グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2006年2月24日

シーズン総括と展望 WR編

2004年には1200ydsレシーバーを2人出した自慢のポジションだったが、開幕戦でエースのウォーカーが前十字靭帯(ACL)の断裂でシーズンアウト。予想されたラン攻撃の不振を助けるはずが、このケガで全ての目算が狂ったと言っていい。ドライバーが孤軍奮闘でファーヴを助けたが、彼がダブルチームされると簡単に手詰まりになった。2巡指名のマーフィも頭と首のケガでシーズン前半に戦線離脱し、ウォーカーの穴を埋めるような選手の台頭はなかった。

今オフはFAとなる主力選手はおらず、大物FA獲得やドラフト上位指名の可能性は低そう。

ドナルド・ドライバー Donald Driver

オフェンスのMVP。キャリアベストの86回1221ydsを記録し、1stダウン獲得63回は全WR中5位タイ。ウォーカー不在とファーガソン不振の中、唯一頼りになるレシーバーとして特に3rdダウンでの活躍は目覚しかった。軽い脳震盪らしい状態でプレーを続けた試合も2回ほどあり、チームの士気やケミストリー面での貢献も大きい。31歳となっても衰えは全くないが、ウォーカーのようなスピードや高さがあるわけではなく、これ以上を望むのは酷というものだろう。

ジャヴォン・ウォーカー Javon Walker

2004年には1382yds、12TDとブレークしてプロボウラーとなったが、契約問題でミニキャンプを全休(トレーニングキャンプは初日から参加)したあげく、開幕戦の大ケガでシーズンアウト。今オフはじっくりリハビリに充て、シーズンで復活をアピールしてから来年春にFAとして巨額契約を狙う。ただし前十字靭帯断裂は、直線スピードは1年で元に戻ってもクイックネスやアジリティが完全に戻るのは2年後、というのが相場だ。

ロバート・ファーガソン Robert Ferguson

27回366ydsしか獲得できず、この1年で最も株を下げた1人。例によって細かいケガに何度も悩まされて11試合しか出場できなかったとはいえ、ウォーカー不在、ドライバーがダブルカバーされているときにほとんど何もできなかった。ロングパスを毎回競り負けるばかりか、インターセプトまでされてしまうのは彼の責任も大きい。ここ数年は楽に3番手以内を確保してきたが、可愛がってくれたシャーマン前HCが去った今年は厳しい3番手争いが待っていそうだ。

テレンス・マーフィ Terrence Murphy

昨年ドラフト2巡指名され、キャンプを通して期待以上の能力を見せていた。しかし上位WR陣のケガでチャンスが来た矢先、頭と首を負傷して第4週でシーズンエンド。頸椎周辺の問題だけに本人と家族は慎重で、チームドクター以外にも複数の専門家の診断を仰いでいる。ファーガソンの3番手の座をプッシュしてほしいところだが、最悪の場合、2000年のSゲイリー・ベリーのようにわずか1年で引退する可能性もゼロではない。

アントニオ・チャットマン Antonio Chatman

ウォーカーとファーガソンのケガで2番手WRを務めることも多く、キャリアベストの49回549ydsを記録。3年連続で全試合出場したのは立派だが、サイズが小さいわりに縦へのスピードがあるわけではなく、ランアフターキャッチでも簡単に倒されてしまう。本職のパントリターナーとしては、キャリア初のTDを挙げたが、フェアキャッチ数はNFL2位の18回。

彼のミスによるファンブルロストは3年間に1回もなく、前コーチ陣はそういったボールセキュリティを優先してリターナー起用を続けた。3年目を終えたため来月にはRFA(用語集参照)となるが、新コーチ陣の判断次第では"Qualifying Offer"されずにUFAとなる可能性も。

ロッド・ガードナー Rod Gardner

2001年の1巡15位指名でレッドスキンズに入団し、1000ydsを記録したこともあるがけっきょく伸び悩んだ。昨年夏に下位指名権とのトレードでパンサーズへ移ったが、3番手の座さえ奪えず12月半ばに解雇。パッカーズに拾われて最後の2試合にだけ出場し、パスキャッチ4回67yds、と準備不足を考えればプレー内容はなかなかよかった。スピードはイマイチだがガタイがある。1年契約だったため3月にはFAとなるが、再契約すれば3番手争いの一角に加わるだろう。

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