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Packers Training Camp Primer
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2011年7月29日
最近ファンになった方も多いので、ここでパッカーズのトレーニングキャンプ概要を復習しておこう。今年は29日(金)に初日を迎え、翌30日(土)が初練習となっている。
- パッカーズは1958年以来毎年、St. Norbert Collegeの学生寮に宿泊する。こうした関係としてはNFLで最も長い歴史がある。1898年創立、カトリック系の同大はグリーンベイ南郊のデピアにあり、ランボーフィールドからわずか5.6マイル(車でおよそ11分)の距離。下の地図参照。
- 宿泊や食事やミーティングを行うのはセント・ノーバート大だが、じっさいに練習を行うのはランボーフィールド東側のレイ・ニチキ・フィールド。(昨年の練習初日の写真)
- ファンの練習見学は無料。よい場所を取るには早い者勝ち。スタンドの席を確保できなかったファンは北側の細い道路にはみ出すことになる。(写真)
- かつてレイ・ニチキ・フィールドはシーズン中の非公開練習用で目隠しシートが張り巡らされていたが、一昨年大きな改修工事を済ませて公開練習用に昇格(写真)。位置がフィールド1つぶん西に移動し(Google Mapsの空撮映像は古い)、小さなスタンドもできて収容人数が増えた。今後さらに拡張するかもしれない。
- レイ・ニチキ・フィールドには、ランボーフィールドと同じ DD GrassMaster (天然芝を3%の人工芝で補強したもの)が敷かれている。地下にヒーティング・システムが埋められているのも同じ。
- 雨天の場合は、すぐ西側にある屋内練習場ドン・ハトソン・センターに移って非公開練習となる(サービスで短時間ファンを招き入れることも)。ここのフィールドはシェアNo.1の人工芝 Field Turf 。シーズン中の寒い時期の練習はほとんどがここで行われる。
- かつてキャンプ練習を行っていたクラーク・ヒンクル・フィールドは屋内練習場をはさんで西側にある。交通量の多いオナイダ・ストリートに面しているため、あふれたファンが歩道にはみ出て危険だった。また、周囲に拡張の余地がなく、スタンドなどを作るためにはレイ・ニチキ・フィールドに移るしかなかった。
- 練習が終わるとマッカーシーHCがフィールド脇で会見(写真)。最初はケガ人報告、それから先発争いや新人の成長といった話題に移っていく。選手たちが立ち止ってサインをくれることも多い。
- 正式な練習スケジュールはまだ発表されていない。(昨年のスケジュール表)
- 数年前からマッカーシーHCは「昼・朝夕・昼・朝夕」というパターンを取り入れ、疲労の蓄積を防ぐ工夫をしている。
- プレシーズンゲームの前後の日は公開練習なし。
- 例年キャンプインから3週間、プレシーズン2戦目の直前あたりで合宿生活は終了。トレーニングキャンプとしては続いていくが、選手たちは自宅から通うことができ、実質レギュラーシーズン中に近いスケジュールになっていく。
- 選手たちは殺風景な学生寮に2人1部屋で宿泊する。4人部屋なのでスペースには比較的余裕がある。新人は新人同士、同じポジション同士で組むことが多い。テレビやビデオゲームの持ち込みも自由。ベッドは球団負担で大型のものが持ち込まれる。(一昨年のILBバーネットによる爆笑ビデオレポート)
- 選手たちは学生寮からバスでランボーフィールドに通勤し、ロッカールームで準備を済ませ、スタジアムの外に出てくる。待ち構える少年少女ファンの自転車に乗り、声援を送るファンの行列の中を数百メートル走ってレイ・ニチキ・フィールドに向かう(ルート図)。グリーンベイの夏の風物詩であり、球団とファンの親密な関係を示す最も重要な伝統といっていい。(写真)
- この素晴らしい伝統がいつから始まったかはっきりせず、どうやら60年代のヴィンス・ロンバルディ時代にいつの間にか行われるようになった、ということだけ。
- セント・ノーバート大で選手たちの食事を用意するシェフたちの話題は昨年7月の記事を参照。
- キャンプ目当てに休暇を家族で過ごすファンも多く訪れ、地元でキャンプを行う経済波及効果は大きい。
- 地元でキャンプを行えるのはやはり涼しい地域だから(8月の平均最高気温25.8℃)。ウェザー・チャンネルによると、NFLのキャンプ地としては涼しい方から4番目とか。1位シーホークス、2位カーディナルス、3位チャージャース、4位パッカーズ。最も暑いのはテキサンズ。(記事へ)