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2007年5月31日
- ジョン・ジョーンズ社長へのCEO継承を正式承認するはずだった5月末の理事会だが、ボブ・ハーラン会長のCEO続投を承認する会となってしまった。地元メディアがここ数日パッカーズ関係者から情報を集めた結果、ジョン・ジョーンズ社長は事実上解任されたのであり、復帰の目はない、という見方が圧倒的。
- ジョーンズ社長はテッド・トンプソンGMとの関係もあまりよくなかったらしいが、(トンプソンGMを中心とした)フットボール部門は今回の解任とは関係ない、というのが関係者たちの証言。
- ジョーンズ社長はもともと部下たちから人望がなく、トップに立つには不適任と最終的に(ハーラン会長ふくむ)経営委員会が決断した。そもそもジョーンズを後継者に選んだハーラン会長に責任があるとはいえ、過ちを正さないまま退くよりはずっといい、というのが地元メディアの反応のようだ。ハーラン会長への信頼は絶大なものがあり、今回の事件でも「ハーランが悩んだ末で決断したことなら」と受け入れる態度が地元記者たちにも見て取れる。
- 後任の社長候補については、まだ全く情報が伝わってこない。メディアが取り沙汰しているのはタイタンズのマイク・ラインフェルト新GMとパッカーズのアンドリュー・ブラント副社長(選手財政担当)。
- マイク・ラインフェルト(53歳)はウィスコンシン州出身。かつてヒューストン・オイラーズでプロボウル・セーフティとして活躍し、もともと90年代にはハーラン社長(当時)が自らの後継者としていた人物。選手出身でありながら財政面に明るく、1998年まではパッカーズで、1999年からはホルムグレンとともにシーホークスに移って、副社長としてサラリーキャップ管理も担当していた。トンプソンGMとは、名将バム・フィリップス率いるオイラーズで共にプレーしたチームメイトであり、現在も親友。これまでの実績からは選手人事よりも球団運営の手腕を評価されているが、今年2月にタイタンズGMに就任したばかりのため、パッカーズとしては呼び戻しにくい状態にある。
- 81歳の女性が、殿堂入りQBにして元ヘッドコーチのバート・スターから金を脅し取ろうとした事件。女性は恐喝の罪を認めて司法取引に応じ、スターおよびその家族に接触しないという条件で保護観察処分となった。テキサス州に住むこの女性は昨年、「$2ミリオンを払わなければ、1960年に関係を持ったことを明らかにする」との手紙をバート・スターに送りつけ、全く身に覚えのないスターはすぐに検察に告発していた。「証拠がはっきりしていたため、罪を認めるしか道はなかった」と被告弁護人。
- 半月以上にわたるOrganized Team Activities(OTA)だが、今年は残念ながら12日間のうちわずか4日しか練習が一般ファンに公開されない。5月31日、6月7日、14日、18日の4日間で、時間は11時15分から。一般ファンだけでなく報道陣への公開もその4日間だけなので、われわれに伝わってくる情報量が大幅に減ってしまう。
2007年5月29日
昨日報じられたジョン・ジョーンズ社長の休職について、詳細はいまだ明らかにされていないものの、ボブ・ハーラン会長ほか数人のコメントが前日よりは立ち入った内容なのでとりあげてみる。
「健康は問題ではなかった。彼のマネジメント(能力)の問題が我々に伝わってきていて、特にこの3週間でそれが顕著になってきた。複数の人物から聞かされ、私は注目せざるをえなかった。非常に難しい決断だった。ジョン本人と家族のため、多くは語りたくない」とボブ・ハーラン会長は明かしている。職員たちから意見を聞いた彼が経営委員会に報告し、経営委員会がジョーンズ社長を呼んで話し合いを行い、当面のあいだ休職(有給)とすることで本人も合意した、という順序らしい。復帰の可能性について聞かれると、「そう、どこかの時点でJJを呼び戻す可能性はある」
2000年にスタジアム大改装が可決された時期にグリーンベイ市長だったポール・ジャーディンは、現在グリーンベイ商工会議所のCEO。そのころ彼は、ボブ・ハーラン会長(当時社長)ともジョン・ジョーンズ社長(当時副社長)とも長時間の話し合いを持った経験がある。両者の個性の違いを知る彼は、今回の急展開には驚いたものの、結果そのものには驚かなかったと言う。
「球団の中にカルチャーショックがあった、というのが私の認識だ。その個性において、ボブからジョンへの変化はあまりにも大きい。ボブからジョンへの変化にみながついていけなかったのだと思う。私にはそれは明らかだ」とジャーディン。ジョーンズ批判は避けたものの、「ボブは人を大事にして育てていく。彼はパッカーズを家族の延長ととらえている。ジョンは、その点が少しだけ違う。ボブは、この件が自分の望んだような良い方向に向かっていないことを認識し、正しいと思うことをしたのだろう」と語っている。
パット・リクターはウィスコンシン大のアスレチック・ディレクター(体育局長)を14年間務め、今もパッカーズの理事に名前を連ねている。「(引退予定だったとはいえ)ボブはもっと長く(CEOを)務める能力が十分ある。もちろん、もう休みたいときっと思っていただろうけどね」
2007年5月28日
パッカーズのジョン・ジョーンズ社長がしばらく職を離れ、名誉会長に退くはずだったボブ・ハーラン会長がCEO(経営最高責任者)を続けることが発表された。理由は明らかにされておらず、今は憶測が飛び交っている段階だ。定年を迎えるハーラン会長からジョーンズ社長へのCEO交代がわずか4日後に迫っていただけに、ショッキングというほかない。地元各紙はハーラン会長の引退に合わせて先日から特集記事を組んでいたところだった。
ジョーンズ社長は1年前に緊急の心臓手術を受けた。そのせいで職務に耐えられないほど健康状態が悪いのか、という見方もあったが、どうやら球団内部の問題のようだ。ハーラン会長が "management issues" (運営上?経営上?の問題)が理由だと語ったため、やはり球団内部の対立か何かが理由だろうという見方が強まってきた。Press-Gazette紙は早くも「ジョーンズが復帰して球団トップになることはなさそう」との見方を示している。また、本人の健康問題について語るのは法的に許されていないこと、不祥事など倫理的な問題はなかったことをピーター・プラッテン理事が明らかにしている。
ジョン・ジョーンズは現在55歳。1999年にボブ・ハーラン社長(当時)の招きでパッカーズの副社長となり、スタジアム大改修などに手腕を発揮して昨年5月に社長兼COOに昇格。ハーランはいったん会長兼CEOとなり、1年後に名誉会長に退いて完全な権力委譲が行われるはずだった。多大な功績を残したハーラン会長が指名した後継者だけに問題なくバトンタッチできるものと見られていたが、わずか4日前になってドンデン返しが起きた。
「(バトンタッチは)非常によく計画を練ったつもりでいたが、予期せぬ不幸なことが起きてしまった。我々がこの問題に対処していかなければならない」とハーラン会長は語っている。「単数の"a issue"でなく"issues"と表現すべきだろうと思う。ある時点で、私は経営委員会(executive committee)に報告する必要があると感じるまでになった。この差し迫った時期になったのは、私が職を離れる前に経営委員会に伝えなければならないと思ったからだ」と意味深なコメントも。
また、ジョーンズは周囲の職員から完全な支持を得られておらず、ここ数ヶ月の間に複数の職員がジョーンズに関する懸念を経営委員会のメンバーに伝えていた、とする関係筋の話をPress-Gazette紙は伝えている。後継者候補も取り沙汰されているが、プラッテン理事は問題解決には1年かかるかもしれないと語っており、現在は白紙なのかもしれない。
パッカーズは特定のオーナーを持たないファン所有の球団であるため、社長(兼CEO)がオーナーの役割を兼ね、球団の顔となっている。45名の理事会(Board of Directors)から社長を含む7名が選任され、経営委員会(Executive Committee)を構成する(現在のリスト)。社長を除く理事全員が無給であり、企業の経営者、元判事、元銀行頭取、大学や病院の理事長など、地元の有力者たちが理事に名前を連ねている。ただし実務は(有給の)社長や副社長以下球団職員が行って経営委員会(無給)が監督し、ヒラの理事は年に4回集まるだけの名誉職といっていい。
2007年5月27日
1巡16位 DT ジャスティン・ハレル Justin Harrell |
Tennessee |
Senior |
6-4 (193cm) |
310lb(141kg) |
40yds/5.05秒 |
1984年2月14日生 |
経歴 : テネシー州マーティン出身。高校では州西部のディフェンスMVPに選ばれたほか、TEとしても2年間で9TDを挙げるなど好成績を残した。バスケットでも3年間スターターを務めて平均17得点を記録。テネシー大に進むと2年目からスターターとなり、2005年には39タックル・2.5サックを挙げてオールSECの2ndチームにも選ばれた。
期待された4年目は第2戦で上腕二頭筋の部分断裂を負ってしまい、次のフロリダ大戦だけは強行出場したものの、そこでシーズンエンドとなった。手術後の経過は順調で、後遺症の心配はないとの診断を受けている。すでにリハビリの最終段階に入っており、ドラフト後ここまでコンタクト練習には参加せず個人ドリルにとどめているが、近いうちに完全復帰となりそう。
Strengths : サイズのわりに動きが軽く柔軟な素晴らしいアスリート。しっかりしたガタイとパワーがあり、腕が長い。腰まわりや太ももなど、さらに大きくできそうな骨格がある。ランプレーに対してライン中央をしっかり支える馬力がある。手の使い方が良く、相手を崩すのが上手い。ノーズタックルも3テクニックも両方問題なくこなせる。チェンジ・オブ・ディレクションもスムーズでボールキャリアーをよく追いかける。まだ伸びシロはかなりありそう。
Weakness : ケガが多い。昨年は上腕二頭筋の断裂でシーズンのほとんどを棒に振り、2003年春にも右足首のケガで手術を受けたことがある。高いランストップ能力と比べ、相手DLを割るペネトレートが得意でなく、サックを量産するタイプではない。パスラッシュでの嗅覚や判断力にはやや疑問符がつく。
メンタル面 : ワンダーリックテスト24点はDTとしてはトップクラス。精神的に非常にしっかりしていて、全プレーでホイッスルが鳴るまでハードに頑張る。キャプテンを務め、リーダーシップも評価されている。ケガを押してプレーできるタフさがある。昨季の第2戦で大ケガを負ったが、その次の大事なフロリダ大戦に強行出場してから手術を受ける道を選んだ。「フィールドに出てプレーして、大学でのキャリアを終えたかったんだ。エアフォース戦でケガをしたことを、テネシーでの最後の思い出にしたくなかった」
指名の経緯 : 他のポジションと比べてディフェンシブラインは弱点と見られておらず、RBかWRかTEを指名するとの予想が圧倒的だったため、指名の瞬間にはパッカーズファンからブーイングが起こった。12位でビルズがRBマーショーン・リンチを指名しており、残っていればRBリンチを指名するつもりだった、との情報もある。
ケガさえなければ1巡1ケタで指名されるような能力の持ち主との声もある。トンプソンGMが他の要補強ポイントを見送って指名した以上、ハレルを"Best Player Available"だと評価したのは間違いない。
パッカーズにとって : パッカーズには同タイプのライアン・ピケットがいることを考えると、ジム・ベイツ前DC(サンダース現DCの師匠格)の好んだ「大型DTを2人並べる」というスタイルに近づける意図なのか。DTはDEと比べて1年目から活躍することが難しく、2年か3年かけて成長していくことが多い。そのうえハレルは大ケガからの回復途上であるため、1年目からスターターとして活躍すると期待するのは酷かもしれない。ただ、彼がいなくても昨年の戦力はキープできている。
昨季DTコーリー・ウィリアムズは7サックの活躍を見せ、契約延長の方向と伝えられていたが、DTハレルを獲得したことで話が変わってくるかもしれない。ウィリアムズはどちらかというと(DTに多い)ナマケモノ系タイプと言われているため、今季の活躍しだいでは再契約してもよし、要求額が高ければ再契約を見送ることも可能になった。
テネシー大 : パッカーズはこの10年間テネシー大選手の指名が多く、1998年3巡DEジョナサン・ブラウン(この指名は失敗だった)、2000年2巡OTチャド・クリフトン、2001年6巡TEデヴィッド・マーティン、2004年7巡Cスコット・ウェルズ、そして今回のハレルで5人目となっている。ハレルとLTクリフトンは出身地も同じテネシー州マーティン。(人口1万人)
レジー・マッケンジー・プロ人事部長は母校テネシー大に人脈を持ち、ここの選手に非常に詳しいことが指名の多さの要因かもしれない。テネシー大の選手となると、彼が調査に派遣されるらしい。「レジー・マッケンジーは我々にとってMr.テネシーだ。あの見苦しいオレンジ色を常に身にまとい、非常に大きなコネを持っている。あそこの選手のことは知り尽くしている。それが役に立っているのは間違いない」とトンプソンGM。
故レジー・ホワイトもテネシー大の出身。ハレルは大学でレジー・ホワイトと同じ92番を着けていた。パッカーズでは92番が永久欠番となったため、91番を着ける。「レジー・ホワイトと同じ足跡をたどれるのは嬉しい。僕も大学では何度か彼に会う機会があった。チームを訪れて話をしてくれたんだ。偉大な人物であり、彼のフットボールを真似したいと思うような人だ」 |
2007年5月26日
ランボーフィールドでは新しい天然芝の敷設が終了した。1月に始まったこの工事では、排水やヒーティングのシステムを最新のものに入れ替え、これまで粘土だったベースを砂地に変更。4000トンもの砂が新たに運び入れられた。あとは芝が順調に生育して根付くのを待って "DD GrassMaster" を縫い込むスティッチングが7月に行われる予定となっている。天然芝の間に3/4インチ間隔で8インチの深さに人工繊維を縫い付けるのだ。
人工芝が10%混じるだけなので、使用前との違いはおそらく見た目では判別不能だが、ファンに気がつくのはフィールドがより平坦になったことかもしれない。これまでのランボーフィールドは(おそらく排水のため)フィールド中央部に向かって緩やかに盛り上がり、14インチ(35.5cm)の高さがあったが、今後は5インチ(12.7cm)となる。
フィールド・マネージャーのアレン・ジョンソンは語る。「平坦になったので『フィールドが低くなった』と感じるファンがいるかもしれませんね。(ハイブリッド芝とはいえ)シーズン終盤になればやはり傷んできます。しかしベースが粘土から砂に変わったので、以前のようにぬかるむことはないでしょう。人工繊維を植え込んだからといって天然芝の耐久性が増すわけではなく、芝が磨耗したときの安定性が増すのです」
2年前に練習用のクラーク・ヒンクル・フィールド(天然芝→DD GrassMaster)とレイ・ニチキ・フィールド(天然芝→FieldTurf)の改修工事を行ったときは$3ミリオンかかったことを考えると、今回も同じぐらいのコストがかかることになりそうだ。そのかわり、毎年シーズン後半に行っていた芝の張替え工事(数十万ドル)を行う必要はなくなる。「クラーク・ヒンクル・フィールドでは、以前は練習終了後に必ず我々が歩き回って穴を埋めたものですが、今はその必要もないんです」とアレン・ジョンソン。
2007年5月25日
ミニキャンプ最終日最後のプレーでCBウィル・ブラックモンは、「代わりに入ってよ」と同僚に声をかけた。縁起担ぎのためだ。昨年、4巡指名入団直後のミニキャンプでは、最終日の最後のプレーで足を骨折してOTAもトレーニングキャンプもプレーできず、第7週から復帰したものの3週後にわき腹を痛めてシーズンエンド。大学4年時はWRをしていたため元々CB経験が多くなく、その上ケガで長期欠場したのでは、わずかな出場機会にあまり活躍できなかったのも無理はない。
そのようなプロ1年目の遅れを取り戻すべく、今年は精力的にトレーニングを続けている。「シーズン終了直後に僕はボストンに帰って、リハビリテーション・チームを組んだんだ。足の骨折からの完全回復のため軟部組織の専門家、そしてフィジカル・トレーナー、それにスプリント・ランニング・コーチ、ぜんぶ自分で雇った。パッカーズのオフシーズン・プログラムが始まる3月半ばまでの2ヶ月間、そうしてトレーニングを積んだ。だって自分の体を作るのは自分の仕事だ。全てを球団に頼っていてはダメなんだ。僕はじっと待っているつもりはなかった」
「彼は素晴らしいオフシーズンを過ごしている。体の状態はいいし、私はとても喜んでいる」とマッカーシーHC。ショッテンハイマーDBコーチも、「彼はオフシーズンプログラム全てに出席していて、1日も休んだりしていない。それが動きにも表れている。あとはテクニックを磨くため練習を続けなければいけない。厳しい仕事だ。たいへんな努力を必要とするが、彼は非常にまじめな努力家だ」と語っている。
昨年ケガする前のミニキャンプでは好プレーを連発してかなりの好評だった。その期待感は今も変わっておらず、今回のミニキャンプでは常に3番手CBを務め、両ベテランが抜けると1stチームに入った。「僕はスターターになるつもりで準備をしてる。最高の選手を目指さないなんておかしいだろう? ただじっとして 『自分にはニッケルバックの役目があるから』 なんて言わないよ。僕はスターターになりたい。あってほしくはないけど、先発組に何かが起きることだってある。そんなときに相手チームから 『ウッドソンが欠場して、ブラックモンが入った。こいつは狙えるぞ』 なんて思われたくない」
2007年5月24日
記者たちのコメントをもとに、先日終了したミニキャンプのまとめ。パッドも着けずコンタクト練習もほとんどないミニキャンプでわかることなどタカがしれているが、眉唾を承知で列挙してみる。(なお、ミニキャンプやOTAでのコンタクト練習は労使協約で禁止されているが実際は、タックルはしないものの軽いブロック練習ならどこのチームもやっている)
- 昨年は最初のミニキャンプからWRジェニングスの評判が非常によかったが、今年のルーキーは1巡のDTジャスティン・ハレルが(上腕のリハビリ途上のため)個人ドリルだけ、2巡のRBブランドン・ジャクソンがNFLイベント出席のため出られず、ドラフト指名ルーキーの中で大評判になるほどの選手はいなかった。
- ルーキーによる2番手FB争い。トレーニングキャンプのフルパッド練習が始まるまではブロッキング能力の判定などできないが、パス攻撃で目立っていたのは元RBのFBコーリー・ホワイト。RB/FB兼任ができそうなのもプラスで、ロースター入りのチャンスあり。LBからの転向となる6巡a指名FBコーリー・ホールだが、コーチから注意されることが少なく、プレーブック理解は順調であることがうかがえる。
- 3巡a指名WRジェームズ・ジョーンズは主に3番手WRとしてプレーし、体から遠いボールもしっかりとキャッチできていた。5巡指名WRクラウニーより完成度は高そうで、前評判の「競り合いに強く実戦向き」なところがトレーニングキャンプで出てくれるかどうか楽しみ。実績あるWRロバート・ファーガソンや昨年経験を積んだWRルヴェル・マーティン、WRカーライル・ホリデイらを飛び越えてあっさり3番手を確保できるようなら相当なものだが、1年目でそこまで期待するのは酷か。
- 5巡指名のWRデヴィッド・クラウニーは「スピードはあるが粗削り」という前評判どおり。
- 先発のWRドライバーとWRジェニングスに加え、WRジェームズ・ジョーンズは3巡指名なのでほぼ自動的にロースター入りできるとすると、WR5人枠の場合、残るイスは2つとなる。WRルヴェル・マーティン、WRカーライル・ホリデイ、5巡指名WRデヴィッド・クラウニー、WRロバート・ファーガソンの4人で争うことになりそうだ。ファーガソンは足の骨折からの復帰途上でまだ個人ドリルのみ。
- 先発OL5人は昨年と変化がなさそう(3年ぶり)なので、問題は控えOL陣。クリフトンに代わって左タックルに入ったOTジョシュ・バークがなかなかよかったとの評判もあり、2年目の今年はロースター入りのチャンスがあるかも。ディビジョンIIのグランド・ヴァレー州立大(ミシガン州)から昨年のドラフト外で入団し、キャンプでの評判もよかったが、1年目はインジャリー・リザーブで過ごした。
- 1年前にヒザ上の腱を断裂した控え右タックルのケヴィン・バリーは、OTAあたりから復帰の予定。首脳陣は右タックルと右ガードの両方をやらせると語っているがもともとゾーンブロッキング向きではなく、今年はついにロースター入りを逃すかもしれない。
- TEドナルド・リーとTEババ・フランクスが先発を入れ替わったTE陣だが、2人ともさほど目立つプレーはなかった。7巡b指名のTEクラーク・ハリスもまだ目立ったところはなし。3人枠の最後のイスをトリー・ハンフリー、ザク・アルコーン、ハリスの3人で争う。
- DL陣は昨年のメンバーに1巡のDTジャスティン・ハレルが加わり、それ以外の選手がロースターに食い込むのはかなり難しそうだ。DEキャンプマン、DE/DTジェンキンズ、DEバジャ=ビアミラ、DTピケット、1巡指名DTハレル、DTコーリー・ウィリアムズまでは当確。DTコリン・コール、DTジョニー・ジョリーもほぼ大丈夫そう。DL9人枠とすると、DEモンゴメリーとDEジェイソン・ハンターの2人で最後のイスを争うか。
- LB陣では、順調にスターLBに成長しそうなA.J.ホークと、再契約を済ませたバーネットの2人は全く問題なく、ポピンガもACL断裂から1年半経って動きがさらによくなってきた。ヒザのケガから回復途上のアブドゥル・ホッジ(昨年の3巡)は、先発組を追い上げるどころか、差が広がってしまっている印象。ドラフト外のロリー・ジョンソン(ミシシッピ大)と、昨年プラクティス・スクワッドだったスペンサー・ヘイヴナーの2人はまずまず評判がよく、ロースター入りのチャンスもありそう。
- CB陣では、両ベテランに急激な衰えがないかぎりスターターは安泰。ウィル・ブラックモンとパトリック・デンディとFA加入のフランク・ウォーカーの3人で3番手を争っている。ウォーカーがブラックモンやデンディより下位にいるのは、まだ入団間もないせいかもしれず、トレーニングキャンプで最後までポジション争いが続くことになる。
- セーフティ陣では、残念ながらまだSSマーカンド・マニュエルがスターター組。1年を通して鼠蹊部のケガに悩まされたが、昨季よりは動きがマシになっている。昨年12月にロースターに昇格したアタリ・ビグビーの動きは評判がよく、今年は開幕ロースター入りがあるかもしれない。期待のマーヴィール・アンダーウッドはリハビリ途上。3巡b指名のアーロン・ラウスはまだディフェンス習得途上で、いま目立つのはデカさだけ。通常は4人枠だが、開幕ロースター入りが確実なのはFSニック・コリンズだけで、それ以外はどうなるか全くわからない。
2007年5月22日
- ミニキャンプ最終日は今回最も短い90分強の練習だった。これでいったん解散となるが、ルーキー組は木曜まで残って練習を続け、6日間休んで今月31日からOrganized Team Activities(OTA)となる。
- プロ2年目のQBイングル・マーティンは、3日間たっぷり1stチームでプレーできた。不調だった初日の内容から立ち直り、不安定な面はあるもののこの2日間はキレのよいパスを通していた。ブリッツ練習では、鋭い判断でTEドナルド・リーやWRドライバーにクイックパスを成功。入団間もないドラフト外ルーキーの2人とは雲泥の差がある。「金曜は悪かったが土曜の朝はよくて、土曜の午後はまあまあ、今朝はとてもよかった。だんだんと落ち着いてやれるようになってきた。これだけの経験ができて、僕にとってはすごくいい週末だった」
- QBブレット・ファーヴは限られた量しか参加できなかったが、ここにいてくれることが重要だった、とマッカーシーHC。また、今月31日から始まるOrganized Team Activities(OTA)の12日の練習のうち9日に参加する予定とのこと。昨年もファーヴは14日のうち10日に参加している。
- QBブレット・ファーヴの存在について、RBヴァーナンド・モレンシー。「僕がロッカールームをうろうろしていたら、彼がやってきて、あるプレーのことを話してくれた。僕はすぐに理解し、拙かったところを修正できた。彼がミニキャンプに来てくれなければ、そういうこともできなかった」
- 今回軽くしか投げなかったQBファーヴと比べ、QBアーロン・ロジャースはかなりシャープなパスを投げている。熱心に続けてきた筋力トレーニングの甲斐あって、クイックリリースかつ球速も相当なものがある。OTAのどこかで完全復帰となる見込み。
- RB陣では新人2人が不在のため、RBヴァーナンド・モレンシーが常に1stチームでプレー。それ以外のRBも頻繁に入れ替わって1stチームに入っている。
- 持ち前のスピードで注目を集めているドラフト外ルーキーFBコーリー・ホワイトだが、この日はほとんどをRBとしてプレーした。もともとアラバマ大バーミンガム校ではRBとして実績を残している。ただ今回は、ルーキー2人とRBアーリス・ビーチがケガのため、RBが足りなかっただけかもしれないが。
- この日もTEドナルド・リーが1stチームで全てプレーし、TEババ・フランクスは2ndチーム。TEトリー・ハンフリーがフランクスと入れ替わる場面もあった。
- TEドナルド・リーについて、マッカーシーHC。「彼は戦術理解に優れている。我々の必要としているヴァーティカルなパス攻撃において、力を発揮する。彼に限らずタイトエンド陣は非常にハードに頑張っていて、週に2、3回はここでボール・ドリルをやっている。成果は表れているよ」
- プロ2年目のT/Gトニー・モールのポジションについてマッカーシーHC。「左右タックル両方だと我々は考えている。若いラインマンはできるだけ1つのポジションに専念させた方が進歩が早いと私は思う。そうして1つのポジションで成長した上で、別のポジションをやらせた方が切り替えはスムーズなものだ。ロースターを53人に絞ったり、試合当日の45人ロースターを選ぶ際には、逆に複数ポジションこなせることが必要になる。しかし現状では、できるだけ右タックルに専念させたいと考えている」
- 4巡ルーキーのT/Gアレン・バーバーを左ガードに専念させているのも上記モールと同じ理由。
- 珍しい攻守ラインマンのためのボールセキュリティ練習では、マシンが打ち上げたキックオフをキャッチして、選手のトンネルの中を、ボールをむしり取られないよう走り抜ける。今回キャッチしそこなったのはOGジュニアス・コストンだけ。DTコーリー・ウィリアムズは人ごみを抜けたと油断したところでRBモレンシーに後ろからボールを叩き落された。珍しい練習についてマッカーシーHCは、「ビッグ・ガイたちにも平等に機会を与えないとね」
- ディフェンスのプレー・オブ・ザ・ウィークはLB A.J.ホーク。レッドゾーンドリルで深くドロップして、QBファーヴからのパスを見事にインターセプトした。ところでホークは、この春行った結婚式(入籍は昨年秋)の写真がカメラマンのサイトを通してネットに流出してしまい、「カメラマン選びを失敗した」とムッとしている。新婚2人だけの写真ならよいが、義弟となったQBブレイディ・クイン(CLE)たちのちょっと恥ずかしい写真などもあったらしい。
- CBウッドソン(個人的事情)とCBハリス(背中)がいないため、この日も1stチームではCBウィル・ブラックモンとCBパトリック・デンディがプレー。ニッケルバックとしてCBフランク・ウォーカーとCBジャレット・ブッシュが交互に入った。
- チーム練習でのキッカー対決はこの日のキックオフ練習が初めて。2人が4回ずつ蹴り、最初の1回はKデイヴ・レイナーが勝ったものの、その後の3回は五分または新人Kメイソン・クロスビーの勝ちだった。
2007年5月21日
- ミニキャンプ2日目。前日出席できなかった6巡b指名LBデズモンド・ビショップが合流し、いっぽうCBチャールズ・ウッドソンは土曜朝の練習に出席したあと個人的事情のため許可を得てミニキャンプを去っている。ウッドソンは今年もOrganized Team Activities(OTA)は全休して独自でトレーニングをする予定とのこと。
- 11on11練習ではQBイングル・マーティンが1stチームでプレーし、前日と比べてかなりよい出来だった。2ndチームはドラフト外ルーキーのQBポール・トンプソンとQBジェリー・バブが交互に入っている。
- QBブレット・ファーヴは、昨季最終戦でプレーして以来パスを投げるのは今回のミニキャンプが初めて。足首が万全でないため11on11には参加せず、ごく軽めに投げている。久しぶりなので腕に張りは感じる、といった程度で、痛みはないとのこと。
- OTチャド・クリフトンが午前の練習を休んだ(午後は復帰)ときにはOTジョシュ・バーク、そしてOTオーリン・トンプソンが1stチームの左タックルに入った。
- 1stチームにTEドナルド・リー、2ndチームにTEババ・フランクスという序列は2日目も変わらず。
- 2番手FBの座を争うルーキーたちの中で、ドラフト外入団のFBコーリー・ホワイトが素晴らしいランアフターキャッチを見せてアピールしている。
- この日最高のプレーは3巡ルーキーのWRジェームズ・ジョーンズ。CBペプラーやCBトラモン・ウィリアムズを抜いてQBロジャースからのロングTDパスを見事にキャッチした。
- CBウィル・ブラックモンは常に1stチームのニッケルバックとしてプレーし、FA加入のCBフランク・ウォーカーとCBパトリック・デンディが2ndチーム。土曜午後にCBウッドソンとCBハリスが抜けると、ブラックモンとデンディが1stチームに昇格した。「1stチームのメンバーと一緒に入ることが僕にとって重要だった。去年は(足の骨折のため)OTAもトレーニングキャンプも出られず、復帰したのはレギュラーシーズンに入ってから。ぜんぜん練習量が足りなかった」とブラックモン。
- LB陣は1stチームが昨季と同じで、2ndチームはLBロリー・ジョンソン、LBトレイシー・ホワイト、LBスペンサー・ヘイヴナーの3人。(ポジションは不明)
- 1巡指名でDTジャスティン・ハレルという強力なライバルが入団したことについて、DTコーリー・ウィリアムズ。「テレビで見ていて、『うわー、1巡でDT指名だ。本当かよ』 って感じだった。僕としては、さらに上のレベルを目指さなきゃいけない、という警告のようなものだ。できるだけの努力を続けるだけだよ。(スターターになるとハレルが語ったことは)僕のやる気の元になるね。彼は若いんだし、その心意気はいいことだと思う。誰でもそうあるべきだよ。その姿勢には敬意を払うけど、バトルになるだろう。そしてそのバトルに負けるつもりはない」
- よってたかってボールをかき出そうとするボール・セキュリティ・ドリルで、5巡指名のWRデヴィッド・クラウニーだけがボールを奪われた。
- 先日のルーキー・ミニキャンプでふくらはぎを痛めて今回休んでいる7巡指名RBデショーン・ウィンは、今月末のOTAには間に合うだろうとのこと。
- 初日の練習で太ももを打撲したDEバジャ=ビアミラは練習を休んでいる。
- 移籍した有力選手が自分の望む背番号を手に入れるため、すでにその背番号を着けていた選手に数万ドルを支払うのはよくある話。テキサンズにFA移籍したRBアーマン・グリーンもそのつもりでSジェイソン・シモンズにおそるおそる話をもちかけたが、シモンズからのオファーは意外にも、「(慈善目的で)シングル・ペアレントのための住宅の頭金を負担するなら」というものだった。グリーンも、「ぜひそうさせてくれ。どこ宛に小切手を書けばいいか教えて」と大喜びで取引に応じた。「金が相手のポケットに入るのではなく家を必要としている人の手に渡り、新しい生活を始められるなら僕もうれしい」
2007年5月20日
- ミニキャンプ欠席はRBブランドン・ジャクソン(昨日のニュース参照)だけで、6巡b指名LBデズモンド・ビショップはカリフォルニア大の授業のため2日目から合流の予定。この2人以外全員がミニキャンプに出席している。
- QBファーヴ(足首)とQBロジャース(足)は7on7練習には参加したが、その後の11on11のチーム練習は見学。代わって1stチームに入ったQBイングル・マーティンは、いいパスもあったが不安定な内容で、WRドライバーの背中をヒットしたり、SコリンズやLBポピンガにインターセプトされたり。
- QBロジャースはロールアウトしながらでもしっかりしたスパイラルのパスを投げ、ケガの影響は感じられない。WRカーライル・ホリデイへ見事な55ydsパスも成功させている。
- DTジャスティン・ハレル(上腕)がまだチーム練習に参加しないこともあって、昨年スターターのDTコーリー・ウィリアムズがそのまま1stチーム。ときおりDTコリン・コールも入った。DEアーロン・キャンプマン(ヒザ)に代わってDEマイケル・モンゴメリーが1stチームの左DEに。
- RGジェイソン・スピッツは背中を痛めて退場し、代わりにジュニアス・コストンが右ガードに入った。
- 4巡指名T/Gアレン・バーバーは、ほとんどを左ガードでプレー。
- 最初はTEドナルド・リーが1stチームでプレーし、TEババ・フランクスは2ndチーム。途中で入れ替わりはしたものの、この序列には意味があるかもしれない。
- TEフランクスは、昨季(パス攻撃での)役割を減らされたときに自分勝手な態度をとったと反省しているとのこと。「しっかり自分の仕事をして、『コイツをレッドゾーンで使わなきゃいかん。サイドラインに置いておくなんて損だ』とコーチたちに思わせるつもりだ。大事なのは自分がしっかりやることだ。今でもレッドゾーンの主役になれると証明しなきゃならない」
- 7巡指名のTEクラーク・ハリスは頭もヒゲも剃って登場。ロングスナッパー練習もしていた。
- パント練習でキャッチをしていたのは、CBウッドソン、CBブラックモン、WRショーン・ボディフォード、WRジェニングス、3巡指名WRジェームズ・ジョーンズ。現状ではこの5人がパントリターナー候補ということだろう。
- ケガのため練習に参加しなかった主な顔ぶれは以下のとおり。7巡指名RBデショーン・ウィン(ふくらはぎ)、WRロバート・ファーガソン(足)、OTケヴィン・バリー(ヒザ)、DEアーロン・キャンプマン(ヒザの関節鏡手術)、1巡指名DTジャスティン・ハレル(上腕)、LBアブドゥル・ホッジ(ヒザ)、Sマーヴィール・アンダーウッド(ヒザ)。
- DEキャンプマンはこのオフにヒザの関節鏡手術を受け、復帰は7月下旬のトレーニングキャンプになるかもしれない。WRファーガソンは昨季負傷した足の骨折のため、復帰は今月末から始まるOrganized Team Activities(OTA)からの見込み。Sアンダーウッドは既報どおりトレーニングキャンプから。
- 昨年までアーマン・グリーンが着けていた背番号30を、今回からRBアーリス・ビーチが着けている。
初日の練習の前、ブレット・ファーヴが久しぶりにランボーフィールドで記者会見を開いた。内容の多くは先日のインタビューと同じ内容だが、今回は特にトンプソンGMとの不仲を否定することに時間を割いているようだ。
- 「トレード問題を、いや問題が存在しなかったことをここではっきりさせたい。トレードという言葉が発せられたことはないし、どこからそんな話が出てきたのかわからない。本当のことじゃない」
- 「ご存知のように、僕は切り替えがすごく早い。つまり、僕は自分の感じたことをチーム側に伝え、それでもうおしまいだ。今週はマイク(マッカーシーHC)やテッド(トンプソンGM)とよい話し合いができた。結局のところ、プレーしたい、チームの勝利を助けたいという気持ちが全てだ。僕にコントロールできるのはそれだけだし、ここにいることでそれを実行している。僕はよきチームメイトであるだけでなく、よきリーダーでありたい。それに尽きる」
- 「(ランディ・モスのトレードについて)詳細を振り返るつもりはない。もう一度言うが、すでに終わったことだ。ランディはニューイングランドでプレーする。彼はチームを助けられたはず、とは思っているが、助けられる選手なら他にもたくさんいる」
- 「テッド(トンプソンGM)との間に何も問題はないよ。彼のチーム運営を判定するために僕がいるわけじゃない。彼には世間からの風当たりが強いであろうことは知っている。テッドとは僕の入団初日(1992年)からの付き合いで、彼のことはよく知っている。彼には計画があり、そのために彼は給料をもらっている。僕はフィールドでチームを率いる仕事で給料をもらっている。全てにおいて意見が一致するわけじゃないが、彼にとって必ずしも僕と意見が一致する必要はべつにないんだ。それで僕たちは何も問題はない」
- 「ついさっきもこの部屋の外で、今日の練習についてテッドと話したところだ。(今年の補強批判は)彼個人に向けたものじゃない。僕だって、インターセプトを投げればファンは腹を立てるだろう。でもそれだけじゃない(全般的には評価してくれている)わけだ。彼は決定を下し、そのために時には風当たりが強くなることもある。でも僕らはうまくやっている」
- 「僕と一緒にやったことのあるチームメイトなら誰もが、僕はチームのために全力を尽くすことを知っている。それに変わりはない。ここに来ていることが重要で、そのために来ている。本音を言えばミニキャンプに来るのは好きじゃないけれど、来る以上はチームの助けになりたい」
- 「(今回の騒動を説明するために)チームメイトの前で立ち上がって話すことはしない。(前日ここに来てから)たくさんの選手と会ったが、僕らは何も問題はない。僕はチームメイトを信じている。一年前に僕は『自分にとってこれまでで最も才能あるチーム』と発言して、みなさんから非難された。クレイジーだと思われたのだろう。ただあの時も 『だからといって12勝できると保証されたわけじゃない』 と僕は言った。どんなチームでも保証などない。でも、1年前と同じように僕はこのチームを信じている」
- 以下はチームメイトのコメント。
- WRグレッグ・ジェニングス。「(ファーヴがモスを欲しがったことは)決して僕らへの非難じゃない。それは競争心の強さの表れであり、彼はただ勝ちたいだけなんだ。彼が素晴らしいリーダーであることは、誰も否定できない事実だ。どんなコメントをしようとね。僕はレシーバーだけど、(今回のことで)何も傷つけられてはいない。彼は球団として補強の機会を逃したことを残念がっていただけだ。16年もここにいるのだから、フラストレーションを感じる権利はあるよ」
- WRドナルド・ドライバー。「モスの能力はみんな知っている。でも彼が加わってもフィットしたかどうかは分からないよ。誰にもね。もし入団していれば、みんなで腕を広げて 『さあ一緒にプレーしよう』 と迎えただろうけど」
- LBニック・バーネットは、新戦力として3巡指名のWRジェームズ・ジョーンズの名を挙げた。「ジョーンズはいい選手だと思う。でかくて強いヤツだ。そういう選手をウチは求めていた。ボールを競り勝てるレシーバーというのが重要だ。毎回パーフェクトなパスが来るわけではないからね。その能力があるから(ジャヴォン)ウォーカーは貴重だったんだ」
2007年5月19日
即戦力を期待される2巡RBブランドン・ジャクソンが、NFL側が義務付けたロサンゼルスでのイベント出席のためミニキャンプには出られないことになった。"2007 Reebok NFL Rookie Premier, presented by EA Sports"には3巡指名以内のスキルポジション選手が集められ、新ユニフォームで写真を撮ったりするらしい。リーボックやEA Sports(ゲーム)やTopps(トレーディングカード)など、NFLやNFL選手会に巨額のライセンス料を支払うスポンサーのためのイベントだ。
大きなスポンサーマネーが絡むため、NFL本部が今週水曜に「選手は招待を断ってミニキャンプに出てはならない」と正式な通達を出し、パッカーズ側も従わざるをえなくなった。ジャクソンは当然ニキャンプ出席を選ぶつもりだったが、この決定を聞いて怒りをあらわにしている。「これは大きな、重要なイベントだとかなんとか・・・。『ブランドンが(ミニキャンプ出席を)決めたのだ。彼は新しいチームメイトとミニキャンプに出たいと望んでいる』とこちらは主張したのだが。とてもショックだ。イベントに出させるためにここまでやるとは」と代理人。
今週末はコルツも全員出席のミニキャンプを行う予定で、1巡指名WRアンソニー・ゴンザレスが同じようにミニキャンプを欠席させられることになった。選手や球団の都合を無視した馬鹿げた決定に思われるが、このイベントは以前から予定が決まっており、それとかち合うようにミニキャンプを組んでしまった両球団にも責任はある、という指摘もある。
2007年5月18日
- 先日のインタビューでミニキャンプは欠席すると語ったQBブレット・ファーヴだったが、予定を変更して出席することになった、と代理人が語った。「ブレットはミニキャンプに行く。それが正しいことだし、チームメイトのためでもあるし、新しい選手をチェックすることもできる。他の選手がする全てのことを彼もこなす予定だ」 「パッカーズ側から(1日最大$8000の)罰金で脅されたことはない。ブレットを知っていれば、かえって逆効果だっただろうしね。たしかに先日彼は欠席する予定と言ったが、考えてみるとも言った。そして、ミニキャンプに出席するのが正しいと考え直したのだ」
- 「他の選手がする全てのこと」というのが練習参加を示すなら、先日の「ケガで練習できないし」といったファーヴ本人のコメントはやはりスネていただけなのか。また、今回の騒動にケリをつけるためにもそうすべきだ、と首脳陣(または代理人や家族)から説得されたのかもしれない。
- Press-Gazette紙によると、「トレード要求」報道が流れた日曜の夜、トンプソンGMとファーヴは長い話し合いをしたとのこと。その翌朝にファーヴが「トレード要求」報道を否定する声明を発表している。
- ドラフト外ルーキーとしてオクラホマ大のQBポール・トンプソンと契約。アスレチック能力の高い黒人QBで、192cmの長身ながら4.64秒のスピードがある。パサーとしてはイマイチだが、リーダーシップには定評があるらしい。05年はいったんWRにコンバートされたが、昨年夏に先発QBが退部処分となったため、急きょQBに戻って全試合に先発出場している。あくまでQBとしての能力を試すための契約で、レシーバーやリターナーで起用する意図はないとトンプソンGMは語っている。おそらくファーヴもロジャースもプレーできない場合を想定して、キャンプ用にQBの数を確保したのだろう。
- 昨年1シーズンだけパッカーズに在籍したDTケンドリック・アレンは、先日ベンガルズと契約した。パッカーズ側も全く興味がないわけではなかったが、1巡でDTジャスティン・ハレルを獲得したことで再契約の目は消えたのだろう。
2007年5月16日
QBブレット・ファーヴは声明発表に加えてミシシッピの地元紙のインタビューに応じ、「トレード要求」報道を改めて否定した。さらに今週のミニキャンプを欠席することを明らかにし、それは球団への不満とは関係ないと強調している。今回インタビューしたのは、2月に現役続行宣言をファーヴがスクープさせた Biloxi Sun Herald紙のアル・ジョーンズ記者で、ファーヴ家の親しい友人でもある。
声明で述べたトレード要求の報道を改めて否定。「僕はそんなことは言っていない。トレードの可能性など話題にしていない。誰かが自分の好きなように話を作ったんだ。もし本当に僕がトレードを望んだなら、こちらから無理押してでも移籍しただろう。しかし一度もそのような問題にはならなかった」
「僕はどこへも移籍しないし、他のチームでプレーすることはない。僕はパッカーであり、パッカーとして引退したい。パッカーズ以外でプレーすることはよくない。この球団はファーストクラスだし、僕と家族に非常によくしてくれている」
トレード要求報道を聞いてから、マイク・マッカーシーHCともテッド・トンプソンGMとも話し合いをしたのだとファーヴは言う。「チーム側も(補強に関する)僕のフラストレーションは理解している。同時に、球団への僕の忠誠心も、勝ちたいという気持ちもよく知っている。トレードに関しては、そんな会話はなかった。僕はグリーンベイに忠実だ。マイクもテッドもよく分かってくれている」
ミニキャンプ欠席について。「(足首のリハビリのため)僕にプレーをさせないことが決まった。実を言うと、(長女の)ブリタニーがもうじき高校卒業なんだ。卒業パーティとかがあるから、グリーンベイに行って何もせずにいるより、こちらに残る方がいいと思う。(チーム補強への)フラストレーションはあるよ。でもそのこととミニキャンプ欠席は関係ない」
「今いる選手たちを悪く言うわけじゃない。でも助けは必要だよ。アーマン・グリーンは毎年1000yds以上走り続けて、その穴を埋めるのは大変なことだ。若手たちできっと大丈夫とは思う。でもあのような数字をすぐに肩代わりするのは難しい。誰かが頑張らなきゃいけない。去年の夏、『このチームはこれまでで最も才能あるチーム』と僕は言った。今もそう思っている」
90年代半ば、効果的なFA補強が優勝に結びついたことがファーヴの念頭にはある。「あまり理解されていないが、ウチが一番強かったころ、他のチームとの差は補強だった。WRロバート・ブルックスがヒザを壊したあと、アンドレ(ライズン)が来て、僕のキャリアで最高のパスの1つ(スーパーボウルの先制TD)を捕ってくれた。とてもよい短期的な補強だった」
「テッド(トンプソンGM)と僕はいつもうまくやっている。僕がチーム運営のやり方を知っているなんて、自分でも思わないさ。特定の人事について自分が思ったことを話すこともしない。ただ例外はジャヴォン(WRウォーカー)の件だった(2005年記事)。1年活躍したからって契約を破棄するなんて許されないという考えは、今も変わっていない。そんなことをしたらみんなが新しい契約を求めることになってしまうからね。今回はそのときと同じように、ランディ(モス)について話す必要があると感じたからなんだ」
「でも全て終わったことだし、今さらどうすることもできはしない。このチームがどれだけやれるか僕は見たいし、非常によいチームになれると心から信じている。10勝できる力があるかどうか、時が経てばわかる」
2007年5月15日
トレードを求めたとの前日の報道について、月曜の朝にQBブレット・ファーヴが球団を通して以下の声明を発表し、トレード要求報道を否定した。
2週間前ランディ・モスがニューイングランドにトレードされたとき、僕は不満だった。でもトレードされたいと思ったことはないし、今も望んではいない。僕はグリーンベイにいたい。パッカーとしてキャリアを終えたいと望んでいる。ときどき、僕は苛立ちのあまり感情的になりすぎてしまうことがある。
2月に現役続行を発表した際に述べたように、僕はチームの若いタレントの存在を喜んでいるし、この1年での彼らの成長を楽しみにしている。彼ら若手と一緒にプレーすることを僕は本当に楽しんでいる。いま僕はここミシシッピでハードにトレーニングし、リハビリし、生涯最高の体作りをしようと努力している。
今年もこのチームでプレーすることを楽しみにしているし、僕らに何が成し遂げられるか見届けるのを楽しみにしている。僕らは非常に良いチームになれると思っている。
Fox Sportsのジェイ・グレイザーは「ドラフト直後にブレット・ファーヴがトレード要求していた」というスクープ記事を掲載した。それによると、事の成り行きは以下のとおり。
モス獲得が不発に終わったドラフトの2、3日後、激怒したファーヴは代理人を通してトンプソンGMにトレードを求めた。それを聞いたマッカーシーHCが本人に連絡を取ろうとしたがファーヴは1週間ほど無視。先週半ばにようやく話し合いの機会を持ち、「他のチームでプレーしたかったわけじゃない」というところまでマッカーシーHCがクールダウンさせた。それでも腹立ちが収まったわけではなく、土曜のチャリティ・ゴルフ会場での批判コメント(前日の記事)となった。
このFox Sportsの記事でパッカーズ周辺は大騒ぎとなり、日曜ながらテッド・トンプソンGMは文書による声明を発表せざるをえなくなった。「プレーヤーが時おり苛立ちを募らせるのは自然なことだと思う。それが人間というものだ。ブレット・ファーヴにとって勝利が全て、ということは誰もが知っている。球団として、我々も同じ熱意を共有している。そして、我々もいま勝ちたいと望んでいる」
「選手や代理人と話し合った内容について、我々は決してコメントしない。それが球団としての長年にわたる方針だ。我々は選手およびその代理人と、率直でオープンな対話をするよう努力している。それなのにその内容を第三者に話すようなことがあっては、将来選手たちが我々を信頼してオープンに話す気にならなくなってしまう」
その後の地元紙の報道を総合すると、ドラフト直後にトレード要求するほどファーヴが激怒していたのは本当のことらしい。しかし本人に近い筋によると、このところはファーヴにそのような様子はなく必死でトレーニングに励んでおり、パッカーズでプレーする気がないとは考えられない、とのこと。ゴルフ会場でのコメントはたしかに異例なフロント批判だったがトレードには触れておらず、「マッカーシーHCとの話し合いでクールダウンした」という報道を裏付けているように見える。
また実際問題として、あと1年か2年しか使えない、しかもこの2年不振の37歳QBに高額サラリー(今年$11ミリオン)を払って獲得したがるチームがあるとも思えず、トレード先の具体的な噂は今のところ全く出てきていない。そしてパッカーズはサラリーキャップに余裕があり、ファーヴの$11ミリオンはらくらく吸収できている。仮にトンプソンGM個人がトレードを決意したとしても、フランチャイズ史上の汚点になりかねない人事をボブ・ハーラン会長やジョン・ジョーンズ社長が承認するとは考えにくい。
いっぽう最新の噂では、今回の不和をあおった首謀者は代理人のバス・クックだとパッカーズ首脳は考えているらしい。また、トレード交渉の途中から参入したペイトリオッツにモス本人の気持ちが移り、パッカーズ(およびファーヴ)の熱意が条件吊り上げの材料に使われていることをパッカーズ側は察した、と情報筋は明かしている。
今後の注目は、今週金曜からのミニキャンプにファーヴが出席するかどうか。足首手術後のリハビリ途上であるため練習に参加できないことはすでに発表済みだが、今回は全員の出席が義務付けであるため、欠席したら球団側は罰金を科すこともできる。情報筋によると、ファーヴは出席する、とマッカーシーHCは確信しているらしい。
2007年5月14日
自らが主催するチャリティ・ゴルフ・トーナメントに出席したQBブレット・ファーヴは、少し言葉を選びながらも、わずかの差でモスを逃したことへの失望感を明らかにした。表立ってチーム首脳を批判することなど滅多にないファーヴだが、今回はモス本人や代理人サイドから詳しい内部情報が手に入る立場にあった。今回の件に限らず長期計画を重視するテッド・トンプソンGMの方針に、ついに不満がこらえきれなくなったのかもしれない。
「どれだけの代償を払えばモスが獲得できたか、僕は知ってる。ニューイングランドよりも少ない額で獲ることが可能だった。ウチが出せる額でも、彼はグリーンベイでプレーしたがっていた。十分リスクに値するトレードだったはずだ」
「残念だ。ほぼ交渉はまとまっていたのに、(NEが獲得成功したというより)こちらが獲り逃したと言うべきだろう。だって、『モスが契約見直しを嫌がっている』という憶測は本当のことじゃなかった。彼は(OAKでの巨額の)契約を捨てて、保証つきの1年$3ミリオンを受け入れるつもりだった。それと4巡指名権。それだけで獲れるなら大成功だろう。しかしこちらは『保証つきの$3ミリオン』の部分を出し渋った。僕は代理人のバス・クック(モスの元代理人でもある)に連絡して、その分は僕のサラリーから差し引いてもいい、とまで言ったんだ。それでも十分でなかったらしい」
「僕は新しいことを始めるのは好きじゃないが、モスが来てくれたら素晴らしい補強になったと思う。3人を同時に出せば、ランディ・モスにも、ドナルド・ドライバーにも、グレッグ・ジェニングスにも投げられる。強力なユニットになったはずだ。でも獲れなかった。十分可能だったのに失敗したとわかるだけに残念だよ」 「ウチのオフェンスは去年苦しんだ。ディフェンスがいてくれなかったら、8勝はできなかっただろう。現時点では楽観的にはなれない」
「誰もが知っているとおり、僕はキャリアの終わりに近づいている。チーム再建に5年かけるほどの時間は僕にはないんだ。グリーンベイの誰も 『再建(rebuild)』 という表現は使わないが、実際やっていることを見れば再建モードなのは明らかだ。僕がチームへの信頼を失ったとは思わないし、球団の誰もが勝利を求めているのは知っている。ただ僕にわからないのは、その『勝利』に僕が含まれているのかどうかだ。『勝利』が5年も先の話なら、僕はもういなくなってる。今年は現役17年目だし、僕はいま勝ちたいよ」
2007年5月13日
ルーキー・ミニキャンプに参加した選手の中で飛び抜けて年齢の高かったのが、デヴィッド・ロニーという28歳のオーストラリア人パンターだ。アメリカンフットボールと出会ったとき、彼はもう22歳。高校を出てから旅をしたり、イギリスでプロチームでサッカーをしたあと、ウィスコンシン州北部のミノクアで3年にわたって(子供向けの)キャンプでサッカーや水上スキーを教えていたときのことだ。
「2001年の夏、同僚のカウンセラーで、パンターとしてドレーク大に入るヤツがいたんで、『そのボール貸してみろよ』と言って僕は蹴り始めた。すると見ていた連中が、お前こそ本格的にやるべきだと言い始めたんだ。そのときはパンターがどういうものかさえ僕は知らなかった」とKデヴィッド・ロニーは振り返る。仲間の中に、ベンガルズで活躍した元キッカーのダグ・ペルフリーと知り合いの者がいたので、ペルフリーの手助けでビデオを作り、国じゅうの大学に送った。すると10以上の大学から奨学金のオファーがあり、オハイオ州立大を選んだ。
しかしいざ入学手続きとなったところで問題発生。高卒後4年近くも経っていたことなどで、オーストラリアでの履修単位が入学資格として認められなかったらしい。仕方がないのでアイオワ州のコミュニティ・カレッジで2年間過ごし、そこではパンターだけでなくキッカーやキックオフもこなした。その後ようやくカリフォルニア大に入り(1年だけQBロジャースと重なる)、先発パンターとして2年間活躍した。
「カリフォルニア大に進むまでは、ろくにコーチを受けたことさえなかったね。だから僕のパンター歴は実質2年だけなんだ」とKロニー。昨年春にドラフト外でレッドスキンズに入団したが開幕前に解雇され、9月にパッカーズのワークアウトを受けたあと、故郷オーストラリアのゴールドコーストに帰った。シーズン終了後にパッカーズと契約したが、就労ビザの取得に手間取って、再びグリーンベイに来て練習を再開したのは3月後半のことだった。
「彼は身長6フィート5(196cm)で、とても強い脚がある。しかし不安定な部分もある。ご存知のように、キック力だけではNFLでは務まらない。(大学を出てから)1年かかる選手もいるものだ」とレジー・マッケンジー・プロ人事部長は言う。今年の夏は、ロニーと同じく「飛距離はあるが不安定」というカナダ人ジョン・ライアンがライバルとなる。
ロニーは今、安定性の改善に向けてストックSTコーチらと練習を重ねているところ。「自分としては、やればやるほど向上している感触がある。コーチ・ストックたちの指導で、フォームを何ヶ所か変えた。少しだけステップを短くし、キャッチするときに少しだけ体を立てる、といったふうにね。おかげで安定性も増してきたように感じる」
「僕の家族は裕福じゃない。収入面ではたぶん平均より下だろう。去年の秋いったん家に帰り、故郷で成功するのがいかに難しいかを再認識した。おかげで、パンターとしてこちらで頑張ってみようという気持ちがすごく強くなったよ。去年はちょっと燃え尽きた感じがあったけど、今の僕はよりハングリーになっている」
カリフォルニア大の選手紹介には、高校時代にサッカーだけでなく水球、棒高跳び、やり投げ、十種競技などで大活躍したアスリートであることが記されている。
2007年5月12日
今オフのパッカーズは、大ベテランのFBウィリアム・ヘンダーソンを放出し、FA市場ではFBジャスティン・グリフィス(ATL→OAK)など数人のフルバックを物色したが、けっきょく獲得には至らなかった。昨年スターターに昇格したFBブランドン・マイリーがいることもあり、その後はルーキーを育てる方針に切り替えたように見える。
通常FBの(シーズン中の)ロースター枠は2人。今後ベテランを補強する可能性も残ってはいるが、キャンプ終盤あたりに実績ある選手が放出されてきた場合に限るのではないか。現状ではマイリーが当確、ルーキーから1人が勝ち残ることになる。
今年のFB獲得の方針は、ゾーンブロッキング向きの軽量クイックネス型を選ぶこと。ヘンダーソンが解雇されたのも、年齢による衰えだけでなく、大型パワー型で新スキームに向いていなかったためだ。パスキャッチ力が必要なのは言うまでもないが、控えFBはスペシャルチームでの貢献度も重視される。RB等からのコンバート組ばかりなのは、ゾーンブロッキング・スキームしかもウェストコーストオフェンスで先発FBを務めるようなアスレチックな選手は、大学ではふつうFBなどやらない、といった事情を示しているのだろう。
現在パッカーズにいるFBの顔ぶれは以下のとおり。マイリー以外は全て新人で、4人全員を合わせても、大学でFBとして出場した経験はパウドレルの2試合のみ。フルコンタクト練習のないミニキャンプではFBの能力はわかりにいが、7月下旬のトレーニングキャンプでは熾烈な争いが見られそうだ。4人のうち1人が開幕ロースターに残り、1人がプラクティス・スクワッドか。
- エース格のブランドン・マイリー(26歳)は昨年夏までブロンコスに在籍し、ゾーンブロッキング経験を買われてパッカーズにやって来た。大学時代はパワー型RBで、2004年ドラフト7巡でブロンコスに入ってからFB修業を始めた。1年目はケガでインジャリーリザーブ、2年目はプラクティス・スクワッド、3年目の昨年は開幕前に解雇されてパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。そして序盤のヘンダーソン不振により、ロースター昇格だけでなくスターターの座を手にした。しかし中盤にヒジを負傷して、その後は本来の力が出せず。昨季序盤のヘンダーソンよりはいいが、そこそこといった感じで、今オフ首脳陣がFA補強を検討したのもそのせいだろう。まだ成長の余地はありそう。
- 6巡a指名のコーリー・ホールは、ボイジー州立大で4年間先発インサイドLBとして活躍した。フルバックへのコンバートが前提の指名で、高校でやって以来のポジションに挑戦することになる。非常にセンスがよくタフな選手という点で評価は一致しているが、FBとなると全くの未知数。LBとしてインターセプトを量産(昨季6.5INT!)したので、パスキャッチは上手いのかもしれない。スペシャルチーマーとしては最上級の賛辞が寄せられている。
- 7巡a指名のRBデショーン・ウィンは232ポンドのサイズがあるため、首脳陣はFBもプレーさせてみる意向を明らかにしている。高校時代からスターRBだったので、おそらくFB経験はないはず。問題児だった経歴からして、FB向きのメンタルではないかもしれない。かつてのRBダヴェンポート(入団時はFB扱い)のように、RBとしてロースター入りできるほどの力があるなら、そちらが優先されるはず。
- サザン・カリフォルニア大(USC)からドラフト外入団のライアン・パウドレルは、昨年春にLBからFBにコンバートされた。FB不足だったのでいきなりスターターとなり、開幕のアーカンソー大戦でチームトップの4キャッチ72yds1TDを挙げたが、次のネブラスカ大戦で足首を骨折してシーズンエンド。実績不足なのでドラフトされないのは当然だが、契約金を$15,000も払ったのは、彼の将来性を評価する球団が複数あったからだろう。
- コーリー・ホワイトはルーキー・ミニキャンプにトライアウト参加し、めでたく契約となった。アラバマ大バーミンガム校(UAB)ではRBとして活躍し、通算1925ydsラッシング、25TDを記録。しかし40yds走4.7秒前後とスピードがないためRBとしては声がかからず、FBとして採用されることになった。「RBとしてのブロッキング能力」では今年のトップクラスという前評判。タフでセンスのよいランナーで、ランアフターキャッチもいいらしい。
2007年5月11日
先週末のルーキー・ミニキャンプにトライアウト参加させた8選手(リスト)のうち、パッカーズは下記の3選手と契約することになった。先週契約した7人と合わせ、今年はドラフト外で10人獲得したことになる。
- FBコーリー・ホワイトはアラバマ大バーミンガム校(UAB)でランニングバックとして活躍し、通算1925ydsラッシング、25TDを記録。しかし40yds走4.7秒前後とスピードがないためRBとしては声がかからず、フルバックとして採用されることになった。「RBとしてのブロッキング能力」では今年のトップクラスという前評判もあり、タフでセンスのいい選手だったらしい。今年のFB争いはワイドオープンなので十分チャンスはあり、他のルーキーたちと2番手FBの座を争うことになる。
- OLピート・バイアーは陸軍士官学校で4年間スターターを務め、最初の2年が右ガード、最後の2年がセンターだったようだ。295ポンドとやや軽量の白人センターで、2シーズンにわたってキャプテンを務めていた。ウィスコンシン州南部のミルトン出身。
- DEデヴォン・ヒックスはノースウェスト・ミシシッピ・コミュニティカレッジの出身。DE/LB両方で起用され、昨季は10サックを挙げた。大学のロースター表では240ポンドだったが、今は260ポンドあるとのこと。RBとしていったんディビジョンIIの大学に入りレッドシャツとして1年在籍し、その後短大に移って2年を終えたところ。ディビジョンIの大学に移ることもできたが、ドラフトへのエントリーを選んだ。
- ルーキー・ミニキャンプにトライアウト参加していたTEジョー・ワーナー(ウィスコンシン大ラクロス校でバスケット選手として活躍)だが、こちらは契約のオファーがなかった。「でも 『将来的には契約の可能性はある、ドアはオープンにしておく』 とチーム側には言われた」とTEワーナー本人は言う。「ランボーフィールドに行って選手たちが駐車場に入ってくるのを見るだろう? 普通は外側から見るわけだけど、先週末は内側から見ることができた。3日間ジャージーを着られただけでも素晴らしかった。この経験は何ものにも代えがたい。諦めずに体を作って、NFLチームから声がかかるのに備えるよ」
- 同じくトライアウト参加だった地元の超有名選手、QBジョン・ストッコ(ウィスコンシン大)もやはりパッカーズからのオファーはなく、次はジャイアンツのトライアウトを受けるとのこと。
2007年5月10日
全米王者フロリダ大から7巡指名でパッカーズに入団したRBデショーン・ウィン。素材は一級品といわれながら潜在能力を出し切れず、人格面で減点されて7巡でかろうじて指名という結果となった。練習中に携帯で話したという「ケータイ事件」は実際はロッカールームでのことだと否定したものの、かつてやる気の乏しい選手だったことはウィン本人が認めている。
「ハードワークは今は問題ない。ただ以前は、僕は練習熱心さに問題のあった時期がある。昨シーズンは全米チャンプを獲りに行っていたし、ハードワークに何も問題はなかった。プロに進むためには今年頑張らないと、という心構えだったしね。僕が批判されるのはハードワーカーでなかったという点だけど、それはかつてのことだ」
「前ヘッドコーチのロン・ズックのもとで、大学1年目の僕は必死で頑張った。春のスクリメージでは1人でRBを務めた。なのに、シーズンが来て最初の6試合で500yds以上走っても、僕は先発させてもらえなかった。『よく頑張ってきたから』と4年生がスターターだった。僕は 『なんだ、そういうことか』 となってしまい、『どうせダメなんだから』 と練習でも全力でやる気持ちが薄れてしまった。2年になってもそんなままだった」
大学3年目、ズックが辞任してアーバン・メイヤーHCがやってくると、彼はことあるごとにウィンを刺激しようとした。「彼はまるで 『なぜオマエは何も成し遂げていないんだ? 高校を出るときには全米屈指の選手だったのに』 って口ぶりだった。チーム全員の前で名指しされてね。僕はちょっと気に入った。コーチ・メイヤーはいつも本当のことしか言わないんだ。耳あたりのよいことなんて言わない」
とはいえ、すぐにウィンの態度が完全に改まったわけではなく、コーチとの軋轢は続いた。駐車ステッカーの違反をとがめられて出場停止になったり、「こんなことなら(RBなしで)1試合全て5WRでやるぞ」とコーチが激怒したことや、彼の代わりにフルバックの選手が先発したこともあった。
ようやく彼のやる気に火がついたのは2006年になってからのこと。かつてパッカーズでアシスタントコーチをしていた同大のスタン・ドレイトンRBコーチは、「かつてなかったようなテンポで練習するようになった。私が指示したことは、一言も口答えせずに全てこなすようになった。指導を素直に受け入れる、コーチしやすい選手になった。劇的な改善だった」と証言する。初めてフルタイムのスターターとなり、ケガを押してプレーを続けて全米王座に貢献した。
パッカーズはドラフト指名に際し、旧知のドレイトンRBコーチからあらゆる情報を聞き出したのだと言う。「僕が7巡指名された直後にドレイトン・コーチから電話があって、『パッカーズには聞かれたことを全て正直に答えたぞ』 と言われた。パッカーズに話したことを全て、一言残らず僕にも伝えてくれた。『下位で獲れればもうけもの、間違いなく1巡級のタレントだ。ただ以前にはいろいろ問題があった』 とね。彼はパッカーズに、いまどんなRBがいるかを聞いた。ハードワーカーが揃っていれば大丈夫、コイツは仲間の能力しだいで同じように頑張るから、と」
マッカーシーHCの方針は、ルーキーは入団したら(トラブル歴があっても)白紙に戻して、そこから新しいスタートを切らせるというもの。とはいえ、彼の経歴を調べ尽くした首脳陣が目を光らせており、一度の遅刻、一度の手抜きが命取りになりかねない。「僕は白紙の状態でここにいる。ここグリーンベイで新たな名声を確立できたらと願っている」とウィンは言う。今年のパッカーズはRB陣に空きが多く、またサイズを活かしてフルバックでうまくいく可能性もある。下位指名からでも戦力となれる余地は十分にあり、全ては今後の努力しだいといえる。
2007年5月 8日
- 3日間のルーキー・ミニキャンプが終了。今回はルーキー向けにゆったりとしたテンポで練習が行われたが、次からはそうはいかない。「次に彼らが戻ってきたら、練習のペースはずっと速くなる。選手たちもより速く動けるようになっているだろう。初参加の者と経験者のギャップを埋めるために、今回のようなミニキャンプを行ったのだから」とマッカーシーHC。
- 全員参加のミニキャンプは今月18日から3日間にわたって行われる。17日のうちに全員集合することになっているが、ルーキー組は15日に集合し、また2日間のオリエンテーションを行うとのこと。
- 次回のミニキャンプ初日は午前・午後と練習を行う予定だったが、午前の部は「2006年シーズンを振り返る」企画を行うことになった。「チーム全体で前年を振り返って反省する機会というのは、NFLでは滅多にないものだ。だからミニキャンプ初日にやってしまおうと思っている。昨季のポジティブな点、ネガティブな点、2007年シーズンの方向性や焦点を話し合う。それを終えてから、フィールドに出て練習を始めるのだ」とマッカーシーHC。
- QBファーヴとQBロジャースがどちらもリハビリ中で万全でないため、今月18日からのミニキャンプでは3番手のQBイングル・マーティンがメインとなる見込みであるとマッカーシーHCが明らかにした。
- QBブレット・ファーヴは2月末に足首の手術を受けリハビリ中。QBアーロン・ロジャースは昨季終盤に骨折した左足がまだ万全でなく、オフシーズンプログラムには参加しているが全メニューではない。「ブレットについては、ミニキャンプで投げても投げなくても、たいした違いはないと思う。自分でちゃんとワークアウトをしているしね。アーロンについては、(フル参加させてもよいかどうか)そろそろ決断のときが来ている。いつになれば手綱を放してもよいか? 非常に近い」
- 6巡a指名のコーリー・ホールをLBからFBにコンバートさせることについて、マッカーシーHC。「彼は優れたフットボール・プレーヤーだ。まだフルバックについてわからないことも多いだろうが、直感に優れた選手だ。(スペシャルチームを含めて)彼の動きには生まれついての本能的なものが多く見受けられる。高校ではフルバックの経験があったはずだ。彼のいたボイジー州立大のヘッドコーチは私の(ピッツバーグ大での)友人で、ホールについてあらゆることを聞いた」
- ドラフト中にWRランディ・モスのトレードを話し合ったパッカーズとレイダーズだが、TEコートニー・アンダーソンのトレードも話し合われたらしい。
2007年5月 7日
- 今年のパッカーズ指名で最も意外と受け取られているのが、3巡a指名のWRジェームズ・ジョーンズ。 コンバインでの40yds走で4.60秒、"Pro Day"には少し向上して4.55秒となったが、上位で指名するにはスピードがなさすぎる、というのが懸念の理由だ。
- GM補佐のジョン・シュナイダーはWRジェームズ・ジョーンズについて、「評価の分かれる選手だとは思う。しかし我々が彼を指名したとき、あるチームから電話がかかってきて、『素晴らしいピックだ。今ドラフトで最高の手(キャッチ力)を持っている』 と言われたよ。いろんなタイプがいるが、彼はパワー・レシーバー型にあてはまる。腰を落とし、ランアフターキャッチに優れる、高いボールをもぎとり、ボールに対してアグレッシブ。そういった点が彼は際立っていた。スピード不足が減点とされるようだが、彼のプレーのテンポは非常にいい。その点が我々には魅力的だった」
- 3巡b指名のSアーロン・ラウスは、セーフティには珍しい6フィート4(193cm)の長身も特徴だ。「身長は僕の助けになっている。(高い位置から見えることで)カバレッジもよくわかるし、相手のバックフィールドのセットもわかりやすい。相手のパスコースの邪魔になるのは言うまでもないし。高さのうえにジャンプ力などアスレチック能力があれば、相手の戦術の幅を狭め、仕事をしにくくさせることができる」
- 6巡c指名のKメイソン・クロスビーは、標高の高いコロラド大(標高1655mのボルダー市)でプレーしていただけに、「飛距離はそのおかげでは?」という質問がつきまとう。「去年の僕はアウェーでのFGトライが多かったし、3年生のときには50yds超を5本蹴ったうちホームは1本だけだった。通算では、50yds以上成功のうち半分ほどがアウェーでのものだったはずだ。薄い空気のおかげでロングキックを成功させていたとは思わない。(たとえ飛距離が出ても)成功させるにはバーの間を通さなければならないのだし。海抜0mで30ydsしか決められないヤツがコロラドに行ったって60ydsは決められない。標高などたいしたことはないと思う」
- パッカーズのディフェンスの勉強について、1巡指名のDTジャスティン・ハレル。「あまりにたくさんの講習を受けたものだから、昨日は耳から煙が出てる感じだった。プレーブックはこれまでに見たこともないような厚さだ。覚えるには時間がかかるし、勉強とハードワークが必要だ。2週間でこれをマスターしなきゃならない」
- ロッカールームで他のルーキーたちが談笑しているときも、6巡a指名のFB/LBコーリー・ホールはプレーブックから顔を上げることができない。新しいシステムに慣れるどころか、彼はこれまでに経験のないフルバックをプレーしなければならないからだ。「ちょっとハンパじゃない大変さだね。もうすでに秋のキャンプが始まったみたいだ。誰もが自分の能力を証明してチームに残ろうと努力しているが、現実的には全員がロースターに残れるわけじゃない。放り出される選手になりたいヤツは1人もいない。それがみんなのやる気の元になる」
- プレーブック習得で上記のFBホール以上に大変なのが、トライアウト参加のTEジョー・ワーナー。ウィスコンシン大ラクロス校(元WRビル・シュレーダーの母校)でバスケットボール選手として活躍した彼は、高校以来フットボールをしたことがないのだ。6フィート6(198cm)の長身に加えて非常にアスレチック能力が高く、全身の筋力の弱い部分を探るムーヴメント・スクリーンの検査ではなんと満点だった、とマッカーシーHCは明かしている。
- 前日にふくらはぎを痛めた7巡c指名のRBデショーン・ウィンだが、深刻なものではないとのこと。2週間後のミニキャンプに備え、今回はこのまま休むことになった。
2007年5月 6日
木曜に集合したルーキーたちは、(今年からパッカーズが導入した)ムーヴメント・スクリーニングなどの検査を金曜午前に受けたあと、金曜午後におよそ90分間の初練習を行った。
- 31名の参加選手の内訳は、ドラフト指名11人、ドラフト外7人(リスト)、トライアウト8人、そして「1年目」選手つまりこれまでシーズン中のロースター入ったことのない選手が5人。
- 練習は室内練習場ドン・ハトソン・センターで行われ、ファンには非公開となっている。DTハレル、RBジャクソン、Sラウスの練習およびインタビューのビデオ映像はこちら。
- リハビリの最終段階にある1巡指名のDTジャスティン・ハレルについてコーチ陣は慎重で、コンタクトのある練習には参加させていない。
- パッドなしのミニキャンプ練習ではたいしたことはわからないとはいえ、2巡指名のRBブランドン・ジャクソンは非常にキレのよい動きを見せて首脳陣を喜ばせた。「ジャクソンの足は、まさに我々が資料のテープで見たとおりだったと思う。スタートとストップがとてもいい。彼の動きを見ればそれは明らかだ」とマッカーシーHC。
- いっぽう7巡a指名のRBデショーン・ウィンは、ランプレーのドリルで穴を抜けようとした際に足がもつれ、ふくらはぎを痛めて退場となった。ケガの程度や今後の見通しは不明、とマッカーシーHC。
- 3巡a指名のWRジェームズ・ジョーンズは、4巡以下との評価が多かったことについて、「僕は雑誌にはあまり注意を払っていなかったからね。彼らは僕のフィルムを見ないし、僕の練習にも"Pro Day"にも来はしない」
- 5巡指名のWRデヴィッド・クラウニー。「ドナルド・ドライバーは、(同じく下位指名から)僕がしたいと思うような実績を多く残している。僕は、よりディープに走ることでチームに貢献したい」
- 6巡a指名のFB/LBコーリー・ホールは、LGダリン・カレッジと同じボイジー州立大の出身で、指名後にLGカレッジからいろいろ話を聞いたのだという。「彼は『フットボールシーズンには、これほど素晴らしい場所は他にない』 と教えてくれた。ここに来るのがものすごく楽しみになったよ」
- 現職のKデイヴ・レイナーとの競争について、6巡c指名のKメイソン・クロスビー。「競争によって、僕にとっても・・・・もう1人のひと(たぶんレイナーの名前を忘れた)にとっても、最高の結果を引き出すことができる。とても楽しいことになるだろう。キッカーはふつう一対一の競争というものがないからね」
- トライアウトとして参加しているウィスコンシン大のQBジョン・ストッコ。「今はプレーするチャンスをもらっている。結局大事なのはそれだけだ。ここにいられるのは嬉しいけれど、自分の力を証明しなければ」
- 初めてルーキー・ミニキャンプをすることにした理由について、マッカーシーHC。「ルーキー組をいきなりベテランの中に放り込むのでは、あまりにも不利が大きすぎる。新人を助けてくれるベテランというのは、実際そう多くない。ベテラン全員がそうであってほしいけれど、彼らにとっても競争相手であるわけだから」
- 未契約のトライアウト組についてマッカーシーHCは、3日間の練習を終えた日曜夜に、契約するかどうか話し合って決める、と説明している。
- ルーキーたちは初めて集合した木曜日、ボックス席からフィールドを見下ろしながら夕食をとった。
1巡指名のDTジャスティン・ハレルがようやく入団記者会見を行った。例年パッカーズの1巡指名選手は指名翌日にはランボーフィールドを訪れるのが恒例となっているが、今回のハレルは以前から母が計画していたパーティに出席するため、木曜になって初めてグリーンベイ入りすることになった。
- 1巡16位で指名されたときにパッカーズファンからブーイングが起きたことについて。「ブーイングされるのは初めてじゃないしね。テレビ画面で見えたし音も聞こえたよ。でも自分にコントロールできることじゃない。なぜブーイングになったか(有力オフェンス選手を期待)は理解してる。彼らのパッカーズへの忠誠心の強さが表れただけだし、彼らなりに、チームに誰が必要だと思うか示したのだろう」
- かつてイーグルスがQBマクナブを指名したときに大ブーイングが起きたことは、NFLの語り草となっている。ブーイングが今後のモーティベーションの源になるのでは、と聞かれたDTハレルは、「そのとおりだね。でもあまり気にはしていない。僕はただ、パッカーズが間違った決断をしたのではないと証明したいだけだ」
- DTハレルは練習熱心さやチームへの忠誠心など、メンタル面での評価も高い。「今日ここに来たとき、レジー・マッケンジー(プロ人事部長でテネシー大の同窓)が僕を脇に呼んで、『ここに来たからといって、自分の何かを変えようなどと思ってほしくない。君がテネシーにいたときと同じ人間でいてくれれば、全てうまく行く』 と言ってくれた。僕もそうしたいと思っている」
- 「できる限りの努力をして、『スターターとなる準備OK』とコーチたちに認めさせたい。レギュラーシーズンが来たら、僕はスターターとなっているつもりだ」
- 「これまでのケガについては、(ケガの多い体質であったり体調管理の問題なのではなく)アンラッキーだったのだと考えている。2003年に足首を骨折したのは、タックリング・ダミーにタックルしたときだった。タックルしようと片腕を伸ばしたときに上腕二頭筋を断裂してしまうなんて予想もできないし。不運であって、説明のしようがない」
- 上腕二頭筋の断裂で昨季の多くを棒に振ったが、今はリハビリも終わりに近づいていて、今後の課題は元通りの筋力を取り戻すことだ。「100%回復できる、いや以前より強くなれる、とドクターたちは予想している。あのような形で大学のキャリアが終わったことに落ち込んだけど、すぐに気を取り直して将来に集中した。ウジウジしてるヒマはなく、ドラフトまでの全プロセスに備えなければならなかったが、うまくできた。今はリハビリの最終段階にいる。全てが非常に順調にいっているよ」
2007年5月 5日
- パッカーズ選手たちがウィスコンシン各地を巡る4日間の"Packers Tailgate Tour"が進行中。初日スペリオール、2日目オークレアの写真が公式サイトに掲載されている。
- 今週金・土・日と行われるルーキー・ミニキャンプ。昨年(シャーマン時代も)このようなキャンプを行わなかったマッカーシーHCだが、「スキームに不慣れな新人がサイドラインで待たされる時間が多すぎる」と感じたため、オリエンテーションを兼ねてルーキーだけのミニキャンプを行うことになった。
- Journal Sentinel紙によると、パンサーズを解雇されたWRキーション・ジョンソン(34歳)に対して興味を示しているチームの1つがパッカーズとのこと。ランディ・モス獲得が不発に終わったとはいえ、パッカーズも3巡と5巡でWRを指名しており、ここまでのFA戦略からしても、ジェニングスを下げてまで(キーションが満足するような)2番手WRの座(とサラリー)を与えるとは考えにくい。興味を示しているのが本当だとしても、3番手としての興味ではないか。
- Press-Gazette紙のピート・ドハティー記者が情報筋から集めた話を総合すると、WRランディ・モス獲得交渉でパッカーズがオファーしたのは、4巡でなく5巡指名権だったとのこと。またモスの側は、(ペイトリオッツとの間と同様に)パッカーズにも新契約で年$3ミリオン程度を希望していたらしい。つまり、モスがペイトリオッツを選んだのではなく、5巡指名権をオファーしたパッカーズよりも4巡指名権をオファーしたペイトリオッツをレイダーズが選んだだけ、というのが同記者の結論。
- NFLヨーロッパに派遣されているWRカールトン・ブリュースターは、開幕3試合を終えて23キャッチ283ydsを記録してどちらもリーグ1位。彼がパッカーズ公式サイトに書いている「NFLヨーロッパ日記1」「NFLヨーロッパ日記2」も参照のこと。
- パッカーズのチケット・オフィスによると、シーズンチケットのウェイティング・リストは増え続けて現在73,988名。パッカーズは1960年以来チケット完売が続いている。地元セント・ノーバート大のマット・ストラック教授の調べでは、毎年新たにシーズンチケットを手にするファンは平均156人で、このペースでは今申し込んでもシーズンチケット・ホルダーとなるのは473年後になってしまう。毎年多くの球団がシーズンチケット購入を呼びかける広告を出すが、パッカーズには無縁のことだ。
2007年5月 4日
ドラフト外でパッカーズとの契約に合意した選手について、これまで報道されているのは以下のとおり。ただしフィジカルチェックでハネられて入団取り消しとなる場合もある(球団側がなかなか正式発表しないのはそのためだろう)。また未契約ながらトライアウトで招待した選手もいるので、その下の表で紹介する。
10人以上のドラフト外選手と契約するのが一般的だが、パッカーズは11人もドラフト指名したため、そのぶんドラフト外は少なくなるだろう、とトンプソンGMも認めている。昨年はドラフト外からDEジェイソン・ハンターが開幕ロースター入りし、WRクリス・フランシスとTEザク・アルコーンがシーズン中に(プラクティス・スクワッドから)ロースター入りを果たしている。
2007
Packers Rookie Free Agents |
Pos. |
Name |
College |
ht. |
wt. |
40走 |
備考 |
QB |
Jerry Babb |
Louisiana-Lafayette |
6-3 |
227 |
4.65 |
通算1,604ydsの走れるQBでジェイク・デロームの同大記録を破る。契約金$2,000 |
FB |
Ryan Powdrell |
Southern California |
6-0 |
250 |
4.68 |
昨年春にLBからFBに移ったが序盤に大ケガ。契約金$15,000 |
OG |
Pat Murray |
Truman State |
6-3 |
315 |
- |
大学では主に右タックル。ディビジョンIIのオールアメリカン。契約金$8,000 |
DE |
Larry Birdine |
Oklahoma |
6-3 |
261 |
4.88 |
元LBジェイソン・ギルドンの弟。高い身体能力をフィールドで活かせない |
DE/DT |
Daniel Muir |
Kent State |
6-2 |
307 |
4.89 |
通算15サック。契約金$15,000 |
LB |
Rory Johnson |
Mississippi |
6-0 |
232 |
4.58 |
アスレチックなウィークサイドLBも二度のマリファナ陽性でドラフト外。契約金$2,500 |
LB |
Juwan Simpson |
Alabama |
6-2 |
228 |
4.56 |
期待大きかったが警察沙汰と昨季の不振でドラフト外。契約金$2,500 |
未契約ながら、トライアウトとして今週末のルーキー・ミニキャンプに参加する選手は下表のとおり。トライアウトの結果、最終的に1人か2人は契約に至るのではないかと見られている。ウィスコンシン大で活躍したQBジョン・ストッコは結局どこも契約してくれず、パッカーズが手を差し伸べる形となった。ルーキー・ミニキャンプで投げるQBの人数確保のためなのか、実力よりも地元大学への配慮、といった印象もある。
Invited to Minicamp as Try-out |
Pos. |
Name |
College |
ht. |
wt. |
40走 |
備考 |
QB |
John Stocco |
Wisconsin |
6-1 |
203 |
5.1 |
地元ウィスコンシン大で3年間エースQB務めたがどこからも声がかからず |
FB |
Corey White |
Alabama-Birmingham |
6-0 |
227 |
4.8 |
大学通算1925yds、25TD記録したRBだがFBとしてトライアウト |
TE |
Joe Werner |
Wisconsin-La Crosse |
6-6 |
260 |
4.6 |
高校以来フットボール経験なくバスケで活躍 |
OT |
Adam Tadisch |
North Dakota State |
6-5 |
320 |
- |
|
C |
Pete Bier |
Army |
6-3 |
295 |
5.22 |
|
LB |
Devon Hicks |
NW Mississippi CC |
6-3 |
240 |
- |
|
CB |
Chris Anzano |
Pace |
6-1 |
210 |
4.38 |
ディビジョンIIの大学で昨季9INT。PR/KRも務めた |
SS |
Tristan Burge |
Eastern Illinois |
6-0 |
208 |
4.54 |
タックルに優れたストロングセーフティ。QBロモの出身校 |
2007年5月 3日
パッカーズのドラフト指名選手についての話題を、今回は6巡cから7巡bの3人について。
- 先発1年目のKデイヴ・レイナーが合格点の成績だったのに6巡cでKメイソン・クロスビーを指名した理由について、マイク・ストックSTコーチは「競争だ」とひとこと。トンプソンGMは、「クロスビーは(ニーズ・ピックではなく)バリュー・ピックだと感じたからだ。彼があそこで残っているとは思わなかった。競争を持ち込む1つの方法だし、キッカーなどスペシャリスト・ポジションには特に大事なことだと思う」と語っている。キッカー補強をするつもりはさほどなかったが、あまりに優秀なキッカーが残っていたため指名した、という事情のようだ。
- Kクロスビーはキッカーとしては今年のトップとの前評判が多かったが、けっきょく3番目での指名となった。「6巡で指名されるのは、正直ぼくが夢見たようなことではなかったけれど、素晴らしいチームの一員となれたことは嬉しい。指名された瞬間のファミリーの(喜ぶ)様子を見たのは、これまでで最も素晴らしい出来事だった」
- 昨年KクロスビーのFG成功率が下がったのは、60yds級のロングFGトライが多かった(50yds超を9回蹴らされた)ためで、そのような無理をさせたヘッドコーチの方にも責任がある、という見方も多い。4年間通算で50yds以内からの成功率は84.4%で、昨季も89.4%の高い好成績を残している。
- Kクロスビーは、「ロングFGやキックオフでオーバーキック(無理に強く蹴るの意か?)する」という指摘もある。「キックオフの技術に問題があることが、試合のテープでなくコンバインで明らかになった」というスカウトも。
- 7巡a指名のRBデショーン・ウィンはコーチと問題を起こして出場停止を喰らったことがある。トンプソンGMは、「彼は悪い人間ではなく、人格面のリスクがあるとは我々は思っていない。ただ、フロリダ大で何度かルールに従わなかった、ということだ」と説明している。おそらく、リスクがあっても7巡なら、と判断したのだろう。
- RBウィンは232ポンドのサイズがあるので、パッカーズはフルバックとしても試す意向を明らかにしている。エドガー・ベネットRBコーチは、「フィールド上のこともフィールド外のことも、我々は十分に調査して熟慮した結果、魅力ある選手と判断して指名した。ヴァーサタイルな才能があるので、おそらくハーフバックとフルバックを兼ねることも可能だろう」
- RBウィン本人は、「僕のしたことについていろいろな噂が出回っていて、自分ではどうすることもできない。ただ実際に会った相手には、正しい印象を持ってもらおうと努めている。僕の悪い噂を聞いていても実際に会う以上は、フェアなチャンスをもらいたいと思うだけだ」と語っている。
- RBウィンが事件を起こしたのは2005年のキャンプでのこと。練習中に携帯電話で話していて指示に従わなかったのが2005年開幕戦出場停止の理由と言われているが、本人によると駐車ステッカーのちょっとした問題が原因、とのこと。そのためか、彼は事件後はメディアと話をしなくなったらしい。「新任ヘッドコーチだったし」とRBウィンは語っており、規律を引き締めるためのスケープゴートにされたと言いたい様子だ。
- RBウィンを酷評するスカウトたちのコメントをまとめると、才能はあるがハードに走らない、食うのは好きだが体調管理に興味がない、不真面目、やる気に欠ける、悪いヤツじゃないが精神的にタフでない、などなど。
- 昨季のRBウィンはシーズン中盤にヒザを捻挫、終盤には肩を痛めたため、シーズン後半のキャリー数が大幅に減り、けっきょく124回630yds(平均5.1yds)ラッシングに留まった。
- 7巡b指名のTEクラーク・ハリスについて、トンプソンGM。「彼は非常によいパスキャッチャーだ。ルート・ランニングの能力もとても高い。デカい選手だが、おそらくブロッキングは少し改善する必要があるだろう。あの順位としては、十分価値のあるピックだったと思う」
- TEハリスについてはレシービングTEとしての実績を評価して「4巡か5巡」と評価したスカウトがいた一方で、「ドラフト外」と酷評したスカウトもいて、かなり評価が分かれる選手のようだ。Wonderlicテストが40点と素晴らしく、全ドラフト選手中2位か3位の高得点。
- TEハリスがロングスナッパーもできるのはプラスだが、「球速が足りない」と評するスカウトもいる。もし3番手TEとしてロースターに残れれば、1年か2年修業していずれLSロブ・デイヴィスの後継者となる可能性も出てくる。ロングスナッパーが他のポジションも兼務できれば、ゲームデイの45人ロースターを編成するのに余裕ができる。
- ロングスナップについてTEハリス本人は、「スナップは大好きだ。僕はプライドを持ってやっているし、キャッチ練習などと同じぐらい練習している。NFLに入っても同じようにロングスナップできればいいと思っている」
2007年5月 2日
パッカーズのドラフト指名選手についての話題を、今回は4巡から6巡bの4人について。
- 4巡指名のOTアレン・バーバーについて、ジェームズ・キャンペン新OLコーチ。「ミズーリ・サザンからNFLというのは大きなジャンプだ。スモール・スクール出身でここまで評価されたのだからね。素晴らしいパスブロッキングのスキルがすでにあるし、彼はフィニッシャーだ。全てのプレーでしっかりトドメを差す。まあたしかに、ウチのゾーン・ゲームを学んだり、フットワークなど技術を磨く必要はあるだろうが」
- 同じくOTバーバーについてキャンペンOLコーチ。「コンバインでは、彼のアスレティシズムは明らかに際立っていた。ビッグ10(カンファレンス)などと比べると、(ディビジョンIIの)競技レベルの心配は多少はある。しかし彼はスモールスクール出身でもNFL(のコンバイン)に圧倒されていなかった」
- OTバーバーはWonderlicテストで11点しか取れず、今年ドラフト指名されたOL選手25人の中で最も低かった。コンバインでは面接に呼んで、パッカーズのコーチたちが彼のフットボール理解力などをチェックしたが、結果は非常によかったとのこと。
- OTバーバーのスタッツで面白いのは、スペシャルチームで7タックルを記録していること。300ポンドのOL選手なのに、なんとパントチームで(通常もっとも速い選手が担当する)ガンナーを務めていたのだ。「やれと言われた時は、ジョークか何かだと思ったよ。でもやってみたらすごく上手くできることがわかった。去年は1年通してガンナーをやって、いいプレーがたくさんできた。とても楽しかったね」
- OTバーバーは大学時代3年半にわたって先発左タックルを務めたが、パッカーズのロースター表では"T/G"と表示されており、これまで経験のないガードとしてもテストされることが明らかになっている。
- ミズーリ・サザン州立大からドラフト指名されるのは史上3人目で、今回のOTバーバーが最も高い順位。ただしドラフト外では、名WRロッド・スミス(DEN)やWRジェームズ・スラッシュ(WAS)を輩出している。
- 5巡指名のWRデヴィッド・クラウニーについてトンプソンGMは、「信じられないほど速い。ウチのオフェンスにフィールドをストレッチする力を多少加えてくれると思う。それに非常によいルートランナーで、手が大きくキャッチがいい」
- WRクラウニーは、大学でも4年間続けた陸上競技(60mや200mで活躍)の経験について、「フォームやスピードの役に立ったし、(フットボールの)オフシーズンも体を作っておく助けになった」
- ドラフト1日目の指名を期待していたWRクラウニー本人は、5巡指名に不満な様子。「ドラフト初日はとてもがっかりした。待っても待っても他のレシーバーが指名されるばかりで、聞いたこともないような選手もいっぱいいた。今日4巡を見ているときもイライラが募ったよ。でも今の状況にはとても喜んでいる。グリーンベイに行けて、史上最高のQBの1人である殿堂入りクォーターバックがいて、そこで僕の能力を示すことができる」
- 6巡aのコーリー・ホールは、WACのディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにも選出された優れたLBだったが、フルバック転向およびスペシャルチーマーとしての指名だった。「率直に言って、彼の最大の価値はスペシャルチームプレーヤーだと思っている。彼は最高のスペシャルチームプレーヤーで、ウチのスタッフはいくら褒めても褒め足りない様子だった。キャッチも非常に上手いし、信じられないほどタフだ」とトンプソンGM。
- FBとしての指名についてコーリー・ホール。「僕の目標はNFLのロースターに入ることで、そのためにできることは何でもするつもりだ。オフェンスでもディフェンスでもスペシャルチームでも。とても気持ちが興奮しているし、オープンマインドで一生懸命頑張るつもりだ」
- 現時点でパッカーズのロースター表では、コーリー・ホールはラインバッカーと表示されている。FB転向は確定ではないのか、LBとの掛け持ちで行くのか、それともスペシャルチーム以外のことはどうでもいいのか。
- 6巡指名の3人を筆頭に、指名11人中8人ほどがスペシャルチームで貢献できる可能性があり、トンプソンGMが(かつては自分もそうだった)スペシャルチーム強化を重視したのは明らかだ。満足そうなマイク・ストックSTコーチは、「Mr.トンプソンの考えを代弁することはできないが、もといた若手選手に加えて今回のドラフトで、ウチのスペシャルチームをよくしてくれるだろう」
- 6巡b指名のLBデズモンド・ビショップのスピード不足についてウィンストン・モスLBコーチ。「十分速くない、などと言う時は、気をつけた方がいい。4.5秒台のラインバッカーとか、世間はそういった選手に夢中になってしまうものだ。デズモンドが4.6秒や4.7秒であっても、フットボールプレーヤーとして速いプレーができるなら、私にとってはそれで十分なのだ。フットボールフィールドでいいプレーができるか? 相手を倒すのに十分速く走れるか? スペシャルチームでマイク・ストック(STコーチ)の助けになるか? ということが問題なのだ」
- LBビショップは、パッカーズのチーム事情により本来のミドルだけでなくストロングサイドでも試されることになる。スピード不足によるパスカバレッジ不安についてLBビショップ本人は、「パス攻撃の多いPac-10カンファレンスでは、ヴァーサタイルでなければやっていけない。パスカバレッジで苦労したとは自分では思っていない。どこからそんな評価が出てきたのかさえわからない」
2007年5月 1日
パッカーズのドラフト指名選手についての話題を、今回は1巡から3巡の4人について。
- 各選手のハイライトビデオはこちらから。(カメラのアイコンをクリック)
- 1巡指名のDTジャスティン・ハレルについて、トンプソンGM。「(ケガさえなければ)1ケタで指名されるような能力の持ち主だ。彼のプレーをビデオで見ればそのことがはっきり表れている。我々は彼のプレーぶりを気に入っているし、真面目に取り組むところもいい。人間的にしっかりしていて、ウチのロッカールームに加えたいと思うような選手だ」 「ノーズタックルも3テクニックも両方問題なくこなせる。インサイドからのパスラッシュもいい」
- DTハレルは昨季の第2戦で上腕二頭筋を断裂したが、その後のフロリダ大戦に強行出場してから手術を受けシーズンエンドとする道を選んだ。「フィールドに出てプレーして、大学でのキャリアを終えたかったんだ。(3年終了時にプロ入りせず)大学に戻るのは自分が決めたことだ。エアフォース戦でケガをしたことを、テネシーでの最後の思い出にしたくなかった」
- DTハレルはLTクリフトンと同じテネシー大出身であるだけでなく、出身地も同じテネシー州マーティン。また彼は大学時代、故レジー・ホワイトと同じ92番を着けていた。パッカーズでは91番を着ける。「レジー・ホワイトと同じ足跡をたどれるのは嬉しい。大学では何度か彼に会う機会があった。チームを訪れて話をしてくれたんだ。偉大な人物であり、彼のフットボールを真似したいと思うような人だ」
- 2巡指名のRBブランドン・ジャクソンについてマッカーシーHC。「タフな選手だ。ウチのゾーン・スキームに合っている。非常に直感が優れている天性のランナーだ。アスレチックで、無駄なステップを踏むことがない。パスキャッチも天性のものがあるようだ。ピットマン(オハイオ州立)も我々は気に入っていたが、ウチのスキームにはジャクソンがまさにぴったりだと思う。彼が手に入って喜んでいる」
- ジャクソンはRBとしてのセンスが高く、プロへの順応は早いだろう、とジョー・フィルビンOC。「ウチのオフェンスに馴染むのに長い練習は必要としないだろう。天賦の才能があるし、どう走るかを学ぶのにエドガー(ベネットRBコーチ)が3年も教える必要はないと思うね」
- RBジャクソンは先発経験がわずか1年、それもシーズン途中からエースとなったのに、4年目をパスしてアーリーエントリーする道を選んだ。「理由は2つある。いいシーズンを送れたのでそれを最大限に活かしたかった。もう1つは経済的な理由。母は糖尿病があって、それでも正看護婦として老人ホームで大変な仕事をしている。僕に全てを与えてくれた母を、今度は助けてやりたかった」
- 来季のRB体制について、マッカーシーHC。「1人の選手がエースRBの重荷を担っていけると証明したら、我々はそうさせるだろう。もしそうでなければ、状況に応じて使い分ける、複数RB体制でいく」
- RBジャクソンは先輩のRBアーマン・グリーンと同様、左手でボールキャリーする。
- 3巡a指名のWRジェームズ・ジョーンズ。「嬉しくて言葉が出てこない。代理人からは『3巡に滑り込めるかも』と聞いてはいた。でも4巡か5巡を僕たちは予想していた」
- WRジョーンズについてトンプソンGM。「非常に強く、とてもフィジカルなプレーヤーだ。身長は約6フィート1だが、プレーぶりはそれよりさらに大きい。彼が高いボールに飛びつこうとするとき、相手ディフェンダーはまるで崩れ落ちるかのように見える。トラフィックでもキャッチができ、ランアフターキャッチがいい。リターナー能力もある」
- WRジョーンズ自身は自分の能力について、「自分に来たボールは全てキャッチできる。とても強い手を持っている。ジャンプボールに強く、非常にフィジカルなレシーバーだ。スピードが疑問視されていると思うが、十分速いと自分では思っている」
- WRジョーンズは子供のころ、母とホームレス暮らしをしていた。「子供の頃は僕の家族にとっては本当に大変だった。小さい頃は、僕と母はホームレスのシェルターで寝泊りし、次はこのシェルター、次はあちらのシェルターという感じだった。食事にありつけない日もあった。僕はただハードに頑張り続け、それと神への信仰のおかげで、ここまで来ることができた」
- WRジョーンズはパントリターン経験が豊富で、昨年は平均11.0ydsの好成績を残している。キャンプではリターナー候補に加わることになりそうだ。
- 3巡b指名のSアーロン・ラウスはヴァージニア工科大の乱射事件の際にはキャンパスにはいなかったとのこと。「僕の知り合いは犠牲者にはいなかったけれど、ヴァージニア・テックは結束の固いコミュニティだ。ブラックスバーグの街の者にあのようなことが起きれば、全員が影響を受ける。僕はクラスメートを失ったわけじゃないが、同じような気持ちだ。心の中はとてもつらい。人生の全ての時を大切にし、与えられた全ての機会を大事にしようという気持ちにさせられる」
- Sアーロン・ラウスのスペシャルチーマーとしての能力について、トンプソンGM。「アーロンについては、我々はずいぶん研究をした。ヴァージニア工科大の選手に多いが、彼は非常にダイナミックなスペシャルチーマーで、ヘビーヒッターだ。(課題とされる)パスカバレッジも問題ないとコーチたちは考えている」
- 先発セーフティについて、トンプソンGM。「競争になるだろう。ラウスは競争心が強いし、ウチの他のセーフティの間に混じってどうなるか見守ることにする。彼が(先発として)レギュラーディフェンスでどれだけプレーできるかは予測できない。成り行きを見守るだけだ」
- Sアーロン・ラウスは父と会ったことがないという。父は兄弟殺しの罪で50年の刑に服しているからだ。