グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年5月 9日

Packers' Draft Consequences

既存の選手たちから見たドラフトの結果をざっとまとめてみる。個々の選手からみて「立場が苦しくなった」というのは先発争いのレベルが上がったということなので、チームにとっては喜ばしいこと。その逆に「ホッとした」選手たちのポジションは、補強に手が回らなかったのでよくない。

立場が苦しくなった選手たち

  1. SSアタリ・ビグビー: SSモーガン・バーネットが3巡指名され、先発交代の可能性が最も高いルーキーと見なされている。セーフティコーチのダレン・ペリー自身がSSバーネットに惚れ込んで指名に至った模様で、できれば先発の座を奪ってほしい、という気持ちが口ぶりから伝わってくる。SSビグビーは今年が契約最終年なので、先発争いで敗れた場合、来春は移籍となりそう。
  2. オフェンシブライン: LTクリフトンとRTタウシャーが再契約し、ただでさえデプスが確保されていたところへ、1巡指名LTブライアン・ブラガと5巡指名T/Gマーシャル・ニューハウスが入団してきた。
    • OL9人枠とすると、順当ならば昨季の先発5人にLTブラガ、C/Gスピッツ、T/Gラングまではロースター入りが固い。最後のイスを残りの選手たちで争うことになる。
    • OTブレノ・ジャコミニ & OTアレン・バーバー: すでにギロチンの刃の滑り落ちる音が聞こえていそうだ。生き残りに向けて、今夏のキャンプが最後のチャンス。
    • LGダリン・カレッジ & C/Gジェイソン・スピッツ: 2人とも契約最終年なので、たとえ今夏の争いに勝ち残っても、今年がパッカーズ最後の年となる可能性はかなりある。OT2人の入団でT.J.ラングが左ガードに挑戦しやすくなったのも痛い。イヴァン・ディートリック=スミスや新人ニューハウスの出来しだいでは、今夏トレードの可能性さえある。
    • LTチャド・クリフトン & RTマーク・タウシャー: 世代交代へのカウントダウンが正式にスタート。クリフトンは3年契約(詳細)、タウシャーは2年契約(詳細)を結んだが、その契約を全うできるのは先発の座を守れたときだけだろう。
  3. 両ディフェンシブエンド: 控えのレベルがやや低かったところへ、2巡指名マイク・ニールと7巡指名C.J.ウィルソンの入団でぐっと層が厚くなった。カレン・ジェンキンズとジョニー・ジョリーの両スターターとも契約最終年を迎え、来春は(少なくとも)どちらかがチームを去るはず。LB等と比べて育成に時間の必要なポジションだけに、球団は来年に備えて早めに手を打ったのだろう。
  4. 控えTE陣: 5巡指名でTEアンドリュー・クウォレスが入団。「残っている中で最高評価の選手だったから」という説明が本当だとすれば、控えTEたちにとっては不運。逆に説明がただの建前だとすれば、昨季スランプだったTEドナルド・リー(落球率14.6%)や、飲酒バイク事故のTEスペンサー・ヘイヴナーの立場が弱くなったことになる。
  5. RBアーマン・グリーン: 現在フリーエージェント。可能性は消えていないが、6巡指名RBジェームズ・スタークスの入団で再契約が遠のいたのはたしか。ただ、RBスタークスが即戦力になると決まったわけではない。

ホッとした選手たち

  1. OLBブラッド・ジョーンズ: 大物ルーキーが入ってくると覚悟していたら、逆にスターターの座を確約されたようなもの。今後FA補強の可能性は残っているが。しっかりバルクアップしてパスラッシュ力を強化してほしい。
  2. CB陣: 指名がなかったとはいえ、「粗削り組」と「病み上がり組」がひしめいていて、けっして人数は少なくない。ベストシナリオは、ベテランが衰えず、若手が伸びてくること。その逆はまずい。
  3. パンター陣: ドラフトでもドラフト外でも獲らなかったということは、今年の新人はレベルが低い、と見たからなのか(ドラフト外ルーキーに断られたのかもしれないが)。ともにNFL経験のないティム・マステイとクリス・ブライアンに争わせ、他球団からこぼれてくるパンターに目を光らせる、といった方針だろう。昨年とまったく同じことをやっている。
  4. WR陣: 2年連続で指名なし。リターナー指名がなかっただけに、ドラフト外ルーキーたちにもチャンス。もしプレシーズンでリターン能力をアピールできれば、5番手WR争いで一気に有利になる。
  5. QBマット・フリン: QBも2年連続で指名なし。今年もまたQBロジャース&QBフリン&プラクティス・スクワッド、という構成になるのではないか。
  6. Kメイソン・クロスビー: ライバルの入団がなく、プレシーズンでよほど不振に陥らないかぎり開幕スターターは間違いなさそう。
  7. ILB陣: 2年連続で指名なし。A.J.ホークとデズモンド・ビショップが契約最終年を迎えるが、ブランドン・チラーと契約延長しているのでさほど問題ないだろう。
カテゴリ : Draft, Player