過去の記事 2003年12月 全文表示 (リスト表示はこちら)
2003年12月31日
パッカーズは先週の土曜日に、DTグレイディ・ジャクソンとの契約を2年延長した。契約ボーナスは$750,000で、インセンティブを含めると総額$3ミリオンほどになるようだ。インセンティブは、成績によるものに加え、体重のコントロールによるものも含まれている。「チームに残れて嬉しい。フットボールをするには素晴らしい場所だからね。まさにフットボール・カントリーだ。伝説のランボーの一部であると感じられるのはいい気分だ」とジャクソン。
彼のような巨漢ノーズタックルの需要は大きく、FA市場に出ればある程度の人気を集めることは確実。パッカーズのディフェンスがシーズン中盤から急速に良くなったのは彼の加入のおかげ、というのは衆目の一致するところだ。ラン守備だけでなくパスラッシュでも彼の存在は大きく、彼がダブルチームを引き付けるために、最近はDEバジャ=ビアミラやDTハントのラッシュが活きてきた。片腕でのプレーを続けるDTギルバート・ブラウンに敬意を払いながらも、来季以降のことを考えれば、ケガがちのブラウンにもうこれ以上頼る気になれないのが本音だろう。
DTジャクソンの代理人は、QBファーヴと共通のバス・クック。クックはファーヴ一家のスポークスマン役も果たしており、今回の交渉も、パッカーズのブラント交渉担当がファーヴ父の葬儀にミシシッピに赴いた時に進められた。レギュラーシーズン終了直前に契約を結んだのは、こうすれば契約ボーナスのキャップヒットを、2年間でなく3年間に分散させることができるからだ。心配なのはプレーよりも、体重のコントロールや規律面での問題だが、そのあたりはインセンティブで保険をかけたということのようだ。
- フロント再建を図るドルフィンズのGM職の有力候補に、元パッカーズGMのロン・ウルフの名前が挙がっている。パッカーズは2001年春に彼が引退した時に、顧問として3年契約を結び、いわば「捨て扶持」を払ってきた。2002年春にファルコンズのGMのオファーを受けたが、契約直前まで行って断ったこともある。その時にはパッカーズは代償としてドラフト指名権を要求したが、今回は契約が切れる直前、ということもあって、ドルフィンズにウルフと交渉する許可を与えたようだ。ウルフ自身はこれまでどおり、「引退生活に満足している」とのコメントを繰り返しているが、条件次第ではわからない。ただ最低でも、ヘッドコーチの首をすげかえることも含めた人事の全権を与えられなければ、就任はしないだろうと見られている。
- パッカーズの2004年のドラフト指名順は、いまのところ24位。正式に決まるのはプレーオフの成績しだい。
- DEチューキー・ウォコーリーは手首を骨折してしまったため、シーホークス戦では大きなキャストをつけてドラえもん状態でのプレーとなる。LGウォールも同様。
- CBマイク・マッケンジーは少なくとも水曜日の練習は休み、復帰するのは木曜日か金曜日。
- DTギルバート・ブラウンはヒザの腫れのためにブロンコス戦を欠場したが、無理をすれば出られる状態ではあった。しかしブロンコスの得意な足元へのカットブロックを受けて悪化させることのないよう、大事を取ったとのこと。
- ふくらはぎの筋肉を痛めたLBウィルキンズは、"doubtful"とのこと。
- プレーオフ出場が決定した日曜の夜から発売された13,000枚のチケットは、月曜の午後3時には売り切れた。
- プレーオフをホームで開催するといっても、チケット売り上げはいったんNFLに吸い上げられてしまうため、チーム側の増収分はさほどでもないらしい。それよりも大きいのは、ホテルやレストラン、グッズ販売など、地元経済への影響だ。「市や郡にとって、非常に大きいと思う。見てみるといい。試合の翌日だというのに、アトリウムは人で溢れ、駐車場もいっぱいだ」とハーラン社長。
- 大逆転劇で一躍パッカーズファンの心をつかんだカーディナルスのQBジョシュ・マカウン。「今ならウィスコンシンの州知事にだってなれる」というジョークもある。マカウン本人は、「子供の頃から僕はブレット・ファーヴの大ファンだった。だから、彼らがプレーオフに進む手助けができて嬉しい」と語っている。QBファーヴが父親を亡くした直後のマンデーナイトゲームには、QBマカウンも感動したと言う。「あの試合でのブレットのプレーには、僕も涙が出た。パッカーズの幸運と、ファーヴのご家族のことを祈っている」
- 逆転TDパスキャッチを決めてくれたカーディナルスのWRネイサン・プール。グリーンベイ市長はWRプール夫妻を今度の試合に招待することを計画している。地元ラジオ局では、彼へのプレゼントとお礼のカードを募っている。
- グリーンベイ市長とシアトル市長の賭け。グリーンベイが勝てばその点差に応じてシアトルからシーフードをプレゼント。シアトルが勝てばその点差に応じてグリーンベイからチーズをプレゼントする、とのこと。
2003年12月30日
- マイク・シャーマンHC。「きわめてハードに頑張ってきたから、地区優勝できたのだ。ラッキーのせいばかりにはしたくない。ハードワークと、粘り強い忍耐と、素晴らしいケミストリーのおかげだと思う」
- ヴァイキングスが敗れた時のスタジアムの様子について、QBブレット・ファーヴ。「プレーオフに出られるだけじゃなく、地区優勝なんだ。驚いたなんてものじゃないね。自分たちは勝てそうな感じになっていたけど、それだけじゃ足りないってこともわかってた。こちらはベストを尽くし、助けを願っていた。試合が終わりに近づいた時、振り返るとファンたちが大騒ぎになっていた。突然、巨大な咆哮が起きて、それがずっと続いた。信じられない雰囲気だった」
- QBブレット・ファーヴ。「父が見守っていてくれたように感じた。すごいことが起きている。これまでにも、家族を亡くした人たちの、"故人が天使となって見守ってくれてる"というような話を聞いてきた。2週間前だったらそんなこと信じなかっただろう。でもこうなったら、信じた方がよさそうだ」
- QBブレット・ファーヴ。「想像してもらえればわかるとおり、本当に困難な一週間だった。正直、今はぼうっとしてしまっている。泣けるだけの涙はもう泣き尽くしてしまった。でも、僕はこのチームを、そしてみんなで困難を乗り越えられたことを誇りに思っている。あの状況でプレーし続けるのは困難だったけれど、それと同時に、このチームの一員であることで本当に気持ちが高められた。ここから先、何がどうなるかはわからないけれど、今はとても楽しんでいる。そのことが何よりも自分の助けになっていると思う」
- プレーオフについて、QBブレット・ファーヴ。「チームの誰もが、何がどうなったのか、まだ消化しきれていないと思う。しかし、このチームには最後まで行ける力がある。毎週スーパーボウルであるように戦うだけだ」
- RBアーマン・グリーンは1883ydsラッシングでNFCのリーディングラッシャーに。「彼は素晴らしいの一言だね。2000yds行かなかったなんて残念だ。まあ来年だな」とLGウォール。「彼がリーグ最高でないって言うんなら、他に誰がいるんだ。もっと評判になってるRBもいるが、誰とも交換したいなんて思わない」とCフラナガン。
- RBアーマン・グリーンは7試合連続でファンブルなし(今季ファンブル7回・ロスト5回)。イーグルス戦の途中で両腕のサポーターを白い物に変えて以来、けっきょく一度もファンブルをしなかった。RBの中のファンブル王はBALのジャマール・ルイス(ファンブル8回・ロスト6回)。
- かかとを痛めたWRロバート・ファーガソンは出場したがったが、シャーマンHCの命令で大事を取ることに。試合中、サイドラインにあまり姿を見せなかったのは、ヴァイキングス戦の方が気になってチェックばかりしていたかららしい。
- ブロンコスののDEトレヴァー・プライス。「これが100対0だって全然構わない。相手はコルツじゃないんだから」
- 普段は右タックル専門のOTケヴィン・バリーだが、スターターが引っ込んだ終盤には左タックルもプレー。
- 途中退場したケガ人たちだが、大きなケガはなかった模様。WRファーガソンもDTギルバート・ブラウンも来週には出られそう。やはり問題はCBマッケンジー。
- LGマイク・ウォールは左手薬指につながる中手骨を骨折。出場自体は問題ないが、大きなキャストを着けなければならず、プレー内容への影響は少し心配だ。
- PackersProShopでは、さっそく地区優勝関連グッズを発売。試合直後に選手が身に着ける地区優勝キャップやTシャツは、チームが用意するのではなくNFL側から配布されているらしい。もしダメだったら使わずに返す仕組み。
毎年のことだが、「目の前の試合にベストを尽くせ」というシャーマンHCの命令で、今週のランボーフィールドでは、他球場の途中経過が表示されていない。ヴァイキングス戦が気になるスタンドのファンたちはラジオに耳を澄ませ、ボックス席のファンはTVモニターの映像に一喜一憂していた。パッカーズは第4Qの途中で28点をリードし、こちらの勝利は決定的となった。
RGリヴェラ。「俺たちは10勝6敗で、それでもプレーオフに行けないのだと思った。ここまで犠牲を払って、もしプレーオフに行けなければ、本当に最低だ・・・」
1000マイル以上離れたアリゾナでは、ヴァイキングスがFGを追加して11点のリード。しかしカーディナルスが2ミニッツ明けにまず6点を返し、オンサイドキックも成功。ランボーフィールドのファンたちはボックス席のTVモニターを見上げ、"Let's go Cardinals !"の合唱が起こる。パスインターフェアで30ydsゲインし、さらにパス2回とランでMIN陣9ヤードへ。残り39秒。しかしそこでQBマカウンが連続サックされ、MIN陣28での4thダウン。残り4秒、今シーズン最後のプレーだ。QBマカウンはパスラッシュをかわして右にロールし、エンドゾーン右にパス。WRプールが片足を残してしっかりキャッチし、守備側に押し出されたとの判定でタッチダウン。
この日最大の、そしておそらく今季最大の爆発的な歓声がランボーフィールドを包み、それが選手たちにも伝わった。もうお祭り騒ぎだ。アリゾナの審判がレビューを終えて正式に試合終了を告げると、光ファイバー並の速さでグリーンベイに伝わり、ひときわ大きな歓声が沸き起こる。QBピダーソンが2回のニーダウンを終えると、チームとファンがまさに一体になった。ホームで3敗を喫した苦しいシーズンの最後に、最も幸福な瞬間が訪れた。
2003年12月29日
パッカーズ戦の前にシーホークスが勝ち、ダラスが敗れていたために、パッカーズがプレーオフに進むにはヴァイキングスを上回って地区優勝するほかに道はなかった。パッカーズは大量リードしていたが、ヴァイキングスも残り2分で11点リード。つまり、パッカーズにとって悪夢のシナリオが実現しかけていた。
ところが、そこからカーディナルズが素晴らしい粘りを見せ、一つタッチダウンを返して、オンサイドキックも成功。ランボーフィールドのファンたちもアリゾナのひとプレーごとに大歓声を上げる。そしてついに、試合終了と同時に逆転TDパスが決まった。あきらめかけていたランボーフィールドの観客や選手たちは喜びが爆発。シャーマンHCはゲイタレード・シャワーを浴びた。
プレーオフでは、シーホークスをランボーフィールドに迎える。1月4日の東部時間13時(日本時間深夜3時)から。
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Broncos (10-6) |
0 |
0 |
3 |
0 |
3 |
Packers (10-6) |
7 |
3 |
7 |
14 |
31 |
天気は晴れ。気温は7℃。エースRBポーティス、QBプラマー、TEシャープなどスターター7人を温存して安全運転のブロンコスに対し、パッカーズはややもたつきながらもリードを広げる。14点差となった第4Qのはじめ、ブロンコスはGB陣ゴール前2ヤードでギャンブル失敗し、直後にRBグリーンの98ydsTDランが飛び出して勝負あり。終盤のランボーフィールドは、28点差となった目の前の試合よりも、アリゾナでのヴァイキングス戦に注目。カーディナルスが奇跡の逆転勝利を収めると、スタジアム全体が歓喜の渦に。
<第1Q> GB陣20からのパッカーズは、RBグリーンのランとWRドライバーへの20ydsパス、TEウォールズへの8ydsパスでDEN陣14へ。RBグリーンへのスクリーンパスでDEN陣3。相手にディフレクトされたパスをTEフランクスがキャッチして先制のタッチダウン。ブロンコスはQBジャクソンが先発。RBグリフィンのランと12ydsパスでGB陣41へ進むが、FG圏には入れずパント。GB陣20からのパッカーズは、RBグリーンのラン2回で3rdダウン4、プレッシャーがきつくパス失敗。DEN陣32からのブロンコスは、3&アウト。チャットマンの15ydsリターンでGB陣39からのパッカーズだったが、1stダウンが奪えず3&アウト。DEN陣4からのブロンコスは、マキャフリーへの16ydsパスでDEN陣22へ。
<第2Q> ブロンコスはWRマキャフリーへの11ydsパスで1stダウンを更新するが、CBアル・ハリスがインターセプトし、DEN陣27までリターン。しかしその直後、エンドゾーンへのパスをインターセプトされてしまい、ビッグプレーが帳消しに。QBカネルが登場するが3&アウト。DEN陣47からのパッカーズは、徹底したランで1stダウンを2回更新しDEN陣20に進むが、タッチダウンは奪えず、33ydsのFGで3点追加。ブロンコスは3&アウト。GB陣30からのパッカーズは、2ミニッツ明け、WRウォーカーへの15ydsパスでGB陣49へ。RBフィッシャーへの4ydsパスと相手ホールディングでさらに1stダウン。3rdダウン10からWRフリーマンへの13ydsパスでDEN陣29へ。RBフィッシャーの7ydsランが出るが1stダウンはならず。40ydsのFGは失敗。残り32秒。ブロンコスは残り4秒でGB陣40まで進むが、ヘイルメリーパス失敗でハーフタイムへ。
<第3Q> DEN陣31からのブロンコスは、RBグリフィンのラン3回で1stダウンを獲るが、そこまで。GB陣10からのパッカーズは、グリーンラン3回で1stダウンを獲るが結局パント。ブロンコスはCBオニールの27ydsリターンでGB陣48から。TEプーツィアへの13ydsパスと反則、WRレリーへの6ydsパスなどでGB陣19へ。しかしタッチダウンはならず、31ydsのFGが決まって7点差に。GB陣31からのパッカーズは、WRウォーカーへの15ydsパスのあと、グリーンの47ydsランが出てDEN陣7へ。RBダヴェンポートの5ydsランのあと、グリーンがTDランを決めて14点差に。しかしブロンコスは83ydsのキックオフリターンでGB陣12へ。GBのフェイスマスク反則でGB陣3での1stダウンとなって第3Q終了。
<第4Q> ブロンコスはGB2ヤードでギャンブル失敗。その直後、RBグリーンの98ydsTDランが飛び出して21点差。次のキックオフでDENのリターナーがファンブルし、LBウィルキンズがリカバーしてまたタッチダウン。DEN陣28からのブロンコスは、3&アウト。パッカーズはここでQBファーヴをベンチに下げ、スタンディングオベーションが起きる。パッカーズも3&アウト。両チームともまったくやる気なく、3&アウトでパントの繰り返し。「ヴァイキングス逆転負け」の報が入り、スタジアムが大騒ぎになる中、QBピダーソンがニーダウンして試合終了。
- RBグリーンは前半は決して良くなかったが、後半に爆発。98ydsTDランはチーム史上最長。1試合218ydsは自身の持つチーム記録を更新。シーズン20TDは、ジム・テイラー(1962年)の持つチーム記録に並んだ。ただし、テイラーの記録は、シーズン14試合制でのもの。
- QBファーヴは12/21、116yds、1TD、1INT。第4Q、残り11分には早々とベンチに退き、スタンディング・オベーションが起きた。
- QBファーヴは今シーズンのパス成功率が65.4%。チーム記録であり、つまり自己最高記録でもある。
- WRファーガソンが欠場したため、WRフリーマンが3番手WRとして登場したり、ダブルTE隊形を使うことも多かったようだ。
- RBグリーンがロングTDランを決めてランボーリープをした直後。ゴールライン上でキックオフリターナーの手からCBウィトリーがボールをかき出し、LBウィルキンズがリカバーしてタッチダウン。わずか8秒の間に14点が入り、ここで完全に試合が決まった。
- 83ydsのキックオフリターンを喰らうなど、今回もカバーチームが不振だった。チーム最高のスペシャルチーマーであるファーガソンの欠場も響いたか。
- ケガ人多し。LGウォールが左手を骨折し、ギブスをつけて復帰。RBダヴェンポートは首を痛めてX線検査をしたが、問題なく復帰。LBディッグスは第3Qに肩を痛めて退場。代わりにLBレノンがプレーしていた模様。
- アクティブ登録から外れたのは、WRファーガソン、OTカーティン、OTスプリッグス、DTギルバート・ブラウン、DEレイノルズ、CBマッケンジー、CBコームズ、そして第3QBのクレイグ・ノール。
- パッカーズはシーズン最後を4連勝で終えた。シャーマンHC初年度の2000年も同じだったが、その時は9勝7敗でプレーオフを逃している。
- パッカーズはDTグレイディ・ジャクソンとの契約を2年延長したと発表。
2003年12月28日
CBマイク・マッケンジーは金曜日もチーム練習には参加せず、別メニューで体を動かした。アキレス腱を痛めているWRロバート・ファーガソンは、今週の練習に全く参加せず。しかし、彼のケガに強いことを考えると、出場に問題はないだろう、とシャーマンHC。
パッカーズ |
|
|
Mike McKenzie |
CB |
Toe |
Questionable |
微妙。やばそう |
Brett Favre |
QB |
Thumb |
Probable |
出場予定 |
Robert Ferguson |
WR |
Achilles |
Probable |
出場予定 |
Al Harris |
CB |
Knee |
Probable |
出場予定 |
William Henderson |
FB |
Shoulder |
Probable |
出場予定 |
Marcus Spriggs |
T |
Hamstring |
Probable |
|
|
|
|
|
ブロンコス |
|
|
Kelly Herndon |
CB |
Hand |
Doubtful |
Dan Neil |
G |
Ankle |
Doubtful |
Clinton Portis |
RB |
Ankle |
Doubtful |
Rueben Droughns |
RB |
Ankle |
Probable |
Darius Holland |
DT |
Ribs |
Probable |
Ashley Lelie |
WR |
Shoulder |
Probable |
Ed McCaffrey |
WR |
Quadricep |
Probable |
Ephraim Salaam |
T |
Knee |
Probable |
|
|
(注) |
|
|
Probable |
: |
出場の可能性75% |
Questionable |
: |
出場の可能性50% |
Doubtful |
: |
出場の可能性25% |
Out |
: |
欠場 |
|
2003年12月27日
現在同率ながらヴァイキングスがパッカーズを半歩リードした状態。DALのプレーオフ出場はすでに決定し、MINとGBとSEAの3チームで残り2つのイスを争っている。理由の説明は煩雑になるので省略。また、引き分けも稀なので無理やり省略。
- MINが勝つか、GBが敗れると、MINの地区優勝。
- MINが敗れてGBが勝てば、GBが逆転で地区優勝。
- SEAが敗れれば、MINとGBのプレーオフ出場が自動的に決まる。どちらが地区優勝でどちらがワイルドカードに回るかは上記の条件による。
以下は、MINが勝って地区優勝となった場合。
- SEAが敗れれば、GBの勝敗に関係なくGBがワイルドカード。
- GBが勝って、DALも勝てば、SEAに関係なくGBがワイルドカード。
- GBが敗れ、SEAが勝てば、SEAがワイルドカード。
- GBとSEAが勝って、DALが(NOに)敗れた場合、3チームが同率となる。DALは無条件でワイルドカード。GBとSEAの優劣は、"strength of victory"によって決められることになり、他チームの勝敗に左右される。極めて煩雑なので省略。というか、よくわからない。
大雑把にまとめると、「パッカーズが勝ち、MINかSEAかNOのどれか一つが敗れれば、パッカーズのプレーオフ出場が決まる」ということになる。
- クリスマスのため、木曜日の練習は午後から。練習後には、Kロングウェルが代表して祈りの言葉。
- QBブレット・ファーヴがまだ不在のため、木曜日の練習ではQBピダーソンが1stチームを率いてプレーした。 本人にはっきりとは聞かなかったが、QBファーヴは金曜日の練習には復帰するだろう、とQBピダーソン。
- つま先を痛めているCBマッケンジーに加え、CBアル・ハリスもヒザの痛みのために練習を休んだ。CBホーソーンとCBバウ・ジューが1stチームでプレーした。
- パッカーズが地区優勝を決めてプレーオフをホームで戦えることになった場合、日曜日の夜からチケットの発売が始まるとのころ。
- ブロンコスのオフェンシブラインは、足元への巧みなカットブロックで定評(悪評)がある。レイダーズ時代にさんざん対戦したDTグレイディ・ジャクソンは、「いいかげん、NFLにはあの汚いプレーを取り締まってもらいたい」と主張。しかし、今週になって急に判定基準が変わるはずもなく、ドナテルDC(かつてブロンコスに在籍)は準備に余念がない。
- 今季のパッカーズの被サックは17個(NFL2位)。16試合制になってからのチーム記録は、2001年の22個であり、最終戦で4個以下に抑えれば新記録を達成できる。「OLだけでできるわけじゃない。全員が大事なのだ」とベクトルOLコーチ。OLのパスプロテクションが安定し、RBが的確にブリッツをピックアップし、QBファーヴがうまくサックを避けて素早くパスを投げるからこそできる記録だ。
2003年12月26日
- ファーヴの父アーヴィンの棺は黄色のバラと緑のシダで飾られ、パッカーズの色になっていたとのこと。
- ファーヴ家を代表して追悼の言葉を述べたのは、QBファーヴの妹ブランディ。いかにもこの一家の娘らしくユーモアを交えながらの感動的なスピーチで、人々は笑い、そして涙した。
- パッカーズからは、シャーマンHC、QBピダーソン夫妻、ジョン・ジョーンズ上級副社長、ブラント副社長、カレッジ・スカウト部長のジョン・ドーシーが参列。
- 引退したCフランク・ウィンタースとTEマーク・チュムラも参列した。
- 葬儀を終えたブレット・ファーヴ。「今日はあまり泣かなかった。もうすでに泣き尽くしてしまったから。父を亡くしたのは不幸なことだけど、こんなふうに人々が集まってくれるのは素晴らしい。そのことでずいぶん苦痛が和らいだ。痛みが消え去ったわけでもないし、消えることはないだろうけれど、本当に助けられたよ」
- 父の死で引退してしまうようなことはない、とQBファーヴは明言。「炎はまだ燃え続けているし、欲望もなくなってはいない。最高の選手とも互角にやれると思っている。デンバーとの試合は容易ではないだろうし、練習を休むのは心配だ。でもこれまでの経験から、自分をあまり疑うべきじゃないと思うんだ」
- レイダーズ戦で4TDを挙げたファーヴだが、タッチダウンを祝うのに罪悪感も感じたと言う。「でも、途中で自分に言い聞かせた。"大丈夫、親父が助けてくれてるんだ。だって、投げるボールは全てキャッチしてくれるし、全てのプレーがうまくいってる"」
- Cマイク・フラナガン。「僕ら全員がファーヴのそばにいてやりたかったけど、実際そういうわけにもいかないからね。彼のために傷ついていないヤツなんて一人もいない。だから、彼が帰ってきたら、みんなで腕を広げて迎え、彼のためにできることは何だってやるつもりだ」
- シャーマンHCは帰り際に、レイダーズ戦のゲームボールをQBファーヴの母ボニータさんにプレゼントした。"Game Ball presented to 'Big Irv' -- Green Bay 41, Oakland 7, Dec. 22, 2003." とボールには書かれてあった。
- 葬儀のニュース映像はこちらから。
- シャーマンHCが不在のこの日は、ボブ・スロウィックDBコーチ兼アシスタント・ヘッドコーチが練習を指揮した。しかし、心配なシャーマンHCが頻繁に電話でチェックをしていたようだ。「10分おきにかかってきたんじゃないかな(笑)。ヘッドコーチが4年で整えてきた形式があるから、放っておいてもチームは進んでいくんだ」
- 先輩QB2人が不在のため、QBクレイグ・ノールは大忙し。オフェンスの1stチームを率いてプレーした後は、ディフェンスの1stチームを相手にスカウト・チームでも投げなければならなかった。3番手QBがシーズン中にこれだけチャンスをもらえることは滅多になく、よい経験になったようだ。「いい仕事をした」とロスリーOC。
- ミシシッピ州立大のヘッドコーチに就任したクルームRBコーチ。就任後初めて、パッカーズの水曜日の練習に参加した。NCAAの規定で、今は高校の選手と話をしてはいけない期間のため、リクルートの旅に出る必要がないからだ。プレーオフに出られれば、たぶん来週もグリーンベイに留まるとのこと。
- 昨年までSTコーチだったフランク・ノヴァックは、今季もスペシャルチームのアシスタントをしている。クリスマスイブのこの日、コーチ陣最年長の彼はサンタの帽子をかぶり、クリスマスの詩を朗読。選手たちから拍手喝さいを浴びた。
- QBブレット・ファーヴが今週の"NFC Offensive Player Of The Week"に選ばれた。399yds、4TD、0INT、QBレーティング154.9。
- ブロンコスのシャナハンHCは、ケガをしているエースRBポーティス、CBハーンドン、OGニールの3人はパッカーズ戦に出場させない、と発表した。
2003年12月25日
- マンデーナイトゲームを終えたQBブレット・ファーヴは、妻ディアナとともに、ミシシッピ州キルンの自宅へ。水曜日の葬儀がすむまではそこで家族とともに過ごす。
- いつグリーンベイに戻るかは、完全に本人に任せる、とシャーマンHC。ブロンコス戦のための練習よりも、ファーヴを精神面でサポートしていくことの方が重要だと判断したようだ。「彼が気の済むようにさせることが大事だと考えている。まず第一に家族、それからチームメイトやチームだ。そのことに関して彼はよい判断をするだろうと、私は信頼している」
- 今週は練習量が限られてしまうが、シャーマンHCは特に心配していないようだ。「幸運なことに、彼はベテランのクォーターバックだ。新しく覚えなければならないようなことは何もない。ただ、今週中にやっておかねばならないことがあるのは当然のことだし、今週のどこかで必ずそうするだろう」
- QBファーヴはロスリーOCに、金曜の練習には参加できるように戻る、と伝えたようだ。
- 土曜日の午後、父が急死したという知らせが入ったとき、ブレット・ファーヴはピダーソンやKロングウェルとともにゴルフをしていた。ファーヴの妻ディアナさんは直接彼に伝えることができず、ピダーソンの携帯に電話して、本人に伝えてくれるよう頼んだ、とのこと。
- ファーブの父の葬儀に参列するのは、シャーマンHC、QBピダーソン夫妻、それに交渉担当のアンドリュー・ブラント副社長。水曜日のうちにとんぼ返りの予定。
- QBファーヴとQBピダーソンの両方が不在のため、水曜日の練習では、QBクレイグ・ノールが今季初めて1stユニットを率いることになる。
- つま先を痛めているCBマイク・マッケンジーは、レイダーズ戦の直前に体を動かしてみた結果、シャーマンHCが欠場を決めた。今週は金曜日にテストすることになりそうだ。
- レイダーズ唯一の課題はペナルティの多さ。ベアーズ戦で8回、チャージャーズ戦で9回、ついに今回は10回も反則を犯してしまった。「非常に懸念している。反則の多いチームではない、と私は言い続けてきたが、この3試合では反則の多いチームになってしまっている。フォルススタートなどのために、頻繁にロングヤーデージに追い込まれてしまう。これは許しがたい。なぜ、シーズンの終盤になってこのようなことになるのか、理解できない」とシャーマンHC。
2003年12月24日
- QBファーヴ。「父は僕に出場してほしかっただろうと思う。僕は本当に父を愛しているし、フットボールを愛している。ここでプレーすることは、僕にとっても、父にとっても、家族にとっても非常に大きな意味があった。このような活躍ができるとは自分でも予想していなかったけれど、父が見守ってくれていたと思う」
- QBファーヴだけでなく、チーム全体が、この試合に対して感情を昂ぶらせていた。日曜日の夜、ミシシッピに帰らないと決めたファーヴは、チームメイトに対して話をした。父を愛していること、フットボールを愛していること、チームメイトを愛していること。Cフラナガンは、これまでで最もエモーショナルなゲームだったと言う。「こういう結果になると、確信していた。それに、誰にとっても忘れられないゲームになるだろうということも。(ファーヴが話をしたとき)こんなにチーム全員が心を打たれたのは見たことがなかった」
- シャーマンHC。「プレーオフ争いに残るためにはこの勝利が必要だった。しかしそれだけではない。ブレット・ファーヴのためにも、この勝利が必要だったのだ」 「彼は本当によくこの逆境を乗り切った。この試合への彼の集中力は並外れていた」
- WRファーガソン。「レシーバーみんなで話し合った。彼がどんなボールを投げようと、必ず捕ってやろうって」。その言葉どおり、若いWR3人がそれぞれ素晴らしい集中力で相手DBに競り勝ち、ファーヴを助けた。
- Cフラナガン。「彼はただのチームメイトじゃない。ブレット・ファーヴなんだ。グリーンベイ・パッカーズそのものだ。彼は我々であり、我々は彼なんだ。僕は彼のスーパーボウルの頃も連続MVPの頃も見てきたけど、この24時間のブレット・ファーヴほど感動させられたことは初めてだ」 「素晴らしい、と言い続けるしかないよ。他に言葉が見つからないんだから。彼が昨夜話したこと、それがみんなに与えた影響。生きている限り、今日起きたことを決して忘れない」
- オークランドのファンは荒っぽいことで定評がある。選手入場の時、当然のことながらパッカーズの選手は激しいブーイングを浴びせられたが、前日に父を失ったQBファーヴの名前が呼ばれた時だけは、スタジアム全体から声援が沸き起こった。
- 前半だけで311ydsはQBファーヴのキャリア最高。また、通算345TDパスはフラン・ターケントンを抜いてNFL史上2位に(1位はダン・マリーノの420個)。これで7回目のシーズン30TDとなり、自分の持つNFL記録を更新。また、これで12年連続の3000ydsパッシングとなり、これも自分の持つNFL記録を更新。
- ファーヴの家族・親戚たちはミシシッピの自宅に集まり、亡きアーヴィンの長男スコットの誕生日を祝い、次男ブレットの素晴らしいパフォーマンスに声援を送った。葬儀は水曜日に予定されている。
- マイク・シャーマンHC。「こんな脚本は書こうったって書けるものじゃない。トンネルを通ってフィールドに出て行くときは、こんな試合を期待するものだが、ブレット・ファーヴがいなければ、実際にそうなることはまずありえない」
- FBウィリアム・ヘンダーソンが肩を痛めて途中退場。他には大きなケガ人はなかった模様。WRファーガソンは第1Qにアキレス腱を痛め、それ以降は3WRや4WRセットのときだけ出場した。RBダヴェンポートは脚の痙攣で一時退場。
- 今回もRBナジェ・ダヴェンポートの60ydsキックオフリターンが出た。リターナーとして起用されるようになったこの6試合のうち、4試合で45yds以上のリターンを記録している。平均32.3ydsの好成績。
- 今季のパッカーズはアウェーで5勝3敗となり、1996年・1997年と並んで、過去30年間で最高。
- 今季のマンデーナイトゲームは、ホームチームが5勝11敗。1970年にマンデーナイトゲームが始まって以来最低の数字とのこと。
2003年12月23日
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Packers (9-6) |
14 |
17 |
3 |
7 |
41 |
Raiders (4-11) |
7 |
0 |
0 |
0 |
7 |
気温は12℃。天気は曇り。昨夜QBファーヴの父が急逝したため集中力が心配されたが、全くの杞憂に終わった。3rdダウンロングでことごとくビッグプレーを決めたパッカーズは前半だけで4TDを挙げ、ハーフタイム前に試合を決めてしまった。後半も代役CBホーソーンの2インターセプトなどでレイダーズの反撃を0点に抑え、RBグリーンのTDランを追加してらくらく逃げ切った。パッカーズは今季初の3連勝。
<第1Q> レイダーズはWRライスへの12ydsパスで1stダウンを獲るが、次の3rdダウンでDEバジャ=ビアミラのサックが決まってパント。GB陣20からのパッカーズは、3rdダウン11からWRファーガソンへのロングパスが通ってOAK陣24へ。RBグリーンの2ydsランのあと、エンドゾーンへの22ydsパスをTEウォールズがダイビングキャッチして7点先制。レイダーズは、CBハリスのパスインターフェアで1stダウンを更新するが、結局パント。GB陣47からのパッカーズは、3rdダウン12でRBフィッシャーへのスクリーンパスで32ydsゲインして一気にOAK陣23へ。その直後にWRウォーカーへの23ydsTDパスが成功。OAK陣39からのレイダーズは、RBガーナーへの14ydsパス、RBウィートリーの8ydsラン、7ydsランでGB陣25へ。RBガーナーの25ydsTDランが出て7点を返す。
<第2Q> QBファーヴがサックされて3rdダウン11、WRドライバーへの32ydsパスが決まってOAK陣19へ。3rdダウン4、プレッシャーを受けたQBファーヴが投げ捨て。31ydsのFGで3点追加。OAK陣34からのレイダーズは3&アウト。GB陣11からのパッカーズだが、RBグリーンの18ydsラン、WRファーガソンへの27ydsパスでOAK陣43へ。WRウォーカーへの43ydsパスが決まってタッチダウン。OAK陣34からのレイダーズは3&アウト。GB陣7からのパッカーズも3&アウト。レイダーズはGB陣46からのチャンスだったが、1stダウンが獲れずギャンブルも失敗。GB陣37からのパッカーズは、WRドライバーへの4ydsパスでぎりぎり1stダウン。2ミニッツ明け、WRウォーカーへの46ydsパスが通って一気にOAK陣6へ。TEマーティンへのTDパスが通って24点差。前半残り49秒、OAK陣29からのレイダーズは、WRライスへの28ydsパスでGB陣42へ。CBバウ・ジューのサックで4thダウン18となり、DEバジャ=ビアミラが2つめのサックを決めてギャンブル失敗。残り4秒、QBファーヴのロングパスは通らず、ハーフタイムへ。
<第3Q> パッカーズはRBダヴェンポートの60ydsリターンでOAK陣30から。RBグリーンの19ydsランでOAK陣11へ進むがTEウォールズへのTDパスは通らず、27ydsのFGで3点追加。OAK陣32からのレイダーズは、WRライスへの25ydsパス、ウィートリーの31ydsランで一気にGB陣8へ。しかしCBホーソーンがエンドゾーン内でインターセプト。GB陣20からのパッカーズは、RB陣3人のランとTEフランクスへの15ydsパスなどでOAK陣39へ。しかしそこで1stダウンは奪えず、4thダウンギャンブルの際のホールディングで結局パント。QBロブ・ジョンソンが登場し、OAK陣20からのレイダーズは、14ydsのQBスクランブルとGB側の反則で2回1stダウンを更新するが、結局パント。GB陣5からのパッカーズは、FBルーチーへの12ydsパス、RBグリーンの17ydsランでGB陣34へ。
<第4Q> パッカーズは結局パント。OAK陣24からのレイダーズは、WRライスへの11ydsパス、ラフィングザパサー、さらにWRライスへの15ydsパスでGB陣25へ。しかしDEバジャ=ビアミラの今日3つめのサックなどで4thダウン8、パスが通らずギャンブル失敗。GB陣23からのパッカーズは、3rdダウン8からWRドライバーへの41ydsパスが通ってOAK陣34へ。RBグリーンの6ydsラン、RBダヴェンポートの7ydsランで1stダウン。3rdダウン9からWRフリーマンへの13ydsパスでOAK陣7へ。RBグリーンの7ydsTDランが成功。OAK陣33からのレイダーズだったが、3rdダウン4からCBホーソーンが今日2つめのインターセプト。OAK陣35からのパッカーズは、RBフィッシャーのラン4回でギャンブル失敗。OAK陣29からのレイダーズは、QBティー・マーティンが登場。WRライスへパスを4本連続で決めてGB陣10へ。しかしそこでDEキャンプマンがファンブルリカバー。QBピダーソンがニーダウンして試合終了。
- QBファーヴは22/30、399yds、4TD、INTなしと完璧な出来。なんと12人のレシーバーに投げ分けた。KRチャットマンを除き、WR/TE/RB/FBの全員だ。残り4分で退いたこともあり、キャリア2回目の400ydsゲームは逃した。
- 3rdダウン成功率は9/15の60%。特に3rdダウンロングでのビッグプレーが非常に多かった。
- RBグリーンは24回129yds、1TD。4試合ぶりの100ydsラッシングとなった。6試合連続でファンブルなし。
- WRウォーカーが4回124yds、2TDの大活躍。WRファーガソンとWRドライバーも、それぞれ85yds、78yds。
- CBマッケンジーに代わって、CBホーソーンが初先発。2つのインターセプトを決める活躍を見せた。
- DEバジャ=ビアミラが3サックを記録し、レイダーズでプレーする弟に貫禄を見せた。これで10サックとなり、3年連続の二桁サック。
- タイムオブポゼッションはパッカーズの36分36秒。
- 反則がやたらと多かった。10回70yds。ここ数試合と同様にフォルススタートが多い。
- アクティブ登録から外れたのは、OTカーティン、OTスプリッグス、DEレイノルズ、DTピーターソン、LBウィルキンズ、CBマッケンジー、CBコームズ、そして第3QBのクレイグ・ノール。
- レイダーズは先発QBマイヤーに加え、2番手ロブ・ジョンソン、3番手ティー・マーティンまで登場した。
- シャーマンHCは就任以来4年連続で勝ち越し。
2003年12月22日
ミシシッピ州キルンで、QBファーヴの父アーヴィンが急死した。58歳だった。日曜日の夕方、アーヴィンは自宅近くのハイウェイを運転していて、道路わきの溝に突っ込んでしまった。詳しいことは検死を待たなければならないが、警察によると、死因は事故ではなく、運転中に心臓発作か脳卒中を起こしたのが死因だろう、とのこと。
葬儀は火曜日に予定されている。QBファーヴがマンデーナイトゲームでプレーするかは、本人の判断次第だ、とパッカーズのスポークスマン。報道によると、家族は彼がプレーすることを望んでいるようだ。遠征先のホテルでこの知らせを聞いたファーヴだが、土曜日の晩はそのままホテルに留まっている。
アーヴィン・ファーヴは、長年にわたって高校でフットボールのコーチを務め、ブレットたち息子3人は全て彼の元でクォーターバックだった。その後、ブレットの兄スコットはミシシッピ州立大でクォーターバック、ブレットはサザン・ミシシッピ大でクォーターバック、弟ジェフはサザン・ミシシッピ大でセーフティをプレーした。ブレットと父アーヴィンの密接な関係はよく知られており、特にフットボールでのキャリアにおいて、父アーヴィンの果たした役割は計り知れないものがある。
「親父は、息子たちには他の選手たちより特に厳しかったから、僕はいつもそのことに腹を立てていたと思う。でも、他の連中が翌日まで待たなければコーチを受けられないのに、僕はいつでも教えてもらえた。練習から帰る途中でも、夕食の間でも、ベッドに入る前でも、朝起きた時でも、僕らはいつもフットボールの話ばかりしていた。キャリアにおいても、人生においても、ものすごく大きな影響を受けたよ」と、かつてブレット・ファーヴは語っている。
アーヴィンは、ホーム・アウェイを問わず息子の試合を頻繁に観戦していた。ウィスコンシンの地元ラジオ局WTMJ-AMのポスト・ゲーム・ショウに出演することもあり、パッカーズファンにも親しまれた存在だった。あのブレット・ファーヴの父親でありながらエコノミー席で旅行し、驚かれることもあった。「ブレットの父だから裕福だと思われるかもしれないが、あれはブレットの稼いだ金だからね。私は息子のプレーを観て楽しみ、彼に教えたことが役立っているのを見るだけで十分なのさ」
CBマイク・マッケンジーは土曜日の練習も休み、けっきょく今週一度も練習できないままオークランドへ向かった。出否は試合直前まで未定。いっぽうレイダーズは今季非常にケガ人が多く、QBギャノンやSロッド・ウッドソンをはじめ、多くの主力選手がインジャリー・リザーブ入りしてしまっている。
パッカーズ |
|
|
Marcus Spriggs |
T |
Hamstring |
Questionable |
欠場の見込み |
Gilbert Brown |
DT |
Knee |
Probable |
出場予定 |
Brett Favre |
QB |
Thumb |
Probable |
出場予定 |
Mike McKenzie |
CB |
Toe |
Probable |
出否未定 |
Javon Walker |
WR |
Knee |
Probable |
出場予定 |
|
|
|
|
レイダーズ |
|
|
Barret Robbins |
C |
Knee |
Out |
Sean Gilbert |
DT |
Groin |
Doubtful |
Larry Atkins |
LB |
Illness |
Probable |
Roderick Coleman |
DT |
Illness |
Probable |
Napoleon Harris |
LB |
Illness |
Probable |
Rick Mirer |
QB |
Neck |
Probable |
Carey Scott |
CB |
Illness |
Probable |
Terrance Shaw |
CB |
Toe |
Probable |
|
|
(注) |
|
|
Probable |
: |
出場の可能性75% |
Questionable |
: |
出場の可能性50% |
Doubtful |
: |
出場の可能性25% |
Out |
: |
欠場 |
|
2003年12月21日
- 来年には38歳となるTEウェスリー・ウォールズ。引退するかどうかは、少なくとも春になるまでは決めない、とのこと。まだ現役を続けたい気持ちはあるが、必要としてくれるチームがあるかどうかが問題。「チームから常に必要とされている、と感じたいものだ。それがモーティベーションになる」とTEウォールズ。
- 今年はランブロックに重点を置いているためにTE陣ぜんたいの数字が下がり、TEフランクスのパスキャッチが26回、TEウォールズが19回。しかしパスシチュエーションとなると、正確なルートを走れるTEウォールズへの信頼は厚く、WR3人に続く4番目のレシーバーとして起用されることが多い。
- 次の試合はマンデーナイトのため、通常なら日曜日にオークランドに移動すればいいのだが、今回は土曜日の練習を終えて夕方に移動することになった。今季はタンパベイ、サンディエゴと長距離遠征の際に同じやり方をし、どちらも試合に勝ったからだ。縁起をかついでいるようなものだが、多少のメリットはある。「チームメイトと、より親しくなるいい機会だよ。そのことも勝利に役立つ。このやり方で2勝0敗なんだから、続けるのさ」とCフラナガン。
- CBマイク・マッケンジーは金曜日の練習も休んだ。"Injury Report"の上では "Probable" になっているが、実際は "Questionable"に近いかもしれない。「彼はこれまでにも、全く練習できずに本番に臨んだ、という経験があるし、このシステムで長くやっている。大事なのは体調だ」とドナテルDC。
- DTギルバート・ブラウンとWRウォーカーは練習に復帰。
- マイク・シャーマンHCは金曜日が49歳の誕生日。練習終了後のハドルでは、QBファーヴの音頭で、"Happy Birthday"の合唱。
- Kライアン・ロングウェルは、ドン・ハトソンの持っていたチーム史上最多得点の記録を破った。そこで、室内練習場の "Don Hutson Center" を "Ryan Longwell Center" に改名した方がいいのではないか、とKロングウェルが申し出たが、「それだけの金を寄付してくれる、と言うならいつでも喜んでそうするのだが」とシャーマンHC。けっきょく両者歩み寄りの結果、 室内練習場のバスルームの前の小さい廊下を、"'The Ryan Longwell Plaza at the Don Hutson Center"と呼ぶことになった、とロングウェル。「テープでも貼って、そう書いとこうかな」
2003年12月20日
プロボウル選出選手が発表され、今年のパッカーズからは、QBブレット・ファーヴ、RBアーマン・グリーン、RGマルコ・リヴェラの3人が選ばれた。昨年の5人からは減っているが、チーム成績を考えれば致し方ないところ。
QBファーヴは3年連続8回目の選出。「人気のおかげで選ばれた選手も多い。たぶん、今年の僕が選ばれたのも、そのおかげだろう。まあそれでも名誉なことだよ」とファーヴ。それよりも、仲間のラインマンが1人しか選ばれなかったことに不満そうだ。「確かに、仲間だから贔屓目に見てしまう、ということもあるだろう。1人だけじゃなく、5人なんだ。5人全員が、少なくとも補欠には選ばれるに値すると思う」
過去2年間はケガを理由に欠場しているが、どうやら今年もそうなりそうだ。「これまでにもケガはたくさん経験したけど、骨折は初めてなんだ。初めてオフシーズンに手術が必要になるかもしれない。添え木を外してプレーできると感じていれば、そうするよ。でもまだそんな状態じゃないんだ。例えば去年のヒザのケガの時は、自分はブレースを外しても大丈夫だと感じたが、ドクターに説得されてブレースを付けていた。今年は、ドクターはもう添え木を外してもいいと言うが、僕はそんな気になれない。どんな状態か、これでわかるだろう」
RBグリーンは3年連続3回目。「ラインの選手たちや、僕のためにブロックしてくれた選手たちに感謝している。彼ら全員が僕と一緒に選ばれるべきなんだ」
RGリヴェラは2年連続2回目。「自分にとって、"今年も(プロボウルに選ばれた昨年と)同じようにプレーできるか?"というのが一番の問題だった。自分に対してそれが証明できた」とRGリヴェラ。しかし、他のラインマン、とくにLGウォールが補欠にも選ばれなかったことが大いに不満な様子。「マイク・ウォールはもっと認められるべきなんだ。僕らラインはシーズンを通して、一つになってプレーしてきた。だから、他のラインマンが選ばれないのはつらいよ」
- プロボウルの補欠に指名されたのは、FBウィリアム・ヘンダーソン、TEババ・フランクス、Cマイク・フラナガン、DEカビーア・バジャ=ビアミラ、LBニック・バーネット、Sダレン・シャーパー、CBマイク・マッケンジー、Kライアン・ロングウェル。
- Cマイク・フラナガンがプロボウルに選ばれず、ベアーズのCオーリン・クルーツ(CHI)とCマット・バーク(MIN)が選ばれたのには驚いた、とベクトルOLコーチ。「どのプロボウラーがウチに来たとしても、(フラナガンを押しのけて)プレーすることはできないだろう」
- 「腹立たしいが、ラインマンはスタッツがないから。ウチのOLからは一人が選ばれて、一人が補欠。チームは8勝6敗で、不安定だったからな」とCフラナガン。
- 「もちろん残念だ。でも、このことで自分がどんな選手かが決まるわけじゃない。とにかく、選ばれた選手たちにおめでとうと言うよ」とLGマイク・ウォール。
- 「ラムズのKウィルキンズは、レッドゾーンであまり効果的でない(タッチダウンが獲れない)オフェンスと一緒にやってるからね。彼が3点、3点と追加する間に、こっちは1点だ。チームにとってはこの方がいいけど、向こうの方がスタッツ上は見た目がいいよね」とKロングウェル。
- CBマイク・マッケンジーは木曜日の練習も休んだが、パッドは着け、多少のランニングも行った。彼が欠場する場合に備え、CBホーソーンが左コーナーバックの練習をしている。
- DEカビーア・バジャ=ビアミラは、弟のDEアクバー・バジャ=ビアミラとの初めての対戦。アクバーはドラフト外ルーキーながら、レイダーズのロースター入りし、すでに11試合に出場、1サックを記録している。彼らは同じ高校・大学を進んできただけに、フィールドで敵味方に分かれるのは初めての経験だ。「家ではいつも争ってきたからね。でも変な感じだよ。家族たちはどっちを応援するんだろう? みんなにはレイダーズのウェアを着るようには言っといたんだ。その方が(スタジアムで)安全だから」
- Cマイク・フラナガンがチャージャーズ戦でのアンネセサリーラフネスで、5000ドルの罰金。
2003年12月19日
QBブレット・ファーヴが、来シーズンもまたプレーするつもりであることを明言した。彼は水曜日発売の"USA Today Sports Weekly"の中で、「そう、僕は戻ってくる。来年もまたプレーできないなんて理由は見当たらない。ウチは将来性のある若いチームだし、僕もまだ彼ら若手に負けずやっていけると思っている」と語っている。
「一年一年、やりながら、引退については考える」というのがファーヴの基本方針。ここまでの発言から、2004年はまだ大丈夫だろうと見られてはいたが、ここまではっきりと現役続行の意思を明確にしたのは初めて。「これまでのキャリアのいつにも負けないぐらい良いフットボールを楽しんでいる。今でも試合に勝てているし、プレーオフが狙えるところにいる。確かに今年はケガをしてしまっているが、それでもプレーを続けている。ケガはいつものことだ。文句は言えないよ」
「彼が来年プレーしないなんて考えたことはない。引退するには、あまりにも熱く燃えているし、あまりにも楽しんでいる」とシャーマンHCも安心しきった様子。「彼がフットボールにもたらすものは非常に大きい。わがチームだけでなく、NFL全体にとって大きな価値のある存在なのだ。彼のプレーするスタイル、それに、あれほど成功していながら彼が見せる謙虚さ。彼は殿堂入りするクォーターバックでありながら、チームを探すフリーエージェントのように振舞うこともある。最近の若い選手たちにとって、どれほど大きな教訓になることか」
仲間の選手たちにとっては、今回のことは全く"ニュース"ではなかったようだ。これを記者たちから聞かされたQBピダーソンとRGリヴェラは、即興のコントを始めた。
QBピダーソン |
: |
ブレットが来年も帰ってくるって知ってた? |
RGリヴェラ |
: |
ブレット・コンウェイ? |
QBピダーソン |
: |
違うよ、ブレット・・・ファーヴだ |
RGリヴェラ |
: |
どこから帰ってくるんだ |
QBピダーソン |
: |
まったくだな |
- チャージャーズ戦での、WRロバート・ファーガソンのTDパスキャッチの際のセレブレーションが行き過ぎだったとして、WRドライバーとWRファーガソンの2人が、NFLから5000ドルずつの罰金を言い渡された。問題のシーンは、公式サイトのハイライトビデオの最後に出てくる。ファーガソンが腕を組んでポーズを取り、ドライバーが写真を撮るマネをしたのだ。セインツのWRジョー・ホーンの"ケータイ・パフォーマンス"のせいでNFLは神経過敏になっているようで、パッカーズの2人も煽りを食らった形。
- リッチ・マッケイがファルコンズのGMに移ったため、バッカニアーズは新しいGMを雇うことになるが、元パッカーズのロン・ウルフの名前も噂に上っているようだ。シャーマンHCはその件については話し合っていないとのこと。「彼は引退生活を楽しんでいると思う。だから、彼が本気で復帰するつもりがあるかどうか」
- つま先を痛めているCBマイク・マッケンジーは、予定通り水曜日の練習を休んだ。腫れはだいぶ治まってきており、早ければ金曜日の練習に参加できるかも。
- ランボーフィールドでは、ハッシュマーク内側の芝の張替え作業を行っている。すでに10月なかばに張替えを行ったが、その後2試合続けて雨のゲームだったこともあり、傷みが激しくなっているからだ。
2003年12月17日
- CBマイク・マッケンジーのケガは、足首の捻挫ではなくつま先、いわゆる"turf toe"であることをシャーマンHCが明らかにした。程度は比較的重く、来週のレイダーズ戦に出場できるかは、まだなんとも言えない、とのこと。少なくとも週の前半は練習を休むが、全て休む可能性もある。
- チャージャーズ戦で左ヒザを打撲したWRジャヴォン・ウォーカー。試合中には大丈夫だと思い復帰したが、グリーンベイに帰る道中で、次第に張りを感じ、こわばってきたとのこと。念のため月曜日にMRI検査をしたが、結果はまだ不明。
- TEデヴィッド・マーティンは小指の腱を痛めてしまい、今季いっぱいは添え木を当てる必要がある。出場じたいは問題ないが、パスキャッチに影響が出る可能性も。
- WRドナルド・ドライバーはハードヒットを受けて肋骨を打撲したが、たいしたことはなさそう。
- 鼠蹊部を痛めながらチャージャーズ戦に出場したCBバウ・ジューだが、特に悪化させることもなく試合を終えることができた。CBマッケンジーが欠場する場合、彼かホーソーンのどちらかが先発出場することになる。
2003年12月16日
チャージャーズ側は試合前から、「RBグリーンを止めるのが最優先。QBブレット・ファーヴには投げさせればいい」と広言していた。今季最高の4TDを挙げた試合後、軽視されたことについてファーヴは、「責めるつもりはないよ。こっちは疲れ切った年寄りだからね」とニッコリ。チャージャーズのDEマーセラス・ワイリーは、「なぜ彼があれほどの注目や称賛を集めるのか、今日のプレーが示していた。信じられないプレーヤーだよ」
今季最高の7キャッチ112ydsを挙げたWRドナルド・ドライバーだが、試合後には「そのことについては話したくない。君たちのことは本当に大好きだが、今は話したくない」とコメントを避けた。プロボウルに出場した昨季と比べ、成績が大きく低下していることを、このところ書きたてられていたからだ。
話さないドライバーに代わって、WRロバート・ファーガソンが話しまくる。「彼(ドライバー)のためなら、一日じゅうだって話せるよ。僕たちWR陣は、今日こそが彼の日になる、と話し合っていたんだ。今日の彼はすごかったし、今日はブレットが常に彼を探していた。メディアに批判的なことを書かれれば、それを気にしないわけにはいかない。文句を言う代わりに、僕たちはグループとして結束し、いつだって100%彼を支えていることを示したんだ」
- この試合のビデオハイライトはこちらから。
- 今季、チームが苦しんでいる最大の理由は、ターンオーバーレシオ。最近はようやく改善しつつあり、この2試合を合わせるとプラス7。「練習で最も注意しているのが、そのことだ。シーズンに入ってからずっとこれを期待してきたし、今後もこの調子を続けていかなければ」とドナテルDC。
- 前半の2ミニッツを切り、自陣14に攻め込まれたところで、Sダレン・シャーパーがインターセプト。これが前半終了間際の、WRドライバーへのTDパスにつながった。ブリッツに入ったSシャーパーはブリーズのパスを見てジャンプし、そのままボールを奪い取ってしまった。珍しいプレーだが、「練習で彼があれをやったを見たことがある。彼は素晴らしいプレーメイカーだ。決して私は驚かないよ」とドナテルDC。
- 最悪のプレーは、トムリンソンに許した68ydsのTDパス。ブリッツに入ったSシャーパーの後ろにパスが通り、CBアル・ハリスとSアンダーソンがRBトムリンソンにぶち抜かれてしまった。LBバーネットもポジションをミスしていたらしい。「我々は完全にカバレッジをしくじってしまった。後ろの方すべてがそうだった」とCBハリス。
- RBトムリンソンのタッチダウンでいったん逆転された直後、RBナジェ・ダヴェンポートが45ydsリターンでSD陣42にまで進み、再逆転のきっかけを作った。「あれは本当に大きかった。チームが沈滞しているときに、モメンタムを取り戻してくれたんだからね」とRTタウシャー。
- WRロバート・ファーガソンへの決勝の40ydsTDパス。FBとTEをパスプロテクションに残し、プレイフェイクからのパスだった。ポストパターンを走るファーガソンが2人のDBを振り切り、ファーヴはそこへ完璧なパスを投げた。
- 第4Qなかば、QBブリーズをDTグレイディ・ジャクソンがサックしてファンブルフォース。これが試合を決定付けるプレーになった。「ボールを狙ってたわけじゃない。ただサックしようとしてたんだ」とジャクソン。素晴らしいクイックネスで相手ラインに割って入った。
- RBトムリンソンの次にパッカーズディフェンスがやられた(5回117yds)のが、TEアントニオ・ゲイツ。ケント州立大出身のドラフト外ルーキーで、大学時代はフットボールよりもバスケをやっていた選手。スピードがあり、LBだけでなくDBたちでさえも走り負けるシーンもあった。
- WRロバート・ファーガソンへ決めた最後の16ydsのTDパス。プレーコールはRBグリーンへのスクリーンパスだった。しかし相手セーフティが上がってきているのを見たQBファーヴは、左サイドのWRファーガソンにエンドゾーンに走るようアイコンタクトで知らせ、少し浮かせたパスが見事に決まった。「スクリーンのコールの時にフェードのパスを投げたのはこれが初めてだろうな。あの後で、ダレル(ベヴェルQBコーチ)が来て、"何であのパスを投げたのか教えてくれ。ヘッドコーチに報告しなきゃいけないから"って言われた。"わかるだろ、6ポイントだよ"って答えたよ」とQBファーヴ。彼とベヴェルQBコーチは同い年で、コーチというよりもアドバイザーに近い存在。
- 骨折から8週間が経過したQBブレット・ファーヴの親指は、ドクターに言わせるとほぼ完治した、ということのようで、いつでも添え木を外してプレーしてもよい、という許可は出ている。しかし本人はまだかなり痛みがあるようで、今までどおりの添え木とバンデージでプレーを続ける、とのこと。
- パッカーズのシーズン最多ラッシングヤード記録を更新したRBアーマン・グリーン。「他の素晴らしい選手たちが僕を助けてくれた、ということに意味がある。陸上やゴルフとは違うんだ。他の10人がいてこそ、いいプレーができる。彼らにはただ感謝するのみだ」
- パッカーズの通算得点記録を塗り替えたKライアン・ロングウェル。「なんか現実じゃないみたいだね。自分の名前が、ドン・ハトソンやポール・ホーナングの上に出ているなんて、まだ実感がわかないよ」
- QBファーヴは23試合連続TDパスという球団記録を作ったが、NFL記録はジョニー・ユナイタスの47試合連続。「まあ、その記録が破られる心配はなさそうだね。1試合に一つ決めるだけでも大変なのに、47試合とはね。今はただTDパスが投げられるだけで、このチームでスナップを受けられるだけで嬉しいよ。決して破られない記録というのはいくつかあるものだし、このユナイタスの記録もその一つだ」
- DTギルバート・ブラウンのファンブルリカバリーは、キャリア初。
- クアルコム・スタジアムには、およそ25,000人のパッカーズファンが来ていた模様。
2003年12月15日
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Packers (8-6) |
7 |
10 |
0 |
21 |
38 |
Chargers (3-11) |
3 |
0 |
3 |
15 |
21 |
気温は16℃。天気は晴れ。最初のドライブでRBグリーンが先制のTDランを決めると、ディフェンス陣は自陣に攻め込まれながらも2つのターンオーバーを活かして3失点に抑え、WRドライバーへのTDパスで14点リードして前半終了。しかし後半は完全にチャージャーズのペース。パッカーズのオフェンスが不振に陥った間にチャージャーズのオフェンスが爆発。あっという間にRBトムリンソンが2つのタッチダウンを決め、ついに逆転。しかしパッカーズはWRファーガソンへのロングTDパスで再逆転すると、敵陣ゴール前でファンブルリカバーし、簡単にタッチダウン。最後もWRファーガソンへのTDパスで17点差をつけ、大量点で逃げ切った。
<第1Q> GB陣40からのパッカーズは、WRドライバーへの16ydsパスでSD陣に入り、さらにWRドライバーへの23ydsパスでSD陣13へ。RBグリーンのラン2回で先制のタッチダウン。チャージャーズは、RBトムリンソンの12ydsラン、TEゲイツへの13ydsパスでSD陣48へ。パッカーズのオフサイドとパスインターフェア(26yds)で一気にGB陣21。5ydsランとアンネセサリーラフネスでGB陣8に迫るがタッチダウンはならず、20ydsのFGが成功。GB陣20からのパッカーズは相手のラフィングザパサー、TEマーティンへの9ydsパス、RBグリーンの9ydsランでSD陣43へ。しかし反則が響いて結局パント。
<第2Q> TEゲイツへの23ydsパスでSD陣41へ進んだチャージャーズだったが、WRボストンのファンブルをSアンダーソンがリカバーし、パッカーズはSD陣38からのチャンス。WRドライバーへの13ydsパス、FBヘンダーソンへの9ydsパスでSD陣21へ。しかしリバースでの8ydsロスが響いて1stダウンは奪えず、32ydsのFGが成功。SD陣41からのチャージャーズは、RBトムリンソンへの21ydsパスでGB陣33へ進むが、反則やロスタックルで結局パント。GB陣4からのパッカーズは、相手反則で1stダウンをもらい、FBヘンダーソンへのスクリーンパスでGB陣31へ進み、2ミニッツ明けにパント。SD陣20からのチャージャーズは、TEゲイツへの27ydsパス、WRオズグッドへの24ydsに加えてアンネセサリーラフネスで一気にGB陣14へ。しかしそこでSシャーパーがインターセプト、GB陣30へ。残り1分17秒。WRウォーカーへの8ydsパス、WRドライバーへの18ydsパス、WRウォーカーへの18ydsパスでSD陣26へ。RBフィッシャーへの19ydsパスでSD陣7に迫る。WRドライバーへのTDパスが通って、14点差でハーフタイム。
<第3Q> SD陣22からのチャージャーズは、3rdダウン2からTEゲイツへの48ydsパスで一気にGB陣22へ。4thダウン1でギャンブルを敢行し、QBスニークで1stダウン。しかしタッチダウンはならず、26ydsのFGどまり。GB陣29からのパッカーズは3&アウト。SD陣40からのチャージャーズは、QBブリーズの12ydsスクランブルでGB陣に入るが、DEウォコーリーがサックしてファンブルフォース、DTギルバート・ブラウンがリカバー。しかしQBファーヴがインターセプトされ、SD陣47までリターンされてしまう。WRコルドウェルへの12ydsパス、さらに12ydsパスでGB陣29へ。RBトムリンソンの10ydsランでGB陣19。RBトムリンソンへのパスでGB陣8に迫って第4Qへ。
<第4Q> 最初のプレーでRBトムリンソンにTDパスが通り、2ポイントもWRボストンへのパスが決まって3点差に。パッカーズはまたもや3&アウト。SD陣28からのチャージャーズは、RBトムリンソンへの68ydsのTDパスが通ってついに逆転。RBダヴェンポートのナイスリターンでSD陣42からのパッカーズは、WRファーガソンに40ydsのTDパスが決まってあっという間に再逆転。次のチャージャーズは3回連続パス失敗でパント。GB陣33からのパッカーズは、ランが止められて3&アウト。SD陣20からのチャージャーズだったが、DTジャクソンがサックしてファンブルフォース、SD陣1でLBネイヴィーズがリカバー。次のプレーでRBグリーンへのTDパスが決まり、10点差に。SD陣32からのチャージャーズは、反則が響いて3&アウト。GB陣30からのパッカーズは、WRドライバーへの20ydsパスのあと、RBグリーンの34ydsランが飛び出してSD陣14へ。3rdダウン12から、WRファーガソンへのTDパスが決まる。残り3分58秒で17点差。SD陣22からのチャージャーズは、WRボストンへの18ydsパスやWRオズグッドへの22ydsパスなどでGB陣8に迫る。しかし4thダウンギャンブルも失敗し、最後はQBピダーソンがニーダウンして試合終了。
- QBファーヴは23試合連続でタッチダウンパスを決め、チーム史上単独1位に。23/33、278yds、4TD、1INT。4TDは1999年開幕戦のレイダーズ戦以来。
- 今回もRBグリーンのランが完全にシャットアウトされた。試合の最後で34ydsランが出たので19回75ydsと格好がついたが、それを除くと18回41yds(平均2.2yds)。3rdダウンロングに追い込まれることが多く、それが苦戦の原因になった。ただし、タッチダウンはラン・パスで1つずつ。5試合連続でファンブルなし。
- RBグリーンは今季1538ydsラッシングとなり、ジム・テイラーのパッカーズ年間ラッシング記録1474ydsを41年ぶりに破った。この記録はNFL全球団で最も古くから残るチーム記録だった。テイラーの時代はシーズン14試合制だったが、グリーンもちょうど14試合目でこの記録を超えたので、やはり価値はある。
- WRドライバーが8回112yds、1TDの活躍。パッカーズのレシーバーが100ydsを超えたのは、実はこれが今季初めて。
- 先週に続き、ターンオーバー・バトルで勝ったのが大きな勝因。両チームとも1つずつのインターセプトだったが、パッカーズが3つのファンブルリカバー。トータルヤーデージではチャージャーズが60yds以上、上回っている。
- この試合で8得点を挙げたKロングウェルは通算826得点となり、戦前の偉大な名選手、ドン・ハトソンの記録(823点)を抜いてチーム史上最多得点に。ハトソンについては、こちらやこちらを参照。
- RBとしてのトムリンソンは20回51ydsに抑え込んだが、レシーバーとしてのトムリンソンはやりたい放題。11回144yds、2TD。
- RBダヴェンポートはキックオフリターンで貢献し、4回平均31.2yds。特に、いったん逆転されたところでの45ydsのリターンは、チームに勢いを取り戻した価値ある一発だった。
- タイムオブポゼッションはパッカーズの27分29秒。第3Qの初めから第4Q途中までずっと3&アウトが続いたのが響いた。
- 両チームとも反則が多く、試合がちっとも進まない。前半だけでなんと7回81yds。後半は両チームとも2回ずつ。
- 敵地ながら、試合の最後の方では、おなじみの"Go, Pack, Go !"の合唱も聞こえてきた。かなりの数のパッカーズファンがクアルコム・スタジアムに乗り込んだ模様。
- アクティブ登録から外れたのは、OTスプリッグス、OTカーティン、DEレイノルズ、DTピーターソン、LBウィルキンズ、CBスウィニー、CBコームズ、そして第3QBのクレイグ・ノール。
- 第1Q、WRウォーカーがヒザを打撲していったん退場するが、すぐに復帰。
- CBマッケンジーは前半で足首を痛めたが、最後までプレーしたとのこと。
- 新加入のCBウィトリーが早くも出場。スペシャルチームでプレー。
- パッカーズはこれで12シーズン連続負け越しなし。QBファーヴが来てから12シーズン負け越しなし、ということでもある。
- ヴァイキングスが敗れたため、両者8勝6敗で並んだが、(NFC内での勝率が高いため)現時点ではヴァイキングスの方が上。また、シーホークスが敗れたため、ワイルドカード争いではパッカーズが(直接対決で勝っているため)、シーホークスを抜いてプレーオフ出場圏内に入った。
2003年12月14日
CBバウ・ジュー(鼠蹊部)とDTギルバート・ブラウン(ヒザ)は金曜日の練習に復帰し、どちらもなんとか出場できそうな様子。なお、チャージャーズはQBブリーズが先発することを発表した。
パッカーズ |
|
|
Bhawoh Jue |
CB |
Groin |
Questionable |
なんとか出られそう |
Marcus Spriggs |
T |
Hamstring |
Questionable |
出られるが出さないかも |
Gilbert Brown |
DT |
Knee |
Probable |
出場予定 |
Brett Favre |
QB |
Thumb |
Probable |
出場予定 |
Michael Hawthorne |
S/CB |
Hip |
Probable |
出場予定 |
Kenny Peterson |
DT |
Knee |
Probable |
出られるが出さないかも |
|
|
|
|
チャージャーズ |
|
|
Jamal Williams |
DT |
Knee |
Doubtful |
Stephen Alexander |
TE |
Groin |
Questionable |
Jason Ball |
C |
Ankle |
Questionable |
David Boston |
WR |
Neck |
Questionable |
Kris Dielman |
G |
Hamstring |
Questionable |
Damion McIntosh |
T |
Ankle |
Questionable |
Justin Peelle |
TE |
Concussion |
Questionable |
Carlos Polk |
LB |
Ankle |
Questionable |
Sammy Davis |
CB |
Knee |
Probable |
Josh Norman |
TE |
Wrist |
Probable |
|
|
(注) |
|
|
Probable |
: |
出場の可能性75% |
Questionable |
: |
出場の可能性50% |
Doubtful |
: |
出場の可能性25% |
Out |
: |
欠場 |
|
2003年12月13日
この2シーズン、Sマーカス・アンダーソンほどアップダウンの大きかった選手も少ないだろう。ルーキーだった昨年の第3週、デビュー戦でいきなりINTリターンTDとファンブルリカバリーを決め、シーズン中盤には連勝の原動力となった。しかしシーズン終盤になると勢いを失い、完全に尻すぼみ。先発の座を固めたものと慢心して、昨オフは勉強が足りず、今年の夏も伸び悩み、Sエドワーズにスターターを奪い返されてしまう。昨季中盤の活躍はただのラッキーでしかなかったという評価が定着してしまっている。
彼にとって必要なのは、本能に頼ってビッグプレー狙いをするのではなく、アサインメントをしっかりとして、タックルミスを減らすこと。「いいプレーをするには、正しいポジションにいなければならない。ビッグプレーはSシャーパーに任せ、自分はアサインメントに忠実に、一発狙いをしないことだ」
というのが大先輩、リロイ・バトラーからのアドバイスだ。また、Sシャーパーは自分の経験から、Sアンダーソンの伸び悩むのは理解できるという。彼もまたルーキーの時にビッグプレーをいくつか決めて天狗になってしまい、2年目、3年目は伸び悩んだからだ。
第13週@デトロイトでSエドワーズがハムストリングを痛めてシーズン終了、再びSアンダーソンに先発のチャンスが巡ってきた。シーズン最後の4試合が彼にとって重要なオーディションであることは、コーチたちも認めている。彼のプレー次第で、来春の補強が、スターター探しになるのか、控えの層を厚くするだけでいいのか、変わってくるのだ。まずはベアーズ戦でミスなく無難なプレーを見せ、残るはあと3試合。「今は僕にとって、好印象を与えてスターターの座を固める絶好のチャンスなんだ」とSアンダーソン。
2003年12月12日
相次ぐケガ人でDB陣の層の薄くなったパッカーズは、元ラムズのCBジェームズ・ウィトリーと契約した。「我々は、DB陣が少し手薄になってしまっている。彼はよいスペシャルチーム・プレーヤーだし、CBもセーフティもできる能力がある」とシャーマンHC。ラムズでは、DBの全ポジションをこなせる器用さは評価されていたものの、CBとしてはスピードが不足し、セーフティとしてはサイズが足りない、と見られていたようだ。
ウィトリーは身長181cm、体重86kg。ミシガン大出身の24歳。大学4年時に不祥事を起こしたことが響いたのかドラフトされず、2001年にはCFLカルガリーでプレー。昨年はラムズと契約し、13試合に出場した。主にダイム・バックとしてプレーし、27タックルを記録。今年はオフシーズンに足を骨折してしまい、復帰に手間取ってようやく第7週のパッカーズ戦から出場。しかし足の痛みでさらに何試合か欠場し、Sシーホーンらがケガから復帰してきたこともあって、12月2日に解雇されてしまった。
「僕はセカンダリーの全てのポジションができる。フリー・セーフティもCBもできるし、ストロング・セーフティも勉強してきた。ぜひ早くプレーしたいけど、多少時間がかかるかもしれないね。コーチや仲間も、僕がこのディフェンスに馴染むのを待ってくれるといいけど」とウィトリー。
- 昨日解雇されたLB T.J.スローターについて、シャーマンHC。「練習でもいいプレーを見せてくれていただけに、これは難しい決断だった。今はDB陣の補強が必要だったのだ。またスローターと契約する可能性もある」
- アキレス腱断裂で今季はインジャリー・リザーブで過ごしているCB/Sブライアント・ウェストブルック。彼のキャリアはもう終わりか?と聞かれたプロ人事部長のレジー・マッケンジーは、「その可能性はある。彼は以前にも逆の脚のアキレス腱をやってしまってるわけだからね」
- ヒザのケガでインジャリー・リザーブに入っているDTロッド・ウォーカー。月曜日に肩の手術をすませ、近いうちにヒザの手術を行う予定。
- CBバウ・ジューとCBホーソーンは水曜日の練習を休んだ。ホーソーンは木曜日には復帰の予定。ジューは金曜日にテストする予定。
- Kライアン・ロングウェルが先週のNFCの"Special Teams Player of the Week" に選ばれた。
2003年12月11日
- CBスウィニーがロースターに昇格したために空いた枠を使って、CBカルヴィン・カーライルをプラクティス・スクワッドに入れた。カーライルはオレゴン州立大出身のドラフト外ルーキー。つまり、LBバーネットのチームメイトだった。
- 1ヶ月前に契約したばかりのLB T.J.スローターを解雇。誰か他の選手を獲得するために彼をカットしたのか、それともスローター本人に何か問題があって首になったのか、詳細は不明。
- WRジャヴォン・ウォーカーがオフの間にレーザー視力矯正手術を受けていた、ということをシャーマンHCが初めて明らかにした。ルーキーシーズンに多かったパス落球が今年は大幅に減っているが、この手術と関係あるのかはわからない、とシャーマンHC。
- CBマイク・マッケンジーのインターセプトリターンタッチダウンが、今週のNFLの"PLAY OF THE WEEK"にノミネートされている。投票はこちらから。
- 今年のプロボウル投票も締め切りが12月12日いっぱい(現地時間)に迫っている。まだ投票していない方はこちらから。
2003年12月10日
- マイク・シャーマンHCは今週末のサンディエゴ遠征について、通常の土曜日の移動でなく、金曜日じゅうに移動を済ませ、土曜日には地元の高校か大学で練習をすることに決定した。第11週のバッカニアーズ戦で成功したやり方だ。ただし、翌週のレイダーズ戦のためにカリフォルニア滞在を続けることはしないとのこと。レイダーズ戦はマンデーナイトのため、間隔が空きすぎるためだ。
- シーズン前半は非常によかったキックオフのカバーチームだが、ここ数試合はビッグリターンを許し、ベアーズ戦ではついにタッチダウンまで許してしまった。「あのタッチダウンをのぞいても、シーズン前半のような仕事ができていない。毎試合のようにいいリターンをさせてしまい、それが失点に結びついている」とシャーマンHC。
- QBブレット・ファーヴのインターセプトにつながったプレッシャーについて(ビデオハイライト参照)。QBファーヴはスクリメージで、左サイドからのブリッツを読んでブロックの変更を指示したが、ラインマンたちにそれが伝わらなかった。LGウォールが一人もブロックしないことになり、RBグリーンが2人のブリッツァーを相手にすることになってしまった。「あのブリッツはピックアップしなければならなかった」とシャーマンHC。
- ベアーズ戦ではオフェンスラインの反則が多く、フォルススタート3回、ホールディング2回。「話し合って、取り組んでいかなければならない」とシャーマンHC。
- ミシシッピ州立大のヘッドコーチに就任したクルームRBコーチ。先週末に3人のオフェンスのコーチを指名し、週明けにはオフェンシブコーディネーターも決定した。グリーンベイと現地には直通の航路がないこともあって、クルームはすでにかなり疲労困憊している様子。シャーマンHCは、今週は月曜日の仕事が終わり次第ミシシッピに向かうことを許した、とのこと。
- ヴァイキングスでは、オレアリーDCがセントラル・フロリダ大のヘッドコーチに決定。コーディネーター職だけにクルームよりさらに大変だが、シーズン終了まではヴァイキングスを最優先するようだ。
- 今年の "Walter Payton Man of the Year award" のチーム代表に、パッカーズからはDEアーロン・キャンプマンが選ばれた(各チームのリスト)。プロ選手として優れているだけでなく、市民としての地域活動が認められた選手に対して与えられる賞。昨年はWRドライバーがパッカーズの代表に選ばれている。
2003年12月 9日
- 自分のミスから61ydsのロングTDパスを許したCBマイク・マッケンジーは、サイドラインに戻って、"Don't worry, I'll get back for you guys." と宣言。普段は口数の少ない彼だが、今回は有言実行だった。
- CBマイク・マッケンジーの2INTは1999年シーズンのアリゾナ戦以来。「ロングTDパスを許した直後、彼は"必ず取り戻す"と言ってくれた。まさにその通りの結果になった」とシャーマンHC。「一時的にやられてしまうことがあっても、必ず再起するチャンスはあるものだ。翌週まで待たなければならないことも多いのに、マッケンジーは同じ試合のうちにやってくれた」とドナテルDCも嬉しそう。CBマッケンジー本人は、「狙ってたんだ。クイックスローを期待してた」
- INTリターンTDの際、ややスピードの鈍ったCBマッケンジーにQBスチュワートとWRホワイトが追いすがってきたが、LBバーネットとSシャーパーが"Go, go go!"と叫びながら必死でブロックし、エンドゾーンまで送り届けた。
- QBファーヴの喫したINTリターンTDは、彼の長いキャリアで最も醜いプレーの一つ、という評判。サックされそうになったファーヴは右サイドラインに思いっきり投げ出そうとしたが、誰もいないサイドライン際にフラフラと浮いたところを、LBブリッグスが簡単にキャッチし、45ydsを独走。関係ないが、ファーヴが投げたこと自体、インテンショナルグラウンディングだった。
- 14点をリードされたパッカーズだが、QBブレット・ファーヴは「このスタジアムじゅうで、心配していないのは僕だけだったかもしれない」
- キャリアハイの1試合7キャッチを記録したWRロバート・ファーガソン。風邪をひいていた上に、頭をヒットされたり、背中を痛めたり、大変な一日だった。「ブレットに言ったんだ。"何でこんなことを13年も続けられるのかわからないよ"ってね。彼はただ笑ってた」
- ハーフタイム直前、50ヤード地点でQBスチュワートをサックし、4thダウンに。しかしシャーマンHCは残り5秒でタイムアウトを取ってしまい、ベアーズにヘイルメリーパスを投げるチャンスを与えてしまった。さいわいSシャーパーがエンドゾーンでインターセプトをしたために大事には至らなかったが、これは完全にコーチのボーンヘッド。「私の側のミスだ。パントをブロックできるチャンスがあると、欲張ってしまった。もう二度とこんなミスはしない」とシャーマンHC。
- LBニック・バーネットはケガする前と同様に、ダイム隊形でもプレーしており、完全復帰。
- 試合終了直前、CBアズマーに許したキックオフリターンTD。プラクティス・スクワッドから昇格したばかりのCBスウィニーがタックルをミスした。彼は負傷退場のCBジューに代わってプレーしていた。
- 風邪に苦しみ、試合の間じゅう咳をしながらもフィールドゴールを全て成功させたKライアン・ロングウェル。試合後には声も出にくい状態に。いっぽうPビドウェルは、強い風にも悩まされて惨憺たる出来。来春にはフリーエージェントとなるPビドウェルだが、このところスランプ気味。
- QBブレット・ファーヴは188試合に連続で出場し、フォレスト・グレッグの187試合を抜いてチーム記録に。
- 長いパッカーズ対ベアーズの歴史の中で、パッカーズが14点差をひっくり返して勝ったのはこれが初めて、とのこと。逆にベアーズの側は、14点差を逆転したことが2回ある。
- CBバウ・ジューは鼠蹊部を痛め、CBホーソーンも太腿を痛めて途中退場したが、両者とも次の試合には出られる、と主張。
2003年12月 8日
|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
Bears (5-8) |
14 |
0 |
0 |
7 |
21 |
Packers (7-6) |
0 |
13 |
6 |
15 |
34 |
気温は2℃。天気は曇り。第1QにWRブッカーへのTDパスを許した直後、QBファーヴがINTリターンTDを喰らい、あっとまに14点を失う。パッカーズは相手のファンブルなどでFG2本を返したあと、WRウォーカーへのTDパスで1点差に。後半に入って、CBマッケンジーのインターセプトを活かしたパッカーズは、2本のFGで5点のリードを奪う。第4Qのはじめ、自陣レッドゾーンでCBマッケンジーが2つめのインターセプトを決め、そのままタッチダウン。その後もTEクラークのファンブルロストなど、ベアーズ攻撃の不振につけこんだパッカーズが、相手の反撃をキックオフリターンTDの7点に押さえ、危なげなく逃げ切った。
<第1Q> GB陣32からのパッカーズは、RBグリーンのラン3回で3&アウト。ベアーズはTEクラークへの19ydsパスで1stダウンを獲得するが、あとが続かずパント。GB陣20からのパッカーズは、フリーマンへの11ydsパスとWRウォーカーへの16ydsパスなどで敵陣に入るが、CHI陣45での4thダウン1、ギャンブルはせずにパント。両者3&アウトのあと、CHI陣16からのベアーズは、3rdダウン9からWRテレルへの21ydsパスが通ってCHI陣39へ。その直後、WRブッカーへの61ydsのTDパスが成功してベアーズ先制。GB陣33からのパッカーズは、LBブリッグスにINTリターンTDを喰らってしまう。GB陣40からのパッカーズは、RBグリーンのランでCHI陣45へ進んで第2Qへ。
<第2Q> FBヘンダーソンの落球のあと、RBフィッシャーへのスクリーンパスで一気にCHI陣26へ。TEウォールズへの9ydsパスなどでCHI陣6まで進むがタッチダウンはならず、24ydsFGで3点を返す。直後のベアーズのキックオフリターンで、LBマーシャルがCHI陣21でファンブルリカバー。1stダウンは奪えず、38ydsのFG成功で8点差に。ベアーズは、WRブッカーへの22ydsパスでCHI陣40に進むが、DTハントのサックが出て結局パント。GB陣14からのパッカーズだったが、WRファーガソンへの20ydsパス、グリーンへのスクリーンパスなどでCHI陣47へ。RBダヴェンポートの13ydsラン、WRファーガソンへの12ydsパスでCHI陣22へ。WRウォーカーへの22ydsTDパスが決まり、2ポイントは敢行せず、1点差に。CHI陣34からのベアーズは、2ミニッツをはさんでGB陣48まで攻め込むが後が続かず。残り1分01秒、パッカーズは3&アウト。ベアーズはGB陣41からのチャンスだったが得点ならず、エンドゾーンへのヘイルメリーパスをSシャーパーがインターセプトしてリターンするが、50ヤード地点まで。
<第3Q> CBアズマーのナイスリターンでCHI陣43からのベアーズは、WRテレルへのパスでGB陣47に入るが、3rdダウン11でCBマッケンジーがインターセプト。GB陣48からのチャンスに、FBヘンダーソンへの5ydsパスとWRファーガソンへの8ydsパスでCHI陣38へ。RBグリーンの3ydsラン、WRファーガソンへの13ydsパスでCH陣22へ。タッチダウンは奪えなかったが、35ydsのFG成功でついに逆転。ベアーズの攻撃が3&アウトに終わったあと、GB陣37からのパッカーズは、WRウォーカーへの9ydsパスとRBグリーンの2ydsランで1stダウン。ラフィングザパサーでCHI陣35へ。2回のホールディングなどで3rdダウン20となるが、WRファーガソンへの18ydsパスで再びFGレンジへ。45ydsのFGが決まって5点差に。
<第4Q> ベアーズはWRブッカーへの11ydsパス、WRホワイトへの21ydsパス、WRブッカーへの12ydsパスでGB陣18へ。しかし3rdダウン8から、CBマッケンジーのINTリターンTDが飛び出す。2ポイントもTEフランクスへのパスが決まって13点差に。ベアーズは、WRゲイジへの28ydsパスでGB陣へ進むが、インテンショナルグラウンディングなどで1stダウンが奪えず、結局パント。パッカーズは3&アウト。50ヤードからのベアーズは、WRテレルへの12ydsパスでGB陣38へ進むが、次のプレーでTEクラークがファンブルしDEバジャ=ビアミラがリカバー。パッカーズはRBグリーンの9ydsラン、9ydsラン、5ydsランでCHI陣39に進むが結局パント。残り3分34秒、CHI陣10からのベアーズだが、4thダウンでDTジャクソンがサックを決め、CHI陣1でパッカーズ攻撃に。RBグリーンのTDランが決まって20点差。その直後、CBアズマーのキックオフリターンTDが決まって再び13点差に。残り2分13秒、オンサイドキックをKRチャットマンがキャッチして勝負あり。
- QBファーヴは第1QにINTリターンTDを喰らうが、そのあとはまずまずか。22/33、210yds、1TD、1INT。先週に続いてRBグリーンのランが止められ、苦しい3rdダウンが多かった。
- RBグリーンは30回80yds、平均2.6ydsに抑え込まれた。4試合連続でファンブルなし。タッチダウンは、相手がCHI陣1で4thダウンギャンブルを失敗したチャンスに決めたもの。
- タイムオブポゼッションはパッカーズの35分24秒。ラッシングを平均2.6ydsと押さえ込まれながらも、我慢してランを続けた結果か。
- 両チームとも、3rdダウン成功率は5/17の29%とよくなかった。
- 今日のMVPは何と言ってもCBマッケンジー。第1QにロングTDを許したのは彼がブッカーに抜かれたためだが、十分すぎるほどお返しをした。第3Qでのインターセプトは逆転のFGにつながり、第4QのインターセプトリターンTDが実質的に試合を決めた。
- WRファーガソンがパスキャッチ7回79ydsの活躍。1stダウンとなるパスキャッチが4回など、大事な場面での活躍が光った。
- ターンオーバー・バトルが勝敗の分かれ目。パッカーズが喫したのは第1QのINTリターンTDだけだったのに対し、ベアーズは3INT、2ファンブルロスト。
- ベアーズのラッシングを20回44ydsに抑えたのも勝因のひとつ。エースRBトーマスを9回22yds、QBコーデル・スチュワートを3回22yds。
- 4本のFGを全て決めたKロングウェルもヒーローの一人。
- パッカーズは3サック。被サックはゼロ。
- QBファーヴは22試合連続でTDパスを決め、チーム史上1位タイに。1941年から42年にかけて、QBセシル・イズベルが同じく22試合連続のTDパスを決めている。
- アクティブ登録から外れたのは、OTスプリッグス、OTカーティン、DEレイノルズ、DTピーターソン、LBスローター、LBウィルキンズ、CBコームズ、そして第3QBのクレイグ・ノール。
- 先週のライオンズ戦でハムストリングを部分断裂したSアントワン・エドワーズは、やはりインジャリー・リザーブ入り。入れ替わりに、CBアーウィン・スウィニーがプラクティス・スクワッドから昇格している。
- 昇格したCBスウィニーがさっそく出場。スペシャルチームのほか、ダイムでも出場した模様。
- ケガ人は、CBジューが鼠蹊部を痛めて途中退場。RGリヴェラは足首を捻挫したがそのままプレーした模様。
2003年12月 7日
ハムストリングを部分断裂したSアントワン・エドワーズは、今季は出場できない可能性が高いため、パッカーズは彼をインジャリー・リザーブに入れてロースター枠を空けることを検討している。空いた枠で誰と契約するかが問題だが、現在プラクティス・スクワッドにいるCBアーウィン・スウィニーなら、昨年からパッカーズのシステムに馴染んでいるので有力候補だろう。
パッカーズ |
|
|
Antuan Edwards |
S |
Hamstring |
Out |
今季終了か |
David Martin |
TE |
Chest |
Questionable |
出られるところまで回復した |
Kenny Peterson |
DT |
Knee |
Questionable |
微妙 |
Marcus Spriggs |
T |
Hamstring |
Questionable |
欠場の見込み |
Nick Barnett |
LB |
Ankle |
Probable |
出場予定 |
Gilbert Brown |
DT |
Knee |
Probable |
出場予定 |
Rob Davis |
LS |
Back |
Probable |
出場予定 |
Brett Favre |
QB |
Thumb |
Probable |
出場予定 |
Paris Lenon |
LB |
Knee |
Probable |
出場予定 |
Darren Sharper |
S |
Chest |
Probable |
出場予定 |
|
|
|
|
ベアーズ |
|
|
Dustin Lyman |
TE |
Abdomen |
Out |
Chris Chandler |
QB |
Shoulder |
Questionable |
Aaron Gibson |
T |
Knee |
Questionable |
Mike Green |
S |
Groin |
Questionable |
R.W. McQuarters |
CB |
Toe |
Questionable |
Chris Villarrial |
G |
Side |
Questionable |
Anthony Thomas |
RB |
Ill |
Probable |
|
|
(注) |
|
|
Probable |
: |
出場の可能性75% |
Questionable |
: |
出場の可能性50% |
Doubtful |
: |
出場の可能性25% |
Out |
: |
欠場 |
|
2003年12月 6日
- LBニック・バーネットは木曜日の練習にフル参加し、準備はOKだと宣言。
- 木曜日の練習を休んだのは、DTギルバート・ブラウン(ヒザ)、OTスプリッグス(ハムストリング)、SSエドワーズ(ハムストリング)。TEマーティンは控えめに練習したが、胸部の炎症のせいで、ときおり息が切れるとのこと。
- 先日亡くなった元RBトニー・カナデオへの弔意を表すため、パッカーズは残り4試合、ヘルメットの後部に彼の背番号3のシールを貼ってプレーすることになった。なお、パッカーズ史上、永久欠番は彼を含めて4人だけである。WRドン・ハトソンの14番、RBカナデオの3番、QBバート・スターの15番、LBレイ・ニチキの66番。
- 96年に優勝した時にも活躍した長身DEショーン・ジョーンズ。エージェント稼業でエラいことをしでかしてしまい、2年間の資格停止処分となった。2001年のダラスのドラフト1巡指名、DEエキューバンの代理人となった彼だが、エキューバンの財産を担保に不動産を購入し、ローンを払いきれず。また、エキューバンの預金証書を担保にして自分のビジネスの借金をしたり、エキューバンに30万ドル借りたりしたが、これも払えず。気の毒なことにエキューバン自身も破産してしまっている。
2003年12月 5日
- QBブレット・ファーヴは水曜日の練習全てに参加し、非常によいパスを投げていたようだ。骨折して以来最もいい感じだ、と本人。
- 胸部打撲で1試合欠場したSダレン・シャーパーだが、水曜日の練習から復帰。ただし、まだコンタクト練習には参加していない。
- 同じく1試合欠場のLBニック・バーネット(足首の捻挫)も、水曜日の練習に一部参加。木曜日にはフル参加の予定とのこと。
- TEデヴィッド・マーティンは胸部の炎症?で練習を休んだ。肋膜炎かもしれない、とのこと。
- 肩を痛めているCマイク・フラナガンは水曜日の練習を休み、木曜日に復帰予定。
- DTギルバート・ブラウン(ヒザ)、OTスプリッグス(ハムストリング)、DTピーターソン(ヒザ)の3人も水曜日の練習を休んだ。
- ミシシッピ州立大のヘッドコーチに就任したシルヴェスター・クルームRBコーチだが、当面のかけもちのやり方について、シャーマンHCとの取り決めは以下のようになったようだ。パッカーズの木曜日の練習が終わり次第、ミシシッピに飛んでもよい。そして再びパッカーズと合流するのは試合の前の晩。
- クルームがRBコーチに専念できない分、カバーしているのはエドガー・ベネットとジェフ・ジャゴジンスキーTEコーチ。「シャーマンHCもクルームRBコーチも私を信頼してくれているし、私も自分に自信を持っている。どの仕事をすることになろうと、やり遂げる自信はある」とエドガー・ベネット。
- クルームの就任記者会見をテレビで見ていて涙が出てきた、とシャーマンHCは言う。「理由の一つは、私は素晴らしいコーチを失ってしまうからだ。もう一つは、彼が記者会見で話したことだ。彼自身のこと、ミシシッピ州のこと、そしてこの国のこと。彼を自分のコーチであり、友人だと呼べることを、私は誇りに思う。彼は素晴らしい仕事をするだろうし、我々は本当に寂しくなる」
- カウボーイズを解雇されたばかりのCB/KRデレク・ロス。昨年の3巡指名で、昨季は9試合に先発(5INT)しながら、規律上のトラブルを繰り返してパーセルズHCから見限られてしまった。しかし、彼の能力を高く評価するチームは多く、パッカーズを含めて10チームが獲得を希望。自動的に、現在最も成績の悪いファルコンズがCBロスを獲得した。
2003年12月 4日
ミシシッピ州立大のヘッドコーチに就任したシルヴェスター・クルームRBコーチだが、レギュラーシーズン一杯は大学とパッカーズをかけもちすることになった。火曜日、大学での就任記者会見を終えたクルームは、飛行機でグリーンベイにとんぼ帰り。水曜日にはベアーズ戦に向けての練習に参加する予定だ。クルーム本人は大学に専念したい意向だったのだが、パッカーズ側の求めに応じ、あと1ヶ月はグリーンベイでの義務を果たす、とのこと。
「このような形でやっていくことは、パッカーズ側の求めによるものだ。フルタイムで大学に専念できれば楽だっただろう。しかし彼らに対する義務もある。それもまた光栄なことだ」 とクルーム。レギュラーシーズンの間は、パッカーズのコーチをするかたわら、大学での仕事をこなしたり、新入生の勧誘に出かけたりする予定。しかし、パッカーズがプレーオフに進出した場合は、完全にパッカーズを離れる可能性もある。
クルームがパッカーズを離れる場合、元エースRBのエドガー・ベネットが代理RBコーチとなる可能性が高い。この3シーズン彼は、"Director of Player Development" という肩書きで、選手の私生活のアドバイザー役を務めてきた。しかし練習や試合ではRBコーチのアシスタント、STコーチのアシスタントもずっとしており、RBたちからの信頼も厚い。
2003年12月 3日
シルヴェスター・クルームRBコーチが、ミシシッピ州立大からのヘッドコーチ職のオファーを受諾。SEC初の黒人ヘッドコーチとなることが決定した(経緯については昨日の記事参照)。 大学で記者会見を行うまでは、本人はノーコメントを通しているが、さしあたっての問題は、彼がいつパッカーズを離れるか、ということだ。パッカーズ側はシーズン一杯チームに残ることを望んでいるが、カレッジではリクルートのシーズンがまもなく始まるため、大学側はすぐにでも新HCとして仕事を始めてもらいたいところ。
彼がオファーを受けるに至った経緯について、「これは、彼にとって非常に難しい決断だった。しばらくの間、彼の中で葛藤があったのだ。昨日までは、受けるつもりではなかったようだ。しかし最終的には、これは自分がなすべきことだと決断した」とシャーマンHCは説明している。「家族のことが大きかったと思う。彼の母親や兄弟や娘がみなアラバマのタスカルーサ(クルームの生まれ故郷であり、アラバマ大の所在地でもある)に住んでいて、そこはミシシッピ州立大から1時間半の距離なのだ」
教え子であるRB/FBたちは、彼が選ばれたことを喜びながらも、もうコーチを受けられなくなることを残念がっている。「彼のためには本当に喜んでいるよ。でも悲しいことでもある。僕にNFLでのチャンスをくれたのは彼なんだから」とドラフト外入団のRBフィッシャーは振り返る。彼の下でプレミアRBとして花開いたRBグリーンは、「僕がより忍耐強く、規律正しくプレーするよう助けてくれた」と語る。クルームは選手を怒鳴りつけるタイプではないが、決して容易には引き下がらない人だとFBルーチーは言う。「怒鳴らなくても、こちらは怒鳴られたかのように反応してしまうんだ。"彼の下でプレーしたい"と思わせるような、"彼を失望させたくない"と思わせるような人だよ」
彼らRB/FBたちは、なんとか今シーズンが終わるまでは、大学とかけもちでRBコーチを続けてほしいと願っている。そうするには、一つよい方法がある、とFBルーチーは言う。「僕らがきちんと正しく、彼の言うとおりにプレーすれば、心配がなくなってかけもちも楽になるはずさ」
ライオンズ戦で負傷退場したSアントワン・エドワーズは、ハムストリングの筋肉を部分断裂していることが判明し、次のベアーズ戦の欠場は決定した。ドクターによると、手術が必要かどうか見極めるためには、10日から2週間ほど様子を見る必要がある、とのこと。もし手術となれば今季はもう出場できない。もし手術不要で自然治癒に任せることになっても、今季中に復帰できる保証はない。
1999年のドラフト1巡で指名されて5年目、来春には契約が切れてフリーエージェントとなる。多くのケガとミスタックルとアサインメントミスにまみれたキャリアを送ってきたSエドワーズだが、先日のライオンズ戦がパッカーズでの最後の試合、ということになる可能性も十分ある。
2003年12月 2日
シルヴェスター・クルームRBコーチが、ミシシッピ州立大からヘッドコーチ職の正式オファーを受けていることが明らかになった。金曜日にはミシシッピ州立大のアスレチック・ディレクターが学長を伴って、グリーンベイを訪問して説得。日曜日にはクルーム自身が大学に赴き、5時間にわたって面談を行ったとのこと。あとはクルームの決断待ちだが、アスレチック・ディレクターは、「彼の全ての疑問に答えられたと思う」と自信をのぞかせている。
シルヴェスター・クルームは今年でチーム在籍3年目となる49歳。アラバマ大では偉大な名将ベアー・ブライアントの元でセンターとして活躍し、オール・アメリカンにも選ばれている。卒業後は1年間だけセインツでプレーしたあとアラバマ大に戻った。コーチをしつつ大学院も卒業し、LBコーチとして10年間、ブライアントHCの薫陶を受けた。1987年からはNFLに進み、バッカニアーズで4年、コルツで1年、チャージャーズで5年間RBコーチ。そしてボビー・ロスHCがライオンズに移ると、彼もデトロイトに移って4年間オフェンシブ・コーディネーターを務めた。ロスHCの引退とともにパッカーズへ。(経歴はこちら)
いっぽうミシシッピ州立大はこの3年間で8勝27敗という大不振が続いており、今季も2勝10敗で Southeastern Conference(SEC)の最下位。つい先日の最終戦では、QBイーライ・マニング率いるミシシッピ大に0-31の完封負けを喫したばかりだ。今年で13年目のジャッキー・シェリルHCは引退することになり、その後任として同じアラバマ大出身のクルームに白羽の矢が立ったというわけだ。
この人事がとりわけ注目されているのは、もし就任が実現すればSEC初の黒人ヘッドコーチということになるから。昨年もクルームは、同じくSECのアラバマ大のヘッドコーチの候補となったが、選ばれたのはマイク・シュラ(ドン・シュラの息子)だった。
クルームはコーチとしての手腕だけでなく、温厚な人格者として誰からも非常に尊敬される人物。人間的に素晴らしい彼は、むしろプロよりカレッジに向いているのではないか、とする見方もある。昨年、アラバマ大ヘッドコーチに選ばれなかったことを根に持つグリーンベイの地元記者たちは、「本当なら名門アラバマ大にこそふさわしい人なのに」と悔しがりつつ、カレッジでの彼の成功を心から願っている。
2003年12月 1日
1940年代にパッカーズで活躍した名ランニングバック、トニー・カナデオTony Canadeo が亡くなった。84歳だった。土曜日の午後、グリーンベイの自宅で倒れたカナデオは、その後 St. Mary's Hospital に運ばれ、そこで息を引き取った。直接の死因は発表されていないが、30年ほど前に息子からの腎臓移植を受け、特にここ数ヶ月は体調がすぐれなかったとのこと。
1919年にシカゴで生まれたトニー・カナデオは、ゴンザガ大から1941年のドラフト9巡でパッカーズ入り。若白髪のために、ニックネームは"Gray Ghost"。第二次大戦への従軍をはさんで1952年に引退するまで、タフなランニングバックとして活躍を続け、オールプロに4回選ばれている。ラッシングだけでなくブロッキングやパスレシーブにも優れ、リターナーとしても活躍した。1974年にNFLの殿堂入りし、背番号3はパッカーズの永久欠番となっている。
プロ入り直後の3年間は偉大なWRドン・ハトソンとともにプレーしたが、華麗で洗練され、カリスマ的なハトソンに対し、ガッツ溢れるプレースタイルで、親しみやすい人柄のカナデオは好対照をなしていたという。ハトソンの引退した40年代後半、カナデオの才能がさらに花開いた一方でパッカーズの成績は下降線をたどり、カナデオは孤軍奮闘でチームを支えていた。現在ではチーム史上4位のラッシング記録4,197ydsだが、彼こそチーム史上最高のRBだと考える人も多い。
「彼はグリーンベイで最高のRBの一人だ。彼がいかに素晴らしい選手だったかはリーグじゅうから認められていた。ボールキャリーやパントリターンだけでなく、キャッチもうまかった。誰からも好かれるヤツで、世界中に敵なんて一人もいなかったよ。グリーンベイ史上最も好かれた選手であり、素晴らしいフットボール・プレーヤーだった」と、チームメイトで親友のトム・ミラーは語っている。
引退後もカナデオはパッカーズに大きな貢献を続けた。パッカーズ戦放送の解説に加え、1955年にチームの理事会の一員に。1958年には、さらに上の"executive committee"のメンバーとなった。1959年にヴィンス・ロンバルディを新ヘッドコーチを選んだ際に、ジャイアンツのオフェンシブ・コーディネーターだったロンバルディとの面接を行ったのも彼だった。同じイタリア系のロンバルディとはその後、非常に親密な友人関係を築き、ロンバルディの死後も家族ぐるみでのつきあいは続いた。
1982年にはチーム副社長にまでなったカナデオは、体を悪くして一線を退いたあとも、名誉理事としてパッカーズをサポートし続けた。体調の許す限りスタジアムで観戦し、チームの勝敗に激しく一喜一憂していたという。半世紀以上にわたって地元ファンから親しまれた彼は、最後までチームを象徴する人物の一人だった。