グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年7月13日

ロースター展望 OT編

OL陣は現在の5人が先発するのは今年で4年目、現代NFLでは珍しいことだろう。パッカーズの、継続性を重視した再契約中心のFA戦略が、もっとも効果を発揮しているのがこのオフェンスラインと言える。年を経るごとにケミストリーが増し、(個々の身体能力よりも)ユニットとして強固になっている。

左のクリフトン、右のタウシャーという同期コンビでスターターは万全。昨年の今ごろは両者とも大ケガからのリハビリ途上で、2人揃って全試合先発出場するなどとても想像できなかったが。心配されたクリフトンの契約延長も無事クリア。 唯一の懸念材料は、昨年と同じく左タックルの控えだ。右サイドは3年目のバリー、2年目のカーティンがどちらも使えそうだが、左サイドは(大変な才能を要するポジションなので無理もないが)タレントが不足。カナダ人のスティーヴ・モーリーをCFLから獲得して期待をかけているが、ミニキャンプでの評判では、即戦力には無理そう。

一昨年は、クリフトンとタウシャーの欠場時にCフラナガンが左タックルに回って大過なく務めたが、さすがにあれはあの年かぎりのことだろう。もしクリフトンがケガをしたら、タウシャーを左に回してバリーを右タックルで先発させるか、LGウォールを(先発経験のある)左タックルにスライドさせるか。今年のキャンプでは、バリーやカーティンを左タックルにもトライさせるだろう。

ロースター枠はOL全体で通常9人。タックルは(T/G兼任もいるので曖昧だが)4人か5人。

チャド・クリフトン

先発LT。テネシー大ではQBペイトン・マニングの背後を守り、プロでは1年目の途中からファーヴの背後を守り続けている。一昨年秋にはタンパでDTサップのブラインドサイドからのヒットを受けて骨盤を大ケガ。選手生命の危機とも言われたが、困難なリハビリを乗り越えて復帰した。それだけでなく、素晴らしく安定したパスプロテクションを見せて、総額$32.4ミリオンの6年契約を手に入れた。

プロボウル常連クラスのトップLTたちと比べると、相手DEをパンケーキにするようなパワフルなブロックはできないが、 やはりLTの仕事は一にも二にもパスプロテクション。1on1で一流パスラッシャーを料理できる能力は貴重だ。契約ボーナス$10ミリオンは決して安くはないが、市場価格からすると少し割安らしい。粒の揃ったパッカーズOLの中で実力がトップというわけではないのに、LTなので給料がトップになってしまう。

マーク・タウシャー

先発RT。今年は髪を伸ばしてイメージチェンジ。地元ウィスコンシン大では、ウォークオン入学(奨学金なし)から最後には先発の座をつかみ、NFLではドラフト7巡入団ながら1年目からスターターとなった不思議な選手。モコモコした体型で見た目はパッとしないが、ボディバランスやテクニックに優れ、うまいこと相手を丸め込んでしまう。左タックルも十分に務まるという声が多い。

一昨年には前十時副靭帯(ACL)を断裂し、同期のクリフトンと互いに励まし合いながらリハビリを乗り越えた。場所が場所だけに、去年も100%の動きには戻っていなかったらしいので、今年はさらに期待。リハビリ中に、総額$16.5ミリオンの契約延長を済ませている。

ケヴィン・バリー

RTの控え1番手。ウィスコンシン州出身、アリゾナ大からドラフト外入団して3年目。やや学習能力に問題はあるが、身体能力は高く、2002年のように、タウシャーの欠場時には彼が先発を務める。昨季中盤は、ランブロッキング用のエキストラTEとして投入されることが多かった。その都度「エリジブル・レシーバー」として審判がコールするわけだが、パスキャッチは一度もなし。

右ガードもこなせるが、これまではRGリヴェラの欠場時にはタウシャーがRGに回り、バリーはRTで先発した。今年はバリーがRGで先発できるよう準備をしている。また、LTの控えにもなってくれれば一番ありがたい。

ブレナン・カーティン

ノートルダム大からドラフト6巡指名されて2年目。身長206cm。昨季は全試合inactiveだったが、もし試合に出場したら、球団史上最高身長の選手となる。大学ではちょっとした問題があってアーリーエントリーしたため、経験不足は否めない。アスレチック能力はなかなかのものがあるらしい。右タックルの控えの2番手だが、RTばかりいてもしかたがないので、バリー同様、なんとか左サイドもこなしてほしいところ。

スティーヴ・モーリー

カナダ南東部ノヴァスコシア州のハリファックス出身。CFLのドラフト全体1位で指名され、1年だけカルガリでプレーして今春パッカーズと契約した。恵まれたサイズに加えアスレチック能力も高いということだが、テクニック面があまりに未熟で、NFLのレベルの高さに戸惑っている状態。左タックルの控えにと首脳陣の期待は大きいが、一年目からはどうか。

ジェイソン・ヒメネス

ファーヴと同じサザンミシシッピ大出身。昨年はドラフト外からプラクティス・スクワッド。今春はNFLヨーロッパでプレーしたが、常時先発ではなかった。

ジェイソン・ヒリヤード

ルイヴィル大出身のドラフト外ルーキー。ミニキャンプではなかなか良い動きを見せていたらしい。

ジョー・ヘイズ、アトラス・ヘリオン

ドラフト外ルーキー。2人ともタックル/ガード兼任となっているが、どちらかというとガードのようだ。

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