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2006年2月28日

シーズン総括と展望 DL編

例年どおり平凡な出来に終わったDL陣。パス守備1位とはいってもパス回数そのものが少なく(試投数430回はNFLで2番目に少ない)、パスラッシュが弱いために相手QBにたっぷり時間を与えるシーンが目立った。ただ、シーズンを通してケガ人が少なく、特にDTグレイディ・ジャクソンがフルシーズン出場できたことがディフェンスを安定させた。

今年FAとなるのは、DEアーロン・キャンプマンとDTグレイディ・ジャクソン。キャンプマンとの再契約交渉は続いているが、契約がまとまらずFAとなる公算が次第に大きくなっている。グレイディ・ジャクソンは年平均$5ミリオンを望んでいるとの噂もあり、それが本気だとすれば再契約は難しい。というわけで、DT/DEとも今年の要強化ポイントで、ドラフト1巡指名も十分ありうる。

DE アーロン・キャンプマン Aaron Kampman

CBアル・ハリスと並ぶディフェンスのMVP。DLとしてのタックル数で球団記録を破り、パスラッシュでも自己最多の6.5サック。ディフェンス全スナップのうち93.2%に出場したことは、彼のオールラウンドな能力への信頼感の表れだろう。研究熱心さが実って、意表を突いたプレーにもだまされることなくしっかりコンテインする。派手さはないが玄人好みの選手で、もしFAとなれば(トップクラスではないが)すぐに高額契約のオファーが来そうだ。

DE カビーア・バジャ=ビアミラ Kabeer Gbaja-Biamila

最も株を下げた1人。ここ数年と比べてダブルチームされる頻度が下がった(28.4%)のに、パスラッシュDEがサック8回では情けない。ランプレーでも、彼のサイドを狙われて何もできないシーンが目立った。ディフェンス全スナップのうち80.1%に出場したが、それでも多すぎるかも。ドラフト1巡でDE指名を予想する声が多いのは、キャンプマンの移籍うんぬんよりも、バジャ=ビアミラの総合的な能力を疑問視してのことだろう。

DT グレイディ・ジャクソン Grady Jackson

4年ぶりの全試合出場を果たしたのは、ヒザの問題でキャンプ合流が遅れ、そのぶん使い減りしていなかったせいか。コリン・コールの台頭で彼が休むことができ、例年より少ない1試合平均34.8スナップしか出場せずに済んだせいでもあるようだ。元気な時の存在感はさすがで、ゴール前などショートヤーデージでの活躍も目立った。チーム6番目、パッカーズ移籍後最多のタックル数を記録。年平均$5ミリオンの高額契約を望んでいるが、ヒザに爆弾を抱える33歳のノーズタックルにそこまで出すチームがあるのかどうか。

DT/DE カレン・ジェンキンズ Cullen Jenkins

この1年で最も進歩したDL選手。DTハントが退団し、下記のウィリアムズも追い抜いて、DTとして12試合に先発出場した。3サックに加え、どういうわけかキックブロックも3回(PAT2回、FG1回)あった。反則はゼロ。ランのシチュエーションでは彼に代わり下記のコリン・コールが出ることも多かった。インサイドからのパスラッシュはなかなか良いが、DTにはサイズが物足りない。彼が先発できるのはパッカーズのレベルが低いからだろう。

DT コリン・コール Colin Cole

身長はないが横幅が広く、重心の低い当たりで勝負する控えノーズタックル。2004年にはプラクティス・スクワッドから昇格して3試合出場しただけだったが、2005年にはDL5番目の460スナップに出場し、重要な控えDLに成長してきた。ノーズタックルとして出場してDTグレイディ・ジャクソンの負担を減らしたり、ジャクソンと並んでランを止めに行くパターンも増えた。QBへのプレッシャーも8回でジャクソンより多い。かなり真面目な努力家らしい。

DT コーリー・ウィリアムズ Corey Williams

6巡指名入団の1年目になかなかのポテンシャルを見せ期待されたが、キャンプでは上記ジェンキンズに抜かれるなど、期待外れの2年目シーズンだった。第7週までは3番手DTとして平均31.1スナップに出場したが、その後はふくらはぎのケガで1ヶ月休み。復帰後は平均16.3スナップしか出番がなかった。

DE マイク・モンゴメリー Mike Montgomery

6巡指名ルーキーながら、シーズン後半にはまずまずの働きを見せた。アーリー・ダウンにDEバジャ=ビアミラを休ませるため彼を右DEに入れるパターンが多いようだ。サックは1回だけだったが、パスラッシュも悪くない。

DE/DT ケニー・ピーターソン Kenny Peterson

プレシーズンの活躍でかろうじてロースターに残り、全試合に出場した。ラン守備は弱く、パスシチュエーションでインサイドからラッシュする仕事が多い。23タックルも3サックもキャリアハイだが、スケールの小ささは否めない。

DT ドネル・ワシントン Donnell Washington

期待の2年目だったが、評判が良かったのはミニキャンプまでで、トレーニングキャンプでパッドを着けたとたんにダメダメ。かろうじて開幕ロースターに残ったが、アクティブ登録されたのは1試合だけで、その試合でも全く出場はなかった。つまり2年間で1スナップも出場していない。しっかりヒザを曲げられず重心を落とせない。このままいくと来季開幕前に解雇の可能性が高い。

2006年2月27日

シーズン総括と展望 OL編

プロボウル級の両ガードの抜けた穴が思いっきり埋まらず、ラン攻撃大不振の元凶となったポジション。リーグトップクラスを続けてきたパスプロテクションも悪化し、被サック数では5位タイに踏みとどまってはいるものの、投げた直後にファーヴがハードヒットを受けるシーンが目立った。

今年FAとなるのはCフラナガン、G/Cルーガマー、OTバリーの3人。フラナガンと再契約しない場合はウェルズが先発に昇格する見込み。またFAやドラフトを使ってガードを補強する可能性は高い。新コーチ陣はゾーンブロックの導入を掲げており、それに伴って各選手の評価や起用法が変わってくることも考えられる。

LT チャド・クリフトン Chad Clifton

プロボウルの補欠には選ばれたものの、この3年間では最悪の出来。フォルススタート7回、ホールディング3回と反則を連発し、オフェンスの足を引っ張ってしまった。サックを許したのは3.5回。"Bad Run"(1yds以下に止められたラン)の原因となったのも12.5回で、前年の6回から倍増している。

RT マーク・タウシャー Mark Tauscher

例年どおり安定して高いレベルでプレーし、2005年に関してはチームのベストラインマンだった。パスプロテクションもランブロックもよく、"Bad Run"の原因になったのは7.5回。しかし、高校・大学を通じて犯したことのなかったホールディングを3回取られてしまった。フォルススタートは1回だけ。

C マイク・フラナガン Mike Flanagan

不動の先発センターも、ヘルニアに悩まされた苦しいシーズンだった。シーズン半ばで手術。欠場わずか2試合で復帰して痛みをこらえてプレーしたものの、試合最後までプレーできない試合もあり、試合後半になると次第に押し負けることが多かった。今年はFAとなるが、ケガの多さと32歳という年齢をどう見るか。これまでのところ再契約交渉が進んだという噂は伝わってこない。

C/G スコット・ウェルズ Scott Wells

2番手センターの座を早々と確保し、キャンプ後半から左ガードとしても起用されるようになった。不振のLGクレムに代わって、シーズン後半8試合に先発出場。QBへのプレッシャーを許したのが(出場10試合にもかかわらず)22.5回もあり、サイズ不足を含め、先発ガードとしての将来を期待できるとは言えない出来。しかしセンターとしては、フラナガンとの再契約がなければ先発候補の筆頭となる。

RG ウィリアム・ウィティカー William Whitticker

7巡指名入団から先発の座を射止めたが、それはライバルたちがだらしなかったから。腰高で動きがぎごちなくクイックネスに欠ける。パスプロテクションでも相手DLのスタントに対応できないシーンが目立った。"Bad Run"の原因になったのはチーム最多の30.5回。反則は7回で、全てフォルススタート。今年はもっと高いレベルでの先発争いを期待したいところ。

G/C グレイ・ルーガマー Grey Ruegamer

控えの右ガード兼3番手センターとしてロースターに残った。RGウィティカーの不振で2試合に先発出場したが、出来はあまり芳しくなく、反則も12回を数えた。もうじきFAとなるが、インサイドを全てこなせる便利な控えとして、安価で再契約の可能性はある。しかし昨年のように先発争いのチャンスが与えられるかどうか。

OG エイドリアン・クレム Adrian Klemm

$80万ドルの契約ボーナスというのは昨年加入したFA選手の最高額、つまり最も期待の大きな補強だった。特にランブロックでの不振がひどく、またパスプロテクションでもソフトで、タックルからガードへのコンバートはこれまでのところ大失敗だった。クリフトンの途中退場した試合では左タックルを大過なく務めた。右タックルとしては先発経験も豊富で、両タックルの控えなら任せられそう。

OT ケヴィン・バリー Kevin Barry

ドラフト外出身ながら先発級の力があるとコーチたちからは評価されてきた。しかしいくら試しても右タックルしかできないのが弱みで、先発RTのタウシャーの座を脅かすことはできなかった。エキストラTEとして参加する"U-71"フォーメーションでの破壊力あるブロックは健在だが、ぬるま湯体質というか、向上心に問題があると指摘する声もある。もうじきFAとなるが、先発争いのチャンスをくれるチームがあればそちらに行くだろう。

2006年2月26日

Notebook: QB指名の可能性も

2006年2月25日

Notebook: フランチャイズ指名なし

2006年2月24日

シーズン総括と展望 WR編

2004年には1200ydsレシーバーを2人出した自慢のポジションだったが、開幕戦でエースのウォーカーが前十字靭帯(ACL)の断裂でシーズンアウト。予想されたラン攻撃の不振を助けるはずが、このケガで全ての目算が狂ったと言っていい。ドライバーが孤軍奮闘でファーヴを助けたが、彼がダブルチームされると簡単に手詰まりになった。2巡指名のマーフィも頭と首のケガでシーズン前半に戦線離脱し、ウォーカーの穴を埋めるような選手の台頭はなかった。

今オフはFAとなる主力選手はおらず、大物FA獲得やドラフト上位指名の可能性は低そう。

ドナルド・ドライバー Donald Driver

オフェンスのMVP。キャリアベストの86回1221ydsを記録し、1stダウン獲得63回は全WR中5位タイ。ウォーカー不在とファーガソン不振の中、唯一頼りになるレシーバーとして特に3rdダウンでの活躍は目覚しかった。軽い脳震盪らしい状態でプレーを続けた試合も2回ほどあり、チームの士気やケミストリー面での貢献も大きい。31歳となっても衰えは全くないが、ウォーカーのようなスピードや高さがあるわけではなく、これ以上を望むのは酷というものだろう。

ジャヴォン・ウォーカー Javon Walker

2004年には1382yds、12TDとブレークしてプロボウラーとなったが、契約問題でミニキャンプを全休(トレーニングキャンプは初日から参加)したあげく、開幕戦の大ケガでシーズンアウト。今オフはじっくりリハビリに充て、シーズンで復活をアピールしてから来年春にFAとして巨額契約を狙う。ただし前十字靭帯断裂は、直線スピードは1年で元に戻ってもクイックネスやアジリティが完全に戻るのは2年後、というのが相場だ。

ロバート・ファーガソン Robert Ferguson

27回366ydsしか獲得できず、この1年で最も株を下げた1人。例によって細かいケガに何度も悩まされて11試合しか出場できなかったとはいえ、ウォーカー不在、ドライバーがダブルカバーされているときにほとんど何もできなかった。ロングパスを毎回競り負けるばかりか、インターセプトまでされてしまうのは彼の責任も大きい。ここ数年は楽に3番手以内を確保してきたが、可愛がってくれたシャーマン前HCが去った今年は厳しい3番手争いが待っていそうだ。

テレンス・マーフィ Terrence Murphy

昨年ドラフト2巡指名され、キャンプを通して期待以上の能力を見せていた。しかし上位WR陣のケガでチャンスが来た矢先、頭と首を負傷して第4週でシーズンエンド。頸椎周辺の問題だけに本人と家族は慎重で、チームドクター以外にも複数の専門家の診断を仰いでいる。ファーガソンの3番手の座をプッシュしてほしいところだが、最悪の場合、2000年のSゲイリー・ベリーのようにわずか1年で引退する可能性もゼロではない。

アントニオ・チャットマン Antonio Chatman

ウォーカーとファーガソンのケガで2番手WRを務めることも多く、キャリアベストの49回549ydsを記録。3年連続で全試合出場したのは立派だが、サイズが小さいわりに縦へのスピードがあるわけではなく、ランアフターキャッチでも簡単に倒されてしまう。本職のパントリターナーとしては、キャリア初のTDを挙げたが、フェアキャッチ数はNFL2位の18回。

彼のミスによるファンブルロストは3年間に1回もなく、前コーチ陣はそういったボールセキュリティを優先してリターナー起用を続けた。3年目を終えたため来月にはRFA(用語集参照)となるが、新コーチ陣の判断次第では"Qualifying Offer"されずにUFAとなる可能性も。

ロッド・ガードナー Rod Gardner

2001年の1巡15位指名でレッドスキンズに入団し、1000ydsを記録したこともあるがけっきょく伸び悩んだ。昨年夏に下位指名権とのトレードでパンサーズへ移ったが、3番手の座さえ奪えず12月半ばに解雇。パッカーズに拾われて最後の2試合にだけ出場し、パスキャッチ4回67yds、と準備不足を考えればプレー内容はなかなかよかった。スピードはイマイチだがガタイがある。1年契約だったため3月にはFAとなるが、再契約すれば3番手争いの一角に加わるだろう。

2006年2月23日

LSロブ・デイヴィスと再契約

今春契約が切れてFAとなるはずだったロングスナッパーのロブ・デイヴィスが、パッカーズと1年契約を結んだ。ベテラン最低額(プロ10年以上)である$77万ドルと契約ボーナス$25,000ドル、それにワークアウトボーナス$5,720ドルを合わせて$800,720ドル。規定により、この最低額であればサラリーキャップには$46万ドルしか計上せずに済む決まりとなっている。(用語集参照

現在37歳のLSロブ・デイヴィスは、ファーヴよりも1歳上でチーム最年長選手だ(年齢順ロースター表)。再契約したといっても開幕ロースター入りは確定ではないが、ドラフト外で入ってくるルーキーを今年もまた蹴落とすことが予想される。デイヴィスは1997シーズン半ばにパッカーズに加わって以来一度も試合を休まず、現役パッカーズ選手としてはファーヴとロングウェルに次ぐ135試合連続出場を続けている。

NFLヨーロッパ派遣の8選手を発表

新コーチ陣編成のため例年より遅れたが、今春のNFLヨーロッパにパッカーズが派遣する選手が発表された。最近は毎年10人を超える大所帯だったが、今年は8人。ヘッドコーチが交代したことと関係があるのかもしれない。今回派遣される8人のうち、WRルーカス、TEハンフリー、Sビグビー、CBフォンテノットの4人は2005年シーズン中にロースターに加わった経験がある。

NFLヨーロッパのキャンプはすでに今月15日からフロリダで始まっており、開幕は3月18日。レギュラーシーズンは10週にわたって行われ、チャンピオンを決めるワールドボウルはドイツのデュッセルドルフで5月27日に開催される。今年はサッカーのワールドカップがドイツで開催されるため、NFLヨーロッパのシーズン全体が半月ほど早く行われるようだ。

8 Packers players headed for NFL Europe
Name Pos Ht. Wt. College Allocated Team
Chad Lucas WR 6-1 201 Alabama State Amsterdam Admirals
Vince Butler WR 6-0 195 Northwestern Oklahoma State Amsterdam Admirals
Tory Humphrey TE 6-2 257 Central Michigan Amsterdam Admirals
Atari Bigby S 5-11 211 Central Florida Amsterdam Admirals
Pete Traynor G 6-3 311 Iowa Rhein Fire
Therrian Fontenot CB 5-11 187 Fresno State Rhein Fire
Brian Wrobel QB 6-2 197 Winona State Berlin Thunder
Jerome Nichols DT 6-3 285 Wake Forest Frankfurt Galaxy

2006年2月22日

Notebook: DEキャンプマンを最優先

ミニキャンプの予定を発表

シャーマン前HCの時には4月末と6月前半にミニキャンプを行うのが通例だったが、今年のマッカーシー新HCは最初のミニキャンプを5月5日から3日間、2回目は5月19日から3日間行うことになった。それ以外にもOTA(下記参照)として、5月31日、6月の1、2、5、6、8、9、12、13、15、16、19、20、21日と、合計14日間にわたって練習やミーティングを行う予定となっている。

労使協約によって、全員参加義務付けのミニキャンプはオフシーズンに1回しか行うことができない。それ以外のミニキャンプは、正式には "Organized Team Activities"(略してOTA)と呼ばれ、コーチ側は参加を強く希望するものの、有力選手になるとサボることもできる。参加を無理強いしたり、決められた以上の練習内容(パッド装着の練習はダメ)になると、(選手がチクるため)組合から抗議が来ることもある。ミニキャンプをサボると罰金だが、OTAをサボっても罰金は科せられない。昨年のパッカーズの場合、4月末に出席義務付けのミニキャンプを行い、6月上旬の練習はOTAだった。

しかしヘッドコーチが交代したチームに限り、ミニキャンプを2回行えるという規定があるらしい。新ヘッドコーチの就任したチームは、(おそらく顔合わせも兼ねて)3月に最初のミニキャンプを行うことが多い。しかし今年のマッカーシー新HCはルーキー組の合流してくる5月上旬を初回とし、以後6月21日までみっちりと新システムのインストールに充てることになる。

2006年2月21日

エイクマンがファーヴを語る

今のブレット・ファーヴと同じ悩みを5年前に味わった元QBトロイ・エイクマンがインタビューに答え、低迷するチーム状況がファーヴを引退に追い込むかもしれないと語っている。エイクマンによると、彼は引退問題に関してファーヴからアドバイスを求められた数人の元一流QBの1人らしい。

「ここ数年にわたって、ブレットと私は、私のキャリアの最後の頃のことについてずいぶん話をしてきた。ちょうど今の彼のような時期のことだ。私の最後の頃と自分の今の状況が似ているとブレットは思っているようだった。身体面ではなく、チームの状況がだ」

エイクマン自身、何度も受けた脳震盪よりも、低迷したカウボーイズのチーム状況の方が、引退への大きな要因になったと語っている。「私の場合、健康面はさほど大きな理由ではなかった。優勝を争うのに必要なことがチームとしてできていない、と感じたことの方が大きかった。(29INTを喫したとはいえ)ブレットはまだ高いレベルでプレーしている。彼は今でもリーグ最高のクォーターバックの1人だ」

「もし今決めるなら引退の方」という先月末のファーヴ発言は、その時が来たことの証拠かもしれないとエイクマンは見ている。「100%打ち込める気持ちを再び取り戻し、『そう、これこそ俺のやりたいことだ』とはっきり言えるだろうか。自分がどれほどよいシーズンを送っても、苦しい時期は必ずあるものだ。我々が最も強かった、スーパーボウルに勝った頃でも、つらい時期は何度もあった。もし100%打ち込めない時にそのような状況になったら、『なんで俺こんなことしてるんだろう』と自問することになる。肝心なクォーターバックがそんなふうでいいのかどうか」

2006年2月20日

シーズン総括と展望 TE/FB編

エースTEがケガに苦しむなか、2番手、3番手TEたちがパスオフェンスでは例年よりも貢献したが、フランクスの欠場はむしろランブロッキングで痛かったかもしれない。「スピード不足でフィールドをストレッチできない」ことが毎年の課題だったが、ドナルド・リーの活躍で多少はマシになった観はある。TE陣は3人とも契約が残っているが、ドラフトまたはFAで2番手候補を獲得する可能性はある。

ババ・フランクス Bubba Franks

全試合出場を続けてきた彼も6年目はケガに苦しみ先発は8試合。パスキャッチ25回207ydsはキャリア最低で、ファーヴのターゲット不足に拍車をかけた。無理に出場した試合ではブロッキングの出来も悪かった。トランジション指名された昨春はサインを拒んでいたが、キャンプ終盤に7年契約にサイン。欠場中にはマーティンやドナルド・リーが活躍したが、スターターの座が脅かされることはなさそう。

デヴィッド・マーティン David Martin

フランクス不在の8試合に先発し、27回224yds、3TDとキャリア最高の数字を残した。しかし例によってケガは多く、鼠蹊部と脳震盪で実働11試合。昨年春に安価(契約ボーナス$25万ドル)で2年契約を結んでおり、今年はFAにならない。しかし2番手の座がキープできるかは別の話で、下記のリーや新加入選手との競争になるだろう。

ドナルド・リー Donald Lee

開幕直前にドルフィンズから解雇されてパッカーズと契約し、前3番手TEのベン・スティールと入れ替わった。TE陣では最もスピードがあり、パスキャッチ33回294ydsとマーティンを上回る数字を残した。痛い落球やパスプロテクションのミスも目立ったが、上記マーティンをしのいで2番手に昇格するチャンスはある。プロ3年目を終えたところだが、昨年夏に2年契約を結んでいるので、RFAにはならずに済む。

ここからはフルバックについて。毎年ライバルを蹴落としてエースFBの座を守ってきたヘンダーソンだが、今年もまたピンチだ。ランブロック能力が下がった上に契約が切れてFAとなるため、球団側が世代交代に踏み切る可能性もある。リーダーシップでの貢献を含め、ヘンダーソンの価値を新コーチ陣がどのように判断するかがカギになりそうだ。

ウィリアム・ヘンダーソン William Henderson

今年もまた全試合出場した元プロボウラーだが、ブロッキングはパワーダウンしつつある。下記のリーチが5試合に先発したのは、ランブロッキングでのヘンダーソンへの信頼が低下した証拠だろう。いっぽうパスキャッチ30回、平均8.8ydsはどちらもキャリア3番目の好成績。ランアフターキャッチでタックラーを飛び越えてロングゲインするシーンも多く、レシーバー不足を補った。今年は契約が切れFAとなるが、あと何年かやりたいという意欲に衰えはない。

ヴォンテ・リーチ Vonta Leach

ドラフト外入団から2年目。1試合平均16.8スナップ出場はヘンダーソンよりも2.4スナップ少ないだけで、大雑把に言えば、ランならリーチ、パスならヘンダーソンという使い分けだった。ブロッキングが良いといってもまだミスは多く発展途上。さらにパスキャッチとなるとヘンダーソンの域にはほど遠く、完全なスターターとなるのはまだ先だろう。ハングリーさを失わず成長を続けることが必要。

2006年2月19日

CBアマド・キャロルが逮捕

母校アーカンソー大のあるファイエットビルを訪れていたCBアマド・キャロルが、そこで警察沙汰を起こし、逮捕された。弁護士によると、罪状は治安紊乱行為、警官への暴行、逮捕に抵抗したこと。留置場に入ったキャロルは$1,500ドルの保釈金を支払い、わずか15分か20分ほどで保釈されている。

事件は木曜の夜。 ピアノバーに入ろうとした彼とその友人たちに対し用心棒が満員だと言って通さず、小競り合いとなって誰かがパンチを繰り出したらしい。その後、別のバーに入った一行は、(事情を聞いて追ってきた?)警官とトラブルになり、そこでの出来事がキャロル自身の逮捕につながったようだ。弁護士によると、キャロルは1人の警官に事情を説明して立ち去ることを許されたのに、バーから出ようとすると別の警官に引き止められたとのこと。「その警官はアマドの腕をつかみ、アマドはそれを振りほどき、警官はスタンガン(taser)を取り出し、そこで逮捕となった」

すでに3人の目撃者と話をしたという弁護士は、最初のバーで暴行をした人物は酒を飲んでいたが、キャロル自身は飲んでいなかった、と語っている。「そんな大ごとではない。彼は何もしてはいないのだ。釈放されたあと、彼は警官たちにサインしてあげたりしていた」と弁護士は語り、ダメージ・コントロールに努めている。

2006年2月17日

シーズン総括と展望 QB編

ランオフェンスの大不振、パスプロテクションの悪化、エースWRウォーカーの開幕戦での戦線離脱。さらにRB/WR/TEたちの負傷欠場が増える一方となり、シーズンが深まるほどファーヴのプレー内容は悪化していった。一人相撲、無謀なプレーが明らかに増え、わずかな勝利のチャンスさえインターセプトで失ってしまうことの繰り返し。彼のメンタル面をしっかりコントロールできない首脳陣への批判も高まり、ヘッドコーチ解任の一因にもなったことだろう。

ファーヴの引退問題が今オフの最大の注目点なのは言うまでもない。プレーオフに出場した昨年や一昨年でさえ(後の告白によると)引退の一歩手前まで気持ちが行ってことを考えると、これほどつらいシーズンを過ごした彼が再びチームを率いる気持ちになってくれるのか、悲観的な見方も多い。引退した場合は昨年の1巡指名QBロジャースが昇格するが、キャンプやプレシーズンで目覚しい活躍を見せたわけでもなく、「まだまだファーヴの方がずっと良い」というのが地元メディアの見方。

来季のパッカーズにいることが確定しているのはロジャースだけで、全てはファーヴの引退問題が決着してから。引退の場合、ある程度実績のある2番手QB候補をFAで補強する可能性は高く、またドラフトで指名する可能性も出てくる。

ブレット・ファーヴ Brett Favre

オフェンスの主力選手が1人消え2人消え、信頼できるレシーバーはWRドライバーとFBヘンダーソンだけだった。「自分がやらねば」の気持ちが強すぎて悪い方向に行ったのは明らかだが、実際彼がやらねば勝利のチャンスなどない試合ばかり。ポケットでの身のこなしなどフィジカル面ではむしろ前年あたりよりも鋭くなっており、そちらを心配する声はほとんどない。

というわけで、現役続行への障害はモーティベーション。続行の場合、周囲のタレントレベルを向上させ、ファーヴの試合中のメンタルを安定させることが新コーチ陣の大きな課題となるだろう。

アーロン・ロジャース Aaron Rodgers

昨年の1巡指名QBで、ファーヴの後継者となる路線は決まっている。昨夏はクレイグ・ノールよりは上ということを見せただけで、実力でファーヴの地位を脅かすことは全く出来ていない。終盤まで競った試合ばかりだったため出番がほとんどなく、レギュラーシーズンでの経験は積めなかった。発言はどれも極めて殊勝で、未来のリーダーとしてのフィールド外でのテストには合格していると言えそう。

クレイグ・ノール Craig Nall

毎年しぶとく3番手に残ってきた彼も、4年目を終えてもうじきFAとなる。かつてのハッセルベックのようにプレシーズンで活躍して他チームからの興味を惹くようなこともできておらず、今年はどこに移籍しても2番手を争うのがせいぜいだろう。そこそこ動けて、肩もまずまず。ウェストコーストオフェンス経験のある若い控えQBを望むチームなら、安価で1年契約してくれるかもしれない。パッカーズでも、ファーヴが引退した場合は2番手を争うチャンスがあるかも。

2006年2月16日

Notebook: 大学フットボール開催は望み薄

2006年2月15日

シーズン総括と展望 RB編

2003年前後はNFL屈指の強力ランオフェンスを誇ったパッカーズだが、2005年は1回平均3.4yds(NFL31位)と極度の不振にあえいだ。両ガードが入れ替わったOL陣のランブロック不振はプレシーズンゲームから明らかだったが、そのうえ、シーズン前半にグリーンとダヴェンポートが相次いで戦線離脱し、回復不能の状況に陥ってしまった。

3番手のRBフィッシャーが昇格し、RBラシャード・リー、RBウォルト・ウィリアムズと相次いで補強するが、結果としてどれも先発には荷が重かった。そんな中で、シーズン半ばにプラクティス・スクワッドから昇格したRBガドーが大活躍。ナイジェリア出身のユニークな経歴もあいまって、今季パッカーズの数少ない明るい話題を提供した。

今オフは、4年間トリオを組んできたグリーン、ダヴェンポート、フィッシャーの3人が一度にFAとなる珍しい事態だ。本来ならグリーンとはシーズン中に契約延長交渉をするところだが、将来が危ぶまれるほどの大ケガで、それもなくなってしまった。RB陣全体の先行きが不透明ななか、来季のロースターにいる可能性が最も高いのはガドーだ。

アーマン・グリーン Ahman Green

4年連続でプロボウルに選ばれた不動のエースも、大事な契約最終年にヒザ上の大腿四頭筋腱を断裂。2000年に同じケガをしたDTサンタナ・ドットソンやDTスティーヴ・ウォーレンは、けっきょく以前の力を取り戻すことなくNFLを去っている。リハビリは極めて順調で開幕には間に合うと言われているが、いきなり100%の回復を期待するのは楽観的過ぎるだろう。

実力を証明するためなら1年契約でも構わないと本人も語っており、「安い1年契約 + 多めの出来高払い」が現実的な線か。その前に、まずトンプソンGMとマッカーシーHCが再契約を望むことが必要だ。今年はFAとなる有力RBが多く、買い手市場なのも本人には気の毒。

サムコン・ガドー Samkon Gado

ナイジェリア生まれ、ディビジョンI-AA出身のドラフト外ルーキー、それに成績優秀な努力家で医学部志望、と非の打ち所のないシンデレラ・ストーリー。出場8試合、先発5試合で582ydsラッシング、ラン・パス合わせて7TDを挙げ、平均で4ydsを超えたRBはチームで彼だけだった。ファンブル問題やブロッキングなど未熟な点はまだ多いが、パスキャッチは悪くない。エースはともかく2番手なら十分に務まることは証明済みで、来季の開幕ロースター入りは濃厚だ。

ナジェ・ダヴェンポート Najeh Davenport

グリーンの代役でスターターを担うはずが、最初に先発した第5週に足首を骨折してシーズンエンド。全試合出場したシーズンが一度もなく、毎試合25回キャリーできるようなタフネスはけっきょく証明できなかった。不運な面もあるが、毎年オーバーウェイトでキャンプに現れるのが通例で、自己管理能力はグリーンとは比べ物にならない。キックオフリターナーとしてはなかなかの実績があったが、そこでもキャリア最低の18.9yds。

本人の希望額にもよるが、ガドーの台頭もあり、高額の複数年契約をパッカーズと結ぶのはまず無理。プロ4年間で平均4.9ydsという数字は確かに素晴らしく、スターターの座を用意するチームが絶対現れないとは言えないが、今年のFA市場では望み薄だろう。

トニー・フィッシャー Tony Fisher

グリーンとダヴェンポートのケガで4試合に先発したが、平均2.9ydsに留まり、ガドーの引き立て役になってしまった。3rdダウンバックとしてブリッツのピックアップや、スクリーンでのブロッカーの使い方などは非常にソツがなく、パスキャッチは48回347ydsと優秀な働きでファーヴを助けた。しかしRBとしては穴に飛び込むスピードも馬力も鋭いカットバックもなく、エースの代わりが務まらないことははっきりしている。

コーチ陣が入れ替わり、しかもエースRBがはっきりしない現状では、彼のようなタイプに居場所が与えられるかどうかは疑問だ。仮に安価で一年契約したとしても、ここ数年と違い、開幕ロースター入りのためには激しい競争に勝ち残らなければならないだろう。

2006年2月14日

OL陣の体脂肪率カットへ

今年からゾーンブロッキング・スキーム導入を図るジャゴジンスキー新OCは、体重を絞って機動力をアップするようOL選手たちに求めている。「私が求めるのは本当にアスレチックな選手だ。太いだけの者は必要ない。体重過多は選手のためにならず、むしろ害になると私は思っている」とジャゴジンスキーOC。これはOTバリーやRGウィティカーのような巨漢タイプだけではなく、RTタウシャー、LTクリフトン、Cフラナガンたちに向けての言葉でもあるらしい。

ゾーンブロッキングのチームは比較的小型でアスレチックなOLを求めるため、名OLコーチのアレックス・ギブスがデンバーで黄金期を築いた頃は300ポンド(136kg)以上の先発OLはおらず、昨年のファルコンズも300ポンド超の選手は1人だけだったらしい。いっぽう、2005年終了時のパッカーズは平均317.6ポンド。ただし問題は体重よりも体脂肪であり、それを18%から20%の間に抑えたい、とジャゴジンスキーOCは語っている。

2006年2月13日

Frozen Tundra Hockey Classic

ランボーフィールド初のアイスホッケー戦、NCAA史上でも数えるほどしかない屋外ゲームが土曜日に開催され、スタンド(北側半分と仮設スタンド)を埋めた40,890人のファンがこの "Frozen Tundra Hockey Classic" を楽しんだ。試合はホームのウィスコンシン大が4-2で強敵オハイオ州立大に快勝。気温は-3℃と比較的穏やかで、選手も若いファンたちも寒さは気にならなかったようだ。

試合開始6時間前の朝9時の開門から、ランボーフィールド駐車場ではテイルゲートパーティが始まっていた。「バスで会場に乗り込むとき・・・みんなテイルゲートで大騒ぎして僕らに歓声を送っていた。あの騒ぎを見て、みんな緊張してしまった。もう静まり返った」とウィスコンシン大の主将アダム・ブリッシュ。

普段とは違い、ウィスコンシン大の赤いジャージで埋め尽くされたスタンドにアダム・ブリッシュは、「全てがウィスコンシンだったね。まるでみんなファーヴのジャージをウィスコンシンのホッケージャージに取り替えたみたいだった」と語っている。最後にダメ押し点を入れて試合を終えると、興奮したウィスコンシン大の選手たちは1人ずつスタンドに向かって走り、最初で最後のランボーリープを楽しんでいた。「もう完璧だったよ。あそこに飛び込んでファンたちと喜びを分かち合えるなんて、本当に特別な瞬間だった」
 

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ここに来たからには当然テイルゲート ウィスコンシンの得点に沸くスタンド 二度とチャンスのないランボーリープ

敗れたオハイオ州立大のジョン・マーケルHCもこのイベントの成功を喜び、「この場所に来てこれほどの観衆の前でプレーできたことを光栄に思っている。この試合は非常によくサポートされていた。素晴らしいイベントだった。ここは何もかもがプロフェッショナルだ。ここに来て同じようにプレーすることを私は誰にでも薦められるよ」と振り返っている。

試合の様子を報じる地元ニュース映像はこちらから。一般スケーターにリンクが開放された前日のイベントについてもニュース映像がある。前日の練習や親睦会を含めたこの試合の写真集はこちらから

2006年2月12日

Notebook: RB ガドーは新システムに期待

2006年2月11日

今年のパッカーズのフリーエージェント

今年パッカーズからフリーエージェントになる選手は下表のとおり。無制限フリーエージェント(UFA)は、どことでも好きに契約できる通常のフリーエージェントのこと。いっぽう制限つきフリーエージェント(RFA)は制約があって移籍実現は難しく、古巣と1年契約をして来年UFAとなるのが一般的なパターンだ。詳しくは用語集を参考のこと。

今年のFA期間は3月3日にスタート。キャップを超過しそうなチームはその前日までに、高給取りを解雇するなり契約を結び直すなり、やりくりしてサラリーキャップ額に収めておかなければならない。2006年のサラリーキャップ総額はまだ確定していないが、昨年より$5ミリオンほど増えて$90ミリオン前後になるものと予想されている。

自軍の選手との再契約交渉も、競争相手が参入してこない3月2日までなら、いわば独占交渉ができる。自信がある選手は「FA市場を試したい」と言って3月3日になるのを待てばいいが、FA市場で思ったより人気が出ず、かえって値段が下がってしまうリスクもある。こうしたことを踏まえ、代理人と球団側の駆け引きが3月2日深夜まで続く。もちろんFA期間に入ってから再契約が成立することもある。

今年のパッカーズはいつになく主力選手のFAが多い。そのためシーズン中にも彼らとの契約延長が予想されたが、RBグリーンとRBダヴェンポートは大ケガ、DTグレイディ・ジャクソンとFBヘンダーソンは年齢の問題、KロングウェルとCフラナガンはスランプ気味で、今年は株を下げた選手ばかり。長期契約交渉に値する主力選手はDEキャンプマンだけとなり、じっさい交渉は行われたが妥結には至らなかった。

これだけFAが多いとサラリーキャップが心配になるが、今年のパッカーズには$20ミリオン前後(リーグ5位あたり)の空きがあり、重要選手と再契約した上でFA補強に乗り出すゆとりは十分ある。

RBグリーンが契約最終年にヒザ上の大腿四頭筋腱を断裂したことは本人には(経済的にも)非常に気の毒だが、パッカーズにとっては、このタイミングは天佑神助と言っていい。これが契約延長直後なら大損害になるところだが、本人も語っているように1年契約をして復活の可否を見極めてもいいし、ドラフトやFAを利用して若手への切り替えを進めてもいい。

Green Bay Packers 2006 Free Agents
Name Pos FA区分 Age 備考
Ahman Green RB UFA 28 プロボウルの常連も大事なコントラクト・イヤーに大ケガ。来季開幕に間に合っても元の力が出せるとは限らず、本人は1年契約も受け入れる姿勢
Najeh Davenport RB UFA 27 4年間ケガが多く、スターターを担えることを証明できず。ガドーの台頭で2番手RBとしても立場弱まる
Tony Fisher RB UFA 26 パスキャッチの上手い小器用な3rdダウンバックだが、たとえ臨時でも先発は任せられない
William Henderson FB UFA 34 プロボウルFBでリーダーシップも貴重だが、ランブロッキングはパワーダウンしてきている。逆にパスオフェンスでの貢献度は上がっている
Rod Gardner WR UFA 28 シーズン終盤に加入した元1巡指名選手で、3番手を争う力は十分ある。ファーガソンの不振は追い風
Craig Nall QB UFA 26 ロジャースの入団でやはり3番手のまま。ファーヴ引退なら残留の可能性は高まるが
Mike Flanagan C UFA 32 OLのリーダー格で実力はトップクラスだが、ヘルニアに苦しんだ。キャリア3回の大ケガと年齢をどう判断するか
Grey Ruegamer G/C UFA 29 インサイドの3ポジション全てこなせる器用貧乏。右ガードで数試合先発したがやはり控えの器だろう
Kevin Barry OT UFA 26 先発級と言われ続けているが右タックルしかできないのが大きな難点。タウシャーには勝てず
Aaron Kampman DE UFA 26 キャリアベストの81タックル・6.5サックを挙げ、昨春よりさらに株を上げた。プレミア級ではないが、ケガの少ないハードワーカーでリスクは小さい
Grady Jackson DT UFA 33 実力十分、ラン守備のキーマン。珍しくケガなくシーズンを終え、高額契約に向け本人は強気だが、年齢・体重・ケガとリスクが大きい
Paris Lenon LB UFA 28 ドラフト外出身、LBの全ポジションをこなせる便利な控え。今季は代役で12試合に先発したが物足りない
Ryan Longwell K UFA 31 成功率8割を切ったキャリア2回目のスランプだったが、勝負強さや悪天候での強さは捨てがたい
Rob Davis LS UFA 37 安定したロングスナッパーだが他のポジションはできない。年齢的にそろそろかも
         
Antonio Chatman WR RFA 26 レシーバーとしては成長したがリターナーとしてはやはりそこそこ。小柄な割にスピードはさほどでもない
Kenny Peterson DT RFA 27 成長を見せて多少は戦力になったが、無理に残すほどではないかも。パスラッシュよりラン守備に難

2006年2月10日

Notebook: 7選手と契約

2006年2月 8日

Assistant Coaches Notebook

2006年2月 7日

2005年スタッツ集 オフェンス・ターンオーバー編

今回はオフェンスとターンオーバーのまとめ。昨年および一昨年のスタッツも参照のこと。

オフェンス
Total 得点 ラン ラン(1回) ランTD FumLos パス パス% パスTD INT サック 3rd% 反則 反則
319.9 18.6 84.5 3.4 11回 15回 235.4 61.2% 20回 30回 27回 41.2% 119回 918yd
18位 22位 30位 31位 17位T 26位T 7位 11位 17位T 32位 5位T 10位 19位 16位

ほとんどの数字が昨年より悪化したが、特に平均3.4yds(31位)のラン攻撃と30INT(最下位)が今季のチーム不振の原因と言っていいだろう。プロボウル級の両ガードが抜け、OLのインサイドの力が大幅に低下、さらにシーズン序盤でWRジャヴォン・ウォーカー、RBアーマン・グリーン、RBナジェ・ダヴェンポートが戦線離脱。TEを含めたレシーバー陣で元気だったのはWRドナルド・ドライバーだけであり、QBファーヴを精神的に追い詰めるばかりになってしまった。特にディープスレットのWRウォーカーの不在は守る側を楽にし、オフェンス全体が悪循環に陥った。

相手は容易にランを止めることができ、フォルススタートもあってすぐに3rdダウンロング。WRドライバーやFBヘンダーソンへのパスでなんとか3rdダウンをクリアするが、ロングドライブの間にどこかで大きなミスが出てしまう。パスプロテクションの悪化のためリスキーな試合運びも致し方ないとはいえ、無謀なプレーがあまりにも多すぎた。3rdダウンロングで無理をしてINT。代役レシーバーとの息が合わずにINT。唯一信頼できるWRドライバーにパスを集めたところを狙われINT。OLが押されるのでDLにパスをティップされINT。一気に流れを変えようとロングボムを投げるがWRファーガソンが競り負けてけっきょくINT。

RBアーマン・グリーンはケガで戦線離脱するまでの5試合で1つもTDが獲れず、1回平均3.3yds、1試合の最高が58ydsどまり。シーズン後半にはドラフト外ルーキーのRBサムコン・ガドーの7TDの活躍が話題を呼んだが、そのガドーも平均4.1ydsと、驚くほどの数字ではない。ファンブル4回で1回しかロストしなかったのはツキにも恵まれた。

両ガードについてはFA補強とルーキーの成長に期待をかけたシーズンだったが、けっきょく大きな前進は見られず、左右とも大きな穴がふさがらないままオフを迎えることになってしまった。Cマイク・フラナガンもケガがちで、若手を助けるどころか、インサイドの悪化に拍車をかける結果となった。

被サック数は、NFL1位だった昨季からほぼ倍増したとはいえNFL5位。パスプロテクションがかなり弱体化したのにこの程度の数で済んでいるのは、(パスラッシュをかわす能力だけでなく、スナップ前の読みや素早い判断など)ファーヴの個人能力に他ならない。3rdダウン成功率10位もファーヴがほぼ独力で稼ぎ出した観がある。

ターンオーバー
Takeaways Giveaways DIFF
Total Int FumRec Total Int FumLos  
21 10 11 45 30 15 -24
26位 26位 17位T 32位 32位 26位T 31位T

ディフェンスのビッグプレー不足は多少マシになったとはいえ相変わらず。それ以上にひどいのがオフェンスで、NFL最悪の30インターセプトについては前述のとおり。またパスプロテクションの悪化でファーヴの被サックからのファンブルが増え、ファンブルロスト数を押し上げてしまった。攻守を合計したターンオーバーレシオはNFL最下位タイで、これで勝つ方がおかしい。

2006年2月 6日

2005年スタッツ集 ディフェンス・スペシャルチーム編

遅ればせながら、今季のパッカーズのチームスタッツのまとめ。昨年および一昨年も参照のこと。

ディフェンス
Total 失点 ラン ラン(1回) ランTD FumRec パス パス% パスTD INT サック 3rd% 反則 反則
293.1 21.5 125.6 4.0 10回 11回 167.5 58.6% 22回 10回 35回 35.9% 98回 975yd
7位 19位T 23位 18位 7位T 17位T 1位 14位 22位 26位T 20位T 9位 4位 18位

トータルディフェンス7位、パスディフェンス1位への躍進が光るが、パッカーズオフェンスの不振により相手は常にリードする展開のためパスを投げる必要がないこと、一流QBとの対戦が少なかった(カルペッパー、ロスリスバーガー、マクナブが負傷欠場し、ハッセルベックは前半だけ)ことがなんといっても大きい。パス1回あたりのゲインはNFL14位の6.69ydsであり、本当の実力はこのあたりかもしれない。オフェンスとは違ってディフェンスは主力にケガ人が少なかった。

平均4.0ydsのラン守備は、18位とはいえパッカーズとしては近年にない好成績。ラン守備の要、DTグレイディ・ジャクソンがシーズンを通して元気だったことも一因と言えそうだ。1試合平均125.6ydsは褒められた数字ではないが、リードした相手が後半にラン回数を増やすため、やむを得ない面もある。

両DEが自由に動けるスキームにも関わらず、パスラッシュの中心となるべきDEバジャ=ビアミラは8サックに終わり4年連続2ケタサックで途切れ、プレッシャーをかけた回数も物足りなかった。チーム全体のサック数も9位から20位に後退。4メンラッシュではまるでプレッシャーがかけられず、やむを得ずブリッツすると裏目に出る、というのがTDを許すパターンだった。しかしTDパス数が昨季の33回(NFL最下位)から22回(22位)と大幅改善しているのは、今季のジム・ベイツDCがよかったこともあるが、昨季のスロウィッDC体制がひどすぎたのかもしれない。

スペシャルチーム
Kickoff Punt Kickoff Ret Punt Ret Field Goals
Avg. Coverage Avg. Coverage Net     成功率 回数
60.9 21.6 38.9 6.9 33.5 18.7 8.5 74.1% 20回
23位 12位 31位 9位 32位 32位 13位 27位 26位T

大ベテランのブライアン・バーカーからB.J.サンダーに世代交代したパンターは、今季前半はまずまずだったがシーズンが深まるにつれてひどくなり、終わってみればグロス(飛距離)で31位、ネット(リターンydsを差し引いた正味)で32位という体たらくだった。サンダーは最後の2試合を負傷欠場したが、その直前の5試合はグロスで35.7yds、ネットで29.1ydsという悲惨な数字。低温や悪天候の日には「シャンクさえしなければ御の字」という印象だった。

昨季はFG成功率85.7%に加えゲームを決めるFGを4本全て成功させたKロングウェルだったが、今季はホルダーの交代もあって成功率27位と低迷した。特に、これまで極めて高い成功率を誇ってきた40yds以内を6割しか決められず、その失敗が敗戦に結びつくことが多かった。ただし50yds以上を5回蹴って4回成功は立派。(今季4回以上成功は4人だけ)

パントリターナーのチャットマンは、キャリア初のタッチダウンを含めNFL13位と彼にしては上出来。いっぽう、8人がかわるがわる務めたキックオフリターンはNFL最下位の大不振で、自陣20ヤード付近で攻撃が始まるのが当たり前だった。RBダヴェンポートをはじめRB陣とWR陣にケガ人が続出したためリターナーを固定できず、ケガ人の多さはブロッカーたちのプレーの質にも大きな悪影響を与えた。

2006年2月 5日

故レジー・ホワイトのNFL殿堂入りが決定

かつてイーグルスとパッカーズでDEとして活躍し、2004年12月に急逝した故レジー・ホワイトがNFLの殿堂入りをすることになった。39名の選考委員会による最終投票で今年の殿堂入りに選ばれたのは、QBトロイ・エイクマン、QBウォーレン・ムーン、ヘッドコーチ・解説者のジョン・マデン、OTレイフィールド・ライト、LBハリー・カーソン、そしてレジー・ホワイトの6人。

史上最高のディフェンシブラインマンとも言われるレジー・ホワイトは、一昨年の12月26日、持病のサルコイドーシスに起因する心臓発作のために急死。すでにパッカーズもイーグルスも今季中に背番号92を永久欠番とし、セレモニーを行っている。なお、パッカーズからNFLの殿堂入りを果たすのは2003年のWRジェームズ・ロフトンに続いて21人目(リスト)であり、ベアーズの26人に次いで2位。

レジーの未亡人サラ・ホワイトは受賞スピーチで、「どの街も、選手としても人間としてもレジーを大切にしてくれました。夫について素晴らしいのは、誰ひとりとして彼のことを悪く言えないことです。彼がここにいてくれたら・・・それだけが残念なことです。でも彼はここにいる。本当にいるんです」と声をつまらせた。

パッカーズのボブ・ハーラン社長は以下のような声明を発表している。

「90年代にパッカーズがエリートチームに復活する基礎を築いてくれたのは、レジー・ホワイト、ロン・ウルフ(GM)、マイク・ホルムグレン(HC)、ブレット・ファーヴだったと、つねづね我々は感じている。レジーは、グリーンベイにやってきた時すでに実績あるスター選手だった。彼はフィールドの中でも外でも、この球団に素晴らしいリーダーシップをもたらしてくれた。そして他のフリーエージェントたちに、移籍先を決める前にパッカーズをしっかり検討すべきだ、とメッセージを送ってくれたのだ。他の20人の殿堂入り選手たちと共に、レジーの名前がランボーフィールドに刻まれるのを私は楽しみにしている。今日は我々のフランチャイズにとって、とても特別な日だ」

2006年2月 4日

ゾーンブロッキング

ジャゴジンスキー今季不振を極めたラン攻撃を立て直すため、マッカーシーHCとジャゴジンスキーOCはゾーンブロッキングの導入を計画している。ブロンコス(1000ydsラッシャーを量産)とファルコンズ(2年連続ラン攻撃1位)で成功を収めたアレックス・ギブスの下でジャゴジンスキーは2年間ゾーンブロッキング・スキームを学び、「あのスキームの内部構造については十分に知識を得ることができた」と語っている。

個々のブロッカーが特定のディフェンダーを割り当てられる(アサインメントブロック)のではなく、決められた自分のエリアに来たディフェンダーをブロックしていくのがゾーンブロッキング。「決まった進路を保ち、そこに来る相手ディフェンスを誰でもブロックしていく。だからアグレッシブになることができる」とフィルビン新OLコーチ。

ダブルチームを多用するこのシステムでは、軽量でも機動力のあるアスレチックな選手が必要とされるが、RTタウシャーやLTクリフトンは機動力も十分とコーチたちは見ている。「大事なのはアスリートが必要であることだ。320ポンドでも297ポンドでも、それは関係ない」とフィルビンOLコーチ。今季先発右ガードとして苦しんだRTウィティカーのような大型選手は向かないのではという懸念に対しては、以前のようなプルブロック(正面の相手ではなく横方向に動いて遠くのディフェンダーをブロックする)を必要としなくなるため、かえってフィットするはずだ、とのこと。

新スキーム導入について全OL選手に電話で説明をしたというフィルビンOLコーチは、「選手の間には、興奮と、そして多少の不安があるようだ」と語っている。これまでのパッカーズオフェンスにゾーンブロッキングがなかったわけではなく、2005年シーズンでは30%から40%がゾーンだったとのこと(ブロンコスはおよそ95%)。アトランタではドラフト下位やドラフト外出身のOLが多く、より限られたタレントで成功を収めることができた、とジャゴジンスキーOCは語り、「ここにはアトランタよりもタレントが多い」と自信を示している。

2006年2月 3日

CFLのパンターと契約へ

昨季CFLウィニペグで平均50.6ydsと大活躍したパンター、ジョン・ライアンがパッカーズと契約する見込みだ。すでに1月17日にグリーンベイでワークアウトを行った彼は、その後ベンガルズとジャイアンツでもワークアウトを行い三者から契約をオファーされているが、ウィニペグ・サン紙によると、パッカーズとの3年契約に合意した、とライアンの母親が認めている。

ジョン・ライアン(24歳)はカナダ・サスカチュワン州レジャイナの出身。レジャイナ大学ではパンター兼キッカーとして活躍し、2004年のドラフト3巡でウィニペグに入団。1年目は43.2ydsで4位だったが2年目は大きく成長し、平均50.6yds、ネットでも42.3ydsと抜群の数字でCFL記録を塗り替えている。

ライアンがパッカーズを選ぶのは、競争相手のレベルが低いことが最大の理由と思われるが、彼の母によると、「グリーンベイはレジャイナやウィニペグとよく似て居心地がよさそう」とのこと。ウィニペグとの2年契約が切れるのは今月15日なので、どこに移籍するにせよ正式契約はその後になりそうだ。契約ボーナスのオファーは$1万ドルとのことだが、競争によっては増額もありうる。

Freezing Tundra

来週末に開催される大学アイスホッケー戦 Frozen Tundra Hockey Classic の準備がランボーフィールドで始まった。スタジアムの北側3分の2ほどにリンクを作るため、フィールド南側28ydsあたりから大きな仮スタンドを作っている(写真)。このあと、芝の上に板を張ってからリンクを設営していく。普段は土の下のヒーティングシステムで芝を保護しているが、今回は氷の下にクーリングシステムが埋め込まれて低温を保つらしい。

公式サイトのLambeau Camで現在のスタジアムの様子を見ることができる。24時間作動しているかわり、夜になれば当然真っ暗なのでご注意を。

2006年2月 2日

Notebook: カート・ショッテンハイマーが復帰

ファーヴ発言への反応

ブレット・ファーヴ本人が「いま無理に決めるとしたら引退」とESPNに語ったことで、先週マッカーシーHCとトンプソンGMが作り出した楽観的ムードは吹き飛んでしまった。ESPNのインタビュー映像を2回見たというマイク・マッカーシーHCは、ファーヴの発言に特別な意味はないと語り、じっくり見守っていく姿勢を強調している。

「過剰反応するつもりはない。まだ1月だ。(わずかな発言に右往左往して)昼メロ的状況に巻き込まれたくはない。彼は殿堂入りするクォーターバックだ。家族とじっくり時間をかけて結論を出す、その資格が彼にはあるのだ。それが今のウチの状況であり、そのことに私はこれっぽっちも不満はない」

ファーヴ邸を訪問した時に、テッド・トンプソンGMとファーヴは引退問題を話さなかったが、マッカーシーHCとの話し合いでは話題になったという。マッカーシーHCは以下のようなファーヴとのやり取りを明らかにしている。

「テッド(トンプソン)とはこの件を話さなかった。僕はそちらに何かを要求するようなことはしたくない。僕は自分でいろいろと考えなきゃいけないことがたくさんある」とファーヴが言うと、「ただ、我々がぜひ君に帰ってきてほしいということだけは知っていてほしい。前回(1999年)は短かったからね」とマッカーシー。「一緒にやるのは楽しいだろうし、面白そうだ。ねえ、僕はグリーンベイに戻ってはプレーを続けることを15年も繰り返してきた。だからそれがもう1年増えるぐらい、別におおごとじゃないよ」とファーヴは答えたが、「でも他にも問題はあるけど」と付け加えたのだという。

2006年2月 1日

トム・クレメンツがQBコーチに

既報どおり、元ビルズOCのトム・クレメンツ(52歳)がパッカーズのQBコーチに就任することが発表された。マッカーシーHCが(残留組でなく)新たに選んだスタッフの中で、過去に一緒に働いたことがないのはこのクレメンツだけ。QBアーロン・ロジャース育成の成否はフランチャイズの将来を左右するだけに、QBコーチの人選についてはより慎重に時間をかけて行ったものと思われる。

「アーロン(ロジャース)を育てるため、もともと私は元QB選手を望んでいた。トムは嵐の中でも冷静、といったタイプだ。アーロンにも、またブレットにも、安定させる力になってくれるものと思う。トムと私は共通の知人たちがいるが、最終的に決め手になったのは面接だ。現役時代、そしてコーチのキャリアにおいて彼が成し遂げたことを見れば、優秀さはわかるだろう。トムは極めて落ち着いた性格をしていて、非常に知的な人物だ」とマッカーシーHCは評している。

ビルズのOCを務めたこの2年間は成功したとは言い難いが、クレメンツのQBコーチとしての実績はしっかりしたものがある。2000年のチーフスではQBエルヴィス・ガーバックがキャリア最高の成績でプロボウル出場。2001年にはスティーラーズのコーデル・スチュワートがキャリア最高の成績でプロボウル出場。2002年には同じくQBトミー・マドックスがカムバック賞を受賞している。ただしウェストコーストオフェンス経験は少なく、チーフスでの1年間だけらしい。

ノートルダム大のエースQBを3年間務めたトム・クレメンツは、通算29勝5敗、1973年には無敗での全米王座に貢献し、4年時はハイズマン賞の投票でも4位に入った。その後CFLで12年間活躍し、グレイカップ制覇2回、オールスター選出7回。すでにCFLの殿堂入りも果たしている。CFLでプレーするかたわら、ロースクールにも通って優秀な成績で卒業し、弁護士資格を取得した。引退から4年間は弁護士として過ごし、92年から母校ノートルダムでQBコーチに。96年に1年だけ弁護士業に戻ったあと、97年にマイク・ディトカHC率いるセインツのQBコーチに。ここで3年、チーフスで1年、スティーラーズで3年間QBコーチを務めた。2004年にビルズのOCに就任したが、2年目終了直後に解雇されていた。