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2006年3月31日

ウェストコーストオフェンスの基本へ回帰

昨季はタガの外れたようなプレーを繰り返して29INTを積み上げたQBブレット・ファーヴについて、ウェストコーストオフェンスの基本に戻すべきだとの考えをマイク・マッカーシーHCが語っている。インタビューの中で彼は"base concepts"という言葉を繰り返し使っているが、「最もウェストコーストの基本形に近い」と言われるショートパス中心のホルムグレンHC時代を指しているものと思われる。時にヴァーティカルになりすぎたシャーマンHC時代の反省に基づいたものだ。

「以前のような、よりベース・コンセプトに近いオフェンスに我々は戻すつもりだ。私が心から信頼しているものだ。ブレットはおそらくリーグ中の誰よりもベース・コンセプトでのプレー経験が豊富だ。ブレット・ファーヴのような選手を手に入れたなら、相手ディフェンスの裏をかこうとするよりも、その豊富な経験を活かし存分に力を発揮できるようにしてやるべきだ。もちろん相手ディフェンスを攻めるにはいろいろなバリエーションがなければならない。しかし、彼が数え切れないほど繰り返してきた基本的な形に戻ることが大事だと私は考えている。落ち着いてプレーできるのはそういう時なのだ」

マッカーシーHCは前任のシャーマンHCのオフェンスを直接批判はしなかったものの、ランニングゲームを重視し、バックスへのパスを多くし、大型WRにスラントや浅めのクロッシング・パターンを走らせるのがファーヴの才能には最もフィットしていると語っている。

「私が知っているのは1999年のパッカーズオフェンスで、シャーマン・ルイスOCの元でのものだ。マイク・ホルムグレンがシアトルに去った直後だが、(シャーマン・ルイスは)それをそのまま引き継いでいた。過去2年間のグリーンベイのフィルムを見ても、あの頃のようなオフェンスはあまり見られないだろう。彼ら(マイク・シャーマンたち)はいわば別の道を進んでしまっていたし、我々は99年のようなオフェンスそしてベース・コンセプトに、道を戻るつもりでいる」

昨年の29インターセプトについて、どこまでがファーヴの責任でどこまでがコーチ陣の責任かは述べなかったが、今年は決してそのようなことにはならないとマッカーシーHCは語っている。「言うまでもなく29INTというのは天文学的な数字だ。フットボールチーム全体として、これは改善していかなければならない」

昨年のマイク・シャーマンHCはファーヴを精神的にリフレッシュさせるため、初めて彼を特別扱いにしてミニキャンプ参加を免除した。しかし特別扱いすることによるチーム全体への悪影響や、シーズンでのパフォーマンス低下につながったと見る人もいる。現役続行した場合にファーヴをミニキャンプに参加させるかどうか聞かれたマッカーシーHCは、「選手がオフシーズン(のミニキャンプ)を全て欠席するのは好きではないね」と語っている。

オーナー会議(じっさいはオーナーだけでなくほとんどのHCやGMが集まり、さまざまな会議がある)開催中のフロリダ州レイクブエナビスタに滞在しているマッカーシーHC。"NFC coaches breakfast"の部屋に入ったとたん、記者たちからファーヴ問題やウォーカー問題で質問攻めに逢い、食事に手がつけられたのは開始から30分後のことだった。

ファーヴの引退問題ついてマッカーシーHCは、ロースターボーナスの発生する4月1日(土)までに決定を知りたいと明言はしたものの、その期限は人為的なもの(話し合いでいくらでも変えられる)でただの目安に過ぎず、本当のデッドラインではないとも語っている。

2006年3月30日

プレシーズンの対戦相手決まる

プレシーズンゲームの対戦相手と大まかな日程がパッカーズから発表された。第1週にチャージャーズと対戦するのは2年連続、最終戦をタイタンズと行うのはなんと5年連続となっている。第3週のベンガルズ戦はESPNで全米中継され、その試合だけ詳しい試合日程が決まっている。

Packers 2006 Preseason Game Schedule
Date   Opponent   Time 米TV
8/10 - 14 @ San Diego Chargers 未定 state
8/17 - 21   Atlanta Falcons 未定 state
8/28 @ Cincinnati Bengals 7:00 p.m. ESPN
8/31 - 9/1   Tennessee Titans 未定 state

FA Notebook: ブロンコスからトレード打診か

2006年3月29日

Notebook: 補償ドラフトピックは5巡と7巡

2006年3月28日

WRボーリクターが契約に合意

チーフスのWRマーク・ボーリクターがパッカーズとの1年契約(金額は不明)に合意した。身長6-3(190cm)、体重220ポンド(100kg)の大型レシーバーだ。ウォーカー(トレード要求)とマーフィ(首のケガで引退の危機)が使えなくても、ある程度実績のあるWRがこれで4人揃ったことになる。「彼と契約できてとても喜んでいる。先日の彼のワークアウトは非常によかった。大きくて走れるレシーバーだ。こういった選手はいくらいても多すぎることはない」とマッカーシーHC。

現在27歳のWRマーク・ボーリクターは、ヘイスティングス大(ネブラスカ州)というスモールカレッジからCFLカルガリに入団し、2年で合計2,023yds、19TDの活躍を見せた。2002年にチーフスと契約(パッカーズも興味を示した)、WR不足のチーム事情もあり、先発2試合を含む全試合に出場して420ydsを記録した。しかし2年目にはWR/KRダンテ・ホールが台頭するなど出場機会が大幅に減り、11回158ydsに終わった。2004年にはプレシーズンゲームで前十字副靭帯(ACL)断裂の大ケガを負って全休。昨年も完全復活できず、わずか8回119ydsに留まっている。

「ACL断裂から完全復活するには2年かかる」という一般的なパターンからすれば、今年が完全復活の年。サイズがあるだけでなく、ドラフト前のワークアウトでは40yds走4.47秒と十分なスピードがある。しかし白人WRだけに、トップスピードのわりには加速やクイックネスがやや物足りない。マッカーシーHCが何度も語っている「大きいレシーバーを」という希望にはぴったりあてはまる。今年はアントニオ・チャットマンとアンドレ・サーマンが退団したため、6-0(183cm)未満のWRが1人もいなくなっている。

なおスペルは"Boerigter"だが、彼の略歴ページでは"pronounced BO-ric-ter"となっているので、濁らずに「ボーリクター」と表記することにする。

2006年3月27日

RBダヴェンポートが再契約に合意

FAとなっていたRBナジェ・ダヴェンポートがパッカーズとの1年契約に合意した。同じく1年契約を結んだRBグリーン、昨季後半に大活躍したRBガドーを加えると、先発で実績のあるRBが3人揃うことになる。今年のパッカーズは彼を引き留める気があまりないのでは、と見られていたが、グリーンが大ケガから完全復活できないリスクを考慮したのかもしれない。

ガドーの台頭もあって、ダヴェンポートはグリーンベイよりも新天地での先発のチャンスを求めると見られており、先週にはドルフィンズやレイダーズを訪問した彼が再契約を選んだのはやや意外だ。1年契約で今年頑張って復活をアピールし、来年あらためてFAになろうという意図なのかもしれない。代理人のドリュー・ローゼンハウスは、「数チームが興味を示してくれたが、ナジェはグリーンベイでプレーすることを本当に楽しんでいるし、それを続けたかったのだ。こういうことになって彼はとても喜んでいる」

現在27歳のRBナジェ・ダヴェンポートは、マイアミ大から2002年のドラフト4巡指名でFBとして入団。しかしRBとして高い能力を見せ(大学でも大ケガするまではRBだった)、1年目から2番手RBの座を確保した。250ポンド級のサイズを活かした縦への破壊力で、2003年、2004年と連続して1回平均5ydsを超える素晴らしい成績を残している。

ケガの多いのが難点で、入団前の足の骨折、眼窩骨折、ハムストリング、そして昨年は足首骨折で、全試合出場したシーズンが一度もない。毎年オーバーウェイトでキャンプに現れるように、RBグリーンやFBヘンダーソンと比べ自己管理能力にも問題がある。昨年10月、足首にピンを2本埋め込む手術を受けたため、現在まだリハビリ途上だが、7月のトレーニングキャンプ開始には十分間に合うものと見られている。

FA Notebook: LBを計4人補強予定か

2006年3月26日

LBベン・テイラーと契約

先日からオファーを検討していたLBベン・テイラー(CLE)が、パッカーズとの1年契約に合意した。Journal Sentinel紙によると、おそらく$1ミリオン以下とのこと。ブラウンズと再契約しなかったことについて代理人は、「ベンはオハイオ出身でありブラウンズには大きな敬意と感謝の念を抱いているが、決め手になったのはグリーンベイでの(先発の)チャンスだ」と説明している。

現在27歳のベン・テイラーは、身長6-2(188cm)、体重240ポンド(109kg)。ヴァージニア工科大から2002年のドラフト4巡指名でブラウンズに入団したが、ハムストリング、背中、ヒジ、胸筋とケガが多く、プロ4年間で25試合に欠場している。2年目にウィークサイドLBとしてスターターとなったが、3年目には胸筋断裂で3試合しか出場できず。4年目の2005年には3-4隊形のウィークサイド・インサイドLBとして初めて全試合に先発出場し、チーム2位の113タックルを記録した。

直線スピードは(かなり)ない方だが、クイックネスやアジリティは十分。嗅覚に優れ、プレーの読み、判断がよい。タフなラン守備と比べるとパスカバレッジには難があり、またビッグプレーも少ない。Journal Sentinel紙はあるチームのスカウトの話として、「3-4には向いていなかったから、パッカーズの4-3の方がいいだろう」という言葉を紹介している。

「彼はフットボール・ガイだ」とトンプソンGMが評しているのは、身体能力よりフットボールのセンスが良いことを指したもの。昨年までのディッグスと比べてアップグレードになるかというと微妙なところだが、現在のスキームに合った選手(明らかにディッグスはそう評価されなかった)という評価なのかもしれない。もしいまシーズンが始まるとしたらテイラーはストロングサイドで先発することになるが、パッカーズ首脳はLBラオノール・スミス(MIN)に強い興味を示しており、またドラフト上位指名も予想されるため、来季のスターターが決まっているのはニック・バーネットだけだ。

Kビリー・カンディフと契約

ビリー・カンディフ(DAL)がパッカーズと契約した。詳細は不明だが、おそらくベテラン最低額クラスの1年契約と思われる。通算のFG成功率は73.2%、40ydsから49ydsの通算成功率が60%で、ロングウェルと比べると明らかに1ランクか2ランク下の成績となっている。これで補強が終わりということはなく、もう1人か2人は増やしてキャンプで競争させることになりそうだ。

ドレーク大から2002年のドラフト外でカウボーイズに入団したカンディフは、1年目からスターターとなり、2004年まで正キッカーを務めた。昨年のキャンプでヒップを痛めて開幕前に解雇されたものの、彼に代わったキッカーたちが不振で、11月半ばにダラスに呼び戻された。しかし15週、16週と連続して40yds以内を失敗すると再び解雇。オフに入ってバッカニアーズと契約したが、チームはKマット・ブライアントとの再契約に成功したため、つい先日に解雇されていた。

2006年3月25日

Cフラナガンはテキサンズへ

先発センターのマイク・フラナガン(32歳)がテキサンズとの契約に合意、グリーンベイを離れることになった。Journal Sentinel紙によると、契約ボーナス$3ミリオンを含む総額$9ミリオンの3年契約で、再契約を望んで交渉を続けていたパッカーズとは金額にかなりの開きがあったようだ。テキサンズにはマイク・シャーマン前HCがアシスタントHCとして入団しており、またシャーマンは1年だけ在籍したUCLAでOLコーチとして彼を指導したこともある。

UCLAから1996年のドラフト3巡指名で入団したフラナガンは、1年目のプレシーズンゲームで右脚(すね)の骨を2本とも骨折、筋肉や神経にも損傷を負い、2年間は全く出場できなかった。3年目にはいったんパンサーズへのトレードが決まるが、フィジカルチェックに合格せずトレードは取り消しに。この年の途中から2番手センターとなった彼は、プロ6年目の2001年にようやくウィンタースを退けてスターターの座をつかんだ。クイックネスを活かした安定したプレーぶりでOL陣のリーダーとなり、2003年シーズンには補欠からの繰上げでプロボウル出場も果たしている。

しかしこのところはケガが多く、将来への不安を感じたパッカーズが高額オファーを控えることになった。2004年はヒザの手術で3試合しか出場できず、スポーツヘルニアに苦しんだ昨年は、無理して14試合に出場したものの本来の力は発揮できていなかった。

5年にわたって先発センターを務めてきたフラナガンが抜け、C/Gルーガマーとの再契約も今のところなさそう。今後FA選手を獲得するかどうかは分からないが、現在のロースター上では、先発経験もある3年目のスコット・ウェルズが最有力。昨年のドラフト外のクリス・ホワイト、5巡指名のジュニアス・コストンが追う形だが、ウェルズとは経験の面で大きな差がある。

FA Notebook: LBラオノール・スミスが訪問

2006年3月24日

ワークアウトプログラム始まる

この月曜日からパッカーズのオフシーズン・ワークアウト・プログラムが始まり、自由参加ではあるものの、今年はほとんどの選手が参加している。コーチ陣の顔ぶれが一新したため顔合わせの意味もあり、できる限り参加するよう首脳陣が呼びかけを行っていた。ファーヴを除くと欠席者はWRジャヴォン・ウォーカーとSマーク・ローマンの2人だけ。ウォーカーはトレード要求をしているためだが、ローマンは先日Sマーカンド・マニュエルを獲得したことへの不満が原因と見られている。

「こんなにたくさんの選手が参加したのは見たことがないよ。チームの歴史を振り返っても、たぶん記録的な数字だろう」とDEキャンプマン。FBヘンダーソンも、「かつては40人以上が(オフシーズンも)グリーンベイ周辺に住み、一緒にワークアウトしたり遊んだり、大いに楽しんだ。その頃のことを思い出すね。すごくいい兆候だ」と語っている。RTタウシャーは、「去年の出席率は、(今年のような)91%でなかったのは確かだ。コーチたちは選手がオフの間もここに住むよう、全員に強く勧めていたからね」

プログラムの中核となるウェイトルームだが、マッカーシーHCのたっての希望により、すでに$20万ドルをかけて改造がなされている。マシン主体からフリーウェイト(ダンベルやバーベル等)主体へと変えたいというのが就任時からのマッカーシーHCの方針であり、そのためにトレーニングコーチも交代させた。「これはマイク(マッカーシーHC)の希望であり、ロック(ガリクソン・トレーニングコーチ)がその求めに応じたものだ。前任のバリー・ルービンは、(マシン重視で)全く違ったやり方をしていた。コーチを交代させたのもそのためだ」とボブ・ハーラン社長は語っている。

ファーヴ報道を関係者が否定

「現役続行の意思をブレット・ファーヴが球団側に伝えた」との一部報道について、水曜日は全米メディアも地元メディアも確認におおわらわとなった。しかしファーヴの代理人バス・クックは、「まだ本人は気持ちを決めてはいない」と否定。トンプソンGMはクスリと笑って、「インターネット・リポートに対してはコメントしない。ウェブサイトで報道されたことを認めるのも否定するのも、我々の方針ではない。そんなことをしていたらそれだけで日が暮れてしまう」」と語っている。

何度も報道されてきた$3ミリオンのロースターボーナスについて。もともとの期日は3月7日だったが、FA期間開始が8日遅れたのにともなって自動的に3月15日に。そこからは代理人とパッカーズ側の話し合いで、まず3月22日に変更し、さらにもう一度繰り下げて現在は4月の第1週が期日となっている。契約内容では、その期日にロースターボーナス支払いを拒否した場合はファーヴはフリーエージェントとなる。支払うことにしてファーヴをロースターに残した場合でも実際の支払期日はずっと先であり、それまでにファーヴが引退してしまえば、受け取る権利を失う。

今年も100%天然芝

今年もランボーフィールドは、伝統的なケンタッキー・ブルーグラスを使い天然芝100%で行く、とボブ・ハーラン社長が明言した。天然芝を人工繊維で補強する仕組みの "DD GrassMaster" はすでにスティーラーズ、ブロンコス、イーグルスの各スタジアムで正式採用されている。パッカーズでも練習用のクラーク・ヒンクル・フィールドに昨年導入されて非常に評判がよく、ランボーフィールドでの採用を希望する声も選手やコーチの中にはあった。「テッド(トンプソンGM)がそれを勧めたことはなく、彼がそうである以上、チームとしてはこれまでの芝で続けていく」とハーラン社長。

FA Notebook: QBトム・アースと契約

2006年3月23日

ファーヴが現役続行を決断との噂

ブレット・ファーヴが現役続行の意思を球団側に伝えた、とProFootballTalk.comが伝えている。基本的には噂ばなし主体の毒舌サイトなのでアテにならないとはいえ、根も葉もないような噂は意外と少なく独自のニュースソースもあり、大きなニュースの第一報を流すことも珍しくない。

Kヴィナティエリはコルツへ

ペイトリオッツとパッカーズの争いと見られていたKアダム・ヴィナティエリは、突如浮上してきたコルツとの契約にあっさり合意。ヴィナティエリはこの週末に代理人を交代させたようだ。コルツとの契約はパッカーズより高額と見られているが、インドアでプレーできることも大きかった。ロングウェルもヴァイキングスとの契約時に述べたことだが、「ヴィナティエリもインドアで蹴れることを考慮したのだろう」とマッカーシーHCは語っている。

ロングウェルを失って以来、ヴィナティエリ獲得に注力していたパッカーズが、これからどう動くのか。現在FA市場に残っている実績あるキッカーというと、マイク・ヴァンダージャット(IND)とポール・エディンジャー(MIN)あたり。RFAとなっているジョシュ・ブラウン(SEA)もよいが、シーホークスはマッチしてきそう。他チームからNFLヨーロッパに派遣されているキッカーの中でよさそうなのがいれば(派遣元チームにしっかりしたキッカーがいればいずれ放出されるので)獲得に乗り出す手もあるが、そうなると開幕直前まで正キッカーが定まらない可能性も十分ある。

RBグリーンへの起訴取り下げ

昨年4月に起こした家庭内暴力事件(記事1記事2)について、RBアーマン・グリーンは8月にいったん合意した司法取引を先月になって破棄し、法廷で争うことになっていたが、このたび地元検察当局は起訴を取り下げ、グリーンは罪に問われないことが決まった。もともとグリーンは直接の暴力を振るってはいなかったため軽犯罪(misdemeanor)でしかなく、厳しい刑罰の可能性はなかったが。

起訴取り下げの理由についてブラウン郡の地方検事は、証言(被害者のグリーン夫人か?)が変わったことや身体的証拠がないことを挙げ、「無罪判決の可能性が極めて高く、取り下げることが我々の倫理的な義務だと感じたからだ」と述べている。

なお、事件直後に離婚手続きを取ったグリーンだが、今は夫人と和解して子供と3人での暮らしを再開している。

FA Notebook: LBレノンはライオンズへ

2006年3月22日

QBノール: 「ファーヴとは関係ない」

QBクレイグ・ノールが移籍を決めたことはファーヴが現役続行する証拠ではないかという見方に対し、何の関係もない、とノールは強調している。「深読みしないでほしい。昨季終了時に言ったように、もともと僕は(出場機会を求めて)あらゆる可能性を検討するつもりだった。だって僕は(ファーヴの決断について)何も知らないんだ。今朝もブレットと話をしたし、シーズン終了から4、5回は話をしたけれど、彼自身どうしたいのか分かってないんだから」 

Wisconsin State Journal紙のインタビューに対してQBノールは、「ブレットに、『今年もプレーするとただ発表すればいいだけじゃないか。プレーしたいことは僕には分かってる』と僕は冗談で言ったんだ。彼は『そんなに簡単なことならいいんだがな』と言っていた。だから、僕がバッファローと契約したことは、ブレットがどうするつもりかを示しているのではない。僕だって分からないんだ」と語っている。いっぽうラジオ局WSSP-AMのインタビューで彼は、「僕が推測できるのは、彼が長く待てば待つほど、現役の方に気持ちが傾くだろうということだね。僕の個人的な意見にすぎないけど」とも語っている。

ノールに対してはパッカーズも再契約の意思があり、ヴァイキングスも1年契約をオファーしていたが、ビルズは$1.3ミリオンの契約ボーナスを含む総額$4.25ミリオンの3年契約をオファーして競り勝った。また、ビルズのGMやヘッドコーチは、J.P.ロスマンとケリー・ホルコムとノールの3人で先発争いはワイドオープンだ、と言ってくれたとのこと。金額も先発のチャンスも、ずっと3番手だったノールにとっては信じられないような厚遇と言っていいだろう。

DTライアン・ピケットの契約詳細

先日獲得したDTライアン・ピケットの契約は、総額$14ミリオンの4年契約と判明した。契約ボーナスはわずか$2ミリオンで、ベースサラリーは1年目から順に$1.475ミリオン、$1.475ミリオン、$2.475ミリオン、$2.975ミリオン。今年のロースターボーナスが$3ミリオンあり、2007年にも$50万ドルのロースターボーナス。また毎年ワークアウトボーナスが$25,000ずつ付いている。

契約ボーナスはわずか$2ミリオンだがロースターボーナスを含めると実質の契約ボーナスは$5ミリオンで、やはり今年のキャップの余裕を活かす内容となっている。キャップヒット額を計算すると、今年が$5ミリオン、以後$2.5ミリオン、$3ミリオン、$3.5ミリオン。契約ボーナスが少ないため、たとえ2年で解雇しても"Dead Money"は$1ミリオンと、長期契約のリスクは小さい。

FA Notebook: WRボーリクターが訪問

2006年3月21日

FA Notebook: QBノールはビルズへ

2006年3月20日

Mock Draft集 ver.1

毎年恒例モックドラフト集の第1回。古いモックドラフトでは最近のFA補強を考慮に入れていないので注意は必要。たとえばSports Illustratedの予想がオレゴン大のDTハロティ・ナータになっているのは、パッカーズがDTライアン・ピケットを獲得する直前だったためだろう。

Mock Draft
メディア / 担当者 rd Player Pos. College
ESPN / Todd McShay (Scouts Inc.) 1巡 A.J. Hawk OLB Ohio State
ESPN / Mel Kiper 1巡 Mario Williams DE N.C. State
SportingNews / The War Room   1巡 Jimmy Williams CB Virginia Tech
SportingNews / The War Room 2巡 Ernie Sims OLB Florida State
Sports Illustrated / Don Banks 1巡 Haloti Ngata DT Oregon
MSNBC / Ron Borges 1巡 D'Brickashaw Ferguson OT Virginia
Ourlads 1巡 Mario Williams DE N.C. State
FOX Sports / Sports Xchange 1巡 Mario Williams DE N.C. State
Yahoo! Sports / Charles Robinson 1巡 A.J. Hawk OLB Ohio State
NFL Draft Countdown 1巡 A.J. Hawk OLB Ohio State
NFL Draft Countdown 2巡 Darnell Bing S USC

2006年3月19日

FA Notebook: Kヴィナティエリが訪問

2006年3月18日

FBウィリアム・ヘンダーソンが再契約に合意

先日はヴァイキングスを訪問したFBウィリアム・ヘンダーソンが、パッカーズとの再契約に合意した。詳細は不明だが2年契約と見られている。先月35歳になったヘンダーソンはファーヴに次ぐ古参選手。全盛期のようなランブロックでの破壊力はなくなったものの、パスプレーでの能力はむしろ向上しており、リーダーシップ面や若手のお手本という点でも彼の貢献度は大きい。

代理人は、「ヴァイキングスのオファーはとても良いものだったが、パッカーズの方がわずかに上だった。(パッカーズ交渉担当の)アンドリュー・ブラントは頑張って契約にこぎつけてくれた。それは、彼らがウィリアムを手放したくなかったからだ。もともとウィリアムは残留を望んでいたが、ちゃんと契約ボーナスのついた複数年契約というのが重要だった」と語っている。

ヘンダーソンはノースカロライナ大から1995年のドラフト3巡(QBブルネルのトレードで得た指名権の1つ)でパッカーズに入団。2年目からスターターに定着して優勝にも貢献し、キャリア11年間で欠場わずか2試合という鉄人ぶりを発揮してきた。ブロッキングFBの地味さのために知名度は低かったが、2004年シーズンにはプロ10年目にして念願のプロボウル出場、オールプロ選出と大きな栄誉も手にした。極めて自己管理能力の高い真のプロフェッショナルで、オフシーズンも体作りを怠らず、若手の追い上げを退け続けている。

OTケヴィン・バリーの契約詳細

Journal Sentinel紙によると、昨日OTケヴィン・バリーがサインした契約内容は、総額$2.785ミリオンの2年契約。ベースサラリーは今年が$625,000ドル、来年が$910,000ドル。契約ボーナスが$60万ドルでロースターボーナスも$60万ドルであり、実質の契約ボーナスは$1.2ミリオン。DEキャンプマンやSマニュエルと同様、今年のキャップの余裕を活かす内容で、今年のキャップヒットが1.55ミリオン、来年が$1.235ミリオンとトップヘビーになっている。

総額$2.785ミリオンは控えOLにしてはなかなかの金額で、昨年のOGエイドリアン・クレムの2年契約よりも少し上。先発争いをさせるという首脳陣のコメントがでまかせでないことを示しており、本人が大喜びでサインしたのもうなずける内容だ。

RBアーマン・グリーンの契約詳細

先日のRBアーマン・グリーンの契約内容をリポートし忘れていたので、ここで紹介。Journal Sentinel紙によると、契約ボーナス$50万ドルを含む総額$2ミリオンの1年契約で、ベースサラリーは$1.35ミリオン、ロースターボーナスが$15万ドル。それに加え、大ケガからの復帰途上とあってインセンティブ(出来高払い)が最大で$2.75ミリオンも設定されている。

インセンティブの内容は、750ydsラッシングで$25万ドル、950ydsでさらに$50万ドル。以後同じように1150yds、1350yds、1550ydsで50万ドルずつ増えていく仕組み。また試合数に応じたインセンティブも設定されており、1試合ロースターにいると$31,250ドルが支給され、全16試合でちょうど$50万ドルとなる計算。つまり、全試合でロースターにいて1550ydsラッシングを記録するとインセンティブの合計が$2.75ミリオンとなり、もともとの$2ミリオンと合わせて$4.75ミリオン。

契約ボーナスがわずか50万ドルのため、パッカーズ側としては非常にリスクが低い、ありがたい契約内容となっている。もしキャンプでの動きが不満ならば、解雇しても$50万ドルしか"Dead Money"が残らないからだ(ロースターボーナスが支払済みであれば$60万ドル)。また、もしエースとして復活できればこのくらいの金額は全く痛くないし、シーズン中に契約延長交渉も可能だ。

FA Notebook: ファーヴへのボーナスはまだ先

2006年3月17日

WRロッド・ガードナーが再契約に合意

昨季終盤に入団したWRロッド・ガードナーがパッカーズとの1年契約に合意。代理人によるとベテラン最低額よりはずっと上とのこと。エースWRのウォーカーがトレードを要求、2年目のWRマーフィも首のケガで先行き不透明のため、先発経験豊富なレシーバーを確保できてまずは一安心だ。ガードナーはクレムソン大から2001年の1巡15位指名でレッドスキンズ入り、2年目には1000ydsを記録したが伸び悩み、昨年はパンサーズにトレードされたもののシーズン中に解雇されていた。

OTケヴィン・バリーが再契約

控え右タックルのケヴィン・バリーが、パッカーズとの再契約にサインした。契約内容は不明だが、複数年契約と見られている。彼にはライオンズとカーディナルスから声がかかっており、特にデトロイトには元パッカーズのラリー・ベクトルOLコーチがいただけに、早々と再契約を決めたのは少し意外。パッカーズ側は複数年契約を提示しただけでなく、先発を争うチャンスを与えられること、それにもちろん故郷ウィスコンシンのチームであることも大きかったのだろう。

先発争いとはいっても右タックルのマーク・タウシャーを押しのけるのは容易ではないため、可能性のあるのはやはり(大学時代に経験のある)右ガードのようだ。シャーマン政権下では右ガードや左タックルもテストされた結果、「右タックルしか無理」と判断されていたが、新コーチ陣の導入するゾーンブロッキング・スキームでどうなるか。

ジャゴジンスキー新OCは、「パワフルさは十分ある。いま330ポンドぐらいだと思うので、スリムになる必要があるね。減量は早く始めた方がいいと彼には言っておいたよ。キャンプが始まってからでは余計大変になるから。問題は体重ではなく体脂肪率だ。20%以下が望ましい。重くなるほど、ケガも治りにくくなる」と語っている。バリーの背番号をとって通称"U-71"パッケージと呼ばれてきたエクストラTEとしての起用は今後もあるのかと聞かれると、「彼がパスキャッチできない限りは、ないね」とはっきり否定している。

FBヘンダーソンがミネソタ訪問、そして乗り気

ウェストコーストオフェンス向きの人材を狙うヴァイキングスが、今度はFBウィリアム・ヘンダーソンを招いて契約交渉を進めている。本人は、パッカーズを含め他チームの動きも見てから決めたいとしているものの、「現時点では、僕の気持ちはパープル&ゴールドに集中している」と非常に乗り気な様子。先週末の本人やパッカーズ首脳の口ぶりからして、Kロングウェルのようにあっさり移籍を決めることはせず、対するパッカーズ側のオファーを待ってから決断することになりそうだ。

FA Notebook: DTピーターソンと再契約

2006年3月16日

DTライアン・ピケットが契約に合意

ラムズのDTライアン・ピケットがパッカーズとの契約に合意したとESPNが伝えている。金額も契約年数も不明なので、詳細は後日。すでにラムズからオファーをされていたピケットは、グリーンベイを訪問して2泊したあとバッファローも訪問して2泊しており、三者によるちょっとした獲得競争となっていた。彼のバッファロー滞在中もパッカーズは連絡を取り続け、最後にはさらに金額を上げてようやく合意にこぎつけたようだ。

現在26歳のDTライアン・ピケットは、身長6-2(188cm)、体重310ポンド(141kg)。オハイオ州立大から2001年のドラフト1巡29位でラムズに入団、2年目からスターターとなった。プロ入り2、3年は物足りなかったが、この2年ほどでかなりの成長を見せ、昨季がベストシーズン。身長は高くないが横幅が広く重心の低いノーズタックルで、ポイントオブアタックでダブルチームをがっちり受け止める。サイズのわりにフットワークは軽い。プレーの見極めも進歩し、うまくブロッカーを振り切ってタックルできるようになってきた。ペネトレートしてのパスラッシュはあまり得意ではないが、ブルラッシュでポケットごと押し込むタイプ。試合後半にバテやすく、精神的にタフではないためプレーぶりが不安定な面もあるが、ずいぶん成熟してきたとの声も。

過去3年間グリーンベイでプレーしたDTグレイディ・ジャクソンはすでに33歳、さらにヒザに爆弾をかかえているため、彼がFAとなる今年は代わりになるノーズタックルをパッカーズは探していた。ピケットの獲得とDEキャンプマンとの再契約によりDL陣の大きな穴は埋まったことになり、ドラフトでもより自由に動けそうだ。

FA Notebook: LGレジー・ウェルズが訪問

2006年3月15日

Sマーカンド・マニュエルと正式に契約

すでに合意していた、Sマーカンド・マニュエル(SEA)との総額$10ミリオンの5年契約が発表された(一昨日の記事参照)。Press-Gazette紙によると契約ボーナスはわずか$50万ドルで、今年のロースターボーナスが$1.5ミリオン、つまり実質の契約ボーナスは$2ミリオン。今年使い切れないほどあるキャップの空きを活用して、来年以降のキャップヒットを抑えるためだ。ベースサラリーは、今年が$1ミリオン、以後1.3、1.3、1.6、1.6、2.2ミリオンとなっている。

代理人は、スーパーボウルでマニュエルが負傷退場後にシーホークスの守備が崩れ、そのためにかえってマニュエルの評価が上がったことを指し、「彼に冗談で言ったんだよ。『君のこの1年のプレー内容と同じぐらい、スーパーボウルでのケガが稼ぎ出してくれたかもしれないぞ』ってね」

トンプソンGMがFAを語る

もともとドラフト重視の方針で知られるだけに、FAに熱心でないのでは?という疑問に対し、決してそんなことはないとテッド・トンプソンGMは強調する。「これはファンタジー・フットボールではないのだ。FA市場に乗り出すとき、特定の選手にのめり込んでしまうあまり、本当に獲得に値する選手か、十分な情報を集めずに行ってしまうことがよくある。多くのチームが誤りを犯すのはそういうときだと私は思う。自チームの選手のようにはその選手のことを知らないからだ」

「チームの助けになる人事だと思えば、そのために全力を尽くす。我々は全ての選手を詳しく調べている。ある選手を他チームがエリート級と評価して契約し、我々がそうは評価しなかったからといって、我々が正しいわけでも間違っているわけでもない。我々はそのように取り組んでいる」

Kロングウェル流出の穴を埋める方策について「常に選択肢はある」とトンプソンGMは語り、(ヴィナティエリをはじめとする)高額FAの獲得も否定はしなかった。「キッカーは極めて重要だ。ロースターに1人もいないとなれば最重要と言えるだろう。私のFAに対する姿勢を知っている、と多くの人が勝手に思っている。しかし本当は、FAは非常に有効な手段だと私は思っている。毎日誰かと契約しないからといって、我々が必死でやっていないということではない。我々なりのプロセスを踏んでやっているのだ」

FA Notebook: DEキャンプマンの契約詳細

新労使協定での変更点

先日妥結した新労使協定で変わったのはどこなのか、ESPNのジョン・クレイトンが詳しくまとめている(記事へ)。主な部分だけまとめると、

  1. ルーキーから10年以上の選手まで全選手の最低保証年俸が$4万ドルずつアップ。
  2. NFL5年目以上の選手でも「最低年俸プラス$25000ドルのボーナス」であれば4年目選手の最低額分しかキャップにカウントせずにすむベテラン優遇策だったが、新協定では3年目選手の最低額(今年は$425,000)しかカウントせずにすむことになり、その場合のボーナスも$4万ドルまで認められることになった。
  3. ドラフト指名ルーキーの契約年数に制限が設けられ、ドラフト1巡の16位までは6年、17位から32位が5年、2巡以下は4年契約までしかできないことに。
  4. 高額選手は6月1日まで待ってから解雇し、キャップヒットを2年に分けることが多いが、新労使協定では各球団が指名した2人の選手に限り、3月前に解雇してもキャップヒットを2年に分けることが可能になった。有力ベテランの移籍先探しを容易にするための措置。
  5. ルーキー契約はプロ2年目が終わるまで変更できないことに。
  6. 旧協定のままであれば今年の場合、契約ボーナスのキャップ計上は4年分割のはずだったが、5年に分けて計上できることになり、ルーキー含め高額選手との契約作成が容易になった。来年は6年となる。

その他にもCBS SportsLineのクラーク・ジャッジ(記事へ)によると、

  1. 高卒後3年経たないとNFLドラフトにエントリーできない」というNFL側の規定を承認したモーリス・クラレット判決が、初めて労使協定にも明文化して盛り込まれた。
  2. 昨年のWRテレル・オーウェンスに対するイーグルスのような長期にわたる出場停止処分がはっきり禁止され、最長でも(サラリーなしの)4週間までとなった。
  3. ある選手を3回もフランチャイズ指名した場合、3回目には最高額ポジションのトップ5の平均額を支払わなければならない。つまり、キッカーを3年連続フランチャイズ指名してもQBのトップ5の額になる。フランチャイズ・プレーヤー制度の安易な利用を牽制する措置だろう。

2006年3月14日

元同僚たちも「引退するな ブレット」

かつてパッカーズの一員としてスーパーボウル制覇も経験したブレット・ファーヴの元同僚たちが、 "Packers Fan Fest" に招待された機会に、「ブレットはまだ引退すべきじゃない」と口々に語っている。

元DTサンタナ・ドットソン。「彼が釣りとハンティングとゴルフとフットボールを大好きなことは誰でも知っている。最初の3つは、死ぬまでにいくらでもできるさ。でもフットボールには、(ゴルフのような)シニア・ツアーはない。ヘルメットを置いたら、そこで本当に終わりなんだ。本当にそれでいいか、覚悟ができなければ。釣りやゴルフやハンティングはね、みんな信じないかもしれないが、毎日やり続けるなんてできないんだよ」

ファーヴの親友、元Cフランク・ウィンタースは、つい最近も何度か彼と話をし、アドバイスを求められたのだと言う。「『引退なんて、おまえバカじゃないか。給料小切手をもらいながら、できる間はフットボールを楽しめよ』とヤツに言ってやった。だって、まだ若いのに引退しちまうと、使い切れないほど時間ができてしまう。あれほどのレベルにある選手なんだからなおさらだよ。だから彼にはフィールドに戻ってきてほしいけど、まあ最終的に決めるのは彼自身だからね」

ウィンタースは続けて言う。「引退して懐かしく思うのは、毎日のロッカールームで、仲間たちと一緒に時間を過ごしたこと。それを失ったことが一番寂しいね。こんな商売は他にはないよ。仕事に来て、仲間と過ごし、笑う。 スーツを着て出勤する必要もない。スウェットに短パンにサンダルで、練習が始まるまで仲間とつるんでいればいい」

29INTなどキャリア最悪のシーズンだったファーヴについて、元エースWRアントニオ・フリーマン。「ブレットこそチームの中心だ。僕がいた頃からずっとそうだったし、今だって変わりはない。弁護させてもらうが、開幕週にWRジャヴォン・ウォーカーを失い、TEババ・フランクスが6週か8週欠場、3番手ロバート・ファーガソンが7週欠場、RBアーマン・グリーンにRBナジェ・ダヴェンポートまで失い、先発ガードが2人抜けた。クォーターバックにはキツすぎるよ」

FA Notebook: LBベン・テイラーに興味

2006年3月13日

Kロングウェルがヴァイキングスへ

9年間にわたってパッカーズの正キッカーを務めてきたKライアン・ロングウェルが、FA初日にミネソタを訪れてヴァイキングスとの契約にサインした。今オフのパッカーズは、DEキャンプマンの次にKロングウェルとの再契約を重視して交渉を続けてきたが期限内に妥結に至らず、FA期間を迎えることになってしまった。Star Tribune紙によると、契約ボーナス$3ミリオンを含む総額$10ミリオンの5年契約。契約ボーナスを$2ミリオンから$3ミリオンに増額したことが決め手になったらしい。

1997年にカリフォルニア大からドラフト外で入団したKライアン・ロングウェルは、同期のドラフト3巡指名、Kブレット・コンウェイを上回って1年目からスターターの座を獲得。NFLトップクラスのキッカーとして活躍を続けてきた。9シーズン全試合に出場し、通算FG成功226回(成功率81.6%)、通算1,054得点はどちらも球団記録だ。

Kロングウェルの流出により、パッカーズのロースターにはキッカーが1人もいないという事態になった。ペイトリオッツのKアダム・ヴィナティエリに興味を示しているとの噂もあるが、どの程度本気かはまだ不明だ。ロングウェルの要求額を出し渋ったトンプソンGMが、同じくトップクラスの額を求めるヴィナティエリを獲りに行くかどうかも疑問が残る。なおパッカーズの交渉担当アンドリュー・ブラント副社長は、パッカーズ入りする前にヴィナティエリの代理人をしていたことがある。

Sマーカンド・マニュエルが契約に合意

FA解禁前から「すでに合意」と報じられていたとおり、シーホークスのSマーカンド・マニュエルがパッカーズとの契約に合意した。日曜日にグリーンベイに到着してフィジカルチェックを受け、問題がなければ契約にサインの運びとなりそうだ。契約内容も既報どおり、契約ボーナス$2ミリオンを含む総額$10ミリオンの5年契約らしい。期待通りであれば、ローマンに代わって先発SS(パッカーズの場合FSが2人いるようなものだが)となる。

現在26歳のSマーカンド・マニュエルは、身長6-0(183cm)、体重209ポンド(95kg)。フロリダ大から2002年のドラフト6巡でベンガルズ入りし、ルーキーながら8試合に先発出場。その後はスペシャルチーマーに戻った。しかし3年目の2004年にはマーヴィン・ルイスHCから評価されずに解雇され、シーホークスと契約。移籍2年目の昨年はSケン・ハムリンのケガで第7週から先発に昇格し、十分な働きで穴を埋めた。NFC決勝ではインターセプトを決めて勝利に貢献したが、スーパーボウルでは第2Qにケガで退場、そのことがパス守備に大きな痛手となった。

素晴らしいスピードはないがクイックネスやアジリティがよく、位置取りがしっかりしている。ハイ・モーターで身体能力以上の仕事ができるタイプ。しっかりしたタックラーで、アングルがよく、ポイントオブアタックで強さを発揮する。そのため、これまでのFSよりSSが向いているとの声もある。プレーオフでの1回しかインターセプトはなく、ボールスキルには疑問が残る。昨季途中にチャンスをつかんだ、上り坂にある選手なのは間違いない。なお、フロリダ大では、現パッカーズのボブ・サンダースDCがコーチをしており、またトンプソンGMはシーホークス在籍時に彼を獲得した人事に関わっていた。

FA Notebook: DTピケットが訪問

2006年3月12日

DEアーロン・キャンプマンが長期契約に合意

FA解禁までわずか数時間に迫った金曜の夜、DEアーロン・キャンプマンがパッカーズとの長期契約に合意した。何年契約であるかも、金額がいくらであるかもまったく不明なので、詳細は後日。FA市場で人気になるはずのキャンプマンがサインする以上、契約ボーナスは$10ミリオン級であろうと見られている。

土曜日深夜0時01分から今年のFA期間がスタートした。RBグリーンとDEキャンプマンはFA前に再契約できたパッカーズだが、その次に優先していたKロングウェルとCフラナガンはフリーエージェントとなった。

ウォーカー問題でトンプソンGMが声明

ウォーカーのトレード要求に関し、テッド・トンプソンGMが短い声明を発表した。 「グリーンベイ・パッカーとしてのジャヴォン・ウォーカーは、チームの誰からも高く評価されてきた。私もまた、人間としても選手としても、ジャヴォンのことが好きだ。しかしながらジャヴォンは、自身が2002年のドラフト1巡指名選手としてサインした契約下にある。その契約は、NFLとNFL選手会によって話し合われた労使協定に則ったものであり、我々は彼がその契約を尊重してくれるものと期待する」

「これまでにもいくつか、こういったNFL選手の不満が広く報道されてきた。我々はこの件に関し、どんな譲歩もすることはないと思う。我々はこれまでの方針を堅持していくし、この件についてグリーンベイ・パッカーズがこれ以上のコメントをすることはない」 

Packers Fan Fest 始まる

第2回となるファン感謝イベント"Packer Fan Fest"がランボーフィールドで始まった。初日の金曜日は、ラジオ解説でおなじみラリー・マッカレン司会のテレビ生放送番組からスタート。元Sリロイ・バトラー、元QBドン・マコウスキー、FBウィリアム・ヘンダーソン、TEババ・フランクス、RBサムコン・ガドー、テッド・トンプソンGM、ボブ・ハーラン社長が顔を出し、マッカーシーHCを含む新コーチ陣のお披露目も行われた。(写真

昨年はこのイベントに合わせてQBファーヴが現役続行宣言をしたが、今年は引退問題の決定を遅らせているため、彼の参加がないのが少し寂しいところ。それでもこの3日間のイベントには、元QBバート・スターや元WRアントニオ・フリーマンをはじめ多数の選手・OBが参加することになっている(イベント概要)。今年はチケット(3日間通しで$75ドル)の販売方法を申し込み抽選制に変えたものの、やはり発売後すぐに売り切れている。

2006年3月11日

WRジャヴォン・ウォーカーがトレード要求!

ヒザの前十字副靭帯(ACL)断裂からリハビリ中のWRジャヴォン・ウォーカーが、トレードを強く求めていることがESPNのインタビューで明らかになった。ウォーカーはマッカーシー新HCに「他チームでプレーしたい」との意思を伝え、代理人もトンプソンGMに対して「トレードするか、トレード先を探させてくれ」と求めた。それに対し、水曜日にトンプソンGMが要求を拒否したとのこと。

「ここは自分にとってベストの場所ではないと感じているだけなんだ。グリーンベイ・パッカーズのユニフォームを着ることにも、再びグリーンベイでプレーすることにも興味はない」

昨年春、契約延長を求めて二度のミニキャンプをホールドアウトしたウォーカーは、結局チーム側の強硬な態度に屈して、7月末のトレーニングキャンプ初日からチームに合流した。そのホールドアウト中に泊まったウィスコンシン州内のホテルで、従業員がインターネットの掲示板に彼の滞在を暴露し、「ジャヴォン・ウォーカーに意見のある方」と呼びかけたエピソードをウォーカーは紹介。契約面でのフロントへの不信感だけでなく、ウィスコンシンでの暮らしが窮屈になったことを理由に挙げている。

昨年5月、ファーヴから公にホールドアウト中止を呼びかけられた(記事へ)ために、内外からの批判がさらに酷くなったとウォーカーは感じている。今回のインタビューでもファーヴを直接は非難しなかったものの、「選手には、暗黙のルールというものがある」と語り、弁護してくれるべきチームメイトの仕打ちを根に持っているようだ。

「あそこに戻らなきゃいけないなら、僕は引退するよ。プレーする必要はない。$85万ドル(今年計上される契約ボーナス分)を返してもいい。自分がプレーしたくないチームのために、何故またケガするリスクを押してプレーしなきゃならない? 馬鹿げてるよ」 「フットボールは愛している。でも、この1年に経験したようなリスクを冒すつもりはない。ACLを断裂して、痛み止めを飲まなきゃならなかった。フィールドに出てヒットを受けるのは、自分がプレーしたいチームのためにするつもりだ」

「マッカーシー新HCには、『あなたやあなたのスタッフを悪く言っているんじゃない。ただ、そこにいたくない選手が自分のチームにいるのはアンフェアでしょうから』と僕から話した。僕は派手な騒ぎを起こしたいわけじゃない。ただ、僕の心の平安をパッカーズに与えてほしいだけなんだ」

2006年3月10日

元LBクーンスがDirector Of Player Developmentに

かつてパッカーズで8年にわたって先発LBを務めたジョージ・クーンス(37歳)がチームに復帰し、 "Director Of Player Development"に就任することになった。新入団選手のアパート探しから、メディアとの付き合い方、金銭面、学業をどうやって続けるか、引退後の人生設計、子供たちの学校の世話に至るまで、選手たちの兄貴分として面倒を見るのが仕事だ。パッカーズはロッカールームのケミストリーのためこのポジションを非常に重視しており、トンプソンGMは先日からクーンスに的を絞ってオファーをしていた。

ジョージ・クーンスは1991年にドラフト外でファルコンズに入団したものの開幕前に解雇され、翌92年春はワールドリーグ(現NFLヨーロッパ)でプレー。その後パッカーズと契約したため、ちょうどファーヴと一緒にファルコンズから移籍してきたことになる。パッカーズではレイ・ローズDCに認められてスターターとなり、96年のスーパーボウル制覇を含め、99年まで先発で活躍した。2000年にはFAとなり、トンプソンが副社長となったシーホークスに移籍して全試合に先発し、そこで現役を退いた。

引退後の2年間は個人でビジネスをしたあと母校のイースト・カロライナ大に戻り、アスレチック・ディレクターのスペシャル・アシスタントを務めながら大学院に通っている。

新労使協定が締結

長らく続いていた労使交渉がようやく妥結。選手会側の提案を、オーナー会議は30対2の賛成多数(24票必要だった)で承認し、労使協定は2011年まで6年間延長されることになった。正式な発表はないが、ESPNによると今年のサラリーキャップは$7.5ミリオン増えて$102ミリオン、来年は$109ミリオンになるとのこと。FA期間の開始はさらに先送りされ、11日(土)の午前0時01分になる模様だ。

「新しい労使協定が締結されたこと、そしてサラリーキャップ・システムが維持されたことを我々は喜んでいる。サラリーキャップがなくなることは長期的にはパッカーズの存続を脅かすものだけに、サラリーキャップを継続させることが我々の最大の目標だった」とパッカーズのボブ・ハーラン社長は語っている。

「私にとっても、ジョン・ジョーンズ(副社長)やジョン・アンダーウッド(パッカーズ元会計担当/今でもNFLレヴェニュー・シェアリング委員会メンバー)にとっても、大変な2日間だった。新しい労使協定によってグリーンベイ・パッカーズの将来は守られることになるだろう。レヴェニュー・シェアリングの仕組みにより、全チームが高い競争力を持つことが可能になる。レヴェニュー・シェアリングを我々は支持しているし、その存続を喜んでいる」

2006年3月 9日

私はコーチ

パッカーズから解雇されたマイク・シャーマンは、テキサンズから請われてアシスタントHCに就任した。パッカーズとの契約により今後2年で$6.4ミリオンのサラリーを保証されているというのに、何故また働く必要があるのだろう。「私もそれは考えた。そして、私はコーチをする必要があると決心したのだ」と、スカウティング・コンバインの会場でスターバックスのカフェラテを飲みながら、マイク・シャーマンは答えている。

今年はゆっくり休んで、両親とアイルランドに行ったり、妻カレンとローマ旅行をしてもよかった。しかしカレンも子供たちも、それでは彼が幸せではないと分かっていた。「家族全員が、私はコーチをするべきだと言った。私が家にいると口うるさいからかもしれないがね。息子のマシューに、『お前はまだ高校が2年残っている。卒業までグリーンベイに住み続けるためコーチ業を休んでほしいなら、私はそうする』 と聞いたら、『ダメだよ。父さんはコーチをしなければ』 と言われたよ」

「あのままグリーンベイに住むことはつらいことだっただろう。特に9月、10月、11月になるとね。しかし私はそうするつもりだった。本当だ。家にオフィスを作って、フットボールのテープを分析したりして、グリーンベイ周辺で何か仕事をするつもりだった。人々が理解していないのは、マイク・シャーマンがグリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチであるとき、子供たちや妻もその一部であるということだ。(解雇された)失望は、私と同じくらい大きいのだ」

「パッカーズから解雇されたことは、離婚するようなものだ」とシャーマンは表現する。しかし離婚にもいろいろあるだろう。1年か2年で別れたり、「最初っから結婚などしなければよかった」というような離婚も珍しくない。しかし彼のこの場合、初恋の人との結婚が25年で終わってしまったようなものらしい。

「うまい喩えだね。だって私は心の底からあの仕事を愛していたし、続けていたかった。私は離婚をしたことはないが、完全に立ち直れるものなのかは分からない。自分の人生の一部となり、夢中になって取り組んできた事から引き離されてしまうのだ。痛みが消えることはない。多少は和らぐかもしれないし、心に開いた穴を他の事で埋められるかもしれない。しかし決して消え去ることはない。グリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチとしての経験は、常に自分の一部であり続ける」

解雇の理由についていまだにテッド・トンプソンGMから満足のいく説明を聞いていないというシャーマンは、「結局のところは、自分の選んだコーチ、自分に忠実なコーチが欲しかったのだろう」と語っている。自分がそのようなコーチになる努力が足りなかったのでは?と聞かれると、「絶対にそんなことはない。あれ以上? よい関係を築くため、自分にできることは全てやったよ」

「心残りなのは、我々はあのような厳しいシーズンを乗り切り、選手たちはチーム一丸のまま持ちこたえた、その彼らを二度とコーチできないことだ。ケガした選手が戻ってきて、もう一度やり直したかった。あれほどの苦労を選手と共にしたのに、その経験を来年に活かす機会を失ったことが残念だ」

パッカーズから年$3.2ミリオンのサラリーが保証されているため、テキサンズへの再就職によって金銭的に得るものはゼロだ。「金のためにコーチをしたことはない。私は以前には予想もしなかったほどの額を稼いでいるし、自分は週に$10ドルしか使わないし。要らないと言っているわけじゃないよ。しかし私はコーチングを楽しんでいる。選手を楽しんでいる。シーズンのドラマを楽しんでいる」

「我々コーチというのはそういう神経になってしまってるんじゃないかな。一年のほとんどを時速110マイルで走り続けてきて、(解雇により)突然時速4マイルになってしまう。毎日、朝4時半か5時に起きてすぐ仕事に行くというペースだった。その仕事がなくなってしまうと、何かが足りない気がしてしまうんだ」

2006年3月 8日

シーホークスのSマニュエルに照準か

セーフティのアップグレードを目指すパッカーズは、シーホークスからFAとなるSマーカンド・マニュエルに照準を合わせているようで、Journal Sentinel紙によると、すでに両者はほぼ契約に合意しているとのこと(FA期間開始前は反則なので大っぴらにはできない)。それによると、契約ボーナス$2ミリオンを含む総額$10ミリオンの5年契約。昨年は中途半端なFA補強をしたあげく結局全員カットしてマーク・ローマンをスターターにせざるをえなかったが、今年はうまく行くかどうか。

現在26歳のSマーカンド・マニュエルは、フロリダ大から2002年のドラフト6巡でベンガルズ入り。ルーキーながら8試合に先発出場した。しかし3年目の2004年にはマーヴィン・ルイスHCから評価されずに解雇されシーホークスと契約。当時シアトルにいたトンプソンGMがその人事に関わったことになる。移籍2年目の昨年はSケン・ハムリンのケガで第7週から先発に昇格し、十分な働きで穴を埋めた。NFC決勝ではインターセプトを決めて勝利に貢献したが、スーパーボウルでは第2Qにケガで退場、そのことがパス守備に大きな痛手となった。

RBアーマン・グリーンが正式にサイン

既報どおり、RBアーマン・グリーンが1年契約にサインした。テッド・トンプソンGMは、「確かに深刻なケガだが、予想以上のペースで回復しているとドクターたちは言っている。我々は彼のことをよく知っている。非常にプロフェッショナルな選手で、体作りを怠らないハードワーカーだ。そして100%回復することに集中している。たしかに金銭面でのリスクはあるが、彼はよい選手だ。契約に合意できて我々は喜んでいる」 

「どの年よりも、今年の僕は自分を証明しなければならない。かつてのようにスターターが務まることを、自分に対してだけでなく、コーチたちやチームメイトに対しても証明しなければならない」とRBグリーンは語る。大ケガの前に契約延長してくれなかったチーム側への遺恨はないようで、「グリーンベイは僕の爆発が始まった場所だ。本当に再契約して戻ってきたかった。僕としては、契約は早いほど良かった。オフシーズンの遅くまで引きずりたくなかったからね。これでリハビリに集中できるし、新しいプレーブックの勉強も始められる」

2006年3月 7日

RBアーマン・グリーンが1年契約に合意

もうじきFAとなる予定だったRBアーマン・グリーンが1年契約に合意、大ケガからの復帰をグリーンベイで目指すことになった。契約の詳細は不明だが、ベースサラリーは$2ミリオン、インセンティブを含めると$3ミリオンほどと言われている(ただし第一報は誇張された金額のことが多い)。完全復帰できるかどうかわからないだけに、1年契約を飲んでくれたことはパッカーズとしては非常にありがたいところ。

過去6年間にわたってパッカーズのエースRBを務めてきたRBグリーンは、すでに球団史上2位の7,103ydsラッシングを記録している。昨季前半に大腿四頭筋腱(膝蓋骨と大腿を結ぶ腱)を断裂してしまい、グリーンベイに居残ってリハビリを進めているところだ。回復は極めて順調で、パッカーズ側は「非常に満足している」とのこと。ミニキャンプはおそらく無理だが、7月末のトレーニングキャンプ開始には間に合うものと見込んでいる。

FA期間開始をさらに3日繰り下げ

もともと3月3日スタートだった今年のFA解禁は前日になって3日繰り下げられていたが、労使交渉が大詰めを迎えているため、さらに3日繰り下げて9日(木)の午前0時01分(東部時間)からFA期間が始まることになった。労使交渉については、「ほぼ合意」という内部情報と「決裂。もう全然ダメ」という報道が繰り返されている。

2006年3月 5日

Notebook: DTピーターソンにはオファー

2006年3月 4日

FA期間の開始を3日繰り下げ

3月3日の午前0時01分(東部時間)からFA期間が始まる予定だったが、前日の午後3時頃になって変更が発表され、今年のFA期間は3月6日の午前0時01分から始まることになった。サラリーキャップ額に収める期限はその前日の5日午後6時。

ギリギリになってから発表された$94.5ミリオンのサラリーキャップ額に収めるために2日(木)に(あわてて)解雇された選手に関しては、3月6日の前なら無条件で取り戻す(つまり解雇を取り消す)こともできることになった。きわめて異例の事態なのは言うまでもない。

LBナイル・ディッグスを解雇

2000年の入団以来パッカーズの先発LBを務めてきたLBナイル・ディッグスが解雇された。ここ数年のプレー内容は芳しくなく、今年は$2.3ミリオンのベースサラリーと$60万ドルのロースターボーナスが発生するため、解雇はほぼ予想されていたとおり。この解雇によってキャップにはさらに$3.1ミリオンほどの余裕ができ、 "Dead Money" は$91万ドルほど。

オハイオ州立大から2000年のドラフト4巡指名でパッカーズに入団したディッグスは、1年目のキャンプで先発ストロングサイドLBの座を確保し、それ以来ずっとスターターを務めてきた。しかしこのところはケガが多く、スピードが落ちたためパス守備も悪くなり、首脳陣の信頼をやや失っていた。

WRチャットマンは完全なFAに

3年目を終えたWR/KRアントニオ・チャットマンは制限つきフリーエージェント(RFA)となるはずだったが、"Qualifying Offer"(用語集参照)を提示しないことをパッカーズ側が通告、完全なFAとなることになった。2003年にドラフト外からロースター入りしたチャットマンだが、リターナー成績は平凡で、むしろWRとして成長を見せた。昨年はケガ人続出のため出番が増え49回549ydsを記録したものの、「限界は見えた」と判断されても仕方のない内容だった。

代理人は、「今年は新しいオフェンス・システムで、大きなレシーバーを望んでいるとレジー・マッケンジー(プロ人事部長)から告げられた。私は驚いているし、本人も驚いている。長いことグリーンベイにいられるものと思っていた。彼のようなビッグハートの持ち主を尊重しないと言うのなら、好きにすればよい」と語っている。いっぽうマッカーシーHCは、「彼のことは好きだった。ハードにプレーしていたし、エフォートはよかった。クイックネスもあった」としながらも、解雇の理由については、「私は常に大きくフィジカルな選手を好んでいる。ターゲットが大きければ、パスの正確さも増すものだ。ウチのWR陣は層も厚い」と説明している。

2006年3月 3日

CBA Notebook

シーズン総括と展望 DB編

スロウィック元DCの元でガタガタになったDB陣のプレー内容が、ようやく普通に戻った感じ。1、2年目の選手が多い未熟なユニットを経験豊富なCBアル・ハリスが引っ張っている。チーム全体で10インターセプトは非常に物足りないが、パスラッシュの弱さもその理由なのかもしれない。毎年DBをドラフト指名してきたが、2巡指名入団のSニック・コリンズは将来の中心選手として期待できそう。

今年はFAとなる選手がおらず、大きな改造はないかもしれない。ただCBハリス(31歳)はいつ衰えが始まってもおかしくない年齢でもあり、CBとSを1人ずつは補強したいところ。

CB アル・ハリス Al Harris

DEキャンプマンと並ぶディフェンスのMVP。31歳にして過去最高のプレー内容を見せたが、今回も惜しいところでプロボウルを逃した。ボールスキルが素晴らしく、ギリギリのところで手を出してパスを防ぐ。15週まではTDを許していなかったが終盤に調子を落とし、計8.5回許したビッグプレーのうち4回を13週以降に許した。2004年には12回もあった反則が6回に減った。

CB アマド・キャロル Ahmad Carroll

ルーキー年と同じく反則が多く、パスインターフェア4回など、2年連続でディフェンスの反則王。ただし反則12回のうち10回がシーズン前半のもので、後半は2回だけ。パス守備全般に、大きな前進ではないが一応の進歩は見せた。ハリスと対照的にボールスキルが悪く、また高さのミスマッチを狙われることも多い。キックオフリターンはチーム最多の19回をこなし、57ydsリターンを含む平均20.5yds。

S ニック・コリンズ Nick Collins

2巡指名入団から全試合先発出場を果たした。いろいろな点で荒削りだが、CB並のスピードを活かした守備範囲の広さとハードなタックルは申し分ない。ビッグプレーを許したのはわずか4回(シャーパーは6回以下になったことがない)。アングルをしくじることが多く、ミスタックル数はチーム2位の19回。ボールへの嗅覚も十分あるようだが、インターセプトのチャンスを逃すシーンも目立った。反則はわずか2回で、アンネセサリーラフネスとスペシャルチームでのもの。

S マーク・ローマン Mark Roman

悪夢の2004年よりは安定したプレー内容を見せ、チーム2位のタックル数を記録した。先発争いのレベルが低かったためにスターターの座を確保したものの、サイズがないためにタックルミスすることも多く、ビッグプレー能力は全くない。一昨年からの進歩を評価する声もあるが、「あの程度の選手が不動のスターターでは勝てるわけがない」と酷評する声も多い。

CB マイク・ホーキンズ Mike Hawkins

ドラフト5巡指名入団から、CBジョーイ・トーマス解雇の後はニッケルバック/3番手CBに昇格した。しかしキャンプやプレシーズンで見せたインターセプト能力は影をひそめ、いかにもルーキーらしいプレーぶりに留まった。ビッグプレーは1.5回しか許さず、反則はゼロ。細かいケガで5試合に欠場し、ベテラン選手から遠回しに批判されたこともある。まだあまりにも線が細く、類まれなスピードとボールスキルを活かすためにも、オフの体作りが重要だろう。

S マーヴィール・アンダーウッド Marviel Underwood

4巡指名ルーキーで「コリンズより即戦力タイプ」との声もあったが、やはり指名順位どおりだった。選手層の薄さのために3番手セーフティとなり、ダイムバックとしての出場も多かったが、大きなプレーは最終戦のRBアレグザンダーへのファンブルフォースだけ。サイズが小さいわりにパスカバーが悪く、WRだけでなくTEについていくのにも苦戦することが多かった。

2006年3月 2日

ファーヴ: 「もう少し様子を見たい」

引退問題で注目されるQBブレット・ファーヴがESPNのインタビューに答え、「決断を下す前に、このオフにチームがどのような補強をするかを見たい」という意思を明らかにした。「我々(パッカーズ)がフリーエージェントやドラフトでどのようにするかを見てみたい気持ちなんだ。たぶんチーム側も僕(の決断)を待っている。だから、我慢比べのようでもあるね。現時点では、この問題からなるべく離れて気持ちをクリアにしようと努めている。難しいことだけど」

Wisconsin State Journal紙によると、$3ミリオンのロースターボーナスが発生するのは3月8日。上記のようなファーヴの意思を尊重するためには、両者が話し合ってその期日を変更する必要が出てくる。ドラフト終了まで待つとすると、引退問題の決定期限は5月5日のミニキャンプ初日あたりとなるのか。

「何日か前に母からも、『いつになれば決心がつくの?』って聞かれたんだ。ある朝目が覚めてパッと悟ればいいんだけど。『何を待ってるんだ? 答えは分かりきっているじゃないか』ってね。この決断には、たくさんの事柄が関わってくる。フットボールをするのは大好きだけど、僕は高いレベルで争いたい。高いレベルの競争力がチームにあるかどうかを知りたい。つまりなんというか・・・まだ決めるのは早いと直感が告げているんだ」

シーズン総括と展望 LB編

ユニット全体としては平凡な出来。LBにスピードを求めるジム・ベイツDCのシステムに最も合っていたのはやはりバーネットで、彼は自己最高の数字を残した。しかしディッグスは、スクリメージから離れてセットするスタイルが合わないのかイマイチ信頼されず、ケガをしていないときにもパリス・レノンが起用されることが多かった。

今年FAとなるのはレノンだけだが、高額サラリーとなるディッグスの解雇は十分にありうる。トーマスも先発の座は安泰ではなく、来季スターター確実なのはバーネットだけだろう。有力FA獲得やドラフト上位指名の可能性も高い。

ニック・バーネット Nick Barnett

ディフェンスのリーダー。タックル数の球団記録を塗り替え、ミドルLBのアスレティシズムを強調するシステムの下でベストイヤーを過ごした。2年連続で全試合に出場、(ダイム隊形でもフィールドに残るため)ディフェンスのほぼ全スナップに出場する。ロスタックル6.5回はチーム2位だが、 Journal Sentinel 紙によるとミスタックル数もチーム最多の20回で、ブリッツに入って仕留められないことも多い。エリート級にはビッグプレー能力が物足りない。

ナイル・ディッグス Na'il Diggs

かつて実績を残したストロングサイドに戻ったが、ヒザのケガに悩まされて6試合しか先発出場できず。ベイツDCのシステムに合っていないようだった。毎年2桁を記録していたロスタックル数もわずか2.5に終わった。まだ27歳なのに、プレーぶりが老け込んだとの声もある。今年は$2.3ミリオンのベースサラリーの上に$60万ドルのロースターボーナスが発生するため、解雇の可能性は十分ある。

ロバート・トーマス Robert Thomas

先発ウィークサイドLB。開幕直前のトレードでラムズから移籍してきたが、太ももを痛めて9試合しか先発できず、「ケガが多い」という評判どおりになってしまった。システムに習熟する時間がなかったとはいえプレー内容はあまり芳しくなく、元1巡指名選手という肩書きは忘れた方がよさそう。スターターでいられたのは選手層が薄かったせいで、今年は新加入選手たちとの先発争いになる可能性が高い。

パリス・レノン Paris Lenon

3つのLB全てをこなせる便利な控え。ディッグスとトーマスのケガのため、ストロングサイドとウィークサイド両方で12試合に先発出場した。学習能力が高く堅実な選手だが、先発組と比べるとスピードがなくスケールは小さい。スペシャルチーマーとしてはしっかりやっている。今春はFAとなるが、ベテラン最低額クラスになるだろう。

ブレイディ・ポピンガ Brady Poppinga

ドラフト4巡指名ルーキーとして主にスペシャルチームで活躍。シーズン半ば以降はストロングサイドLBとしても成長を見せて出番が増え、パスラッシャーとしての起用もあった。しかし初先発した第13週に前十字靭帯(ACL)を断裂してしまいシーズンエンド。遅い時期の大ケガのため、来季出場できるかどうかも分からない。

ロイ・マニング Roy Manning

ドラフト外入団からロースター入りを果たした。ニッケル隊形でLBバーネットの隣に投入されることもあり、ストロングサイドで2試合に先発もしたが、目立った活躍はできなかった。上記のポピンガが長いリハビリに入っているだけに、2年目の成長を期待したいところ。

2006年3月 1日

Notebook: Cフラナガンとも再契約交渉

  • これまで表立った動きはなかったが、トンプソンGMはCマイク・フラナガンとの再契約交渉を進めていることを明らかにした。「我々は彼と精力的に話し合いをしている。FA期間の開始までにまとまるかどうかは別にして、再契約したいと思っている。しかしそれもまたフリーエージェンシーの一部だ」とトンプソンGM。フラナガンの代理人は、「本人も再契約を望んでいる。妥当な条件の下でだが。チーム側は彼の真価を認め、高く評価してくれていると思う。彼はもう100%健康体に戻っている。あとは契約の問題だけだ」
  • 首のケガについて、何人もの医師たちの意見を求めてきたWRテレンス・マーフィだが、Journal Sentinel紙は情報筋の話として、「現時点では引退の方向」と伝えている。
  • 4人ものパンターがロースターにいたパッカーズだが、そのうちの1人、Pライアン・ダットンが解雇された模様。彼はNFLヨーロッパに派遣される予定だったが、キャンプ中にすねを疲労骨折してしまい、プレーできなくなったからだ。
  • 今年のドラフト候補生、クレムソン大のQBチャーリー・ホワイトハーストは、全QBの中で6番目前後にランクされ、中位以降での指名が予想されている。彼の父、デヴィッド・ホワイトハーストは1977年から83年までパッカーズに在籍し、主にQBリン・ディッキーの控えとしてプレーした。計37試合に先発して16勝20敗1分け、QBレーティングは59.2。当時のメインターゲットはもちろんWRジェームズ・ロフトンだった。
  • 新労使協定の交渉が大詰めに近づいているようで、ごく近いうちに締結できそうだという報道も増えてきた。ただし、3月3日のFA解禁直前に新協定が発効したのでは関係者に内容を周知させるだけの時間がないため、今年のFA解禁日を(1ヶ月ほど?)遅らせるしかないのではないか、という見方も強い。