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2007年3月31日
アリゾナ州フェニックスで今週開催されたNFLオーナー会議で決まった主なルール改正について紹介する。なおルール改正が承認されるには、32球団のうち24票を得なければならない。
- これまでインスタント・リプレーは「仮採用」であり、数年ごとの投票で延長が決まっていたが、今回ようやく恒久的なルールとして制度化された。各スタジアムは今年の開幕までに$30万ドルほどかけて、リプレー映像を高解像度にアップグレードすることも決まった。(ダラスやインディアナポリスなど近く新スタジアムに移る球団は免除)
- ダウンバイコンタクト寸前のファンブルが、昨年からインスタント・リプレーの対象に(試験採用として)組み込まれたが、全会一致で承認されて恒久的なルールに。同じく、レビュー時間の90秒から60秒への短縮も、1年の試験期間を終えて本採用となった。
- 得点したときを除き、選手がプレー後にボールをスパイクしたり宙に放り投げたりすると、今年から5ydsの反則。1stダウンを更新していれば5yds下がったところから1stダウン10となる。スポーツマンシップの問題であるとともに、試合の進行をより早くしようという方針の一環でもある。
- オフェンシブライン選手に偶発的にパスが当たると5ydsの反則を取られていたが、捕球しようとしない限り反則は取られないことになった。これも、つまらない反則を減らして試合進行を早くする方針の一環。
- これまでは、クラウドノイズがひどすぎてプレーコールが伝達できない場合は時計を止めることをQBが要求でき、静かにするよう審判が観客に求め、観客が従わない場合はホームチームが5ydsの罰退となっていたが、その規定は撤廃された。サイレントカウントの進歩で声による伝達が必須でなくなったため。
- ディフェンス選手が広げた腕でQBをヒットして倒した際もラフィング・ザ・パサーの反則を取られていた判定基準を緩め、その程度のヒットでは反則を取らないことになった。
- 今回承認されなかったルール改正案は以下のとおり。
- QBと同じように、ディフェンス選手も1人に限ってヘルメットに通信装置を装着させようという案は、今回も否決された。しかし賛成が22票もあり、わずか2票足りないところまで来ている。
- 試合当日のアクティブ・ロースター枠を45人から47人に拡大しようという案は、賛成17票で7票足りずに否決となった。
- 延長戦のキックオフ位置を30yds地点から35yds地点に変更しようという案は継続審議となった。提案理由は、コイントスに敗れたディフェンス側が不利になりすぎないように、ということ。
2007年3月30日
- 限界の見えたWRロバート・ファーガソンには見切りをつけるべきとの意見も多いが、首脳陣は今季も彼に期待している。「ロバートには今季、2番手WRか3番手WRを争ってほしいと期待している。さらに頑張ってスペシャルチームの中核選手としても活躍してほしい。その分野ではプロボウル級の能力があると思っているからね。レシーバーにしてはユニークな体格を活かして、スペシャルチームでたくさんの仕事ができる」とマッカーシーHC。通常、スターレシーバーには「スペシャルチーマーとして期待」などと言わないものなので、やはりジェニングスよりは下の3番手候補と見ている証拠だろう。
- 昨季はジェニングスにスターターの座を奪われたためにWRファーガソンが気落ちして成績も下がったという見方もあるが、そんなことはなかったとマッカーシーHCは否定。「誰もが試合の最初に先発選手として紹介されたいものだが、あんな紹介はやめていいとさえ個人的には思っている。先発でないからといってプレー内容に影響するような選手はいらない。シーズン16試合、いろいろなことが起こる。開幕スターターへのこだわりなど私には不要なのだ。過去にそのような考え方が多かったのはわかるが、ウチのチームには今後はない」
- シーズン後半のWRグレッグ・ジェニングスの不振について、マッカーシーHC。「あの足首の捻挫はかなり重いものだった。後になって考えてみると、たぶん復帰を急ぎすぎたのだろう。最終戦は奥さんの出産のため欠場になってしまったが、練習では『シーズン序盤の彼が戻ってきた』 と私は感じていた」
- ドラフト上位で先発RBを指名するとの予想も多いが、RBヴァーナンド・モレンシーにはスターRBになる資質が備わっているとマッカーシーHC。「"モー"がNFLで1000ydsラッシャーになれると思うか? もちろんだ。しかしそれには、16試合先発できる耐久性があることを彼は証明しなければならない。彼はオフの間も自分でトレーニングを重ねて、オフシーズン・ワークアウトに備えていた。彼ならエヴリダウン・バックになれると私は思っている」
- プロ3年目のSマーヴィール・アンダーウッド(ヒザのACL断裂)は先発Sマーカンド・マニュエルに挑戦できるかもしれないが、復帰は早くても7月のトレーニングキャンプからだろう、とマッカーシーHC。
- トレードについて、トンプソンGM。「我々がドラフト当日しかトレードを行わないように見えるかもしれないが、オフシーズンの間は毎週のように、6チームから8チームを相手に話し合いをしている。いっとき盛り上がってもやがて行き詰まり、消えていくトレード話も多い。そういったこともプロセスのうちだ」
- QBブレット・ファーヴがミシシッピ州立大のスプリング・プラクティスを訪れて、選手たちの前で話をした。2001年から3年間パッカーズのRBコーチを務めたシルヴェスター・クルームが同大のヘッドコーチを務めているが、彼がこの数年来ファーヴに頼んでいたことがついに実現した、とのこと。ファーヴはやはりTシャツ1枚での登場だった。
- 3日ほど前に噂になったDTダーウィン・ウォーカー(PHI)は、LBタケオ・スパイクスがらみのトレードでビルズへ。
2007年3月29日
モックドラフト集の第2回。*印をつけたのは前回からバージョンアップされていないサイト。
2007年3月28日
Compensatory Draft Pick つまり補償ドラフト指名権(用語集へ)とは、前年のFA選手流出の量に応じてリーグから配分されるドラフト指名権のこと。このほどリーグ側から発表があり、パッカーズは7巡指名権を1つもらえることになった(全配布リスト)。昨年大物FA補強をしたパッカーズは何ももらえないだろうと予想されていたため、7巡1つでも十分ありがたいという見方がほとんどだ。
昨年のパッカーズからFA移籍したのは(解雇した選手はカウントされない)、Cマイク・フラナガン、QBクレイグ・ノール、LBパリス・レノン、Kライアン・ロングウェルの4人。FAで獲得したのはDTライアン・ピケット、CBチャールズ・ウッドソン、Sマーカンド・マニュエルの3人。Compensatory Pickは各巡32個の後に付け足す形となっていて、トレードに出すことはできない決まりになっている。今年パッカーズが受け取るのは7巡33位で、つまり本来の32位(優勝したコルツ分)の直後をもらうことができた。
2005年にOTスティーヴ・モーリーをトレードに出してジェッツから7巡指名権を受け取っているので、これで7巡指名権は3つ。現時点で今年のパッカーズの指名権は以下の9つとなっている。
1巡16位
2巡15位 (全体47位)
3巡14位 (全体78位)
4巡13位 (全体112位)
5巡20位 (全体157位)
6巡19位 (全体193位)
7巡18位 (全体228位)
7巡25位 (全体235位)
7巡33位 (全体243位)
現在のパッカーズでは、WRドナルド・ドライバー、RTマーク・タウシャー、Cスコット・ウェルズの3人が7巡指名入団から中心選手に育っている。また近年のCompensatory Pick指名選手としては、昨年のT/Gトニー・モール、Cスコット・ウェルズ(2004年7巡)、RBナジェ・ダヴェンポート(2002年4巡)、TEデヴィッド・マーティン(2001年6巡)、QBアーロン・ブルックス(1999年4巡)、QBマット・ハッセルベック(1998年6巡)、CBタイロン・ウィリアムズ(1996年3巡)、DEキース・マッケンジー(1996年7巡)などがいる。
毎年感謝祭にはライオンズとカウボーイズがそれぞれ全米中継のホームゲームを行うのがNFLの伝統となっているが、今年はパッカーズがライオンズと対戦することになった。ライオンズとは1951年から1963年まで毎年感謝祭で対戦していたので試合数が多く、通算成績は5勝11敗1分、カウボーイズ戦を含めると11勝18敗2分となっている。ライオンズとの感謝祭ゲームは過去7年で3回目。2001年には勝ったが、2003年には敗れている。
合衆国の感謝祭は11月の第4木曜日と決まっているので、前週の試合から中3日という厳しい日程となり、選手やコーチとしては「できれば避けたい」というのが本音のようだ。パッカーズは昨年も第15週と16週の間が中3日だったが、幸いどちらも勝利を収めることができた。「去年もウチは同じようなショート・ウィークで試合をしたが、選手たちは非常にうまくこなしてくれた。今年はその経験を活かすことができるだろう」とマッカーシーHC。
今回NFLから発表されたのは開幕週の5試合と感謝祭の3試合だけ(リスト)。シーズン全体の日程は毎年4月に発表されることになっている。
2007年3月27日
- イーグルスがDTダーウィン・ウォーカーをトレードに出そうとしていると噂されているが、パッカーズは興味を示しているチームの1つらしい。もうじき30歳のウォーカーは、昨季6サックを挙げたようにパスラッシュ能力に優れDEもプレーするが、ポイントオブアタックで弱くラン守備ではむしろ足を引っ張るタイプ。サイズも成績もDE/DTカレン・ジェンキンズとよく似ている。ジェンキンズはDEをメインに使っていくのでインサイドからのパスラッシャーを補強したいという意図か、それとも先発DTコーリー・ウィリアムズ(昨季7サック)と長期契約することに懸念を持っているのか。
- ランディ・モスのトレードの噂を除き、今オフのパッカーズがWR獲得に消極的なのは、プロ2年目を迎えるWRグレッグ・ジェニングスの将来性を非常に高く評価しているせいらしい。情報筋によると、「ドリュー・ベネットもドンテ・ストールワースもケヴィン・カーティスも、トンプソンGMは(ジェニングスに次ぐ)3番手WRとしか見ていない。手を出さないのは、そういう選手に$30ミリオンなど払う気がないからだ」とのこと。今オフにFAとなっているのは(WRに限らないが)エース級でない選手ばかりで、ジェニングスから成長の機会を奪うからにはモスのようなインパクトがなければ、という考え方なのか。
- NFL経験3年未満で契約が切れた選手は、"Exclusive-rights Free Agents"(EFA)となる。チーム側から最低額のオファーをされてさえいれば他チームと交渉する権利はなく、おとなしくサインしてプレーするしか事実上選択肢はない。ドラフト指名選手は3年契約以上を結ぶので、EFAとなるのはドラフト外入団か、ドラフトされてから一度解雇された選手ばかりだ。今年のパッカーズからはRBノア・ヘロン、WRカーライル・ホリデイ、TEトリー・ハンフリー、DTコリン・コールの4人がEFAとなっているが、このうちRBヘロンとTEハンフリーの2人がすでに契約にサインしている。
2007年3月26日
ライオネル・ワシントンCBコーチの息子デロンがヴァージニア工科大のバスケットボールで活躍している。現在開催中のNCAAトーナメントでは2回戦で敗れて"スウィート16"入りはならなかったものの、平均得点で今季チーム2位、リバウンドではチームトップの数字を挙げた。仕事を休んでオハイオ州コロンバスまで応援に行った父ライオネルは、「コーチ・マッカーシーに、もう一度休暇をくれとお願いしに行きたいところだったけどね」と残念がっている。
「息子の試合を観るのは本当に神経が参っちゃうよ。胃が締め付けられる感じだ。まるで自分がプレーしている気持ちになる。仕事が忙しいから、テレビ中継がないときはグリーンベイの家のガレージで車にこもって、1人でサテライトラジオの中継を聴くんだ。好きなだけ怒鳴ったり罵ったりできるのがいい」
以前はフットボールもプレーしたデロンだが、高校の途中からバスケに専念。父ライオネルはCBとしては大きめの6フィート0(183cm)だったが、息子デロンは6フィート7(201cm)もあってフォワードをプレーしている。1月に強豪デューク大を破った試合で相手選手を飛び越えてシュートしたプレー(映像)は、今季の名場面に数えられるほど、身体能力の高いプレーをする。「ヤツはときどきとんでもなく怖いことをするからね」と父。
小学校の頃に両親が離婚したため、デロンは最初は母デニースとニューオーリンズで暮らし、その後グリーンベイで父と暮らした。いったんグリーンベイの高校に進んだものの全米的な注目度は低く、バスケのためにメリーランド州に移ってから有力大から実力を認められるようになった。母がハリケーンのために家も仕事もなくすと、「母を助けるため大学を辞めたい」と言い出し、父ライオネルが残るよう説得したこともある。
「親元を離れて暮らすようになって、デロンは本当に成長した」と父ライオネル。現在3年生(NBAは大学1年を終えればドラフト資格がある)の本人はNBAのキャリアを真剣に考え始めているが、そのためにはもっと体を鍛えてハードに練習しなければならない、と父は言う。もっと大事なのは、ちゃんと卒業して大学経験を十分に活かすことだ。「一番大事なのは大学を卒業すること。そして、さまざまな異なった人たちとの付き合いを育てることだ」
2007年3月25日
- パッカーズがRBマイケル・ターナー(SD)のトレードの可能性を探っているとの噂が出始めた。トムリンソンに次ぐ2番手RBだがプロ3年間の平均が6.0ydsと素晴らしく、有力な若手RBの1人と内外から高く評価されている選手。制限つきFAとなった今オフは、チャージャーズから最高ランクのテンダーをオファーされたため、普通のRFA移籍(ドラフト1巡と3巡を譲渡)は事実上不可能で、欲しければトレードをするしかない。重心が低くパワフルなランナーで、パスキャッチは経験が浅く発展途上の観がある。またキックオフリターナーとしても、昨季はNFL4位の平均26.5ydsと優秀な成績を残している。
- 先日パッカーズを訪問したFBテレル・スミスはけっきょくカーディナルスとの2年契約にサイン。先日のFBジャスティン・グリフィス(ATL→OAK)の時と比べてパッカーズ側が熱心でなかったのは、パスキャッチ能力に疑問符が付く純粋なブロッキングFBであるせいか、それともゾーンブロッキング向きでないと判断されたためか。「パッカーズは競り合えるようなオファーをしていたのか」と聞かれた代理人はコメントを避けている。
- もしWRランディ・モスがトレードで来たら、先発から押し出されることになるWRグレッグ・ジェニングス。「ぜひランディと一緒にプレーしたいと思っている。本当にそうなんだ。彼が注目を集めることで僕が解放されるということもあるし、もう1人素晴らしいレシーバーが加わって彼の知識を吸収することができる。すごく大きいよ。彼のキャリアから学ぶことも多い。ランディは僕らのロッカールームにフィットすると思う。実際すでにロッカールームで話題になっているしね」
- モス歓迎のコメントをする一方でWRジェニングスは、QBアーロン・ロジャースがグリーンベイの将来のQBだと信じている、トレードされてほしくない、とも語っている。「ブレットが引退するを見たくない。本当にイヤだからね。でも同時に、アーロンがチャンスを得て成功するのは見たいよ。彼はブレットから様々なことを学んでいるところだし、チームにいてほしい。僕らは全員、アーロンの力を強く信じている。彼は素晴らしい人だ。一緒に練習してみると、彼はしっかり引っ張っていくタイプだ。ハドルを掌握して指揮を執ることができる。ただ、今はブレットがいる、というだけなんだ。アーロンをブロックしているのはそのことだけ。ブレットはどこまでも長持ちで、まるで(乾電池CMの)エナジャイザーのバニーみたいなもんだから」
- 「最も"marketable"な北米スポーツ選手」のランキングで、ブレット・ファーヴが10位タイにランクされている。これはSportsBusiness Daily誌が、スポーツ関連企業およびメディアの幹部65人に対して調査を行ったもの。上位9人は上から、タイガー・ウッズ(ゴルフ)、QBペイトン・マニング、レブロン・ジェームズ(NBA)、デレク・ジーター(MLB)、ドウェイン・ウェイド(NBA)、デイル・アーンハートJr(NASCAR)、QBトム・ブレイディ、シャキール・オニール(NBA)、マリア・シャラポワ(テニス)。
- ファーヴが現在コマーシャル契約しているのは、ジーンズ Wrangler(契約したばかり)、ウィスコンシンの自動車販売 Bergstrom Automotive、胸焼けの薬 Prilosec(映像)、電池 Rayovac(映像)、歯磨き Sensodyne(映像)、スポーツ用品 Nike/Starter、芝刈り機 Snapper 。 PrilosecのCMには家族もチラリと出演している。芝刈り機(本人の趣味なので仕方ない)といい、胸やけの薬といい、知覚過敏向けの歯磨きといい、微妙に中年くさい。
2007年3月24日
多くの部門でNFL史上最多に迫っているファーヴの記録についてまとめてみる。なおこういった記録はレギュラーシーズンのみに限られるのが普通だ。
- 先発QBとしての通算勝利は147で、ダン・マリーノと並んでNFL史上2位タイ。1位のジョン・エルウェイが148なので、順調ならシーズン前半に史上最多勝となる見込み。
- 通算パス獲得ヤードは57,500ydsでNFL史上2位。マリーノの61,361ydsに並ぶには3,862ydsが必要で、例年の数字からすると非常に微妙なところ。昨季は3,885ydsだった。
- 通算TDパスは414個でNFL史上2位。順調ならば、マリーノの420個をシーズン前半で塗り替えることができそう。
- 通算インターセプト数は273でNFL史上2位。1位はジョージ・ブランダの277個なので、シーズン序盤にはこれも塗り替えることになりそう。
- 通算パス成功数は5,021回で、すでに昨年マリーノを抜いて史上NFL1位となっている。
- 通算パス試投数は8,223回でNFL史上2位。順調ならば、マリーノの8,358回をシーズン前半で塗り替えることができそう。
- QBとしての連続先発試合数は現在237で、すでにダントツの1位。全ポジションを合わせると3位となっている。1位はDEジム・マーシャルの270試合で、2位はCミック・ティンゲルホフの240試合なので、順調なら今年中に2位に上がることになる。
- 同一スタジアムでの通算パス獲得ヤードは25,765ydsでNFL史上2位。1位のエルウェイが27,889yds。2,124yds差を今年中にひっくり返すのは不可能ではないものの、よほど好調でないと難しいか。
- 15年連続3000ydsパッシングはすでにNFL史上1位。
- 12年続いていたシーズン20TDは昨年ストップしてしまったが、すでにNFL史上1位。連続でなくとも、12回記録したのは彼だけしかいない。
- シーズン30TDパスを8回記録したのはNFL史上1位。1994年から1998年まで記録した5年連続も1位。
- 15年連続でパス成功300回を上回り、これもNFL史上1位。
- 2002年から2004年にかけて36試合連続でパスTDを成功させ、これはジョニー・ユナイタスの47試合に次ぐNFL史上2位。
- 1995年にはWRロバート・ブルックスに99ydsのTDパスを成功させ、NFL史上最長タイ記録。(ほか数人)
- パッカーズの球団記録としては、ヤード数、パス試投数、パス成功数、TD数の主要4部門で全てファーヴが1位、バート・スターが2位、リン・ディッキーが3位となっている。
2007年3月22日
- 先日ブラウンズから解雇されたFBテレル・スミスが火曜にパッカーズを訪問したが、Journal Sentinel紙によると、契約をオファーされることなくグリーンベイを離れたようだ。
- LBバーネットと同じく契約最終年を迎えるDTコーリー・ウィリアムズとの契約延長も、パッカーズの課題となっている。代理人によると、このところ交渉は滞っているがドラフト後には進展すると楽観している、とのこと。
- 7月21日に行われる、元WRロバート・ブルックスと元Sリロイ・バトラーのパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入り式典のプレゼンターが決まった。ブルックスへのプレゼンターは、3年後輩の元WRアントニオ・フリーマンで、バトラーへのプレゼンターはESPNスポーツセンターのキャスター、ジョン・アンダーソン。アンダーソンはグリーンベイの出身で、以前にバトラーとESPNで一緒に仕事をしたことがある。
- 1月10日から始まったランボーフィールドの工事もおおよそ中間点まで進んだ。フィールド表面から3フィートほどまで掘り返し、今は排水とヒーティングシステムの敷設が終わったようだ(作業の写真・ビデオ)。スタジアム駐車場には4000トン(トラック182台分)の砂が用意され、これからフィールドに運び込まれていく。
2007年3月21日
- 15週間にわたるパッカーズのオフシーズン・プログラムがスタートした。一部のベテランを除いた90%以上の選手が集合し、初日の月曜には "Functional Movement Screen" を中心にさまざまなテストが行われた。「素晴らしいオフシーズン・プログラムになるだろう。これからの4ヶ月が我々にとって非常に大きなものになる。進歩が見られるのはこの部分なのだ。これまでも私は(QBコーチ出身のため)オフシーズンのQB育成に成功を収めてきたが、今度はチーム全体だ」とマッカーシーHC。
- オフシーズン・プログラムは、月曜から木曜までトレーニングを行い、金土日と休むのが基本のようだ。朝の最初は室内練習場ドン・ハトソン・センターでエクササイズを行い、最後はウェイトルーム。1週間のメニューの例を挙げると、月曜がスピード・ドリルと上体のリフティング、火曜が "Functional Movement Training"、水曜がアジリティと上体のリフティング、金曜は軽いコンディショニングとヘビーなレッグ・リフティング。
- 大きなケガから回復してきたQBアーロン・ロジャースやSマーヴィール・アンダーウッドもワークアウトに参加している。また、契約延長を求めているLBニック・バーネットも、「契約がうまくいかなくてもホールドアウトはしない」とのコメントどおり、初日から出席している。彼の代理人によると、この1ヶ月ほど交渉は停止しているとのこと。
- テッド・トンプソンGMはWRランディ・モスのトレードの噂についてノーコメントを貫いており、先日は「QBアーロン・ロジャースのトレードなど一度も話し合ったことはない」と強く否定した。しかしファンの意見に左右されることはない、とも彼は語っている。「パッカーズファンの情熱を軽視することもバカにすることも、私はしていない。しかし、彼らファンが我々と同じだけの情報を持っていないことが多いのも事実なのだ。もし自分がチームのために正しいと思う人事を行って、そのためにPR面で非難されるなら、私は甘んじて受け入れるだろう。できればそんなことはしたくない。でも、パッカーズを向上させるために正しいと思えることならば、たとえみんながそれを好まなくても、やはり私は実行するだろう」
- Press-Gazette紙によると、パッカーズはRBケヴィン・バーロウに興味を示し、代理人と予備的な話し合いをしたとのこと。49ersのエースとして2003年には1000ydsラッシングを記録したバーロウだが、その後は平均3.5yds以下のシーズンが続き、昨年夏にはRBフランク・ゴアに押し出される形でジェッツにトレード。そこでも370yds(平均2.8)しか走ることができず、2月に解雇されている。なおスペルはKevanだが、ESPNによると"Pronounced : Kevin"とのことなので、カナ表記はケヴィンでよさそう。
- 4年間パッカーズの3番手RB兼3rdダウンバックを務めたRBトニー・フィッシャーは、昨年春にラムズへFA移籍したものの、シーズン半ばでヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してしまった。そのため再びFAとなった今春はどこからも声がかかっていないが、パッカーズへの復帰に興味を持っている、と代理人。「なぜ彼らは連絡してこないのだろう?と思っていたんだ。素晴らしくフィットすると思うのに」
- LBカート・キャンベルがパッカーズから解雇された。アルバニー大から2005年のドラフト7巡指名で入団したものの、1年目はキャンプでヒザのACLを断裂、2年目はハムストリングを痛めてしまい、2年とも開幕前にインジャリー・リザーブに入ってシーズンを終えている。
- パッカーズがオファーしていたDE/DTジミー・ウィルカーソンはチーフスとの再契約を選択。「馴染んだ居心地のよさ」を代理人は理由に挙げている。
2007年3月20日
新型の天然芝を導入する工事がランボーフィールドで進んでいる。$2.5ミリオンから$3ミリオンほどの費用をかけるこの工事は、1月下旬から始まって5月後半には終わる予定だ。DD GrassMaster というハイブリッド型の芝で、天然芝の中に3%だけ人工芝が混じって補強する形になっている。
これまでの天然芝との違いが少ないだけに、人工芝のように「ほとんど傷まない」というわけにいかないのが難点だ。昨年秋にNFL選手会が実施したフィールド状態の選手アンケートでは、同じくDD GrassMaster を採用しているスティーラーズのハインツ・フィールドが最下位で、イーグルスのリンカーン・フィナンシャル・フィールドは下から6番目だった。スペインのレアル・マドリッドなども一度これを採用してから100%天然芝に戻したという。さらに北に位置するランボーフィールドで、厳冬期の芝の状態は大丈夫なのだろうか。
「フィラデルフィアやピッツバーグそれに海外のチームは、我々よりも2つか3つは多く試合を行うからね」とテッド・トンプソンGM。2006年のハインツ・フィールドはスティーラーズ戦に加えてピッツバーグ大が7試合、高校が5試合、それにコンサートも行われた。リンカーン・フィナンシャル・フィールドはテンプル大が4試合、サッカーが1試合、コンサートが数回あった。ランボーフィールドは大学も高校も使わず、コンサートも基本的には断っているため、使われるのはプレシーズンを含めて10試合 + ファミリーナイトのスクリメージだけ、と言っていい。
パッカーズは2005年に、練習用のクラーク・ヒンクル・フィールドに DD GrassMaster を導入し、選手やスタッフの評判はすこぶる良かった。「以前よりずっといいよ。大好きだ。はがれてこないし、滑らない」とDEアーロン・キャンプマンは言う。ボブ・ハーラン会長は、「テッドがランボーフィールドへの導入を決めた理由の1つは、暴風雨の後にヒンクルとランボーの両方に立ったグラウンド・クルーの反応を見たことだった。ランボーでは足が沈み込むほどなのに、ヒンクルではもう乾いている。このように、ヒンクルで使った経験を元にテッドは決めたのだ。誰もがヒンクルの芝を気に入っていた」
シーズン中に天然芝から"FieldTurf"に変更したペイトリオッツが昨年は話題になったが、パッカーズやスティーラーズが FieldTurf を選ばないのは、多少コンディションが悪くてもやはり天然芝を使いたいからだ。スティーラーズのオーナー、ダン・ルーニーは 「我々も(人工芝に)することは可能だったが、それで失うものもある。自然の芝の上でプレーすること、優れた安全なフィールドでプレーするという基本的な部分を失うことになってしまう」と語っている。
2007年3月19日
ドラフトまで40日となったところで、モックドラフト集の第1回。すでに何度もバージョンアップを重ねているサイトも多い。パッカーズはRBグリーンがFA移籍したためRB指名予想が多く、特にカリフォルニア大のRBマーショーン・リンチが圧倒的になっている。昨年の5位とは違い、16位ともなればさまざまなシナリオが考えられるだけに、これほど集中していることには驚かされる。 なお、現在各大学で行われている"Pro Day"の結果はこちら。
2007年3月18日
- 先日グリーンベイを訪問したDE/DTジミー・ウィルカーソン(KC)に対して、パッカーズはすでに短期間(1年か2年?)の契約をオファーした模様だ。一昨日の記事でうかつにも「ベテラン最低額クラス」と書いてしまったが、最近の成長をかなり高く評価するスカウトもおり、実際はもっと高い値がつくことになりそう。本人はチーフスとパッカーズのどちらにするか検討しているところだが、他にも興味を示しているチームがある、と代理人。「選手としての地位を確立するチャンスを得ようとしている。(金額よりも)出場機会を重視した決断になるだろう」
- 上記のウィルカーソンのような中堅どころを補強した場合、DTケンドリック・アレンとの再契約の余地はなくなるかもしれない。
- ブラウンズから解雇されたばかりのFBテレル・スミスがパッカーズを訪問の予定。月曜夜に(オフシーズン・ワークアウト初日の)グリーンベイに到着し、火曜にコーチ陣と面談する。ブラウンズで3年スターターを務める前はセインツでマッカーシーHC(当時OC)の下でプレーし、RBリッキー・ウィリアムズやRBデュース・マカリスターのリードブロッカーを務めていた。代理人によると、パッカーズが最初の訪問地で、その他にカーディナルス、バッカニアーズ、チーフスが興味を示しているとのこと。
- FBヘンダーソンを解雇したため、現在パッカーズのフルバックはブランドン・マイリーだけとなっている。先日はFBジャスティン・グリフィス(ATL→OAK)獲得に失敗しただけに、今回はどの程度本気なのか、今後の動きが注目される。
2007年3月17日
「WRランディ・モスのトレード合意近し」とのBoston Herald紙の記事を受け、木曜のグリーンベイは朝から大騒ぎとなった。まず午前中にボブ・ハーラン会長が、「そのような話は聞いていない。それほど合意に近づいているなら必ず報告があるから」とコメント。ドラフト候補選手の視察旅行中だったテッド・トンプソンGMも午後になって、「大胆な推測にすぎない」との声明を発表した。またウィスコンシンの複数の地元紙も、チーム関係者(匿名)の「全くのたわごと」とのコメントを掲載している。
「合意が近い」という記事は否定されたものの、パッカーズとレイダーズがモスのトレードに向けて話し合いを続けていることは、チーム関係者からの情報ではっきり確認されている。レイダーズは2005年ドラフト前にはQBアレックス・スミス(SF)よりもアーロン・ロジャースを高く評価していたようだが、現在ではそれほど興味を持っていないとの噂もある。
一般論としては、買い手のパッカーズはじっくり待つほど値段が下がることが期待できる。他チームのWR補強が進めば競合相手が減り、また今年のドラフトではWRが豊作らしい(アテにはならないが)という事情もある。レイダーズ側から見れば、どうせなら来年より今年のドラフト指名権がほしいのは当然のことで、ドラフト直前または当日がひとつのヤマになるだろう。情報筋によれば、トンプソンGMはレイダーズが要求を下げざるをえなくなるまで待つ方に傾いている、とJournal Sentinel紙は報じている。
- パッカーズはOTケヴィン・バリーのトレードの可能性を模索し始めたらしい。昨年5月のミニキャンプで大腿四頭筋腱を断裂(RBグリーンと同じ)してシーズンを棒に振ったが、これまでのところリハビリはすこぶる順調とのこと。典型的な巨漢ラインマンでゾーンブロッキングに向いていないため、大型選手を好むチームにトレードに出したい、という考えが生まれるのは無理もないところだ。
- OTケヴィン・バリーの代理人によると、リハビリは予定を上回るペースで、この5週間で体重を14ポンド(6.35kg)減量できたとのこと。「コーチ陣は、これまでになかったほど体重を減らすことを望んでいる。ただケガのために、上体のワークアウト以外何もできない状態が5ヶ月も続いてしまったからね。トレードについてはまだ全く話し合っていない。そこまでは進んでいないのだ。OLコーチたちとは話し合ったが、まだケヴィンがスターターとなる可能性はあると見ているようだ。特にガードを強調していたが、タックルの方も見捨ててはいない」
- TEライアン・クラウス(SD)が今週前半にパッカーズを訪問した。大学時代はWRをプレーし、2004年のドラフト6巡指名でチャージャーズに入団したスピードのある選手だが、ケガが多く、3年間で出場わずか5試合。昨季は一度もアクティブ登録されず、そのうえ1月には飲酒運転で逮捕されている。
- FBテレル・スミスがブラウンズから解雇されたが、Journal Sentinel紙によるとパッカーズは彼のトレードに興味を示していた4球団の1つとのこと。スミスは典型的なブロッキングFBで、プロ7年のうち5回の1000ydsラッシャーに貢献してきたが、パスキャッチはあまりないタイプ。昨年ドラフト入団したFBローレンス・ヴィッカースに押し出される形で解雇となった。
- パッカーズも興味を示していたWRケヴィン・カーティス(STL)がイーグルスと契約し、FA市場に先発級のWRはほとんどいなくなった。WRアントニオ・ブライアント(SF)が残っているが複数の逮捕歴をもつトラブルメーカーで、来季は開幕から2試合の出場停止が残っている。
2007年3月16日
- パッカーズとレイダーズはWRランディ・モスのトレード交渉を続けているが、Boston Herald紙は「トレード成立近し。金曜にも発表か」と伝えている。同紙によれば、パッカーズが譲渡するのはQBアーロン・ロジャースと2008年の7巡指名権。レイダーズはWRモスに加えてTEコートニー・アンダーソンを譲渡し、QBロジャースの今後2年の成績しだいで2009年のドラフト指名権。さらに細部は調整中とのこと。また今後2年で$20ミリオンの予定だったサラリーの見直しにもモス本人が合意しており、交渉を通じてQBファーヴとモスは互いに連絡を取り合っているとか。ここまで具体的な報道が出てきたのは初めてのことで、いよいよかもしれない。
- 今週火曜の月例経営委員会でトンプソンGMからWRランディ・モスについて報告(説得?)を行うとの噂もあったが、実際は大きな議題にはならず、理事から聞かれたトンプソンが15秒ほど話しただけだったようだ。ボブ・ハーラン会長によると「最近のファンの反応は当初ほどトレード反対一辺倒ではなく、反対65%・賛成35%ぐらいかな」とのこと。
- チーフスのDE/DTジミー・ウィルカーソンが月・火とパッカーズを訪問した。契約交渉が始まっているわけではない、と代理人。カレン・ジェンキンズと同じようなDE/DT兼用のヴァーサタイルな選手で、サイズもよく似ている。2003年のドラフト6巡指名でチーフスに入団し、4年間で55試合に出場(先発3試合)して計86タックル、0.5サック。ベテラン最低額クラスの選手のようで、カール・ヘアストンDEコーチがチーフスにいた縁で呼ばれたのかもしれない。
- 来年FAとなるDTコーリー・ウィリアムズと今のうちに再契約しようとパッカーズ側は考え、予備的な話し合いを始めたようだ。「そう、そのように思っている。少し手をつけたところだ。彼はパスラッシュ能力がある。昨季はいいプレーをしたと思う」とトンプソンGM。代理人も、「両者とも興味があるのは確かだ。十分に話し合ったとは、まだとても言えない。『手をつけた』という表現がぴったりだね」と語っている。
- DTコーリー・ウィリアムズは、特にパスラッシュで昨季大きな進歩を見せた。チーム2位の7サックを挙げ、これはDTとしてはNFL3位の好成績。昨今のサラリー高騰を見れば、このまま普通に成長しただけで、来年にはとんでもない額が再契約に必要になるかもしれないのだ。ただ、先月末に契約延長したDEカレン・ジェンキンズの方がずっと上、と他チームのスカウトたちは見ているらしい。
- パッカーズからFAとなった選手でフリーのまま残っているのは、DTケンドリック・アレン、LBベン・テイラー、QBトッド・バウマンの3人だけ。チーム側は再契約の可能性も残してはいるが、慌てて契約するつもりはないようだ。LBテイラーの代理人は、「ベンはグリーンベイにとって最優先の選手ではない。しかし再契約のためのドアを開けてあるのも確かだ」と語っている。DTアレンの代理人は、「今はグリーンベイの他に2つ選択肢があるが、本人はぜひ再契約したいと思っている。チームには今ほかに優先事項があるのだろう」
- 来週月曜からパッカーズのオフシーズン・ワークアウトがスタート。自由参加だが、現在ロースターにいるうち70人前後の選手が参加する見込みとなっている。
2007年3月15日
パッカーズは、ジャイアンツのCBフランク・ウォーカーと総額$1.24ミリオンの1年契約を結んだ。身長178cmの小型快速コーナーバックで、先発両ベテランを脅かすほどの力はなさそうだが、3番手CB/ニッケルバックあたりをパトリック・デンディやウィル・ブラックモンらと争うことになる。スモールカレッジ出身に加えて25歳と若いため粗削りで、そのぶん伸びシロはあると評価されたのかもしれない。
CBフランク・ウォーカーはディビジョンIIのタスキーギー大(アラバマ州)出身の25歳。40yds走4.33秒のスピードを評価されて2003年のドラフト6巡指名でジャイアンツに入団し、1年目から7試合に先発出場した。しかしトム・コフリンがヘッドコーチに就任すると出番が次第に減っていき、昨季もロースターの底辺ちかくに沈んでいた。スピードやクイックネスは良いが技術的に未熟な点が多く、アグレッシブになりすぎて裏目に出ることもある。読みや判断力に難がある現状では、ゾーンよりも(パッカーズのような)プレスカバレッジを得意としている。
契約の内訳はベースサラリーが$75万ドル、契約ボーナスが$15万ドル、ワークアウトボーナスが$10万ドル、ロースターボーナスが$24万ドルとなっている。そのロースターボーナスは、毎週の試合で45人ロースターに登録されるごとに$15,000ドルが支払われ、16試合で合計$24万ドルとなる。先週金曜にはセインツを訪問し、すでにオファーがあったらしい。今週は日・月とパッカーズを訪問し、首脳陣の前でワークアウトを行っていた。
火曜朝に代理人と球団側が契約に合意した時には、ウォーカーはシーホークス訪問のためアトランタ空港で飛行機に乗り込んだところだった。連絡を受けた彼はフライトアテンダントを必死で説得し、ようやく降ろしてもらえたのだという。「契約は簡単だった。大変なのはフランクを飛行機から降ろすことだった。『申し訳ありませんがお客様、もうタキシングに入っております』 『わかってもらえないだろうが、オレはフットボール選手だ。シアトルに向かうはずだったが、別のチームと契約が決まったんだ。どうしても降りなきゃいけないんだ!』というやりとりが電話で聞こえてきたよ。なんとか降ろしてもらえたが、彼の荷物は今ごろシアトルだ」と代理人は笑っている。
2007年3月13日
アンドリュー・ブラントがパッカーズに加わって8年。選手サラリーとサラリーキャップ管理の責任者であり、契約交渉も担当する。その優れた手腕を評価されて、2001年秋には副社長に昇進した。かつてはスポーツ・マネジメント会社"ProServ"に所属してNFLやNBA選手の代理人となり、またワールドリーグ(NFLEの前身)のバルセロナでGMも務めたユニークな経歴の持ち主だ。
ボブ・ハーラン会長も、かつてGM補佐として交渉担当を務めたことがある。ブラントもその多彩な経験を活かして、いずれはパッカーズの社長になるだろうという声も多い。仕事柄いまの時期は多忙を極めているが、先週の中ごろにインタビューに答えてくれた。
Q. 今年のFA市場での高額契約の連発には驚いた?
驚いてはいない。フリーエージェンシーの初めに派手なことをやりたい、という強い魅力は常にあるものだからね。おそらくFA制度ができた頃からそうだろう。ビッグネームを追いかけて仕留める魅力は変わらずにある。今年のサラリー高騰に驚いたか? ある意味ではイエスだが、ある程度予想していたことでもある。ある選手が複数チームから求愛されれば、それは金鉱を掘り当てたようなものだから。
Q. RBグリーンのテキサンズとの契約額には驚いた? また、このことでFAやドラフト戦略にどのような変更が?
それはテッド・トンプソン(GM)に聞いてもらった方がいいだろうね。我々はFA期間に入ってもアーマンと常に連絡を取り合っていた。彼が(テキサンズからオファーされて)決断を下すときが来たのも、我々はよく承知していた。日曜日、息子の10歳の誕生パーティーの最中だったよ。
Q. 昨年のチーム成績向上に加えてこれだけのキャップの空きがあるので、「ドラフト重視のチーム作り」の方針から離れて「いま勝つ」へと向かう? それとも今までどおり?
どのようなフィロソフィーでチーム作りをするか、決め付けてしまうのはよくない。チームのために最善のことをするだけだ。陳腐な決まり文句に聞こえるかもしれないが、より大きな利益を常に目指すだけ。その「利益」には現在も将来も含まれていて、決して二者択一ではない。両方を同時に狙うことも可能だと僕は思っている。「今年狙う」とばかりに思い切ったことをして、けっきょく失敗に終わってチームをバラバラにしなければならない、そんな球団をいろいろと見てきた。我々がそういうことを望んでいないのは確かだ。
Q. 大金が飛び交う中で財布のヒモを締めてじっとしているのはつらいのでは?
自分たちのプランを信頼しなければならない。去年の今ごろだって我々は同じように財布のヒモを締めていて、ドラフトの2日前、4月末にCBチャールズ・ウッドソンと大きな契約をした。今はまだ3月の初めだ。時間はたっぷりある。
Q. ランディ・モスのトレードの噂が伝わってきています。そのようなトレードをする場合、どのような話し合いをするのでしょう?
特定の選手やトレードについて、私はコメントできない。ある選手を獲得する可能性を考えるとき、ウチはトンプソンGMとみんなでプランを話し合う。私自身はサラリーキャップや将来のことについて、考えを述べる。どの組織でも大事なのは全員が1つの考えでまとまることだ。管理部門、コーチ陣、人事部門、キャップマネジメント、その他がね。
Q. ウィリアム・ヘンダーソンのように、長いあいだ在籍して大きな貢献をしてきた選手と別れるような場合、友情と仕事を分けるのが難しいのでは?
そう、大変なことだ。自分の友人たちだからね。彼らも僕の仕事のことは理解してくれている。でも、個人的な感情があるのも確かだ。交渉を担当する私の立場では特に、仕事と友情を分けなければならない。彼らとはとても長い付き合いだ。ウィリアムは、8年前に私がここに来たときからいる数少ない選手だった。私がパッカーズに来て初めてした仕事の1つが、ウィリアムとの契約延長だったんだ。
2007年3月12日
- パッカーズ史を築いた人々の24個のモニュメントをランボーフィールド近辺に建設する "Walk of Legends" 企画の第4弾として、故レジー・ホワイト記念碑の落成式が行われた(写真)。場所はロンバルディ・アヴェニューとレジー・ホワイト・ウェイの交わる場所で(Google Map)、ブレット・ファーヴ・ステーキハウスのすぐ近くだ。式典には息子のジェレミーも出席し、スピーチを行っている。
- FA市場で動かないことへのファンの不満について、マイク・マッカーシーHC。「私が直接聞いたところでは、大方のところ我々のプロセスを支持してくれている。我々のヴィジョンを信頼してくれている。率直に言って、アーマン(グリーン)の契約は彼にとって素晴らしいものだった。しかし誰一人として 『なんてこった。あんたも同じぐらい払うべきだったのに』 と言ってきた人はいない。我々は感情的な判断を下さないよう努力している。陥りやすい罠なのだ。目の前のことに過剰反応して、選手の価値を過大に見積もってしまう。事実でなく感情に基づいて判断してしまう」
- グリーンが流出したRB陣についてテッド・トンプソンGMは、残る選手たちの能力を高く評価しながらも、「(補強をして)彼らにさらに競争をもたらすつもりだ」と語っている。
- ファンフェストの席上で、LBニック・バーネットは契約延長を望んでいると語っている。「彼らは話し合いを続けているから、いずれはまとまると期待している」
- 先日足首の手術を受けたQBブレット・ファーヴについてマッカーシーHC。「彼はトレーニングスタッフと常に連絡を取り合っている。私も昨日彼と話をしたところだ。術後は全てうまく行っていて、予定を上回る回復ぶりだ。指示された量より体を動かしたいらしい。明日あたり抜糸だと思う」
- 足首骨折からリハビリ中のQBアーロン・ロジャースは、今月19日から始まるオフシーズン・ワークアウトの"QBスクール"には初日からは参加できないかもしれない。「本人はもう大丈夫のつもりでいるが、骨のことだけにドクターの方が慎重だ。全てが非常に順調だが、無理をして再び痛めるようなことはしたくない」とマッカーシーHC。
- WRドンテ・ストールワース(PHI)はペイトリオッツと総額$30ミリオンの6年契約。
- 昨日取り沙汰されたLBドニー・エドワーズ(SD)はチーフスと3年契約。
2007年3月11日
- "Packers Fan Fest"初日に登場した現役・OB選手たちの写真はこちら。また、ボブ・ハーラン会長は今年5月に名誉会長に退くため、ファンフェストへの現役としての出席はこれが最後となる。
- ビッグマネーが飛び交うFA解禁第1週を見守るばかりの、テッド・トンプソンGMの地味な動きについて聞かれたハーラン会長。「私が話した中には、我々が金を使わないことを心配するファンたちもいる。しかしそういう人たちに私は、去年のテッドのフリーエージェンシーへの取り組み方を説明した。我々はしばらく待ってからDTライアン・ピケットとCBチャールズ・ウッドソンを獲って、非常によい結果が出せた。彼は今年もそうすることだろう」
- WRランディ・モスをトレードで獲得する噂についてハーラン会長は、「ファンのみなさんから直接聞いた限りでは、ランディ・モス獲得には賛成しない、という意見が多かった。匿名の電話もたくさんもらった。圧倒的多数だったとは言わないが、彼らが私に言ったのは、『品格を失ってはならない』ということだった」と語っている。よほどのことがないかぎり選手人事に口をださないハーラン会長だけに、すでに獲得しない方針がトンプソンGMたちフロントの中で固まったということなのか。
- WRモス獲得反対の流れについてテッド・トンプソンGMはやはりノーコメントで、「そうするのが一番いいのだ」と説明している。モス関連の質問が出ただけでファンフェスト会場からは大きなブーイングが起きている。
- ファンフェストに登場したロン・ウルフ元GM。「1998年のドラフトでは、ランディ・モスの(人格・素行面の)問題を実際よりも大きく見積もって、指名を見送ってしまった(19位でDEホリデイ、21位でMINがモスを指名)。もし私がもう一度やり直せるなら、ランディ・モスを指名するだろう」
- FBジャスティン・グリフィス(ATL)は結局レイダーズと$3.8ミリオンの3年契約を結んだ。パッカーズが、ここまでで唯一といっていいほど本気で獲りに行っていた選手なので、これは痛かったかもしれない。
- 金曜に訪問したCBトリー・ジェームズ(CIN)に続き、CBフランク・ウォーカー(NYG)が日・月とパッカーズを訪問の予定となっている。あらゆる面でジェームズとは対照的な選手で、まだ25歳と若く粗削りなタイプ。背は低いがスピードやクイックネスに優れる。先発経験は少なく、プロ4年間のほとんどを控えCB兼スペシャルチーマーとして過ごしてきた。
- 上記CBウォーカーの代理人はDTケンドリック・アレンの代理人でもある。彼によると、パッカーズはDTアレンとの再契約も考慮しているとのこと。
- Journal Sentinel紙によると、LBドニー・エドワーズ(SD)にパッカーズは興味を示しており、近いうちにグリーンベイを訪問させるかもしれない、とのこと。チーフスとチャージャーズで計11年間、優れた実績を残してきた選手だが、来月で34歳。3-4隊形ではインサイドLB、4-3隊形ではアウトサイドLBをプレーする彼を、パッカーズがどのように使うつもりなのかもはっきりしない。現在のところ、他にチーフスやイーグルスが興味を示しているらしい。
2007年3月10日
- 今年で3回目となる"Packers Fan Fest"が金曜・土曜の2日間、ランボーフィールドのアトリウムで開催される。退団したRBグリーンとFBヘンダーソンは参加しないことになったが、現役・OBが大勢出席することになっている(リスト)。今回は特にスーパーボウル制覇10周年記念として、元WRフリーマンや元RBレヴェンズやロン・ウルフ元GMなど、優勝メンバーが多く顔を出す予定。
- 33歳のベテランCB、トリー・ジェームズ(CIN)がパッカーズを訪問中。ブロンコスで4年、レイダーズで3年、ベンガルズで4年プレーし、過去4年間は全て先発出場している。身長188cmの大型でややスピードに欠けるタイプ。昨季もスターターの座は守って4INTを記録したがプレー内容は芳しくなく、簡単に抜かれるシーンが目立った。年齢による衰えが当然懸念されるが、不振はヒザのケガのせいもあった、と同情する声もある。パッカーズの前にすでにバッカニアーズを訪問している。
- 火・水とパッカーズを訪問したFBジャスティン・グリフィス(ATL)との交渉はゆったりと継続中。
- 昨日ファルコンズと契約したWRジョー・ホーン(NO)については、パッカーズもそこそこ本気だったらしい。アトランタの次にパッカーズを訪問する予定だったホーンをファルコンズのオーナーが引き留め、なんと4年$19ミリオンにオファーを増額して仕留めた。
- パッカーズも興味を示していたSディオン・グラント(JAC)はシーホークスと総額$30ミリオンの6年契約にサイン。セイフティーとしては史上3番目に高い額とのこと。
- RBウィリス・マゲイヒー(BUF)はレイヴンズへのトレードが決まった。今年の3巡 + 7巡 + 来年の3巡指名権との交換とのこと。トレード成立直後、マゲイヒーはレイヴンズと総額$40.12ミリオンの7年契約にサインしている。
- RBドミニク・ローズ(IND)はレイダーズとの2年契約に合意。
- TEランディ・マクマイケル(MIA)はラムズとの3年契約にサイン。詳細は不明だが、年平均$4ミリオン弱らしい。妻への暴力で二度も逮捕されており、2005年の事件では有罪を認めてNFLからも処分を受けている。
2007年3月 9日
FBウィリアム・ヘンダーソンが正式に解雇された。「パッカーズは球団として、彼の12年にわたる貢献に心から感謝している。彼のリーダーシップとWork ethicはロッカールームの誰にとっても極めて優れたお手本だった。ウィリアムのような人格的に素晴らしい選手と別れるのはつらいことだ。彼はキャリアを通じて、チームの影響力ある一員だった。彼はこれからもずっと、パッカーズの一員として尊敬されるだろう」とトンプソンGM。
「ウィリアムは我々にとって非常に大きな存在だった。この時点で解雇するのは、他のチームで機会を得られるようにするためだ。彼はあらゆる意味でプロフェッショナルであり、私がこれまでNFLで見た誰よりもはるかに成熟した大人だ。本当に際立った存在だ。それだけに我々にとって非常に難しい決断だったが、我々は少しだけ違った方向に新たな一歩を踏み出す必要があり、彼はプレーを続ける気持ちがあった」
FBウィリアム・ヘンダーソンは、ノースカロライナ大から1995年のドラフト3巡指名でパッカーズに入団。2年目からスターターに定着し、プロ12年間で欠場わずか4試合の鉄人ぶりを発揮してきた。本格ブロッキングFBとして数々の1000ydsラッシャーに貢献し、またパスオフェンスでも頼りになるレシーバーとして活躍を続けた。ベテランになってもスペシャルチームの中核としてプレーを続け、ロッカールームのリーダーとしても貴重な存在だった。
- パッカーズは、昨季スペシャルチームのエースとして活躍したLBトレイシー・ホワイトと再契約した。先発争いが期待されているわけではなく、今年もまたスペシャルチーマーとして開幕ロースター入りを目指すことになりそう。
- Press-Gazette紙によると、パッカーズはSディオン・グラント(JAC)に興味を示していて、来週にもパッカーズを訪問させるかもしれない、とのこと。
- レジー・マッケンジー・プロ人事部長は、ドルフィンズから解雇されたTEランディ・マクマイケルについて、パッカーズが興味を持つことは「おそらくないだろう」と語っている。代理人と予備的な話し合いをしたという噂もあるのだが。
- TEエリック・ジョンソン(SF)はセインツと1年契約。
- レイヴンズとの再契約交渉が決裂したRBジャマール・ルイス(BAL)は、ブラウンズとの契約に合意。詳細は不明だが、インセンティブを多く含んだ1年契約のようだ。
- RBコーリー・ディロン(NE)はビルズを訪問の予定。
- WRジョー・ホーン(NO)はファルコンズとの契約に合意。
2007年3月 8日
長年にわたってパッカーズオフェンスを支えてきたFBウィリアム・ヘンダーソンの解雇が決定的となった。正式発表はないものの、すでにチーム側から通告を受けた、とホストを務めるTV番組の中でヘンダーソン自身が明らかにした。何度も若手の挑戦を跳ね返してきたヘンダーソンだが、昨季の衰えは著しく、またゾーンブロッキングへの不適合もあって、来季パッカーズでプレーする可能性はゼロに近いと見られていた。
まだ引退するつもりはなく、新しいチームを見つけられるだろう、と本人は語っている。「フィールドでもフィールドの外でも支持してくれたファンのみなさんに、100%の感謝の気持ちを表したいと思う。パッカーズの一員でいられたことは大きな名誉だった。この素晴らしい球団を去るのは残念なことだが、グリーンベイで12年間過ごせたことを、僕は今後も感謝し続けるだろう」
この時期に解雇する理由についてチーム側は、早くフリーにすることで移籍先を探しやすくするため、と説明しているらしい。彼に代わってFBブランドン・マイリーが昨季序盤からスターターに昇格したが、下記のようにFBジャスティン・グリフィスがパッカーズを訪問しているところを見ると、首脳陣はさらにアップグレードを考えているようだ。
FA市場の概況を、例によってパッカーズに関係のありそうなポジションだけ。
- 今年のFA市場では有力なフルバックのひとり、FBジャスティン・グリフィス(ATL)が火曜夜から水曜にかけてパッカーズを訪問している。来月で26歳とまだ若く、やや小型軽量のタイプ。ゾーンブロッキング経験が豊富なのもパッカーズにとって魅力だ。ファルコンズはすでにFBオヴィー・ムヘリ(BAL)と高額契約を結んだため、グリフィスの退団は確定的となっている。
- パッカーズがT/Gタイソン・ウォルターと再契約。詳細は不明だが、おそらく最低額での1年契約と思われる。昨季中盤に加入したときの記事はこちら。どこでもこなせる器用な選手で、先発を争うというよりも、ロースター枠ぎりぎりを争うことになりそう。
- Journal Sentinel紙によると、セインツから解雇されたWRジョー・ホーンが今週末ごろにパッカーズを訪問の予定とのこと。かつてセインツのOCだったマッカーシーHCとの付き合いが長い。
- RBジャマール・ルイス(BAL)はレイヴンズと再契約交渉を続けていたが、行き詰っている様子で、近くブラウンズを訪問する。Baltimore Sun紙は「パッカーズが興味を示しているという噂」と伝えているが、こちらの地元紙Journal Sentinel紙は、パッカーズがRBルイスを獲りに行っているという報道は誤り、とはっきり書いている。
- RBクリス・ブラウン(TEN)はビルズを訪問。パッカーズも代理人と連絡は取っているらしい。
- RBドミニク・ローズ(IND)はすでにジャイアンツを訪問し、次はビルズの予定。
- 元タイタンズのRBトラヴィス・ヘンリーは総額$22.5ミリオンの5年契約でブロンコス行きが決定。契約ボーナスなどguaranteed分が$12ミリオンも含まれているため、総額は同じぐらいだが実質的にはRBグリーンよりもかなり高い。
- トレードを要求していたベアーズのRBトーマス・ジョーンズが、希望通りジェッツにトレードされた。ベアーズはRBジョーンズと2巡31位(全体63位)指名権を譲渡し、かわりに2巡7位(全体39位)指名権を受け取る。つまり24スポット分トレードアップしたことになる。ジョーンズはジェッツへの移籍成立後、総額$20ミリオンの4年契約に合意した模様。
- TEランディ・マクマイケルがドルフィンズから解雇された。ドルフィンズのパス攻撃を支えてきた優れたレシービングTEであり、今年のタイトエンド市場では新たな目玉になりそう。$3ミリオンのロースターボーナス発生を前にトレードしようとしていたがまとまらず、やむなく解雇となったようだ。
- TEジェレミー・スティーヴンス(SEA)はバッカニアーズを訪問。パッカーズのトンプソンGMがシーホークス時代に1巡指名(して失敗)した選手だけに、今回トンプソンGMが手を出すかどうか注目されるが、これまでのところ動きはないようだ。
- TEダニエル・グレアム(NE)はブロンコスと総額$30ミリオンの5年契約にサイン。
- 一昨日「同地区チームとのトレードは非常に希」と書いたとたんに、ペイトリオッツがWRウェス・ウェルカーをドルフィンズとのトレードで獲得した。代償は2巡および7巡指名権。もともとペイトリオッツは、ドルフィンズからRFA指名(2巡Qualifying Offer)されていたウェルカーへのオファーシートにサインしていたが、その額でRFA移籍させると高額すぎるため、7巡指名権を足してトレードすることによってより安価に手に入れることができた。トレード終了後、WRウェルカーは総額$18ミリオンの5年契約を結んでいる。
- WRドンテ・ストールワース(PHI)はペイトリオッツ訪問のあとタイタンズ、ドルフィンズと訪問の予定。イーグルスもすでにオファーを出しているとの噂もある。WRケヴィン・カーティス(STL)はライオンズ訪問のあとジャイアンツへ。
- セーフティたちはあまり動きがない。Sディオン・グラント(JAC)はすでにセインツを訪問し、次はシーホークスを予定。Sケン・ハムリン(SEA)はまだ訪問予定さえ伝わってこない。
- 元パッカーズの3巡指名パンター、B.J.サンダーがラムズと契約した。Pジョン・ライアンとの先発争いに敗れて昨年8月にパッカーズから解雇され、その後はフリーのまま過ごしていた。
- テキサンズと契約したRBアーマン・グリーンの代理人によると、パッカーズは最後までテキサンズに対抗する努力はしたとのこと。トンプソンGMは、「日曜に(おそらく電話で)話し合ったが、ヒューストンのオファーはかなり良いもののようだった。こちらもアジャストはしたが、十分ではなかった。我々がアーマンを引き留めなかったかのように言う人もいるだろうが、努力はしたのだ。それがフリーエージェンシーというもので、何が起こるかわからない。我々は彼の幸運を祈っている」と語っている。
2007年3月 6日
フリーエージェントとしてヒューストンを訪問していたRBアーマン・グリーンが、テキサンズとの契約に合意した。契約ボーナス$6.5ミリオンを含む総額$23ミリオンの4年契約と見られている。先日報道された「本人は3年$15ミリオンを希望したがチーム側が同意せず」という説が本当だとすれば、それを大幅に上回るオファーであり、パッカーズ側が対抗できる額ではなかった。「オーバーペイしない」方針のトンプソンGMにとってはなおさらのこと。
「チームを去るのは誰にとってもつらいことだと思う。子供が、友達のたくさんいる学校から転校させられるようなものだ。いいことも悪いことも両方あったけれど、やはり去るのはつらい」とアーマン・グリーン。パッカーズでの7年間で1000ydsラッシング6回、プロボウル出場4回。8162ydsラッシング(平均4.5yds)、53TD。パスキャッチ347回2708yds、14TD。ジム・テイラーの持つ球団ラッシング記録に、あとわずか45ydsと迫っていた。
新たに先発RBを探すことになったパッカーズだが、今年のFA市場で最有力RBのトラヴィス・ヘンリーはブロンコスと本格的な交渉に入っている。まだ28歳で昨季1200ydsを走ったので一番人気は当然だが、RBグリーンよりも高額を求めるのは明らかで、パッカーズがそれに応えるとは考えにくい。ライオンズはトレードで獲得したRBテイタム・ベルを再びトレードに出す意図があるようなので、パッカーズが感触を探っているとの噂もある。ただしトレードは「両チームにとってよい結果になるように」とするものなので、足を引っ張りたい同地区チームとのトレードが成立することは非常に希だ。
以上のようなことを考えると、トップクラスの大物FAは避けて、そこそこのベテランを獲って大きな穴をふさいでおき、ドラフト上位でRBを指名する、という流れが現実的か。
フランクスに次ぐ2番手TEを務めてきたデヴィッド・マーティンがドルフィンズと契約した。現時点では契約年数も金額も不明。大学時代にWRをしていただけあってアスレチック能力の高いプレーを時おり見せるものの、ケガが非常に多いために、2005年のパスキャッチ27回224ydsがこれまでの最高だった。ロン・ウルフ元GMの悪しき置き土産となった「大失敗の2001年ドラフト組」のひとりで、これでパッカーズに残る2001年組はWRファーガソンだけとなった。
2007年3月 5日
パッカーズにまだ動きがないので、補強に関係のありそうなWR/RB/TE市場の概況を紹介する。なお、金額についてはほとんどが第一報の記事のもので、不正確なものが多いのでご注意のこと。代理人が自分の手柄を強調するために、契約の派手な部分だけを吹聴することが多いためだ。
- WRドリュー・ベネット(TEN)はラムズと総額$30ミリオンの6年契約。身長6フィート5(196cm)の大型レシーバーで、今年のFAの中では最有力WRのひとり。
- WRドンテ・ストールワース(PHI)はこれまでのところチーム訪問のニュースがない。全く声がかからないはずはないので、本人の希望に近い額(まだ感触を探る段階だが)の話が来ていないからだろうと見られている。
- 49ersを解雇されたWRアントニオ・ブライアントもここまで動きなし。昨年11月の飲酒運転逮捕で4試合の出場停止処分を受け、そのうち2試合分をシーズン末に消化したところ。どこへ移るにせよ、開幕から2試合は出場できない。
- WRケヴィン・カーティス(STL)はライオンズ訪問を予定。マイク・マーツOCとは旧知の仲。
- WRデニス・ノースカット(CLE)がジャガーズと契約ボーナス$4.5ミリオンの高額契約。毎年トップ5に入る優れたパントリターナーなので、そちらでの期待が大きいようだ。
- 制限つきフリーエージェントのWRウェス・ウェルカー(MIA)がペイトリオッツからのオファーシートにサイン。新設の2巡Qualifying Offer をされているので、ドルフィンズがマッチせず移籍を許す場合は、2巡指名権を受け取ることになる。こちらもノースカット同様、リターナー実績が加味されているはず。
- WRアシュリー・レリー(BAL)は49ersと$4.3ミリオンの2年契約。
- パッカーズのRBアーマン・グリーンはブロンコス訪問のあと、テキサンズとレイダーズを予定。
- 予想どおりRBトラヴィス・ヘンリーがタイタンズから解雇された。今年のRBの中では1番人気になりそうで、上記グリーンを含めたRBたちにとって脅威になるかもしれない。今後ブロンコス訪問を予定しており、グリーンよりも彼の方がブロンコスの本命と見られている。パッカーズもヘンリーの代理人と話はしているがまだ予備的なもので、グリーンとの再契約を優先している模様。
- RBサミー・モリス(MIA)がペイトリオッツと総額$7ミリオンの4年契約。
- RBマーセル・シップはカーディナルスと再契約。3年で金額は不明。
- South Florida Sun-Sentinel紙によると、TEランディ・マクマイケルをドルフィンズがトレードに出そうとしているらしい。この記事によれば、ドルフィンズが希望する条件はドラフト3巡とのこと。
- TEダニエル・グレアム(NE)にはブロンコス、レイダーズ、シーホークス、ヴァイキングスあたりが興味を示している模様。
- 上記のTEダニエル・グレアムを失うペイトリオッツは、TEカイル・ブレイディ(JAC)と総額$5.3ミリオンの2年契約を結んだ。どちらも同タイプのブロッキングTEだが、35歳という年齢を考えるとかなりの厚遇。
2007年3月 4日
- RBアーマン・グリーンは金曜夜からブロンコスを訪問中。ブロンコスはCBブライを獲得したトレードでRBテイタム・ベルをライオンズに譲渡しており、FAかドラフトで先発級RBの獲得を目指しているのは間違いないところ。グリーンはブロンコスの次はテキサンズに向かう模様だ。
- RBといえば、先日のRBジャマール・ルイス(BAL)に続いてRBコーリー・ディロン(NE)が解雇されてFAとなっている。またタイタンズのRBトラヴィス・ヘンリーがもうじき解雇されるという話もある。1211ydsの復活を見せたヘンリーだが、$8.3ミリオンのロースターボーナスが月曜に発生するためだ。さらにビルズはRBウィリス・マゲイヒーをトレードに出そうとしており、RBトーマス・ジョーンズはベアーズに対してトレード要求をしている。
- セインツを解雇されたWRジョー・ホーン(35歳)に対し、パッカーズも興味を示しているが、さほど熱心でもないようだ。
- 昨日、パッカーズが狙っているらしいと伝えられたFBオヴィー・ムヘリ(BAL)は、ファルコンズと6年総額$18ミリオンの大型契約にサインした。フルバックとしてはNFL史上最高額かもしれない。
- Journal Sentinel紙によると、ジャイアンツの控えCBフランク・ウォーカー(26歳)にパッカーズは興味を示しており、近いうちにグリーンベイに呼ぶことになりそう。身長178cmの小型CBでスピードがあり、まだ粗削りで不安定だが、伸びシロはあるとの評判だ。マンカバレッジはいいがゾーン守備での判断力に難がある。
- パッカーズがFA市場でどのセーフティを狙っている、という噂は全く出てきていない(誰も狙っていないのかもしれないが)。今年のFA市場では、Sケン・ハムリン(SEA)、Sディオン・グラント(JAC)あたりが有力と見られている。Sマイケル・ルイス(PHI)は49ersと高額の6年契約を結んでいる。
- 今年のFA市場の目玉のひとり、LB/DEアデイラス・トーマス(BAL)はペイトリオッツとの契約に合意。なおファーストネームの発音はレイヴンズ公式サイトに"ah-DAY-lus"とあるので、アダリウスでなくアデイラスがよさそう。
- 元パッカーズのRBナジェ・ダヴェンポートは、スティーラーズと2年総額$2ミリオンで再契約している。
2007年3月 3日
- FA期間に突入し、例年より動きは鈍いものの、移籍決定のニュースがすでに出始めている。その直前には、キャップの空きを作るために多くの選手がカットされている。主だった解雇選手のリストはこちら。
- 残念ながらFA解禁前にRBアーマン・グリーンとは契約延長がまとまらず、フリーエージェントとなった。Wisconsin State Journal紙によると、彼は3年$15ミリオンを希望していたらしい。FA解禁から半日経った時点で、他チーム訪問の話はまだ聞こえてこない。今月9日・10日の"Packers Fan Fest"出席が決まっている(変更もありうるが)こともあり、再契約の可能性は十分あるという見方が一般的。
- パッカーズはTEデヴィッド・マーティンとも契約延長交渉をしていたようだ。今年のFA市場はタイトエンドが不作で、最有力といわれるTEダニエル・グレアム(NE)もスピードのないブロッキングTEのタイプ。アスレチックなレシービングTEの需要は大きく、マーティンに意外な高値がつかないとも限らない。
- FA解禁直後は大物選手が次々と高額契約をかわして大きな話題となるが、そういった狂騒から距離を置くのがテッド・トンプソンGMの特徴。「派手に注目を集める。それが私のやり方だよ」と、本人は事実と正反対の冗談を言っている。
- マッカーシーHCはFBウィリアム・ヘンダーソンの現役続行歓迎のコメントをしていたが、フロントはどうも違うようだ。ヘンダーソンの代理人によると、来季パッカーズでプレーしてほしいかどうか、チーム側からは何も言ってきていないとのこと。
- Journal Sentinel紙によると、パッカーズがFBオヴィー・ムヘリ(BAL)を狙っているとの情報がある。もしそのような契約が決まれば、ヘンダーソンの居場所がなくなるのは間違いない。今年のFA市場でフルバックといえば、このムヘリか、FBジャスティン・グリフィス(ATL)が有力のようだ。どちらも2003年の4巡指名入団。
- パッカーズの"Exclusive-Rights Free Agent"の4選手には全てオファーが出され、残留が決まった。DTコリン・コール、RBノア・ヘロン、WRカーライル・ホリデイ、TEトリー・ハンフリーの4人。
2007年3月 2日
- いよいよフリーエージェント解禁日がやってきた。正確には東部時間の3月2日深夜0時01分、グリーンベイ時間では3月1日23時01分からFA期間がスタート。今年は350人ほどの選手がフリーエージェントとなる。
- DEジェンキンズの契約延長がまとまったため、Journal Sentinel紙によると、2007年度パッカーズのサラリーキャップの空きは$21.4ミリオンとのこと。この数字は公式に発表されるものではなく、また各選手の契約内容(インセンティブ等)が非常に複雑なので、メディアによって数字が違い、必ずしも全面的に信頼できるものではない。
- 同じくJournal Sentinel紙によると、現在パッカーズよりもキャップに余裕があるのは6球団。49ers($37.3ミリオン)、ビルズ(32)、ブラウンズ(26.6)、カーディナルス(25.6)、ジャガーズ(24)、ペイトリオッツ(21)。この試算の後にビルズはDEクリス・ケルセイと長期契約を結んでいるが、それでもパッカーズよりは多いはず。
- キャップの空きがたくさんあっても、スターターが何人もFAとなる(つまりその分がキャップに含まれていない)チームは、戦力を保つために補強が必要になるわけで、実質的なキャップの空きはあまりないことになる。今年のパッカーズの場合、FAとなる主力選手はRBグリーンだけ。
- RBアーマン・グリーンとの契約交渉は続いているが、このままFAとなる公算が大きくなってきた。本人は最近のTVインタビューの中で、「パッカーズには戻りたいが、1年契約を受け入れるぐらいならFA市場での価値を知りたい」と語っている。パッカーズ側は、要求があまりに高額なら、FA市場での値段を見てから改めて再契約交渉すればいい、という心構えなのかもしれない。
- 一昨年秋に負った大腿四頭筋腱断裂の大ケガについてRBグリーンは、「ドクターのパトリック・マッケンジーは、復帰2年目はさらに良くなる、と言ってくれた。うずうずして来季を待っているところだ」と語っている。
- 先日ラムズを解雇されたOGアダム・ティマーマンは、1998年までパッカーズに在籍し、両球団でスーパーボウル制覇を経験している。すでに35歳となり衰えは隠せないが、引退するつもりはないと本人。ただしパッカーズ側はこれまで興味を示した様子はない。
- WRランディ・モス(OAK)についての最新のネット上の噂。モスと交換に1巡指名権を求めたレイダーズに対し、パッカーズからのカウンターオファーはQBアーロン・ロジャースだったとのこと。根も葉もないかもしれない。
2007年3月 1日
チャールズ・ウッドソンのFA加入で両サイドとも30歳前後のベテラン選手となったが、2人とも期待通りの働きをした。パッカーズが許した大量のTDパスは主にセーフティ陣の責任によるもので、両先発CBはしっかり仕事をしていたと言える。アル・ハリスは相変わらずプレスカバレッジ職人で、常に相手エースWRを担当する。ウッドソンはカバレッジそのものは時々ミスがあるが、際どい競り合いをモノにしてインターセプトにつなげる技術は素晴らしいものがある。
元1巡指名のアマド・キャロルを10月初めについに解雇すると、これまで多かった反則の数が激減。ニッケルバック/3番手CBに昇格したパトリック・デンディは、身体能力は低いものの比較的安定したプレーを見せた。4巡指名ルーキーのウィル・ブラックモンが足の骨折などでわずかしか出場できず、将来スターターが務まる器かどうか見極める機会がなかったのが最も残念なところ。
層の薄さは目を覆うばかりで、先発の両ベテランが全試合出場できたからよかったようなものの、彼らがケガをしていたら大惨事になりかねないところだった。2人がいるだけに、即戦力のFAよりもドラフトで有望な若手を獲って将来に備えたい。上位指名も十分ありうる。
アル・ハリス Al Harris
ディフェンスの中ではDEキャンプマンに次ぐ貢献度。得意のバンプ&ランから粘り強いカバレッジを見せ、有力レシーバーたちをシャットアウトしている。序盤は右サイド固定だったが、以前のように彼が相手エースを専門に担当するようになると、ウッドソンの調子も上がってきた。ウッドソンと比べるとインターセプトチャンスの捕り損ないが多く、そのあたりも3年連続でプロボウル補欠に終わっている理由か。契約への不満を明らかにしていたが、2月半ばにめでたく契約延長にサインしている(記事へ)。
チャールズ・ウッドソン Charles Woodson
昨年春に総額$39ミリオンの7年契約でレイダーズからFA移籍。ケガの多さが懸念されていたが、「1試合いくら」というインセンティブ設定が効いたのか、肩とヒザのケガに悩まされながらも、なんとか5年ぶりの全試合出場を果たした。プロボウル常連だった頃のトップスピードはないが、ボールを弾いたり奪ったり(チームトップの8INT)のボールスキルは素晴らしいものがある。パントリターナーとしても優秀だが、ケガが怖いのでできればCBに専念させたいところだ。
パトリック・デンディ Patrick Dendy
ドラフト外入団から2年目で開幕ロースター入りを果たし、キャロル解雇とともに3番手CB/ニッケルバックに昇格。キャロルとは何もかも正反対で、身体能力は高くないが落ち着いて規律のしっかりしたプレーをする。最終戦でのINTリターンTDを含め3インターセプトを記録している。一度かわされるとリカバリーできるスピードがなく、やはり彼が3番手では物足りない。
ウィル・ブラックモン Will Blackmon
ドラフト4巡指名ルーキーで、ミニキャンプでは非常に評判がよかったが、そこで足を骨折してしまい大幅に出遅れ。10月半ばにようやく初出場したがスペシャルチーム以外では出番がなく、4試合出場したところでわき腹を痛めてシーズンエンドとなってしまった。Sアンダーウッドと並んで、今年もっとも成長を期待したい選手のひとり。
ジャレット・ブッシュ Jarrett Bush
ドラフト外ルーキーで、開幕前にパンサーズを解雇されてすぐパッカーズに移ってきた。16試合に出場したがスペシャルチーム専門で、チーム2位の13タックルを記録している。サイズもアスレチック能力もあるが、CBとしてはかなり未熟らしい。
シーズン中盤までの大量失点の元凶となったのがこのセーフティで、早いうちからショッテンハイマーDBコーチの解任論が出るほどだった。Sマーカンド・マニュエルのFA補強が大失敗となり、期待された2年目のSニック・コリンズも伸び悩んだ。毎週のように「敗因はコミュニケーションミス」というコーチからの説明があったように、カバレッジミス、判断ミス、連携ミスといったメンタルエラーばかりで、パッカーズは20yds以上のビッグプレーをなんと60回も許している。
4巡指名入団から2年目だったマーヴィール・アンダーウッドは、トレーニングキャンプでは成長したところを見せて期待されたが、プレシーズンでヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂してシーズンエンド。ケガがなければ、マニュエルの不振で先発昇格のチャンスが来ていたかもしれない。今年は順調にリハビリを進めてスターター争いに加わりたいところだ。
パッカーズ全ポジションの中で最も補強が必要なポジションで、FAとドラフトのどちらで獲るにせよ「先発を争う」クラスでなくできれば即先発クラスがほしいところ。これほどひどいプレー内容なら、FAで誰を獲ろうとアップグレードになるのでは、という見方も。
ニック・コリンズ Nick Collins
ドラフト2巡指名から2年目は、期待された成長が見られなかった。CB級のスピードを誇るが、読みが悪いのか判断が遅いのかカバレッジミスが多い。自分の責任を認めない精神的な幼さや、仲間としっかりコミュニケーションが取れていないとの指摘もある。最終戦では自由に動き回って素晴らしいプレーを見せたが、これがブレークのきっかけになってくれるかどうか。いずれ一流選手に成長するとコーチ陣は今も変わらず期待しているが、全ては本人の精進しだいだろう。
フリーセーフティとして一番後ろを守るよりも、ストロングセーフティに移ってスクリメージ近くでプレーする方が彼に向いている、という見方もある。
マーカンド・マニュエル Marquand Manuel
シーホークスで主に控えだった選手をFA解禁直後に獲得したが、昨年の補強の中では最悪の結果となった。アスレチック能力が低く、反応が鈍く、アジャストが遅い。ミスタックルはチーム最多の15個。コミュニケーション能力が高いとの触れ込みだったが、チームメイトとうまく行かず、連携ミスからビッグプレーを許すことの繰り返しだった。唯一のターンオーバー・プレーは、CBキャロルがディフレクトしたパスをインターセプトしたもの。
鼠蹊部のケガでチーム合流が遅れ、キャンプに入るとふくらはぎを痛めたため、シーズン中ずっと完調でなかったとコーチ陣は見ているようだ。これほどの見込み違いを「そんなはずはない」と引きずるのか、あっさり失敗を認めてやり直すのか、今オフのトンプソンGMの動きが注目される。
マーヴィール・アンダーウッド Marviel Underwood
Sニック・コリンズと同期の2005年4巡指名選手。プロ2年目の昨年夏はかなり成長したところを見せていたが、プレシーズン初戦でヒザのACLを断裂してしまいシーズンエンド。それがなければマニュエルの不振で先発のチャンスが来たかもしれない。先発でなくとも、彼に経験を積ませることができなかったのは残念だ。ここまでリハビリは順調のようなので、なんとか先発争いに食い込んでほしい。
タイロン・カルヴァー Tyrone Culver
ドラフト6巡ルーキー。アンダーウッドの戦線離脱で3番手CBに昇格し、CB陣の層の薄さもあってダイムバック(6人目のDB)となった。しかし第7週以降はパスシチュエーションでダイム隊形がほとんど使われなくなり、ニッケル隊形ばかりとなったので、スペシャルチーム以外での出番はほとんどなかった。