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2010年5月31日

Life after the Game

セント・ノーバート大で開催された「アメリカ社会におけるスポーツ」のシンポジウムに出席したカート・A・デイヴィッド氏は、驚くべき調査結果を明らかにした。

NBA選手の60%以上が、リーグを去って5年以内に破産。

NFL選手の75%以上が、引退から2年以内に持ち金が底をつく。

元プロスポーツ選手の80%ちかくが離婚を経験。

デイヴィッド氏の著書"FROM GLORY DAYS"(2008年)は、かつてスターダムにいたプロアスリートが引退後の日常生活にどう適応したか(またはしなかったか)を描き、話題作となった。彼が羅列する数字が示しているのは、「ビッグマネーを稼いで一生安泰」という姿は虚像に過ぎない、という現実だ。

「こうした統計はたやすく手に入るものではなく、データを掘り出すために多大な労力を要した。どのプロ球団にでも行って聞いてみるといい。彼らはこうした統計は宣伝したがらない。しかしこれが偽りのない真実だ。とても厳しい。真面目に受け入れなければならない」

カウンセラーである彼は、これまで多くの元プロ選手のカウンセリングを行ってきた。彼らの多くがツキに見放され、うつ病になったり破産したりしていた。彼はなるべくシンプルなメッセージを伝えるよう努力しているという。かつてスターであっても、栄光の日々を捨てるよう努力し、将来に目を向けること。

「能力の高いアスリートであることは、人生における1つの『段階』にすぎない。たしかに素晴らしい、みごとな『段階』ではある。できるかぎり長くそれを続ければいい。しかしそれは1つの段階にすぎないことを理解すべきだ。それが終わったあとには全く違った段階が待っている。アスリート時代と同じぐらい良いものにしてほしいものだ」

◆ ◆ ◆

今回のシンポジウムはグリーンベイ・パッカーズも後援者に名を連ね、選手たちに重要なメッセージを伝えようとしている。ふだんパッカーズにおいてそうした役割を担うのは director of player development である元ロングスナッパーのロブ・デイヴィス。プロ生活への適応、住居探し、子供の学校の世話といった私生活全般だけでなく、学位や修士号の取得、オフシーズンのインターン研修といった将来設計のアドバイスも彼の職務のうちだ。

「我々は選手たちに、できるだけ早め早めにフットボール後の人生設計に取り組ませようと努力している。引退した選手が、フットボール以外に自信が持てずに姿を、私自身たくさん見てきた。NFLには確かなものが3つある、と私はいつも選手たちに言っている。それは、契約ボーナスと、ケガと、いつか交代させられる時がくる、ということだ」 (ベンジャミン・フランクリンの「確実なのは死と税金だけ」になぞらえている)

「私は彼らに言い聞かせるんだ。 『こうした将来が避けられないと知っているなら、引退後の失敗例のひとりにならないために、君たちはどうする?』 ってね。 『オレが知っているのはフットボールだけだ』 という言葉を聞くほど私にとって悲しいことはない。そうした心構えは、ほんとうにほんとうに危険なことだ」

6ケタや7ケタの給料に慣れているプロ選手たちが一般社会の仕事に就くことは、90%以上のサラリーカットを意味し、なかなか受け入れがたいものだ。「とてもプライドを傷つけられる。フットボールはいわば夢の世界だ。そこにいたら、現実世界がどうなっているのか本当に把握することはできない」

パッカーズはフットボール後の人生についての教材を選手に配布している。ロブ・デイヴィスはインターンシップなど他の職業を体験する機会をアレンジしたり、Transitions...after the gameという団体の顧問もしている。「しかし結局のところは、その選手しだいだからね」

デイヴィッド氏はかつてヨーロッパでプロバスケットボールをプレーした経験がある。「当たり前の権利のように思ってしまうことも問題だ。NFLのゲームを見てみるといい。口を開ければ誰かが水を注ぎ込んでくれる。NBAでは、(選手交代時に)ジャージを脱ぎ捨てるとそれを拾ってくれる人がいる。いままで意識しなかったちょっとした実際的な事柄を、引退したとたんに考えなければならなくなる。自分の衣類を洗濯しなきゃいけないのか? この請求書はオレが払わなきゃいけないのか? なにがどうなってるんだ? そういったことが、引退後の生活に適応するための実際面だ」

「35歳や40歳といった人間が、ただカウチに寝転んで暮らし、ゴルフをプレーすべきだとは私には思えない。何か自分の活力や情熱を注ぎ込めることを毎日すべきだと思う。自分が他人と会話をし、フットボールフィールドの外でも自信を持って取り組めるようなことをね。いったんフットボールから離れたら、たいていの者はそう思えなくなるのではないだろうか。学ぶのは難しいが、必要なことだ。数字は嘘をつかない。プロアスリートの100%が、最後には退職させられるのだから」

2010年5月29日

経営委員会に新メンバー

ラリー・ウェイアーズ理事を副社長兼筆頭理事に昇格させ、マーク・マクマレン理事を経営委員会 Executive Committee に加えることをマーク・マーフィ社長兼CEOが発表した。長年にわたって役員を務めてきたピーター・プラッテンが定年で名誉理事に退くことを受け、その穴を埋めるための人事だ。マクマレンはウェイアーズに代わって会計を担当する。これらの人事はすでに理事会の承認を得ており、7月末の株主総会で承認されて正式なものとなる。

ラリー・ウェイアーズ(65歳)はエネルギー関連大手 Integrys Energy Group の元社長兼CEOで、最近理事長を退任したばかり。2004年にパッカーズの経営委員会に加わり(2004年記事)、翌年から会計担当を務めてきた。 マーク・マクマレン(61歳)は Associated Bank Corp の上級副社長で、2007年にパッカーズ理事会に加わったばかり。退任するピーター・プラッテンも元銀行頭取。

ウェイアーズのVice President and Lead Director (of Board of Directors) という新しい肩書きは全く目新しいもので、経営委員会のメンバーに副社長の肩書きがつくのも、少なくともこの10年では初めてのこと。事実上筆頭格(マーフィ社長の選出も主導)だった重鎮プラッテンの代わりにウェイアーズが筆頭理事となる、という役回りを公式な形にしたのだろうか。新労使協定締結にむけてこれから多忙になるマーク・マーフィ社長の任務を軽減する、という意味合いがあるかもしれない。

グリーンベイ・パッカーズには、株主総会で選任された45人の理事からなる理事会 Board Of Directors があり、その中から7人が選ばれて経営委員会 Executive Committee を構成している(リスト)。理事はビジネス経験豊富な地元財界人が圧倒的多数で、その他に弁護士、判事、病院理事長、大学役員、元NFL選手(マーフィ社長を除いて3人)などがいる。

理事会の会合は年に4回ほどで、重要な決定には蚊帳の外に置かれることが多い。経営委員会も通常の業務に携わるわけではなく、主に経営面で社長に助言を与える諮問委員会のような存在。会合はだいたい月1回 + 必要に応じて、といった感じらしい。給料も特権もないが、ウィスコンシンの人々にとっては憧れの存在で、有力経営者は理事会に入りたがり、理事は経営委員会に入りたがる。ビジネス面の能力が重視されるため、元パッカーズ名選手というだけでは理事にはなれず、経営者としてある程度認められなければならない。

2010年5月28日

ケイパースDCが語る今年のディフェンス

先日のミニキャンプ公開練習で判明したポジション変更や今年の課題などについて、ドム・ケイパースDCがインタビューに答えている。

ピケットをNT/DE兼任とし、ラジを先発NTとしたことについて

「この商売では、できる仕事が多いほどよいものだ。彼らは2人とも、両ポジションをこなせるだけのアスレチック能力とサイズがある。こうすることでチームにフレキシビリティが生まれる。たとえばゴールラインディフェンスで、彼らのような能力の選手を2人並べられるチームは多くない。去年も我々のショートヤードディフェンスは優秀だった。相手を押し返す大きな選手たちが必要なのだ」

DEジャスティン・ハレルについて

「昨年の腰の問題は正真正銘のケガで、タフネスの欠如を示すものは何もない。DL2人をドラフト指名したこと? 優秀なビッグ・ガイはいくらいてもいいものだし、(ケガ人が出始めると)あっという間に足りなくなるものだ。新人たちが伸びてジャスティンが向上してくれば、我々にとっては嬉しい悩みが生まれる。足りない事態と比べれば、そうした『難しい決断』の方がずっといい」 

プロ2年目の左OLBブラッド・ジョーンズについて

「ブラッドを先発させることに何の不安もない。アーロン(キャンプマン)が倒れたとき、彼がしっかりした働きをしてくれて、彼が加わったディフェンスは非常によいフットボールができた。彼のプレーを我々は気に入っているし、彼は今年のオフシーズン・プログラムでもよくやっている。おそらく10ポンドほど重くなっただろう。これは彼にとってよいことだ。ああした若手選手はプロ最初の2年間でぐっと伸びるのが普通で、ウェイトルームでの努力が実り、急にフィジカルになるものだ。それはブラッドにもあてはまると思う。去年のキャンプでは(背中を痛めて)あまりプレーできず、今年使えるのだろうかと疑問に思い始めていたのだが」

昨季NFL28位だったレッドゾーンディフェンス向上が最大のテーマ。

「失点をNFL最少に抑えるために、それが最大の目標となるのはいつものことだ。そのために、レッドゾーンに入られたら、タッチダウンでなくフィールドゴールばかりを蹴らせなければ。昨年の我々のディフェンスすべてを振り返り、さらなる進歩のためにはレッドゾーンディフェンス向上が一番だと我々は考えた。今年はその点に重点を置くことになるだろう。レッドゾーンでは違ったプレーをしなければならなない。フィールドは縦に縮まり、より素早くパスが出てくる。あっという間に物事が起きて、躊躇している余裕はない。ずっと速く反応しなければならない」

数人の優れた選手がチームを引っ張る、いわゆるプレーメーカー理論を信奉。

「非常に優秀なディフェンシブ・チームを作るには、2人か3人のディファレンス・メーカーが必要だと、私はつねづね考えている。1試合60プレーのうち、2つか3つのプレーが試合結果に大きな影響を与えるのが普通だ。2人か3人のプレーメーカーを手に入れたら、あとは頼りになるしっかりしたロールプレーヤーがたくさん必要だ。CBチャールズ・ウッドソンがプレーメーカーのカテゴリーに入るのは言うまでもない。NFLじゅうの誰もが欲しがるような選手だ。すべてのゲームで大きなプレーを決める可能性がある選手なのだから」

ウッドソンに次ぐプレーメーカーはOLBクレイ・マシューズ?

(質問には直接答えず)クレイを手に入れることができて嬉しい、それははっきり言える。彼は頭のいい選手だ。あちこち動かすことができ、じっさい我々はそうした。昨年のキャンプではハムストリング負傷でろくにプレーできず、シーズン初めはスターターでさえなかった。彼がスターターとして全ダウンをプレーするようになり、ウチのディフェンスが大きく向上したのは明らかだ。彼には能力があるだけでなく、真のプロフェッショナルだ。大きな犠牲を払うほど手に入れるものは大きい、という古い法則を彼は理解し、そのように準備する。ケガさえなければ、素晴らしいシーズンを過ごすと私は予想するよ」

2010年5月25日

今年のLGダリン・カレッジ

LGダリン・カレッジは昨季予想外の不振で先発の座が危うくなり、今年は同期のC/Gジェイソン・スピッツ、さらに2年目のT.J.ラングも挑戦してくる。これまでは左タックルなど他のポジションをやらされることが多く、それがキャリアの妨げになってきた、というのが本人の言い分だが、今年はその言い訳はきかない。新人LTブライアン・ブラガをはじめ、各ポジションに控え選手がそろい、1人ケガ人が出ただけで彼がポジション変更をする必要はもうないのだ。

「今年はポジションを固定する、という約束を毎年聞かされたけど、結局はケガやなにかで話が変わってくる。だからあまりアテにしないよう心がけてるよ。フルタイムで左ガードに専念し、全試合全スナップをプレーできればほんとに最高。左ガードこそ僕のベストポジションだからね。これまでは必ずしもそうした展開にならなかった」

ジョー・フィルビンOCは彼の言い訳めいたコメントに賛成せず、かなりはっきりと反論している。「2試合左タックルをやらせたから左ガードでうまくいかなかった、などと我々は言うつもりはない。これはナショナル・フットボール・リーグなのだ。(試合当日のロースターには)7人を登録し、ときには違うポジションをやらなければならない」

「固定するに越したことはないし、彼を攻撃する気はない。しかし昨季に入る時点で、彼は左ガードでおそらく2500回とか3000回のプレー経験があったはずだ。OL選手をあちこち動かしたといってウチのコーチングスタッフが責められるべきなのかどうか。その議論に正当な根拠があるとは思えない。昨年は新人のT.J.ラングに左ガードや左タックルをやらせた。彼についてなら、その議論は成り立つかもしれない。しかしダリン・カレッジにはこのリーグで3年半の経験があるのだ。正当な理由があったとは私には思えない」

「彼の昨季のプレー内容は、多くの選手と同じように、良い点も悪い点もあった。我々がとても大きな期待をしていたのもたしかだし。忘れてはならないのは、彼は球団史上最高得点シーズンに貢献したメンバーの1人なのだ。すべてが良かったわけではないし、向上すべき点はいろいろある。他の選手と同じように」

OL2人がドラフト指名入団し、カレッジはもう終り、と叩くのがファンのトレンドのようになっているが、彼はこれまでも劣勢になるたびに盛り返して先発の座を守ってきた。「僕にとってこのオフシーズンは心身ともに非常に重要なものだ。故郷に帰っても体づくりに力を注いでいるし、僕になれる最高のオフェンシブラインマンになろうと努力してる。アーロン(QBロジャース)にはそうされる資格があるし、チームにも、この街にもその資格がある」

いまだに契約延長はしてもらえないが、先日RFAテンダーにサインしてOTAに参加している。「今はチームメイトと一緒に過ごすことが僕にとって一番大事だ。(契約でもめて)チームの迷惑になるようなことはしない。オフェンシブライン全員で仕事をすることが大事なんだ」

同期C/Gジェイソン・スピッツとの先発争いについて。「僕はスピッツを心底愛している。しかし先発するために彼もベストを尽くすだろうし、僕もベストを尽くす。最後まで厳しい争いが続くはずだ」

2010年5月24日

DEジョリーの行いを判事が叱責

DEジョニー・ジョリーは2008年に起こした鎮痛剤コデインの大量不法所持事件のためヒューストンでの公判が予定されていたが、今回の審問では下記のような「いかがわしい振る舞い」が話し合われただけで、公判はまたも延期となった。次回の審問は今月28日と決まり、そこで公判の予定が決まることになっている。

今回の審問で地方検事補は、ナイトクラブのパーティの宣伝チラシにジョリーが写っていることを判事に示し、保釈金($1万ドル)の増額と追加ドラッグ検査を求めた。保釈条件としてナイトクラブ訪問は禁止されていないが、ドラッグとアルコールは禁止事項となっているからだ。それに対して弁護士は「ジョリーの名は"社交の催し"の宣伝に用いられることが多いだけで、本人がパーティに出席した証拠にはならない」と反論。検事補はチラシだけでなく、ジョリーが複数のパーティに参加している写真が載ったウェブサイトも提示している。

判事は結論として保釈金の増額には同意しなかったものの、さらなるドラッグ検査のため頭髪サンプルの提出を命じ、夜6時から朝6時までの外出禁止、依存の問題があるのかどうか薬物カウンセラーの診断を受けること、「ドラッグまたはアルコールが供せられるあらゆる場所への出入り禁止」を保釈条件に加えた。判事が例のチラシを掲げ、「二度とこのようなチラシを私が目にすることのないように」と厳しく叱責すると、DEジョリーは「Yes sir.」と神妙に答えている。

前回の審問を欠席した2日後の5月7日にパーティを主催したことも問題となったが、盲腸の手術のため仕方なかった、と弁護士は釈明。審問後に弁護士は、パーティを主催したのか、出席しただけなのか、と記者に聞かれ、コメントを避けている。

2010年5月22日

OTA Notebook: QBハレルと契約

2010年5月21日

OTA Notebook: ラジが先発NTに

Organized Team Activities(OTA)3日目は今年初めての公開練習。雲ひとつない晴天に恵まれた。ノーパッド練習なのでプレー内容がどうこうといった段階ではないが、デプスチャート的に注目すべき動きがいくつもあった。

2010年5月18日

Notebook: OTA始まる

2010年5月17日

TEクウォレスを大学コーチが熱烈に擁護

5巡a指名のTEアンドリュー・クウォレスは、過去のトラブル歴(記事へ)がたたって指名順位を下げた、というのがもっぱらの評判。それについて、昨年まで彼を教えたペン州立大TEコーチのビル・ケニーは強い憤りを表明している。"ドラフト専門家"などは「フィールド外での問題」と決まり文句を繰り返すばかりで、本当の姿を知ろうとしない、知りたいのならなぜ指導した自分に聞きに来ないのかと。「いいかい私はね、アンドリューのためなら焼けた炭の上だって歩いてやる」

未少年飲酒から始まるトラブル歴をインタビュアーが説明し始めると、キニーTEコーチがさえぎった。「君は大学へ行ったんじゃないのか? 大学では飲まなかったのか?」 たしかに。

クウォレスはレッドシャツ(いわば練習生)を経ず大学1年目に先発TEとなったため、18歳の誕生日より前に名門ペン州立大のスター選手となっていた。本人も認めるように、精神的な未熟さと思い上がりがトラブルの遠因だった。「今にして思えば、1年目はレッドシャツにさせておきたかった。しかしそうするには才能がありすぎた」とケニーTEコーチは振り返る。

最初のオフシーズンに未成年飲酒で逮捕。2年目を終えた2008年3月には、チームメイトを送る途中で飲酒運転で逮捕。ケニーTEコーチによると、血中アルコールレベルは法定制限値の約半分の0.04%にすぎなかったが、彼の場合は未成年飲酒なので逮捕されても仕方がない。本人がジョー・パターノHCに懇願してかろうじて退部処分は避けられ、長い謹慎処分となった。

追い打ちをかけるように、2008年9月には彼のアパートメント(チームメイト数人で共有)でマリファナが発見され、1試合の出場停止処分。マリファナは彼の物ではないと証明され、事件翌日の薬物検査でもシロ。それでも、チームに迷惑をかけたうえ家族まで白い目で見られたことにクウォレスは深く傷ついた、とケニーTEコーチは言う。

「私は彼と長時間の話し合いをして、彼はアルコールをやめる努力を心から誓い、ずっとそれを守った。決してアルコール依存の問題があったわけじゃない。アルコールこそ自分を再びトラブルへと導く道だ、と彼が思い知ったからだ。しかし彼はとてもいい子だ。ペン州立大での後半2年間、彼はアルコールにまったく触れてもいない。私はここで23年間教えているが、彼はその中で最高のタイトエンドの1人だよ。あらゆる点で素晴らしい若者だ。私には息子が2人いるが、彼らがアンドリューのように育ってくれたら私は幸せだ」

「私に言わせれば、世間の連中は彼のことをロクに調べていない。好きなように言えばいいさ。しかしグリーンベイ・パッカーズはしっかりと調べた。見事な仕事ぶりでアンドリューのことを調べ、厳しく吟味し、その上で彼の現状、個性、人柄といったものをよく把握した。カイパーだのマクシェイだのといった連中は、なにひとつわかっちゃいない」

「現在の彼のことではなく、17歳や18歳の頃にしでかした事を元に判断を下す、彼らがやっているのはそういうことだ。だってああした経験をするのが大学というものだろう。経験から学んで自分を向上させるのが大学というものだ。学業のことだけでなく、人付き合いや人間的成長の面でもね。アンドリューが大学4年間に示した成長の大きさについて、私はとても誇らしく思っている」

フィールド上でのクウォレスは典型的なレシービングTE、という評判について。

「選手としての彼に関して私がもっとも誇らしいのは、テクニック的な部分だけでなく彼がTEとしての体づくりに打ち込んでくれたことだ。若い選手にはつきものだが、彼も走ってボールをキャッチするのが大好きだ。シーズン40回もパスが来れば喜ぶだろう。しかし同時に、彼はDEやストロングサイドLBを相手に大喜びで戦うし、非常にフィジカルなプレーヤーだ。彼はキャリアを通じて、(フィジカルな)ビッグ10カンファレンスでそれを証明してきた。私はカイル・ブレイディトロイ・ドレイトントニー・スチュワートジョン・ギルモアといった選手たちを教えてきたが、彼はそのトップにいるよ」

2010年5月16日

CBアル・ハリス 復活への道

ACL断裂のCBアル・ハリスは、マイアミのAtlantic Rehabilitation Centerでリハビリの日々を過ごしている。復活への道のりをファンに報告するビデオレターがパート12まで来ているので、これまでの分をまとめて紹介。かなり激しい動きをこなしていて、負傷からわずか半年でここまで動けるのかと驚かされる。本人はことあるごとに、「復活は無理だという見方が間違っていると証明する」と繰り返している。最新分ビデオの下は、これまでのビデオのリスト。

2010年5月14日

Notebook: テイルゲートツアー進行中

2010年5月13日

LTクリフトンがブラガ入団を歓迎

今春総額$20ミリオンの3年契約にサインしたLTチャド・クリフトンが、契約後はじめて記者の質問に答えた。「ずっと再契約を望んでいたんだ。チームとの交渉がまとまらずにFA期間に入り、『訪問してみないか』 とワシントンから声がかかった。何がどうなるかわからないし、とても気がもめたよ。前回(2004年)はFA解禁前に再契約したしね。さいわい、レッドスキンズとあまり交渉が進まないうちにパッカーズから連絡があった。いい結果になってよかった」

若きライバルとして1巡指名のLTブライアン・ブラガが入団してきたことについて。「言うまでもない、素晴らしい指名だよ。去年ウチはケガ人に苦しんだし、若返りを図る必要があった。よい指名だと思う。彼に僕の知識を伝え、成長していくのを見るのが楽しみだ。キャンプでの競争? この仕事に競争はつきもので、来るときには来るものだ。僕としては何も問題ない」

手術があった過去数年とは違い、今年はフルにワークアウトできているとLTクリフトンは言う。「昨シーズンだって足首の捻挫さえなければ全試合出場できていた。ああしたケガさえなければ、ヒザも肩もちゃんと持ちこたえるはずだ。問題にはならないと思う」

先日テネシー州各地を襲った大洪水で、彼の所有する農場も大きな被害を受けた。「柵が流されたり、かなりの部分がやられて、流れてきた瓦礫の山になっている。テネシーには川が多く、あの大雨(2日間で490mm以上)で堤防が決壊したんだ。たくさんの人々が財産を失い、住む家を失った。洪水の保険に入っていない人が多くて、ダメージは計り知れないよ。僕らはマシな方だ。すべてを失った人たちがたくさんいるんだから」とLTクリフトンは言う。同じくテネシー出身のCスコット・ウェルズとともに、支援活動を検討しているとのこと。

2010年5月12日

LGダリン・カレッジがRFAテンダーにサイン

制限付きフリーエージェント(RFA)のLGダリン・カレッジがパッカーズからのテンダーオファーにようやくサインし、今週からオフシーズンプログラムに合流している。ここにきてRFAテンダーにサインしたのは、(契約下にない選手はトレードできないので)トレードのための動きでは、という早まった見方も一部にあったが、そうしたわけではなさそう。ラジオ解説の元Cラリー・マッカレンは、「現時点ではトレードはないと思う。あるとしたらキャンプの終りごろではないか」と話している。

カレッジ側の不満にもかかわらず、依然として契約延長の動きはない。「現在はなにも話しあっていない」と代理人も認めている。

これで未契約のRFA選手は、DEジョニー・ジョリー、SSアタリ・ビグビー、CBトラモン・ウィリアムズの3人だけ。情報筋によると、SSビグビーは契約延長を求めてホールドアウトを続ける構え、といわれていたが、それはドラフト前の話。3巡指名でライバルのSSモーガン・バーネットが入団してきたため、方針変更せざるをえなくなったかもしれない。新人にあっさりスターターの座を奪われかねないからだ。

2010年5月11日

ルーキーたちの初仕事

ドラフト指名からわずか数日、新人選手たちはあわただしくルーキーミニキャンプに参加した。6巡指名のRBジェームズ・スタークスは言う。「ゾンビになった気分だね。(練習やミーティングや食事に)どこに行けばいいのかもわからない。大学入学したころをもう一度やり直してるみたいだ」

5巡a指名のT/Gマーシャル・ニューハウス。「新しい場所だから緊張するのは当然。でも結局のところ、フットボールに変わりはない。そう考えると気持ちが落ち着いた。『よし、これは自分が長い間やってきたことだ。これならやれる』 と思った」

2巡指名のDEマイク・ニール。「ミニキャンプ前日にプレーブックを受け取ったんだけど、生物学の教科書ぐらいある、と思ったよ( 『オレの街の電話帳ぐらいだ』 と横からDEウィルソン)。 もし生物学のことを何も知らないなら、これはクレイジーな量だ。でもコーチが言ってくれたんだけど、ディフェンシブラインマンにとって、ディフェンス習得はそれほどハードじゃない。どのコールで自分がどこにラインナップすればいいか、そしてチェックをよく聞いて、自分が関係するならそれに対応すればいい。あとはフットボールをプレーするだけだ」

「最初の練習を終えると、自分のことが見えてくる。自分に何ができて、どこを改善しなければならないか。ここに来る前は緊張してたけれど、練習が近づくにつれて緊張は消えていった。ただのフットボール、と気付いたからだ。長くやってきたことだし、あとは本能の命ずるままにプレーすればいいんだと」

ドラフト指名ルーキーの中で、最も勉強量の多いのは3巡指名のSSモーガン・バーネットだろう。「コーチに渡されたプレーブックをすべて身につけ、力の及ぶかぎりのプレーをして、楽しめたらいいね。すごい量のプレーブックを渡されていて、たいへんな量を覚えていかなきゃいけない。でもそれも仕事の一部だし、楽しみにしているよ」

2010年5月 9日

Packers' Draft Consequences

既存の選手たちから見たドラフトの結果をざっとまとめてみる。個々の選手からみて「立場が苦しくなった」というのは先発争いのレベルが上がったということなので、チームにとっては喜ばしいこと。その逆に「ホッとした」選手たちのポジションは、補強に手が回らなかったのでよくない。

立場が苦しくなった選手たち

  1. SSアタリ・ビグビー: SSモーガン・バーネットが3巡指名され、先発交代の可能性が最も高いルーキーと見なされている。セーフティコーチのダレン・ペリー自身がSSバーネットに惚れ込んで指名に至った模様で、できれば先発の座を奪ってほしい、という気持ちが口ぶりから伝わってくる。SSビグビーは今年が契約最終年なので、先発争いで敗れた場合、来春は移籍となりそう。
  2. オフェンシブライン: LTクリフトンとRTタウシャーが再契約し、ただでさえデプスが確保されていたところへ、1巡指名LTブライアン・ブラガと5巡指名T/Gマーシャル・ニューハウスが入団してきた。
    • OL9人枠とすると、順当ならば昨季の先発5人にLTブラガ、C/Gスピッツ、T/Gラングまではロースター入りが固い。最後のイスを残りの選手たちで争うことになる。
    • OTブレノ・ジャコミニ & OTアレン・バーバー: すでにギロチンの刃の滑り落ちる音が聞こえていそうだ。生き残りに向けて、今夏のキャンプが最後のチャンス。
    • LGダリン・カレッジ & C/Gジェイソン・スピッツ: 2人とも契約最終年なので、たとえ今夏の争いに勝ち残っても、今年がパッカーズ最後の年となる可能性はかなりある。OT2人の入団でT.J.ラングが左ガードに挑戦しやすくなったのも痛い。イヴァン・ディートリック=スミスや新人ニューハウスの出来しだいでは、今夏トレードの可能性さえある。
    • LTチャド・クリフトン & RTマーク・タウシャー: 世代交代へのカウントダウンが正式にスタート。クリフトンは3年契約(詳細)、タウシャーは2年契約(詳細)を結んだが、その契約を全うできるのは先発の座を守れたときだけだろう。
  3. 両ディフェンシブエンド: 控えのレベルがやや低かったところへ、2巡指名マイク・ニールと7巡指名C.J.ウィルソンの入団でぐっと層が厚くなった。カレン・ジェンキンズとジョニー・ジョリーの両スターターとも契約最終年を迎え、来春は(少なくとも)どちらかがチームを去るはず。LB等と比べて育成に時間の必要なポジションだけに、球団は来年に備えて早めに手を打ったのだろう。
  4. 控えTE陣: 5巡指名でTEアンドリュー・クウォレスが入団。「残っている中で最高評価の選手だったから」という説明が本当だとすれば、控えTEたちにとっては不運。逆に説明がただの建前だとすれば、昨季スランプだったTEドナルド・リー(落球率14.6%)や、飲酒バイク事故のTEスペンサー・ヘイヴナーの立場が弱くなったことになる。
  5. RBアーマン・グリーン: 現在フリーエージェント。可能性は消えていないが、6巡指名RBジェームズ・スタークスの入団で再契約が遠のいたのはたしか。ただ、RBスタークスが即戦力になると決まったわけではない。

ホッとした選手たち

  1. OLBブラッド・ジョーンズ: 大物ルーキーが入ってくると覚悟していたら、逆にスターターの座を確約されたようなもの。今後FA補強の可能性は残っているが。しっかりバルクアップしてパスラッシュ力を強化してほしい。
  2. CB陣: 指名がなかったとはいえ、「粗削り組」と「病み上がり組」がひしめいていて、けっして人数は少なくない。ベストシナリオは、ベテランが衰えず、若手が伸びてくること。その逆はまずい。
  3. パンター陣: ドラフトでもドラフト外でも獲らなかったということは、今年の新人はレベルが低い、と見たからなのか(ドラフト外ルーキーに断られたのかもしれないが)。ともにNFL経験のないティム・マステイとクリス・ブライアンに争わせ、他球団からこぼれてくるパンターに目を光らせる、といった方針だろう。昨年とまったく同じことをやっている。
  4. WR陣: 2年連続で指名なし。リターナー指名がなかっただけに、ドラフト外ルーキーたちにもチャンス。もしプレシーズンでリターン能力をアピールできれば、5番手WR争いで一気に有利になる。
  5. QBマット・フリン: QBも2年連続で指名なし。今年もまたQBロジャース&QBフリン&プラクティス・スクワッド、という構成になるのではないか。
  6. Kメイソン・クロスビー: ライバルの入団がなく、プレシーズンでよほど不振に陥らないかぎり開幕スターターは間違いなさそう。
  7. ILB陣: 2年連続で指名なし。A.J.ホークとデズモンド・ビショップが契約最終年を迎えるが、ブランドン・チラーと契約延長しているのでさほど問題ないだろう。

2010年5月 7日

WRジェニングスが人気ドラマにカメオ出演

WRグレッグ・ジェニングスが人気ドラマ「クリミナル・マインド」にチョイ役で出演し、現地5日夜に放映された。ドラマの内容は、FBI行動分析課の捜査員たちが心理プロファイリングを中心にして凶悪犯を追い詰めていく、というもの。WRジェニングスは1シーンだけ科学捜査員として登場し(背中にforensicsと書いてある)、犯罪現場でちょっとした感想をもらす、といった役回りらしい。

撮影はこの3月に行われた。きっかけは2年ほど前。知人のCBSプロデューサーから同番組のプロデューサーを紹介され、いつか出てくれ、という話になっていたが、これまではフットボールの都合や妻の出産などでスケジュールが合わず、今回ようやく実現のはこびとなった。

「とにかく楽しかったよ。やっぱり本業はフットボール、と知らしめるつもりで行ったんだけど。キャストのメンバーもみんなすごくよくしてくれて、僕の演技がまともに見えるよういろいろ手伝ってくれた。僕の部分の撮影は2時間ぐらい。セレブ待遇なんて予想してなかったのに、ちゃんと僕用のトレーラーが用意されていて、ドアには "Head Lab Tech - Jennings" と役名が書いてある。そのシーンの撮影では、クルーが全員グリーンベイのアパレルを身に着けてくれた」

下のYouTube映像が、WRジェニングスの出演したシーン。その下のビデオ映像は、地元TV局のインタビューで出演体験を語ったもの。普通にしているとどうしてもニコニコしてしまうことを注意されたなど、共演したレギュラー出演者からアドバイスをもらったエピソードなどを話している。

2010年5月 5日

トライアウト参加の3選手と正式契約

ルーキーミニキャンプにトライアウト参加した29選手の中から、パッカーズは下表の3選手との正式契約を発表した。昨年はトライアウト参加選手の中から、CBトレヴァー・フォードがプラクティス・スクワッドを経てロースター入りを果たしている。

2010 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
WR Shawn Gore Bishop's (Canada) 6-0 200 4.50 CFLドラフトで全体10位指名
NT Aleric Mullins North Carolina 6-1 319 4.95 身体能力の高いノーズタックル
S Anthony Levine Tennessee State 5-11 195 4.48 プロデイでの各種タイムがすごい

2010年5月 4日

Rookie Minicamp Notebook

ルーキーミニキャンプでの話題をまとめて。

Bryan Bulaga Notebook

1巡指名のLTブライアン・ブラガ関連の話題から。

2010年5月 2日

ルーキーミニキャンプ

3日間のルーキーミニキャンプが始まった。とはいえ正式名称は"Rookie Orientation Camp"にすぎない。フィールドでの練習も行われるが、チーム練習の進め方、ミーティングやトレーニングなど新チームでの選手生活全般に慣れておき、全チーム集合したときにまごつかないようにすることが最大の目的。記者たちが見学できるのも初日だけで(ファン非公開)、ドラフト指名選手たちの練習フィールドでの評判が聞こえるのはもう少し先のことだ。

ルーキーミニキャンプ参加57名のリストはこちら。ドラフト指名選手7人、ドラフト外ルーキー11人、トライアウト参加のルーキー29人、それにドラフト以前からロースターにいた「1年目選手」たちも参加している。

写真集1写真集2

ドラフト外ルーキー11人と契約

パッカーズはドラフト外ルーキーとして下表の11選手との契約を発表した。そのほか今ルーキーミニキャンプにトライアウト参加しているルーキー選手が29人もいる。

2010 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
QB Noah Shepard South Dakota 6-2 223 4.76 ディビジョンI-AA校で同大新記録多数
RB Quinn Porter Stillman College 6-0 205 4.48 ディビジョンII校で昨季1247yds
WR Chastin West Fresno State 6-0 212 4.59 リターナーとして通算3TD 
WR Jeff Moturi UTEP 5-11 186 4.42 通算170キャッチ2527yds26TD
OT Chris Campbell Eastern Illinois 6-5 328 5.28 6巡か7巡との予想も
OG Nick McDonald Grand Valley State 6-4 316 5.21 ディビジョンIIのオールアメリカン
OLB John Russell Wake Forest 6-3 260 4.90 大学では主にDL
OLB Frank Zombo Central Michigan 6-3 254 4.75 通算25.5サック TEとして誘う球団も
OLB Tim Knicky Stephen F. Austin 6-4 251 4.68 大学ではDE 通算32.5サック
ILB Alex Joseph Temple 6-2 238 4.62 通算252タックル 
CB Sam Shields Miami 5-11 183 4.30 バカっ速いがCB経験1年

2010年5月 1日

Draft Notebook 7: DE C.J. Wilson

7巡23位(全体230位)指名のDE C.J.ウィルソン(イーストカロライナ大)について。