グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2007年5月27日

ドラフト指名選手紹介 1: DEジャスティン・ハレル

 1巡16位 DT ジャスティン・ハレル Justin Harrell
Tennessee Senior 6-4 (193cm) 310lb(141kg) 40yds/5.05秒 1984年2月14日生

経歴 : テネシー州マーティン出身。高校では州西部のディフェンスMVPに選ばれたほか、TEとしても2年間で9TDを挙げるなど好成績を残した。バスケットでも3年間スターターを務めて平均17得点を記録。テネシー大に進むと2年目からスターターとなり、2005年には39タックル・2.5サックを挙げてオールSECの2ndチームにも選ばれた。

期待された4年目は第2戦で上腕二頭筋の部分断裂を負ってしまい、次のフロリダ大戦だけは強行出場したものの、そこでシーズンエンドとなった。手術後の経過は順調で、後遺症の心配はないとの診断を受けている。すでにリハビリの最終段階に入っており、ドラフト後ここまでコンタクト練習には参加せず個人ドリルにとどめているが、近いうちに完全復帰となりそう。

Strengths : サイズのわりに動きが軽く柔軟な素晴らしいアスリート。しっかりしたガタイとパワーがあり、腕が長い。腰まわりや太ももなど、さらに大きくできそうな骨格がある。ランプレーに対してライン中央をしっかり支える馬力がある。手の使い方が良く、相手を崩すのが上手い。ノーズタックルも3テクニックも両方問題なくこなせる。チェンジ・オブ・ディレクションもスムーズでボールキャリアーをよく追いかける。まだ伸びシロはかなりありそう。

Weakness : ケガが多い。昨年は上腕二頭筋の断裂でシーズンのほとんどを棒に振り、2003年春にも右足首のケガで手術を受けたことがある。高いランストップ能力と比べ、相手DLを割るペネトレートが得意でなく、サックを量産するタイプではない。パスラッシュでの嗅覚や判断力にはやや疑問符がつく。

メンタル面 : ワンダーリックテスト24点はDTとしてはトップクラス。精神的に非常にしっかりしていて、全プレーでホイッスルが鳴るまでハードに頑張る。キャプテンを務め、リーダーシップも評価されている。ケガを押してプレーできるタフさがある。昨季の第2戦で大ケガを負ったが、その次の大事なフロリダ大戦に強行出場してから手術を受ける道を選んだ。「フィールドに出てプレーして、大学でのキャリアを終えたかったんだ。エアフォース戦でケガをしたことを、テネシーでの最後の思い出にしたくなかった」

指名の経緯 : 他のポジションと比べてディフェンシブラインは弱点と見られておらず、RBかWRかTEを指名するとの予想が圧倒的だったため、指名の瞬間にはパッカーズファンからブーイングが起こった。12位でビルズがRBマーショーン・リンチを指名しており、残っていればRBリンチを指名するつもりだった、との情報もある。

ケガさえなければ1巡1ケタで指名されるような能力の持ち主との声もある。トンプソンGMが他の要補強ポイントを見送って指名した以上、ハレルを"Best Player Available"だと評価したのは間違いない。

パッカーズにとって : パッカーズには同タイプのライアン・ピケットがいることを考えると、ジム・ベイツ前DC(サンダース現DCの師匠格)の好んだ「大型DTを2人並べる」というスタイルに近づける意図なのか。DTはDEと比べて1年目から活躍することが難しく、2年か3年かけて成長していくことが多い。そのうえハレルは大ケガからの回復途上であるため、1年目からスターターとして活躍すると期待するのは酷かもしれない。ただ、彼がいなくても昨年の戦力はキープできている。

昨季DTコーリー・ウィリアムズは7サックの活躍を見せ、契約延長の方向と伝えられていたが、DTハレルを獲得したことで話が変わってくるかもしれない。ウィリアムズはどちらかというと(DTに多い)ナマケモノ系タイプと言われているため、今季の活躍しだいでは再契約してもよし、要求額が高ければ再契約を見送ることも可能になった。

テネシー大 : パッカーズはこの10年間テネシー大選手の指名が多く、1998年3巡DEジョナサン・ブラウン(この指名は失敗だった)、2000年2巡OTチャド・クリフトン、2001年6巡TEデヴィッド・マーティン、2004年7巡Cスコット・ウェルズ、そして今回のハレルで5人目となっている。ハレルとLTクリフトンは出身地も同じテネシー州マーティン。(人口1万人)

レジー・マッケンジー・プロ人事部長は母校テネシー大に人脈を持ち、ここの選手に非常に詳しいことが指名の多さの要因かもしれない。テネシー大の選手となると、彼が調査に派遣されるらしい。「レジー・マッケンジーは我々にとってMr.テネシーだ。あの見苦しいオレンジ色を常に身にまとい、非常に大きなコネを持っている。あそこの選手のことは知り尽くしている。それが役に立っているのは間違いない」とトンプソンGM。

故レジー・ホワイトもテネシー大の出身。ハレルは大学でレジー・ホワイトと同じ92番を着けていた。パッカーズでは92番が永久欠番となったため、91番を着ける。「レジー・ホワイトと同じ足跡をたどれるのは嬉しい。僕も大学では何度か彼に会う機会があった。チームを訪れて話をしてくれたんだ。偉大な人物であり、彼のフットボールを真似したいと思うような人だ」

カテゴリ : Draft, Player