グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年2月15日

シーズン総括と展望 RB編

2003年前後はNFL屈指の強力ランオフェンスを誇ったパッカーズだが、2005年は1回平均3.4yds(NFL31位)と極度の不振にあえいだ。両ガードが入れ替わったOL陣のランブロック不振はプレシーズンゲームから明らかだったが、そのうえ、シーズン前半にグリーンとダヴェンポートが相次いで戦線離脱し、回復不能の状況に陥ってしまった。

3番手のRBフィッシャーが昇格し、RBラシャード・リー、RBウォルト・ウィリアムズと相次いで補強するが、結果としてどれも先発には荷が重かった。そんな中で、シーズン半ばにプラクティス・スクワッドから昇格したRBガドーが大活躍。ナイジェリア出身のユニークな経歴もあいまって、今季パッカーズの数少ない明るい話題を提供した。

今オフは、4年間トリオを組んできたグリーン、ダヴェンポート、フィッシャーの3人が一度にFAとなる珍しい事態だ。本来ならグリーンとはシーズン中に契約延長交渉をするところだが、将来が危ぶまれるほどの大ケガで、それもなくなってしまった。RB陣全体の先行きが不透明ななか、来季のロースターにいる可能性が最も高いのはガドーだ。

アーマン・グリーン Ahman Green

4年連続でプロボウルに選ばれた不動のエースも、大事な契約最終年にヒザ上の大腿四頭筋腱を断裂。2000年に同じケガをしたDTサンタナ・ドットソンやDTスティーヴ・ウォーレンは、けっきょく以前の力を取り戻すことなくNFLを去っている。リハビリは極めて順調で開幕には間に合うと言われているが、いきなり100%の回復を期待するのは楽観的過ぎるだろう。

実力を証明するためなら1年契約でも構わないと本人も語っており、「安い1年契約 + 多めの出来高払い」が現実的な線か。その前に、まずトンプソンGMとマッカーシーHCが再契約を望むことが必要だ。今年はFAとなる有力RBが多く、買い手市場なのも本人には気の毒。

サムコン・ガドー Samkon Gado

ナイジェリア生まれ、ディビジョンI-AA出身のドラフト外ルーキー、それに成績優秀な努力家で医学部志望、と非の打ち所のないシンデレラ・ストーリー。出場8試合、先発5試合で582ydsラッシング、ラン・パス合わせて7TDを挙げ、平均で4ydsを超えたRBはチームで彼だけだった。ファンブル問題やブロッキングなど未熟な点はまだ多いが、パスキャッチは悪くない。エースはともかく2番手なら十分に務まることは証明済みで、来季の開幕ロースター入りは濃厚だ。

ナジェ・ダヴェンポート Najeh Davenport

グリーンの代役でスターターを担うはずが、最初に先発した第5週に足首を骨折してシーズンエンド。全試合出場したシーズンが一度もなく、毎試合25回キャリーできるようなタフネスはけっきょく証明できなかった。不運な面もあるが、毎年オーバーウェイトでキャンプに現れるのが通例で、自己管理能力はグリーンとは比べ物にならない。キックオフリターナーとしてはなかなかの実績があったが、そこでもキャリア最低の18.9yds。

本人の希望額にもよるが、ガドーの台頭もあり、高額の複数年契約をパッカーズと結ぶのはまず無理。プロ4年間で平均4.9ydsという数字は確かに素晴らしく、スターターの座を用意するチームが絶対現れないとは言えないが、今年のFA市場では望み薄だろう。

トニー・フィッシャー Tony Fisher

グリーンとダヴェンポートのケガで4試合に先発したが、平均2.9ydsに留まり、ガドーの引き立て役になってしまった。3rdダウンバックとしてブリッツのピックアップや、スクリーンでのブロッカーの使い方などは非常にソツがなく、パスキャッチは48回347ydsと優秀な働きでファーヴを助けた。しかしRBとしては穴に飛び込むスピードも馬力も鋭いカットバックもなく、エースの代わりが務まらないことははっきりしている。

コーチ陣が入れ替わり、しかもエースRBがはっきりしない現状では、彼のようなタイプに居場所が与えられるかどうかは疑問だ。仮に安価で一年契約したとしても、ここ数年と違い、開幕ロースター入りのためには激しい競争に勝ち残らなければならないだろう。

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