティを検討している、と言ってくれた。そして彼らは4巡でレシーバー、5巡でセーフティを獲ったものだから、僕はだんだん落ち込んできた。半分あきらめてウトウトしたところへ、パッカーズが電話をくれた。ポジション経験1年では、ドラフト外で契約する可能性が一番高いと思っていたから、すごく嬉しかったよ。今でも信じられない」

メディアにとっては超無名選手。多くの選手のプロフィールを揃えているNFL.comさえ指名直後はリンクが表示されなかったほどで、またESPNでは"WR"と最初は表示されていた。有力メディアの中でプロフィールが出ていたのは The Sporting News だけだった。

パッカーズにとって : 今年3人目のOL指名。2巡指名のT/Gダリン・カレッジと同じようにゾーンブロッキング向きの軽量アスレチックOLで、サイズ的にもT/Gカレッジに似ている。しかしOL経験が1年しかないことを考えると即戦力になるのは無理な話で、一人前になるには何年もかかるだろう。今年はロースター入りできずにプラクティス・スクワッドかもしれない。

タイトエンドからのコンバート : すでにネヴァダ大に入学した時点で、いずれOLにコンバートしたいとコーチから言われていたらしい。頑固なモールは、毎年それを断り続けていた。しかしタイトエンド陣が豊富で出番がなくなりそうなこともあって2005年春にようやくコンバートを承知し、全試合に先発出場してオールWACの1stチームに選出される活躍を見せた。1年で50ポンドも体重を増やしている。

TEのままではNFL入りなどとても無理だっただけに、コンバートされたことに感謝しているモールだが、TEをやっていたおかげで能力を磨くことができた、とも語っている。「高校から大学までずっとタックルをやっていたら、今のようなクイックなフットワークはなかっただろう。タイトエンドをやるためにはクイックネスやアスレティシズムが必要だった。そういったスキルが今の僕を助けてくれているのは確かだ」

WAC : ネヴァダ大の所属する Western Athletic Conference(WAC)はどちらかというと地味なカンファレンス。WACの9校から今年ドラフト指名されたのは5人だけだったが、なんとそのうち3人がパッカーズだった。2巡のT/Gダリン・カレッジ(ボイジー州立)、5巡のT/Gモール(ネヴァダ)、6巡のSタイロン・カルヴァー(フレズノ州立)。ネヴァダ大から昨年は1人もドラフト指名されず、今年はモール1人だけ。パッカーズからの指名は同校史上初めて。

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 6巡14位 DTジョニー・ジョリー Johnny Jolly
Texas A&M Senior 6-3 (191cm) 317lb(144kg) 40yds/5.07秒 1983年2月21日生

経歴 : テキサス州ヒューストン出身。高校では地区優勝に貢献し、地区の最優秀選手にも選ばれる。テキサスA&Mに進むと、レッドシャツを経た1年目には控えDT、2年目には先発に定着し、95タックルを記録して早くもチームのディフェンスMVPに選ばれる。3年・4年と先発を続け、カンファレンスの2ndチームに選ばれている。

Strengths : ガタイがしっかりしていて馬力があり、クイックネスやボディバランスに優れている。ポイントオブアタックでパワフルなランストッパーで、素早くボールのありかを見つける。パスをはたき落とすのも上手い。まる3年間の先発経験があり、1ギャップも2ギャップも経験がある。3-4隊形のDE向きとの声もある。

Weakness : スピードもクイックネスもトップクラスのものはない。ラン守備に優れているのと比べ、パスラッシュがよくない。オフェンシブタックルの外側までパスートする足はない。ブロッカーを振り払う手の使い方を改善する必要がある。スタミナが切れてくると腰高になるところを付け込まれる。プレーぶりはやや不安定。

メンタル面 : プレーの読みはよく、判断ミスは少ない。しっかりしたリーダーシップを発揮していたようだが、ワンダーリックテスト13点はほめられた数字ではない。

指名の経緯 : 2月末のコンバインの数日前に足首を痛め、コンバインでは無理して走って40yds走は5.41秒しか出ず、幅跳びも8フィート8、垂直跳びその他のドリルは欠場した。4巡・5巡あたりのとの評価も多かったが、足首の手術が必要かもしれない懸念がドラフト順位に影響したようだ。なおパッカーズ指名後は手術の必要なしと判断され、ミニキャンプに参加している。

パッカーズにとって : 昨年のジム・ベイツDCは中央に大型DTを2人据えるのが好みだったが、後任のボブ・サンダースDCもそれを踏襲するように見える。ケガがちのDTグレイディ・ジャクソンとは再契約しなかったものの、ランストップに優れるDTライアン・ピケットとDTケンドリック・アレンを獲得し、このジョリーも似たようなタイプだ。飛び抜けた選手はいなくとも、元気なハードワーカーをローテーション起用していく方針のようだ。

DLのロースター枠は9人か10人で、ジョリーはボーダーライン上。

Texas A&M : テキサスA&Mからパッカーズに指名されるのは2001年からだけで4人目。昨年のWRマーフィはケガのためチームを去ったが、残るWRファーガソンとDEモンゴメリーとDTジョリーの3人は、出身校だけでなく代理人まで同じだ。元同僚のDEモンゴメリーについてジョリーは、「僕らは隣で一緒にプレーした仲だ。きっといろいろ教えてもらえると思う。彼はいつでも足を止めずに走り続けるハードワーカーで、僕と同じだ。僕らは互いに刺激し合っていた。また同じチームでプレーできるのが楽しみだよ」

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 6巡16位 Sタイロン・カルヴァー Tyrone Culver
Fresno State Senior 6-1 (185cm) 200lb(91kg) 40yds/4.60秒 1983年7月6日生

経歴 : カリフォルニア州パームデール出身。高校ではロサンゼルス地区のオールスターチームやリーグのディフェンスMVPに選ばれる。フレズノ州立大に進むと2年目までは控えだったが、3年目から先発FSに定着し、通算178タックル、5INTを記録。4年目にはカンファレンスの1stチームにも選出されている。また学業成績も優秀で、4年連続でカンファレンスのオール・アカデミック・チームに選ばれている。

Strengths : まずまずのサイズとそこそこのスピードがありフィジカル。フィールド全体を見る能力がある。ラン/パスの見極めが非常によく、常に正しいポジションにいる。頭がよく嗅覚もあり、ビッグゲームで勝負強いプレーをする。225ポンドベンチプレス23回はセーフティとしてはトップクラス。

Weakness : エリート級のスピードはなく、NFLのレシーバーをカバーするのに苦労するかもしれない。ボールスキルもイマイチ。大型RB相手にパワー負けしないためには、バルクを増す必要がありそう。タックルが不安定との指摘もある。

メンタル面 : 大学のコーチから「フィールド上のコーチ」と呼ばれていたように、読みや判断がよく、ポジショニングに優れている。成績優秀な学生でGPAは3.5点。歯学部進学志望だったが、「今は歯学部のことは脇へ置いて、フットボールに集中することに決めたよ」と本人。

指名の経緯 : 昨年はセーフティを2人指名しているので、この2年で3人目のセーフティ、5人目のディフェンシブバックということになる。大学ではフリーセーフティをプレーすることが多かったが、プロではストロングセーフティが向いているかもしれない。

パッカーズにとって : パッカーズのセーフティ陣は、実績組ではマーク・ローマンとマーカンド・マニュエル、昨年2巡のニック・コリンズと4巡のマーヴィール・アンダーウッドがいる。ロースター枠は通常4人なので、カルヴァーは誰か1人を蹴落とさなくてはならない。当然スペシャルチームでの貢献も重要になってくるだろう。

FSニック・コリンズの先発は確定。ローマンがマニュエルとの先発SS争いに敗れた場合、フロントに不満を表明した経緯からも解雇になる可能性は十分あり、そうなればカルヴァーは開幕ロースター入りに大きく近づくことになる。

WAC : OTトニー・モールの項で述べたように、Western Athletic Conference(WAC)の9校から今年ドラフト指名されたのは5人だけだったが、なんとそのうち3人がパッカーズだった。2巡のT/Gダリン・カレッジ(ボイジー州立)、5巡のT/Gモール(ネヴァダ)、そして6巡のSタイロン・カルヴァー(フレズノ州立)。

フレズノ州立大といえば最近ではQBデヴィッド・カー(2002年)が有名だが、同大からパッカーズにドラフト指名されたのは1970年のDBアーヴィン・ハント以来36年ぶり、通算4人目。

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 7巡45位 DEデイヴ・トルフソン Dave Tollefson
NW Missouri State Senior 6-4 (193cm) 255lb(116kg) 40yds/4.72秒 1981年5月19日生

経歴 : カリフォルニア州コンコード出身。高校ではLBとして活躍し、市のオールスターなどに選ばれる。しかし学業成績が足りず、1999年に短大に進んで2年間LBとしてプレー。そこで有力校へ移るのが一般的なパターンだが、彼は肩をひどく痛めてしまった。奨学金なしでいったんフレズノ州立大に入るが、練習中に再び肩を痛めて二度目の手術。そこでフットボールを諦め、大工修行を1年以上した。

しかし短大時代のチームメイトに強く誘われて、ディビジョンIIのノースウェスト・ミズーリ州立大でフットボールのキャリアを再開することを決意。体が小さくなってしまっていたので、専門のトレーナーに3ヶ月$600ドルを支払って体作りをした。奨学金なしで入学した1年目は足の骨折で全くプレーできなかったが、2年目の2004年からようやく奨学金を得た。

2004年は8.5サックでカンファレンスの2ndチームに選ばれ、2005年は12.5サックの大活躍でカンファレンス1stチームやディフェンスMVP、オールアメリカンにも選出された。2年間で106タックル、21サック。オールスター戦のひとつ、フラ・ボウルにも出場した。

Strengths : 十分なサイズとかなりのスピード、アジリティがある。3コーンドリル6.95秒は全DE中でもトップクラス。優れたパスラッシャー。ボディバランスがよく重心が低く、崩されることが少ない。プレーの読みがよい。ハードワーカーで、ホイッスルが鳴るまで頑張り続けるタイプ。

Weakness : 軽量でランディフェンダーとしては弱い。うまくブロッカーを振り切ることができないことも多い。ディビジョンIIではトップクラスのOTを相手にしてきていない。何度も大きなケガをしていることも不安要素。

メンタル面 : ワンダーリックテスト31点はかなり優秀。非常なハードワーカーで精神面はしっかりしている。母親は高校で障害者クラスを受け持っているが、彼はその生徒たちを試合に招待したり、里帰りしたときにはかならずクラスに顔を出して1日過ごすのだという。

指名の経緯 : ディビジョンIIだけにほとんど知られていなかったが、オールスターゲームの "フラ・ボウル" に一部校の選手に混じって招待され、全米中継された2月1日の試合では両軍最多の6タックルを挙げる活躍を見せた。

どうせドラフト外だろうと覚悟していた本人はドラフト当日にオオクチバスのフィッシング大会に出場していて、そこでパッカーズからの指名を知った。釣りを終えて検量に向かうところでトンプソンGMからの電話を受けたが、そばにいた親友(カリフォルニア大のコーチ)はなかなか信じず、知り合いに電話してようやく納得したのだという。

パッカーズにとって : 1巡でDE指名の噂もあったが、DEマリオ・ウィリアムズが1位で指名されたため、その可能性も消えた。パッカーズ守備のの弱点のひとつは、パスラッシュスペシャリストがDEバジャ=ビアミラしかいないということだったが、7巡になってようやく1人指名。FAでもDEを補強しておらず、ルーキーを含めた若手の中から台頭するのを待つようだ。

今年のDL陣はデプスだけは十分あり、トルフソンが開幕ロースター入りするのは容易ではない。DEバジャ=ビアミラがそうだったように、1年目はプラクティス・スクワッドで鍛えることになるかもしれない。

なぜ刑務所 : フラ・ボウルでの活躍などでようやく注目されるようになったが、なぜか各球団のスカウトたちには、彼の3年間のブランクは「刑務所にいたからだ」という俗説が広まってしまっていた。「特にニューイングランドは完全にそう信じていたよね。『本当に刑務所にいなかったのか?』って何度も聞かれたもん」

ノースウェスト・ミズーリ州立大 : 同大からドラフト指名されるのは史上4人目、パッカーズはもちろん初めて。2003年にはOTセス・ワンドがテキサンズに3巡指名され、今年は先発左タックルとなるようだ。

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updated : 2006/07/03