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2010年6月29日

A.J.ホークの目指すもの

プロ入り4年間、ILB A.J.ホークを表す形容詞といえば "Solid" に尽きるだろう。そしてその後にはたいてい "But, unspectacular" といった表現が続いてしまう。堅実で、基本に忠実な、ミスをしない、しっかりしたプレーヤー。普通ならばNFL選手にとって悪くない評価だろう。ただ問題は、ホークが1巡5位指名入団ということだ。1巡5位というのは、フランチャイズの歴史を変えるようなインパクトのある選手を獲得するための順位であり、無難で堅実な選手ではやはり期待外れなのだ。

そうしたもどかしさはホーク本人もコーチ陣も認めていて、もっと思い切ったプレーに出るべきかもしれない、と口を揃えている。「今年は僕にとって5年目だ。インパクトのあるビッグプレーをして試合の流れを変えたい。もちろん、これまでどおり安定感のある選手でありたいとは思う。でも今年はスキーム理解も進んだし、必ずしもヤマ勘で一発狙うのではないけれど、賭けに出られる状況であれば、ルートに飛び込んだり、これまでとは違ったことをしたい」

ウィンストン・モスLBコーチ。「コーチとしては、行くべき場所に行き、するべき仕事をするよう選手をコーチする。しかし率直に言えば、もし彼に何かが見えたなら、それに反応して思い切って動かなければならない。単純なことだ。何かを感じたり予測できたり見えたりしたら、枠から飛び出していかなければ。ただ、その感覚が正しくなければ困るが」

「彼がプロボウルの補欠に選ばれた時、私としては 『へえ、ほんとに? まあいいか』 という程度の反応だった。しかしシーズン後に徹底評価をしてみると、彼は求められた仕事を十分以上にこなし、大きなプレーもして、非常にタフで効果的なプレーをしていた。『彼は非常にしっかりしたシーズンをすごした』 というのが私の結論だった」

ILBニック・バーネットは相棒のことを次のように評している。「ただの1巡指名と1巡5位指名では全く違うエリアなんだ。5位指名選手となれば期待はものすごく大きい。でも彼は入団すぐからしっかりしたフットボールをしている。決してバストじゃない。上位指名でも全く使い物にならず3年で退団する選手をいっぱい見てきた。彼は結果を出しているし向上を続けてる。これ以上を求めるのはどうかと思う」

「これ以上を求める」といえば、エヴリダウンのインパクト・プレーヤーということになるだろうか。今年もホークは3rdダウンでサイドラインに退がると予想されているからだ。チームが契約延長をしたのも、彼でなくILBブランドン・チラーの方だった。ホークは来年$10ミリオンという非現実的なサラリーに跳ね上がるのに、これまでのところ契約延長の動きはない。つまり今年大きな成長がなければ、来春には解雇(または大幅ペイカット)となってしまうのではないか。

「僕としてはただ自分の力を出し切ってプレーしたい。これまではそれができなかったり安定してできなかったこともあった。大事なのは、とにかくインパクト・プレーを続けること。わかっているのはそういうことだ」

2010年6月26日

CBウッドソンが語る今年のオフシーズン

昨季肩痛に苦しんだCBチャールズ・ウッドソンだが、手術を受ける必要はなく、今ではもう何ともない。「調子はいいよ。去年よりいいぐらいだ」とウッドソンは言う。今オフはFSコリンズと一緒にフロリダ州オーランドでボクシングのクラスを受講した。「スパーリングをするわけじゃなく、ただエクササイズするだけ。でも上体を鍛えるから、肩を強化することにもなった。再発の予防にもなるはずだ。ボクサーの肩の使い方はすごいからね。これまでやった中で一番キツかった」

「ボクシングのおかげで体重も絞れた。去年までだってひどくオーバーウェイトだったわけじゃないけど、毎年オフに12ポンドぐらい増えた分をキャンプで絞って200ポンドのプレイング・ウェイトにしていたんだ。その目標体重にすでに到達しているだけでも大きい」

「パッカーズがスーパーボウル争いに加われない理由はない。すべては僕らしだいだ。常にハングリーさを保って勝利だけを目指す、そういう気持ちをロッカールームの全員が忘れないことだ。そうしてさえいれば必ずチャンスはある。大事なのはハングリーであり続けること。優勝以外のことを心配してばかりいたら、失敗するおそれは確かにあるよ。でもハングリーさを保って究極の目標に集中し続ければ、可能性は無限だ」

「スーパーボウル・リング。それ以外に何がある? ほかには何もないさ。リングがほしい。どうしてもね。それを手に入れるためなら僕はなんだってやる」

一流QB相手に歯が立たなかった昨季のディフェンスについて。「選手もコーチも昨季の敗戦から学んだ。ドム(ケイパースDC)はラボにこもって、ああした状況を打開する方法を探ってる、それは僕が保証するよ。だから今年はずっとよくなる。よくならなければならないし、そうでなければどこかがおかしいはずなんだ。僕らはこのシステムで1年過ごして、いろんな状況にぶち当たり、お互いのことがよくわかってきた。チームとしての特性もわかってきた。だから去年より向上しなければおかしい」

2010年6月25日

下位指名3選手と契約

パッカーズは5巡b指名のG/Tマーシャル・ニューハウス、6巡指名のRBジェームズ・スタークス、7巡指名のDE C.J.ウィルソンとの正式契約を発表した。詳しい内容はわからないが、通例からしていずれも4年契約と思われる。

リーグの規定により未契約のドラフト指名選手はロースター枠にカウントされず、正式契約を結んだところで初めてロースター枠にカウントされる。先日パッカーズは4選手を解雇(記事へ)して、ロースターは76人となっていた(RFAのSSビグビーは仮に契約下にあるものとして計算)。今回3選手と契約したことでロースターは79人。残り4人のドラフト指名選手と契約するためには、あと3人を解雇しなければならない。

2010年6月24日

Minicamp - Day 2: 新人SSバーネット好評

2010年6月23日

Minicamp - Day 1: CBウィリアムズ合流

全員参加のミニキャンプ初日は、雲ひとつなく、汗ばむほどの陽気に恵まれた。

2010年6月21日

Notebook: 労使トップがパッカーズ株主総会へ

2010年6月20日

マーフィ社長が諸問題を語る

パッカーズのマーク・マーフィ社長兼CEOがNFL Networkのインタビューを受け、労使交渉の現状などについて語った。マーフィはかつて選手側で交渉を行った経験があり、それもあって今回の労使交渉で重要な役割を担っているため、彼の発言内容が注目されている。今回はシーズン18試合制の問題に加え、IR制の変更や育成リーグの設立やオフシーズンの負担軽減など、興味深い発言がいくつもあった。

Q. レギュラーシーズンの大きな変化(試合増)は2012年?

「そう、早くても2012年だね。我々オーナーは1年以上にわたってこのことを話し合ってきた。レギュラーシーズン、ポストシーズン、コンバイン、ドラフトといった(充実した)流れを見渡したとき、際立っているのはプレシーズン(のつまらなさ)だ。ファンはプレシーズンゲームを好まない。プレシーズンにはあまり価値がなく、『選手にとってもチームにとっても、準備に4試合は不要ではないか』 と我々の多くが考えている。それに対して何が変えられるかを検討している」

「 『プレシーズン3試合・レギュラーシーズン17試合制』 も検討してきたが、いま勢いを得ているのは 『プレシーズン2試合・レギュラーシーズン18試合制』 の方だ。率直に言って、選手側と合意する道もあると私は考えている。試合を増やすことによって収入を増やすことを選手側と検討している」

Q. 試合を増やすと聞けば、コーチたちは選手数の増加を望むのでは? どういった方策を?

「今オフを通じて選手会と話し合い、プラクティス・スクワッドやアクティブ・ロースターの人数を増やすことなど、彼らの意見を聞いてきた。我々はまた、インジャリー・リザーブ(以下IR)のルールも見直すことになるだろう。以前は、いったんIRに入っても一定の期間が経てば復帰できた。たしか6週間だったと思うが。そうしたルールを復活させれば、チーム側も多少のフレキシビリティが得られるかもしれない。(試合数が増えれば)必要性はより高くなるからね。ゲームをより安全にするために何ができるかも、選手側と話し合っていきたい」

Q. 選手の安全といえば、パッカーズは過去3年でIR入り31人、昨季はCBハリスとOLBキャンプマンを第11週に失いました。2試合増えるのは多すぎるとファンも選手も考えています。(脳震盪の防止など)選手の安全を強化するコミッショナーの取り組みとも矛盾するのでは?

「この分野では選手側と利害が一致している。我々はフットボールができるだけ安全になるようあらゆる努力を惜しまない。ケガはフットボールにつきもの、というのが現実ではあるが、我々はそれを最小限にしたい。CBハリスとOLBキャンプマンの話が出たが、あの2つはノン・コンタクトでの負傷だ。相手にヒットされたわけではないのにヒザを壊した。シーズン中の消耗だけでなく、オフシーズンから彼らにかかる負担が大きすぎたせいではないか、という疑問も生じる。シーズンを通して選手たちを健康に保つために我々は何ができるか、考えている」

「いっぽう、(プレシーズンが減るので)コーチたちは 『若い選手を育てる必要もある。よいNFL選手に育てる環境を若手に与えたい』 と思うだろう。そこで我々はこのところ、育成リーグ設立の可能性を話し合っている。かつてのNFLヨーロッパは、若手育成という意味で大きな利点があった。とくに心配が大きいのは若いクォーターバックの育成だ。彼らは実戦経験を必要としているし、とくにクォーターバックとオフェンシブラインマンに経験を積ませることが焦点になるだろう。育成リーグを作ることができれば、若い選手の育成とともにコーチやオフィシャルを育てることもできる。春だけでなく秋にもゲームをすることは、リーグ全体にとって有益だろう」

Q. オフシーズンの負担、というのはOTAを減らすこと? それとも、実質的に強制参加に近くなっている"自主参加"練習の問題を解決すること?

「その両方を検討しなくてはならないと思う。我々はオフシーズンに選手に多くを求めている。私としては、身体面の消耗だけでなく、選手たちが各自でしているトレーニングのことも心配だ。彼らのトレーニングについて、チーム側はしっかり目を光らせていなければならない」

「長期的視野に立って、選手たちが学位を取ったり(マーフィは現役時代にロースクールを出た)、フットボール後の人生のため、別の仕事の経験を積むのに十分な時間を与えてやりたいと私は思っている。選手全員がフットボール後の人生を考え始めることは、引退後の変化に備えるうえで非常に有益だと思う」

Q. 私が話を聞いた選手たちは、同じ年俸を16週でなく18週で割るのでは割に合わない、もっと金が欲しいと言います。シーズンが延びることで選手たちの報酬面は?

「これは交渉のテーブルで説明することだが、(試合増に応じた)システムはできあがっている。我々は彼らのパートナーだ。両者は収入を分け合っているし、『4試合・16試合制』 から 『2試合・18試合制』 への変更により、収入はかなり増えると我々は見込んでいる。両者がその増収を分け合う、というコンセプトだ。今でも我々は20試合を行っている。それを組み替えることによって全体の収入を増やすことができ、選手側もそれをパーセンテージで受け取ることになる」

Q. 育成リーグ、IR制の変更、ロースター枠の拡大、といった話題が出ましたが、選手会側の反応はあなたから見ていかがです?

「それは彼らに直接聞いた方がいい。私はデモーリス(スミス選手会事務局長)たちの代わりに話すことはしたくないが、さきほど言ったように、彼らも我々と同じ懸念を抱いている。(試合数の増加が)選手たちの安全とケガに対してどのような影響を与えるか。この変更がもたらすケガの増加を最小限に留めるために、彼らと取り組んでいきたい」

Q. 労使交渉の現状は? 5月のシンポジウムにおいて、あなたは「ストライキの可能性はない。あるとすれば(オーナー側の)ロックアウトだ」と言いましたが、その真意は?

「まず第一に、労使協定の失効まであと9か月あり、それまでに合意に達することができると我々は楽観している。フットボールを大きく育て、ゲームへの関心をより大きくする、といった課題に共に取り組んでいくほど、合意に達する可能性も高くなるだろう。選手会がストライキの相談をしているとは私は思わない。我々の側も、期限切れまでに交渉がまとまるようあらゆる努力をする、それが最優先事項だ」

Q. あなた個人についてですが、いまこうしてNFLの運営委員会に加わり、かつて自分がいた選手会をテーブルの反対側から見るのは感慨深いのでは?

「昨年夏にワシントンDC(の選手会本部)で会議があって、我々はエド・ガーヴェイの名のついた会議室に入り、会議前にすこし自由時間があった。見回すと、過去数十年間の選手会の記念写真が飾られていた。1982年の労使交渉の写真もあって、私が選手会の側でテーブルについていた。それは感慨深かったよ。しかし最終的には、我々は同じものを求めているんだ。選手たちもオーナーたちも、このリーグにとって最善のことをしたい。NFLは驚異的なスポーツ・リーグであり、今後もそうあり続けたい、その考えは誰もが同じだ。私のように選手経験があり、選手会で働いた経験もある人間がこちら側にいるのは有益なことだと思う。私は選手の視点で見ることができ、そのことは期限切れまでに交渉をまとめるのに役立つはずだ」

2010年6月19日

4選手を解雇

パッカーズはCBトレヴァー・フォード、Sカリル・ジョーンズ、QBノア・シェパード、OLBティム・ニッキーの4選手の解雇を発表した。

CBフォードは昨年ドラフト外で入団、CBハリスの戦線離脱にともなってプラクティス・スクワッドからロースター昇格し、3試合に出場した。出場経験のある選手を今の時期に解雇するのは、パット・リー、ブランドン・アンダーウッド、ジョシュ・ベルといった若手CBの成長に自信があるためだろう。Sカリル・ジョーンズは昨年12月にWRとしてプラクティス・スクワッドに加わり、今年に入ってセーフティにコンバートされていた。あとの2人はどちらも今春のドラフト外入団選手。

QBノア・シェパード(サウスダコタ大)は、先月19日にQBグレアム・ハレルが入団したため押し出された形。これでQB陣は3人だけとなった。(今後補強がないかぎり)今夏のキャンプではポジション争いはなく、3番手のQBハレルをロースターに残すか、解雇してプラクティス・スクワッドに入れるか、というだけの判断になりそうだ。

DEジョニー・ジョリーとCBトラモン・ウィリアムズがRFA契約にサインしたことで、前日の時点でパッカーズのロースターは79人となり、未契約のSSビグビーがサインすれば80人枠いっぱいとなる。ドラフト指名選手(未契約の間はロースター枠にカウントされない)と契約するには、そのぶん誰かを解雇しなければならない。今回の解雇はドラフト指名選手との契約の準備といえる。

2010年6月18日

OTA Notebook: 公開練習最終日

今年のOrganized Team Activities(OTA)で最後の公開練習が行われた。

2010年6月17日

DEジョリーがRFAテンダーにサイン

未契約RFA(制限付きFA)だった3選手のうち、DEジョニー・ジョリーがパッカーズからのテンダーオファーにサインした。規定により6月15日になると球団側はテンダーオファーを「前年サラリーの110%」に減額することができるためだ(3選手の差額リスト)。DEジョリーは減額されれば$2ミリオン近くを失う恐れがあり、しかも裁判を控えていて契約延長の望みがないので、ついに年具の納めどきが来たということだろう。

残る未契約RFAはSSアタリ・ビグビーとCBトラモン・ウィリアムズの2人。Journal Sentinel紙の最新情報によると、CBウィリアムズの代理人はサインした書類をすでに球団側に送ったらしい。リーグの契約リストにはまだ表れていないが、情報が本当であれば、あとは正式な手続きを待つだけだ。

球団側がオファーを減額できるのは15日深夜0時(東部時間)から24時間の間だけで、元のオファーのまま据え置くことも自由。Journal Sentinel紙によると、直前にパッカーズは3選手に対し「サインしなければ減額する」と最後通告を行った模様だが、SSビグビーとCBウィリアムズに対して実際に減額したかどうかは判明していない。しかしCBウィリアムズが本当にサインしたとすれば、おそらく減額前のオファーだろう。

SSビグビーは差額が$5万ドルほどしかないので、サインせず粘っても失うものは小さい。しかし彼が今年中に契約延長してもらえる可能性は低く、チーム合流が遅れれば新人SSモーガン・バーネットにつけいる隙を与えるだけなのではないか。

2010年6月14日

WRドライバーがヒザ痛を振り返る

WRドナルド・ドライバーは1月に両ヒザの関節鏡手術を受け、まだOTA練習への参加は自重しているものの、いまのところきわめて順調だという。昨季は両ヒザの痛みだけでなく、柔軟性にも問題が出ていた。しかしそのことを知っているのはチーム・スタッフだけで、メディアだけでなくチームメイトにも内緒だった。34歳でパスキャッチ70回1061ydsを挙げ、外から見ると立派なシーズンだったが、いま振り返ると、ベンチでヒザを温めるためにラップしている場面が何度もあった。

「もうドクターからの復帰許可は下りているんだけど、コーチたちからは、まだチーム練習は自重するようにと言われてね。ただ、チームの士気のために出席はしてくれということで、チャールズ(ウッドソン)たちと一緒にワークアウトをしてるんだ。まあ高齢者向けプログラムってことだよ(笑)」

「手術前は右ヒザの柔軟性がなくなってしまい、曲げることも、しゃがむことも、太もものストレッチのために足首を後ろに反らすこともできなかった。いまはすごくいい調子だよ。 『25歳に戻ったみたいだ』 とトレーナーにも言われる。手術を受けたのは40歳までプレーするためだ。僕はキャリアをあと5年延ばしたい。もっと早く手術を受けておくべきだったよ。こんな調子で2年か3年、痛みを我慢してきたからね。いまはジャンプもできる、しゃがむこともできる。これまで何も言わなかったのは、たいしたことじゃないと思ったからだ。僕はもう大丈夫だよ」

2010年6月11日

CBブランドン・アンダーウッド続報

CBブランドン・アンダーウッドはレイプ容疑で先週末に事情聴取(記事へ)を受けたが、いまだに逮捕も送検も起訴もされていない。というのは、被害者女性2人の証言が、最初は「パッカーズ選手複数に」だったのが「アンダーウッド1人に」と変わるなど一貫性を欠き、その他の証言との食い違いが大きく、立件が難しそうだからだ。警察署長も「送検はしても起訴は勧告しない」とはっきり語っているほど。

いっぽうで、CBアンダーウッドとその女性2人の間に金銭の受け渡しがあったことを警察側は明らかにした(ありていに言って娼婦だったのだろう)。そのため、仮にレイプ容疑が晴れたとしても、買春勧誘行為(ずっと軽いが)で訴追されたりNFLから処分を受ける可能性は残る。また、女性の1人が(ことの間に)CBアンダーウッドの金を盗み、そのためコンドミニアムから放り出された、という報道もある。だとすれば盗みをごまかすためのレイプ騒動なのでは、との疑惑も指摘され始めている。

今週もOTAに参加しているCBアンダーウッドは、チームに迷惑をかけたことをチームメイトの前で謝罪。地元メディアに対しては、「法的問題の最中なので、この状況について声明を発表したり質問に答えたりすることはできない。みなさんの仕事だということはわかっているけれど、僕はただ、チームメイトを巻き添えにしてしまったこと、騒動でチームに迷惑をかけたことを謝罪したい」と言葉少なに語っている。

同期入団のOLBクレイ・マシューズはミーティングの様子を次のように話している。「チームメイトだけでなく、一緒に名前の挙がった選手とその家族にも迷惑をかけた、と謝罪してくれた。率直に言って、彼はやるべきことをしたと思うよ。僕は彼の謝罪を受け入れた。名前の挙がった他の選手はわからないが、心からの謝罪であると僕自身は思った」

水曜の練習の前には、マイク・マッカーシーHCがチーム全員に対して私生活の話をした。「フットボール以外で新聞に載ることがあまりに多すぎる。グリーンベイ・パッカーズ球団を代表するにふさわしい行動を取ることは、我々ひとりひとりの責任であり義務だ。我々が下す全ての判断に、必ず結果が伴う。そして今回は悪い判断があり、我々はこうした状況に置かれている。(学生でなく)プロフェッショナルなのだから、すべてコーチ任せ、ということは許されない。我々は理由があってこうしてNFLにいるのだ。だからプロフェッショナル・アスリートに、プロフェッショナル・マンでいなければならない」

OTA Notebook: DEハレルが1stチームに

今年のOrganized Team Activities(OTA)で3回目の公開練習。強い風が吹き、QBたちには気の毒なコンディションだった。

2010年6月 8日

チャリティ・ソフトボールゲーム

毎年恒例、WRドナルド・ドライバー主催のチャリティ・ソフトボールゲームがアップルトンのFox Cities Stadiumで開催され、パッカーズ選手たちを見るために7100人以上のファンがつめかけた。スライディングやダイビングキャッチなど、ケガが心配されるほどのハッスルプレーに試合は盛り上がり、今年はオフェンスチームが30-18で快勝を収めた。

収益金はドナルド・ドライバー財団を通じてウィスコンシン、テキサス(故郷)、ミシシッピ(母校アルコーン州立大がある)のホームレス家庭や貧しい学生への奨学金などにあてられる。またドライバーはこの場で、ウィスコンシン州スペシャルオリンピックスへの$2万ドルの寄付も発表している。

2010年6月 7日

性的暴行容疑でCBアンダーウッドを取り調べ

5日未明、ウィスコンシン州レイク・デルトンのゴルフ・リゾートで2人の女性がパッカーズ選手から性的暴行を受けたと訴え、CBブランドン・アンダーウッドが取り調べの対象となっている。警察によると、CBアンダーウッドは性的行為があったこと自体は認め、合意の上だったと主張しているとのこと。

事件が起きたのは土曜午前3時から4時の間、ゴルフ・リゾートのレンタル・コンドミニアムでのこと。OLBマシューズ主催のチャリティ・ゴルフ・トーナメントが当地で開催されたため、アンダーウッドを含む7選手が訪れてパーティをしていた。CBアンダーウッドがこの女性たち(ミルウォーキー在住の31歳と33歳)とバーで出会ってパーティに呼んだらしい。

CBアンダーウッド以外にも、QBフリン、FBホール、RGシットン、OLBマシューズ、OLBブラッド・ジョーンズ、Sカリル・ジョーンズの6選手が事情を聴かれたものの、容疑者ではなく、すぐに放免となった。肝心の容疑者の名前が謎だったが、数時間経ってCBアンダーウッドであることが関係者筋から明らかになった。(警察も球団も未発表のまま)

「他の6人は関係なかったと我々は考えている。7人目(アンダーウッド)は2人の女性と接触があった。そのことは我々は確信している。誰もが捜査に協力的だった。結局のところ、『合意の上でのセックスだったか』 が問題となる。一方はそうだと言い、一方はそうでないと言う」と巡査部長は説明している。アンダーウッドは事情聴取を終えて解放されたが、捜査対象でなくなったわけではない。関係者からの聴取はこれ以上しない予定で、月曜に地方検事に送り、起訴するかどうかはそこで検討されるとのこと。

今回の捜査を受けてパッカーズ選手数人は、CBアンダーウッドは昨年の入団時から問題児だった、と匿名でJournal Sentinel紙に話している。今後の成り行きがどうなるかはわからないが、QBロスリスバーガーのようにたとえ不起訴であってもNFLから出場停止処分を受けることもある。ディフェンスで最も成長が期待されていた本人へのダメージはもちろんのこと、7選手が集まったパーティでのトラブルではチームのイメージダウンも避けられそうにない。

2010年6月 4日

OTA Notebook: CBアル・ハリスが合流

Organized Team Activities(OTA)が始まって2回目の公開練習。途中から雨が降ってきたが、そのまま最後まで屋外で練習を続けた。

2010年6月 2日

心を入れ替えるTEフィンリー

TEジャーマイケル・フィンリーはプロ2年目の昨季、出場13試合でパスキャッチ55回676yds、5TDを挙げ、プレーオフのARI戦では6回159ydsの大活躍を見せた。「僕はすべてが欲しい。リーグ最高のタイトエンドになりたい。最高の父親、最高の夫、最高のチームメイトになりたい。人々がジャーマイケル・フィンリーを見て、『あれこそパッカーだ』 と言うようになってほしい。それが僕の目標だ」

しかしそうなるためにはオフフィールドでの成長が重要だと彼は覚悟している。ひどい失敗をやらかしたわけでは決してない。逮捕されたことも、薬物違反を犯したこともない。チームは全体としてはこの2年間の彼の成長に満足し、さらなる飛躍に期待している。しかしこれまでの自分に失敗があるとすれば、それは愚かで未成熟だったことだとフィンリーは言う。

どう愚かだったのかと聞かれ、彼が明らかにしたのは次のような行状だ。昨年はミーティング遅刻が6回。プレーオフ前夜も門限違反を犯した。トレーニングキャンプ中も(3マイル離れた)自宅のベッドで寝るために合宿を抜け出している。

「よくいる若造だった。自分は大物だと思っていたんだ。キャンプではちょっと息抜きをしようとして、それがバレてしまった。すごく大きな失敗だったよ。その負い目があったから、頑張ってプレーしなきゃいけなかった。ほんとうにバカだった。コーチ全員が知ってるよ。チームの誰もが知ってる。それに僕はチームに対して必ずしも正直じゃなかった。口先だけで反省を口にする、そんな人間だった」

◆ ◆ ◆

このオフに彼が犯した愚行といえば、尊敬されている代理人ブレーク・バラッツを解雇し、評判の悪いメイジャー・アダムズの元に戻ったことだ。NFL関係者の評判では、アダムズの指導が悪かったせいでフィンリーは2008年コンバインで失敗して指名順位を下げたらしい。なのにバラッツをクビにして、アダムズの指導のもと、テキサスでQBヴィンス・ヤング(テキサス大のチームメイト)らとトレーニングしたりしていた。

「でも目が覚めたよ。オレは何をやってるんだろうって。ブレークを離れてメイジャーの元に舞い戻り、(テキサス州)オースティンに行ったのは大失敗だった。なんてバカだ。正しい道からそれほど逸れなかったのは幸運だった。そしてグリーンベイに戻り、今はすごく集中してやっている」

ブレーク・バラッツ代理人は、こうしたフィンリーに振り回されるのを嫌がり、しばらく渋ってからようやく再契約を受け入れた。耳に快い話を顧客に吹き込むのではなく、本人のために言うべきことを言うタイプだからだ。「私にとっては単純なイエスかノーの問題じゃないんだ。ジャーマイケルを助けたい気持ちはたしかにあるが、心底から望んだ契約でなければ。彼が人生すべての面で自分を変える心構えが固まっていなければならない」

フィンリーは言う。「僕は子供の頃から、常に注目されチヤホヤされてきた。NFLに入ってもそれを求めたけれど、1年目を過ごして、これは大変な仕事だと気がついた。2年目はかなり気合いを入れたのはたしかだ。以前の僕は、フィールド上で活躍すればなんでも許されると思っていた。でも、目標に到達するにはフィールド外での行いこそ大事だ。今はそれが理解できる」

◆ ◆ ◆

心を入れ替えた彼が行ったのは、"チーム・フィンリー"を組み立て直すこと。この2ヶ月ほどの間に、マッカーシーHC、トンプソンGM、ラス・ボール交渉担当、チームの世話役ロブ・デイヴィス(昨日の記事参照)、ベン・マカドゥーTEコーチといった人々と一対一でじっくりと話し合った。彼らに対してこれまでの悪行をすべて白状し、行いを改めると誓った。

「すべてを洗いざらい話したよ。2010年シーズンにはリーダーの1人になってプロボウラーになり、スーパーボウル・チャンピオンになりたいと思うからだ。それが起こせる男だと知ってほしいからだ」

それから妻のコートニーとの関係も築き直した。代理人と同じく、耳の痛いことも怖れずに言う女性だ。「今のような行動は気に入らない、もしそれを続けるなら私は一緒にいられない、と言われたよ。そんなのまっぴらだからね。今は自分の周りによき人々を集めようと努力してる。それが僕を成功へと導く道だ」

◆ ◆ ◆

プロ3年目を迎え、そろそろ大型の契約延長が視野に入ってきている。「チームがどんな選手を望むかはわかっている。グレッグ・ジェニングス、アーロン・ロジャース、ニック・コリンズ、ライアン・ピケット。僕はグリーンベイにいたい。家族を養うのに素晴らしい街だし、これほど素晴らしいファンに恵まれたことはこれまでなかった。ここで長く長くプレーする自分が想像できるよ」

「こうしたことを話す僕に対し、『それは素晴らしい。こうしてくれて我々はとても喜んでいる。しかしこれからは、それを行動で示さなければならない。人が判断するのは言葉ではない、行動なのだから』 というのがチームからのメッセージだった。僕はこの2ヶ月間そのとおりにしている。ずっとここでワークアウトをして、仲間と遊び歩くこともない。今後もそれを続けていく」

「僕を信頼できる、信じることができる、とファンに思ってほしい。"若く未熟なフィンリー"はバカだった。"ニュー・フィンリー"は、仕事に通い、すべきことをし、球団やファンが期待したとおりの選手になる。僕は準備ができている。成功を収め、次のレベルに進むべき時だ」