今回はオフェンスを中心にした雑多なスタッツ・記録集。
スタッフの評価作業を終えたマイク・マッカーシーHCは、ほぼ今季と同じコーチングスタッフで新シーズンに取り組む考えを明らかにした。ただし、スタッフの中で配置の入れ替えが2組ある。
アシスタント・トレーニングコーチを11年間務めてきたマーク・ロヴァットがトレーニングコーチに昇格し、57歳のデイヴ・レディングがアシスタント役に退く。レディングを降格させたというよりも、40歳のロヴァットを1年間指導してから後見役に退いてもらった、という意味合いらしい。
「デイヴはこの分野のパイオニアとしてリーグじゅうから尊敬されている。マークが彼と一緒に働ける機会を作りたかった。予想していたよりもずっとうまく物事が進んだ。以前から私はマークのことは非常に高く買っていた。ウェイトルームに関しては、彼こそが我々の将来を担ってくれる」とマッカーシーHC。トレーニング・プログラム自体も今季と変わらない方針で続けるとのこと。
また、スペシャルチーム・アシスタントだったカーティス・フラー(元セーフティ)が"coaching administrator"となり、これまで"coaching administrator"だったチャド・モートンが入れ替わりにスペシャルチーム・アシスタントとなる。モートンは小兵の一流リターナーとして4球団で活躍し、計4タッチダウンを記録。プロボウルの補欠にも2回選ばれている。2人ともコーチの道に入って初めてのシーズンを終えたばかり。
"coaching administrator"の役割は、情報を収集してスタッツをまとめ、毎週のゲームプラン作成をアシストしたり、ゲーム・フィルムの準備、選手評価の仕事にも加わる。ただマッカーシーHCによると、今回のフラーは実際にはDBコーチのアシスタント役、といった意味合いが強いらしい。
ショーン・スローカムSTコーチの留任についてマッカーシーHC。「精力的な仕事ぶり、基本技術の徹底、ティーチング・テクニックなどに私は満足している。我々は正しい方向に向かっていると強く確信している。チャド・モートンの働きも非常に高く評価している。かつてはダイナミックなスペシャルチーム選手であり、スペシャルチームコーチとして明るい将来がある」
今季パッカーズのチームスタッツのまとめ。プレーオフは含まない。今季前半終了時・2008年・2007年のスタッツも参照のこと。
オフェンス | ||||||||||||||
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Total | 得点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | FumLos | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rate | サック | 3rd% | Red |
379.1 | 28.8 | 117.8 | 4.3 | 20回 | 8回 | 261.2 | 64.6% | 8.1 | 30回 | 8回 | 101.8 | 51回 | 47.3% | 53.7% |
6位 | 3位 | 14位 | 11位T | 5位 | 5位T | 7位 | 9位 | 5位T | 4位 | 2位 | 4位 | 32位 | 3位 | 9位 |
被サック以外は申し分ない数字ばかり。ヤーデージのわりに得点が多いのは、ターンオーバーレシオがダントツのNFL1位であるせいだろう。昨季の最低得点ゲームは16点(3試合)と優秀だったが、今季はさらによく、カウボーイズ戦(勝利)の17点が最低だった。昨年も書いたが、シーズン最低得点が16点に達したのはファーヴ時代の16年間に一度もない。いろいろな要素はあるにせよ、極端に不出来なゲームのないQBロジャースの働きによるところが大きいのでは。
ラン攻撃はRBグラントの復調(3.9→4.4)もあって、1回平均が昨季の4.1ydsから4.3ydsにアップ。ランTD数が昨季の11回から20回に急増したのも心強い。RGシットンやCウェルズがインサイドを押し込んでいるせいか、(QBスニークを含めて)ゴールラインオフェンスでしっかりTDが獲れている。ボールセキュリティも優秀で、RBグラントは282回(NFL7位)もボールキャリーしながら、ファンブルがわずか1回しかなかった。
パス攻撃は昨季も十分よかったが、今季はさらにQBロジャースが成長を見せ、ファーヴがパッカーズ時代に一度も記録できなかったレーティング100超を2年目で達成してしまった。無理投げをしないのにヤードを稼ぎ、3rdダウン(QBレーティングNFL1位)でしっかりパスを通せるのだから立派。QB個人の最少インターセプトはロジャースとファーヴが7回で並んだが、最終戦でQBフリンが1つINTを喰らったため、チームとしては2位。
NFL最多の被サック51回は問題だが、シーズン前半が37回、後半は14回と劇的に改善された。右タックルのマーク・タウシャーが復帰してパスプロが安定したことに加え、ショートパス主体(そのためパス1回平均ydsは8.6から8.1にダウン)に切り替えたことでパス攻撃が安定した。Journal Sentinel紙の評価では被サックのうち30%がQBロジャースの責任とのことで、ボールを持ちすぎる点は改善が必要。ただそれも「無理投げをしない」彼の良さとセットなので、サックが多めなのは仕方ないかもしれない。
総タッチダウン数はNFL3位の54回。内訳はパスが30回、ランが20回、ディフェンスが4回、スペシャルチームがゼロ。昨季は全48TDのうちオフェンスが挙げたのは39回だったので、オフェンスの得点力は大幅にアップしたと言える。
ターンオーバー | 反則 | 相手反則 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Takeaways | Giveaways | DIFF | 回数 | ヤード | 回数 | ヤード | ||||
Total | Int | FumRec | Total | Int | FumLos | |||||
40 | 30 | 10 | 16 | 8 | 8 | +24 | 118回 | 1057yd | 107回 | 914yd |
1位 | 1位 | 17位T | 1位 | 2位 | 5位T | 1位 | 32位 | 31位 | 6位T | 5位 |
ターンオーバーはものすごい数字がならび、スペシャルチームの不振を補ってあまりある。テイクアウェイ1位、ギブアウェイ1位でターンオーバーレシオ1位なのだから、これでプレーオフに出られない方がおかしい。オフェンスはインターセプトが少なく、RB陣のファンブルロストが少ない。サックされたQBロジャースのファンブルロストが4回あるので、パスプロテクションがよければもっとギブアウェイを減らせたはず。
ディフェンスによるインターセプトの内訳は、CBウッドソン9回(NFL最多タイ、TD3回も最多タイ)、FSコリンズ6回、CBトラモン・ウィリアムズ4回、SSビグビー4回、CBハリス2回、ILBホーク2回、CBブッシュとDEジョリーとDEジェンキンズが1回ずつ。昨季はINT22回(NFL3位タイ)のすべてをDB陣が挙げていたが、今季はDB以外が4回。これもスキーム変更の効果だろう。CBウッドソンはインターセプトだけでなくファンブルフォース(4回)もチーム最多。
反則の多さはシーズン前半から全く改善されず、回数はNFL最多、ヤーデージも2番目に多い。ヴァイキングス戦のようにつまらないアンネセサリーラフネスが敗因になったゲームもあった。パッカーズほどではないものの、対戦相手の反則も多かった。
パッカーズの反則回数は昨年が31位で一昨年も29位。毎年、平均年齢が最も若いチームであるため、精神的な未熟さのせいなのかもしれないが、規律面でコーチ陣の指導力を批判されても仕方のないところだ。
今季レギュラーシーズンのチームスタッツのまとめ。今季前半終了時・2008年・2007年のスタッツも参照のこと。
ディフェンス | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Total | 失点 | ラン | ラン(1回) | ランTD | FumRec | パス | パス% | パスavg | パスTD | INT | Rating | サック | 3rd% | Red |
284.4 | 18.6 | 83.3 | 3.6 | 5回 | 10回 | 201.1 | 54.4% | 6.4 | 29回 | 30回 | 68.8 | 37回 | 36.0% | 59.1% |
2位 | 7位 | 1位 | 2位T | 1位T | 17位T | 5位 | 2位 | 5位T | 28位T | 1位 | 4位 | 11位T | 9位 | 28位 |
トータルディフェンスが20位から2位へとジャンプアップ。OLBキャンプマンとCBハリスの戦線離脱をルーキーたちの活躍で補ったと考えると、戦力的には昨年とさほど変わらないはず。ドム・ケイパース新DCによる3-4へのスキーム転換が大成功を収めたのは間違いない。
ヤーデージのわりに失点がやや多い。オフェンスはターンオーバーを与えない(ギブアウェイはNFL最少)のだから、スペシャルチームがヘボくてフィールドポジションが不利なこと、それに後述のようにポッキリ折れる傾向のあったパス守備のせいではないか。
ディフェンスコーチ総退陣の最大の理由だったラン守備が26位から1位へと大躍進。こちらが早めにリードして相手ラン回数が少なくなった傾向はあるものの、1回平均が4.6yds(26位)から3.6yds(2位タイ)と向上したのだから文句なし。決して弱体ランオフェンスのチームばかりと当たったわけではなく、RBスティーヴン・ジャクソン(STL)、RBエイドリアン・ピーターソン(MIN)などラッシング成績上位のRBたちをしっかり抑え、ランTDの少なさでもNFL1位。
いっぽうパス守備5位は、明らかに不振 or 未熟な相手QBに恵まれたおかげ。プロボウル級の有力QBを封じ込めたのはカウボーイズ戦だけで、QBカーソン・パーマー(レーティング93.3)、QBファーヴ(2試合で158.3)、QBロスリスバーガー(121.9)、さらにプレーオフではQBワーナー(154.1)にコテンパンにやられている。未熟なQBを3rdダウンロングに追い込んで多彩なブリッツで圧倒する、という手が有力QB相手に通じなくなると、ガタガタに崩れてしまう。
"Ball Hawk"ぞろいのDB陣がインターセプトを量産したのは昨季と同様で、今季後半だけで18INTを奪ってNFL1位に輝いた。昨季まではQBに背を向けるプレスカバレッジであれだけINTを稼いでいたのだから、ボールを狙いやすいスキームになれば増えるのが当然だろう。サック数は今季前半29位タイと伸び悩んだが、後半はOLBマシューズの台頭で11位タイまで上昇。そうしたビッグプレーが多いいっぽうで、パスTD数は28位タイ(レッドゾーンTD率も28位)と非常に多く、やられるときは簡単にTDパスを許す脆さが数字にはっきり表れている。
スペシャルチーム | |||||||||||
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Kickoff | Punt | Kickoff Ret | Punt Ret | Field Goals | |||||||
Avg. | TB | Coverage | Avg. | In20 | TB | Coverage | Net | 成功率 | 回数 | ||
62.8 | 12回 | 22.8 | 43.1 | 15回 | 10回 | 10.1 | 34.1 | 22.1 | 6.9 | 75.0% | 27回 |
24位 | 12位 | 17位 | 18位T | 32位 | 28位T | 24位 | 31位T | 19位 | 23位 | 25位T | 6位T |
スペシャルチームはほとんどの部門でNFLの下位に苦しみ、昨年STコーチを交代させてさらに悪化してしまった印象だ。カバレッジチームは後半多少立て直したものの、パント、FG成功率、リターンチームはどれもNFL最低クラス。2007年シーズン(13勝3敗)はスペシャルチームのおかげで勝てた試合がいくつもあったが、今季は最初から最後までチームの足手まといだった。
キックオフの飛距離は昨季の15位タイから24位に悪化。タッチバックも昨季の17回から12回に減ってしまった。カバレッジチームは今季前半は毎週のようにビッグリターンを許してキックオフ26位、パント30位だったが、後半は立て直してなんとか17位と24位でシーズンを終えることができた。リターンTDを一度も許さなかった(12チーム)のは評価できる。
いっぽうパンターのジェレミー・カピノスの不振はシーズン後半もひどくなるばかりで、ネット平均はNFL最下位のままだった。キック力がないなら普通はもう少しショートパントのコントロールがよさそうなものだが、インサイド20に落とした回数は最下位、逆にタッチバック回数は28位タイの多さなのだから目も当てられない。
キッカーのメイソン・クロスビーも、成功率75%の25位タイと不振のシーズンだった。FG距離は20yds台がパーフェクト、30yds台が7/9、40yds台が4/7、50yds台が2/6。 キャリア初のPAT失敗もあった。オフェンスが好調なためFG回数自体は多い。寒冷地であるせいか、対戦相手のFG成功率も76.5%と決してよくなかった。
リターンゲームは昨季同様パンチに欠け、人材不足がはっきり表れている。キックオフリターンが多少マシになったとはいえ、それは昨季(最下位)がひどすぎたせい。今季最長リターンは54ydsで27位。CBブラックモンの戦線離脱もあってパントリターンはさっぱりで、2年連続で6yds台(NFL平均は8.5yds)の体たらくが続いている。今季スペシャルチームによるリターンTDが一度もなかった14チームの1つだった。
パッカーズが来季のチケット価格の値上げを発表した。値上げ幅は$8ドルから$11ドル。どこの席がいくらになるのかは Journal Sentinel紙の図表を参照のこと。ただ、シーズンチケットホルダー以外の我々一般ファンが入手できるのはどうせブローカー経由なので、そうした市場価格は原価よりも別の要素に左右される部分が多い。
パッカーズのチケット価格値上げは2007年以来3年ぶり。パッカーズはつねづね「価格はNFL32球団のちょうど真ん中がよい」として、2003年、2005年、2007年と1年おきに値上げをしてきた。しかし昨年は景気悪化のため特別に据え置かざるをえず、2008年にNFL24位だった平均価格が昨年はさらに30位へと下がっていた。今年値上げをしてもおそらく20位前後だろう、とマーク・マーフィ社長。
1試合平均の観客が約7万人、試合数がプレシーズン含めて10試合、平均$9ドルの値上げとすると、3つをかけて$63ミリオンの増収となる。マーフィ社長は値上げの理由として労使交渉の不透明な状況を挙げ、「手頃で入手しやすい価格でありたいが、同時に我々は競争力を保つために収入を増やすことが必要だ」と説明している。
3月4日いっぱいまでに新しい労使協定を締結できない場合、3月5日から"Final League Year" に突入し、2010年シーズンはサラリーキャップなしとなる。サラリーキャップがなければいわば青天井だが、さまざまな規定があって、選手たちは決して喜べないはず。こうした特殊な"最終年"を設定してあったのは、2011年春の労使協定失効よりも早く交渉をまとめるよう、両者に自然な圧力をかけるためだ。
以下は、2010年がサラリーキャップなしとなった場合の規定。
このようなわけで、仮に今年サラリーキャップがなくても、選手や代理人が喜ぶような狂乱のFA市場にはとてもなりそうにない。また(1年かぎりであれば)大きな戦力不均衡の心配もなさそうだ。「むしろ本当のデッドラインは労使協定が完全に失効する来年の春であって、それまでに新協定がまとまればいい」との声も出てきている。
パッカーズの来季16戦の対戦相手は下表のとおり。来季のNFC北地区チームはNFC東およびAFC東と対戦するローテーションとなっている。それに加えてパッカーズは、残りNFC2地区の2位同士、つまりファルコンズおよび49ersと対戦する仕組み。ホームorアウェーについては下表の通り。
対戦相手の2009年成績は合計125勝131敗で勝率.488となっているが、例によってライオンズとの2戦がかなり下に引っ張っており、地区外10チームの今季勝率は.518とキツめになっている。とくに地区外のアウェー戦は、負け越しチームがレッドスキンズだけ。
なお、具体的な日程は毎年4月ごろに発表される。
Packers 2010 Regular Season Opponents | |||||||
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Opponent | Division | 2009 | 前回の対戦 | ||||
Dallas Cowboys | NFC東 | 11 | 5 | W | 17-7 | '09 | |
New York Giants | NFC東 | 8 | 8 | L | 20-23 | '07 | |
San Francisco 49ers | NFC西2位 | 8 | 8 | W | 30-24 | '09 | |
Buffalo Bills | AFC東 | 6 | 10 | L | 10-24 | '06 | |
Miami Dolphins | AFC東 | 7 | 9 | W | 34-24 | '06 | |
Minnesota Vikings | 同地区 | 12 | 4 | 2敗 | |||
Chicago Bears | 同地区 | 7 | 9 | 2勝 | |||
Detroit Lions | 同地区 | 2 | 14 | 2勝 | |||
@ | Philadelphia Eagles | NFC東 | 11 | 5 | W | 16-13 | '07 |
@ | Washington Redskins | NFC東 | 4 | 12 | W | 17-14 | '07 |
@ | Atlanta Falcons | NFC南2位 | 9 | 7 | L | 24-27 | '08 |
@ | New England Patriots | AFC東 | 10 | 6 | L | 0-35 | '06 |
@ | New York Jets | AFC東 | 9 | 7 | L | 10-38 | '06 |
@ | Minnesota Vikings | 同地区 | 12 | 4 | 2敗 | ||
@ | Chicago Bears | 同地区 | 7 | 9 | 2勝 | ||
@ | Detroit Lions | 同地区 | 2 | 14 | 2勝 | ||
計 | 125 | 131 | |||||
Strength of Schedule | .488 |
シーズン終了から9日が経ち、マッカーシーHCによるコーチ評価の作業もそろそろ完了したはずなので、動きがあるとすればおそらく今週だろう。クビにするだけでなくアップグレードにならなければ意味がないので、どのコーチがフリーで残っているかもとうぜん重要になる。勝ち残った4チームのスタッフを狙うこともなくはないが、好成績のチームがコーチを解雇する可能性は低く、ちょうど契約切れを迎えるのでないかぎり獲得は難しそう。
以下に注目のポイントをまとめてみる。ディフェンスコーチをほとんど入れ替えた昨年とは違い、今年はおそらく下記の2人に絞られるのではないか。
パスプロテクションに苦しんだ2009年パッカーズ・オフェンシブラインマンの変遷を振り返る。黄色い文字は負傷で途中退場の選手。
第9週の左タックルと第11週の右タックルは、ケガからの復帰途上のため計画的にローテーション起用を行ったもの。LTチャド・クリフトンはケガ(足首、足首、ハムストリング、足首)による途中退場が4回もあった。LGダリン・カレッジとRTマーク・タウシャーは負傷退場1回ずつ。全試合先発したのはRGジョシュ・シットンとLGダリン・カレッジの2人だけで、同じポジションで全試合先発したのはRGシットンただ1人。
6サック以上のゲームが4回もあるというのもひどい話で、さすがに全部負けている。序盤は毎週のように相手DEが週間MVPを受賞する始末だった。パッカーズは第11週までの10試合で平均4.3回のサックを許したが、RTマーク・タウシャーが完全復帰した第12週からレギュラーシーズン最終戦まで、平均1.33回しか許していない。メンバーが固定できたことも大きかった。
言うまでもなく今季最悪のラインマンはRTアレン・バーバーで、あやうく独力でパッカーズの今シーズンを破滅させるところだった。プレーオフではアクティブ登録さえされていない。逆にチームを救ったのが4巡指名ルーキーのT.J.ラング。クリフトン欠場中の左タックル、タウシャー完全復帰までの右タックルを無難にこなし、おかげでシーズン中盤になんとか星を拾うことができた。
Cジェイソン・スピッツが腰の問題で序盤に戦線離脱し、元スターターのCスコット・ウェルズが代役を務めたものの、ウェルズのプレー内容はスピッツよりもかなりよかった。
2009 Packers Offensive Linmen | ||||||||
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Week | Opponent | W/L | Sack | LT | LG | C | RG | RT |
1 | Chicago | W | 4 | Clifton | Colledge | Spitz | Sitton | Barbre |
2 | Cincinnati | L | 6 | Clifton/ Colledge |
Colledge /Spitz |
Spitz /Wells |
Sitton | Barbre |
3 | St. Louis | W | 2 | Colledge | Spitz | Wells | Sitton | Barbre |
4 | Minnesota | L | 8 | Colledge/ Lang |
Spitz | Wells | Sitton | Barbre |
5 | bye | |||||||
6 | Detroit | W | 5 | Clifton/ Lang |
Colledge | Wells | Sitton | Barbre |
7 | Cleveland | W | 0 | Lang | Colledge | Wells | Sitton | Barbre |
8 | Minnesota | L | 6 | Lang | Colledge | Wells | Sitton | Barbre |
9 | Tampa Bay | L | 6 | Clifton/ Lang |
Colledge | Wells | Sitton | Tauscher/ Barbre |
10 | Dallas | W | 4 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Lang |
11 | San Francisco | W | 2 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher/ Lang |
12 | Detroit | W | 1 | Clifton/ Lang |
Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
13 | Baltimore | W | 1 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
14 | Chicago | W | 2 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
15 | Pittsburgh | L | 1 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
16 | Seattle | W | 1 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
17 | Arizona | W | 1 | Clifton | Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
18 | Arizona | L | 5 | Clifton/ Lang |
Colledge | Wells | Sitton | Tauscher |
マイク・マッカーシーHCがシーズン最後の記者会見を行った。シーズン中から批判されていたショーン・スローカムSTコーチやジェームズ・キャンペンOLコーチの去就が注目されているが、「コーチたちの評価は今日から行うところだ」としている。(昨年も最終戦から1週間後にディフェンスコーチ陣が大量解雇された)
CBチャールズ・ウッドソンが NFL Defensive Player of the Year に選出された。全米の記者たちによる全50票のうち28票をウッドソンが獲得し、2位のCBダレル・リーヴィス(NYJ)が14票、DEエルヴィス・デュマヴィル(DEN)とFSダレン・シャーパー(NO)がともに3票、DEジャレッド・アレン(MIN)が2票。大方の予想どおり、毎週のように有力WRを封じ込めるCBリーヴィスとの一騎打ちだったが、ウッドソンのよりオールラウンドな活躍が認められた。
この賞は1971年に始まり、毎年NFLでただ1人が選ばれる(受賞者リスト)。パッカーズでは1998年のDEレジー・ホワイト(イーグルス在籍の1987年にも受賞)以来2人目の受賞。コーナーバックの受賞は比較的少なく、1994年のCBディオン・サンダース以来、15年ぶり5人目。
以下はCBチャールズ・ウッドソンの受賞会見から。(写真)
月曜午前、選手たちは最後のチーム・ミーティングを終え、ロッカールームを片付けた。飛行機の都合でまだグリーンベイに戻って来られない記者たちもいて、代役が選手たちから今季最後のコメントを取っている。このあと選手たちはコーチと長時間の個別面談をしたうえで解散となる。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | Total | |
---|---|---|---|---|---|---|
Packers | 0 | 10 | 14 | 21 | 0 | 45 |
Cardinals | 17 | 7 | 14 | 7 | 6 | 51 |
最終週と同じ顔合わせのワイルドカード・プレーオフ。パッカーズはターンオーバーから序盤に大量失点し、ディフェンスはラン・パスともズタズタでいつまでたっても立ち直れない。QBロジャース率いるパス攻撃が後半に5TDを重ねてついに追いつくが、延長戦でサック&ファンブルロストを犯して万事休す。カーディナルスは来週土曜(日本時間日曜朝)のディビジョナル・プレーオフで、第1シードのセインツと対戦する。
試合は序盤からパッカーズオフェンスがターンオーバーを連発し、第1Qだけで17点を奪われる一方的な展開に。第2Qにはそれなりにリズムをつかむが、それでも14点差。後半になってもディフェンスはパントを蹴らせることさえできないが、オフェンスはオンサイドキックを含めて5シリーズ全部でタッチダウンを挙げる猛攻を続け、残り2分を切ったところでついに同点。最後のカーディナルスは短いFGを失敗してオーバータイムへ。コイントスに勝ったパッカーズだが、サックされてファンブルロスト、そのままエンドゾーンまで運ばれ、あっけない幕切れとなった。
パッカーズは主力全員が出場し、カーディナルスはWRアンクワン・ボルディンが欠場。第3QにはSSアタリ・ビグビー(ハムストリング)が退場し、第4QにはLTチャド・クリフトン(足首)が退場し、それぞれ若手選手が代役を務めている。
Green Bay Packers Injury Report | |||||||
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Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status | Notes |
Derrick Martin | S | Ankle | × | × | × | Doubtful | 欠場 |
Korey Hall | FB | Elbow | ○ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Chad Clifton | OT | Knee | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Johnny Jolly | DE | Foot | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Michael Montgomery | DE | Ankle | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Ryan Pickett | NT | Hamstring | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Brandon Chillar | LB | Back | ○ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Charles Woodson | CB | Shoulder | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Arizona Cardinals Injury Report | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status |
Brian St. Pierre | QB | Back | △ | △ | △ | Questionable |
Anquan Boldin | WR | Ankle | × | × | × | Questionable |
Deuce Lutui | OG | Back | △ | × | ○ | Questionable |
Calais Campbell | DE | Thumb | △ | △ | △ | Questionable |
Dominique Rodgers-Cromartie |
CB | Toe/ Knee |
× | △ | △ | Questionable |
Antrel Rolle | S | Thigh | × | △ | △ | Questionable |
Tim Hightower | RB | Knee | ○ | ○ | ○ | Probable |
Dan Kreider | FB | Neck | ○ | ○ | ○ | Probable |
Sean Morey | WR | Head | ○ | ○ | ○ | Probable |
Ben Patrick | TE | Head | △ | ○ | ○ | Probable |
Kenny Iwebema | DE | Head | ○ | ○ | ○ | Probable |
Neil Rackers | K | Groin | ○ | ○ | ○ | Probable |
Probable | : | Virtual certainty that player will be available for normal duty |
---|---|---|
Questionable | : | A 50-50 chance will not play |
Doubtful | : | At least 75 percent chance will not play |
Out | : | Definitely will not play |
○ | : | Full Participation |
△ | : | Limited Participation |
× | : | Did Not Participate |
? | : | Not Listed |
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Packers (11-5) | 14 | 12 | 7 | 0 | 33 |
Cardinals (10-6) | 0 | 0 | 0 | 7 | 7 |
前の試合でヴァイキングスが勝ったことで、プレーオフ初戦はGB@ARIと試合前すでに決定していたが、両軍とも主力選手がみな先発出場した。パッカーズオフェンスは第3Q半ばまでQBロジャースはじめ先発組がプレー。ディフェンスはかなりの選手が終盤まで出ていた。カーディナルスはQBワーナーを第1Qまでで下げ、ディフェンスの主力も前半のうちに下げた模様。なぜかWRフィッツジェラルドだけが最後までプレーして、ARI唯一のタッチダウンを記録した。
試合は序盤からパッカーズオフェンスが好調にタッチダウンを重ね、ディフェンスも3インターセプトを奪ってさらに点差を広げる。後半にもTDを追加したパッカーズは、カーディナルスの反撃をインターセプトからの7点に抑えて逃げ切り勝ち。トータル187ydsのディフェンスが光った。ケガ人はCBチャールズ・ウッドソン(肩)とLBブラッド・ジョーンズ(足首)だけで、次の出場には問題なさそう。
パッカーズはプレーオフ第5シードを確保し、カーディナルスは第4シードとなった。同時進行のPHI@DALでカウボーイズが勝って第3シードの座を奪い、イーグルスは第6シードに。珍しいことに、NFCワイルドカード・プレーオフは2試合ともシーズン最終週の再戦となった。
Green Bay Packers Injury Report | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status | Notes |
Derrick Martin | S | Ankle | Out | Out | Out | Out | 欠場 |
Brandon Chillar | LB | Back | × | × | × | Doubtful | 欠場 |
Korey Hall | FB | Elbow | △ | △ | △ | Questionable | 微妙 |
Ryan Pickett | NT | Hamstring | × | × | × | Questionable | 微妙 |
Michael Montgomery | DE | Ankle | △ | △ | △ | Questionable | 微妙 |
Chad Clifton | OT | Knee | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Johnny Jolly | DE | Foot | △ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Nick Barnett | LB | Illness | × | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Charles Woodson | CB | Shoulder | × | △ | △ | Probable | 出場 |
Trevor Ford | CB | Knee | ○ | ○ | ○ | Probable | 出場 |
Arizona Cardinals Injury Report | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Player | Pos | Injury | Wed | Thur | Fri | Status |
Beanie Wells | RB | Groin | △ | △ | △ | Questionable |
Dan Kreider | FB | Neck | △ | △ | △ | Questionable |
Sean Morey | WR | Head | △ | △ | △ | Questionable |
Ben Patrick | TE | Head | △ | △ | △ | Questionable |
Kenny Iwebema | DE | Head | △ | △ | △ | Questionable |
Antrel Rolle | S | Thigh | × | × | × | Questionable |
Neil Rackers | K | Groin | △ | △ | △ | Questionable |
Larry Fitzgerald | WR | Elbow | ○ | ○ | ○ | Probable |
Will Davis | LB | Knee | ○ | ○ | ○ | Probable |
Dominique Rodgers-Cromartie |
CB | Toe | △ | △ | ○ | Probable |
Greg Toler | CB | Elbow | ○ | ○ | ○ | Probable |
Probable | : | Virtual certainty that player will be available for normal duty |
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Questionable | : | A 50-50 chance will not play |
Doubtful | : | At least 75 percent chance will not play |
Out | : | Definitely will not play |
○ | : | Full Participation |
△ | : | Limited Participation |
× | : | Did Not Participate |
? | : | Not Listed |
12月4日に首を負傷して以来休んでいるOLBジェレミー・トンプソンをインジャリーリザーブに入れ、プラクティス・スクワッドからNTアンソニー・トリビオを昇格させた。OLBトンプソンのIR入りは早くから予想されていたことで、専門医にセカンドオピニオンを仰ぐあいだ保留していた模様。DL陣は先発3人がケガを抱えているうえDEモンゴメリーも足首を捻挫したため、最終戦で彼らを休ませるためにNTトリビオを加えたのだろう。
NTアンソニー・トリビオ Anthony Toribio は身長6フィート1(185cm)、315ポンド(143kg)。NCAAディビジョンIIのカーソン・ニューマン大から昨年のドラフト外でドルフィンズに入団し、シーズンの多くをプラクティス・スクワッドで過ごした。12月半ばにパッカーズと契約してロースターに加わっものの、一度もアクティブ登録されないままシーズン終了。今年の最終戦ではNFL初出場ができそうだ。
NFCはプレーオフ出場6チームがすでに決定したが、シード順のシナリオ(引き分けの可能性は除く)は下表の8通りがある(ESPNより)。下表の左側が今週末の試合結果、右側がシード順。確定しているのはセインツの第1シードだけで、それ以外は決まっていない。
NFC Week 17 Playoff Scenarios | |||||||||
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Possible Outcomes | Seeds | ||||||||
NYG@MIN | PHI@DAL | GB@ARI | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
MIN | DAL | ARI | NO | MIN | ARI | DAL | PHI | GB | |
MIN | DAL | GB | NO | MIN | DAL | ARI | GB | PHI | |
MIN | PHI | ARI | NO | PHI | MIN | ARI | GB | DAL | |
MIN | PHI | GB | NO | PHI | MIN | ARI | GB | DAL | |
NYG | PHI | ARI | NO | PHI | ARI | MIN | GB | DAL | |
NYG | PHI | GB | NO | PHI | MIN | ARI | GB | DAL | |
NYG | DAL | ARI | NO | ARI | DAL | MIN | PHI | GB | |
NYG | DAL | GB | NO | DAL | MIN | ARI | GB | PHI |