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2004年7月31日

ルーキーたちがキャンプに集合

木曜日、ルーキーを中心とする若手選手たちがセント・ノーバート・カレッジに集合(写真)。これから4週間にわたって、窮屈な合宿生活を過ごすことになる。キャンプの間、パッカーズがこの大学で合宿生活をするのは、1950年代から続く、チームの伝統だ。

なお、全選手が集合するのは土曜日。日曜日は一斉にフィジカル・テストが行われ、8月2日の月曜日から全体練習がスタートすることになる。

4人のドラフト指名ルーキーと契約

トレーニングキャンプ前日から当日朝にかけて4人のドラフト指名ルーキーが契約にサインした。29日には、7巡指名のCスコット・ウェルズ、3巡指名のP B.J.サンダー、同じく3巡指名のDTドネル・ワシントン。そして30日朝、CBジョーイ・トーマスも契約にサインした。

Cウェルズは、契約ボーナス$22,500ドルを含む総額$942,500ドルの3年契約とのこと。Pサンダーは4年契約、DTワシントンとCBトーマスについてはまだ不明だ。かつては、1巡なら5年以上、2巡は4年、3巡以下は全て3年契約というのが通例だったが、最近はプロ3年目を終えたRFA選手の争奪戦が激しいため、下位指名選手でもできるだけ4年契約で確保しておこうという動きが各球団に広がっている。

パッカーズのルーキーとの契約は、今年はキャンプ入りが遅いために、かつてないほどずれ込み、ヘイトリー副社長の死去にともなうゴタゴタでさらに遅れてしまったようだ。交渉担当のブラント副社長も、金曜日に葬儀に出席しなければならないため、夜を徹して交渉を続けている。残るは、6巡指名のDTコーリー・ウィリアムズと1巡指名のCBアマド・キャロル。特にキャロルは、チーム全体の練習が始まる8月2日が現実的なタイムリミットとなりそうだ。

CB/Sテイラーと契約、6選手を解雇

パッカーズは、ジョージタウン・カレッジ(ケンタッキー州)出身のドラフト外ルーキー、CB/Sジェームズ・テイラーと契約した。テイラーは身長185cmの大型DBで、水曜日に行われたワークアウトでは、40yds4.4秒のスピードを披露したとのこと。大学3年まではオハイオ大に所属し、WRとSをしていたようだ。

上記ルーキーたちと入れ替わりに、P/Kトラヴィス・ドーシュ、WRデヴィン・ルイス、OT/OGジョー・ヘイズ、DEジュニア・グリンプ、DEアール・コクラン、LBケヴィン・ジャクソンが解雇された。

P/Kドーシュは、正パンターの座を争うものと見られていただけに、今の時期の解雇はやや意外。ミニキャンプでの出来がよほど不甲斐なかったということだろうか。これでルーキーのPサンダーと、オーストラリア人のPネイサン・チャップマンだけがロースター入りを争うことになった。また、WRデヴィン・ルイスはロースター入りの可能性もあると期待された選手だけに、昨夏のキャンプでヒザを壊したのが残念だ。

2004年7月30日

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

グリーンベイ・パッカーズは、111,613人の市民株主によって所有されている。このほど、毎年恒例の株主総会が、ランボーフィールド近くのResch Centerで開催され、3000人近くの株主たちが集まった。(写真

まず、スタンディング・オベーションに迎えられたマイク・シャーマンHC/GMが会衆に呼びかけ、前日死去したヘイトリー副社長のために、黙祷。それからシャーマンが、35分にわたってチームの現状を説明した。ルーキーなど新戦力のこと、期待の若手選手のこと、オフに手術をした選手たちの状態について。チームは、ショッキングなプレーオフ敗退を乗り越えて前に進もうとしていること、いかにチーム全体が来たるシーズンを待ち望んでいるか、明るい見通しを強調した。

「昨季最後の5試合は、スーパーボウルに出た頃のように、チーム全体から自信がみなぎっていた。選手たちは、自分たち自身を本当に信じていた。最後まで戦い抜けるだけの能力、パワー、それにケミストリーを備えていた。その中心選手たちは今年も帰ってくる。自分たちを信じたあの気持ちを、今季は最初から持っている。決してそれを手放すつもりはない。あのケミストリー、人格、自信を持ち続けるようにさせるのが、私の最大の挑戦だ」

また、CBマイク・マッケンジーの問題については、「もし、契約が3年も残っている選手と再交渉などしていたら、(サラリーに不満な)他の選手もみなそうしたがるに違いない」と語り、無理な要求に屈するつもりがないことを明言した。また、ドルフィンズからトレード話があるとされるRBダヴェンポートについては、優れた控えRBをトレードに出す気にはならないことを示唆した。

シャーマンHC/GMに続いて、 選手のサラリーを担当するアンドリュー・ブラント副社長が壇上に上り、LTチャド・クリフトンとの長期契約のことなど、サラリーキャップ関連の説明を行った。さらに、ジョン・ジョーンズ上級副社長やジョン・アンダーウッド会計担当が、チームの運営面、財政面についての報告を行った。最後に、ボブ・ハーラン社長が株主たちを引き連れてランボーフィールドまで歩き、選手と同じように入場門から入場し、フィールドを一回り。最後はフィールドの外でアイスクリーム・パーティとなった。

ヘイトリーの死因はやはり心臓発作

昨日急死したマーク・ヘイトリー副社長の死因は、急性の心筋梗塞である、とブラウン郡の検視官が発表した。

毎朝8時には出勤するヘイトリーがいつまでたっても現れないことを不審に思ったスタッフが、ヘイトリー宅を訪れ、11時前に遺体を発見したとのこと。

告別式は金曜日の午後1時から、オクラホマ州タルサの教会で行われる。金曜はルーキーたち(ベテランたちは31日集合)のキャンプ初日だが、練習予定に変更はないとのこと。全員とはいかないが、多くのコーチ・スタッフ・選手たちが告別式に出席の予定。

2004年7月29日

マーク・ヘイトリー副社長が急死

副GM格としてシャーマンHC/GMを支えてきたマーク・ヘイトリー副社長が、月曜日の夜/火曜日の早朝、自宅で急死した。54歳だった。死因については、今のところ発表されていない。彼は月曜日の夕方に、ロスリーOC、スロウィック新DC、ショッテンハイマー新DBコーチとゴルフコースを回り、その後、食事をして別れたとのこと。ロスリーOCによると、ゴルフ中からわずかに胸に不快感があるようなことを漏らしていたのだという。

オクラホマ州立大でラインバッカーとして活躍したマーク・ヘイトリーは、卒業後すぐからコーチ修業を始めた。いくつかの大学でアシスタントコーチを務めたあと、1984年からNFLでセインツのDBコーチに。1987年にはチーフスでLBコーチ。その後チーフスのフロントに入り、3年間スカウトを務めたあと、プロ人事部長に昇格した。1997にはベアーズに移り実質GM格の人事担当副社長を2001年春まで務めた。ベアーズ低迷の責任を取らされての解任だったが、その秋にはベアーズは地区優勝を果たし、彼の功績が再確認されたこともあった。

2001年5月、シャーマンHCがGMを兼ねるにあたり、多忙を極めるヘッドコーチを人事部門でアシストするため、ヘイトリーが副GM格で招聘された。経験豊富な大物でありながら、気さくな人柄で協調性に富んでいることも招聘の大きな理由だったようだ。「船頭が多いのでは」と懸念されるスタッフ構成ながら、不協和音が全くなく円滑に運営されてきたのは、彼の貢献によるところも大きい。

パッカーズ、ベアーズ、チーフスをはじめ多くの関係者たちが、彼のスカウトとしての優れた手腕とともに、ユーモアに富んだ陽気な人柄を惜しんでいる。「誰か落ち込んだ者がいると、それを察して励ましてくれたものだ。彼はチームの柱石だった。パッカーズのフロントの一番明るい点だった。常に人々への思いやりを忘れなかった。これは我々チームにとって、大きな大きな損失だ。マーク・ヘイトリーのような人物が、これ以上の時間を与えられなかったことがとても残念だ」とロスリーOC。

ドルフィンズのリック・スピールマンGMが、RBダヴェンポートのトレードをめぐってヘイトリーと電話でやりあったのは、つい昨日のことだった。「彼とは、あれこれとやりあったものだ。親友だったし、私の子供の名付け親でもあった。私だけでなく、妻や子供たちにとっても、今日はとてもつらい日だ。私はマークを自分の指導者だと思っていた。シカゴ時代、彼が私をプロ人事部長としてデトロイトから引っ張ってくれたのだ。フットボール・ビジネスに精通していただけでなく、人間的にはもっと素晴らしかった。彼ほど素晴らしいユーモアの持ち主を私は知らない。彼は、何事にも苛立つことはないように見えた。こんにち、私がしていることの多くは、マーク・ヘイトリーのおかげなのだ。彼はフットボールについて教えてくれただけでなく、人々や物事への対処の仕方を教えてくれた」

2004年7月28日

RBダヴェンポートがトレード候補に?

RBリッキー・ウィリアムズの突然の引退宣言で大騒ぎになっているドルフィンズ。補強案として、パッカーズのRBナジェ・ダヴェンポートの名前も挙がっている。Wisconsin State Journal紙によると、すでにドルフィンズからパッカーズに照会があったとのこと。ただし、パッカーズ側の要求は相当高い(ドラフト1巡とか2巡とか)ものだったらしく、だとするとすぐさまトレードがまとまるとは考えにくい。

今年NFL3年目のRBダヴェンポートはマイアミ大出身とあって、確かにドルフィンズ移籍はピッタリ来る。しかし重要な2番手RBであり、グリーンが負傷したら大車輪の活躍をしてもらわなければならないため、パッカーズが手放したがらないのは当然のことだろう。彼はキックオフリターナーとしても今年は期待が大きい。

パスラッシュに不安を抱えるパッカーズは、ドルフィンズと契約延長をめぐってモメているDEオグンリエに興味を示しているという噂もある。オグンリエのようなプレミア・パスラッシャーとのトレードともなれば、ダヴェンポートに加えてドラフト指名権を差し出さなければならないはず。それ以上に、オグンリエの求める高額サラリーをパッカーズのサラリーキャップから捻出するには、相当無理をしなければならない。

というわけで、ダヴェンポートにせよオグンリエにせよ、今のところパッカーズとドルフィンズのトレードは実現する見込みは薄いと言えそうだ。

万が一、オグンリエを獲得するようなことがあると、Kabeer Gbaja-Biamila、Chukie Nwokorie、Adewale Ogunleyeという、3人の難読DEがアナウンサーを苦しめることになります。

2004年7月27日

ロースター展望 スペシャルチーム

4年間正パンターを務めたジョシュ・ビドウェルがFA移籍したため、なんとドラフト3巡でB.J.サンダーを指名。かなりの批判を受けている。異例の上位指名についてパッカーズ首脳は、「グリーンベイは気候条件が悪く、スタッツが落ちてしまうので、有力なFAはなかなか来てくれない。だから無理してでもドラフトで良い選手を」と考えたようだ。 サンダーは素晴らしいセンスを持っているのは確かだが、1年目から期待していいものかどうか。飛距離自慢のトラヴィス・ドーシュとキャンプで争うことになる。

ロースター枠は、キッカーとパンターとロング・スナッパーが1人ずつ。KロングウェルもLSデイヴィスもロースター入りは確実で、キャンプでのポジション争いはパンターだけだろう。

Kライアン・ロングウェル

NFL8年目の29歳。カリフォルニア大から1997年のドラフト外で入団。その年はKブレット・コンウェイが異例の3巡指名を受けたがケガもあってうまくいかず、ドラフト外入団のロングウェルが正キッカーの座を奪い、活躍を見せて、当時のロン・ウルフGMのドラフト失敗を救った。飛距離は出ないが非常に正確で、悪天候にも強い、まさにランボーフィールド向きのキッカー。

昨季は40yds未満を1本も外さず、成功率88.5%は、屋外フィールドを本拠地とするキッカーの中では最高だった。唯一のスランプは2001年(成功率64.5%)で、それ以外の年は全て80%以上をキープしている。キックオフの距離が出ないのが弱点だが、コントロールよく狙った所に落とすことでカバーしている。通算844得点は、偉大なるドン・ハトソンを上回ってチーム史上1位。通算182FGも、Kクリス・ジャッキーを上回ってチーム史上1位。

P B.J. サンダー

オハイオ州立大から今年のドラフト3巡指名。ルーキー紹介参照。トップクラスの飛距離となると疑問だが、非常にセンスがよく、敵陣ゴール前に落とす"プーチ・パント"が素晴らしく上手い。リターナーが捕りにくい左利きというのもプラス。ドーシュと比べると飛距離では劣っているが、安定性ではかなり上回っているので、正パンターの座は確保できそうな情勢。

P/Kトラヴィス・ドーシュ

パデュー大から2002年のドラフト4巡指名でベンガルズへ。しかし正パンターにはなれず、1試合の出場にとどまった。昨年開幕前にベンガルズから解雇され、ペイトリオッツのプラクティス・スクワッドを経て、プレーオフの頃にパッカーズと契約。身長198cmとサイズがあり、ハマった時の飛距離は素晴らしいものがある。しかしかなり不安定で、ミスが非常に多い。短いパントのコントロールなどは、サンダーにはるかに及ばない。

パッカーズ首脳は、彼をキッカーとしてはアテにしていないようだ。しかし、もしロースター入りすれば、ロングウェルに代わってキックオフを担当することは考えられる。

Pネイサン・チャップマン

今春契約したオーストラリア人パンター。名パンターのダレン・ベネットと同じく、オーストラリアン・フットボール・リーグ(以下AFL)の出身。1992年のドラフトでAFLブリスベンに全体2位で指名された期待の若手選手だった。しかしケガに苦しんだ彼は2000年にAFLを引退し、NFLを目指しつつ、オーストラリアのアメリカンフットボールチームでプレーしていた。昨年はクイーンズランド・レイヴンズでパントとキックオフを担当。

ビザの関係で、2回のミニキャンプには参加できなかった。しかしNFLに挑戦する意思は固いようで、家族もアメリカに連れてきている。今年はパッカーズのロースター入りは無理そうだが、来年以降はNFLでやっていける可能性は十分ある。

LSロブ・デイヴィス

1997年からパッカーズの正ロングスナッパーを務める35歳。103試合連続出場中。昨季はケガで満身創痍になりながら全試合出場した。極めて安定性の高い、NFLでもトップクラスのロングスナッパー。Kロングウェルの成功は、彼の安定したロングスナップによるところも大きい。面倒見がよく、若手選手たちのよき兄貴分。欠点があるとしたら、彼が全くのロングスナップ専門で、他のポジションでの使い道はないこと。

今年は、新加入のTEスティーヴ・ブッシュが控えLSを務めることになりそう。

ホルダー

QBピダーソンが務めてきた、FGの際のホルダーだが、もしQBピダーソンがロースター争いに敗れて解雇されると、3年ぶりにホルダー交代となる。Pサンダーはかなり上手いという評判なので、彼が最有力候補か。QBノールも練習はしてきたはずだが、能力のほどはよくわからない。ずっとスターだったQBカウチはたぶん無理だろう。

キックオフ・リターナー

昨年平均31.6ydsと素晴らしい記録を残した、RBダヴェンポートでほぼ決まりの情勢。普通のリターナーと比べてスピードはないが、250ポンドの体でタックラーを薙ぎ倒すように走る姿は迫力満点。ブロッカーいらず、という感じ。リターナー専門の選手を獲得する場合は、そちらに任せてRBに専念させる可能性もある。

パント・リターナー

WR/KRチャットマンが昨年は務めたが、可もなし不可もなしだった。彼を解雇する場合、WRフォードやWRファーガソンが有力候補となる。新たなリターナーを獲得する可能性もある。

2004年7月26日

ロースター展望 S編

FSシャーパーはどこに出しても恥ずかしくないスター選手だが、その相方が悩みの種。バトラーが引退してから、アントワン・エドワーズ(今春MIAへ移籍)やアンダーソンが先発したが、どちらも不安定でミスタックルの山を築くばかり。その状況を打破すべく、マーク・ローマンを獲得したが、決して大物FAではない。彼がスムーズに先発の座を奪うか、アンダーソンが成長を見せて奪い返すか、CBから転向のジューが2人まとめて追い抜くか、キャンプでの先発争いに注目だ。

ロースター枠はDB陣全体で通常10人。そのうちセーフティは4人とするのが普通。なお、最近のパッカーズは、セーフティにおいてもパスカバー能力の高さを重視しており、「スピードにはやや欠けるが、ラン守備に強いハードヒッター」というような典型的なタイプのストロング・セーフティは好まない。下記のセーフティたちもそれを満たしている。

ダレン・シャーパー

NFL8年目の28歳。ウィリアムズ&メリー大から、1997年のドラフト2巡指名で入団。2年目から先発に定着、最初はチームの足を引っ張ってばかりで、自らCB転向をウルフGMに直訴したこともあったが、1999年から2000年にかけてブレーク。チームを代表するプレーメイカーに成長した。185cmの長身とCB並のスピードを誇るフリー・セーフティ。しかしバトラーの引退後は相棒が不甲斐ないこともあり、いまひとつビッグプレー能力を発揮しきれていない。

バトラーの次は自分がリーダーにならなければ、と彼が強く意識しているのは明らかだ。頭の回転が速く、チームを代表してよく喋ってくれるのだが、かつてのバトラーのような重厚さには欠ける。今春はNFLヨーロッパで2試合に解説を務めた。テキサンズのLBジェイミー・シャーパーは1つ上の兄。

マーク・ローマン

ルイジアナ州立大から、2000年のドラフト2巡指名でベンガルズに入団。今春FAとなってパッカーズに移籍してきた。最初の2年はCB、3年目からフリーセーフティとなった。パッカーズではストロング・セーフティとしてアンダーソンらと先発の座を争う。プレー振りは地味で、ビッグプレー能力には欠けるが、タックル能力は確かだという評判。それこそ、昨年までのエドワーズやアンダーソンに欠けていたものだ。 昨年はじめて全試合にFSとして先発したため、さらに成長の余地はあるという見方もある。

マーカス・アンダーソン

UCLAから、2002年のドラフト3巡指名で入団。1年目はシーズン中盤にビッグプレーを連発して注目を集めたが、その後は伸び悩み。「あれはまぐれだった」という見方が定着してしまった。2年目は少し天狗になって勉強を怠り、ヤマ勘に頼った雑なプレーが目立った。ミスタックルも非常に多い。ただ、Sシャーパーも最初の2年は同じような経験をしており、アンダーソンもこれから急成長を見せる可能性もある。今年はローマンと先発SSの座を争う。

父モーリスはオレゴン大でRBとして活躍。姉アンドレアはシドニー五輪で4x400mリレーの代表メンバーだった。

S/CBバウ・ジュー

ペン州立大から2001年のドラフト3巡指名で入団。1年目は負傷欠場のバトラーに代わってセーフティとして7試合に先発出場し、不慣れなポジションながらよく頑張って、大きな穴を開けなかった。しかし本職のCBに戻った2年目はヘルニアの手術で4試合しか出場できず。昨年は3番手CB/ニッケルバックとして飛躍を期待されたが、ビッグプレーを許すことが多く、その座をホーソーンに明け渡した。そして今年はついに、ルーキーたちに押し出される形でセーフティ転向。

先発争いではローマンとアンダーソンを追う形だが、これまでのミニキャンプではなかなか良いプレーを見せており、ダークホースと見る記者もいる。SSであってもパスカバー能力を重視するパッカーズディフェンスでは、CB経験がプラスになるのは確かだ。西アフリカのリベリア生まれで、1歳の時に家族でカリフォルニアに移住してきた。

カーティス・フラー

テキサス・クリスチャン大から、2001年のドラフト4巡指名でシーホークスに入団。2年間で26試合に出場、2試合に先発。しかし昨年の開幕ロースターに残れず解雇され、セーフティの不足していたパッカーズと契約した。9試合に出場したが、ほとんどはスペシャルチームでのプレーに留まっている。SSとFSの両方をこなすが、上記の4人に割って入るのは今年は難しそうだ。

S/CBジェームズ・ウィトリー

ミシガン大出身。ドラフトされず、2001年はCFLカルガリでプレーした。2002年にはラムズと契約し13試合に出場、CBとして先発も経験した。昨年もラムズのロースターに残り3試合に出場したが、12月のはじめに解雇。ケガでDB陣が手薄になっていたパッカーズへ。終盤3試合にスペシャルチームで出場した。せーフティが4人枠とすると、今年はロースター圏外かも。

2004年7月25日

DEタイロン・ロジャースと契約

元ブラウンズのDEタイロン・ロジャースと契約。30歳のロジャースは、アラバマ州立大から1999年のドラフト外でブラウンズ入り。5年間で通算57試合に出場し、18試合に先発。DEコートニー・ブラウンが欠場した時に代役で先発する機会が多かった。ベストシーズンは2001年で、10試合に先発して6サック、41タックルを記録している。 身長6フィート5(195cm)、体重280ポンド(127kg)。どちらかというとパワー・エンドで、キャンプマンの控えをウォコーリーやルーキーたちと争うことになる。

契約はベテラン最低額の$535,000ドル。今春フリーエージェントとなったロジャースはすでに3月ごろグリーンベイを訪問し、彼を気に入ったパッカーズは同じ最低額をオファーしたが、その時はロジャーズが金額に不満でサインしなかった。しかし4ヶ月経ち、他に選択肢もなくなったため、パッカーズのオファーを飲まざるをえなくなったのだろう。

ヘイトリー副社長は、かつてパッカーズでプレーしたDEキース・マッケンジーと彼を比べ、「パスラッシュではキースの方が上だが、ロジャースはポイントオブアタックでのプレーに優れている。ラン守備が得意で、相手TEをしっかり止めることができる。それに彼は良いモーターを持っていて、ハードにプレーし、ハードにボールを追う。あのサイズにしては、最後までよく走り回る」と評価している。

先日パッカーズから解雇されたDEジャマール・レイノルズがブラウンズ入りしているため、両チームでDEを交換した形になる。ただし、両者とも開幕ロースター入りできる保証はなく、キャンプやプレシーズンゲームで活躍を見せる必要がありそうだ。

2004年7月24日

ロースター展望 CB編

エースCBマッケンジーの移籍希望で、今オフは大混乱となったユニットだ。FAやドラフトで補強する一方、マッケンジーのトレード希望には応じず合流を待つ、という状態が何ヶ月も続いている。昨年はスターターは堅実ながら、ニッケル・ダイムに不安があった。今年は逆に、全体の底上げはできたが、マッケンジーがいない場合のスターターが問題だ。もし、ハリスとホーソーンが先発することになると、NFLで最もスピードのない先発CBコンビとなってしまう。ルーキーの2人がどれだけやれるか、キャンプやプレシーズンゲームに注目が集まる。

ロン・ウルフ元GMはテレル・バックリーの失敗から、「グリーンベイでは小さいCBは使えない」という方針を堅持したが、そのせいか、アントワン・エドワーズやバウ・ジューなど、CBとSとどっちつかずの選手も多かった。今年のドラフト1巡、アマド・キャロルはパッカーズにとって久々の、小柄なスピードスターだ。

ロースター枠はDB陣全体で通常10人。9人にする時もある。そのうちCBは6人、Sが4人となるのが普通だが、CB/S兼業の選手もいるので境い目は曖昧だ。なお、バウ・ジューは今年からセーフティを本業にするようなので、そちらの項で紹介する。

マイク・マッケンジー

先発左CB。1999年のドラフト3巡指名からルーキーで先発の座をつかみ、不動のスターターを務めてきた。トップクラスのCBとしてはスピードがないが、不思議とタマ際に強く、勝負強いプレーが持ち味。2002年1月に5年の契約延長をしたが、今になってその額が不満になったようで、2月からチーム側にトレードを要求して譲らない。これまでは問題を起こすようなタイプでは全くなく、ファンの人気もかなりあった選手なのだが。

チーム側は、ドラフト1巡プラスアルファならトレードに応じてもいい、という実質トレード拒否の方針。悪しき前例にならぬためにも当然の処置だ、と内外の支持を得てはいる。一方、「チームに合流するならいつでも歓迎する」という姿勢は保っている。本人としては、このままではホールドアウトするか引退するかしかない。口数は非常に少ないが、かなり強情な選手なのは確かで、本当に引退してしまう可能性もなくはない。

アル・ハリス

先発右CB。プロ7年目の29歳。イーグルスでの5年間、トロイ・ヴィンセントやボビー・テイラーがいるために先発には定着できなかったが、ニッケルバックとして評価が高かった。昨春トレードでパッカーズに移籍し、念願のスターターに。スピードはないが、185cmのサイズを活かしたフィジカルなプレーが持ち味で、パッカーズ向きのタイプ。アグレッシブで、大試合に強い。ギャンブル的なプレーが裏目に出ることもある。

どう見てもエースCBには物足りず、これ以上の上がり目は期待できないが、プロフェッショナリズムには定評があり、コンディショニングは怠りない。そのせいかケガが非常に少なく、プロ2年目の1998年からプレーオフを含めて全試合に出場しているのは立派のひとこと。

マイケル・ホーソーン

2000年に6巡指名でセインツに入団。昨季開幕直後にセインツから解雇され、パッカーズと契約。バウ・ジューの伸び悩みもあって、3番手CB/ニッケルバックを務めた。191cmの長身が特徴で、セーフティもこなすが、デカいぶん、やはりスピードに欠ける。シーズン終盤にマッケンジーが欠場した時には彼が2試合先発し、大きな穴を開けることなく無難に務めた。

マッケンジーがこのままホールドアウトするなら彼が開幕スターターとなるのが順当だが、できればルーキーのどちらかが出てきてほしいところ。セインツ時代はトラブルメーカー気味だったが、グリーンベイでは今のところ問題なくやっているようだ。

アマド・キャロル

アーカンソー大から、ドラフト1巡25位指名で入団。ルーキー紹介参照。身長177cmと小兵ながら、スピードやクイックネスは今ドラフト全体でもトップクラス。大学時代は陸上とのかけもちだったこともあり未熟な点は多いが、その分未開発のポテンシャルも大きいと期待したい。精神的には非常に真面目なハードワーカーで、その点でのリスクは小さいはず。最初のミニキャンプでは3巡指名のCBトーマスにやや遅れをとったが、次第に追いついてきたとのこと。

ジョーイ・トーマス

ディビジョンI-AAのモンタナ州立大から、ドラフト3巡7位指名で入団。ルーキー紹介参照。キャロルほどではないが40yds走4.4秒台のスピードと、183cmのサイズがある。自信家で鼻っ柱の強いタイプなのは、これもキャロルと対照的。最初のミニキャンプからキャロルを上回る堂々としたプレーを見せたが、ディビジョンI-AAでのレベルの問題があるのは確かで、今は細かい部分を基本から叩き直されているところ。 マッケンジーも3巡指名からルーキーでスターターとなったように、トーマスにかかる期待も決して小さくない。

クリス・ワトソン

イースタン・イリノイ大から1999年のドラフト3巡でブロンコスへ。14試合に出場(先発は1試合)し、主にリターン・スペシャリストとして活躍した。翌2000年にトレードでビルズへ。2002年までの3年間で44試合に出場、12試合に先発した。昨年春に解雇されてライオンズと契約したが、キャンプで背中を痛めてしまい、1試合も出場できないまま解雇され、昨季はフットボールから離れていた。

スピードはそこそこだが、185cmのサイズがあり、経験もまずまず豊富。リターナーとしての実績もある。控えCBのレベルが低かった昨年なら簡単にロースター入りしたはずだが、層が厚くなった今年は、ボーダーライン上かもしれない。

クリス・ジョンソン

ルイヴィル大から昨年のドラフト7巡で入団。40yds走を4.2秒前後で走り、昨年のドラフトでは最速だったらしい。大学ではスキームの問題もあって能力を出し切れなかったが、パッカーズのプレスカバレッジがよほど合うのか、昨年のキャンプでは非常に良い動きを見せ、ロースター入りどころか3番手CBをうかがうところまで来ていた。しかしヒザをケガしてしまい、そのままシーズンエンド。6月のミニキャンプではまだ横方向の動きなど万全ではなかったが、そろそろ100%に戻るはず。

今年は競争が激しいため、ただケガが治っただけでは不十分だろう。ロースター枠ぎりぎりをワトソンらと争うことになりそうだ。

アーウィン・スウィニー

ネブラスカ大から2002年のドラフト外で入団。プラクティス・スクワッドからシーズン半ばに昇格し、2シーズンで9試合に出場した。スペシャルチームでのプレーが中心。ドラフト外からここまで来ただけでも立派だが、今年の開幕ロースターに残るのは難しそうだ。

ジェイソン・ホートン

ディビジョンI-AAのノースカロライナA&T出身、CFLのトロントに所属していた。昨年のドラフトにアーリーエントリーしようとしたが書類の不備でエントリーできず、大学での出場資格も失ってしまったとのこと。

2004年7月23日

Ex-Packers Notebook

2004年7月22日

ロースター展望 LB編

常にパッカーズディフェンスの弱点であったこのユニットだが、昨年の大改造が功を奏してラン守備はNFL21位から10位にアップした。先発3人全員が不慣れなポジションにコンバートされ、MLBバーネットは素晴らしく、SLBネイヴィーズはまずまず、WLBディッグスはやや期待はずれだった。先発3人は今年も安泰。しかし控えは手薄で、先発陣を脅かす若手もあまり見当たらない。元ベンガルズのスピアマン、そして昨日イーグルスのハリソンを獲得し、マーシャルやレノンらとロースター争いをさせることになった。

ロースター枠は通常6人。一時的に5人にする時もある。

ニック・バーネット

先発ミドルLB。昨年のドラフト1巡でオレゴン州立大からパッカーズ入り。ミニキャンプ初日から能力は際立っていた。優れた嗅覚、動き出しの速さ、シュアなタックル、パス守備のレンジの広さなど、申し分ない。極めて練習熱心で、学習能力も高く、早くもチームリーダーの1人になりつつある。ダイム隊形(1LB・6DB)でも、ディッグスでなく彼がフィールドに残る。当然のようにチーム最多タックルを記録した。

まだ時おり判断ミスはあり、プレーオフでの痛恨の4thダウン26での戦犯の1人。プロ入りしたころは、「本当はウィークサイドが向いているのだが」と言われていたが、最近はそのような声は聞かれなくなった。しかし、やや軽量であるのは確かで、彼をブロッカーから守るDT陣が重要となる。

ナイル・ディッグス

先発ウィークサイドLB。2000年のドラフト4巡入団ながらルーキーでスターターとなり、一昨年まではストロングサイドを務めていた。ストロングサイドとしては非常に堅実で高く評価されていた彼だが、コンバートされた昨年のプレーは、細かいケガもあってか、波が大きかった。ウィークサイドとしてはかなりの長身(193cm)で、スピードはそこそこ。判断ミスが非常に少なく、パス守備の確かさには定評がある。

ハンニバル・ネイヴィーズ

先発ストロングサイドLB。'99年のドラフト4巡指名でパンサーズ入りし、昨春パッカーズにFA移籍してきた。パンサーズ時代はケガの多いのが問題だったが、昨季はキャリア初となる全試合先発。堅実なプレーを見せ、ミスタックルも非常に少なかった。一昨年までのディッグスほどではないが十分合格点で、身体能力の高さから、さらに成長も見込める。パンサーズ時代は主にウィークサイドを担当しており、ディッグスがふがいなければ、再コンバートも。

トランス・マーシャル

2001年にオクラホマ大からドラフト3巡指名。フィジカル能力は非常に高いが、LBとしてのセンスに欠け、"looks like Tarzan, plays like Jane" の典型例。昨年夏は薬物違反で4試合の出場停止処分も受けた。学習能力が低いだけに、4年目の今年こそ良くなるのかもしれないが、首脳陣の我慢にも限界がある。救いは控えLB陣のレベルが高くないことで、ロースター入りの可能性は十分ある。主にミドルとストロングサイドを担当するはず。スペシャルチームでは時おり豪快なタックルを見せる。

パリス・レノン

2001年にはXFL、2002年春にはNFLヨーロッパでプレーし、2002年シーズンからロースターに食い込んだ。過去2シーズンは全試合に出場している。相当なハードワーカーで、主にスペシャルチームで活躍している。3つのポジション全ての控えをこなすが、先発陣を脅かすには程遠い。

マーカス・ウィルキンズ

2002年のドラフト外でテキサス大から入団。ウィークサイドの控えとして、2年連続で開幕ロースターに残った。パスラッシュを得意とするが、プロ2年間のサックはゼロ。LBレノン同様、スペシャルチームでの活躍(昨季はパントブロックも)がメインだった。

アーメジス・スピアマン

2000年のドラフト外でベンガルズに入団。11試合に先発し、オール・ルーキー・チームにも選出された。その後はケガが多い。昨春RFAだった彼をパッカーズは3年契約で誘ったが、ベンガルズは同額オファーで引きとめた。しかし開幕前に解雇され、その時はパッカーズも手を出さなかった。今春になって改めてFA入団。ミドルLBがメインで、ウィークサイドもこなすらしい。 ダフナーLBコーチはベンガルズではディフェンシブ・コーディネーターとして彼を教えた。

この2回のミニキャンプでは体重オーバーで、評判はあまり芳しくないらしい。

スティーヴ・ジョシュー

昨年のドラフト7巡指名。非常にスピードがあり、大学時代はパスラッシャーとして活躍。しかしディビジョンII出身とあってハイレベルでの経験が乏しく、昨季は全てプラクティス・スクワッドで過ごした。今春は経験を積むためにNFLヨーロッパに派遣されたが、先発出場は5試合。15タックル、1サックと、目立つような活躍はできなかった。

タイリオ・ハリソン

昨日の記事を参照。イーグルスから移籍してきたばかり。

モーリス・ジョーンズ

サウス・フロリダ大出身のドラフト外ルーキー。契約金を$15,000ドルも受け取っているのは、ある程度の争奪戦があった証拠。ミドルとアウトサイドの両方がこなせるサイズとスピードがある、とのこと。ドラフト前の評判から判断すると、ルーキーの中でロースター争いに加わるとしたら彼だろう。

ジャーメイン・テイラー

ブリッジウォーター大出身のドラフト外ルーキー。ヴァージニア州にあるディビジョンIIIの大学。身長178cm、体重97kgとかなりサイズが小さい。通算51試合に先発、4年の時には当大学記録となる148タックル。20ロスタックル、5サック、4ファンブルフォース、4ファンブルリカバリー。

ケヴィン・ジャクソン

ハワイ大出身のドラフト外ルーキー。出身はカリフォルニア。大学ではLBとDEの両方をやっていたようだ。

2004年7月21日

LBタイリオ・ハリソンを獲得

パッカーズは、イーグルスを解雇されたばかりのLBタイリオ・ハリソンを獲得した。ノートルダム大でインサイドLBとして2年間スターターを務めたハリソンは、2002年のドラフト6巡指名でイーグルスへ。ルーキーシーズンには9月末にいったん解雇されプラクティス・スクワッドへ。その後ロースターに戻るが、出場はわずか2試合にとどまった。昨季は、ミドルとストロングサイドの控え兼スペシャルチーマーとして12試合に出場。先日のLBジェレマイア・トロッターの獲得に伴い放出されている。身長6フィート2(188cm)、体重238ポンド(108kg)。

パッカーズのLB陣は、スターターはまずまずだが控えは手薄、というのが一般的な評価。ハリソンは、昨季からの控えLB、トランス・マーシャルとパリス・レノンに加え、元ベンガルズのアーメジス・スピアマンらとロースター枠を争うことになりそうだ。

イーグルス公式サイトでは、"pronounced TIE-ree-oh"となっていますので、「タイリオ」と表記することにします。

2004年7月20日

ロースター展望 DT編

長い間スターター務めてきた人気者のNTギルバート・ブラウンが解雇されグレイディ・ジャクソンが名実共にスターターとなった。ジャクソン以下、クリディアス・ハント、ラリー・スミス、ジェームズ・リー、そしてルーキーのドネル・ワシントンと、精神面に課題の残る選手ばかりが並んでいる。ポテンシャルは大きいが、彼らが必死で取り組むよう、配慮は必要だ。今年のドラフトでドネル・ワシントンとDE/DTコーリー・ウィリアムズが指名されたのは、昨年のDTピーターソンとDTリーがよくなかった証拠。今年は彼ら4人の若手とラリー・スミスがロースター枠を争う。

ロースター枠はDL全体で通常9人。多くて10人。控えDEの補強ができなかったため、その分DT/DE兼任の選手を残す可能性が高い。下記の写真付きの選手から誰か1人が脱落すると見る。

グレイディ・ジャクソン

先発ノーズタックル。プロ8年目の31歳。レイダーズからセインツを経て、昨季途中にパッカーズにやってきた。ギルバート・ブラウンの退団で、名実共にスターターとなる。350ポンド級の大型ランストッパーながら非常に動きが軽く、パスラッシュも素晴らしいものがある。昨季序盤はパスラッシュの不振でパス守備が低迷したパッカーズだが、彼の途中加入のおかげで息を吹き返したと言っていい。

セインツでは体重問題で首脳陣と衝突を繰り返したあげく解雇され、「怠け者」のレッテルまで貼られてしまったが、グリーンベイではこれまで何とかやっているようだ。移籍してきた時には370ポンドほどあった体重が、4月末のミニキャンプでは355ポンドに。今はもう少し軽いはずだ。今オフはヒザの関節鏡手術を受けただけに、体重をコントロールできているだけでも朗報だろう。パッカーズもセインツの失敗を踏まえ、達成しやすい目標を設定しているのがいいのかもしれない。ただし、ハードワーカーでないのは確かなだけに、常に注意は必要だろう。

クリディアス・ハント

先発の"3テクニック"。パッカーズでは"イーグル"と呼ばれるポジションだ。サンタナ・ドットソンに代わって先発に昇格して3年目。昨春に大型の契約延長を手にしたものの、昨季前半はやや不振。他のDLたちと同様にグレイディ・ジャクソンの加入でパスラッシュがよくなった。恵まれたサイズとクイックネスを活かしたパスラッシュを得意とする。やや不安定なタイプだが、最近はだいぶコンスタントなプレーを見せるようになった。

二度の薬物違反で4試合の出場停止処分を受けるなど、精神面での脆さはある。6月のミニキャンプでも第一週を無断欠席して首脳陣を失望させた。高額契約が正しかったのか、答えはまだ出ていない。

DT/DEラリー・スミス

プロ6年目の29歳。昨年のキャンプでは、体調管理を怠ったことなどがデル=リオHCから嫌われて、ジャガーズから解雇。直後にパッカーズと契約した。アスレチック能力は高く、パスシチュエーションでインサイドからパスラッシュするのが主な仕事。DEもこなす。体調管理の他にも、遅刻やチームメイトとの喧嘩など、ジャガーズ時代は完全にトラブルメーカーだった。移籍後は、報道されるようなトラブルは一度も起こしていない。しかし若手の台頭しだいでは、解雇もありうる。

ドネル・ワシントン

クレムソン大からドラフト3巡指名で入団。ルーキー紹介参照。身体能力には非常に恵まれているが、work ethicに問題があるという評価がついて回っている。本人はその悪評を払拭しようと頑張っているところだ。ランストッパーに十分なサイズはあるが、クイックネスを活かしたペネトレートも良い。NTとDTのどちらが向いているのかはまだ不明。おそらく、ジャクソンとハントの両方の控えを務めることになりそうだ。

DT/DEケニー・ピーターソン

オハイオ州立大から昨年のドラフト3巡で入団。ほとんどチームに貢献できず、期待はずれなルーキーシーズンだった。レギュラーのDLローテーションに加われず、16試合中、9試合しかアクティブ登録されなかった。DEにはスピードやクイックネスが足りず、DTにはサイズや馬力が足りない感じ。今年は食生活を改善して体も絞った。なかなか進歩しているとコーチたちは言うが、パッドなしのミニキャンプでの評価などアテにならない。

今年のミニキャンプではDTの他にパワーDEやNTもプレーしていたが、新人ワシントンの加入もあり、今季はDTとパワーDEのかけもちだろうか。若手たちの競争は激しく、キャンプとプレシーズンゲームで進歩を見せなければ、また昨年と同じ仲間はずれになりかねない。

ジェームズ・リー

オレゴン州立大から昨年のドラフト5巡で入団。330ポンド級のサイズのわりに素晴らしいスピードがあり、フットワークは非常に軽い。昨年夏はキャンプ初日に背中のケガでダウンしてしまい、結局そのままインジャリー・リザーブでシーズンを終えることになった。いまではケガも完治し、しっかり体を作って、ミニキャンプではいい動きを見せている。昨年はほとんどプレーを見せられずじまいだったため、「なるほど、これなら指名したのもうなずける」という記者の声もある。

ノーズタックルの控えがメイン。ギルバート・ブラウンは退団したが、3巡指名でワシントンが入団し、若手どうしの競争は激しい。おそらく当落線上だろう。彼も精神的に甘さの残るタイプだが、ここで頑張らなければ頑張る時がない。

DT/DEカレン・ジェンキンズ

セントラル・ミシガン大から昨年ドラフト外でパッカーズへ。今春はNFLヨーロッパに派遣されてケルン・センチュリオンでプレーし、20タックル、0.5サックを記録。なかなか評価は良かったが、上記のように今年は競争が激しく、ロースター入りは難しそうだ。

2004年7月19日

ボブ・ハーラン社長がパッカーズHOF入り

ボブ・ハーラン社長が今年のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りに選ばれ、式典が行われた(地元ニュース映像)。1971年、当時のデヴァインHC/GMの誘いで副GMとしてパッカーズ入りしたハーランは、副社長を経て、1989年に第9代の社長に就任。市民所有であるパッカーズにはオーナーがいないため、社長が実質的にオーナーの役割を務める。負け犬チームを名門復活に導き、困難なランボーフィールド大改修を地元自治体の協力で成し遂げ、将来的にも経営を安定させたことなど、彼の功績は数え切れない。

球団運営の手腕だけでなく、非常に率直で温かい人柄は、チーム内外から絶大な信頼を得ている。「自分たちスタッフはあくまでもファンの代わりにこのチームを運営しているだけなのだ」という彼の教えは、チームの隅々まで浸透している。「彼は本当に純粋で、温かい人間だ。われわれ誰もがあのようでありたいと思うものだが、実際はなれない。しかし彼はそうなんだ」とロン・ウルフ元GM。

就任当時は20年以上にわたる低迷期にあったパッカーズだが、ハーランはロン・ウルフをGMに雇い、フットボールの全てを任せて一切口出ししないという方針を貫いた。極めて良好な関係の下で、ウルフはホルムグレンHC、QBファーヴ、DEレジー・ホワイトを獲得するなど、完全に名門復活を果たし、スーパーボウルも制覇した。シャーマンHC/GMに代わっても12年連続で「負け越しなし」のシーズンを続けている。

現在67歳のハーラン社長は、昨年秋に皮膚がんと診断されたが、早期発見だったため順調に回復。70歳となる2007年春まで現職を務めて引退する予定だ。ちなみに、長男のケヴィン・ハーランはCBSでスポーツアナとして活躍しており(独特の声を聞き覚えのある方は多いはず)、NFLはもちろん、NBAやNCAAバスケットボールも数多く担当している。

NFLコミッショナーのポール・タグリアブーも今回の式典に駆けつけ、ハーランの殿堂入りを祝った。「ボブの殿堂入りに立ち会えるのは、とても名誉なことだ。彼が過去15年間に成し遂げたことは、驚異的なことだと心底思っている。ボブの最も大きな功績は、人々のグリーンベイに対する見方を、この長期にわたる成功によって変えたことだ。いまや誰もが言う。"あそこの成功の秘訣はなんだろう?"とね。そして、新スタジアムとファン・サービス。対戦チームがここを訪れるたび、相手オーナーは、"なぜウチもランボーフィールドのようなスタジアムを持てないのだ・・・"と言いながら帰途につくのを私はよく知っている」

かつてピート・ロゼールからコミッショナーの座を引き継いだ時、タグリアブーはアドバイスを受けたのだという。「ロゼールに言われたのは、"おそらく、リーグにとって最大の挑戦は、グリーンベイが成功できるような仕組みを持ち続けることだろう" ということだった」とタグリアブーは振り返る。ハーラン社長も、「断言してもいい、もしレベニュー・シェアリングの仕組みがなければ、このフランチャイズは生き残って行かれなかっただろう」と口を揃える。

ロゼールが1960年代にレベニュー・シェアリング(入場料・放映権料を各球団に平等に配分するシステム)を導入し、タグリアブーは1990年代に、FA制と共にサラリーキャップ制を導入した。「彼は、我々のためにそうしてくれたのだ。我々にとってどれほど大きかったことか。我々が競争力を保っているということは、とりもなおさず、このシステムがしっかり機能しているということだ。このシステムは極めて重要であり、彼はその導入に尽力し、今も維持してくれている」とハーラン社長はコミッショナーに感謝の意を述べている。

(パッカーズの殿堂を訪れたコミッショナーのニュース映像

2004年7月18日

LBジェイソン・ギルドンはビルズへ

パッカーズ、ベンガルズ、ビルズが興味を示していた元スティーラーズのLBジェイソン・ギルドンは、ビルズとの契約に合意。$1.25ミリオンの1年契約 + インセンティブ、とのこと。ベンガルズとビルズがほぼ同額を提示していたという噂があり、とするとパッカーズは少し金額負けしたのかもしれない。

ロースター展望 DE編

期待ハズレだったDEジョー・ジョンソンとDEレイノルズをついに放出した。ドラフト指名も大物FA獲得もなかったため、けっきょく昨季後半とさほど変わりないメンバーで開幕を迎えることになりそうだ。DEバジャ=ビアミラはよいが、彼に続くパスラッシャーの出来がカギとなる。持ち前のハードワークで着実に進歩を続けるキャンプマンが、今年は開幕からスターターに。

ロースター枠はDL全体で9人。たまに10人の年もある。DE/DT兼任の選手が多いので区別が難しいが、DEが足りなければ(この2年で4人のDTを指名したこともあり)DTを多めにロースターに残すだろう。ドラフト外の選手たちが食い込むのは今年は難しそうだ。

カビーア・バジャ=ビアミラ

先発右DE。2000年のドラフト5巡指名で、1年目はプラクティス・スクワッドに落とされたこともあったが、2年目にブレークした。3年連続で2ケタサックを記録し、有力パスラッシャーとしての地位を確立。昨年春には高額の契約延長を手に入れた。しかし昨季前半はやや不調で、DTグレイディ・ジャクソンが加入してマークが緩くなったおかげで調子を取り戻した。一歩目の速さを活かしたパスラッシュは素晴らしいが、軽量タイプとあってラン守備は不得手。ただ、狙い撃ちされない程度には向上してきたか。

ナイジェリア移民の息子としてロサンゼルスで生まれた。元はイスラム教徒だったが、ルーキーの年にキリスト教に改宗。極めて信仰心が強く、どのインタビューでも「神」の名が出てこないことはない。弟のアクバーは同じくサンディエゴ州立大から、昨年レイダーズに入団している。

アーロン・キャンプマン

先発左DE。2002年にアイオワ大からドラフト5巡で入団。ルーキー年にはホリデイの欠場で6試合に先発、昨季もジョー・ジョンソンの戦線離脱で10試合に先発した。今年は開幕から先発することになりそうだ。極めて研究熱心で、ハードワーカー(6月18日の記事参照)。アサインメントミスが非常に少なく、いつでも、いい場所にいる。昨季はレギュラーシーズンを通して2サックだったが、プレーオフ2試合で3サックを記録した。

チューキー・ウォコーリー

Chukie Nwokorie と書いてチューキー・ウォコーリーと読む。パデュー大からドラフト外でプロ入りして6年目。昨年春にコルツからFA移籍してきた。両サイドのバックアップを務め、パスシチュエーションでキャンプマンに代わって左DEに入ることが多い。インサイドからラッシュすることもある。ややケガが多いが、常に手を抜かず全力でプレーする。"He's a real high-motor and high-effort guy" とスロウィックDC。

DEバジャ=ビアミラと同じナイジェリア系だが、彼は子供の頃に7年間ナイジェリアに住んだ経験がある。

DE/DTコーリー・ウィリアムズ

アーカンソー州立大出身、ドラフト6巡指名ルーキー(ルーキー紹介参照).。ドラフト時にはDT扱いだったが、現在のロースター表では"DE/DT"と、DEが先に書かれているところを見ると、さしあたってはDEとして試すのかもしれない。310ポンドとサイズはあるが、非常にヴァーサタイルな選手で、ポテンシャルは大きい。大学ではケガを押してプレーすることが多く、そのせいで指名順位が下がったのだと思いたい。

エリック・パウエル

昨年春にフロリダ州立大からドラフト外で入団。今春はNFLヨーロッパに派遣されてケルン・センチュリオンでプレーし、17タックル、2サック。

アール・コクラン

昨年春にアラバマ州立大からドラフト外で入団。キャンプで肩を痛め、昨季はインジャリー・リザーブで過ごした。

ジャデイ・マグワイア

ウェストヴァージニア州立大出身のドラフト外ルーキー。198cmの長身軽量パスラッシャーとのこと。

ジュニア・グリンプ

カーソン・ニューマン大出身のドラフト外ルーキー。ディビジョンIIながら、昨年は11サックを記録。

2004年7月17日

Among the Best

現在のブレット・ファーヴのNFL記録集における位置を確認しておこう。

TDパス

昨季は、キャリア4回目となるNFL最多TDパス32個を記録。通算ではNFL史上2位の346個。ダン・マリーノの通算420個を抜くのはかなり大変だが、現役を続ければ不可能ではない。ファーヴの先発12年間の平均は28.83個。このペースなら2006年第10週にマリーノを抜く計算になる。

パス獲得ヤード

現在45,646ydsでNFL史上5位。1位はもちろんマリーノで61,361yds。以下ジョン・エルウェイ(51,475)、ウォーレン・ムーン(49,325)、フラン・ターケントン(47,003)と続いている。うまくいけば今年ターケントンとムーンを抜いて3位に上がることができる。マリーノを抜くのは非常に難しそうだが、引退までに2位に上がる可能性なら十分ある。

パス成功数

通算3,960回でNFL史上4位。順調なら今シーズン半ばにエルウェイとムーンを抜いて2位に上がりそう。1位のマリーノは通算4,967回。ファーヴは年平均330回成功なので、マリーノを抜けるとしても2007年末か2008年。

パス試投数

通算6,464回で、マリーノ(8,358)、エルウェイ(7,250)、ムーン(6,823)、ターケントン(6,467)に次ぐNFL史上5位。順調なら今シーズン中に3位に上がれそうだが、最近は以前よりもパスの回数が減っており、やはりマリーノを超えるのは難しそう。

勝利数

通算125勝で、ターケントンと並んで史上3位タイ。1位はエルウェイの148勝、2位はマリーノの147勝。あと2シーズンで1位に並ぶためには、パッカーズは23勝9敗でなければならない。ファーヴが来てからパッカーズは1年平均10.5勝しているので、全く無理な数字ではないが。

連続先発

現在189試合連続先発出場中。これはQBとしてはNFL史上ダントツのトップ。現役2位はペイトン・マニングの96試合。

シーズン30TDパス

30TD以上を挙げたシーズンはキャリア通算7回で、NFL史上1位。2位のマリーノは4回。

シーズン3000yds

12年連続でパス3000ydsを投げ、NFL史上1位。2位はマリーノの9年連続。通算回数では、マリーノ(13回)に次ぐ2位。

プレーオフ

プレーオフでは、15試合連続でTDパスを成功させ、NFL史上1位。プレーオフ通算33TDパスはジョー・モンタナの45個に次ぐ2位。プレーオフ通算4,686ydsはモンタナ(5,772)、エルウェイ(4,964)に次ぐ3位。

2004年7月16日

DEレイノルズのトレードが不成立に

先週トレードに出されたDEジャマール・レイノルズだが、コルツのフィジカル・テストに合格せず、トレードは取り消しとなった。インディアナポリスから「返品」された形のレイノルズは、パッカーズから即座に解雇された(そのままだと15日に20万ドル強のロースターボーナスを支払わなければならないからだ)。どこのケガが問題だったのかはコルツは明らかにしていないが、ルーキーの年に痛めた左ヒザかもしれない。

こういった場合のフィジカル・テストはかなり主観的なもので、譲り受ける側が「この状態では気に入らない」と言えばトレードを取りやめることができるらしい。例えばもっと高い実力の選手であれば、100%の状態でなくても受け入れられたことだろう。

2004年7月15日

ロースター展望 OG/C編

粒ぞろいのガード/センター陣は、パッカーズで最も充実したユニットと言える。RGリヴェラは2年連続でプロボウルに出場し、フラナガンも繰り上げ出場を果たした。LGウォールも、いつ選ばれてもおかしくない実力派。サイズやパワーよりも機動力に優れたユニットで、両ガードのプルブロックがRBアーマン・グリーンの走路を切り開く。パスプロテクションも非常に安定している。

先発の3人は素晴らしいが、控えの層は厚くない。7巡指名ルーキーのCウェルズはなかなか評判が良いが、ガードもこなせるかが問題。ルーガマーはG/C両方の控えをこなせる器用なタイプだが、先発陣を脅かすには程遠い。RGリヴェエラが負傷した場合は、控えRTバリーか、先発RTタウシャーが入る。

ロースター枠はOL全体で通常9人。G/Cは4人か5人。チームとしては控えタックル陣を充実させておきたいため、1人でセンターと左ガードの控えをこなしてくれるのが理想。

Cマイク・フラナガン

先発センター。ウィンタースから先発の座を受け継いで4年目となる。96年にドラフト3巡指名され、最初の数年は脚の大ケガで苦労したが、その後は順調だ。昨季は、繰り上げながら、初めてのプロボウル出場を果たした。軽量だが非常に機動力に富む。一昨年はクリフトン欠場時に左タックルとして7試合に先発、問題なくパスプロテクションをこなし、改めて能力の高さを立証した。頭の回転が速くて面白いコメントをしてくれるので、記者たちにも非常に人気がある。

RGマルコ・リヴェラ

先発右ガード。96年のドラフト6巡指名から、NFLヨーロッパを経て、2年連続プロボウラーにまで登りつめた。大変な努力家、チーム一のタフガイで、手が折れようが靭帯が切れようが、67試合先発出場を続けている。ランブロックも良いが、粘り強く、巧みなパスプロテクションが持ち味。ベクトルOLコーチによると、昨季は彼の責任による被サックは1つもなかったとのこと。

OL陣最年長の32歳で来春はFAとなるが、LGウォールと比べると安く再契約してくれそうな感じ。

LGマイク・ウォール

先発左ガード。ドラフト2巡で指名され、プロ入り最初の2年間は左タックルとして苦しんだが、2001年から左ガードに移ってからは、次第に能力が花開いてきた。パッカーズOLの中で彼を最も高く評価する専門家も多く、昨季のプロボウル投票で補欠にも選ばれなかったのは意外とされている。大きなサイズのわりにスピードがあり、彼が右サイドにプルするパワープレーはパッカーズの定番。かつてはLTで失敗したが、今なら代役LTも務まる、とベクトルOLコーチは見ているようだ。

現在まだ27歳ながら、来春には早くも二度目のFAとなる。大ケガから復活した両OTや苦労人のリヴェラにばかりスポットライトが当たるのが少し不満のようで、再契約は難しいかもしれない。

G/Cグレイ・ルーガマー

ペイトリオッツからFA移籍して2年目。昨年はウィンタースを押しのけてロースター入りを果たし、センターと左ガードの控えを務めた。さほど評判は良くなく、ロースター枠ぎりぎりをルーキーのウェルズあたりと争う。どちらかというとセンターが本職に近いようで、ウェルズと同様、左ガードとしてのプレーが勝負の分かれ目になるかも。

Cスコット・ウェルズ

今年のドラフト7巡指名。ルーキー紹介参照。どうやら実戦向きのタイプのようで、頼もしい。ロースター枠ぎりぎりをルーガマーと争う。

G/Tミッチ・ホワイト

2001年にセインツに6巡指名されるがロースターに残れず、プラクティス・スクワッドへ。2002年も3チームのプラクティス・スクワッドを行ったり来たり。昨年はバッカニアーズのロースターに残れず、シーズン中にはレッドスキンズと一時的に契約した。

Gジェームズ・ブロイルズ

2002年にドラフト外でラムズへ。シーズン終盤にプラクティス・スクワッドからロースターへ昇格した。しかし昨年夏にラムズから解雇され、昨季はフットボールから離れていた。

Gフォレスト・ヴァンス

カリフォルニア大デイヴィス校出身のドラフト外ルーキー。

2004年7月14日

新パッカーズ・ホール・オブ・フェイムに10万人目の入場者

昨年9月にランボーフィールド内に移設されてリニューアル・オープンしたパッカーズ・ホール・オブ・フェイムが、1年足らずで早くも入場者数10万人を突破した。10万人目の入場者となったのは、ミシガン州ネゴーニー(アッパー・ミシガンはデトロイトよりグリーンベイに近く、パッカーズファンが多い)に住む8歳の女の子(写真)。ファーヴが大好きという彼女は、地元局のインタビューにも答え(ニュース映像)、ファーヴ直筆のサイン入りキャップやTシャツ、さらにパッカーズ・ホール・オブ・フェイムの終身無料パスをプレゼントされ大喜び。さらに同行の子供たち全員にアイスクリームが振舞われた。

2004年7月13日

ロースター展望 OT編

OL陣は現在の5人が先発するのは今年で4年目、現代NFLでは珍しいことだろう。パッカーズの、継続性を重視した再契約中心のFA戦略が、もっとも効果を発揮しているのがこのオフェンスラインと言える。年を経るごとにケミストリーが増し、(個々の身体能力よりも)ユニットとして強固になっている。

左のクリフトン、右のタウシャーという同期コンビでスターターは万全。昨年の今ごろは両者とも大ケガからのリハビリ途上で、2人揃って全試合先発出場するなどとても想像できなかったが。心配されたクリフトンの契約延長も無事クリア。 唯一の懸念材料は、昨年と同じく左タックルの控えだ。右サイドは3年目のバリー、2年目のカーティンがどちらも使えそうだが、左サイドは(大変な才能を要するポジションなので無理もないが)タレントが不足。カナダ人のスティーヴ・モーリーをCFLから獲得して期待をかけているが、ミニキャンプでの評判では、即戦力には無理そう。

一昨年は、クリフトンとタウシャーの欠場時にCフラナガンが左タックルに回って大過なく務めたが、さすがにあれはあの年かぎりのことだろう。もしクリフトンがケガをしたら、タウシャーを左に回してバリーを右タックルで先発させるか、LGウォールを(先発経験のある)左タックルにスライドさせるか。今年のキャンプでは、バリーやカーティンを左タックルにもトライさせるだろう。

ロースター枠はOL全体で通常9人。タックルは(T/G兼任もいるので曖昧だが)4人か5人。

チャド・クリフトン

先発LT。テネシー大ではQBペイトン・マニングの背後を守り、プロでは1年目の途中からファーヴの背後を守り続けている。一昨年秋にはタンパでDTサップのブラインドサイドからのヒットを受けて骨盤を大ケガ。選手生命の危機とも言われたが、困難なリハビリを乗り越えて復帰した。それだけでなく、素晴らしく安定したパスプロテクションを見せて、総額$32.4ミリオンの6年契約を手に入れた。

プロボウル常連クラスのトップLTたちと比べると、相手DEをパンケーキにするようなパワフルなブロックはできないが、 やはりLTの仕事は一にも二にもパスプロテクション。1on1で一流パスラッシャーを料理できる能力は貴重だ。契約ボーナス$10ミリオンは決して安くはないが、市場価格からすると少し割安らしい。粒の揃ったパッカーズOLの中で実力がトップというわけではないのに、LTなので給料がトップになってしまう。

マーク・タウシャー

先発RT。今年は髪を伸ばしてイメージチェンジ。地元ウィスコンシン大では、ウォークオン入学(奨学金なし)から最後には先発の座をつかみ、NFLではドラフト7巡入団ながら1年目からスターターとなった不思議な選手。モコモコした体型で見た目はパッとしないが、ボディバランスやテクニックに優れ、うまいこと相手を丸め込んでしまう。左タックルも十分に務まるという声が多い。

一昨年には前十時副靭帯(ACL)を断裂し、同期のクリフトンと互いに励まし合いながらリハビリを乗り越えた。場所が場所だけに、去年も100%の動きには戻っていなかったらしいので、今年はさらに期待。リハビリ中に、総額$16.5ミリオンの契約延長を済ませている。

ケヴィン・バリー

RTの控え1番手。ウィスコンシン州出身、アリゾナ大からドラフト外入団して3年目。やや学習能力に問題はあるが、身体能力は高く、2002年のように、タウシャーの欠場時には彼が先発を務める。昨季中盤は、ランブロッキング用のエキストラTEとして投入されることが多かった。その都度「エリジブル・レシーバー」として審判がコールするわけだが、パスキャッチは一度もなし。

右ガードもこなせるが、これまではRGリヴェラの欠場時にはタウシャーがRGに回り、バリーはRTで先発した。今年はバリーがRGで先発できるよう準備をしている。また、LTの控えにもなってくれれば一番ありがたい。

ブレナン・カーティン

ノートルダム大からドラフト6巡指名されて2年目。身長206cm。昨季は全試合inactiveだったが、もし試合に出場したら、球団史上最高身長の選手となる。大学ではちょっとした問題があってアーリーエントリーしたため、経験不足は否めない。アスレチック能力はなかなかのものがあるらしい。右タックルの控えの2番手だが、RTばかりいてもしかたがないので、バリー同様、なんとか左サイドもこなしてほしいところ。

スティーヴ・モーリー

カナダ南東部ノヴァスコシア州のハリファックス出身。CFLのドラフト全体1位で指名され、1年だけカルガリでプレーして今春パッカーズと契約した。恵まれたサイズに加えアスレチック能力も高いということだが、テクニック面があまりに未熟で、NFLのレベルの高さに戸惑っている状態。左タックルの控えにと首脳陣の期待は大きいが、一年目からはどうか。

ジェイソン・ヒメネス

ファーヴと同じサザンミシシッピ大出身。昨年はドラフト外からプラクティス・スクワッド。今春はNFLヨーロッパでプレーしたが、常時先発ではなかった。

ジェイソン・ヒリヤード

ルイヴィル大出身のドラフト外ルーキー。ミニキャンプではなかなか良い動きを見せていたらしい。

ジョー・ヘイズ、アトラス・ヘリオン

ドラフト外ルーキー。2人ともタックル/ガード兼任となっているが、どちらかというとガードのようだ。

2004年7月12日

ロースター展望 TE編

3年連続プロボウル出場のフランクスはいるが、今年4年目となるマーティンは伸び悩み、2番手以降のデプスは心許ない。大ベテランのウォールズとは1年限りで別れ、元カーディナルズのスティーヴ・ブッシュを補強した。ロースター枠は通常3人。今年のキャンプでは、マーティン、ブッシュに加え、NFLヨーロッパで活躍したトニー・ドナルド、ドラフト外ルーキーのキース・ウィリスの4人で2つのイスを争うことになる。

来春にはフランクスもマーティンもフリーエージェントとなるため、総入れ替えとなる可能性もある。本当なら今春のドラフトの3巡か4巡でTEを指名したかったところだが、チーム事情からCBやDL指名を優先せざるをえなかった。

ババ・フランクス

NFCはめぼしいレシービングTEが少ないこともあり、3年連続のプロボウル出場を果たした。198cmの長身を活かしたパスキャッチが持ち味で、相手レッドゾーンではRBグリーンのランに相手の注意が行ったところで彼にパスを通すのが定番プレー。ブロッキングも毎年向上を続け、昨季のランオフェンスが近年最高の数字だったことも、彼の成熟と無関係ではない。ケガが極めて少なく、これまで全試合に出場。練習を休んだことさえ、プロ4年間で数回しかない。

地味だが非常に真面目で、常に安定したプレーができる。最大の弱点はスピードのなさで、相手守備を縦にストレッチすることができない。ランアフターキャッチも全く期待できず、下半身のパワーがないのか、相手タックルを振り切ることが滅多にできない。「プロボウル3回」という看板でサラリー要求が高くなりそうなため、パッカーズ側は契約延長に乗り気でない様子。本人は、自分よりWRファーガソンとの再契約が先になったことに不満を漏らしているという噂。それでも、やるべき仕事はキッチリやるだろう。

デヴィッド・マーティン

2001年のドラフト6巡指名。WRからのコンバートだけあってスピードは十分あるが、フランクスとは対照的に、自己管理や精神面に甘さがある。本来はパスキャッチは上手いはずなのだが、ルート取りを含めてまだまだミスが多い。ブロッキングはずいぶん良くなり、アサインメントミスも減った。来春にFAとなるため、ここが頑張りどころ。パッカーズでスピードのあるレシービングTEといえば彼しかいないのだから、なんとか成長したところを見せてほしいものだが。

スティーヴ・ブッシュ

プロ入り8年目の30歳。キャップ対策で6月初めにカーディナルズを解雇され、すぐにパッカーズと契約した。どちらかといえばブロッキングTEらしい。7年間で98試合に出場し、24試合に先発。通算46回354ydsと数字的には地味だが、フルバックやHバック、さらにロングスナッパーもできる器用な人。キャンプではマーティンたちと2番手・3番手を争う。今季の活躍しだいでは来春に再契約も。

トニー・ドナルド

2002年にウェスタン州立大(コロラド州)からドラフト外でテキサンズへ。昨年パッカーズと契約した。大学では4年間セーフティ、NFLではLBをやっていたが、昨年のキャンプのあたりでTEに転向。十分な手ごたえがあり、今春はNFLヨーロッパでTE経験を積むことになった。32キャッチ、382yds、4TDの活躍で、オールNFLヨーロッパにも選出。ハードヒットを恐れないタフなプレーは首脳陣を喜ばせている。40yds走4.49秒を記録したというスピードがあり、大学ではリターナーも担当した。ブロッキングなど課題も多いが、転向後1年でここまでやれたことを考えれば、可能性はあるかも。

キース・ウィリス

ヴァージニア工科大出身のドラフト外ルーキー。3年・4年とスターターを務めた。ラン主体のオフェンスだったため、未知数の部分もある。ドラフト前の評価では、パスキャッチは上手いが、スピードはさほどでもない。タフでウェイトルームでも熱心だが、プレーはやや不安定で時おり集中力のないプレーも見せる、といったところ。

2004年7月11日

ロースター展望 WR編

フリーマン、シュレーダーを放出したWR陣総入れ替えから2年、上位3人は順調な成長を見せ、ファーヴも安心して投げられるようになった。実力拮抗したウォーカー、ファーガソン、ドライバーのうち誰が先発となり誰が3番手に落ちるかは首脳陣も全くコメントしておらず、キャンプ・プレシーズンゲームでの出来次第となりそうだ。しかし記者の間では、「ウォーカーとファーガソンが先発するだろう」という見方が強い。

心配なのは4番手以降のレベル、それにパントリターナーだろう。ただし、キックオフリターナーについては昨季のRBダヴェンポートが平均31.6ydsと素晴らしかったので、昨年と比べれば心配は減ったと言えそうだ。ロースター枠は5人または6人。RB/FB陣と合わせて11人とすることが多いが、昨年は10人だったし、今年もそうなるかも。4番手のフォードまではほぼ決まりだが、5番手・6番手は全く未定で、パントリターンを含めてキャンプでの競争となりそうだ。FAで補強する可能性も残っている。

ジャヴォン・ウォーカー

2002年のドラフト1巡20位指名。プロ2年目の昨季後半に大きな成長を遂げ、実質的にはエースWRとなった。シーズン716ydsは目立った数字ではないが、平均17.5ydsはNFL2位。スピードとサイズを兼ね備えたディープスレットで、いわゆるジャンプボールに滅法強い。集中力の問題だったのか、1年目はイージーな落球が目立ったが、それも2年目にはほとんどなくなった。ルート取りは良くなってきたがまだ改善の余地がある。サイズを活かしたランブロックも良い。

ロバート・ファーガソン

2001年のドラフト2巡指名。先日契約延長を果たしたばかりだ。ウォーカーほどではないがサイズがありガッチリとしていて、ランアフターキャッチに優れた、最もウェストコースト向きのタイプ。昨季は開幕戦で負ったヒザと足首のケガをこらえながらのシーズンだったので数字的には地味だったが、ランブロックやスペシャルチームなどタフな活躍でチームを助けた。できればスペシャルチームの出番を減らしてWRに専念させたいところ。

ドナルド・ドライバー

1999年のドラフト7巡指名からの叩き上げで、一昨年には初のプロボウル出場を果たした。昨季は開幕戦で脳震盪と首をひどく痛め、わずか1試合の欠場で復帰したが、精神面を含めた後遺症と戦いながらのシーズンだった。もともと華奢なタイプで、ケガをせずコンスタントに活躍できるかは心配が残る。ルート取りは一番正確で、3rdダウンではファーヴから彼へのクイックスラントが一つの定番プレー。スピードはウォーカーには劣るが上へのジャンプ力はワールドクラス。

極めて練習熱心な彼は後輩たちの良きお手本であり、WR陣のリーダー格。チャリティへの出席回数はダントツのトップ。究極のナイスガイ。

カール・フォード

昨年のドラフト7巡指名。昨年夏は期待以上の活躍を見せて4番手を争うところまで来ていたが、プレシーズンゲームで内側側副靭帯(MCL)を断裂してしまい、インジャリーリザーブへ。シーズン半ば過ぎには回復したため、細かった体をバルクアップするべくトレーニングを積んできた。しかし今年のミニキャンプでの評判は昨年と比べてイマイチ。現状では4番手WRの第一候補だが、上位3人とはかなり差がある。パントリターナーの有力候補でもある。

アントニオ・チャットマン

アリーナ・リーグで大活躍した、小柄な(175cm弱?)リターン・スペシャリスト。昨年は全試合に出場したが、WRとしては全くアテにされておらず、ケガ人が続出した時期にもパスキャッチは記録していない。キックオフリターン18位、パントリターン20位と、そこそこの数字でしかないが、首脳陣は彼のキャッチミスと判断ミスの少なさを重視して起用を続けた。馬力がなく、最初のタックルで簡単に倒れやすい。他チームから有力なリターナーが放出されれば、チャットマンと入れ替わる可能性は十分ある。

デヴィン・ルイス

2002年はパッカーズのプラクティス・スクワッドで過ごし、昨年は5番手・6番手を争っていたが、トレーニングキャンプで前十時副靭帯(ACL)を断裂してしまい、今もまだ回復途上のようだ。

ショックメイン・デイヴィス

26歳。185cm。NFLヨーロッパに派遣されライン・ファイアでWR兼リターナーとして活躍。キックオフリターンは571yds(平均30.1yds)でNFLEのトップとなり、スペシャルチーマーとしてオールNFLEに選出。

スコッティ・ヴァインズ

25歳。身長188cm。昨年、ワイオミング大からドラフト外でライオンズ。解雇されてからパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。

フランク・ライス

26歳。身長183cm。2001年にコロラド州立大からドラフト外でバッカニアーズへ。その後ブロンコスを経て、昨年はパッカーズのプラクティス・スクワッドを出たり入ったり。

ウィルソン・トーマス

24歳。身長195cm。昨年、ネブラスカ大からドラフト外でチーフスへ。昨季終盤、パッカーズのプラクティス・スクワッドに入り、今年の春はNFLヨーロッパに派遣されてアムステルダムで5試合に出場。

クリス・デイ

22歳。身長180cm。グランブリング州立大出身のドラフト外ルーキー。最初の2年間はトロイ州立大でプレーした。陸上では400mと1600mリレーで活躍。

サム・ブリーデン

24歳。身長193cm。ノースウェスタン・オクラホマ州立大出身のドラフト外ルーキー。コミュニティ・カレッジからアーカンソー大での2シーズンを経て、最終学年だけノースウェスタン・オクラホマ州立大でプレーした。

2004年7月10日

DEジャマール・レイノルズをトレード

2001年のドラフト1巡10位指名、DEジャマール・レイノルズがコルツにトレードされた。トレード条件は"future undisclosed draft choice"としか発表されていない。何年の何巡指名権かは明らかにしなかったが、「開幕ロースター入りしたら」などという条件付きではない、と交渉担当アンドリュー・ブラントは明言している。来週に$20万ドルほどロースターボーナスを払う契約のためパッカーズが解雇するのは確実視されており、たとえ10年後の7巡指名権であっても、パッカーズにとってはありがたい話。

ロン・ウルフ元GMの最後のドラフトとなった2001年、どうしてもパスラッシャーが必要だったパッカーズは、QBハッセルベックをシアトルに放出して10位にトレードアップし、DEレイノルズを指名した。しかし彼は最初のミニキャンプから動きが芳しくなく、ケガでさらにモタつく間に、前年入団のDEバジャ=ビアミラが代わりに花開いてしまった。今では、「OTトニー・マンダリッチ指名と並ぶパッカーズ史上最大のBUST」という評価が定着している。(マンダリッチもパッカーズの後はコルツでプレーし、立派に先発を務めた)

レイノルズはとにかくサイズが小さく、スピードもさほどではなく、パスラッシュのバリエーションも少なく、DL選手らしい覇気を見せることもなかった。1on1のパスラッシュ・ドリルで互角に戦えるのはドラフト外ルーキーのようなOLだけで、今年は多少良くなったと言われているが、スターター級にはまるで歯が立たないのは今も変わっていない。3年間で18試合に出場し、17タックル、3サック。確かに出番は多くなかったが、これでもシャーマンHCは「チャンスを与えすぎ」と地元では酷評されるほど。

本当なら昨年にも解雇したかったパッカーズだが、高額の契約ボーナスが仇となって、解雇するとサラリーキャップのヒットが大きいため、仕方なくこれまでロースターに残してきたというのが実情。このトレードによって、契約ボーナスの未消化分$1.3ミリオンが今年のキャップにヒットしてしまうが、来年のキャップには全く影響が残らないのがせめてもの救いだ。

2004年7月 9日

マーク・チュムラが地元ラジオのレギュラーに?

2000年春に起こした不祥事と、首のケガのために早期引退に追い込まれた名TEマーク・チュムラ。ウィスコンシンのAMラジオ局WAUKの日曜午前のプリゲームショウで、彼はコメンタリーを務めることになるかもしれない。「マークがラジオ局と交渉中であるのは確かだ。彼はオファーを検討しているところだ」とジェラルド・ボイル弁護士。ボイルは裁判(性的暴行で起訴され無罪となった)でチュムラを弁護し、その過程で弁護士の仕事に興味を持ったチュムラは、ボイルの事務所でアシスタントをしている。

2004年7月 8日

ロースター展望 FB編

長い間ヘンダーソンがスターターの座を守ってきたが、昨年春にニック・ルーチーをFAで獲得し、状況は変わってきた。昨年夏にもヘンダーソン放出の噂はあったし、今年の春も解雇する可能性はあった。しかし、大型で破壊力のあるルーチーへといまだに世代交代できないのは、ヘンダーソンの自己管理が完璧で隙を見せないこと、ルーチーの自己管理が甘く、常に体重問題を抱えていること。ルーチーは控えFBにしてはサラリーが高いこともあり、今年のキャンプの出来次第ではヘンダーソンを解雇する可能性もある。昨年のように不安定なパフォーマンスが改善されなければ、今年もヘンダーソンの安定感に頼ることになるだろう。

ロースター枠は通常2人。RB陣にケガ人が出ればFBを減らしてRBを増やし、ダヴェンポートをFB兼任にする手もないではない。

ウィリアム・ヘンダーソン

プロ10年目の34歳。1996年の優勝時のスターターで残っているのは今や彼とファーヴだけとなった。力の衰えが全くないと言えば嘘になるが、まさにプロ中のプロで、コンディショニングは怠りない。ロッカールームでのリーダーシップにも定評がある。これほど実績あるベテランでありながら、若手との先発争いに文句を言わず真剣に取り組む姿勢は立派の一言。今年の夏もルーチーとの先発争いで、もし敗れれば降格どころか解雇もありうる。

ニック・ルーチー

プロ6年目。猛烈にヒゲが濃い。昨年春にベンガルズからFA移籍してきた。270ポンド級の体を活かし、ツボにはまった時のパワフルなブロックは素晴らしく、250ポンド級のRBダヴェンポートの前でブロックする姿は痛快。スペシャルチームでも存在感を増している。しかしアサインメントミスも時々あり、プレー振りは不安定。本来はボールキャリーもできるタイプだが、昨年はわずか1回3ydsに留まった。

いまだにベテランのヘンダーソンを押しのけられないのは、彼自身の甘さのせい。毎年ミニキャンプのころには体重オーバーで評判が悪いが、「キャンプに向けて少しずつ絞っていくから問題ない」と本人は危機感を持っていない様子。「彼のポテンシャルの大きさに期待する気持ちはわかるが、彼はけっきょくあのままだろう」と酷評する声もある。

ヴォンテ・リーチ

イースト・カロライナ大出身のドラフト外ルーキー。$7500ドルとわずかだが契約金をもらっている。大学ではわずか2年間しかFBを経験していないため(その前はLB)、テクニック面などは粗削りだが、そのぶん伸びシロは大きい。スペシャルチームでも使い勝手はよさそう。ヘンダーソンが放出される場合にロースター入りするのは彼かもしれない。

クリス・ブリッグス

サザン・メソジスト大出身。昨年春にはドラフトされず、昨季はフットボールから離れていた。

2004年7月 7日

元LBブライアン・ノーブルの望み

1985年から1993年までパッカーズのミドルLBを務めたブライアン・ノーブルは、これまで地元のパッカーズ関連番組のコメンテーターなどを経験し、今年はアリーナ・リーグのグリーンベイ・ブリザードのヘッドコーチに就任。4試合を残して4勝8敗と、悪戦苦闘の日々を送っている。来季もここでヘッドコーチを続けるか迷っているのは、やはりNFLでコーチをやりたいという希望があるからだ。

「できればNFLに入り、どこまでやれるか試したい。これは全ての人間にとっての目標だろう。選手であろうとコーチであろうと、最高のレベルでやることがね。私は、グリーンベイ・パッカーズの一員になるために、これまでにも、できるだけのことはしてきたつもりだ。ただ、どういうわけか、いい結果が出なかった」とノーブルは語る。しかし、NFLでコーチをすることの妨げになっているのは、「パッカーズ以外ではコーチやDCをやりたくない」と彼が固執していることだ。

「本当にコーチをやりたいなら、どこへでも行ってコーチの仕事を手に入れなければならない。ブライアンはNFLでコーチをしたいと言う。チームは32しかないのだ。大変なことには違いない。しかし本当に情熱があるなら、夢を実現するためにできるだけの努力をしなければ」とロン・ウルフ元GMはノーブルの選り好みに苦言を呈している。

コーチ1年目の成績が振るわなかったことは自分の将来のためにマイナスだろう、と肩を落とすノーブルだが、ウルフ元GMは、これも将来のためによい経験なのだと語る。「コーチングとは教えることだ。自分の知識をいかにうまく選手に伝えるか、そしていかにして、よりよいプレーを引き出すか。それができるコーチなら、どんなレベルだろうと関係ない。どこへ行ってもコーチができるはずだ」

2004年7月 6日

ロースター展望 RB編

昨季はNFL3位の平均159.9ydsと、強力なランオフェンスを築いた。今年もそのRB・FB・OL全員が残留しているのだから期待は大きい。昨年はラマー・スミス、一昨年はキジャナ・カーターなど、実績ある選手と契約して控えRBで競争させるのがパターンだったが、今年はそれさえしなかった。ダヴェンポートとフィッシャーを信頼している証拠だろう。ロースター枠は通常3人で、グリーン、ダヴェンポート、フィッシャーの3人でほぼ決まり。4人目のRBを抱えるとしたら、パントリターナーが兼任できる選手だが、そのような候補は見当たらない。

アーマン・グリーン

パッカーズに移籍して5年目。昨年は1883ydsラッシングを記録、3年連続のプロボウル出場を果たし、エースRBとしての地位はゆるぎない。今がキャリアのピークにあるのは明らかで、心配なのはケガ、それからファンブル癖。毎年シーズン前半にファンブルで苦しみ、後半になると劇的に改善されるのだが、今年は序盤からファンブルなしで行けないものだろうか。コンディショニングは常に万全。

ナジェ・ダヴェンポート

体重250ポンドのパワーランナー。昨季序盤はケアレスミスのファンブルを連発して干されたが、やがて2番手の座を取り戻し、ラッシング420yds、平均5.5ydsの活躍。キックオフリターンも16回平均31.6ydsと頑張った。試合の終盤、グリーンを休ませつつ、彼のランでダメ押しとなる1stダウンを更新することが多かった。イージーなパス落球が目立ったが、本来はパスキャッチはうまいはず。グリーンがケガした場合に先発を務めるには、全般的にもっと安定感が必要だろう。今年は長かった髪をばっさり切って、別人のようになった。

トニー・フィッシャー

ノートルダムからドラフト外入団して3年目。昨年はラッシング200yds、平均5.0yds。パスキャッチも21回206yds。ダヴェンポートとは対照的に、全てにおいてソツのないプレーができる。ブリッツのピックアップがうまく、パスキャッチはWR並で、3rdダウンバックにはうってつけだ。ラッシングは上位2人ほどの迫力はないが、落ち着いて穴を見つけられるようになった。

ダーラン・ディードリック

RBグリーンと同じネブラスカ大出身。ジャマイカ生まれ。昨年ドラフト外でチャージャーズに入団したが開幕ロースターに残れず。パッカーズのプラクティス・スクワッドを出たり入ったりした。ミニキャンプでの評判はまずまずのようだが、3番手のフィッシャーを脅かすまではどうか。

ウォルト・ウィリアムズ

グランブリング州立大出身の26歳。大学ではRBの他にWRやKRもやった。今年1月にパッカーズと契約し、NFLヨーロッパに派遣されたが、開幕戦で手を骨折し、6試合欠場。ラッシング53回203yds。

2004年7月 5日

ロースター展望 QB編

毎年、「ファーヴはもちろん良いが、控えが物足りない」という評価ばかりだったが、今年はカウチの加入で控えのレベルも(少なくとも見た目は)アップした。ロースター枠は通常3人。4人残すような贅沢はできない。カウチは確実なので、最後の枠をピダーソンとノールが争うことになりそうだ。

ブレット・ファーヴ

今年でプロ14年目、189試合連続先発出場中。能力的な衰えはほとんど感じられないし、リーダーシップにはさらに磨きがかかっている。引退問題にはメディアも慣れてきたらしく、最近はあまり騒がれなくなった。地元記者たちの引退時期予想を平均すると、「あと2年」といったところだろうか。 問題は気力だけなので、優勝を狙えるチーム状態をキープすることも現役続行のためには重要だろう。

ティム・カウチ

1999年にドラフト1位指名されたが、クリーヴランドでアップダウンの激しい5年間を過ごし、この6月に解雇。第二のキャリアをスタートするべく、グリーンベイにやってきた。1年契約しかできなかったのはパッカーズにとって残念だが、彼の能力とウェストコーストオフェンスへの適性を1年かけてチェックする、ということでよいのではないだろうか。契約ボーナスを払ったことからも、(昨年のアキリ・スミスとは違い)ロースター入りは確実。

もし今シーズン終了後にファーヴが引退を表明するようなことがあれば、その時は2月いっぱいかけて再契約の交渉をすればいい。そうでなければ、再びFA市場に出て、先発させてもらえるチームを探すことになる。「ファーヴの下で1年間ウェストコーストオフェンスを学んだ」ということで、少しは箔が付くかもしれない。スターターの口がなければ、控えであっても再契約の可能性はある。

ダグ・ピダーソン

36歳のベテランだが、通算17試合しか先発していないせいか、「意外に使い減りしていない」という声もある。肩も脚もそこそこだが、パッカーズのオフェンスを知り尽くしていて、安定感はある。トレーニングは熱心にしている。ファーヴの親友であり、よきアドバイザー。FGの際のホルダーとしては非常に優秀だ。今年は若手のクレイグ・ノールとのロースター争いを、キャンプやプレシーズンゲームで繰り広げることになる。もしダメなら引退し、コーチの道に進むのが彼の希望。

クレイグ・ノール

今年でプロ3年目。カウチの加入でヤバくなってきた。ミニキャンプでのプレーは不安定で、あまり成長が感じられない。昨年も一昨年もプレシーズンゲームの3試合目、4試合目でようやく活躍してロースター残留を果たしたが、今年もプレシーズンゲームでの内容しだいで残留できるかが決まるだろう。

スコット・マクブライエン

メリーランド大出身のドラフト外ルーキー。サウスポー。ミニキャンプでのプレーもさほど目立ったところはなく、「なざ置いておくのかわからない」との声が多い。サイズが小さく(183cm)、肩も強くないが、判断力に非常に優れているとのこと。5人目のQBでは、トレーニングキャンプでのプレー機会そのものが非常に限られてしまうが、今年からプラクティス・スクワッド枠が8人に増えるので、そこに入れるつもりで残しているのだろうか。

2004年7月 3日

Cスコット・ウェルズとの一問一答

ドラフト7巡指名のCスコット・ウェルズは、テネシー大で49試合連続先発の記録を作ったタフなセンター。パッカーズではCフラナガンの控えだけでなく、ロースターに残るためにはガードの控えとしてもやれるところをキャンプで見せなければならない。プロでスターターになるにはやや背が低いと言われているが、本人はどう考えているのか。

Q. もし歴史上の人物と会えるとしたら誰を選ぶ?

「歴史学を専攻しただけに、難しいね・・・。あまりにもたくさんいるから。イエス・キリストを別にすると、最初に会いたいのはジュリアス・シーザー」

Q. フットボールのキャリアが終わったら、どんな仕事がしたい?

「コーチと教師をやりたい。ロー・スクールに行くことも考えたけど、やはりやってみたいのはフットボールかレスリングのコーチだ」

Q. あなたのフットボール選手としての最大の強みは?

「フィジカル面の強さだと思う。身長(の低さ)も長所の一つだと考えている。これは不利だと言う人がすごく多いけど、相手の下に入ることで優位に立つことができるんだ」

Q. プロフットボール選手になりたい子供のために何かアドバイスを

「挑戦し続けてほしい。プロになれるのは全体のわずか2%しかない、と子供の頃からずっと聞かされてきた。僕は今その壁を打ち破って2%の1人になろうと頑張っているところだ。フットボールがダメだった時のために別の人生設計も考えておけ、とずっと言われてきた。僕は常に、僕の力を疑問視する人に立ち向かい、テネシー大で4年間スターターを続けることができた。だから子供たちには、自分の力を信じ、最後まで頑張れと言いたい」

Q. カレッジ・フットボールでの一番の思い出は?

去年、マイアミ大と対戦した週のことだね。試合の前日に息子が産まれた。そして試合では、マイアミ大のホーム連勝記録をストップさせた。あれほど完璧な1週間は考えられない」

Q. 何か怖いものは?

「海。 海が死ぬほど怖い。溺れそうになったことが3回ある」

Q. 子供のころ好きだったチームは?

「ダラス・カウボーイズ。僕はテキサスで生まれてフォートワースで6年過ごした。ちょうどフットボールを理解するようになる年頃だからね」

Q. 子供のころ、見習った選手はいる?

「やはりダラスのCマーク・ステプノスキ。僕とサイズ的にもよく似ているんだ。彼はそのハンデを乗り越えて、史上最高のセンターの1人になった」

2004年7月 2日

LBジェイソン・ギルドンの決断待ち

先月初めにスティーラーズを解雇されたOLBジェイソン・ギルドンには、これまでにパッカーズ、ベアーズ、ベンガルズ、ビルズあたりが興味を示している。パッカーズはすでに(出せる程度の)金額を提示して、返事を待っているところらしい。アンドリュー・ブラント交渉担当は、「我々はすでに関心のあることを伝え、現在の財政的な状況を伝えてある。今はただ返事を待っているところだ」とのこと。

近いうちに決断を下すと見られているLBギルドンだが、パッカーズがまだ候補に残っているところを見ると、金額的にあまり高くないレベルでの争いになっているのかもしれない。

2004年7月 1日

WRファーガソンの契約詳細

WRロバート・ファーガソンが結んだ契約は、契約ボーナス$3.5ミリオンを含む(今年を含めて)5年契約。今年のベースサラリーは$455,000で、2005年は$545,000 + $1ミリオンのロースターボーナス。ここまではどの記事も共通だ。しかしそれ以降の部分が異なっていて、JS OnlineやESPNの記事では$1.4ミリオン、$1.8ミリオン、$2.2ミリオン。Press-Gazette紙の記事では、$2.1ミリオン、$2.5ミリオン、$2.9ミリオンと金額がアップしている。どちらにせよ、ファーガソンの今年のキャップ額は$1.155ミリオンとなり、$30万ドルほどアップすることになった。

「ロバートは明るい将来のある若い選手だ。代理人が契約延長に乗り気だったので、我々も素早く反応して、5月から両者とも熱心に交渉を続けてきた。チームの連続性を保つことが、我々にとってはこれまでも、これからも変らぬ目標であり続ける」と交渉担当アンドリュー・ブラント。

ブラント交渉担当は、今回の契約延長もQBカウチの獲得も、DEジョー・ジョンソンを解雇したために可能になったことを認めている。「全てはサラリーキャップにより決まる。これは諸刃の剣であって、来年には(DEジョンソン解雇による高額キャップヒットのため)ツケを払わなければならない。しかし我々は、それによってできたキャップの空きを賢く使いたかった。おかげでティム・カウチも獲得できたし、シーズン前にファーガソンとの契約延長も可能になった」