グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年2月27日

シーズン総括と展望 OL編

プロボウル級の両ガードの抜けた穴が思いっきり埋まらず、ラン攻撃大不振の元凶となったポジション。リーグトップクラスを続けてきたパスプロテクションも悪化し、被サック数では5位タイに踏みとどまってはいるものの、投げた直後にファーヴがハードヒットを受けるシーンが目立った。

今年FAとなるのはCフラナガン、G/Cルーガマー、OTバリーの3人。フラナガンと再契約しない場合はウェルズが先発に昇格する見込み。またFAやドラフトを使ってガードを補強する可能性は高い。新コーチ陣はゾーンブロックの導入を掲げており、それに伴って各選手の評価や起用法が変わってくることも考えられる。

LT チャド・クリフトン Chad Clifton

プロボウルの補欠には選ばれたものの、この3年間では最悪の出来。フォルススタート7回、ホールディング3回と反則を連発し、オフェンスの足を引っ張ってしまった。サックを許したのは3.5回。"Bad Run"(1yds以下に止められたラン)の原因となったのも12.5回で、前年の6回から倍増している。

RT マーク・タウシャー Mark Tauscher

例年どおり安定して高いレベルでプレーし、2005年に関してはチームのベストラインマンだった。パスプロテクションもランブロックもよく、"Bad Run"の原因になったのは7.5回。しかし、高校・大学を通じて犯したことのなかったホールディングを3回取られてしまった。フォルススタートは1回だけ。

C マイク・フラナガン Mike Flanagan

不動の先発センターも、ヘルニアに悩まされた苦しいシーズンだった。シーズン半ばで手術。欠場わずか2試合で復帰して痛みをこらえてプレーしたものの、試合最後までプレーできない試合もあり、試合後半になると次第に押し負けることが多かった。今年はFAとなるが、ケガの多さと32歳という年齢をどう見るか。これまでのところ再契約交渉が進んだという噂は伝わってこない。

C/G スコット・ウェルズ Scott Wells

2番手センターの座を早々と確保し、キャンプ後半から左ガードとしても起用されるようになった。不振のLGクレムに代わって、シーズン後半8試合に先発出場。QBへのプレッシャーを許したのが(出場10試合にもかかわらず)22.5回もあり、サイズ不足を含め、先発ガードとしての将来を期待できるとは言えない出来。しかしセンターとしては、フラナガンとの再契約がなければ先発候補の筆頭となる。

RG ウィリアム・ウィティカー William Whitticker

7巡指名入団から先発の座を射止めたが、それはライバルたちがだらしなかったから。腰高で動きがぎごちなくクイックネスに欠ける。パスプロテクションでも相手DLのスタントに対応できないシーンが目立った。"Bad Run"の原因になったのはチーム最多の30.5回。反則は7回で、全てフォルススタート。今年はもっと高いレベルでの先発争いを期待したいところ。

G/C グレイ・ルーガマー Grey Ruegamer

控えの右ガード兼3番手センターとしてロースターに残った。RGウィティカーの不振で2試合に先発出場したが、出来はあまり芳しくなく、反則も12回を数えた。もうじきFAとなるが、インサイドを全てこなせる便利な控えとして、安価で再契約の可能性はある。しかし昨年のように先発争いのチャンスが与えられるかどうか。

OG エイドリアン・クレム Adrian Klemm

$80万ドルの契約ボーナスというのは昨年加入したFA選手の最高額、つまり最も期待の大きな補強だった。特にランブロックでの不振がひどく、またパスプロテクションでもソフトで、タックルからガードへのコンバートはこれまでのところ大失敗だった。クリフトンの途中退場した試合では左タックルを大過なく務めた。右タックルとしては先発経験も豊富で、両タックルの控えなら任せられそう。

OT ケヴィン・バリー Kevin Barry

ドラフト外出身ながら先発級の力があるとコーチたちからは評価されてきた。しかしいくら試しても右タックルしかできないのが弱みで、先発RTのタウシャーの座を脅かすことはできなかった。エキストラTEとして参加する"U-71"フォーメーションでの破壊力あるブロックは健在だが、ぬるま湯体質というか、向上心に問題があると指摘する声もある。もうじきFAとなるが、先発争いのチャンスをくれるチームがあればそちらに行くだろう。

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