グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年3月 9日

私はコーチ

パッカーズから解雇されたマイク・シャーマンは、テキサンズから請われてアシスタントHCに就任した。パッカーズとの契約により今後2年で$6.4ミリオンのサラリーを保証されているというのに、何故また働く必要があるのだろう。「私もそれは考えた。そして、私はコーチをする必要があると決心したのだ」と、スカウティング・コンバインの会場でスターバックスのカフェラテを飲みながら、マイク・シャーマンは答えている。

今年はゆっくり休んで、両親とアイルランドに行ったり、妻カレンとローマ旅行をしてもよかった。しかしカレンも子供たちも、それでは彼が幸せではないと分かっていた。「家族全員が、私はコーチをするべきだと言った。私が家にいると口うるさいからかもしれないがね。息子のマシューに、『お前はまだ高校が2年残っている。卒業までグリーンベイに住み続けるためコーチ業を休んでほしいなら、私はそうする』 と聞いたら、『ダメだよ。父さんはコーチをしなければ』 と言われたよ」

「あのままグリーンベイに住むことはつらいことだっただろう。特に9月、10月、11月になるとね。しかし私はそうするつもりだった。本当だ。家にオフィスを作って、フットボールのテープを分析したりして、グリーンベイ周辺で何か仕事をするつもりだった。人々が理解していないのは、マイク・シャーマンがグリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチであるとき、子供たちや妻もその一部であるということだ。(解雇された)失望は、私と同じくらい大きいのだ」

「パッカーズから解雇されたことは、離婚するようなものだ」とシャーマンは表現する。しかし離婚にもいろいろあるだろう。1年か2年で別れたり、「最初っから結婚などしなければよかった」というような離婚も珍しくない。しかし彼のこの場合、初恋の人との結婚が25年で終わってしまったようなものらしい。

「うまい喩えだね。だって私は心の底からあの仕事を愛していたし、続けていたかった。私は離婚をしたことはないが、完全に立ち直れるものなのかは分からない。自分の人生の一部となり、夢中になって取り組んできた事から引き離されてしまうのだ。痛みが消えることはない。多少は和らぐかもしれないし、心に開いた穴を他の事で埋められるかもしれない。しかし決して消え去ることはない。グリーンベイ・パッカーズのヘッドコーチとしての経験は、常に自分の一部であり続ける」

解雇の理由についていまだにテッド・トンプソンGMから満足のいく説明を聞いていないというシャーマンは、「結局のところは、自分の選んだコーチ、自分に忠実なコーチが欲しかったのだろう」と語っている。自分がそのようなコーチになる努力が足りなかったのでは?と聞かれると、「絶対にそんなことはない。あれ以上? よい関係を築くため、自分にできることは全てやったよ」

「心残りなのは、我々はあのような厳しいシーズンを乗り切り、選手たちはチーム一丸のまま持ちこたえた、その彼らを二度とコーチできないことだ。ケガした選手が戻ってきて、もう一度やり直したかった。あれほどの苦労を選手と共にしたのに、その経験を来年に活かす機会を失ったことが残念だ」

パッカーズから年$3.2ミリオンのサラリーが保証されているため、テキサンズへの再就職によって金銭的に得るものはゼロだ。「金のためにコーチをしたことはない。私は以前には予想もしなかったほどの額を稼いでいるし、自分は週に$10ドルしか使わないし。要らないと言っているわけじゃないよ。しかし私はコーチングを楽しんでいる。選手を楽しんでいる。シーズンのドラマを楽しんでいる」

「我々コーチというのはそういう神経になってしまってるんじゃないかな。一年のほとんどを時速110マイルで走り続けてきて、(解雇により)突然時速4マイルになってしまう。毎日、朝4時半か5時に起きてすぐ仕事に行くというペースだった。その仕事がなくなってしまうと、何かが足りない気がしてしまうんだ」

カテゴリ : Coach/Front Office