サラリーキャップ管理や契約交渉など選手財政を担当してきたアンドリュー・ブラント副社長が、パッカーズを退団することを発表した。「新しい挑戦がしたい」と語る他に理由ははっきりせず、他球団からの引き抜きではなさそうだ。昨年の新社長選びで最終候補にも入らなかったことに落胆したとはいえ、球団首脳との軋轢などないと本人は否定している。
現在47歳のアンドリュー・ブラントはスポーツ法を専門(今も2大学で教えている)とする弁護士でもあり、プロサーブ社では敏腕エージェントとしてQBブーマー・アサイアソンやWRジェームズ・ロフトンも担当した。ワールドリーグ(後のNFLヨーロッパ)でバルセロナ・ドラゴンズのGMも務めたことがある。1999年にパッカーズに加わると、サラリーキャップ管理の手腕が認められてわずか2年で副社長に。ロン・ウルフ、マイク・シャーマン、テッド・トンプソンの3人のGMの下で、非常に優れた実績を残してきた。
ブラントはかつての経験を活かして選手や代理人との接し方が上手く、選手の長期ホールドアウトがほとんどなかった。サラリーキャップが大きく破綻することなくチーム力を維持してこられたのも、彼の力によるところが大きいといわれている。今はキャップに余裕があるためすぐに悪影響が出ることはなくても、長期的に見ればやはり痛手と言えるだろう。「契約交渉やサラリーキャップ・マネジメントについては、新しい人物を探すまでは、チーム内部の者たちでやっていく」とトンプソンGMは説明している。
辞職のタイミングについて、ブラントは言う。「ちょうどよい時に思えたからだ。3人のヘッドコーチ、3人のジェネラルマジェージャー、そして数え切れないほどの選手たちとの関わりを、私は9年にわたって楽しんできた。よい思い出ばかりだけれど、新しい挑戦に向かって思い切った判断をすることも、人生には必要なものだ。シーズンは終わったし、フリーエージェント期間まではまだ間がある。キャップには余裕があってフレキシビリティがある。そういったこと全てを考えあわせ、今がよい時だと判断したんだ」
テッド・トンプソンGMやマーク・マーフィ新社長との関係について。「私は彼らのことをすごく大事に思っている。テッドとの関係は極めて良好だった。選手や契約についての考え方は共通するところが多かったからね。テッドがいてくれれば、フットボール部門は何も心配することはない。マークについては、私は彼がパッカーズに来る以前から知っていた唯一の球団職員だと思う。彼ならばこのフランチャイズの素晴らしいリーダーになるはずだし、僕としては彼の成功を祈るばかりだ」
今回の社長選考の過程において、ハーラン会長を含め球団内部が推したのは、同じ副社長でも37歳のジェイソン・ウィードの方だった。ブラントとしては、このまま残っても将来社長になれる可能性はないと見切りをつけたのかもしれない。「自分が社長候補として何度も面談させてもらえたこと自体が名誉なことだ。私は全てをさらけだし、彼らが決断を下した。選ばれなかったのはたしかに残念だけど、人生はまだ続いていく。その件は大きな要素ではなかった」
「代理人をしていたとき、テーブルのこちら側(球団サイド)に来ないかとロン・ウルフから誘われたのがきっかけだった。そして9年経ったいまも、こうしてここにいる。キャップ問題がチーム運営の妨げにならずにこられたことを、私は誇りに思っている。そして、パッカーズに在籍している間に他の職を探すことは正しくないと感じたんだ。ここで働けたことは大きな名誉だった」
金曜に最後の出勤をしたボブ・ハーラン会長。月曜からは名誉会長に退き、1年間は相談役としてマーク・マーフィ新社長のサポートをすることになっている。もともとは昨年6月1日にジョン・ジョーンズ社長にCEOを譲るはずが、不適格と判断して直前で解任を決定。経営委員会は数ヶ月かけて先月マーク・マーフィを後継者に選び、ハーラン会長は7ヶ月遅れでようやく引退させてもらえることになった。
ものすごく楽しめたよ。今季はどうなると思う?と昨夏聞かれて、「4勝12敗から8勝8敗になったことだし、もし9勝7敗か10勝6敗にできればワイルドカードのチャンスがある」と私は答えた。本当にみごとな成績だった。テッド(トンプソンGM)が来て最初の2年間というもの、彼を雇ったことを非難する電話や手紙がたくさん来たが、最近その人たちが手紙をくれて、「2年前にひどいことを書いてしまったが、私が間違っていた。素晴らしい人事だった」と言ってくれたんだ。私が一番嬉しかったのはそういったことだ。
私は、自分が去る前にフットボール部門(の組織)を整理しなければならないと感じていた。マイク・シャーマン(HCとGMを兼任)の時はそうでなかった。だから私が去る前にテッドに来てもらうことが非常に大事だった。ジェネラルマネージャーとヘッドコーチの関係を正常化したかった。今は、若く将来性のあるチームだ。この(大改築成った)スタジアムのおかげで、収益も上がっている。フットボールに関しても素晴らしいリーダーシップがある。よいフットボールチームを残すことができたと思う。
打撃を和らげる働きはあったね。8勝8敗より13勝3敗シーズンの方が交替は容易だし、マイク・マーフィならば安心して任せることができる。いつも言っているように、私は世話人なのだ。「私はチームを所有しているわけじゃないし、投資をしているわけでもない。しかし在職のうちによりよいチームにして次に手渡すことが私の責任だ」というのが私の口癖だった。そして、その通りにできたと感じている。
やはりミルウォーキー撤退(1994年まで公式戦を行っていた)が一番つらかった。我々は60年にわたってあそこで試合を行ってきた。ミルウォーキーの支えがなければ、パッカーズは今ごろ存続していなかったことだろう。あのときほど、眠れずに悩んだことはなかった。
2000年の住民投票の直前は、私にとって最も厳しい8ヶ月間だった。今であれば、とても大改築プロジェクトはできなかっただろう。とても無理だ。そして、今ごろパッカーズの収入はリーグ31位か32位になっていたことだろう。建設業者に言わせると、もし今から始めたらコストは2倍になると言うんだから。$295ミリオンで成し遂げることができたが、今なら$600ミリオンかかるらしい。だからビジネス上では、スタジアム大改築が最も困難かつ最善の決断だった。
それが最大の懸念だ。将来もこのシステムを保っていけるかどうか。我々は全スポーツで最高の、他がうらやむようなシステムを備えている。1993年にサラリーキャップ制度導入が決まった会合のことをよく覚えているよ。決定したあと、私はポール(タグリアブー)に歩み寄り、お礼を言ったんだ。フリーエージェント制が始まることを、我々は心底恐れていた。だから私は彼に、「グリーンベイは心から感謝している」と言った。
スタッフにいつも言っていることだ。経営委員会や理事会でもね。「みんなスタジアムを愛しているし、収益も上がっている。新しい収入の道を探すことも大事だ。しかし、最も重要なのは日曜の午後なのだという事実を見失っては何にもならない。ファンが求めているのは勝利だ。そして、勝ってさえいれば、それ以外のビジネスは自然とうまく行くものだ」とね。
カギは、優れたGMが必要だということだ。私が行った最も重要な人事はGMを選ぶことであり、私はロン(ウルフGM)とテッドを呼ぶことができてとても幸運だった。ロンは、長い低迷から我々を救ってくれた。それ以前は20年間で4回しか勝ち越していなかったのに、この19年でわずか3回しか負け越しシーズンがなかったことを、私は心から誇りに思っている。
私が(1989年に)社長に就任する前、ファンたちから、「パッカーズ最後の黄金期はロンバルディ時代だ。あんなことは二度と起こらないだろう」と電話をもらった。「優秀な人物さえ連れてくれば可能だ」と私は内心思ったものだ。
私が最も後悔している決断だ。もしいま同じ状況に置かれたら、同じ決断はしないだろう。あまりよい結果が出たとはいえない。ただコーチングの観点からは悪くなかった。12-4、12-4、10-6、10-6だったんだから。しかし選手人事に関してはうまく行かなかった。
だからそう、3戦2勝と言えるだろうね。しかしテッドをGMに招いたときは、恐れていたことが起きてしまった。マイクはテッドとうまく行かなかったのだ。マイクは、自分の上司として外からやってきた相手を好きになれなかった。だからテッドを選んだことについても、全てが私の思いどおりに運んだわけではない。
いや、ないね。君の言う意味はわかるよ。もしこれが8勝8敗や7勝9敗だったら、きっと批判があったことだろう。昨年4月の時点で、ランディ・モスのことでいろいろ言われたばかりだったんだから。しかし今季の成績と、これほど早くチームを上向きにしたことに、ファンも敬意を払っていると思う。
契約延長するにはよいタイミングだった。物事がうまくいっているときは、リーダーシップの継続性が大事だと思う。これでまたチームが1つになっていける。マイク・ホルムグレンが去ったときは、本当に私にはこたえた。ロンが去ったときもだ。まさかと思ったよ。私が退団しても、どちらか1人は残っていると思っていたから。
おそらく最初のうちはうまくいっていた。チームが成功を収めるうちに変わっていったのだ。最初のうちはうまくいっていたのに、だんだんと呼吸が合わなくなってしまった。テッドとマイク(マッカーシーHC)はいま非常に緊密にできているから、それが続くよう期待している。
私のアプローチは常に変わらない。球団の者に対し、声を荒げたことは一度もないんだ。本当だよ。誰とでも面と向かってじっくり話し合えば、どんな問題も乗り越えていける。
私はきっと敵対的な人間関係が好きじゃないんだね。自分は部下を正当に扱ったと思いたい。優秀な人間を雇って、敬意を持って彼らを扱い、彼らの仕事に何が求められるか言い聞かせるよう努力してきた。上司の顔色ばかりうかがったり、上司のための決断をするようになったら、優秀な人材を雇う必要なんてない。空席にしておく方がマシだよ。
人々を丁寧に扱えば物事はうまく行く、という感覚が自分にはあるのだと思う。それ以外のやり方で運営する方が私にとっては難しい。そうなったら自分が自分でなくなってしまう。独裁者のように座っていることなど私にはできない。先日の(新社長選びの)一連の面談で、はっきり言ってそういったタイプの人たちも何人かいたんだ。彼らについての話を聞くと、「あの個性ではここではうまくいかないな」と思えたものだ。ファンはこの球団によく合った人物を求めている。彼らは社長に直に電話をしたいし、「ボブなら自分で質問に答えてくれる」と期待している。マーク・マーフィにもそのことは伝えた。ファンたちは、自分も球団の一部であると感じていたいのだ。
今夜この部屋を出て鍵を手渡し、「じゃあこれで」と言うときがつらいだろうね。37年間もここで働いてきたんだから。しかしコミュニティ関連部門では多少仕事をするし、パッカーズ・ホール・オブ・フェイムの理事も続ける。だから、毎日出勤しないといっても多少のつながりは残るよ。
しかし妻にはたっぷり借りがある。10年前からドア郡(グリーンベイ東北方の保養地)に家を持っているのに、そこでまる1週間を過ごせたためしがない。ゆっくり楽しむつもりで毎回行くんだが、3日もすると、ロンバルディ通り1265番地(球団本部)に戻ってあの件の経過を見守らなきゃ、って気持ちになってしまってね。
遠征試合には今後は同行しないが、ホームゲームはこれまで通り観戦するよ。穏やかな秋の土曜日、散歩したり、カレッジフットボール観戦もいいね。来週は夫婦でマディソンに行ってウィスコンシン対インディアナのバスケットボール、それからアイスホッケーも応援する。こんなことはこれまでできなかったことだ。大きな変化? もちろんだよ。でもそろそろ、そうすべき時なのだろう。そもそも定年は70歳だったのに71歳になってしまい、すでに1年延長しているんだから。
2007年シーズンのパッカーズのスタッツ集、今回はオフェンスとターンオーバーについて。今季前半分・2006年・ 2005年 ・ 2004年 のスタッツも参照のこと。
オフェンス | ||||||||||||||
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Total | 得点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | FumLos | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rate | サック | 3rd% | Red |
370.7 | 27.2 | 99.8 | 4.1 | 13回 | 9回 | 270.9 | 66.3% | 7.26 | 30回 | 15回 | 95.9 | 19回 | 42.6% | 54.0% |
2位 | 4位 | 21位 | 12位 | 13位T | 8位T | 2位 | 3位 | 3位 | 6位T | 11位T | 6位 | 3位T | 8位 | 14位 |
昨季22位と低迷した得点力が2位へとジャンプアップ。シーズン通して好調だったパス攻撃が、不安定なラン攻撃をよく助けた。シーズン前半はNFL最下位クラスだった問題のラン攻撃も、RBグラントの台頭とともに劇的に成績を上げ、終わってみれば平均4.1yds(12位)の好成績。ラッシングTD数も13位なら上出来だろう。
しかしランによる1stダウンはわずか69回(29位)で、ランによる1stダウン獲得率は17.8%(28位)。たとえランと読まれても確実にショートヤーデージの1stダウンを取るような攻撃が、今季もなかなかできなかった。
パス攻撃はほとんどの点で申し分なし。QBファーヴのINT数は6年ぶりの少なさで、レーティングもキャリア17年間で3番目、パス成功率はキャリア最高だった。ラン不振を補うため確実なショートパスからランアフターキャッチを稼ぐ、というパターンがシーズンを通してうまく機能した。レシーバー陣のランアフターキャッチydsはNFL最多で、特にWRジェニングスの個人技は際立っていた。
一昨年27回も許した被サックが昨季は18回、今季は15回と大きく改善されてきた。4レシーバーや5レシーバー隊形を多用した今季は5メンプロテクションの場面も多かったが、その代わり3ステップなど早いタイミングで投げ、QBの判断力も冴えていたので、なかなかサックにならない。球離れが早いので、ラッシュを避けて逃げ回るシーン自体が少なかった。3rdダウン成功率がシーズン後半にアップしたのは、ラン攻撃が向上して3rdダウンロングが減ったせいか。
ターンオーバー | 反則 | 相手反則 | ||||||||
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Takeaways | Giveaways | DIFF | 回数 | ヤード | 回数 | ヤード | ||||
Total | Int | FumRec | Total | Int | FumLos | |||||
28 | 19 | 9 | 24 | 15 | 9 | +4 | 113回 | 1006yd | 118回 | 908yd |
17位T | 6位T | 25位T | 7位T | 11位T | 7位T | 10位T | 29位 | 31位 | 32位 | 32位 |
ターンオーバーレシオは昨季の±0から+4に向上。奪ったターンオーバーは少し減ったものの、オフェンスの犯したターンオーバーが9つも減ったのが大きかった。低リスクのショートパス攻撃を採用したうえ、得点をリードされる展開じたいが少なく、QBファーヴが無理投げをする必要がなかった。
若いRB陣ながらファンブルロストが15回から9回に減ったことも大きい。RBグラントがファンブル1回ロスト1回、RBモレンシーがファンブル1回ロストゼロ、新人のRBジャクソンとRBウィンはどちらもファンブルゼロだった。
ディフェンス編で書いたように、ファンブルリカバーが少なかったのは物足りない。
シーズン前半より落ち着いたとはいえ、反則113回はNFL29位、ヤーデージでは31位。反則の半分近くをディフェンスが占めていて、パッカーズとしては1987年以来最多。特にDB陣のパス守備中の反則が極めて多く、先発両CBのアグレッシブなプレスカバレッジに加え、新先発SSビグビーの反則8回もセーフティとしては非常に多い。いっぽうオフェンスの反則は1994年以来の少なさだった。
なぜか相手チーム側の犯した反則もNFL最多で、おおいに助けられている。
2007年シーズンのパッカーズのスタッツのまとめ。今季前半分・2006年・ 2005年 ・ 2004年 のスタッツも参照のこと。なお、こうしたスタッツについては特に明記しない限りプレーオフ分は含めないのが普通。
ディフェンス | ||||||||||||||
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Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Red |
313.3 | 18.2 | 102.9 | 3.9 | 6回 | 9回 | 210.4 | 55.2% | 5.91 | 23回 | 19回 | 75.6 | 36回 | 33.0% | 48.8% |
11位 | 6位T | 14位 | 11位 | 1位T | 25位T | 12位 | 2位 | 12位 | 18位T | 6位 | 6位 | 13位T | 3位 | 6位 |
許したヤーデージと比べて失点が少ないこと、パス成功率と3rdダウン成功率を非常に低く押さえ込んでいることなど、大幅に向上した昨季後半の成績をそのまま今季に持ち越した印象。
合計TD数29はNFL5位タイの好成績で、レッドゾーンでのTD率もNFL6位なので、まずまず勝負強かったと言えそう。オフェンスとスペシャルチームがよくなったためフィールドポジションに恵まれたこと、リードされた相手が終盤に無理をしてギャンブル失敗に終わったことも、失点の少なさに寄与しているかもしれない。
シーズン後半はDT陣にケガ人が続出したためかラン守備がややダウンしたとはいえ、8年ぶりに平均4.0以下に抑えたのは評価できる。またラッシングTDはわずか6回だけで、NFL1位だった。自陣ゴール前で頑張ってTDを許さず、FGでしのぐ場面が多かった。
パス成功率と3rdダウン成功率の低さは、昨季から続いているパッカーズディフェンスの強み。23TDは多めだが、相手QBレーティングはNFL6位の75.6に抑え、これもほぼ昨年と同じ。(一昨年はパスydsこそNFL1位だったが、QBレーティングでは26位だった)
シーズン前半はNFL7位の23サックを挙げたが後半は13サックしか挙げられなかった。寒冷地のためシーズン後半になると足場が悪くなってパスラッシュ側に不利、という傾向は毎年あるし、ケガ人のためDLのローテーションが厳しくなって疲弊したのかもしれない。
NFL6位の19インターセプトを挙げたが、INTタッチダウンは昨季の4回から1回に減っている。ファンブルリカバーは今季前半7回(10位)のあと、後半にはわずか2回しか奪うことができなかった。
スペシャルチーム | ||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret | Punt Ret | Field Goals | ||||||
Avg. | TB | Coverage | Avg. | TB | Coverage | Net | 成功率 | 回数 | ||
63.0 | 14回 | 20.9 | 44.4 | 11回 | 5.9 | 37.6 | 21.8 | 10.3 | 79.5% | 31回 |
13位 | 8位 | 7位 | 9位 | 31位 | 4位 | 10位T | 22位 | 7位 | 24位 | 2位T |
不振だった昨季と比べてスペシャルチーム全体の成績が大幅アップし、チームの躍進に貢献した。キックオフ、パントともカバレッジチームの働きは文句なしで、キッカーとパンターの滞空時間の長さもそれに貢献した。有利なフィールドポジションを与えなかったことが失点の少なさにも結びついた。
NFL2年目のPジョン・ライアンは安定性が大幅に向上し、飛距離はほぼ同じながらネットが大きく伸びた。ただし、オフェンスの活躍のおかげで自陣深くからのプレッシャーのかかるパント機会がほとんどなかった。最大の汚点は暴風の@シカゴで2本パントブロックされたこと(シーズン2回もあったのは2チームのみ)。またタッチバック11回はNFLで2番目に多く、微妙なコントロールに課題が残る。ここを改善できればネットはもっと向上させられるかもしれない。
後半に入って2つタッチダウンを挙げたパントリターン成績が大幅にアップし、パッカーズとしては1996年以来11年ぶりに平均10ydsを超えた。今季パントリターンで複数TDを記録したのは3球団だけ。キックオフリターンは相変わらずパッとしない。
悪天候や低温に悩まされてKメイソン・クロスビーの成功率が8割を切ってしまい、NFL全体のFG成績が向上した今季としてはいまひとつだが、寒冷地の新人キッカーとしてはまずまず。50yds以上を3本成功させたのも立派。FG成功数は2位、PAT成功数も4位だったのは、オフェンスが敵陣レッドゾーンで攻めきれなかったことも示している。
ファン最多得票でNFCのスターターに選ばれていたQBブレット・ファーヴが、足首のケガを理由にプロボウルを欠場することになった。これにより、バッカニアーズのQBジェフ・ガルシアが繰り上げ出場する。ファーヴのプロボウル嫌いは有名で、選出は9回目だがこれで4回連続の欠場となる。チームドクターによるフィジカルチェックを受けて「プレー不可能」と診断された場合にのみ、欠場が許される決まりに一応はなっている。
昨年ファーヴは足首の手術を受け、今オフも必要という情報が一部で流れたことはあったものの、いまのところ「手術」という言葉は本人からもマッカーシーHCからも出てきていない。
シーズン終了とともにロースター53人の制限が解けて80人枠に増えるため、パッカーズは以下の11選手をロースターに加えた。うち8人はプラクティス・スクワッド(PS)からの昇格で、それ以外のQBダルトン・ベルとOTクリス・パトリックも今季パッカーズのPSにいたことがある。Pライアン・ドアティも、昨夏のトレーニングキャンプ中に加入してまずまずのプレー内容だった。
いま契約できるのはNFLチームのロースターに入っていなかったいわゆるストリート・フリーエージェントだけで、FA市場の開幕は2月29日。
Packers 2008 Free Agent Signings | ||||
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Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
QB | Dalton Bell | West Texas A&M | R | ディビジョンIIで活躍した強肩パサー。9月に短期間PSにいた |
FB | Corey White | Alabama-Birmingham | R | RB/FB兼任のパワーランナー |
WR | Chris Francies | Texas-El Paso | 2 | 2006年には公式戦でパスキャッチも記録 |
OT | Chris Patrick | Nebraska | R | 9月にPSに入ったがケガでインジャリーリザーブへ |
OT | Cliff Washburn | The Citadel | 1 | 2003年に大学を出るまではDE。2005年CHIでOTに転向 |
OG | Ryan Keenan | Northwestern | R | INDのPSにもいた。40yds走4.9秒台のスピード |
OG | Cameron Stephenson | Rutgers | R | 2007年PITの5巡指名。大学4年目でDTからOGに転向 |
DT | Alfred Malone | Troy State | 2 | 2005年のドラフト外でテキサンズに入団し、2年間で4試合13タックル |
LB | Spencer Havner | UCLA | 1 | 実質6番目のLBとして今季PSに控えたストロングサイドLB |
CB | Joe Porter | Rutgers | R | ラトガーズ大では陸上短距離でも活躍 |
P | Ryan Dougherty | East Carolina | R | 昨夏3週間だけ所属してプレシーズン8回平均44.3yds |
LTウォルター・ジョーンズ(SEA)が肩の手術のためプロボウルを欠席することになり、次点のLTチャド・クリフトンが繰り上げで初出場することが決まった。NFCのオフェンシブタックル3人枠のうち2つはオーランド・ペイス(STL)とジョーンズの指定席で、最後のイスを他の選手たちが争うというパターンが続いてきたが、今年はその両巨頭がケガのため、ようやくクリフトンに順番が回ってきた。
「トレーナーから非公式に聞いて、そのあとNFLから正式な連絡があった。本当に嬉しいね。妻と息子たち、それに僕と妻の両親もぜんぶ連れて行く。タウシャーも誘ったけど、別の用事が入っていると断られたんだ。僕は今季いいプレーができたと思っているし、たとえ最初の投票で選ばれなくてこんな状況で行くことになっても、行けるのはやっぱり嬉しいよ」
パッカーズから選ばれていたQBファーヴ、WRドライバー、DEキャンプマン、CBハリスを含めてこれで5人目のプロボウラー。ただしファーヴについては、出場するかどうかはわからない、とマッカーシーHCは語っている。プロボウルでは毎年カンファレンス決勝で敗れたチームがコーチを務めるため、今年はマッカーシーHC以下パッカーズのコーチングスタッフがハワイに行くことになる。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | Total | |
---|---|---|---|---|---|---|
Giants (13-6) | 3 | 3 | 14 | 0 | 3 | 23 |
Packers (14-4) | 0 | 10 | 7 | 3 | 0 | 20 |
気温は-17℃で快晴、風は弱め。序盤から熱のこもったシーソーゲームとなったが、ライン戦を優位に進めるジャイアンツが後半は有利なフィールドポジションで試合を進める。KタインズのサヨナラFG失敗のおかげで延長戦にもつれこんだものの、そこでファーヴが痛恨のインターセプト。ここまでFG2回失敗のKタインズがサヨナラの47ydsFGを成功させ、ジャイアンツが劇的な勝利でスーパーボウルに駒を進めた。
第1Q パッカーズはFBホールへの12yds、TEフランクスへの11ydsパスでフィールド中央に進むがそこまで 。NYG陣18からのジャイアンツは、RBジェイコブスの4ydsラン、WRバレスへの6yds、18yds、10yds、TEボスへの12ydsパスでレッドゾーンに進むがTDならず、29ydsFGで先制。パッカーズは3&アウトに終わり 、NYG陣40からのジャイアンツもWRトゥーマーの落球が響いて3&アウト。
第2Q パッカーズがまたも3&アウトに終わると、NYG陣43からのジャイアンツはRBジェイコブスの12ydsラン、WRバレスへの7yds、16ydsパスでレッドゾーンに入り、37ydsFGで3点追加。GB陣10からのパッカーズは、 最初のプレーでWRドライバーに90ydsTDパス成功。ジャイアンツはRBブラッドショーの7ydsラン、WRバレスへの9ydsパスで1stダウンを取ってパント。パッカーズはTEリーへの19ydsパス 、WRジェニングスへの14ydsパスで敵陣に入るがパント。NYG陣7からのジャイアンツは反則が響いて3&アウト。NYG陣47からのパッカーズは、反則とWRドライバーへの20ydsパスでレッドゾーンに入り、 37ydsFG成功。前半残り1分23秒、NYG陣23からのジャイアンツはWRバレスへの32ydsパスでGB陣 34に進むがFG圏内ではなく、4thダウン8でサックが出て得点ならず。
第3Q ジャイアンツはWRバレスへの10ydsパス、イリーガルコンタクト、ラフィングザパサー、WRバレスへの 18ydsパスでレッドゾーンへ。RBジェイコブスのラン3回でゴール前1に進み、最後もRBジェイコブスがTDラン。ナイスリターンでNYG陣39からのパッカーズは、WRドライバーへの8yds、RBグラントの2ydsラ ン、アンネサリーラフネスでレッドゾーンに進み、TEリーに12yds逆転TDパス成功。NYG陣43からのジャ イアンツは、WRバレスへの8ydsパス、RBブラッドショーの4ydsラン、10ydsラン、WRトゥーマーへの23yds 、8ydsパスでゴール前に迫り、最後はRBブラッドショーが再逆転の4ydsTDラン。GB陣20からのパッカーズは、WRロビンソンへの16ydsパス、RBグラントの13ydsランでフィールド中央に進んで最終Qへ。
第4Q WRドライバーへの20ydsパスのあとインターセプトされるがリターン途中でファンブルしてくれて NYG陣19でGBリカバー。37ydsFG成功で同点。NYG陣41からのジャイアンツは、WRトゥーマーへの 5yds、WRバレスへの10ydsパス、RBブラッドショーの6ydsランのあと、4thダウン5のギャンブルはパスインターフェアでクリアするが、43ydsFGを失敗して勝ち越しならず。パッカーズも3&アウト。NYG陣36から のジャイアンツはランで1stダウンを取るが次の3rdダウンはサックが出てパント。残り2分48秒、GB陣17 からのパッカーズは3&アウトに終わり、残り2分15秒、GB陣48のピンチ。ホールディングで10yds下がっ たジャイアンツだがWRスミスへの14ydsなどで1stダウン、さらにWRスミスへの11ydsパスとランで残り4秒まで時計を進めてサヨナラ36ydsFGを狙うが失敗し、オーバータイムへ。
オーバータイム コイントスに勝ったパッカーズはGB陣26からの攻撃だが、2つめのプレーでインターセプトされてGB陣34のピンチ。1stダウンはならなかったものの、Kタインズが今度は47ydsを成功させてジャイアンツがサヨナラ勝ち。
先月からチーム側と交渉を続けていたマイク・マッカーシーHCが、2012年までの5年契約に合意した。これまで年$2ミリオンほどだったサラリーが、$4ミリオンに倍増されるようだ(NFLの平均は$3.4ミリオンらしい)。今季の大躍進の立役者として、これでトンプソンGM(記事へ)とマッカーシーHCの両首脳が2012年まで契約延長を済ませたことになる。なお、NFC決勝への集中を妨げないよう、正式契約は週明けに予定されている。
Green Bay Packers Injury Report | |||||||
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Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status | Notes |
Will Blackmon | CB | Foot | △ | △ | ○ | Questionable | 微妙 |
Koren Robinson | WR | Knee | △ | △ | ○ | Probable | 出場予定 |
Bubba Franks | TE | Knee | △ | △ | ○ | Probable | 出場予定 |
Scott Wells | C | Glute | △ | △ | ○ | Probable | 出場予定 |
Nick Barnett | LB | Hamstring | △ | △ | ○ | Probable | 出場予定 |
Charles Woodson | CB | Toe/Knee | △ | △ | ○ | Probable | 出場予定 |
New York Giants Injury Report | ||||||
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Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status |
Kevin Dockery | CB | Hip | × | × | × | Out |
Plaxico Burress | WR | Ankle | △ | △ | △ | Questionable |
Sam Madison | CB | Abdominal | × | △ | × | Questionable |
Aaron Ross | CB | Shoulder | △ | △ | △ | Questionable |
Kareem McKenzie | OT | Ankle | △ | ○ | ○ | Probable |
Probable | : | Virtual certainty that player will be available for normal duty |
---|---|---|
Questionable | : | A 50-50 chance will not play |
Doubtful | : | At least 75 percent chance will not play |
Out | : | Definitely will not play |
○ | : | Full Participation |
△ | : | Limited Participation |
× | : | Did Not Participate |
? | : | Not Listed |
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Seahawks (11-7) | 14 | 3 | 3 | 0 | 20 |
Packers (14-3) | 14 | 14 | 7 | 7 | 42 |
気温は-1℃。舞っていた雪がだんだん強くなり、第1Q半ばにはフィールドが真っ白に。序盤のミスを簡単に取り返したパッカーズが、恩師ホルムグレンHC率いるシーホークスに快勝し、10年ぶりのNFC決勝進出を決めた。
いきなりRBグラントが連続ファンブルロストして14点をリードされたパッカーズだったが、その後は落ち着いて盛り返し、6ドライブ連続でタッチダウンを挙げる猛攻で一気に突き放した。ディフェンスも安定したプレーを見せて第2Q以降はタッチダウンを許さず、追い上げるチャンスを与えなかった。RBグラントが201ydsラッシング・3TDを挙げ、QBファーヴも3TDパスを決めている。
第1Q パッカーズ最初のプレーでキャッチしたRBグラントがファンブルロストしてGB陣1となり、RBアレクサンダーが一発で先制TDラン成功。パッカーズはRBグラントがラン2回で14ydsゲインするが、50yds地点でまたもファンブルロスト。シーホークスはパスインターフェア、WRバールソンへの7ydsパス、WRオボマヌへの16ydsパスでレッドゾーンに進み、WRイングラムへのTDパスで14点目。GB陣31からのパッカーズは、WRジェニングスへの14ydsパス、WRジョーンズへの31ydsパスでSEA陣20へ。TEリーへの5ydsパスのあと、WRジェニングスに15ydsTDパス成功。シーホークスは3rdダウンでサックが出てパント。GB陣36からのパッカーズはTEフランクスへの7ydsパス(チャレンジ成功)、RBグラントの7ydsラン、RBグラントの26ydsランでレッドゾーンへ。さらにRBグラントの15ydsランでゴール前に迫り、最後もRBグラントの1ydsTDランで同点に。SEA陣24からのシーホークスは、反則で2ndダウン19となって第1Q終了。
第2Q シーホークス最初のプレーでTEポラードがファンブルロスト。SEA陣19からのチャンスにパッカーズは、RBグラントへの11ydsスクリーン、5ydsランでゴール前に進み、最後はWRジェニングスに5ydsTDパスが決まって逆転。シーホークスは3rdダウン1でエクスチェンジミスが出てパントとなるが、ラフィングザパンターで1stダウン。RBアレクサンダーへの5ydsスクリーン、WRバールソンへの20ydsパス、WRイングラムへの11ydsパスでレッドゾーンに進むがTDならず、29ydsFG成功。GB陣30からのパッカーズは、RBグラントのラン2回、WRジェニングスへの11ydsパス、WRドライバーへの11yds、4ydsパス、WRジョーンズへの8ydsパスでレッドゾーンに進んで2ミニッツ。3rdダウン8でTEリーに11ydsパスを通し、最後はRBグラントの3ydsTDラン成功。残り15秒、シーホークスはSEA陣18でニーダウンして前半終了。
第3Q シーホークスが3&アウトのあと、GB陣34からのパッカーズはWRジェニングスへの24ydsパス、RBグラントの24ydsランでレッドゾーンに入り、最後はRBジャクソンへのショートパスが13ydsのTDに。SEA陣21からのシーホークスは、RBアレクサンダーの6ydsラン、WRハケットへの8ydsパス、WRオボマヌへの21ydsパスでGB陣に入り、WRイングラムへの22ydsパス、WRオボマヌへの9ydsパス、FBウィーバーの4ydsランでゴール前に。しかしTDパスは通らず、27ydsFG成功で15点差。GB陣35からのパッカーズは、RBグラントの一発43ydsラン、RBジャクソンの10ydsランでゴール前に進んで最終Qへ。
第4Q 最後はRBグラントの1ydsTDランで22点差。SEA陣30からのシーホークスは、RBアレクサンダーの9ydsランの後が続かず3&アウト。GB陣17からのパッカーズはRBグラントの28ydsランのあとラン3回で1stダウンが取れず、初めてのパント。SEA陣22からのシーホークスは、WRオボマヌへの26ydsパス、15ydsフェイスマスクでGB陣に入るが、4thダウン10のギャンブルもキャッチミスに終わる。GB陣41からのパッカーズはRBジャクソンの18ydsランの後が続かずパント。SEA陣20からのシーホークスは、サックが響いて3&アウト。パッカーズはQBファーヴを下げ、2ミニッツをはさんで3回ランでパント。シーホークスもタイムアウトを使わず、ラン2回で試合終了。
Green Bay Packers Injury Report | ||||||
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Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Status | Notes |
Will Blackmon | CB | Foot | △ | △ | Questionable | 欠場か |
Greg Jennings | WR | Groin | △ | △ | Probable | 出場予定 |
Koren Robinson | WR | Knee | △ | △ | Probable | 出場予定 |
Corey Williams | DT | Hamstring | ? | △ | Probable | 出場予定 |
Nick Barnett | LB | Hamstring | ? | △ | Probable | 出場予定 |
Charles Woodson | CB | Toe/Knee | △ | △ | Probable | 出場予定 |
Seattle Seahawks Injury Report | |||||
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Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Status |
D.J. Hackett | WR | Ankle | △ | × | Questionable |
Matt Hasselbeck | QB | Thigh | ? | ○ | Probable |
Shaun Alexander | RB | Wrist | ○ | ○ | Probable |
Deion Branch | WR | Calf | △ | △ | Probable |
Walter Jones | OT | Shoulder | × | ○ | Probable |
Patrick Kerney | DE | Knee | × | ○ | Probable |
Rocky Bernard | DT | Groin | × | ○ | Probable |
Kevin Bentley | LB | Illness | ? | △ | Probable |
Niko Koutouvides | LB | Knee | × | △ | Probable |
Mike Green | S | Knee | △ | △ | Probable |
Probable | : | Virtual certainty that player will be available for normal duty |
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Questionable | : | A 50-50 chance will not play |
Doubtful | : | At least 75 percent chance will not play |
Out | : | Definitely will not play |
○ | : | Full Participation |
△ | : | Limited Participation |
× | : | Did Not Participate |
? | : | Not Listed |
テッド・トンプソンGMが5年の契約延長(2012年まで)にサインした。Journal Sentinel紙によると総額$11ミリオンで、これまで年$1ミリオンだったサラリーが2倍強となる。2005年1月に5年契約でGMに就任したトンプソンは、これまでFA市場での無策を批判されることも多かったが、今季の好成績で評価が急上昇。シーズン半ばからボブ・ハーラン会長は契約延長の意図を明らかにしていた。
声明の中でトンプソンGMは、「素晴らしい球団で仕事をさせてもらえることに、私は心から感謝している。この仕事は真のチーム・エフォートだ。グリーンベイは特別な場所であり、素晴らしい人々と仕事ができるのは名誉なことだと思う」と述べている。
シーズン終了とともに名誉会長に退くハーラン会長にとって、これが最後の大仕事となった。「今年はテッドに関するネガティブな話を一度も聞かなかった。いや実際は間違った評価をした人たちが数人いたが、彼らも考えを変えたよ。これほどよい仕事をしているGMを、契約金額が安いために他球団から狙われるようなことはしたくなかった。彼はより大きな契約を手に入れる資格があった」
今季開幕までは批判が絶えなかったトンプソンGMについて、ハーラン会長。「ファンたちはテッドがどのようにチームを運営するかよく理解していなかったのだと思う。私はテッドを、ロン・ウルフGMの部下として8年間見て、シアトルでスーパーボウルチームを作るのも見た。FA市場に夢中になるよりも、ドラフトを中心にチームを作るだろうということはわかっていた。ファンの意見を聞くと、『もっと素早く動いてほしい。キャップのお金をもっと使ってほしい』ということだった。テッドからの説明は、『ファンが怒っているからといって4月にFAに大金を使って、11月にそいつがベンチに座っているのを見て後悔するようなことはしたくない』ということだった。だから彼はFA市場に関しては非常に慎重なのだ」
次はトンプソンGMがマッカーシーHCの契約延長を話し合う番となる。「テッドからの報告によれば、非常に順調に進展しているとのことだ。彼らはこの3週間ほど実質的な話し合いをしていて、プレーオフの間は保留の予定だが、それが終わればすぐにまとまるだろう」とハーラン会長は語っている。
パッカーズの来季16戦の対戦相手が全て決定した。来季のNFC北地区チームはNFC南およびAFC南と対戦する順番。それに加え、地区1位のパッカーズはNFCの残り2地区の1位チームと対戦する仕組みになっている。ホームorアウェーについては下表の通り。AFC南(3球団がプレーオフ進出)と当たるため、対戦相手の2007年成績は勝率.531とかなり厳しくなっている。
なお具体的な日程は毎年4月に発表される。(4月中旬が最も多いが、上旬の年も下旬の年もある)
Packers 2008 Regular Season Opponents | |||||||
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Opponent | Division | 2007 | 前回の対戦 | ||||
Atlanta Falcons | NFC南 | 4 | 12 | W | 33-25 | '05 | |
Carolina Panthers | NFC南 | 7 | 9 | W | 31-17 | '07 | |
Dallas Cowboys | NFC東1位 | 13 | 3 | L | 27-37 | '07 | |
Houston Texans | AFC南 | 8 | 8 | W | 16-13 | '04 | |
Indianapolis Colts | AFC南 | 13 | 3 | L | 31-45 | '04 | |
Chicago Bears | 同地区 | 7 | 9 | 2敗 | |||
Detroit Lions | 同地区 | 7 | 9 | 2勝 | |||
Minnesota Vikings | 同地区 | 8 | 8 | 2勝 | |||
@ | New Orleans Saints | NFC南 | 7 | 9 | L | 27-34 | '06 |
@ | Tampa Bay Buccaneers | NFC南 | 9 | 7 | L | 16-17 | '05 |
@ | Seattle Seahawks | NFC西1位 | 10 | 6 | L | 24-34 | '06 |
@ | Jacksonville Jaguars | AFC南 | 11 | 5 | L | 25-28 | '04 |
@ | Tennessee Titans | AFC南 | 10 | 6 | L | 27-48 | '04 |
@ | Chicago Bears | 同地区 | 7 | 9 | 2敗 | ||
@ | Detroit Lions | 同地区 | 7 | 9 | 2勝 | ||
@ | Minnesota Vikings | 同地区 | 8 | 8 | 2勝 | ||
計 | 136 | 120 | (.531) |
先月パッカーズ理事会によって新社長に選出されたマーク・マーフィは、この1月2日から正式にパッカーズで仕事を始めている。以下はPress-Gazette紙に掲載されたインタビュー記事の抜粋。
いや、私は私でいようと思っている。それにボブが1年間(相談役として)いてくれることは、私にとって大きなメリットだととらえている。彼の知識を存分に利用させてもらうつもりだ。彼のリーダーシップのもとでチームは大きな成功を収めてきたし、私もまた同じようにグリーンベイに優勝をもたらしたい。彼と一緒に働けることを心から楽しみにしている。
妙な話だが、昨年夏にパッカーズが新たに社長を探すことが明らかになったとき、自分でも多少興味があるかもしれないという気がした。しかしそれほど深刻には考えていなかったところへ、(予備的調査を請け負った)スペンサー・スチュアート社のヘッドハンターから接触があり、興味があるかと聞かれた。真剣に考えたのはそれからだ。考えれば考えるほど、自分がぴったりに思えてきた。それでも、実際に選ばれる見込みは薄いと思っていた。
NFLで選手として、また選手会での経験があること。それに大学の体育局長を計16年務め、プログラムを運営し人々を動かしてきたこと。これからここでする仕事に類似点が多い。
私がグリーンベイ出身でないことは変えようがない。しかしその私を選考委員会が選んだのだ。前述の諸条件のほかに魅力的だったのは、私がスモールタウンで長く暮らしてきたことだったと思う。バッファロー近くの高校に通い、ニューヨーク州ハミルトンにあるコルゲート大に行った。人口3000人ほどのとても小さな町だ。さらに(引退後には体育局長として)ハミルトンで11年半を過ごした。スモールタウンの環境を満喫してきたし、グリーンベイで暮らすことをとても楽しみにしている。
感じるね。過去20年のNFLにとって最もよかったのは労使の協調だ。来年11月にはそれが崩れてしまうのではないかと私は懸念している。その可能性があるんだ。しかしそのようなことになったら、双方にとって痛手となるだろう。昔は選手側にいた私だが、今度は経営側の代表だ。「フットボール界のために」と双方が手を取り合ってきたのが、NFL労使協約の素晴らしいところだ。だから、多少の手直しが必要だとしても、合意はできると期待している。フットボール界は繁栄し、選手もオーナーも大きな利益を享受してきたのだからね。双方の利益にならなければならないが、そのプロセスに関われることを楽しみにしている。
もちろん。それがうまく行っていることは明らかだ。彼は比較的短期間に目覚しい成果を上げてきた。パッカーズ社長候補となった9月ごろから注意深く見守ってきたが、素晴らしいの一言だ。若く才能のある選手がたくさんいて、それが必ずしも上位指名入団ではなく、下位指名から優れた選手を育てている。長期的な安定を考えても、ドラフト中心のチーム作りが最善の方法だ。
近づきやすく、協力的であろうと努力している。細かく口出しして管理することはしないし、それはパッカーズでも同じだ。優秀な人物を集め、彼らをサポートし助言を与え、成功するために必要なものを与える。うるさく口出しするようになったら、長期的に自分のためにも組織のためにもならないと思う。
体育局長でも球団社長でも、その仕事には批判に対して図太い神経が必要なんだ。いいときがあれば悪いときもある。常に成功を続けるシステムを築きたいとは思うけれど実際は難しいし、人は結果論であれこれと批判するものだ。自分も必ず批判されると覚悟しているし、それも仕事の一部だと理解している。
きわめてユニークで、プロスポーツ界では他に例を見ないものだ。その他に感心したのは、理事会や経営委員会の人々の質の高さだ。彼らがこの球団にいかに献身しているか、私は強い感銘を受けた。誰と話しても、最も重要なのは「フィールドで我々がいかに成功を収めるか」だった。私も常にそれを最優先に考えていく。そこから離れてしまったら、失敗の始まりだ。我々の球団の仕組みには利点があるし、それが今後も続くようにしていきたい。チームにとって何がベストか、ということが常に中心だ。
直接はない。全てテッド(トンプソンGM)やコーチの管轄だ。これまで私は(高校選手の)リクルーティングには関わらなかったが、高校選手が大学訪問をするときは面談することもあった。もしパッカーズを訪問するFA選手に私が会うことがチームの助けになるのなら、喜んでそうするだろう。しかしそれもテッドが判断することだ。
手紙やカードや電話をもらったら、自分で返事をする。ロータリークラブのイベントや講演の機会があれば、地域社会にも進んで出てゆきたい。ファンがパッカーズをどのように思っているか、常に感触をつかんでいたいからだ。今はインターネットがあるので、10年か15年前にはできなかった方法でファンと交流を持つこともできる。だから、社長とファンの交流を増やす方法を模索することになるだろう。よく知られているように、ボブは非常に付き合いやすい人で、社長みずから電話をとっていた。私もそれは続けるつもりだ。