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2006年5月30日

ドラフト指名選手紹介 4: LBアブドゥル・ホッジ

 3巡3位 LB アブドゥル・ホッジ Abdul Hodge
Iowa Senior 6-0 (184cm) 233lb(106kg) 40yds/4.66秒 1982年9月9日生

経歴 : 米領ヴァージン諸島で生まれ、フロリダ州ローダーデール・レイクスで育った。高校では陸上やバスケもプレー。フットボールでは3年間キャプテンを務め、オール・フロリダ州の1stチームなどさまざまな賞を受賞する。地元から遠いアイオワ大を選び、レッドシャツを経た1年目はスペシャルチーム、2年目には先発MLBとなり、以後3年連続で同大の最多タックルを記録した。4年間1試合も休まず出場している。

2年時には早くもビッグ10の1stチームに選ばれ、以後オールアメリカンやオールビッグ10の受賞多数。通算453タックルは同大史上3位。

Strengths : タフでフィジカルでパワフルな典型的なミドル/インサイドLB。しっかりしたテクニックがある。読みや嗅覚が非常によく、常にボールの近くにいる。反応が速く、プレーアクションにひっかかることも少ない。アグレッシブかつハードノーズで、笛が鳴るまでチェイスを止めない。ポイントオブアタックで強く、大きなブロッカーたちをしっかり受け止めるパワーがある。ハードヒットでファンブルフォースも多い。

Weakness : インサイド/ミドルLBには身長・体重とも小さく、NFLでやるにはもう少し下半身の馬力がほしいところ。動きがやや硬く、パスカバレッジの守備範囲は広くない。スピードのあるレシーバーのカバーでは苦戦するかも。ブリッツ能力はあまりないという見方もある。バルクを増そうとすると、そのぶんスピードが殺がれるかもしれない。

メンタル面 : 頭がよく、読みや嗅覚が非常に優れている。高い集中力を保ってプレーし、ミスが少なく安定している。チームプレーヤーで、リーダーシップも文句なし。

指名の経緯 : プレーぶりにあまり欠点のない即戦力タイプとされ、2巡あたりの評価が多かった。しかし最近のNFLではスピードのあるアスレチックなLBが好まれることも、彼が3巡まで落ちた理由のようだ。すでに1巡でLBホークを獲得したパッカーズが他の要補強ポイントを無視してわざわざ3巡で指名したということは、よほど彼を高く評価していたのかもしれない。

パッカーズにとって : 「彼なら3ポジションどこでもできる」とコーチは言うものの、やはり典型的なミドルLBタイプ。バーネットがいる以上、今年はミドルでのスターターはなさそうだ。「最終的にどのような形になるかは分からないが、ベストな3人のLBをプレーさせることになるだろう」とトンプソンGM。ミニキャンプではバーネットに次ぐミドルLBの2番手に入っていたが、今後はストロングサイドで試すこともありそうだ。

もしホッジが評判どおりに素晴らしければ、2年後にFAとなるバーネットとの再契約をせずにホッジにミドルを任せる可能性もなくはない。

LB兄弟 : 弟イライジャはウィスコンシン大でプレーしている。2年生になる今年は、兄と同じくミドルLBで2番手となるようだ。「スプリング・プラクティスを見にウィスコンシン大に行ったとき、『もしグリーンベイが獲ってくれたら理想的だよな』って弟と話したところなんだ。母は両方の試合を観ることができるし、僕は(アイオワ大と同じ)中西部に住み続けられるし、言うことないね」と本人。

アイオワ大 : 同大はウィスコンシン大と同じカンファレンスであるため、パッカーズファンにとっては比較的なじみの選手でもある。同僚のLBチャド・グリーンウェイは1巡17位でヴァイキングスに指名された。現在パッカーズの同大出身者はDEキャンプマンやDTコリン・コールがおり、地味だが真面目なハードワーカーという点で共通している。ウィスコンシン州の西南に接するアイオワ州ではNFLの中ではパッカーズが1番人気で、ヴァイキングス、ベアーズが続いている。

2006年5月29日

ドラフト指名選手紹介 3: WRグレッグ・ジェニングス

 2巡20位 WR グレッグ・ジェニングス Greg Jennings
Western Michigan Senior 5-11 (180cm) 197lb(89kg) 40yds/4.42秒 1983年9月21日生

経歴 : ミシガン州カラマズー出身。高校ではフットボールの他にバスケや陸上でも活躍し、4x100mリレーでは州大会決勝に進出。地元のウェスタンミシガン大に進み、2年目からはスターターとして全試合に先発出場した。2003年には1050ydsで14TD、2004年には1092ydsで11TD、2005年には1259ydsで14TDと大活躍を続け、3年連続でチームのオフェンスMVPに選ばれた。

3回の1000ydsを記録したWRはディビジョンI-A史上11人目。2年時にはカンファレンスの2ndチーム、3年・4年と連続で1stチームに選ばれている。4年時の98キャッチと1試合平均8.91回はどちらも全米1位で、1試合平均114.45ydsは全米2位。3年時にはパントリターンで14.8ydsと素晴らしい数字を残した。

Strengths : 全てにおいて穴がなく、アスリートとしてよりもレシーバーとして優秀。スピードもあるがそれ以上にクイックでアジリティに優れ、特に3コーンドリルはWR中トップクラスの数字。鋭いカットと加速を持つ。ボディコントロールがよく、シャープなルートランナー。パスキャッチが非常に上手く、体から離れたパスでもスピードを落とさず容易に捕ることができる。目がよく、オープンフィールドでタックラーをかわすのも巧み。身長はないが比較的ガッチリしている。

大学の特に最後の頃はショートパス主体のオフェンスだったためディープスレットとしては使われず、ロングボールのキャッチはほとんどなかった。しかし密集を恐れずにタフなキャッチを重ね、ランアフターキャッチを稼いできた。優れたリターナー実績がある。

Weakness : サイズが小さい。スピードや爆発力はエリート級とは言えない。カンファレンスのレベルは高くなく、トップクラスのCBを振り切れるかどうか。プロのCBのフィジカルなバンプに押し負けるかもしれない。ときおりキャッチ直前に目を離してイージーなキャッチミスすることがある。ランブロッキングで手抜きをすることはないが、サイズ的にどうか。

メンタル面 : フットボール頭はかなりよく、学習能力が高い。優れた嗅覚を持ち、判断力もよい。多少のケガを押して出場を続けてきたようにタフで、ハードにプレーする。ビッグゲームでビッグプレーを見せる。

指名の経緯 : 素晴らしい成績のわりに目立たない存在だったが、プロのスカウトの間で評価が高かった選手。「今ドラフトで2番目のWR」と評価する他球団のスカウトもいる。いっぽうパッカーズは、WRウォーカーのトレード要求とWRマーフィの(ケガにより)解雇というダブルパンチで、将来の先発WR候補を上位で指名する必要に迫られていた。

もともと2巡4位指名権を持っていたパッカーズは、WRとしては全体2番目でWRチャド・ジャクソン(フロリダ大)を指名することもできたが、2巡20位にトレードダウンして3巡11位を受け取った。そしてトレード相手のペイトリオッツがそのままWRチャド・ジャクソンを指名し、パッカーズは20位でWRジェニングスを指名した。

パッカーズにとって : WRウォーカーを放出したいま、スターターが確定しているのはドライバーだけ。ファーガソン、ガードナー、ボーリクター(元KC)がスターターを争い、ジェニングスもそこに加わることになる。WRが1年目から活躍するのは非常に難しいものだが、さしあたって3番手・4番手あたりを争い、シーズンが深まるにつれて数字を伸ばしてくれれば理想的。将来的にはもちろんスターターとなることを期待されている。2回のミニキャンプを終え、不気味なほど彼の評判はいい。

4巡指名のWRロジャースもジェニングスも、パント/キックオフ両方で優れたリターナー実績を持っていて、今年の有力候補となっている。CBウッドソンもミニキャンプではリターナーをプレーしたが、ケガがちのベテランCBよりも若手WRに担当させるのが現実的な選択ではないか。

MAC : ウェスタン・ミシガン大はミッドアメリカン・カンファレンス(MAC)の中ではやや地味な存在だが、昨年はLBジェイソン・バビン(テキサンズ)が同大史上初の1巡指名選手となった。今年はWRジェニングスの他にTEトニー・シャフターが2巡29位でブロンコスに指名されている。また、カラマズー・セントラル高校で彼のチームメイトだったRBジェローム・ハリソン(ワシントン州立大)は、ブラウンズに5巡指名されている。

2006年5月28日

4巡指名のWRコーリー・ロジャースが逮捕

先日のドラフトでパッカーズから4巡指名されたばかりのWR/KRコーリー・ロジャースが、テキサス州のバーでのギャングとの集団乱闘騒ぎの中で逮捕されるという事件があった。罪状は武器の不許可携帯および発砲で、他にもテキサス・クリスチャン大(以下TCU)のチームメイトが2人逮捕されている。ロジャースはすでに$2000ドルの保釈金を支払い、その日のうちに釈放されている。

事件が起きたのは、TCUの地元フォートワース市でのこと。警察の調べによると事件の発端は、バーでギャングからサインを求められたり酒をおごるよう求められたロジャースが、それを拒んだことらしい。50人から60人ほどがビール瓶やビリヤードのキューをひっつかんでの大乱闘となり、警察官20人が出動してようやく鎮圧された。この騒ぎの中でロジャースは駐車場で空に向かって2回発砲し、逮捕された。

この乱闘事件での逮捕者はロジャースに加えてTCUのチームメイト2人、そしてギャングのメンバーの合計6人。偶発的な事件であり、選手たちとギャングたちとは何の関係もなかった、と警察は説明している。パッカーズ側は「現在情報収集にあたっている」との短い声明を発表し、今後の司法手続きを見守っているところ。処分をするにしても、決定はもう少し先になりそうだ。

2006年5月26日

ドラフト指名選手紹介 2: T/Gダリン・カレッジ

 2巡15位 T/G ダリン・カレッジ Daryn Colledge
Boise State Senior 6-4 (194cm) 299lb(136kg) 40yds/5.04秒 1982年2月11日生

経歴 : アラスカ州ノースポール出身。高校ではフットボール(オフェンス/ディフェンス/パンター)のほかに野球や陸上でも活躍。砲丸投げでは州大会で入賞した。アイダホ州のボイジー州立大に進むと、レッドシャツを経た1年目から4年間全て先発左タックルを務めた。2年目にはオールWACの2ndチーム、3年目と4年目には1stチームに選ばれ、全米屈指の左タックルと評価されている。

ボイジー州立大は2004年には全米2位の平均48.9得点、2005年は全米8位の37.3得点と強力オフェンスを誇った。この4年間で47勝5敗、4年連続でWACのカンファレンスチャンピオンになっている。

Strengths : 10yds走1.67秒はOT中トップ、3コーンドリルも垂直跳びもトップクラスとアスレチック能力に非常に恵まれている。クイックネスとボディバランスがよく、しっかりヒザを曲げられるのでパスプロテクションに優れる。スピードを活かしダウンフィールドに進んでのランブロックも速い。バルクはないが、まだ体重を増やせる骨格がある。ベンチプレスなどの数字はガードとしては物足りないものの、体幹部の馬力はかなりあるとパッカーズのコーチは見ている。

Weakness : OTの理想にはややサイズが小さい。腕が短めで、バルクに欠ける。下半身のパワーがなく、大型DLが相手だと馬力で押し負けることがある。評価はかなりまちまちで、テクニックが不安定という声もある。所属カンファレンス(WAC)がややマイナーで、トップクラスのパスラッシャーとの対戦経験が不足気味かもしれない。

メンタル面 : タフでナスティでミーン。意地の悪いプレーができる。ケガを押してプレーする。ワンダーリックテスト30点と頭がよく(OLとしては普通かも)、学習能力も高い。たまに集中力を欠くプレーも見受けられ、素晴らしいプレーと悪いプレーの落差が大きい。コンバインで各球団の面接を受けた際には、あまりに自信たっぷりの態度に、「うぬぼれ屋タイプなのでは」との懸念を持ったチームも多かったらしい。すでに結婚しており、「ヨメを養わなければ」というプロ根性はしっかりしている。

指名の経緯 : ゾーンブロッキングを導入した今年のパッカーズは何よりもアスレチックなOL選手を望んでおり、昨年のOGウィティカーのようなオーソドックスな巨漢OGは不向きだった。2巡5位の時点でOGタイトゥシ・ルトゥイ(USC)が残っていたが、より軽量アスレチックでパッカーズ向きのダリン・カレッジが2巡下位でも残っていると判断し、指名権を増やすべくトレードダウン。2巡15位でのカレッジ指名となった。

パッカーズにとって : 大学4年間すべて左タックルで先発してきたが、パッカーズでは空席の左ガードで先発させるべく、ミニキャンプ初日から1stチームに入れている。ガード初体験とはいえ、ゾーンブロッキングそのものは大学でずっとやっていた。そのため、もともと高く評価されていたパスプロテクションよりも、ランブロッキングの方が今のところは楽にこなせているようだ。

ボイジー州立大のコーチたちは、カレッジは昨年の1巡32位指名のローガン・マンキンズ(フレズノ州立大)と似ていると語っている。マンキンズも大学ではずっと左タックルをしていたが、ペイトリオッツでは左ガードとして1年目から全試合に先発出場した。比較的スリムな体格もアスレティシズムも似通っている。またパッカーズのコーチたちによると、現パンサーズのLGマイク・ウォールに似ているとのこと。

現在はチーム事情から左ガードをやらせているが、ガードがダメなら左タックルの控えとなるだろう。将来的には、先発LTクリフトンの後継者となってもおかしくない。

アラスカ出身 : アラスカで生まれた彼は3歳のとき南カリフォルニアに引越し、11歳で再びアラスカに戻った。そのブランクがあるためか、アラスカで最も人気のあるホッケーはプレーしなかった。父親はフェンス建設の会社を経営しており、彼自身も夏休みに建設の仕事を手伝ったことがある。アラスカにはフットボール部のある高校は十数校しかないらしい。ボイジー州立大のコーチは、別の選手をチェックするためにビデオを見ていたところ彼が目に付き、奨学金をオファーしてくれた。

今年の全体47位指名となったカレッジは、NFL史上最も高い順位でドラフト指名されたアラスカ州出身者となった。これまでの最高は、1996年に全体58番目に指名されたオレゴン州立大のSレジー・タング(アラスカ州フェアバンクス出身)だった。

2006年5月25日

メディカル・ガドー

3年前、故郷ナイジェリアの親戚を訪ねた際にRBサムコン・ガドーが出会った従妹は、病を押して出産したが、やがてエイズでこの世を去った。生まれてきた子供もエイズだった。アフリカの貧しい国ではエイズに苦しむ人々が多くても、診療所も医師も足りず、アメリカの高価な薬にはとても手が届かない。「こういった話はそこらじゅうにある。僕の従妹のことは決して特別な例じゃない」

こうして医学の道を志したガドーは、将来はナイジェリアに戻って故郷の人々を助けたいと願っている。「僕はあの状況を、自分の目で見てしまったんだ。あれを見過ごすなんてとんでもないことだ」と彼は言う。リバティ大では医学部進学コースを選択し(アメリカでは医学部は大学院から)、優秀な成績で卒業した。フットボールで道が開けた現在では医学部進学は一時中断の状態だが、何もしないでいるわけではない。今オフはトレーニングのかたわらグリーンベイの病院で働いているのだ。

仕事は週に3日、朝5時からのシフトが多い。看護士の地味な仕事を、彼は着実にこなしている。もちろん身分は隠しているので、パッカーズのシンデレラボーイが来た、と病院内で騒ぎになることはない。「自然に溶け込みたくてね。人に見せるためにやっているわけじゃないから。『おい、パッカーズ選手が働いてるぞ!』なんて言われたくない。僕はただ経験を積みたいだけなんだ。また来年もやるつもりだよ」

ほとんどはうまく隠し通せているとはいえ、患者が彼に気がついてしまうこともなくはない。彼を最初に見つけたのは、手術を終えたばかりの男性だった。その妻がガドーのところに来て、「夫はあなたがサムコン・ガドーだと言い張っているんです。本物ならこんなところで働いているわけないって私は言ったんですけど。それに夫は手術が済んだばかりで、まだ麻酔で朦朧としているし・・・」と言うので、ガドーは仕方なく夫の主張を認めたのだった。「えっでもあなたここでいったい何を?」

何をやっているかと聞かれれば、ありとあらゆることをちょっとずつ、と答えるほかない。血圧や心拍などのヴァイタルサインをチェックしたり、患者をベッドから助け起こしたり、トイレを助けたり。採血は以前は緊張したが、今ではラクラクとこなすようになった。「はっきりと静脈が浮き出た人ばかりじゃないからね。目だけではわからないから、感触だけを頼りに針を刺さなきゃいけないこともある」

仕事は楽しいことばかりではないが、医師として重要な、患者との接し方はずいぶん向上したとガドーは言う。「患者への思いやり、上手な接し方というのは、もともとできる人とできない人がいるのだと聞いている。もともとの僕の能力が高かったかどうかは別として、おおいに向上したのは確かだよ」

2006年5月24日

OTケヴィン・バリーが今季絶望

ミニキャンプ最終日の練習で負傷したOTケヴィン・バリーは大腿四頭筋腱の断裂と診断され、今年はプレーできないことが確定的となった。昨年RBグリーンが負傷したのと同じ場所で、手術が必要でリハビリには1年近くかかるのが普通。ヒザと大腿をつなぐ非常に重要な腱で、340ポンド級の巨体だけに完全復帰はそれだけ困難かもしれない。

今春パッカーズと再契約して右ガードで先発を目指したケヴィン・バリーだが、今年採用されたゾーンブロッキング・スキームには明らかに合っていなかった。機動力を最優先する今年のコーチ陣からは減量を求められていたが、例年同様にオーバーウェイトでキャンプに現れ、そのことがケガにつながったのでは、という見方もある。第1回ミニキャンプではジュニアス・コストン(プロ2年目で出場経験さえない)に次ぐ2番手右ガード、第2回ミニキャンプでは本職の右タックルに戻されていた。

上記の事情により、先発ガード候補を失ったというよりも、右タックルの控えを失ったという解釈でよさそうだ。右タックルならばOTエイドリアン・クレムが豊富な先発経験を持ち、おそらくバリーよりも今年のスキームには合っている。ただそうなると彼が両タックルの控えを務めることになってしまう。タックル陣は左が先発クリフトンと控えのクレム、右が先発タウシャーと控えのバリーでほぼ万全に近かったが、このケガにより控えのデプスが大きな打撃を受けたことは間違いない。

2006年5月23日

Mini Camp 2 - Day 3: OTバリーが大ケガ

2006年5月22日

Mini Camp 2 - Day 2: RBガドーのファンブル対策

2006年5月21日

Mini Camp 2 - Day 1: WRジェニングス好評

2006年5月20日

Notebook: 次のミニキャンプはファン公開

2006年5月19日

ドラフト指名選手紹介 1: LB A.J.ホーク

 1巡5位 LB A.J.ホーク A.J. Hawk
Ohio State Senior 6-1 (185cm) 246lb(111kg) 40yds/4.53秒 1984年1月6日生

経歴 : オハイオ州センターヴィル出身。高校ではミドルLBとして通算585タックル。パンターも務め平均40ydsを記録している。またバスケではポイントガードとして活躍した。地元の名門オハイオ州立大に進み(レッドシャツを経ず)1年目からウィークサイドの控えとして26タックル。2年目からウィークサイドでスターターとなり、4年目はキャプテンを務めた。

3年連続でチーム最多タックルを記録し、通算394タックルは同大史上5位。3年目からは各メディアのオールアメリカンやビッグ10カンファレンスの1stチームに連続して選ばれ、4年目にはロンバルディ賞やビッグ10のディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞。全米最高のLBとの評価を確固たるものにした。

Strengths : スピードほか身体能力に恵まれ、嗅覚や頭脳も素晴らしく、先発経験も豊富で、リーダーシップなど精神面も申し分なし。タックリングマシーンかつプレイメーカー。ミスタックルが少なく、ポイントオブアタックで強い。オープンフィールドへのパスートも速く、アングルがよい。ブリッツ能力も高い。ラン・パスの見極めがよく、ポジショニングがよい。

ヴァーサタイルでインサイド・アウトサイドどちらもでき、4-3も3-4も問題なくこなせそう。大学1年目から出場、2年目でスターターとなり、まる3年間の先発経験がある。伝統的なタイプの白人タフガイでもある。

Weakness : やや身長が低い。前や横方向のスピードが素晴らしいのと比べると、後ろ方向や方向転換はやや物足りず、プロの速いレシーバーのカバレッジに不安がある。下半身のパワーを増す必要がある。

メンタル面 : 非常に頭がよく、判断ミスが少ない。素晴らしい嗅覚を持ち、高い集中力をもってプレーする。派手な名声に興味を持たない生粋のハードワーカー。オハイオ州立の強力ディフェンスを率いたリーダーシップも文句なく、メンタル面での懸念は全くといっていいほどない。高校でヒザを痛めて5試合休んで以来、大学では練習も試合も1スナップも休んだことがない。

指名の経緯 : ホークは今年のドラフト上位で最もリスクの低い選手という声もある。DEマリオ・ウィリアムズが1位となったため、5位のパッカーズはLBホークまたはTEヴァーノン・デイヴィスのどちらかに絞られ、やはりホークを選ぶことになった。いっぽう2位のセインツは、RBレジー・ブッシュが1位指名された場合、DEウィリアムズでなくLBホークを選ぶつもりだった、という噂もある。

パッカーズにとって : ウィークサイドで先発させるべく、すでにミニキャンプから1stチームに入れている。ホークとバーネットのスピードを最大限に活かすには、DLがブロッカーをしっかり引き受けて彼らを自由に動かしてやる必要がある。これまではブリッツの下手なLBばかりだっただけに、ホークのパスラッシュにも期待。スピードのある万能LBが2人になったため、ニッケル隊形の頻度が増えそうだ。3巡指名のLBホッジは本来ミドルLBだが、さしあたってバーネットはMLBのままとし、その他の選手たちでストロングサイドの先発を争う。

スポーツ一家 : 祖父はカーレーサーで、彼の名前もA.J.フォイト(インディ500の優勝3回)にちなんで名付けられた。兄ライアンはQBとしてマイアミ大(オハイオ)に進んだが、ロスリスバーガーがいたためオハイオ大に転校。現在はアリーナフットボールのaf2のバーミンガム・スティールドッグスで先発QBとして活躍している。

2006年5月18日

ジェリー・クレイマー: 指輪物語

黄金の60年代に活躍した名ガード、ジェリー・クレイマーの失われた第1回スーパーボウル・リングが四半世紀ぶりに彼の元に戻ってきた。25年前に飛行機の中で盗まれたリングが、シカゴのオークションハウスの厚意により、本来の持ち主に返還されたのだ。火曜日の朝、ランボーフィールドのヴィンス・ロンバルディ像の前で返還のセレモニーが行われ、70歳のジェリー・クレイマーは満面の笑みで本物のリングを迎えた。

「これは私にとって第1回スーパーボウルを記念する家宝とも言うべきもので、子供たちにも受け継がれるであろう重要な遺産のひとつだ。私のたくさんの経験やあのころ味わった喜怒哀楽の全てを象徴する品でもある」とクレーマーは語っている。

1958年のドラフト4巡指名(FBジム・テイラーやLBレイ・ニチキと同期)でパッカーズに入団したジェリー・クレイマーは、右ガードとして11年にわたって大活躍し5回のNFL制覇に貢献。強力オフェンシブラインの柱石として、有名なパッカー・スウィープの中心となってプルアウトする姿は、ロンバルディHCのオフェンスを象徴するシーンだった(写真の#64)。また彼は、あのアイスボウルの決勝TDの際に、スニークするQBバート・スターの道を切り開いた選手でもある。NFL史上最高のガードの1人と言われながら、惜しくも殿堂入りを逃し続けていることは、パッカーズファンにとって大きな不満の種だ。引退後も彼はさまざまな活動に熱心で、OBの集まりやチャリティイベントではおなじみの顔となっている。

その彼が大事なスーパーボウルリングをなくしたのは1981年、シカゴからニューヨークへの飛行機でのこと。トイレで外した指輪を忘れてきたことに気付いた彼はすぐに戻って探したが見つからなかった。わずか数分間のことだ。客室乗務員に頼んでアナウンスもしてもらったが誰も名乗り出ず、同乗の女性が「自分は霊能者だから」と名乗り出たが、その「力」を借りても結局見つからなかった。「着いた空港で、降りてくる人の顔をいちいち見ていたが、誰も何も言ってくれなかった。もうどこかにしまいこまれてしまったのだろうと、ついこの間まで思っていた」

ほとんど諦めていたリングの行方に急展開が起きたのは4月21日のこと。故レイ・ニチキの息子ジョンから電話がかかってきたのだ。「 『あなたのスーパーボウルI のリングがオークションに出されています。私の父なら決してリングを売るようなことはなかったと思うし、貴方もきっとそうでしょう』とジョンが教えてくれた。大好きだったレイの息子が言ってくれただけによけい嬉しかったね。こうしてようやくリングの手がかりをつかめた。私がどれほど喜んだことか」

シカゴ地区にある"Mastro Auctions"は世界最大級のスポーツ・オークション・ハウス。クレーマー本人が大慌てで連絡を取ると、同社はオークションからこの品を取り下げる措置を取った。$5,000ドルから始まったオークションはすでに$21,000ドルの値を付け、さらに高騰する勢いを見せていた。「文句なく最高の品だっただけにぜひ私どもで扱いたかったところですが、ご本人が売却したという事実がなく、盗まれたものであると判明した以上、我々としてはこうするのが正しい道だと思ったのです」とダグ・アレン社長は言う。

出品者(サンフランシスコの質屋で手に入れたらしい)はあまり協力的でなかったため、同社がこの人物から買い取ることにし、そのおかげでクレーマー本人は無償でリングを取り戻すことができた。「これはただのゴールドとダイヤモンドじゃない。たくさんの思い出が詰まっている」と本人は喜びを語る。

クレーマーはこれまで25年間使用してきたレプリカのリングを同社のオークションに出し、その売り上げは生活に苦しむ元NFL選手たちの年金基金に寄付することにしている。また、いずれは元NFLスターたちに呼びかけてメモラビリアを集めてオークションで売り、年金基金にしたいとのこと。現代のNFLとは違い、制度が整備される以前に引退した選手たちは、十分な年金の恩恵が受けられないでいる、というのが彼の年来の主張なのだ。「私の時代の者は、経済的に苦労している者が多いのでね」

2006年5月17日

Sマーカンド・マニュエル

シアトル残留とグリーンベイ移籍の間で迷ったSマーカンド・マニュエル。「いつでも雨のシアトルか、いつでも寒いグリーンベイかの選択だったね。そして、残留して無名の選手のままでい続けるのか、という選択でもあった。これは僕にとって大きなチャンスだ。トンプソンGMは本当に僕を信じてくれた。この10年間は僕にとってまるでローラーコースターで、いつになったら幸運は訪れるのかと思っていた」

昨季はSケン・ハムリンの負傷でチャンスをつかんだが、スーパーボウルの序盤に3-0でリードしたところで鼠蹊部を痛めて退場し、敗戦をサイドラインから見ることになった。「生涯で最もつらい出来事だったよ。頂点を目前にして・・・。神はさまざまな目的でさまざまなことを行う。僕はそれを疑ったことはない。でも退場してステーショナリー・バイクをこいでいたときは、さすがに疑ってしまったよ。見ているのはつらかった。あれはごく普通のタックルで、1000回もしてきたことなのに」

スーパーボウルの直後から、パッカーズのトンプソンGMは彼をFA候補の上位にリストアップしていた。「フリーエージェントになどなりたいわけじゃない、ここにいたい、と僕はシアトルに伝えていた。求めたのは、『僕をもっと重視してほしい、スターターになるチャンスがほしい』ということだけだった。サラリーなど問題じゃない。僕は地味な労働者だから。僕は6巡指名入団だし、ちゃんと大事にしてくれて、並の給料をもらえればそれでいいんだ。ただ、もうケン・ハムリンの控えでいるのはイヤだった。僕は名声には興味がない。でもあのままでは、いつまでも6巡指名選手としか見てくれなかっただろう」

「僕はチャールズ・ウッドソンのような超一流じゃない。自分が加わったチームを向上させる、僕はそういう選手だ。汚れ仕事も引き受け、他人のやりたがらないような仕事もたくさんやる。たぶん名声はさほど得られないだろう。でも僕はチームをより良くしていくんだ」

マニュエルのこういったメンタリティはその生い立ちと無関係ではない。両親それぞれの連れ子を含めると18人兄弟(現在は39歳から14歳まで)の中で彼は育った。堅実な家庭で、兄からのお古を着ることは多かったものの、衣食に困ったことはない。ただ、学校をサボったときだけは厳しかった。毎月だれかの誕生日が必ずあった。「人とうまくやることを教えられたのは確かだ」と彼は言う。

高校ではDB兼WRとして活躍したが、当時のコーチがよく覚えているのは彼の成熟したリーダーシップだ。「ケンカをしたらその週の試合には出さない、というルールを私は作っていた。なのにチームメイトが彼をやっかんで挑発したことがあった。マーカンドはそいつの胸ぐらをつかんで、『いいか、オレはお前なんかとケンカしたくない』と言って何もせず手を離した。すると相手がマーカンドの鼻っ柱をぶん殴ったんだ。たいていの子は、自分がキャプテンなんてことは忘れてしまう状況だろう。しかしマーカンドは相手をひっつかんで言った。『よく聞け、オレはお前なんかとケンカして出場停止になりたくないんだ』とね。私にとってはものすごく大きな出来事だった。決して忘れることはない」

フロリダ大に進むと、成績優秀の彼は3年もかからずに犯罪学の学位を取得してしまった。ただフットボールではそれほど順調とはいかなかった。1年・2年とスターターとして活躍して全米トップクラスの評価を受けたものの、3年と4年ではスターターではあったものの出場時間がかなり減ってしまい、LBに回されることさえあった。前述の高校コーチは、「しかし彼はうなだれることなく常に冷静さを保っていた。あの2年間彼はひどい扱いを受け、そのことは街の人たちはみな知っていた。プレーさせてもらえないときでもしっかり頭を上げていた。彼の人格がそこに表れていた」と振り返っている。

2002年にベンガルズから6巡指名され、1年目から8試合に先発して41タックルを挙げたものの、2年目は開幕戦に先発しただけで二度とそのチャンスはもらえなかった。3年目にベンガルズはSキム・ヘリングを獲得するなどして開幕前に彼を解雇、それに目をつけたのが当時シーホークスにいたテッド・トンプソンだった。「彼がカットされて、我々はちょっと驚いた。ドラフトの前に彼のことはかなり徹底的に調べていたからね。彼が手に入って喜んだよ」

シーホークスのマイク・ホルムグレンHCはマニュエルについて、「素晴らしい物語だよ。彼は18人兄弟で、常に自分の場所を勝ち取らなければならなかった。彼は何ごとにも感謝を忘れず、何ごとにも全力を尽くす。何ひとつ、当然自分に与えられるとは思わない。あの若者のことは、いくら褒めても足りないほどだ」と賞賛している。

2006年5月15日

Tale of Two Receivers

ドラフト当日にブロンコスにトレードされたWRジャヴォン・ウォーカー。昨年から続いたパッカーズとの不和について、QBブレット・ファーヴは関係なくテッド・トンプソンGMからの扱いが問題だったと語っている。「もし他のチームであれば、僕はファーヴとでもプレーするよ。ビッグプレーを決めるチャンスをくれたのは彼だし。しかしトンプソンGMは、僕が『(契約延長について)話し合おう』と言ったら、全く敬意の感じられない、『ノー』のひとことだけだった」

先日ブロンコスと結んだ契約延長は6年総額$42ミリオンと言われているが、実際に保証されているのは今年の$2.15ミリオンだけで、来年春に高額の($10ミリオン?)ものオプション・ボーナスが設定されている。つまり今年のプレーが不甲斐なければブロンコスは1年で解雇も可能な、なかなか厳しい内容のようだ。今年の内容が(完全復活でなかったとしても)よければ、来年春から$40ミリオンの5年契約がスタートするようなものだろう。

いっぽう、ウォーカー騒動で最も得をしたかもしれないのが、先日契約延長が決まったWRドナルド・ドライバーだ。ウォーカーがゴネなければ今ごろチーム側はウォーカーとの長期契約交渉を重視し、ドライバーとの契約延長は来年以降、または延長しなかった可能性さえある。「パッカーズには心から敬意を表するよ。だって僕はあと2年残っていたし、いま延長する必要はなかったんだから。あと4年はパッカーでいられると決まって本当にうれしい」

「ブレットがあと4年やってくれるかどうかは僕もわからない。それは彼が決めることだからね。でも、契約が決まったとブレットに話したら、彼はにっこりと笑ってくれたよ。彼の現役続行を聞いたときの僕の笑顔と同じさ」

ファーヴの後継者についてドライバーは、「アーロン(ロジャース)はすごいクォーターバックだと思っている。ただ、彼と僕が噛み合ってくるには多少の時間はかかるだろう。投げる側と捕る側に、信頼関係がなければならないからね。ブレットと僕が7年かけて築いてきた信頼関係はそういうものだし、彼が引退したら、アーロンとそういった信頼関係を築けると思う。彼は偉大なQBの後ろで学んでいるのだし、その偉大な選手が去ったら、彼自身のすごさを示さなければならない。そして、アーロンにはそれだけの能力があると思う」と語っている。

7巡指名入団からスター選手となったドライバーは、いつかパッカーズ史上の偉大な選手の1人と記憶されることを願っている。「僕の名前が、史上最高の選手たちとともにパッカーズ史に刻まれる、そんなチャンスをもらえただけでうれしくなるね。僕みたいな(下位指名入団の)選手は、いつでもそういうことを夢見ている」

2006年5月14日

レジー・マッケンジーがテキサンズGMの有力候補に

テキサンズのチャーリー・キャサリーGMが辞任。本格的な後任探しは週明けからになるようだが、パッカーズのプロ人事部長、レジー・マッケンジーが有力候補といわれている。パッカーズのトンプソンGMによると、木曜日時点でテキサンズからの問い合わせはないが、「だからといって今後もないというわけではない」とのこと。ヒューストン・クロニクル紙によるともう1人の有力候補はブロンコスのリック・スミス・アシスタントGMで、ゲイリー・キュービアック新HCとの付き合いが長い。

現在43歳のマッケンジーは、トンプソンGMやジョン・ドーシー・カレッジ・スカウト部長と同じくロン・ウルフ元GMの門下生。テネシー大から1985年のドラフト10巡でレイダーズに入団し、下位指名入団ながら先発LBを務めた。以後カーディナルスや49ersでプレーし、ヒザのケガのため1992年に引退。母校テネシー大でアシスタントとなるが、1994年にはロン・ウルフの誘いでパッカーズのプロ・スカウティング部門に加わった。4年目の1997年にプロ人事部長に昇進し、3人のGMの下で働いてきた。

彼が統括するプロ人事部門はカレッジ・スカウト部門と並ぶフロントの柱で、自他のNFL選手の調査(FA獲得やトレードの可能性に常に備える)に加え、NFLヨーロッパ、CFL、アリーナリーグなど各リーグのスカウティングも担当する。一例を挙げれば、昨季中盤にRBサムコン・ガドーを獲得したことも彼らの功績と言える。

なお、双子のローリー・マッケンジーはレッドスキンズをはじめNFLで16年もプレーしたOL選手で、パッカーズにも2年間在籍したことがある。

2006年5月13日

WRドナルド・ドライバーが契約延長に合意

パッカーズと交渉を進めていたWRドナルド・ドライバーが総額$17ミリオンの4年契約に合意した。これまでの契約があと2年残っていたため、実質的には2年の延長および昇給となる。1200yds級のエースWRとしては決して高くはないが、現在31歳のドライバーとしては年齢的な問題もあり、多少安めだが確実なタイミングを選んだのかもしれない。

Press-Gazette紙によると、契約ボーナスは$2ミリオンで今年のロースターボーナスも$2ミリオン。ベースサラリーは今年分が半額ほどに下がって$95万ドル、以後$2.7ミリオン、$2.9ミリオン、$3.9ミリオンとなっている。また2008、2009年とも$1ミリオンずつのロースターボーナスがつき、$106,720ドルずつのワークアウトボーナスも設定されている。

パッカーズはこれまで、「2年以上契約の残った選手とは契約延長しない」という方針を堅持し、そのことがウォーカー騒動の原因ともなったが、今回の契約ではその方針を破ったことになる。トンプソンGMはその点について説明していないが、4年で3回の1000yds達成にしてはサラリーが安かったこと、給料を大幅に上回る活躍が複数年(ウォーカーは1年だけ)あったこと、そして対外的にも球団側を敵視するようなコメントをせず、ケミストリー向上に努めてきた功績を加味してのことと見られている。

代理人によると、ドライバーはパッカーズ交渉担当のアンドリュー・ブラントと実質的に2人で交渉を進め、最後の段階で代理人がスピーカーホンで外部から参加する形で合意に至ったらしい。

2006年5月12日

マイク・マッカーシーHCの初ミニキャンプ

ヘッドコーチ就任から4ヶ月、マイク・マッカーシーHCは初めてフィールドに出てヘッドコーチとしての指導を始めたところだ。「正直に言うとまだ違和感はある。もっと直接コーチングすることに慣れているからね。ドリルの中に入っていって口を出したくなることもある。一歩下がってコーチたちが教えるのを見るのもいい経験だ」

まだ慣れないと本人は言うものの、周囲はそうは見ていない。「ごく自然にこなせているよ。彼は優れたコミュニケーターだ。ブルーカラーで、真面目な人だ。選手たちもそれによく応えている」とジャゴジンスキーOC。WRドライバーは、「尊敬を勝ち取るために努力を必要とするような人なら、そもそもあの地位に就いてはいないだろうしね。もうすでに大きな敬意を勝ち得ていると思うよ。ロッカールームの誰もが、すでに彼を人間として尊敬している」

選手全員を集めてのいわば就任演説となった先週金曜朝のミーティングについて、QBブレット・ファーヴ。「彼の言葉は信じられると本当に思った。ヘッドコーチにとって大変な仕事は、53人全員にひとつのことを信じさせ、わずか2試合負けただけで揺るがないようにさせることだと思う。金曜のミーティングで彼が言ったことは、大体のところは、大学とかどこかでこれまでに聞いたことのあるような内容だろう。でも大事なのは、それを心から信じられるかだ。球団全員のことはわからないが、僕自身のことを言えば、心から信じられた」

就任演説を終えたマッカーシーHCだが、やはり一番嬉しいのは選手たちとフィールドに出ることだ。「この日のために長いこと準備を重ねてきた。組織面で取り組まなければならない仕事もたくさんあった。それだけに、フィールドに出てフットボールを始めるのが待ちきれない気持ちだったよ。フットボールのことになれば体は自然に動くからね。我々みんなにとって馴染みの場所だ」

「今年は大きな変化の年であるのは間違いないね。新しい選手に新しいコーチ、チームのあらゆる面に変化がある。決して悪いことだとは思わないよ」とCBアル・ハリスは前任者を批判しないよう言葉を選びながら語っている。新加入のCBチャールズ・ウッドソンは、「彼は一緒にいてとてもエキサイティングな人だ。付き合ってまだ日は浅いけれど、選手たちが彼を尊敬し、よい反応を示しているのははっきりわかるよ」

マッカーシーHCの美点についてジャゴジンスキーOC。「彼にはグレーエリアというものがないんだ。自分にどうしてほしいのか、あれこれ考える必要がない。何を求めているか、彼は非常にはっきりと伝えてくれるからだ。また、フットボールの知識を除いて最大の長所はその個性にある。コーチングを見れば、彼の情熱はよくわかるだろう。とても楽しんでやっているから、こっちもワクワクしてくる」

2006年5月11日

Mini Camp Notebook: ルーキーおおむね好評

2006年5月 9日

Mini Camp 1 - Day 3: T/Gカレッジのクイックネス

2006年5月 8日

ブレット・ファーヴが今年最初の記者会見

今年初めて、QBブレット・ファーヴがランボーフィールドの記者会見場に姿を現した。いつもどおりのTシャツと短パンで、髪は短く刈り込み、無精ひげが伸びている。今回は汚いベースボールキャップはかぶっていない。注目される内容としては、「プレーするとしても今年が最後」という1ヶ月前のコメントを覆し、来年プレーする可能性も残したことだ。

続けると決めた理由について

「結局のところ、僕はまだプレーをしていたいということだ。まだチームの勝利を助けられると思った。『オレまだできたのに。チームを助けられたのに』ってつぶやきながら、日曜日に家にいるのはどんな感じか想像してみたんだ。難しい決断だったけれど、結局それに尽きる。僕にはまだできると思うし、グリーンベイ・パッカーズのためにそうしたいと思う。何度も何度も言っていることだが、他のチームでなどプレーしたくはない。それが真実だ。トレードなど口にしたことはない。僕がプレーしたかったのはここだけだ」 

FA補強が現役続行の要因になった?

「それもずいぶん話題になってしまった。たしかに僕は、チームのFA補強の成り行きを見守りたい、というコメントをした。でもその一番の理由は時間稼ぎだったように思う。難しい決断で、家族の決断でもあったから。実を言うと家族で投票もしたんだ。それが最大の理由ではないけどね。家族みんなに、それぞれの答えを書いて帽子に入れてもらった。全員が "Play" だった。もちろんだからといって、『わかった、みんなの希望通りプレーするよ』と言ったわけじゃない。僕自身が考えていたことを再確認したようなものだ」

「ふたたび4勝12敗シーズンを繰り返すリスクは確かにある。でも、毎年と同じような楽観もある。去年はわずか数ポイント差で落としたゲームが5つもあったんだ。たくさんのケガも要因になったし、彼らが戻ってくれば常にチャンスはある。もし僕がチームを助けられるなら、そして高いレベルでプレーできるなら、僕が勝利の決め手になることができる、心からそう思っている。去年は楽しくなかった。人々は言うだろう、あいつは金のために戻ってくる、記録のために戻ってくる・・・。どれも真実じゃない。僕はチームを軌道に戻し、またプレーオフに行きたい。それだけなんだ」

続けると決めた直後はどんな気持ちだった?

「嘘を言うつもりはない。本当に正しい決断だったのかな、とも思ったよ。でももし引退の方を選んでいたら、『まだプレーすべきだったのに』と、シーズンの間じゅう思ったことだろう。どちらに決めたとしても、後悔することは何度かあると思う」 

これが最後のシーズン?

「自分でそう言った(4月2日の記事参照)ことは覚えているけど・・・。僕は今シーズンをプレーして、自分のベストを尽くし、その話はしないつもりだ。いずれはその話題も出てくるとは思う。でも、僕だけでなくチームの仲間にとっても、この話題は集中の妨げになった。今年はそれについては話さないつもりだ。とにかく、今年はシーズンを楽しみたい。もちろんスーパーボウルにはぜひ行きたいと思う。でもそれがだめでも、楽しんで、何とかしてチームに貢献したい。(引退問題を)決めるのはそれからにしたい」 

マッカーシー新HCのオフェンスについて

「これまでも、ウチは非常にいいオフェンスを築いてきた。僕はマイク・シャーマンには大きな敬意を抱いている。ただテッド(トンプソンGM)から見れば、今が変化の時であって、オフェンスも別の方向に向かうべきということだったのだろう。これまでマイク(マッカーシーHC)とはすいぶん話し合ってきたし、新しいオフェンスについてもいろいろと話を聞いた。もう少し積極的にダウンフィールドへ、とか、大きいレシーバー、ということはあるけど、一番の特徴はランニングゲームの重視、ということになるだろう。僕もその有効性は信じている。それによってパスラッシュをスローダウンさせることもできる」

「昨日マイクとジャグズ(ジャゴジンスキーOC)が言ったことだけど、相手ディフェンスに合わせてプレーするのではく、こちらが主導権を握る。僕も賛成だよ。こちらからアタックして、相手の方を慌てさせたいんだ。それが常にマイク・ホルムグレンのアプローチでもあった。『相手が何かしてくるのを待つつもりはない。シンプルに、こちらの仕事をするんだ』というのがね」 

ジャヴォン・ウォーカーとの成り行きを後悔している?

「彼は素晴らしい選手だと思う。自分が言ったこと(昨年5月の記事参照)に関して、僕は何も後悔はしていないよ。ジャヴォンはきっとデンヴァーで大きな戦力になるだろう。僕は後悔していないし、今でも考えは変わっていない」 

プレーの仕方を変えようと考えたことは?

「20タッチダウンで29インターセプトも喰らっては、専門家はそれぞれ意見もあることだろう。実のところ、僕はこれまでのどの年も違ったプレーの仕方をしたとは思っていない。4勝12敗というのは確かに違っているけどね。ウチは常に追う展開を強いられた。(ケガ人続出のため)ハドルにはいつも違う選手がいた。たぶん僕も何度かは違う判断をすべきだったんだろうけれど、メンバーがどうであれ試合に勝つ道を探さなきゃならなかった。リードされていたら、危ない橋も渡らなきゃいけない。そしてそうするときは、勝ち目も薄いとわかっているものだ。それでも、僕は3ydsの安全なパスを投げて時間を潰したりはしない。危ないプレーだってするさ。賛成する人もいるし、賛成しない人もいる。僕は全く気にしないけどね」 

「自分なりのやり方で僕は15年間プレーしてきた。アグレッシブに、そして時に、あまりきれいではない。でも、僕よりもきれいにプレーする選手で、もうリーグから消えてしまった選手はたくさんいるよ。僕は自分のやり方やアプローチを後悔していないし、変えるべきとも思わない」

試合残り2分、ボールを持つ準備はできた?1月のコメントに関しての質問)

「ESPNのモーテンセンにそう言ったときは、まだ僕はここにいなかった。あの時点ではあれが妥当な答えだと思った。いま僕はここに来た。去年は自分の力であまり勝利を呼び込めなかったけれど、僕は力の限り頑張った。今年も自分にできるのはそれだけだ。もしボールがほしくなければ、ここには来ていない。本当だ」 

Mini Camp 1 - Day 2: DTワシントンは参加できず

2006年5月 7日

Mini Camp 1 - Day 1: カレッジは左ガード

2006年5月 6日

Notebook: Rookie PoolはNFL最高額

2006年5月 5日

11人のドラフト外ルーキーと契約

パッカーズがドラフト外で契約合意した選手について、これまで報道されてるものをまとめて紹介。金曜スタートのミニキャンプに全員が参加予定だが、フィジカルチェックでハネられて入団取り消しとなる場合もある。昨年はCクリス・ホワイトとLBロイ・マニングの2人がドラフト外入団から開幕ロースター入りを果たした。

2006 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
RB Arliss Beach Kentucky 5-10 219 4.49 大学ではほとんど控え
RB Shermar Bracey Arkansas State 6-1 225 4.59 大学では常に控え。通算1,459yds(平均5.4yds)
WR Chris Francies Texas-El Paso 6-1 193 4.53 5球団で競合し2年契約。3年で2,022yds、12TD、平均15.8yds
TE Zac Alcorn Black Hills State 6-4 260 4.62 サウスダコタの大学。昨季43回689yds、7TD
TE A.J. Cooper North Dakota State 6-1 240 4.74 ウェストコーストオフェンス経験があり、昨季は24回473yds
OT Josh Bourke Grand Valley State 6-7 320 5.21 カナダ・オンタリオ州出身。RTで1年、LTで2年の先発経験
DE Jason Hunter Appalachian State 6-3 240 4.49 5球団で競合。先発わずか1年で13サック、101タックル。スピードがすごい
DE Montez Murphy Baylor 6-5 260 4.89 長身スリム型のパスラッシャー
LB Byron Santiago Louisiana Tech 6-2 233 4.68 アウトサイドで23試合先発
LB Tim Goodwell Memphis 6-0 230 4.60 2年連続で同大タックルリーダー。2年で7サック
S Tra Boger Tulane 6-0 210 4.70 30試合に先発して通算9INT、7ファンブルフォース

2006年5月 4日

CBチャールズ・ウッドソンのインタビュー

先週契約に合意していたCBチャールズ・ウッドソンは、必要なペーパーワークを終えてようやく月曜日に正式契約が発表された。昨年10月23日に骨折した腓骨(すね)も完治し、金曜日からのミニキャンプにはフル参加できるとのこと。「体調は万全だし、スピードも全く落ちてない。完全に治ったよ。(骨がくっつくまでは)できることは何もなかったけど、もう全てが大丈夫だ」 

今オフは主にヒューストンでトレーニングをしていたウッドソン。体調が回復してくるとともに、契約交渉も熱のこもったものになった。「代理人に『オレはグリーンベイを真剣に検討してる。よさそうな感じがしているんだ』と僕は言った。 『オレは本気だよ。契約をまとめようじゃないか』ってね。今は全てをポジティブに感じているよ。今回の移籍はすごくよかった、という気持ちが日に日に強くなってきている」

昨年パス守備1位となったパッカーズについて。「その1位をキープするのが僕らの目標だ。人材は十分にある。DEキャンプマンたちと再契約もでき、ドラフトもすごくよかった。オハイオ州立から新入りのLBもやってくる。去年のヤツのプレーを見たけど、サイドラインからサイドラインまでカバーできる、ディフェンスには必要不可欠な選手だよ。僕らバックエンドがしっかり仕事をして、DEバジャ=ビアミラのような選手がパスラッシュすれば、サックできるチャンスも増える。今年も1位になれるよ」

その新入り、A.J.ホークのオハイオ州立大は、ウッドソンのミシガン大とは宿命のライバルという関係にあるが、「今や同じチームなんだから、何も問題はないよ」とウッドソンは笑っている。

彼はタックル能力が高くラン守備もよく、そのことが、セーフティとしても一流になると評価される所以でもある。「僕はフィジカルなプレーが好きだ。(カバーだけでなく)タックルとか全てが好きだ。一般にコーナーたちは、自分の仕事はカバーするだけ、というつもりでいる選手が多い。でも僕はゲーム全体で貢献したいし、それが自分のセールスポイントだと思っている。WRをカバーするだけでなく、勝利のためには何でもする」

何でも、と彼が言うのはどうやらオフェンスやスペシャルチームも含まれているらしい。パントリターナーとしてのプランについてマイク・ストックSTコーチと話し合うつもりだと言うウッドソンは、オフェンスについても、「そこがいちばんワクワクするところさ。オークランドに8年いて、特に最初の3年間は『オフェンスにも使ってくれ』とコーチのところに日参したものだ。なかなかそうはならなくて、オフェンスでも勝利に貢献できる日を待ち焦がれていた」と語っている。

CBチャールズ・ウッドソンの契約詳細

Journal Sentinel紙によると、CBチャールズ・ウッドソンの契約内容は、契約ボーナス$4ミリオンを含む総額$39ミリオンの7年契約とのこと。Press-Gazette紙は総額$35.36ミリオンの6年契約と報じているが、仮にJournal Sentinel紙の説を紹介する。

ロースターボーナスとインセンティブが非常に多く、契約ボーナスが少ない。サラリーキャップの空きが大きかったため1年目のキャップヒットを$6.7ミリオン($7.2ミリオン説も)と多めにすることができ、早めに解雇しても痛手の少ない構成。ケガのリスクを軽減するため出場試合に応じたロースターボーナスも設定され、プロボウル選出による増額もかなりある。

2006年5月 3日

LBロバート・トーマスを解雇

ドラフト翌日、LBロバート・トーマスが解雇された。昨年開幕直前にラムズからトレードされてウィークサイドでスターターを務めたが出来は芳しくなく、出場10試合で41タックル。もともと今年はスターターが危ないと言われ、ドラフトで2人LBが指名されたため、予想より早く解雇となった。 その他、Kリース・ロイドとPライアン・フリンとWRウィリー・キニーも解雇。キッカー、パンターとも現在は2人ずつとなっている。 

4人の解雇と同時に、CBチャールズ・ウッドソンとの正式な契約も発表された。詳しい契約内容についてはまだ報道されていないので、また後日。

Packers Draft Notebook 2

2006年5月 2日

Packers Draft Notebook 1

2006年 グリーンベイ・パッカーズ全指名選手

2006 Packers Draft Picks
Pick 全体 Pos. Name College 備考
1巡 5位 5位 LB A.J. Hawk Ohio State 即先発。もっともっと上を期待
2巡15位 47位 T/G Daryn Colledge Boise State アスレチック能力十分のLT。ガードとしても試す
2巡20位 52位 WR Greg Jennings Western Michigan マイナー校だが実績は十分で、欠点のないWR
3巡 3位 67位 LB Abdul Hodge Iowa
タフでフィジカルなMLB
3巡11位 75位 G/C Jason Spitz
Louisville フラナガン以来の3巡センターだがガード起用か
4巡 7位 104位 WR/KR Cory Rodgers Texas Christian
リターナーとしての期待大
4巡18位 115位 CB Will Blackmon
Boston College WRやKRも経験があるアスリートだがまずはCB
5巡15位 148位 QB Ingle Martin Furman フロリダ大からディビジョンI-AAに転向して活躍
5巡33位 165位 T/G Tony Moll Nevada TEからOTに転向して先発経験1年
6巡14位 183位 DT Johnny Jolly Texas A&M 馬力のあるランスタッファー
6巡16位 185位 S Tyrone Culver Fresno State 身体能力より頭のいいFS
7巡45位 253位 DE Dave Tollefson NW Missouri State 軽量スピード派の白人パスラッシャー

2006年5月 1日

7巡指名はDEデイヴ・トルフソン

パッカーズ最後の指名は、ディビジョンIIのノースウェスト・ミズーリ州立大のDEデイヴ・トルフソン。軽量スピード派の白人パスラッシャーのようだ。同大学に進む前にいろいろと遠回りをしたため、この5月には25歳になる。

7巡45位(全体253位)  DE デイヴ・トルフソン  Dave Tollefson
NW Missouri State Senior 6-4 (193cm) 255 lb(116kg) 40yds/4.72秒 1981年5月19日生

Strengths : 十分なサイズとかなりのスピード、アジリティがある。優れたパスラッシャーで、この2年間で21サックを記録している。ボディバランスがよく重心が低く、崩されることが少ない。プレーの読みがよい。ハードワーカーで、ホイッスルが鳴るまで頑張り続けるタイプ。

Weaknesses : 軽量でランディフェンダーとしては弱い。うまくブロッカーを振り切ることができない。ディビジョンIIではトップクラスのOTを相手にしてきていない。何度も大きなケガをしてきていることも不安要素。

6巡b指名はSタイロン・カルヴァー

6巡の2つ目はフレズノ州立大のSタイロン・カルヴァー。DBは今年2人目だ。

6巡16位(全体185位)  S タイロン・カルヴァー  Tyrone Culver
Fresno State Senior 6-1 (185cm) 200 lb(91kg) 40yds/4.60秒 1983年7月6日生

Strengths : まずまずのサイズがあり、そこそこのスピードがありフィジカル。どちらかといえばフリーセーフティのタイプ。ラン/パスの見極めが非常によく、常に正しいポジションにいる。賢く嗅覚もあり、ビッグゲームで勝負強いプレーをする。フットボールも学業も真面目で、3年連続でカンファレンスのオール・アカデミック・チームに選出されている。

Weaknesses : エリート級のスピードはなく、NFLのレシーバーをカバーするのに苦労するかもしれない。大型RB相手にパワー負けしないためには、バルクを増す必要がありそう。

6巡a指名はDTジョニー・ジョリー

6巡14位(全体183位)  DT ジョニー・ジョリー  Johnny Jolly
Texas A&M Senior 6-3 (194cm) 317 lb(144kg) 40yds/5.07秒 1983年2月21日生

Strengths : ガタイがしっかりしていて、クイックネスやボディバランスに優れている。ポイントオブアタックでパワフルなランストッパーで、素早くボールのありかを見つける。パスをはたき落とすのも上手い。まる3年間の先発経験があり、1ギャップも2ギャップも経験がある。リーダーシップもしっかりしている。

Weaknesses : ラン守備に優れているのと比べ、パスラッシュがよくない。ブロッカーを振り払う手の使い方を改善する必要がある。スタミナが切れてくると腰高になるところを付け込まれる。昨季終了後はずっと足首を痛めており、まだ手術が必要かもしれない。ケガを押してコンバインに参加したため40yds走は5.40秒(上記のタイムは1年前のもの)しか出ないなど、評価しづらい存在だったようだ。

5巡b指名はOTトニー・モール

5巡の2人目はネヴァダ大のOTトニー・モール。かなりの無名選手で、前評判らしきものがほとんどない。元パッカーズのプロボウルOGマイク・ウォールも同じように大学途中でTEからOTに転向している。

5巡33位(全体165位)  OT トニー・モール  Tony Moll
Nevada Senior 6-4 (194cm) 308 lb(140kg) 40yds/5.10秒 1983年8月23日生

Strengths : 大学2年までは先発タイトエンドをプレーしており、3年目の春にOTにコンバートされた。1年で40ポンドほど増やした。まだ線が細いが、NFLのラインマンには十分なサイズがある。アスレチック能力に非常に恵まれ、潜在能力は高い。左右両タックルの経験があり、ガードもこなせるだろうとパッカーズは見ている。

Weaknesses : OTとしてのスターター経験が1年しかなく、かなり粗削り。一人前になるにはある程度の時間がかかると覚悟すべきだろう。バルクアップも必要。

5巡a指名はQBイングル・マーティン

5巡の1人目はファーマン大のQBイングル・マーティン。最初はフロリダ大に入ったが先発のチャンスを求めてディビジョンI-AAのファーマン大に移った、という経歴は4年前のQBクレイグ・ノールに似ている。

5巡15位(全体148位)  QB イングル・マーティン  Ingle Martin
Furman Senior 6-2 (188cm) 224 lb(101kg) 40yds/4.65秒 1982年8月15日生

Strengths : 十分な肩の強さがあり、必要な身体能力は全て備えている。コントロールがいい。ポケットでの落ち着きがある。リリースがコンパクトかつクイックで、ブリッツに対応してホットレシーバーにパスを通すことができる。白人QBとしてはかなり足が速く、動きながらのパスもいい。レシーバーやパンターの経験もあり、昨年はパンターとしてディビジョンI-AAのオールアメリカン・ファーストチームに選ばれている。

フロリダ大では2年目に先発QBとなったが4試合終えたところで降ろされ、翌春ファーマン大に移ってすぐに先発QBとなっている。2年間で27試合に先発し、同大学記録の通算42TDを記録。

Weaknesses : 活躍したといってもディビジョンI-AAのレベルでしかない。肩の強さに頼りすぎる傾向があり、判断力を磨く必要がある。肩の強さもパスの正確さもエリート級ではない。

4巡b指名はCB/WR/KRウィル・ブラックモン

4巡指名の2人目は全体109位から6スポットトレードダウンし、イーグルスから6巡16位(全体185位)を受け取った。ボストン・カレッジのCB/WRウィル・ブラックモンは両ポジションに加えてリターナー実績も豊富なヴァーサタイルなアスリートだ。大学3年目まではずっとCBをプレーしていたが、4年目になってチームの都合でWRに転向した。CBの方がいい、WRの方がいいと評論家の意見は分かれている。パッカーズはCB扱いのようなので、CBとしての評判を紹介する。

4巡18位(全体115位)  CB/WR ウィル・ブラックモン  Will Blackmon
Boston College Senior 6-0 (183cm) 191 lb(87kg) 40yds/4.47秒 1984年10月27日生

Strengths : 優れたアスリート。スピードもさることながら、垂直跳びや幅跳びもがCB中トップクラス。動きが柔らかく、ターン&ランでレシーバーについていける。CBとしてはサイズがあり、大型WRとのマッチアップも問題ない。ボールスキルがありキャッチが上手く、ビッグプレーメイカーでもある。ワンダーリックテストが31点とかなり頭がいい。

ハードワーカーで人格面も文句なく、短期間でWRへのコンバートに成功したのはその表れ。キックオフリターンは通算114回2,803yds(平均24.6yds)で、NCAA 1-A記録からわずか120yds足りないだけだった。キックオフリターンほどではないがパントリターンも実績がある。

Weaknesses : CBとしてエリート級のスピードはない。アスレチック能力をフィールドで活かせないことも多く、ビッグプレーを許すことがある。ルート判断を磨く必要がある。体つきも細い。

4巡a指名はWR/KRコーリー・ロジャース

4巡指名の1人目はテキサスクリスチャン大のWRコーリー・ロジャースで、リターナーとして大きな実績を持っている選手のようだ。今年のパッカーズ指名選手の中では、ここまで唯一のアーリーエントリー選手。指名直後のSTコーチの記者会見によると、キックオフ/パントリターンとも、彼をチーム内の最有力候補と評価している様子。

4巡7位(全体104位)  WR コーリー・ロジャース  Cory Rodgers
Texas Christian Junior 6-0 (183cm) 188 lb(85kg) 40yds/4.59秒 1983年2月22日生

Strengths : まずまずのサイズ。スピードよりもクイックで、アジリティに優れる。鋭い加速でディフェンダーを振り切る。(40yds走が遅いわりに)優れたディープスレットで、ボールへのアジャストも上手い。パント/キックオフリターナーとして大きな実績があり、昨年はパントリターン平均15.3yds、キックオフリターン平均31.7yds、2TDと素晴らしい成績を残した。キックオフリターナーとしてさまざまなオールアメリカンに選ばれている。

Weaknesses : スクリメージ上で好きなようにジャムされてしまうことがあり、もう少しバルクがほしいところ。胸で捕ることも多く、パスキャッチがやや不安定。フィールドでのプレーぶりと比べて40yds走などの数字が非常に悪かったことが不安視され、評価を下げている。ブロッカーとしても波がある。

WRドライバーが一部報道を否定

「契約のアップグレードがなければトレード要求も」という先日のESPN報道について、チャリティイベントに現れたWRドナルド・ドライバー本人が強く否定した。「そんなことは僕は一度も言ったことがないし、自分の契約は尊重するつもりだ。僕はグリーンベイ・パッカーでありたい。(報道されたようなことは)僕は何も言っていない。練習にはずっと出ているしね。記事を書いた人は何も知らないんだよ。だって僕自身と話していないんだから」

その上でドライバーは、最近パッカーズ側と契約延長について話し合っていることも明らかにした。「僕はグリーンベイで悲しい思いなどしたことがない。メディアはそれぞれ書きたいことを書く、それもゲームのうちさ。(ミニキャンプの始まる)金曜日には僕は練習会場にいるよ。残りのキャリアを全て、グリーンベイ・パッカーでいたいと思うし、パッカーズが同じように思ってくれるのなら、契約はまとまるだろう。もうしそうでなければ、契約の残り2年間を(ホールドアウトすることなく)ここでプレーし、それから去って行くよ。グリーンベイを愛してるから、なんとか合意したいと思っている」

トレードが決まったWRジャヴォン・ウォーカーとは、最近は話をしていないと彼は言う。「ジャヴォンとパッカーズの間に何が起きたのか、本当のところは誰にも分からない。でもこうしたことは時に起きてしまうものだし、僕らとしてはチームに悪影響が残らないようにしなければならない」