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2011年7月31日

Day 1: 新人シェロッドが左ガードに

待ちに待ったトレーニングキャンプ初練習がレイ・ニチキ・フィールドで行われた。昼間に降った雨も上がり、素晴らしい天候でのキャンプイン。練習開始のホーンが響き渡ると、ファンから大きな歓声が上がり、"Repeat the Super Bowl !"のかけ声も。

Notebook: 選手インタビューから

今夏初めてロッカールームが記者たちに開放され、選手へのインタビューが行われた。今キャンプ前半は夜の練習ばかりなので、毎日練習前の午後にこうした時間を設けるのかもしれない。

マッカーシーHCの記者会見から

トレーニングキャンプ初練習に先立ち、マイク・マッカーシーHCが土曜朝に記者会見を行った。たいして具体的な内容はなく、心構えの話が多い。

2011年7月30日

Notebook: 1巡OTシェロッドが契約

キャンプ日程に大きな変化

トレーニングキャンプ練習のスケジュールがようやく発表された。

新労使協定に盛り込まれた規定により、パッドを着けた練習を1日2回行うことが禁止された。パッド練習は1日3時間まで、それ以外を含めたフィールドでの練習も4.5時間まで。いわゆる"Two a day"禁止規定だ。

RTマーク・タウシャーを解雇

パッカーズがRTマーク・タウシャーを解雇したことが明らかになった。彼は2000年7巡指名で地元ウィスコンシン大から入団して以来、10年以上にわたって一流右タックルとして活躍。人格的にも優れ、無口な同僚LTクリフトンとは対照的に、気の利いたコメントで記者やファンを楽しませることも多い。しかしここ数年は大きなケガに苦しみ、昨季は肩を負傷して戦線離脱の間に新人ブライアン・ブラガに先発の座を奪われる結果となった。

今年はベースサラリーが$4.1ミリオンに跳ね上がる契約になっており、控えOLにこの金額は高すぎる。そのため解雇は確実とみられており、キャンプインぎりぎりまで解雇されなかったことがむしろ意外。球団としては、地元出身の人気者の面目を守るために引退を選ばせようとし、本人が現役続行を望んだのか。それとも、控え相応のサラリーへと減俸を求めて本人に断られたのか。

Journal Sentinel紙の計算によると、RTタウシャーの解雇でサラリーキャップ上$4.58ミリオンが浮き、ILBバーネット、OLBポピンガ、ILBチラー、DEハレルを含めた計5人の解雇で$17.26ミリオンのキャップの余裕を作ったことになる(Kクロスビーや新人たちとの契約である程度食いつぶされる)。ーブにただ、ILBチラーを除けばどれも春以来予想されていた人事で、ついに来るものが来たといった感じ。5人全員が昨季後半インジャリーリザーブにいて、チーム躍進に貢献できなかった、という点も共通している。

ドラフト外ルーキー15人と契約

パッカーズは下表のドラフト外ルーキー15選手との契約を発表した。多くは開幕ロースターが望み薄の泡沫候補、いわゆる"Camp body"にすぎないが、パッカーズはドラフト外選手の成功率が高く、昨年もドラフト外からCBサム・シールズやOLBフランク・ゾンボが優勝に貢献している。

2011 Packers Rookie Free Agents
Pos. Name College ht. wt. 40走 備考
RB Brandon Saine Ohio State 5-11 220 4.40 フルタイムの先発ではなかった。レシービングがきわめて上手い
FB Jon Hoese Minnesota 6-2 238 4.82 スペシャルチームでも優れる
WR/KR Shaky Smithson Utah 5-11 202 4.65 パントリターンで全米トップの平均19.1yds・2TD
WR Diondre Borel Utah State 6-0 199 4.51 大学では「スラッシュ」タイプのQBだった
WR Tori Gurley South Carolina 6-4 216 4.57 長身で腕もたいへん長い
WR Kerry Taylor Arizona State 6-0 196 4.49 元49ersのWRジョン・テイラーの甥
OT Ray Dominguez Arkansas 6-4 334 5.40 SECの有力大で3年間先発OT
OT Theo Sherman James Madison 6-3 302 5.27 ディビジョンI-AA校
C Sampson Genus South Florida 6-1 315 5.53 サイズはないがハードワーカー
OLB Vic So’oto Brigham Young 6-3 263 4.68 大学ではDEだった。TE経験も
OLB Jamari Lattimore Middle Tennessee St. 6-2 230 4.72 昨季急成長して11.5サック
ILB Elijah Joseph Temple 6-1 243 4.83 昨季末のヒザのケガは回復
CB Brandian Ross Youngstown St. 6-0 191 4.54 ディビジョンI-AA校。セーフティ経験あり
S M.D. Jennings Arkansas St. 6-0 187 4.53 フリーセーフティだがCBもできる
S Anthony Bratton Delaware 6-0 213 4.52 通算7インターセプト

2011年7月29日

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

毎年恒例、非営利団体グリーンベイ・パッカーズ(株主112,158人)の株主総会がランボーフィールドで開催された。株主1人につき4人のゲストを同行でき、ほとんどは雰囲気を楽しむために来ている。優勝とロックアウト明けの興奮もあって、今回の参加者は昨年より2割ほど多い11,700人。スタジアム駐車場は開始30分前に満車となった。

こんな感じで東側スタンドを使って行う 左端の青屋根が役員席

テッド・トンプソンGM

トンプソンGMへの盛大なスタンディングオベーション

Notebook: さらに3選手の移籍決定

FA選手がめまぐるしく動くなか、パッカーズはKメイソン・クロスビーとの再契約以外動きはなく、おそらく今後も大きなFA補強はないはず。選手たちは木曜夕方にセント・ノーバート大の学生寮に集合し、金曜のキャンプ初日に備えている。(写真

OLBポピンガとDEハレルを解雇

パッカーズがOLBブレイディ・ポピンガおよびDEジャスティン・ハレルを解雇した。OLBポピンガは今季ベースサラリーが$2ミリオン強、DEハレルは新リーグ年度の初めにロースターボーナス$57万5000ドルが発生するためだ。OLBポピンガの解雇で$2.5ミリオン、DEハレルの解雇で$1.25ミリオンのサラリーキャップ枠が空くらしい。

Press-Gazette紙によると、今年は超変則FA日程のため、「新リーグ年度初日にロースターボーナス」の契約であっても、ロースターボーナス期日はは8月4日の新リーグ年度初日ではなく、明日(現地金曜)からカウントするらしい。つまり管理人が一昨日書いたのは間違いで、ロースターボーナスを払うのが嫌ならばキャンプ開始前に解雇しなければならなかった。

OLBブレイディ・ポピンガはブリガムヤング大から2005年ドラフト4巡で入団。プロ2年目から3年間にわたってストロングサイドLBのスターターを務め、2008年には契約延長も手に入れた。しかし2009年の3-4ディフェンス導入とともに先発の座を失ってスペシャルチーム専門となり、昨年10月にはヒザの半月板を損傷。比較的低レベルの先発右OLB争いにも加われないうえ、今年$2ミリオンのサラリー、31歳という年齢もあって解雇は時間の問題とみられていた。

DEジャスティン・ハレルはテネシー大から2007年1巡16位指名でパッカーズへ。毎年ケガが多く、とくに2年目以降は腰のケガに苦しんだ。出場ゼロに終わった昨年夏はようやくキャンプを乗り切ったと思ったシーズン開幕戦でヒザの前十字靭帯を断裂。4年間で出場わずか14試合。たとえ元気なときでも先発の座を争うほどの能力を見せたことはなく、文句なしでトンプソンGM時代最大のバストだった。

Notebook: LGカレッジはARIへ

Packers Training Camp Primer

最近ファンになった方も多いので、ここでパッカーズのトレーニングキャンプ概要を復習しておこう。今年は29日(金)に初日を迎え、翌30日(土)が初練習となっている。

2011年7月28日

Notebook: 新人の詰め込み勉強

球団の収益が大幅改善

グリーンベイ・パッカーズが昨会計年度(3月末まで)の収支報告を発表した。純利益が前年度より$12ミリオン増え、$17.1ミリオンとなっている(昨年の記事も参照)。スーパーボウル進出がランボーフィールド・アトリウムやプロショップからの収入を引き上げたうえに、投資ポートフォリオの劇的改善が純利益増につながった、とマーフィ社長は分析。過去2年間は投資での赤字が本業での黒字をかなり食いつぶしていたからだ。

「ロックアウトの収入減をスーパーボウル制覇が上回った印象だ。ロックアウトの悪影響はスポンサーシップに表れたと我々は感じている。今後多少なりとも取り戻せることを期待したい。選手コストは今後も上昇を続けるので、他球団についていくためにローカル・レベニューを増やす努力が必要だ」とマーフィ社長。

非営利団体グリーンベイ・パッカーズは収支報告書を公開している唯一のNFL球団。例年は6月下旬ごろ(株主総会の1か月前)に発表するが、今年は労使交渉に影響を与えることを考慮して遅らせたのかもしれない。

2011年7月27日

Kクロスビーが5年契約に合意

フリーエージェントとなっていたKメイソン・クロスビーが、パッカーズとの再契約に合意した。今年の変則FAスケジュールにより、正式契約は金曜夕方から可能となる。内容は総額$14.75ミリオンの5年契約。総額だけ聞けば、通算成功率78.1%のキッカーには高すぎるように聞こえるが、契約ボーナスを含めたギャランティー分がわずか$3ミリオンなので、1年や2年で解雇しても、サラリーキャップにさほど痛手はない。寒冷地の屋外フィールドには、ベテランの有力キッカーは滅多に移籍してきてくれない、という事情もある。

Kメイソン・クロスビーはコロラド大から2007年ドラフト6巡c指名(ILBビショップの直後だった)でパッカーズへに入団。即スターターとなり、4シーズン全試合でスターターを務めてきた。成功率の低さを指摘されることも多いが、それはマッカーシーHCが50yds以上のロングFG(通算21回狙って10回成功)を積極的に狙わせたせいでもある。50yds未満に限れば83.6%。

Notebook: FA選手たちの行方は

火曜朝9時(グリーンベイ時間)でロックアウトが解け、選手たちが次々とランボーフィールドに入っていく。一番乗りはC/Gイヴァン・ディートリック=スミスだったようで、最も早く出てきたのは放出通告を受けたILBニック・バーネットだった。選手たちはメディカル・チェックやコーチとの面談をこなしたあと、個人トレーニングに励んでいる。

ILBニック・バーネットを放出へ

手首負傷の間に先発の座を失ったILBニック・バーネットが、球団から放出を告げられたことが明らかになった。パッカーズはロックアウト解除直後、ILBバーネットはランボーフィールドを訪れてテッド・トンプソンGMと面談を行い、30分ほどでスタジアムを離れた。直後に本人からファンに対して別れのツイート(12)があり、放出の方針を告げられたことが明らかに。地元メディアは、「まずトレードを試み、ダメならば解雇となる。残留の可能性はゼロに近い」という情報筋の話を紹介している。

放出の理由はもちろん、控えには高額すぎるサラリーだ(ベースサラリー$5.5ミリオン + 1試合ごとのロースターボーナス$37万5000ドル)。今年のパッカーズはサラリーキャップ枠ぎりぎりで、FA補強どころか、新人選手との契約も今のままでは身動きが取れない。球団としては、1月にILBデズモンド・ビショップ、3月にILB A.J.ホークと契約延長をした時点で、ILBバーネット放出は既定方針だったに以外ない。

放出確実の状況になるとトレード相手は手出しを控えてしまうもので、複数球団が獲得に乗り出してくれない限り、けっきょく解雇となるパターンが多い。下位指名権でも手に入るならパッカーズにとってラッキーだろう。なお、変則日程のため解雇が可能になるのは今週木曜から。

2011年7月26日

労使合意 ロックアウト解除

長く続いた労使紛争もようやく決着を迎えた。木曜にオーナー側が承認した新協定案を、選手会側はさらに(交渉で細部を煮詰めつつ)3日間検討。日曜夜は日付変わっても話し合いが続き、ついに労使合意にこぎつけたのが月曜午前3時52分のことだった。月曜午後に選手会代表が全会一致で承認し、ブレイディ訴訟についても原告・被告双方が和解調停にサイン。ホール・オブ・フェーム・ゲームだけはすでに先週中止が決定したものの、それ以外のプレシーズンゲームはすべて予定どおり開催できることになった。

あとは選手全員による投票が8月4日に行われることになっているが、過半数(50%プラス1人)の賛成があればいいので、事実上形式だけのこと。東部時間26日(火)朝10時に正式にロックアウトが解け、選手たちは17週間ぶりに球団施設に入ることができる。

新労使協定の解説はいったん後回しにして、今後のスケジュールを。(時間はすべて米東部標準時)

なお、スーパーボウル優勝チームの恒例ホワイトハウス訪問についてマーフィ社長は、「レギュラーシーズン前の訪問に向けて調整を続けているところだ」と語っている。8月13日のブラウンズ戦や26日のコルツ戦の翌日に訪問するのが妥当なところではないか。

パッカーズ・ホール・オブ・フェイム式典

今年度のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム式典がランボーフィールドのアトリウムで盛大に開催された。今年殿堂入りしたのは元FBウィリアム・ヘンダーソン(在籍1995-2007)、元RGマルコ・リヴェラ(在籍1996-2006)、そして会計担当フランク・ジョネット(1951年死去)の3人。ヘンダーソンもリヴェラも最後は涙ながらのスピーチとなり、豪華招待客の顔ぶれとあいまって、かつてないほどの盛況となった。

◆ ◆ ◆

グリーンベイ市の出納係も務めたフランク・ジョネットは、球団設立直後からパッカーズの経営に関わり(Indian Packing Companyで働いていた縁らしい)、球団存続の危機を何度も救った。1920年には最初のフィールド Hagemeister Park の周囲にフェンスをめぐらして料金を徴収する決定に参画した。(それまでは見物人に帽子を回して寄付金を募るだけ)

大恐慌まっただなかの1933年、ファン転落事故の賠償支払いを命じられて球団は危機を迎えた。判事から管財人に指名(球団監査役を管財人に選んだ温情判決)されたジョネットは債権者を説得し、史上二度目の株式発行で資金を集めるなど、球団を解散・清算することなく数年がかりで立て直しに成功した。その後正式に球団の会計担当に。1950年にはカーリー・ランボー元HCの放漫経営で球団はまたもピンチに追い込まれるが、ジョネット主導による株式発行で破産の危機を逃れている。

式典でプレゼンターを務めたボブ・ハーラン名誉会長は次のようにジョネットの功績を称えている。「彼のことがあまり知られていないのは残念だ。返済できないのなら解散を、と裁判所は強い圧力をかけていた。管財人だったあの4年間の彼の指導がなければ、この球団はきっと解散していただろう。球団史において最も興味深いことの1つは、コミュニティを愛するグリーンベイの地元実業家たちがさまざまな状況において球団を救ってきた、ということだ。ありがたいことに、その努力は常に成功を収めた。フランク・ジョネットもそうした献身的な市民の1人だった」

◆ ◆ ◆

FBウィリアム・ヘンダーソンもRGマルコ・リヴェラも、並外れたタフネスで長きにわたりチームを支え、キャリアの終わり近くなって初プロボウルに選ばれた努力家、という点が共通している。両選手は今回の式典に、10年前ごろのパッカーズ(とくにオフェンス)選手を数多く招待。RBアーマン・グリーンとWRドナルド・ドライバーが同じテーブルにつき、元WRアントニオ・フリーマンや元TEマーク・チュムラも顔を揃えている。また、殿堂入りの2人をドラフト指名したロン・ウルフ元GMへのスタンディング・オベーションは長く熱烈なものだった。

元FBウィリアム・ヘンダーソンはノースカロライナ大から1995年ドラフト3巡でパッカーズに入団。2年目から先発フルバックに定着し、スーパーボウル制覇にも貢献した。パワフルな本格ランブロッカーとして、またレシーバーとしても頼れるセーフティ・バルブだった。タックルに来たラインバッカーをハードルのように飛び越える姿はまだ記憶に新しい。現役12年間でわずか欠場4試合。2007年3月に解雇されて引退の道を選んでいる。

元RBエドガー・ベネット(現WRコーチ)とRBアーマン・グリーンに対し、「ありがとう。君たちのおかげで僕が優秀に見えた」と笑わせたヘンダーソン。チームに食らいつくことだけが目標だった自分がこうしてパッカーズの殿堂入りできた感激を語っている。「グリーンベイ・パッカーズを・・・・・そしてパッカーズ・ホール・オブ・フェイムを代表することができるのは素晴らしいことだ。自分がこんなことを言える日が来るなんて今でも信じられない。過去何十年にもわたって努力を積み上げてきた先輩たちに自分が加われるなんて」

「グリーンベイに、ウィスコンシンに戻ってくるたび、素晴らしい経験ができる。子供のころから、パーティなどさまざまな楽しみを犠牲にして打ち込んできたことが、こうして報われている気がする。暑い日の練習、コーチからの叱責、母のしつけ、父の仕事熱心さ。そうしたことすべてが、素晴らしい結果になって返ってきた」

◆ ◆ ◆

元RGマルコ・リヴェラはペン州立大から1996年ドラフト6巡指名でパッカーズに入団。2年間の修業ののち1998年に先発右ガードに昇格し、2005年にFA移籍するまで1試合しか欠場しなかった。安定感があり粘り強いプレースタイルで、2002年から3年連続プロボウルにも選ばれている。移籍先のダラスでは背中のケガに苦しみ、わずか2年で引退を強いられた。MCL断裂のままプレーを続行するなど現役時代の無理がたたり、いまも体じゅうの問題に苦しんでいるという。

今回は家族や友人を150人も招待し、2000年代前半のOL全員(LTクリフトン、LGウォール、Cフラナガン、本人、RTタウシャー)も、愛すべきマルコを祝福するために集まった。このOL陣は2003年にRBアーマン・グリーンを1883yds走らせ、2004年はシーズン被サックわずか12回。抜群のケミストリーを誇り、球団史上屈指の強力OL陣といってい。

リヴェラが今回プレゼンターに選んだのは、自分をプロボウラーに育ててくれたラリー・ベクトル元OLコーチ(在任1999-2005/ベイトルとは読まないので注意)。 「彼が素晴らしい選手になれたのは、彼のハート、内側に持っているもののおかげだ。その点で彼ほどの人物はいない。心からそう思う」と愛弟子を称賛している。リヴェラはその恩師にむかって、「優しい言葉をありがとう。でもなぜ練習フィールドで言ってくれなかった?」と呼びかけ、満場の爆笑を誘った。(ベクトルは罵詈雑言の鬼コーチとして鳴らした)

彼が先発に昇格できたのは、親友のOGアダム・ティンマーマンがラムズに移籍したおかげでもある。「アダムをセントルイスに移籍させ、僕を残してくれてありがとう」とロン・ウルフ元GMに語りかけてまたもや爆笑。

ランボーフィールドで記念写真

フランク・ジョネット(1950年撮影)

2011年7月20日

ドナルド・ドライバー 13年目の挑戦

足首負傷のためスーパーボウルの第2Q途中で退場したWRドナルド・ドライバー。程度は思いのほか重く、数週間で復帰できるようなものではなかったと本人は言う。「捻挫って聞くと3週から5週ぐらいって想像するだろ? でもそうじゃなかった。2か月も保護ブーツをはかなきゃいけなくて、ヒザから足首にかけての痛みもひどかった。でもロックアウトのおかげで、リラックスして治療とリハビリを進めることができたよ」

トレーナーから走るなと指示されたら、今回は珍しく言うことを聞いた。練習に復帰するプレッシャーも義務も今年はなかったからだ。「100%指示通りにやったよ。回復プロセスで急ぐことは一度もなかった。今回のケガはとにかくおかしかったんだ。フィルムを見てみると、9月にRBライアン・グラントが負傷(回復まで5か月程度)したのとまったく同じ、いやそれより悪いぐらいだった。どんな風に足首が2つに折れてしまうものか、それまでは理解していなかったよ」

「自分はまだ終わっちゃいない、と世間やメディアに証明するために慌ててフィールドに復帰する、なんてことをロックアウトのおかげでする必要がなかった。もしまだ回復途上でOTAに出られなかったりしたら、僕が衰えてきたように言われるだろうからね。いつだって、僕は自分の力を証明し続けなきゃいけないみたいに思える。でも現時点では僕がスターターであり、それは誰にも変えられない」

球団トレーナーによるリハビリ・プログラムを行えないので、テキサス州ダラス近郊にある Michael Johnson Performance Center (陸上200mと400mの偉大な元チャンピオンが運営)でリハビリとトレーニングを重ねてきた(自宅もダラスに近い)。ベティーナ夫人が身重(3人目/出産予定は9月)であるため、息子と娘の送り迎えや遊び相手も彼が一手に引き受けている。イベントに引っ張り出されることがあっても、終わればすぐに家族のもとへ飛んで帰ってくる。

◆ ◆ ◆

ディビジョンI-AAのアルコーン州立大出身、ドラフト7巡指名からスターに上りつめたWRドライバーも今や36歳。13年目のトレーニングキャンプでは、WRジョーディ・ネルソンの追い上げを退けてスターターの座を守れるかどうかに注目が集まる。ドラフトでもWRランドール・コブが2巡指名され、チームは常に若返りの努力を続けている。 「僕はまだ高いレベルでプレーできると自分でわかっている。フィールドに戻って楽しむよ。僕は契約がまだ2年残っている。その2年を、僕はスターターとして全うしたい」

「僕は自力でスターターとしての尊敬を勝ち取ってきたと思っている。自分で勝ち取ったスターターの座だ。スーパーボウルでも、退場するまではいいペースだった。年間1000ydsを達成してこそ一流レシーバー、と世間が思っているならそれは間違いだ。まったく的外れだよ。ウチは多くの選手にボールを散らし、それでスーパーボウルに勝った。もし僕が今後500とか600ydsだったとしても、それで僕が衰えたとは言えない。それは逆にウチがゲームに勝てている証拠なんだ。またスーパーボウルに勝つこと、それが僕にとっては全てなのだし」

WRジェームズ・ジョーンズのFA移籍が濃厚とはいえ、TEジャーマイケル・フィンリーがケガから復帰してくるため、たとえ2番手WRでも思うようにパスが投げてもらえるとは限らない。「ジャーマイケルはきっとハングリーな気持ちで復帰してくるからね。ボールを欲しがるのは当然だ」

球団史上最多パスキャッチ記録をはじめ大きな業績を残しているWRドライバーだが、2012年シーズンを終えて契約が切れるまでは引退のことなど考えない、と彼は言う。「神が許してくれる限り、僕はプレーを続けていくつもりだ。もしいつかパッカーズが僕を手放したいと考えるときがきたら、そのときはじっくり考えて状況を検討し、引退を真剣に検討することだろう。他のチームでプレーしたいとは思わないから」

2011年7月19日

土曜にチームミーティングを予定

パッカーズが選手たちに対し、「22日(金)に球団施設を開放し、23日(土)にチームミーティングを行う」と通知したことが明らかになった。おそらく21日(木)に新労使協定に調印し、翌朝ロックアウトを解除できる(球団施設でワークアウトが可能になる)という見通しに基づいているのだろう。むろん新協定に合意できると確定したわけではないが、NFL球団でこうした具体的な動きが明らかになったのは今夏初めてのこと。

例年ならば今の時期は選手たちにとってトレーニングキャンプ前の最後の休暇中。しかし今年はミニキャンプやOrganized Team Activities(OTA)がすべて中止となったため、毎年そこで行う新コンセプト(スキームは変わらなくても毎年なにかしらある)のインストールを、7月末のキャンプイン前にできるだけ済ませたいのがコーチ陣の考えなのだろう。また、スキームに習熟しなければならない新人選手にとってはさらに重要な1週間となる。

2011年7月17日

パッカーズの今後は

NFL労使交渉では重要問題で次々と合意が成立し、残るは比較的マイナーなテーマばかり。まさにタイムリミット効果で(19日に判事を含めた全体会合があるのでそこで正式調印したい)、未解決の問題もタイムリミットが迫ればおそらく妥協できるだろう、という楽観論が大勢を占めている。

労使合意後のさまざまな法的手続きや組合再結成・新協定承認にかかる時間がはっきりしないため、8月7日のホール・オブ・フェーム・ゲーム(CHI対STL)だけは依然として微妙。しかしそれ以外の30球団は、予定通りキャンプインし、プレシーズンも全試合開催できると予想してさしつかえないだろう。

前回の記事で紹介したように仮に21日に新労使協定が発効した場合、1週間後ぐらいにFA解禁、その数日前から自前のFA予定選手との再契約交渉が可能となるはず。ごく短期間のうちに新サラリーキャップ制度の分析を済ませ、ドラフト外ルーキーおよびドラフト指名ルーキー(合計20人前後か)との契約を済ませ、FA補強を行うのだから、GMをはじめ人事部門にとっては殺人的な忙しさになる。

◆ フリーエージェント

今年のパッカーズのFA予定選手は2月の記事を参考のこと(その後SSペプラーは契約延長。新年度のサラリーキャップ枠は$120ミリオンと報道されていて(労使が収益配分で合意できている証拠だ)、それが本当だとすると、パッカーズの来季サラリーはすでにほぼ枠いっぱいらしい。

これでは(DEジェンキンズを含む)大物FAとの契約はできそうになく、戦力外となったILBニック・バーネットやRTマーク・タウシャーを解雇しなければならないかも。FA解禁前に3日間あるので、KクロスビーやRBブランドン・ジャクソン(またはFBジョン・クーン)と契約交渉する可能性は高い。WRジェームズ・ジョーンズについては、「いったんFA市場に出たうえで、目ぼしいオファーがなければ帰ってくるかも」とする見方もある。彼に限らず、今年のFA選手は移籍先で準備期間が短いだけに、古巣との再契約がより魅力的に見えるのではないか。

もともとFA軽視のパッカーズにとって、さらに大きいテーマは2012年FA予定選手との契約延長かもしれない。今年コントラクト・イヤーを迎えるのはRGジョシュ・シットン、TEジャーマイケル・フィンリー、RBライアン・グラント、Cスコット・ウェルズ、WRジョーディ・ネルソンといったところ。プロボウル目前のRGシットンと今季中に契約延長交渉を進めるのは確実と見られていて、問題はTEフィンリーをどうするか。ビッグ・マウス系のTEフィンリーがケミストリーを乱したり高望みをし過ぎるようであれば、契約延長を見送る可能性もある。ドラフトでTEを2人獲ったのはそのため、という見方も。

◆ トレーニングキャンプ

パッカーズのトレーニングキャンプは、29日集合(体力測定など)・30日初練習となるはず。1週間後の8月6日(土)にパッカーズ・ファミリーナイト(ランボーフィールドでの公開スクリメージ練習)、13日(土)にプレシーズン初戦の@ブラウンズ戦となっている。

4か月以上にわたるロックアウトで、最も大きな不利をこうむったのは新ヘッドコーチや新コーディネーターを迎えたチームだろう(例年ならば新HCのチームは他より1回多い2回のミニキャンプが許される)。さいわいパッカーズはオフェンスがマッカーシーHC6年目、ディフェンスがケイパースDC3年目なので、選手たちの習熟度は高く、トレーニングキャンプ前に新システムをインストールしておく必要がない。

個人レベルでロックアウトの悪影響を最も受けるのはルーキーや移籍する選手。ドラフト指名ルーキーは本来なら5月・6月はプレーブック漬けとなってトレーニングキャンプに備えるところが、今年はプレーブックさえまだ受け取ることができない。キャンプ開始から6週間で開幕なのに、今年のキャンプ序盤はプレー習得に費やさねばならず、それだけポジション争いが難しくなる。もっと気の毒なのは契約を待たされているドラフト外ルーキーたちで、ただでさえ難しい開幕ロースター入りが、今年は超難関となってしまいそう。

ロックアウト中に他球団が合同自主練習を行うなか、パッカーズだけはチーム全体での練習を行わなかった。他よりも1か月半長くシーズンを戦ったため心身とも消耗が大きく、リフレッシュに重点を置いた面が大きい。他球団とくらべて地元に1年中住む選手が少なく、またシステムには習熟しているのでわざわざ集まる必要が少ない。優勝したばかりでケミストリーも最高潮。新人、とくにスキルポジションの選手には不親切だが、即スターターを期待するポジションは1つもないので、あまり慌てる必要もない。

合同自主練習といっても実際のところコーチ抜きでは実のある練習などできず、「来季への意気込みを内外に示し、仲良くつるんでケミストリー向上を図る」のが最大の眼目になっている。そのため、「やらなくても大丈夫か」とやきもきするのはファンだけで、練習の実情を知る記者たちはほとんど心配していないようだ。

◆ ◆ ◆

そうしたことを考えると、キャンプで最も心配なのはおでぶちゃん軍団だろう。具体的にはDEライアン・ピケット、NTハワード・グリーン、NT B.J.ラジといった330ポンド級の選手たちだ。DEピケットは例年罰金つきの体重コントロールを強いられ、NTグリーンは370ポンドを超える体重問題で昨秋ジェッツを解雇。NTラジも大学時代に体重問題を抱えたことがある。(元トレーニングコーチのコメントも参照)

同じディフェンシブラインマンでも、新スターター予定のDEマイク・ニールはたいへんな練習の虫なので大丈夫そう。他の選手が夜更かししてツイートするなか、彼は早朝から起き出してトレーニングに励んでいる(信心深さもハンパでない)。OL陣には体重問題を抱える選手がおらず、一般的にもOLはDLと比べて練習熱心なので、あまり心配はないはず。

オフシーズンの体作りをまったく管理できなかったコーチ陣にとっては、トレーニングキャンプ序盤のかじ取りが非常に難しいものになる。例年のように初日からエンジン全開にしたらケガ人続出になりかねない。各選手の体調を細かくモニターしながら、臨機応変にアクセルを加減していくしかないだろう。

なお労使交渉では、(長期的な安全の観点から)キャンプでのコンタクト練習の制限を盛り込むことを選手会側が主張している。パッカーズの場合はマッカーシーHCが数年前からコンタクト練習をかなり減らし、休日も多くしているので、新協定の大きな影響はないはず。

2011年7月13日

労使交渉の現状と締結後の見通し

ロックアウト入りからはや4か月。6月から本格化した労使交渉もいよいよ大詰めを迎えている。先週も今週も月・火は弁護士だけ、水曜から大物が合流して本交渉となる。7月に入ってから思いのほか時間がかかっているものの、レギュラーシーズンに食い込むことを心配する声は全く聞かれなくなり、今の焦点はプレシーズン最初のホール・オブ・フェーム・ゲーム(8月7日 CHI対STL@カントン)が予定どおり行えるかどうか。(プレシーズン全スケジュール

プレシーズン初戦の15日前にならなければトレーニングキャンプ入りできない、という規定なので(新協定で変わる可能性もあるが)、ベアーズとラムズは23日にキャンプイン(翌日初練習)となるのが普通。その前にFA期間なども必要なので、「HOFゲーム開催のためのタイムリミットは今月15日ごろ」と言われていたが、現実には15日までの労使合意は難しくなりつつある。

仲裁役(スーザン・ネルソン連邦地裁判事の指名による)アーサー・ボイラン判事は、彼の休暇が明けた19日に会合を召集しているので、それまでに労使合意しておくのが今の目標だろう。1993年と同じく、新労使協定は(ロックアウトの違法を訴えた)ブレイディ訴訟の和解調停(settlement)の形で結ばれるらしい。新協定に合意した後、以下の手続きが迅速に行われる見込み。

  1. オーナー側は3分の2(24票)以上の賛成で承認。選手側ではトム・ブレイディほか10人の原告が承認。
  2. ブレイディ訴訟を扱ったスーザン・ネルソン連邦地裁判事が和解を承認。
  3. 選手は全体の半数以上の賛成で組合を再結成し、新協定を承認。

こうした手続きを21日までに完了するのが目標、という見方が現在は大勢を占めている(もっと早く可能という見方も)。HOFゲームの中止だけならばさほどの痛手ではないとオーナー側が考えている、という憶測があるいっぽう、キャンプインから15日なくてもHOFゲームを強行させるつもりだ、という噂も流れている。

なお、もともとHOFウィークのメインイベントはゲーム前日の殿堂入り式典であるといってよく、こちらはロックアウトに関係なく開催されることが決定している。

◆ 交渉の争点

判事による箝口令がかなり守られているので、詳しい交渉内容はなかなか漏れてこないが、これは交渉進展のためには大変よいこと。おおよそ明らかになっている争点は以下の3つで、それ以外は枝葉末節といってよさそう。とはいっても労使協定は2006年版で300ページ近くあるシロモノなので、弁護士たちが文言を整えるだけでも大変な作業だ。

  1. リーグ総収入(一般席チケット・放映権料・ライセンス収入などレベニュー・シェアリング分)におけるオーナー側と選手側の配分。 選手の取り分、つまりサラリーキャップが48%、といったあたりで話し合いが進んでいて、この点は意外なほどモメていない。昨年のリーグ総収入は$9.3ビリオン(約7340億円)だった。
    • サラリー総額の下限(フロア)をこれまでより大幅に高くし、数字をキャップ算定額でなく実際の支払金額とする、という改定もほぼ確実となっている。サラリーキャップを欲張るよりもフロアを高くすることで、選手の実際の取り分を大きくできる、と選手側は満足しているのかもしれない。昨年はキャップがなかったためフロアもなく、支払総額を$50ミリオン台に抑えてしまう球団まであらわれた。
    • 2006年に改訂された旧サラリーキャップ制度では、総収入から$1ビリオンを差し引いた額(スタジアム建設や改修などに必要、とオーナー側は主張)の60%弱がサラリーキャップとなっていた。春ごろはこの控除分を$2ビリオンに倍増させることをオーナー側が望み、それが交渉決裂・ロックアウト突入につながった。
    • その控除分をなくすことに同意したことが6月以降の交渉進展のカギだったが、オーナー側は「$500ミリオン前後の控除が欲しい」とまだ望んではいる。(固執はしないかもしれない)
  2. ドラフト上位指名ルーキーのサラリー抑制策。 こちらの話し合いが意外に手間取っている。1巡上位指名選手の契約年数を5年とする(2位以下は4年)ところまではよいが、5年目のサラリーをどのように算定するかで隔たりがある。
  3. 引退選手への年金や健康保険など保障の拡充。 引退選手たちは、労使双方が自分たちへの手当てを犠牲にして妥協しようとしている、と訴えを起こしている。法的な根拠は乏しいらしい。ただし、安い給料で現在のNFL興隆に貢献し、健康問題を抱えて高額な医療費に苦しむ過去の選手たちに対し、NFLとしては道義的な義務がある。

◆ 新協定締結後のスケジュール

仮に21日に新労使協定が承認・発効した場合の、その後のスケジュール案をESPNが入手している。かならずこうなるとまだ決まったわけではないが、目安にはなりそうだ。

前述のとおり、「各球団のトレーニングキャンプ開始はプレシーズン初戦から15日前」という規定なので、パッカーズの場合は29日キャンプイン、翌日初練習となるはずだ。

2011年7月12日

グラントは先発RBの座を守れるか

昨季は開幕戦で足首の大ケガを負い、優勝シーズンに取り残されたRBライアン・グラント。2007年のトレード入団以来3400yds(平均4.4)・23TDを積み重ねてきた彼だが、昨季プレーオフでは新人RBジェームズ・スタークスが力強い走りを見せ、全米に強い印象を残した。今夏は2人の先発RB争いと見られていて、高給(契約は今年が最終年)のグラントが放出される懸念さえある。

「コーチたちから聞いたところでは、僕はまだデプスチャートのトップだということだ。最初はエドガー・ベネット(前RBコーチ)にそう言われたし、ジェリー・フォンテノー(新RBコーチ)からも、『何も変わっていない』 と言ってもらえた。現時点では僕がバックフィールドのリーダーであり、その期待は何も変わっていないと。競争は必ずあると覚悟しているし、それはまったく構わない。僕も大賛成だ」

足首の腱を断裂する大ケガだったが、リハビリはきわめて順調。4月の時点で「いますぐにでもプレーできる」と言っていたほどなので、影響がトレーニングキャンプまで残るような心配はないだろう。

「もちろんスターターでいたいよ。そうでない選手などいないだろう。でも僕は勝ちたい。それが一番大事だ。そして、僕がチームに貢献できる能力こそが、スターターの座に直結すると思っている。僕はキャンプでの競争を楽しみにしているし、自分にコントロールできることだけに集中するつもりだ。もし控えに回されたら? それがチームの利益になるのなら、僕は積極的に受け入れるよ」

2011年7月 6日

CBアンダーウッドが家庭内暴力で起訴

久しぶりのパッカーズ関連ニュースは残念ながら不祥事の話題。

昨年の事件が3月に片付いた(記事へ)ばかりのCBブランドン・アンダーウッドが、今度は妻への家庭内暴力で起訴された。ブランディー夫人の訴えによると、事件が起きたのはランボーフィールドでスーパーボウルリング・セレモニーが催された6月16日深夜のこと。ディナー後の車中で、球団から夫人たちにプレゼントしたネックレス(写真)について2人が口論に。帰宅したところでアンダーウッドがネックレスをつかんでチェーンを引きちぎり、夫人の腕をつかんで車から地面に投げ出す形となった。

夫人の通報を受けて駆けつけた警官にアンダーウッドはおとなしく逮捕され(軽罪の治安紊乱行為)、$350ドルの保釈金を収めて釈放。夫人への接近禁止命令も受けたが、夫人の求めにより4日後に解除されている。アンダーウッド夫妻(写真)は結婚5年で子供が3人。現在は別居して離婚協議中のため、「スーパーボウルのネックレスを妻に与えるかどうか決めるのは自分だ」というのが口論の内容だったらしい。夫人は事件について供述書を提出するよう警察から求められているが、まだ提出していない。「ブランドンが職を失えば子供たちが養ってもらえなくなるし、彼を刑務所送りにしたくない」とのこと。

アンダーウッドの最初の出廷は現地水曜朝8時15分に予定されている。こうしたケースでは夫人が訴えを取り下げて法的処分をされずに済むケースも多いが、NFLからの処分はまた別の話。「ロックアウト中の事件はNFLが処分できない」ということになる可能性も残っているが、本来ならば、二度目の不祥事となれば出場停止を含めた重い処分が科されてもおかしくない。

つい1年前は3番手CB候補として期待されていたアンダーウッドだが、昨季は大いに伸び悩んでシーズン終了時は6番手まで後退(スーパーボウルではアクティブ登録されず)。今年はドラフト4巡でCBデヴォン・ハウスが指名されたこともあり、NFL本部の処分決定を待たずに解雇されてしまうかもしれない。即解雇を逃れたとしても、これほどの問題児となればキャンプでよほど頑張らない限り開幕ロースター入りは難しいだろう。