グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年5月17日

TEクウォレスを大学コーチが熱烈に擁護

5巡a指名のTEアンドリュー・クウォレスは、過去のトラブル歴(記事へ)がたたって指名順位を下げた、というのがもっぱらの評判。それについて、昨年まで彼を教えたペン州立大TEコーチのビル・ケニーは強い憤りを表明している。"ドラフト専門家"などは「フィールド外での問題」と決まり文句を繰り返すばかりで、本当の姿を知ろうとしない、知りたいのならなぜ指導した自分に聞きに来ないのかと。「いいかい私はね、アンドリューのためなら焼けた炭の上だって歩いてやる」

未少年飲酒から始まるトラブル歴をインタビュアーが説明し始めると、キニーTEコーチがさえぎった。「君は大学へ行ったんじゃないのか? 大学では飲まなかったのか?」 たしかに。

クウォレスはレッドシャツ(いわば練習生)を経ず大学1年目に先発TEとなったため、18歳の誕生日より前に名門ペン州立大のスター選手となっていた。本人も認めるように、精神的な未熟さと思い上がりがトラブルの遠因だった。「今にして思えば、1年目はレッドシャツにさせておきたかった。しかしそうするには才能がありすぎた」とケニーTEコーチは振り返る。

最初のオフシーズンに未成年飲酒で逮捕。2年目を終えた2008年3月には、チームメイトを送る途中で飲酒運転で逮捕。ケニーTEコーチによると、血中アルコールレベルは法定制限値の約半分の0.04%にすぎなかったが、彼の場合は未成年飲酒なので逮捕されても仕方がない。本人がジョー・パターノHCに懇願してかろうじて退部処分は避けられ、長い謹慎処分となった。

追い打ちをかけるように、2008年9月には彼のアパートメント(チームメイト数人で共有)でマリファナが発見され、1試合の出場停止処分。マリファナは彼の物ではないと証明され、事件翌日の薬物検査でもシロ。それでも、チームに迷惑をかけたうえ家族まで白い目で見られたことにクウォレスは深く傷ついた、とケニーTEコーチは言う。

「私は彼と長時間の話し合いをして、彼はアルコールをやめる努力を心から誓い、ずっとそれを守った。決してアルコール依存の問題があったわけじゃない。アルコールこそ自分を再びトラブルへと導く道だ、と彼が思い知ったからだ。しかし彼はとてもいい子だ。ペン州立大での後半2年間、彼はアルコールにまったく触れてもいない。私はここで23年間教えているが、彼はその中で最高のタイトエンドの1人だよ。あらゆる点で素晴らしい若者だ。私には息子が2人いるが、彼らがアンドリューのように育ってくれたら私は幸せだ」

「私に言わせれば、世間の連中は彼のことをロクに調べていない。好きなように言えばいいさ。しかしグリーンベイ・パッカーズはしっかりと調べた。見事な仕事ぶりでアンドリューのことを調べ、厳しく吟味し、その上で彼の現状、個性、人柄といったものをよく把握した。カイパーだのマクシェイだのといった連中は、なにひとつわかっちゃいない」

「現在の彼のことではなく、17歳や18歳の頃にしでかした事を元に判断を下す、彼らがやっているのはそういうことだ。だってああした経験をするのが大学というものだろう。経験から学んで自分を向上させるのが大学というものだ。学業のことだけでなく、人付き合いや人間的成長の面でもね。アンドリューが大学4年間に示した成長の大きさについて、私はとても誇らしく思っている」

フィールド上でのクウォレスは典型的なレシービングTE、という評判について。

「選手としての彼に関して私がもっとも誇らしいのは、テクニック的な部分だけでなく彼がTEとしての体づくりに打ち込んでくれたことだ。若い選手にはつきものだが、彼も走ってボールをキャッチするのが大好きだ。シーズン40回もパスが来れば喜ぶだろう。しかし同時に、彼はDEやストロングサイドLBを相手に大喜びで戦うし、非常にフィジカルなプレーヤーだ。彼はキャリアを通じて、(フィジカルな)ビッグ10カンファレンスでそれを証明してきた。私はカイル・ブレイディトロイ・ドレイトントニー・スチュワートジョン・ギルモアといった選手たちを教えてきたが、彼はそのトップにいるよ」

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