グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2007年5月12日
今オフのパッカーズは、大ベテランのFBウィリアム・ヘンダーソンを放出し、FA市場ではFBジャスティン・グリフィス(ATL→OAK)など数人のフルバックを物色したが、けっきょく獲得には至らなかった。昨年スターターに昇格したFBブランドン・マイリーがいることもあり、その後はルーキーを育てる方針に切り替えたように見える。
通常FBの(シーズン中の)ロースター枠は2人。今後ベテランを補強する可能性も残ってはいるが、キャンプ終盤あたりに実績ある選手が放出されてきた場合に限るのではないか。現状ではマイリーが当確、ルーキーから1人が勝ち残ることになる。
今年のFB獲得の方針は、ゾーンブロッキング向きの軽量クイックネス型を選ぶこと。ヘンダーソンが解雇されたのも、年齢による衰えだけでなく、大型パワー型で新スキームに向いていなかったためだ。パスキャッチ力が必要なのは言うまでもないが、控えFBはスペシャルチームでの貢献度も重視される。RB等からのコンバート組ばかりなのは、ゾーンブロッキング・スキームしかもウェストコーストオフェンスで先発FBを務めるようなアスレチックな選手は、大学ではふつうFBなどやらない、といった事情を示しているのだろう。
現在パッカーズにいるFBの顔ぶれは以下のとおり。マイリー以外は全て新人で、4人全員を合わせても、大学でFBとして出場した経験はパウドレルの2試合のみ。フルコンタクト練習のないミニキャンプではFBの能力はわかりにいが、7月下旬のトレーニングキャンプでは熾烈な争いが見られそうだ。4人のうち1人が開幕ロースターに残り、1人がプラクティス・スクワッドか。
- エース格のブランドン・マイリー(26歳)は昨年夏までブロンコスに在籍し、ゾーンブロッキング経験を買われてパッカーズにやって来た。大学時代はパワー型RBで、2004年ドラフト7巡でブロンコスに入ってからFB修業を始めた。1年目はケガでインジャリーリザーブ、2年目はプラクティス・スクワッド、3年目の昨年は開幕前に解雇されてパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。そして序盤のヘンダーソン不振により、ロースター昇格だけでなくスターターの座を手にした。しかし中盤にヒジを負傷して、その後は本来の力が出せず。昨季序盤のヘンダーソンよりはいいが、そこそこといった感じで、今オフ首脳陣がFA補強を検討したのもそのせいだろう。まだ成長の余地はありそう。
- 6巡a指名のコーリー・ホールは、ボイジー州立大で4年間先発インサイドLBとして活躍した。フルバックへのコンバートが前提の指名で、高校でやって以来のポジションに挑戦することになる。非常にセンスがよくタフな選手という点で評価は一致しているが、FBとなると全くの未知数。LBとしてインターセプトを量産(昨季6.5INT!)したので、パスキャッチは上手いのかもしれない。スペシャルチーマーとしては最上級の賛辞が寄せられている。
- 7巡a指名のRBデショーン・ウィンは232ポンドのサイズがあるため、首脳陣はFBもプレーさせてみる意向を明らかにしている。高校時代からスターRBだったので、おそらくFB経験はないはず。問題児だった経歴からして、FB向きのメンタルではないかもしれない。かつてのRBダヴェンポート(入団時はFB扱い)のように、RBとしてロースター入りできるほどの力があるなら、そちらが優先されるはず。
- サザン・カリフォルニア大(USC)からドラフト外入団のライアン・パウドレルは、昨年春にLBからFBにコンバートされた。FB不足だったのでいきなりスターターとなり、開幕のアーカンソー大戦でチームトップの4キャッチ72yds1TDを挙げたが、次のネブラスカ大戦で足首を骨折してシーズンエンド。実績不足なのでドラフトされないのは当然だが、契約金を$15,000も払ったのは、彼の将来性を評価する球団が複数あったからだろう。
- コーリー・ホワイトはルーキー・ミニキャンプにトライアウト参加し、めでたく契約となった。アラバマ大バーミンガム校(UAB)ではRBとして活躍し、通算1925ydsラッシング、25TDを記録。しかし40yds走4.7秒前後とスピードがないためRBとしては声がかからず、FBとして採用されることになった。「RBとしてのブロッキング能力」では今年のトップクラスという前評判。タフでセンスのよいランナーで、ランアフターキャッチもいいらしい。