グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年2月28日

シーズン総括と展望 DL編

例年どおり平凡な出来に終わったDL陣。パス守備1位とはいってもパス回数そのものが少なく(試投数430回はNFLで2番目に少ない)、パスラッシュが弱いために相手QBにたっぷり時間を与えるシーンが目立った。ただ、シーズンを通してケガ人が少なく、特にDTグレイディ・ジャクソンがフルシーズン出場できたことがディフェンスを安定させた。

今年FAとなるのは、DEアーロン・キャンプマンとDTグレイディ・ジャクソン。キャンプマンとの再契約交渉は続いているが、契約がまとまらずFAとなる公算が次第に大きくなっている。グレイディ・ジャクソンは年平均$5ミリオンを望んでいるとの噂もあり、それが本気だとすれば再契約は難しい。というわけで、DT/DEとも今年の要強化ポイントで、ドラフト1巡指名も十分ありうる。

DE アーロン・キャンプマン Aaron Kampman

CBアル・ハリスと並ぶディフェンスのMVP。DLとしてのタックル数で球団記録を破り、パスラッシュでも自己最多の6.5サック。ディフェンス全スナップのうち93.2%に出場したことは、彼のオールラウンドな能力への信頼感の表れだろう。研究熱心さが実って、意表を突いたプレーにもだまされることなくしっかりコンテインする。派手さはないが玄人好みの選手で、もしFAとなれば(トップクラスではないが)すぐに高額契約のオファーが来そうだ。

DE カビーア・バジャ=ビアミラ Kabeer Gbaja-Biamila

最も株を下げた1人。ここ数年と比べてダブルチームされる頻度が下がった(28.4%)のに、パスラッシュDEがサック8回では情けない。ランプレーでも、彼のサイドを狙われて何もできないシーンが目立った。ディフェンス全スナップのうち80.1%に出場したが、それでも多すぎるかも。ドラフト1巡でDE指名を予想する声が多いのは、キャンプマンの移籍うんぬんよりも、バジャ=ビアミラの総合的な能力を疑問視してのことだろう。

DT グレイディ・ジャクソン Grady Jackson

4年ぶりの全試合出場を果たしたのは、ヒザの問題でキャンプ合流が遅れ、そのぶん使い減りしていなかったせいか。コリン・コールの台頭で彼が休むことができ、例年より少ない1試合平均34.8スナップしか出場せずに済んだせいでもあるようだ。元気な時の存在感はさすがで、ゴール前などショートヤーデージでの活躍も目立った。チーム6番目、パッカーズ移籍後最多のタックル数を記録。年平均$5ミリオンの高額契約を望んでいるが、ヒザに爆弾を抱える33歳のノーズタックルにそこまで出すチームがあるのかどうか。

DT/DE カレン・ジェンキンズ Cullen Jenkins

この1年で最も進歩したDL選手。DTハントが退団し、下記のウィリアムズも追い抜いて、DTとして12試合に先発出場した。3サックに加え、どういうわけかキックブロックも3回(PAT2回、FG1回)あった。反則はゼロ。ランのシチュエーションでは彼に代わり下記のコリン・コールが出ることも多かった。インサイドからのパスラッシュはなかなか良いが、DTにはサイズが物足りない。彼が先発できるのはパッカーズのレベルが低いからだろう。

DT コリン・コール Colin Cole

身長はないが横幅が広く、重心の低い当たりで勝負する控えノーズタックル。2004年にはプラクティス・スクワッドから昇格して3試合出場しただけだったが、2005年にはDL5番目の460スナップに出場し、重要な控えDLに成長してきた。ノーズタックルとして出場してDTグレイディ・ジャクソンの負担を減らしたり、ジャクソンと並んでランを止めに行くパターンも増えた。QBへのプレッシャーも8回でジャクソンより多い。かなり真面目な努力家らしい。

DT コーリー・ウィリアムズ Corey Williams

6巡指名入団の1年目になかなかのポテンシャルを見せ期待されたが、キャンプでは上記ジェンキンズに抜かれるなど、期待外れの2年目シーズンだった。第7週までは3番手DTとして平均31.1スナップに出場したが、その後はふくらはぎのケガで1ヶ月休み。復帰後は平均16.3スナップしか出番がなかった。

DE マイク・モンゴメリー Mike Montgomery

6巡指名ルーキーながら、シーズン後半にはまずまずの働きを見せた。アーリー・ダウンにDEバジャ=ビアミラを休ませるため彼を右DEに入れるパターンが多いようだ。サックは1回だけだったが、パスラッシュも悪くない。

DE/DT ケニー・ピーターソン Kenny Peterson

プレシーズンの活躍でかろうじてロースターに残り、全試合に出場した。ラン守備は弱く、パスシチュエーションでインサイドからラッシュする仕事が多い。23タックルも3サックもキャリアハイだが、スケールの小ささは否めない。

DT ドネル・ワシントン Donnell Washington

期待の2年目だったが、評判が良かったのはミニキャンプまでで、トレーニングキャンプでパッドを着けたとたんにダメダメ。かろうじて開幕ロースターに残ったが、アクティブ登録されたのは1試合だけで、その試合でも全く出場はなかった。つまり2年間で1スナップも出場していない。しっかりヒザを曲げられず重心を落とせない。このままいくと来季開幕前に解雇の可能性が高い。

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