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2003年7月31日

DTギルバート・ブラウンがチームに合流

1997年には、地元の子供たちからの「移籍しないで」という手紙で、ジャガーズからの、より高額なオファーを蹴って残留したギルバート・ブラウン。今回も、レッドスキンズの方が好条件だったにもかかわらず、グリーンベイに帰ってきた。「戻って来られて嬉しい。ここ以外の、どこへも行きたくはなかった。できればここでキャリアを終えて、夕陽の中へ馬に乗って去って行きたいね」 。当初は6年契約と見られていたが、実際は4年契約だったようだ。「代理人には支払わないよ。僕自身で交渉したんだから」

過去2年間で9試合に欠場したブラウン。コーチたちにとっては、いかにして彼の消耗やケガを防ぐかが大事なテーマとなる。「彼の能力をどう使うか、我々には計画がある。シーズンの中でできるだけ長くプレーできるよう、一試合の中でのプレー数を減らすことになるだろう」とシャーマンHC。

本人は、「ケガがち」とのレッテルには反発する気持ちが強い。「僕がいかにタフなポジションをやってるか、あまり理解されていない。いつだって2人か3人の相手選手が飛びかかってくるんだ。そのことをもっと理解してほしいと思う」とDTブラウン。他にも言い分はある。これまでのケガの多くは、相手ブロッカーに背後から、横からカットされたために負ったものなのだ。「そうするしか僕をブロックする手がない、ってヤツもいる。魔法の"ポーズ・ボタン" か何かあればいいと思うよ。背後からヒットされそうになった瞬間に相手を止められるような、ね」

Day 8: RBグッドマンと再契約

2003年7月30日

Day 7: WRウォーカー絶好調

2003年7月29日

Day 6: Cウィンタースは苦しい立場?

2003年7月28日

DTギルバート・ブラウンと再契約

すったもんだがあったが、DTギルバート・ブラウンが帰ってくることになった。契約ボーナス$400,000ドルを含む6年契約で、ベースサラリーは毎年ベテラン最低額。レッドスキンズ訪問の効果はてきめんで、$25,000ドルのはずのボーナスが大きく跳ね上がった。今年のキャップ額は$721,667ドルとなり、チームとしては予定よりも25万ドルほどキャップの余裕を削られることになった。

代理人のルーズベルト・バーンズは、「チーム側としては、最高の選手をできるだけ安く、というのが仕事だろう。正当な金額以上は払いたくなかったのだ」と言う。しかしブラウンと代理人の間にはかなりの行き違いがあったようで、この数日間、ブラウンは代理人との連絡を絶ち、ワシントン、デトロイト(母に相談に行った)、そしてグリーンベイと飛び回った。けっきょく代理人なしで自分でパッカーズと交渉して、合意にこぎつけたらしい。「個人的には、ワシントンの方が望ましいと思っていた。しかしギルバートはグリーンベイを愛しているし、彼の忠誠心は極端なほどだ」 と代理人は説明している。レッドスキンズはかなり本気で彼を獲りに来ていたようで、契約ボーナスのオファーは$500,000ドルだったとのこと。

ヘイトリー副GMは契約にサインする前に、ブラウンの母校カンザス大のトレーナー、フレッド・ロールに電話をし、体調面での不安がないかどうか確認をした。ブラウンは、2000年秋にNFL復帰を目指して大減量を始めて以来、ずっと彼のもとでトレーニングに取り組んできたからだ。今オフも同様で、ロールは、「ギルバートは必死にやっている。去年の今頃よりも体調はいいようだ」とヘイトリー副GMに太鼓判を押した。

Day 5: ウェストブルックをセーフティで起用

2003年7月27日

ギルバート・ブラウンとの再契約危うし?

再契約が遅れているDTギルバート・ブラウンだが、しだいに事情がはっきりしてきた。パッカーズ側はかなり以前からベテラン最低額を提示してあるが、毎年安いサラリーでこきつかわれるのに嫌気がさしたのか、彼の側はもっと大きな金額を望んでいる。さらに、ここにきてレッドスキンズが彼に触手を伸ばし、金曜日にはブラウンがレッドスキンズを訪問して関係者と面会。契約せずにグリーンベイに帰ってきたのは幸いだが、パッカーズ側の出方しだいでは、本当に移籍してしまう可能性もある。

レッドスキンズはこのところ、DTダン・ウィルキンソンにサラリーカットを要求しており、「もしサラリーカットを受け入れなければ、他にも候補はいるぞ」と脅すという意味もあるようだ。ギルバート・ブラウンの側ももちろん、これによってパッカーズの譲歩を引き出すのが目的だろう。

パッカーズはいまDT陣にケガ人が続出して(まだキャンプとはいえ)エラいことになっており、なんとしてでも再契約したいのは言うまでもない。しかし、問題はサラリーキャップ。(7年以上のベテランの最低額である)$655,000 + $25,000 までの契約ボーナスなら、サラリーキャップには$475,000しかカウントされずにすむベテラン優遇策のしくみがある。しかしその額を越えると、その優遇策の恩恵が受けられなくなってしまうのだ。

TEコーリー・ギーソンと契約

パッカーズは、フリーエージェントのTEコーリー・ギーソン Cory Geason との契約を発表した。テュレーン大から1998年のドラフト外でカウボーイズ入りしたギーソンは、その後バッカニアーズを経て、1999年にスティーラーズに移り、2000年には10試合出場(先発3試合)、2001年には7試合に出場している。昨年は開幕前にスティーラーズから解雇されてビルズに移り、10試合に出場している。スタッツは、2000年のパスキャッチ3回66ydsという数字が残っているだけ。ブロッキングTE兼スペシャルチーマーという感じだったようだ。

入れ替わりに、ヒザを痛めているWRデヴィン・ルイスがインジャリー・リザーブ入りした。

Day 4: 控えQBの序列は

2003年7月26日

Day 3: RBダヴェンポート好調

2003年7月25日

OTアール・ドットソンが引退を発表

長い間先発右タックルを務めたOTアール・ドットソンが正式に引退を発表。まだ32歳と、OLとしてはまだ若いが、度重なる椎間板ヘルニアやヒザのケガが選手寿命を縮める形になった。2000年シーズン序盤のケガで、ルーキーだったタウシャーに先発の座を譲った彼は、昨年タウシャーの代役として再び11試合に先発するが、終盤になって腰痛が再発。ルーキーのケヴィン・バリーが代役出場しなければならなかった。今春は完全にチームの構想から外れたが、他チームと契約せず、生涯一パッカーとして引退することになった。

1993年のドラフト3巡でパッカーズ入りしたドットソンは、3年目の1995年から先発右タックルに定着し、二度のスーパーボウル出場に貢献。10シーズンで120試合に出場、先発は88試合。プロボウルには一歩及ばなかったが、パワフルなブロッキングでオフェンスラインを支えてきた。腰やヒザの持病のほかに頻繁な偏頭痛や強度の乱視もあり、なかなかタフな現役生活だったといえる。人柄は温厚で、やや時代遅れといっていいほどモラルが高く、チームへの忠誠心の高いラインマンだった。

Day 2: 両タックルは順調

2003年7月24日

RTタウシャーとLTクリフトンがフィールドに復帰!

大ケガからのリハビリを続けてきた先発両タックル、マーク・タウシャーとチャド・クリフトンがキャンプ初日からフィールドに復帰。まだ練習量は控えめながら、1stユニットでプレーし、久々の感触を確かめた。彼らの回復が今年のパッカーズオフェンスのカギを握ると言われているだけに、チームにとって最高のニュースと言っていいだろう。「オフシーズンに、彼らほど頑張った選手を見たことがない。彼らはそういう男たちだ。今日の彼らの姿を見て、本当に胸が躍ったよ。いい仕事をしてくれた」とシャーマンHC。

参加するといっても最初はノン・コンタクト・ドリルに限られるだろうと見られていたため、いきなり1stユニットに加わったのは嬉しい驚き。2人とも午前のドリルの大部分(シャーマンHCによると75%)に参加し、ラン主体の練習では、かなりフィジカルな動きもこなした。また、パスプロテクションのドリルでは、タウシャーはDEバジャ=ビアミラ、クリフトンはDEジョー・ジョンソンを相手にした。ただし、DEたちは多少手加減をするようにという指示があったため、フルスピードではなかったが。

最初の練習を終えた二人は、とにかくホッとした様子。 「ちょっとカンは鈍ってたね。でも、復帰できていい気分だよ。ここまで長かった。トレーニングキャンプが楽しみ、なんてことは滅多にないんだけど、今年はそうだった。フィールドに出て、プレーすることに本当に興奮した。正直言って、やっぱりナーバスになってた。何がどうなるか分からなかったからね。でも上手くいって、本当に嬉しい」とRTタウシャーは語る。

LTクリフトンは、「やっぱり心配はしてたよ。ロッカールームでパッドを付けて、『さあ始まるぞ。何ができて何ができないか、見てみようじゃないか』 という感じだった。最初のチーム練習の部分が終わって、だいぶ良い気分になったよ。ケガした場所も気にならなかったしね。ただ、後ろの連中が僕の足元に倒れこんでこないか、常に気になってしまった。まあそれもじきになくなるだろうけど」

シャーマンHCは二人の復帰過程について、非常に細かく計画を立てている。当分はこのまま練習参加を午前のみにとどめる。プレシーズンゲームは、最初の2試合が人工芝ということもあって、第3戦から出場させる予定だ。

Day 1: LBマーシャルが謝罪コメント

DT問題のまとめ

2003年7月23日

QBエリック・クラウチがチームを離れる

全体練習の初日となる火曜日の朝、QBエリック・クラウチが「個人的理由」でチームを離れた、とパッカーズ公式サイトが報じた。よくわからないが、家庭の事情(病人や何かのトラブル)というわけでもないようだ。昨夜、本人と話をしたというシャーマンHCは、「あまり細かいことは話さなかった。彼はただ『個人的な理由で、もう続けたくない』 ということだった。私は『構わない』 と言い、話はそこまでだった」 と説明している。

アキリ・スミスの加入で控えQB争いが注目されるなか、QBとしてのクラウチの評価は依然として低く、しかもベテランが合流すると、5番手の彼は練習で投げる機会さえほとんどなくなってしまう。最近のパントリターン練習でもキャッチがうまくいかず、「このまま解雇されるだろう」という報道が一部に出始めていたところ。「QBとして使ってくれないなら解雇してくれ」と自分から求めた、ということなのかもしれない。

2003年7月22日

DTスティーヴ・マーティンと契約

パッカーズは、DTスティーヴ・マーティンとの1年契約に合意し、月曜のフィジカル・チェックに合格すれば、正式契約の運びとなる予定。コーチの前で行ったトライアウトでは、非常に良い動きを見せたとのこと。マーティンは今年で8年目となる29歳。ミズーリ大から1996年のドラフト5巡でコルツ入りし、その後PHI、KC、NYJを渡り歩いた。昨年はペイトリオッツでプレーしたが、シーズン終盤になって解雇されている。ベストシーズンは、ジェッツで78タックルを記録した2001年シーズン。

マーティンと契約したのは、ノーズタックルのデプスを補強するため。ギルバート・ブラウンとはまだ契約しておらず、契約したとしてもキャンプの最初からエンジン全開、ということは考えにくい。ロッド・ウォーカーは今オフに肩の大きな手術を行っており、まだフル参加できない状態。ジェームズ・リーはまだルーキー。となると、実績のあるベテランはスティーヴ・ウォーレンだけになってしまうからだ。

Camp Notebook: LBバーネット初参加

2003年7月21日

LBニック・バーネットが7年契約に合意

契約交渉が長引いたため、ドラフト1巡指名のLBニック・バーネットは、キャンプ初日のルーキー練習に参加できず。しかし土曜日夕方にようやく契約がまとまり、バーネットの"プチ・ホールドアウト" はわずか半日で終わることになった。契約ボーナス$3.2ミリオンを含む総額$7.7ミリオンの7年契約だが、ある程度の出場時間をクリアすれば最後の2年は破棄できる条件となっているため、実質は$6ミリオンの5年契約のようなものらしい。

代理人は、「バーネットには、『契約がまとまるまではチーム施設に入ってはダメだ』 と言っておいた。土曜日じゅうには交渉が終わることは本人にはわかっていたし、そうしたらすぐに練習に参加したかったのだ。交渉中に彼に電話して、『今どこにいる?』 って訊いたら、『練習を見てる』 って言うんだ。テレビでも見ているのかと思ったら、『練習フィールドの通りの向かいに車を停めて、練習を見てるんだ』 って言うんで驚いたよ」と笑う。これでルーキー全員との契約が成立した。

Camp Notebook: 控えQB陣はイマイチ

2003年7月20日

トレーニングキャンプ始まる

いよいよフットボールシーズン到来。金曜日はルーキーおよび一部の若手選手たちの集合日で、土曜午後から彼らの練習が始まる。それ以外の選手たちは日曜日に集合し、月曜日はいっせいにフィジカルチェック。火曜日から、いよいよ通常の全体練習が始まる。日程表はこちら

キャンプでは、選手たちは地元のSt. Norbert College に宿泊し、まるで学生時代に戻ったような窮屈な合宿生活を一ヶ月続けることになる。練習はいつもの通り、ランボーフィールドそばの Clarke Hinkle Field または Ray Nitschke Field で行われ、一般ファンにも開放される。ほとんどの日の午前の練習後には "autograph sessions" つまりサイン会があり、選手たちが交代でサインをしてくれる。悪天候の場合は、練習会場は室内練習場 Don Hutson Center に移り、非公開となる。見学ガイドはこちら

DTピーターソンとLBヒレンマイヤーも契約に合意

3巡指名のDT/DEケニー・ピーターソンと、5巡指名のLBハンター・ヒレンマイヤーが、どちらも3年契約に合意。キャンプの集合日にぴったり間に合うことになった。プロ入り後3年が経過し、契約が切れた選手が制限付きフリーエージェント(RFA)となるが、今春はそのRFA選手が引っ張りだこで、移籍が成立する例が多かった。3年後にそのようなことにならないよう、「今年は各球団とも、下位指名のルーキーと3年でなく、4年契約を結ぶのではないか」という見方もあったが、パッカーズの場合は、3巡以下の全選手が従来どおりの3年契約だった。

これで、残るは1巡指名のLBニック・バーネットのみ。パッカーズの交渉担当アンドリュー・ブラントは、バーネットの代理人と、木曜日、金曜日とびっしりと話し合いを行っているが、まだ合意には至っていない。バーネット本人は何日も前からグリーンベイに到着してスタンバっているが、契約がキャンプ開始に間に合わなければ、そのままホールドアウトということになる。

ロースター展望 スペシャルチーム編

スペシャルチームはパッカーズの弱点だとばかり言われているが、蹴る方(キッカー、パンター)はパッカーズの強みと言って良いほどだし、カバーチームも決して悪くない。問題はパントリターンとキックオフリターンなのだ。どちらもまだ正リターナーが全く決まっておらず、ここで紹介できないのが残念だ。

K ライアン・ロングウェル

正キッカーとなって今年で7年目。ランボーフィールドの悪条件の中で、これだけの成績(通算81.1%)を残しているのは称賛に値する。2001年は初めてのスランプだったが、昨年は立ち直り、FG成功率はNFL6位の82.4%。不満を挙げるとすればキックオフの飛距離だが、ないものねだりしても仕方がない。昨季前半は不振だったキックオフカバーだが、しっかりコーナーを狙って蹴ることと、カバーチームの立て直しもあって、最終成績はNFL17位まで回復した。

P ジョシュ・ビドウェル

正パンターとなって今年で4年目。1年目こそ頼りなかったが、2年目、3年目と安定した実績を残してきた。昨年はグロス(単純な飛距離)でNFL13位、ネット(リターンされた分を差し引いた距離)で10位。一昨年より少し成績が落ちているが、それは敵陣で、加減して蹴る機会が増えたせいらしい。

P ティム・モーガン

2000年のドラフト外でサンノゼ州立大からベンガルズへ。その後パッカーズのプラクティス・スクワッドなどを経て、今春はNFLヨーロッパでプレー。キャンプでビドウェルを打ち負かすのは難しそうだ。

LS ロブ・デイヴィス

パッカーズの誇る、NFLトップクラスのロング・スナッパー。グリーンベイでは7年目となる34歳。Kロングウェルが安定した成績を残してきたのも、彼が正確なスナップを供給し続けてきたことが非常に大きい。若いスペシャルチーマーたちの良き兄貴分でもある。全くのロングスナップ専門で、他のポジションでの使い道はないのが唯一のネック。そのため、少しでも不振が続けば、カットされてしまう恐れが常にある。

2003年7月19日

ロースター展望 S編

ロースター枠は4人。誰がストロング・セーフティで誰がフリー・セーフティになるかは流動的で、パッカーズのスキームではあまりはっきり区別していないようだ。シャーパーは不動のスターターだが、その相棒が問題。昨年中盤に大活躍したアンダーソンだが、シーズン終盤には評価を落とした。しかし、彼と先発を争うエドワーズは相変わらず頼りない。4番手は今のところジャコビー・シェパードか。

昨年、代役出場を無難にこなしたマット・ボウエンをRFAで失い、控えの層は薄くなった。何人かのベテランFAに触手を伸ばしたが、けっきょく誰も獲得せず。シェパードやジューやウェストブルックなど、セーフティで使えそうなCBが多いため、あまり危機感はないのかも。

ダレン・シャーパー

パッカーズ守備では数少ないスター選手。バトラーなきあと、リーダーとしての自覚もしっかりしてきた。本当はストロング・セーフティとしてプレーしたいようだが、CB並のカバー能力があり、やはりフリー・セーフティとして使うのが無難か。彼をどのように使うかは、相棒が誰になるかにもよる。

マーカス・アンダーソン

昨年のドラフト3巡。いまのところSSのスターターだが、キャンプではエドワーズと先発を争う。昨年、シーズン半ばにスターターに定着し、ビッグプレーを連発したが、シーズン終盤にはやや失速気味。「最初に活躍できたのは単なるラッキー」と見る向きもある。しかし、まだ未熟とはいえ、エドワーズに欠けている嗅覚を持っているのは確か。

アントワン・エドワーズ

1999年のドラフト1巡指名も、いまだにスターターに定着できず。同期のCBマッケンジーには大きく水を開けられてしまった。けっきょくのところ中途半端なタイプなのが命取りで、CBとしてはスピードが足りず、セーフティとしてはあまりにソフトで、タックルがへぼい。あまりにケガが多いためにタックルを恐れているのでは、という厳しい見方もある。契約最終年だが、契約延長の話は全く聞かない。

ジャコビー・シェパード

2000年ラムズのドラフト2巡指名だったが、ナメた行動を繰り返しているうちに、放出されてしまったらしい。昨季終了間際に契約した(出場はなし)のは、彼のポテンシャルの高さを評価したから。188cmの大型CBだったが、この春のミニキャンプからはセーフティに挑戦している。なかなか評判がよく、このまま行けば4番手セーフティ兼CBとして開幕ロースター入りしそう。

ジェレミー・ユナートル

WRビル・シュレーダーと同じく、地元ウィスコンシン大ラクロス校の出身。昨年春にドラフト外でパッカーズ入りするが開幕前にカットされ、シーズン後に再び契約し、NFLヨーロッパでプレー。フランクフルト・ギャラクシーで優勝に貢献した。

ボビー・ジャクソン

イリノイ大から、昨年春にドラフト外でジェッツに入るがすぐにカット。今年になってパッカーズと契約し、NFLヨーロッパに派遣されてスコティッシュ・クレイモアズでプレーした。

2003年7月18日

4選手を解雇

パッカーズは、4人の選手を解雇したと発表した。カットされたのは、6月半ばに契約したばかりのKオウエン・ポッチマン、FBジェリー・ウェストブルックス、LSブライアン・スミス、そしてドラフト外ルーキーのSクエンタス・カンビー。

Kポッチマンの解雇により、キッカーはロングウェル一人となった。

ロースター展望 CB編

ロースター枠は5人。多くて6人。DB陣全体で9人か10人。ここ数年、ラン守備が悪いわりに失点が少なかったのは、DB陣のパス守備が安定しているおかげ。3rdダウンに強く、そのためにDL陣はいわゆる"カバレージ・サック"を稼ぐことも多かった。奪ったターンオーバーも2年続けてリーグのトップクラス。

今年はFAで先発CBタイロン・ウィリアムズとマクブライドがATLに移籍。その代わりに、PHIからトレードでアル・ハリスを獲得し、ケガで昨シーズンを棒に振ったバウ・ジューも復帰してくる。飛び抜けた選手はいないが、粒は揃っている。典型的なカバー・コーナーだったウィリアムズが抜け、マッケンジー、ハリス、ウェストブルック、ジューとフィジカルなタイプが揃った。

マイク・マッケンジー

1999年にドラフト3巡で入団して以来、不動のエースCBの座を守ってきた。プロボウルを狙うには今ひとつインパクトに欠けるが、実力は十分で、玄人筋からの評価が高い選手。40yds走のタイムは速くないらしいが、フィールドに出ると速く、一瞬、相手に離されても、スルスルっと追いついてしまう独特の動きの良さがある。タックルも確実。新加入のアル・ハリスとドレッド・ヘアのコンビを組むことになった。

アル・ハリス

プロボウラー揃いのイーグルスではスターターになれなかったが、ニッケルバックとして、また先発陣が欠場の際は代役として、高い評価を得てきた選手。タイロン・ウィリアムズに代わって右サイドで先発の予定。タックル嫌い(しかも練習嫌い)だった前任者と比べ、スピードはやや劣るもののフィジカルで、スクリメージでのジャムを得意とする。ランサポートにも期待。

ブライアント・ウェストブルック

1997年ライオンズのドラフト1巡5位指名。2000年にアキレス腱を断裂して以来、全盛期の動きは取り戻せていないようだが、それでも十分戦力になっている。パッカーズと契約した直後の、昨季第6週の@NEでは、最初のドライブでINTを奪い、試合の流れを大きく引き寄せた。フィジカルなハードヒッターで、場合によってはセーフティに回る可能性も。ニッケルバックをジューと争いつつ、ハリスの先発の座をプッシュしたいところ。

バウ・ジュー

2001年のドラフト3巡指名。飛躍が期待された昨季は鼠蹊部の手術のために棒に振ってしまった。しかし今年は春先から体調がよく、ミニキャンプでの動きも良かったという評判。フィジカルなタイプで、ルーキー年には負傷のバトラーに代わってセーフティで7試合に先発した経験がある。

クリス・ジャクソン

今年のドラフト7巡指名。今年の下位指名の中では最も評判の良い選手。指名直後の記者会見で、「僕は40yds走で4.18秒」と発言して記者たちの度肝を抜いたが、ミニキャンプではその数字に違わぬカバー能力を見せている。身長180cmは、CB陣で最小。まだ荒削りだが能力は間違いなく高く、開幕ロースター入りはほぼ確実。スペシャルチームでの働きにも期待。

ジャコビー・シェパード

本職はCBだがこの春からセーフティに挑戦し、登録上はS/CBとなっているので、次回セーフティ編で扱うことにする。

アーウィン・スウィニー

昨年はドラフト外ルーキーとして、主にプラクティス・スクワッドで過ごした。DB陣にケガ人が続出した時期にはロースターに昇格して3試合に出場。ネブラスカ大学ではQBクラウチの同期だが、高校時代には陸上100mの州大会で、そのクラウチに次ぐ2位になっている。今年はルーキーのクリス・ジョンソンの評判があまりにも良いため、開幕ロースター入りは苦しくなってきた。

デレック・コームズ

チーフスからのトレードで獲得。一定の出場時間を得た場合にのみ、7巡指名権を譲渡するという条件らしい。2001年のドラフト7巡で、RBとしてレイダーズ入りし、昨年のNFLヨーロッパで初めてCBをプレーしたという変り種。リターナー候補の1人で、ロースター入りするにはリターナーとして活躍を見せることが条件。

キース・バーネル

ヴァージニア工科大で2年間、デラウェア大で1年間プレーし、ドラフト外ルーキーとして入団。デラウェアに移ったのは、RBからDBへコンバートさせられそうになったかららしい。しかしパッカーズでは最初からCBとしてプレーさせる。良くてプラクティス・スクワッドだろう。

2003年7月17日

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

パッカーズはNFL唯一の、市民株主によって所有されているチーム。毎年恒例の株主総会が、ランボーフィールドそばの Resch Center で開催され、3187人の株主が出席した。シャーマンHC/GM、ハーラン社長、会計担当たちが台上に立ち、チームの現状や財政に関する報告をし、質疑応答を行った。

スタンディングオベーションで迎えられたシャーマンHC/GMは、チームの現状について53分間にもわたって話した。今オフの補強の方針や、飛躍を期待する若手選手たち、スペシャルチームの強化について。そしてスピーチの最後に、「我々はこれまで、良いチームだった。しかし株主として、ファンとして、あれで十分だと思っていただきたくはない。十分ではない・・・。我々は、Great football teamになりたい。昨シーズンのある時点で、我々はそうなるチャンスがあったが、それを逃してしまった。試合に勝つのは、良いチーム。優勝を勝ち取るのが、Great なチーム。そのようなフットボールチームになるのが、我々の使命なのだ」

「我々はとてもひどいポストシーズン・ゲーム(ATL戦)をしていしまい、これは私にとっても、選手たちにとっても屈辱的なものだった。レギュラーシーズンは素晴らしかったけれど、我々はポストシーズンの結果で評価される。昨年はその使命が果たせなかったが、今年はまたそのチャンスがある。きっと昨年よりうまくやれるはずだ」

7巡指名の2人と契約

ドラフト7巡指名のWRカール・フォード、LBスティーヴ・ジョシューとの契約がまとまった。残るは1巡のLBバーネット、3巡のDTピーターソン、5巡のLBヒレンマイヤーの3人。パッカーズは他チームと比べてキャンプ入りが1週間早いため、ルーキーたちとの契約もその分急ぐ必要がある。

2003年7月16日

DEコクラン、WRピーターソンと契約

パッカーズは、アラバマ州立大のパスラッシャー、アール・コクランと契約した。コクランはつい先日の "Supplementary Draft" にエントリーしたが指名されず、そのままフリーエージェントとなっていた。6-5(195cm)の長身だが、体重わずか230ポンド(104kg)でプレーしていた。現在は265ポンドとのこと。昨年9.5サックを記録し、パッカーズのキャンプではパスラッシュDEの控えの座を争う。

もうひとり契約したのは、元CFLのWRカマウ・ピーターソン。ニューハンプシャー大出身の彼は、CFLカルガリーで2年間プレーした後、2月にジェッツと契約。そのジェッツから最近解雇されたばかり。

なお、先日の "Supplementary Draft"でパッカーズは、注目のRBトニー・ホリングスを"ミッド・ラウンド"(3巡か4巡あたり?)で指名しようとしていたらしい。結果的に、2巡指名権を使ったテキサンズがホリングスを獲得した。

2003年7月15日

ロースター展望 LB編

ロースター枠は6人。毎年、ラン守備の足を引っ張ってきたLB陣だが、スピードの向上を目指し、今年は大幅に入れ替えを行った。ウィークサイドLBのウェインを解雇し、ミドルLBのニッカーソンは引退。FA市場でも多くのLBを物色したが、順調に補強が進んだとは言えない。スピアマン(CIN)、ダニ・ジョーンズ(NYG)、デュエイン・ラッド(CLE→TB)などの獲得を目論むがうまくいかず、6月にはランドール・ゴドフリー(TEN→SEA)の獲得もできなかった。

元パンサーズのハンニバル・ネイヴィーズと契約し、ドラフトでは1巡指名のバーネットをはじめとして3人ものLBを指名。ただ本音を言えば、もうひとり実績のあるベテランが欲しかったところだろう。 残留組のディッグスをウィークサイドに移し、ネイヴィーズがストロングサイド、ルーキーのバーネットがミドル、というのが現時点での首脳陣の考えだが、バーネットはミドルでの経験が少ない。この3人をどう並べるかがトレーニングキャンプでのダフナー新LBコーチの大きなテーマとなる。控えの3人を争う選手たちは、スペシャルチームでの奮闘を見せることも重要なポイント。

ナイル・ディッグス

プロ入りから3年間、ストロングサイドで堅実に先発を務めてきた。今オフはRFAとしてDETのオファーシートにサインするが、かろうじてパッカーズが引き留めに成功した。飛び抜けたスピードの持ち主ではないが、判断が的確でミスタックルが少なく、パスカバーも安定していて、チームメイトの信頼も厚い。今年は初めてウィークサイドに挑戦するが、「もっとスピードのあるバーネットの方が向いているのでは」という声も多い。

ハンニバル・ネイヴィーズ

パンサーズでの4年間で15試合に先発しているが、ケガが多く、フル出場が一度もないのが最大の不安。アスレチック能力は非常に高い。キャリア唯一のインターセプトは2000年にQBファーヴから奪ったもの。いまのところストロングサイドで先発の予定で、ミニキャンプでの動きはなかなか評価が高かった。両アウトサイドに加え、ミドルでの経験もある。

ニック・バーネット

今年のドラフト1巡指名。全LBの中からトップ指名となった。スピードがあり、シュアなタックル力がある。スペースでの動きの良さはミニキャンプでも証明済みだが、密集の中でブロッカーをさばけるかは未知数。現時点ではミドルLBとして先発の予定だが、本来はウィークサイド向き、という見方が強い。

トランス・マーシャル

2001年のドラフト3巡も、これまでは期待を裏切り続け、活躍の場はスペシャルチームのみ。フィジカル能力は素晴らしいが、LBとしての嗅覚が欠けている。それでも今春は大きな進歩を見せたと言われているだけに、薬物違反での4試合出場停止処分は痛い。この大ピンチを切り抜けて残留させてもらえるようなら、それが逆に進歩の証となるのだが。ミドルとストロングサイドの控えの座を争う。

パリス・レノン

2000年にリッチモンド大からドラフト外でパンサーズ入り、その後、XFL、NFLヨーロッパ、そしてプラクティス・スクワッドを経て、昨年はついにパッカーズのロースター入りを果たした。これまでのミニキャンプでは主にミドルを担当。今年はかなりバルクアップに成功したとのこと。マーシャルの不祥事で、ロースター入りに大きく前進か。

ハンター・ヒレンマイヤー

今年のドラフト5巡指名。頭がよく、効果的な働きをする。真っ直ぐ走るスピードはやや遅いが、横方向は十分に速い。下半身はがっちりしているが、上体はまだ細く、ミドルLBとしてはもっとバルクアップが必要。開幕ロースター入りはおそらく大丈夫だろう。スペシャルチームでの働きにも期待。

マーカス・ウィルキンズ

昨年は、テキサス大からのドラフト外入団ながらロースター入りを果たした。主にパスラッシャーで、LBとしては粗削りだが、スピードを活かしてスペシャルチームで働いた。しかし今年はドラフト指名ルーキーが3人も加わり、開幕ロースター入りは難しくなってきた。

スティーヴ・ジョシュー

今年のドラフト7巡指名。ディビジョンIIの大学出身で、素晴らしいスピードの他は未知数。大学では主にパスラッシャーとしてプレーしていたようだ。同タイプのウィルキンスあたりとのロースター枠争いとなるか。スペシャルチーマーとしてロースター入りするか、それがダメならプラクティス・スクワッドだろう。

シャンテイ・オア

Shantee Orr と書いて、このように読む。ミシガン大出身のドラフト外ルーキー。アーリー・エントリーするがドラフト指名はされなかった。大学時代はパスラッシュDEとして通算13サックを記録しているが、サイズ不足(身長183cm)のためか、パッカーズではLBとして登録されている。

イサーク・キーズ

2001年にドラフト外でヴァイキングス入りするが、左肩の大ケガ。昨年もそれが十分に治りきらずプレーできなかった。今春はNFLヨーロッパのスコティッシュ・クレイモアズでプレー。

トニー・ドナルド

コロラド州のウェスタン州立大出身。大学時代はすべてセーフティとしてプレーしていた。昨年ドラフト外でテキサンズと契約するが、開幕前にカットされ、昨季はフットボールから離れて過ごしていた。

2003年7月14日

ロースター展望 DT編

ロースター枠は、DL全体で9人、多くて10人。パッカーズの場合DTは、センターとガードの間のギャップを担当するのを"ノーズタックル" と呼び、ガードとタックルの間のギャップを受け持つ、いわゆる"3テクニック" を、単に"DT" または"イーグル"と呼んでいるようだ。ギルバート・ブラウン、ロッド・ウォーカー、そしてルーキーのジェームズ・リーあたりのデカイのがノーズタックル。

昨年は、先発に昇格したハントが十分な働きを見せ、オフには高額の契約延長を勝ち取った。NTギルバート・ブラウンはやはり体調面での不安が的中し、終盤に欠場が増え、それとともにラン守備の成績が大幅に悪化した。そのため今オフはDTの補強が重要なテーマだったが、FA補強は必ずしも順調にはいかず、ドラフトでDTピーターソンとNTジェームズ・リーを指名。若いLB陣がどれだけランを止められるかは、このDT陣の働きにかかっているとも言える。

DTクリディアス・ハント

二度の薬物違反など、ポテンシャルの高さを活かしきれない問題児だったが、先発に昇格した昨季は、5.5サックを記録するなど、ようやく期待に応えた。今オフの$25ミリオンの6年契約は、今後のさらなる成長を見込んでのもの。恵まれたサイズとクイックネスを活かしたパスラッシュを得意とするが、時おり不安定な面も見せる。バジャ=ビアミラと違って、高額契約が妥当だったかどうか、多少の不安は残る。

NTギルバート・ブラウン

まだ契約していないが、最低額での再契約は確実視されており、ロースター表にも載ったままなので、ここで紹介してもいいだろう。元気でさえあれば、ノーズタックルで不動のスターター。彼がいるかいないかで、ラン守備の出来が大幅に変わってくる。大事なシーズン終盤やプレーオフに彼が万全の調子で臨めるよう、控え選手たちが負担を減らしてやってほしいところ。

DT/DEケニー・ピーターソン

今年のドラフト3巡指名。DT/DE兼任で、DTハントとLDEジョンソンの控えとしてローテーション起用に加わることが期待されている。中途半端なタイプで、DTとしてはサイズ不足が懸念されている。しかしカレッジでの経験は十分で精神的にもしっかりしており、すぐにインパクトを与えられるかはともかく、ローテーション起用の一角で即戦力となるのは間違いないだろう。

NTロッド・ウォーカー

タイタンズからトレードで移って今年が3年目。ノーズタックルでギルバート・ブラウンの控えを務め、昨年は5試合に先発。ケガ人続出のDEに入ることもあった。ポテンシャルは高いが荒削りなタイプ。今年のキャンプでは、ウォーカー、ウォーレン、リーの3人から1人が脱落することになりそう。

NTジェームズ・リー

今年のドラフト5巡指名。オレゴン州立大では先発させてもらえなかったが、330ポンド級でありながら40ヤード走を4.88秒というスピードを誇る。フットワークは軽いが、トレーニング嫌いだったせいか上体のパワーが不足している。バルクアップが必要なピーターソンとは逆に、リーの場合はしっかり体重をコントロールすることが必要。大当たりか大ハズレか、今年のパッカーズのドラフト評価のカギを握る男。

DT/NTスティーヴ・ウォーレン

2000年のドラフト3巡指名だが、ルーキー年の終盤にヒザ上を大ケガし、2年目は全くプレーできず。復帰してからもルーキーの時のようなクイックネスが取り戻せないようだ。もともとサイズ不足(身長185cm)ということもあり、ノーズタックルの控え争いでは劣勢。今年はルーキーのジェームズ・リー次第で、開幕前にカットされる可能性は高い。

NTターデル・サンズ

身長6-7(201cm)、体重337ポンドというデカさ。テネシー大チャタヌーガ校から2001年のタイタンズのドラフト7巡指名。昨年はパッカーズのプラクティス・スクワッド。恵まれた体を活かしきれず、今年も開幕ロースター入りは難しそう。

2003年7月13日

LBトランス・マーシャルが4試合の出場停止に

LBトランス・マーシャルが二度目の薬物違反(ステロイドなどではなく麻薬系)を犯し、NFL側から4試合の出場停止を申し渡された。トレーニングキャンプおよびプレシーズンゲームは全て出場可能。しかし最後のプレシーズンゲーム直後の8月29日(金)から、第4週の9月29日の@シカゴ戦が終了するまで、チームに帯同することは許されず、チーム施設の利用、チーム関係者との接触まで全て禁止される。その間のサラリーも支払われない。

マーシャルは、オクラホマ大から2001年のドラフト3巡指名でグリーンベイにやってきたが、ドラフト前のスカウティング・コンバインで最初の陽性反応が検出されており、つまりプロ入りの時点で"ワン・アウト"の状態だった。今回 "ツー・アウト"となった彼は、次に違反を犯すと自動的に一年間の出場停止処分となる。パッカーズの選手に出場停止処分が下されるのは、一昨年のDTクリディアス・ハント以来。

チームを通じて発表した声明の中でシャーマンHCは、「6月のミニキャンプ終了後、マーシャル自身が専門家の助けとカウンセリングを求めた。それが彼の人生を軌道に戻す助けになればと期待している。彼が自分自身をこのような状況に追い込んだことに、もちろん私は失望している。しかし彼が、回復のために必要な行動をとったことには満足している。チームメイトやコーチたちは彼が完全に回復するために、出来る限りのサポートをするだろう」と語っている。

Supplemental Draft

Supplemental Draft (7月10日の記事参照)が行われ、注目のRBトニー・ホリングス(ジョージア工科大)は、ドラフト2巡でテキサンズに指名された。これによってテキサンズは来春のドラフトで2巡指名権を失うことになるが、テキサンズは今春のドラフトの際のトレードでレイダーズから2巡指名権を手に入れているため、それだけの余裕があったということなのだろう。

なお、ホリングス以外にエントリーしていた5人の選手はどこからも指名されず、そのままフリーエージェントとなった。

2003年7月12日

ロースター展望 DE編

ロースター枠は、DL全体で9人、多くて10人。昨年は、ホリデイ、バジャ=ビアミラに加え、ジョー・ジョンソンのFA加入で、大きな期待を集めたユニットだったが、ジョンソンとホリデイが合わせて15試合しかプレーできず、特にラン守備で大きく目算が狂った。今年はホリデイが出て行ったものの、コルツからウォコーリーを獲得し、ドラフトではDT兼任のケニー・ピーターソンを3巡指名。まずまずのメンバーが揃った。

ジョー・ジョンソン

昨年は上腕三頭筋断裂の大ケガで第5週に戦線離脱したが、いまのところ回復は順調。ホリデイに代わって先発の左DEに入り、ラン・シチュエーションではバジャ=ビアミラに代わってウィークサイドに入ることもありそう。31歳という年齢もあり、昨春の$33ミリオンの契約が失敗だったかどうか、今年のプレーに注目が集まる。5月にマリファナ所持で逮捕されたのは全く情けないが、出場停止などはない見込み。

カビーア・バジャ=ビアミラ

2年連続二ケタのサックを記録し、プレミア・パスラッシャーとしての評価を確かなものにした。FA市場でも注目を集め、7年$37ミリオンの契約延長を果たした。なんといっても課題はラン守備。エブリダウン・プレーヤーになれないようでは、この金額は高すぎる。しかし、慢心とは程遠いタイプで、これまでのミニキャンプではさすがという動きを見せている。

アーロン・キャンプマン

昨年のドラフト5巡指名だが、ケガ人続出のなかで中盤の6試合に先発し、堅実なプレーで穴を埋めた。読みや判断力がしっかりしているので頼りになる。今年もジョンソンの控えとしてローテーション起用に加わり、パスシチュエーションではインサイドに入ることもあるだろう。

チューキー・ウォコーリー

Chukie Nwokorie と書いてこのように読むらしい。管理人泣かせのミスター難読。コルツでの4年間はケガが多く、全試合出場は2001年だけ。左右両サイドをこなし、パスシチュエーションではインサイドに入ることも。これまでのミニキャンプではケガのために練習に参加できていない。ドラフト3巡でDT/DEピーターソンが加わったこともあり、キャンプでのプレー次第では解雇の可能性も。

ジャマール・レイノルズ

2001年のドラフト1巡10位だが、この2年間はほとんどチームに貢献できず、ファンの怨嗟の的に。サイズ不足を補うスピードがなく、パスラッシュの動きも一本調子。ここまで解雇されなかったのは、解雇したらサラリーキャップへのヒットが大きいからで、この夏か、来年には解雇されるのが確実視されている。ケガでインジャリー・リザーブに入ってくれるのが一番ありがたい、という意地悪な声も。

ケニー・ピーターソン

今年のドラフト3巡。DT/DE兼用なので、次回DT編で紹介。

その他

アーカンソー大出身のジャーメイン・ペティはこの春NFLヨーロッパでプレー。エリック・パウエル(フロリダ州立大)とカレン・ジェンキンズ(セントラル・ミシガン大)の2人はドラフト外ルーキー。 上で紹介した4人 + ピーターソンの5人はなかなか強力で、開幕ロースターに残るのは難しそう。良くてもプラクティス・スクワッドだろう。

2003年7月11日

ロースター展望 G/C編

ロースター枠は通常5人(OL全体で9人、多くて10人)。センターとガードを兼ねる控え選手が多いので、まとめて紹介する。ケガの不安のあるOT陣と比べると不安は少なく、控えを2人から3人に増やすことはなさそう。昨年はRGリヴェラが初のプロボウル出場を果たし、CフラナガンもLGウォールもプロボウルのレベルは遠くない。同じメンバーで今年が3年目と、ケミストリーも万全。パッカーズでは最も充実したポジションかもしれない。

RGマルコ・リヴェラ

地味だが、チーム最高のタフガイ。昨年は両ヒザの靭帯を部分断裂しながら全試合先発、念願のプロボウル出場まで果たした。先発に昇格して今年で6年目の31歳。先発OL陣では一番の古株で、少々のケガをものともしない姿勢は、後輩たちのよきお手本となっている。今年は先発の座は安泰だが、高額サラリーということもあり、来年は放出の可能性もある。

LGマイク・ウォール

先発LGに定着して3年目の26歳。2年連続フル出場で、昨年のOL陣では唯一ケガらしいケガがなかった。2000年には左タックル失格の烙印を押されてクリフトンに先発の座を譲った彼も、ガードに移ってからは進境著しい。昨年、今年と順調に評価を上げ、「次にOL陣からプロボウラーが出るとしたらウォール」と言う記者も。

Cマイク・フラナガン

ウォールと同様、先発センターに定着して3年目。昨年は手の骨折で出遅れて第4週からの出場だったうえ、左右両タックルの戦線離脱で左タックルの先発をやらされるハメに。軽量ながらアスレチック能力は非常に高く、LTとしてもほとんどサックを許さなかった。彼の活躍がなければ、昨年終盤のパスプロテクションはズタズタになっていたはず。今年はセンターに専念し、プロボウルを狙ってほしい。

Cフランク・ウィンタース

先発をフラナガンに譲って3年目。長年、ファーヴの相棒を務めてきた17年目の大ベテランも、いよいよ引退が近い。OL陣にケガ人が続出した昨年は10試合に先発して大いに貢献したが、機動力の衰えを指摘する声も多かった。最低年俸で再契約したが、若手のライバルは多い。4人で2つのイスを争い、もし敗れればキャンプ終盤に解雇、そのまま引退となりそう。

G/Cグレイ・ルーガマー

1999年ドルフィンズのドラフト3巡指名。2年目からペイトリオッツに移り、3年間で3試合に先発。3つのポジション全てをこなす控えとして期待されてパッカーズにFA移籍。これまでのミニキャンプでは3ポジションを均等にプレーしているらしい。控えの2つの枠を争う競争は激しいが、実績あるウィンタースは39歳で、フェラリオやブラントは経験不足のため、このルーガマーはロースター入り当確の勢い。

G/Cビル・フェラリオ

2001年のドラフト4巡で地元ウィスコンシン大から入団したが、完全に伸び悩んでいる。この春はNFLヨーロッパで、初めてセンターに挑戦するはずだったが、戦争にビビって渡欧を取りやめ、経験を積むチャンスを失った。この夏のキャンプが勝負で、ウィンタース、ルーガマー、ブラントらと2つのイスを争う。

G/Cデヴィッド・ブラント

2001年にミシガン大からドラフト外でレッドスキンズに入団し、13試合に出場(先発1試合)。昨年春になぜか引退し、高校の代用教員をやっていたらしい。今年になって復帰を決意し、(保有権のあった)レッドスキンズからトレードでパッカーズへ。どちらかというとガードが本職のようだが、情報が少ないので、よくわからない。ブランクのせいか、ミニキャンプでの評判はあまり芳しくなかった。フェラリオと同様、この夏のキャンプが勝負。

その他

OTの項で紹介した、ドラフト外のソリアーノやポーターはタックル/ガード兼用で登録されていて、うまくいけば上記の争いに加わってくる可能性はある。また、RTタウシャーやRTバリーも右ガードの経験は十分にある。そのため、タックルのデプス拡充を重視した場合、ガード/センターの数が減らされる可能性もなくはない。

2003年7月10日

ドラフト7巡CBクリス・ジョンソンと契約

パッカーズは、ドラフト7巡指名のCBクリス・ジョンソンと契約したと発表。詳細は明らかになっていないが、3年契約と思われる。ジュニアカレッジを経てルイヴィル大で2年間プレーした彼は、そのスピードが最大の武器で、スロウィックDBコーチは "fast, fast, fast - and inexperienced" と評している。7巡指名ながらミニキャンプで見せたパスカバーの評判は素晴らしく、開幕ロースター入りは確実視されている。

ドラフト指名選手のうち、これで4人の契約が完了し、残るは5人。

もうじきSupplemental Draft

今年で27回めとなる"Supplemental Draft"(補足ドラフト)が7月10日に開催される。4月の本ドラフトにエントリーせずに大学に残ったものの、(学業上の理由などで)来季のカレッジシーズンの出場資格を失った選手が、この補足ドラフトにエントリーする。今年エントリーした選手は6人。(NFL.comを参照

4月の本ドラフトと同様に1巡から指名は進んでいくが、各チームとも必ずしも指名する必要はなく、全く誰も指名されない年もある。指名したチームは、それと同じ巡の指名権を、来年春のドラフトにおいて没収されるというルール。1985年にはQBバーニー・コーザーが、1990年にはWRロブ・ムーアが、この"Supplemental Draft" の1巡で指名されている。現在のパッカーズでは、先発LGマイク・ウォールが1998年の2巡で指名されている。

今年エントリーした選手の中で最も注目を集めているのは、ジョージア工科大のRBトニー・ホリングス。昨季中盤にヒザの靭帯を断裂するまでは、全米トップのラッシングを記録していた選手で、3巡あたりでの指名が予想されている。先日の彼の公開ワークアウトにはパッカーズの首脳も顔を見せたが、大ケガからの復帰途上ということもあり、わざわざ上位指名権を使う可能性は低そう。

2003年7月 9日

ドイツ人WR/LSと契約

パッカーズは、NFLヨーロッパのベルリン・サンダーでプレーしていたドイツ人WR/LSヨルグ・ヘッケンバックと契約した。ヘッケンバックはデュッセルドルフ出身の28歳。フランクフルトで2年、ベルリンで5年、合計7年間NFLヨーロッパでプレーしてきた。昨季はパスキャッチ17回185yds、3TD。身長191cm、体重94kg(207ポンド)というのはWRとしては大きいが、ロングスナッパーとしてはちょっと珍しいかも。

2003年7月 7日

ロースター展望 OT編

ロースター枠は通常4人。ケガ人のことがあるので、5人に増やす可能性も。当サイトでも繰り返し取り上げているように、先発の左右両タックルが大ケガからの復帰途上。ベクトルOLコーチは「開幕には間違いなく間に合う」と太鼓判を押すが、2人とも重いケガだけに楽観はできない。昨季はこの左右両タックルの戦線離脱が非常に痛かった。今年も、パッカーズ攻撃のカギを握るポジションと言える。

OTマーク・タウシャー

ルーキーだった2000年から先発RTを務めてきたが、昨季第2週にヒザの前十字靭帯を断裂し、シーズンエンド。リハビリはここまで非常に順調で、キャンプ初日から通常の練習に参加できるかも。パッカーズのOL陣では最も信頼されている選手。見栄えはしないタイプだが、意外に玄人筋からの評価が高い。LTクリフトンが使えないようなら、彼が左サイドに回るかもしれない。

LTチャド・クリフトン

タウシャーと同じく、ルーキーだった2000年の途中から先発LTを務めてきたが、昨季第12週の@タンパベイで骨盤の大ケガを負い、シーズンエンド。非常に珍しい箇所のケガで、しかもヒザやヒジの関節鏡手術も受けたため、タウシャーと比べると、順調に復帰できるか不安は残る。まだ若く、伸びシロのある選手なのだが、今年は足踏みか。

RTケヴィン・バリー

昨季はドラフト外からロースター入り。先発陣に加えてドットソンまでいなくなった終盤3試合に先発出場。ラインの崩壊をなんとか防いだ。サイズに加えてフィジカル能力も高く、将来性はある。やや学習能力に問題があるらしい。今オフのはじめは左タックルの練習もさせていたが、今は右サイドに専念させている。開幕ロースター入りはほぼ確実。

RTブレナン・カーティン

ドラフト6巡指名ルーキー。身長206cm。サイズのわりにフットワークは軽く、課題は上半身のパワー。ミニキャンプでは、下記の3人の控えLT候補たちよりも、むしろ評判が良かった。ノートルダムではLTの経験もあるのだが、現状ではやはりRT向きらしい。彼とバリーをロースターに残すことになると、控えがRTばかりになってしまうのが難点。

LTマーカス・スプリッグス

ビルズで4年、ドルフィンズで2年、合計16試合の先発経験がある。ドルフィンズに移った2001年の開幕戦でヒザの靭帯を断裂し、シーズンを棒に振った。逆に昨年は負傷した先発LTディクソンに代わって4試合に先発した。ドルフィンズでは左タックルで先発したが、ビルズ時代は右タックルが多かった。控えLTの座を下記のウィズニーと争う。いまのところ互角らしい。

LTジェリー・ウィズニー

ノートルダム出身。1999年ベアーズのドラフト5巡指名。ケガ人続出を受けて、昨季終盤にパッカーズと契約。先発経験はルーキーの年の1試合だけ。まだ不安定だが、6月のミニキャンプではなかなか良いパスプロテクションを見せたらしい。上記スプリッグスとの争い。

LTレジー・コールマン

テネシー大でクリフトンの2年後輩。昨年のレッドスキンズのドラフト6巡指名。しかし開幕ロースターに残れず、プラクティス・スクワッドへ。10月はじめにベンガルズと契約するが、出番は全くなし。5月半ばにカットされてグリーンベイにやってきた。上記の2人と控えLTの座を争うが、ロースター入りは難しそう。

OTデヴィッド・ポーター

アイオワ大出身のドラフト外ルーキー。フィルビン新OLアシスタントの教え子ということになる。LTで1年、RTで1年の先発経験があるが、パッカーズではガード兼用として登録されている。ロースター入りは非常に厳しく、良くてプラクティス・スクワッドか。

OTTジャミール・ソリアーノ

ハーヴァード出身のドラフト外ルーキー。すでにちゃんと卒業済み。フィリピン系の父親とパキスタン系の母親はどちらも医師で、本人もいずれはそちらに進みたいらしい。上記のポーターと同様、良くてプラクティス・スクワッド。

2003年7月 6日

元パッカーズの選手たち

ニュースもないので、元パッカーズの選手たちの動向をまとめて。

2003年7月 5日

ロースター展望 TE編

ロースター枠は3人。フランクスは立派なプロボウラーに成長したが、問題は2番手TE。フランクスのスピード不足を補う意味でも、3年目のマーティンにかかる期待は大きい。ベテランのタイロン・デイヴィスはいつも体重オーバーで評判が悪いが、FAでテコ入れする余裕がチームにあるかどうか。

ババ・フランクス

1年目こそ不本意な成績だったが、2年目・3年目と着実に進歩してきた。パスキャッチはもともと非常に上手い。ブロック力も向上し、アサインメントミスもほとんど見られなくなった。「真のプロフェッショナル」とTEコーチは称賛する。今年も敵陣ゴール前では、QBファーヴのメインターゲットになるだろう。

デヴィッド・マーティン

一昨年のドラフト6巡。フィールドをストレッチするスピードを持っている。WRからの転向組のためブロック力はまだ心もとないが、パスキャッチは上手い。問題は、なんといっても精神面。今年はここまでしっかりやっているようなので、前向きな気持ちでフットボールに集中し続ければ、出番は増えるだろう。今年のパッカーズオフェンスがダブルTE隊形をどのくらい使うかは、彼の出来にかかっている。

タイロン・デイヴィス

プロ8年目の31歳。毎年体重オーバーで顰蹙を買うが、不思議と解雇されない。「なにかシャーマンHCの弱みでも握ってるのではないか」という冗談があるほどだ。まあ確かに、太くてもスピードはあり、ウェストコースト経験は十分。いまのところ3番手は安泰だが、ファンの多くは別のFA選手の獲得を望んでいる。それよりも、これほど自己管理できない選手がカットされないようでは、チームのモラルに悪影響を及ぼさないか心配だ。

ジョーイ・ナップ

テキサス大エルパソ校出身。昨年の春にドラフト外でテキサンズに入団するが開幕ロースターには残れず。今年もロースター入りは難しそう。

2003年7月 4日

ロースター展望 WR編

ロースター枠は5人または6人。テリー・グレンを一年限りで放出したのは、若いファーガソンとウォーカーが2番手争いをしつつ成長すると期待したから。キャンプでは2番手争い、5番手争い、パントリターナー争いなど見所が多い。6人目がロースター入りするためには、正パントリターナーとなることが必要だろう。リターナー候補を大量に召し抱えているため、WRが総勢11人もいる。その半数が開幕までに脱落する計算になる。

ドナルド・ドライバー

去年の今頃は3番手・4番手あたりだった彼も、今ではQBファーヴの信頼厚いエースWRに。常に明るく勤勉な態度は、若いWR陣の良きお手本となっている。昨季終盤に大型契約を結んだが、これまでのミニキャンプではさすがNo.1というプレー内容で、(フリーマンの時のような)慢心を心配する必要はなさそうだ。相棒がファーガソンならドライバーはフランカーに、相棒がウォーカーならスプリットエンドに入る予定。

ロバート・ファーガソン

勝負の3年目。一年目は明らかに準備不足で、出番もほとんどなかったから、今年が実質2年目のようなものか。パスキャッチが上手く、ガタイを活かしたランアフターキャッチに優れている。ウォーカーとの2番手争いを一歩リードしているが、ヤマ場はこれから。サイズやスピードだけなら、ドライバーよりも彼ら2人の方が上なのだから、期待は大きい。

ジャヴォン・ウォーカー

昨年のドラフト1巡指名。190cmのサイズに4.3秒台のスピードを誇る。昨季は最後のファルコンズ戦で5回104ydsの活躍で、そのポテンシャルの高さを見せた。時おりイージーな落球があり、ルート取りもまだ少し不安定。そのあたりの不安を払拭し、QBファーヴの信頼を勝ち取ることがブレークへの条件だろう。

カーステン・ベイリー

99年シーホークスのドラフト3巡指名。現時点では4番手。コーチたちの信頼は厚いようだが、記者たちの評価はさほどでもない。彼の4番手の座を脅かすような選手が出てきてほしいところ。

カール・フォード

今年のドラフト7巡。ドライバーが入団した時と、サイズがほぼ同じ。ということはまだひょろひょろで、かなりのバルクアップが必要だ。ミニキャンプでの評価はなかなか良く、5番手争いを少しリードしているかもしれない。リターナーが出来ればよいのだが、これはまだ未知数。

デヴィン・ルイス

ルイジアナ州のディヴィジョンI-AA校、サザン大出身。昨季はプラクティス・スクワッド。荒削りだがサイズがあり、首脳陣の期待は大きいらしい。しかし、昨年からいたくせにプレーブックが十分消化できておらず、その点でルーキーにも劣るというのは一体どういうことなのか。こんなことで5番手争いができるのか。

デアンドリュー・ルービン

今年のドラフト7巡。リターン・スペシャリストで、カレッジでのリターナー実績は彼が一番。WRとしての評価はイマイチで、やはり開幕ロースター入りするには正リターナーとなるしかなさそう。ライバル多し。

アントニオ・チャットマン

アリーナ・リーグで大活躍した小柄なリターン・スペシャリスト。6月のミニキャンプではリターナー候補の中で最も評判が良かった。

ガリ・スコット

2000年のイーグルスの4巡指名。これまでいくつものケガに悩まされてきたが、この6月5日にもヒザの関節鏡手術を受けた。彼もリターナー候補だが、キャンプまでにケガが治るかどうか。

ブライアン・マクドナルド

NFLヨーロッパで活躍したリターン・スペシャリスト。 6月半ばに契約したばかり。

トラヴィス・ウィリアムズ

海軍出身の変り種。長身の白人WR。NFLヨーロッパに派遣したが、むこうでケガをしてしまい、ほとんどプレーできなかったようだ。

2003年7月 3日

ルーキー・シンポジウム

今年で7回目となるNFLルーキー・シンポジウムが、フロリダ州パームビーチで開催されている。262人のドラフト指名選手全員がホテルに缶詰にされ、4日間にわたってみっちりと講義を受けるのだ。朝8時に始まり、終わるのは夜の10時。就寝点呼は夜12時半。許可なくホテルの敷地から出ることは許されず、セミナーに携帯電話を持ち込むのも禁止。優れたフットボール選手というだけでなく、彼らをまっとうな人間に育てるため、リーグ側はこのシンポジウムに$50万ドルもかけているのだ。

テーマは多岐にわたるが、やはり私生活における落とし穴に関することが多い。緊張状態でいかに冷静さを保つか。ドラッグ。エイズ予防。セーフ・セックス。長年のガールフレンドと別れるには。その女性が内縁関係での婚姻だったと主張し、財産の半分を要求されたら。急にリッチになったことにどう対処するか。親族からの金銭面の頼みごとをどうするか・・・。どのようなシチュエーションでどのような危険が待ち構えているかを、寸劇なども使って説明する。

各分野の専門家だけでなく、現役NFL選手や元選手、コーチたちが講師になる。今回招かれたのは、ダン・リーヴスHC、RBエミット・スミス、QBペイトン・マニング、DEマーセラス・ワイリー、CBトロイ・ヴィンセント、QBランディ・モスなどなど。さらに面白いのは、つい昨年ルーキーだったRBクリントン・ポーティス、WRアントワン・ランドル=エル、SSコイ・ワイアー、LBスコット・フジタたちまでも講師役になることだ。成功した超一流選手ばかりでなく、つい最近の生々しい経験を話してくれる若手選手の言うことならば、ルーキーたちはなおさら真剣に聞くことだろう。

2003年7月 2日

ファーヴ 「引退するつもりだった」

地元ミシシッピでのチャリティ・ゴルフ大会、"Brett Favre Celebrity Golf Tournament" の会場で、ブレット・ファーヴが驚くべき発言をした。「あと3年はプレーできることはわかっている。でも、自分がそれを欲するかはわからない。僕は去年のいまごろ、シーズンが終わったら引退するとはっきり心に決めていた。シーズンが終わったときに、その決心を変えたんだ」

2003年7月 1日

ロースター展望 FB編

ロースター枠は2人。ベテランのヘンダーソンに加え、元CINのニック・ルーチーと6年契約を結んだ。RBダヴェンポートもFBがこなせるため、層の厚さは十分で、あまり心配の要らないポジションだ。シーズン中、RB陣にケガ人が続出するようなことがあれば、FBを一人だけ( + ダヴェンポート)に減らし、その分をRBに回すことも考えられる。

ウィリアム・ヘンダーソン

長らくスターターを務めてきたヘンダーソンも32歳。昨季終盤はややパフォーマンスが落ちたという見方もある。チーム側がルーチーを獲得したのは、ヘンダーソンの後継者に、という意図だろう。しかしヘンダーソンは今オフもコンディショニングに抜かりはなく、ミニキャンプでのプレーも今までどおり堅実そのもの。世代交代は来年以降になりそう。

ニック・ルーチー

旧名ニック・ウィリアムズ。270ポンド級の大型FB。スペシャルチームでの貢献も期待できる上、緊急時にはボールキャリアーとしても使える。契約ボーナス$1.1ミリオンを含む総額$6ミリオンの6年契約、というのは控えFBのサラリーとしては明らかに高すぎ、チーム側はいずれ先発FBにしようと考えているのは明らかだ。しかしミニキャンプではかなりのオーバーウェイトで現れたあげく、ヒザを痛めてしまい、かなり評判を落とした。やはり今年は2番手どまりか。

トミー・コリンズ

コネティカット大出身のドラフト外ルーキー。大学時はむしろTEが本職だったようで、パスキャッチは非常に上手い。最近のミニキャンプでは、ドラフト外ルーキーの中で最も評判が良かった。しかし、まだフルパッド練習ではないし、過度な期待は禁物か。ロングスナッパーも出来るらしく、そのあたりが開幕ロースター入りの突破口になる可能性もある。プラクティス・スクワッドの候補。

ジェリー・ウェストブルックス

オハイオ州立大出身。かつてはドルフィンズのプラクティス・スクワッドにいて、昨春はNFLヨーロッパに派遣されていたが、昨季の開幕前に解雇されている。開幕ロースター入りは難しいだろう。