グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年7月20日

ロースター展望 DT編

長い間スターター務めてきた人気者のNTギルバート・ブラウンが解雇されグレイディ・ジャクソンが名実共にスターターとなった。ジャクソン以下、クリディアス・ハント、ラリー・スミス、ジェームズ・リー、そしてルーキーのドネル・ワシントンと、精神面に課題の残る選手ばかりが並んでいる。ポテンシャルは大きいが、彼らが必死で取り組むよう、配慮は必要だ。今年のドラフトでドネル・ワシントンとDE/DTコーリー・ウィリアムズが指名されたのは、昨年のDTピーターソンとDTリーがよくなかった証拠。今年は彼ら4人の若手とラリー・スミスがロースター枠を争う。

ロースター枠はDL全体で通常9人。多くて10人。控えDEの補強ができなかったため、その分DT/DE兼任の選手を残す可能性が高い。下記の写真付きの選手から誰か1人が脱落すると見る。

グレイディ・ジャクソン

先発ノーズタックル。プロ8年目の31歳。レイダーズからセインツを経て、昨季途中にパッカーズにやってきた。ギルバート・ブラウンの退団で、名実共にスターターとなる。350ポンド級の大型ランストッパーながら非常に動きが軽く、パスラッシュも素晴らしいものがある。昨季序盤はパスラッシュの不振でパス守備が低迷したパッカーズだが、彼の途中加入のおかげで息を吹き返したと言っていい。

セインツでは体重問題で首脳陣と衝突を繰り返したあげく解雇され、「怠け者」のレッテルまで貼られてしまったが、グリーンベイではこれまで何とかやっているようだ。移籍してきた時には370ポンドほどあった体重が、4月末のミニキャンプでは355ポンドに。今はもう少し軽いはずだ。今オフはヒザの関節鏡手術を受けただけに、体重をコントロールできているだけでも朗報だろう。パッカーズもセインツの失敗を踏まえ、達成しやすい目標を設定しているのがいいのかもしれない。ただし、ハードワーカーでないのは確かなだけに、常に注意は必要だろう。

クリディアス・ハント

先発の"3テクニック"。パッカーズでは"イーグル"と呼ばれるポジションだ。サンタナ・ドットソンに代わって先発に昇格して3年目。昨春に大型の契約延長を手にしたものの、昨季前半はやや不振。他のDLたちと同様にグレイディ・ジャクソンの加入でパスラッシュがよくなった。恵まれたサイズとクイックネスを活かしたパスラッシュを得意とする。やや不安定なタイプだが、最近はだいぶコンスタントなプレーを見せるようになった。

二度の薬物違反で4試合の出場停止処分を受けるなど、精神面での脆さはある。6月のミニキャンプでも第一週を無断欠席して首脳陣を失望させた。高額契約が正しかったのか、答えはまだ出ていない。

DT/DEラリー・スミス

プロ6年目の29歳。昨年のキャンプでは、体調管理を怠ったことなどがデル=リオHCから嫌われて、ジャガーズから解雇。直後にパッカーズと契約した。アスレチック能力は高く、パスシチュエーションでインサイドからパスラッシュするのが主な仕事。DEもこなす。体調管理の他にも、遅刻やチームメイトとの喧嘩など、ジャガーズ時代は完全にトラブルメーカーだった。移籍後は、報道されるようなトラブルは一度も起こしていない。しかし若手の台頭しだいでは、解雇もありうる。

ドネル・ワシントン

クレムソン大からドラフト3巡指名で入団。ルーキー紹介参照。身体能力には非常に恵まれているが、work ethicに問題があるという評価がついて回っている。本人はその悪評を払拭しようと頑張っているところだ。ランストッパーに十分なサイズはあるが、クイックネスを活かしたペネトレートも良い。NTとDTのどちらが向いているのかはまだ不明。おそらく、ジャクソンとハントの両方の控えを務めることになりそうだ。

DT/DEケニー・ピーターソン

オハイオ州立大から昨年のドラフト3巡で入団。ほとんどチームに貢献できず、期待はずれなルーキーシーズンだった。レギュラーのDLローテーションに加われず、16試合中、9試合しかアクティブ登録されなかった。DEにはスピードやクイックネスが足りず、DTにはサイズや馬力が足りない感じ。今年は食生活を改善して体も絞った。なかなか進歩しているとコーチたちは言うが、パッドなしのミニキャンプでの評価などアテにならない。

今年のミニキャンプではDTの他にパワーDEやNTもプレーしていたが、新人ワシントンの加入もあり、今季はDTとパワーDEのかけもちだろうか。若手たちの競争は激しく、キャンプとプレシーズンゲームで進歩を見せなければ、また昨年と同じ仲間はずれになりかねない。

ジェームズ・リー

オレゴン州立大から昨年のドラフト5巡で入団。330ポンド級のサイズのわりに素晴らしいスピードがあり、フットワークは非常に軽い。昨年夏はキャンプ初日に背中のケガでダウンしてしまい、結局そのままインジャリー・リザーブでシーズンを終えることになった。いまではケガも完治し、しっかり体を作って、ミニキャンプではいい動きを見せている。昨年はほとんどプレーを見せられずじまいだったため、「なるほど、これなら指名したのもうなずける」という記者の声もある。

ノーズタックルの控えがメイン。ギルバート・ブラウンは退団したが、3巡指名でワシントンが入団し、若手どうしの競争は激しい。おそらく当落線上だろう。彼も精神的に甘さの残るタイプだが、ここで頑張らなければ頑張る時がない。

DT/DEカレン・ジェンキンズ

セントラル・ミシガン大から昨年ドラフト外でパッカーズへ。今春はNFLヨーロッパに派遣されてケルン・センチュリオンでプレーし、20タックル、0.5サックを記録。なかなか評価は良かったが、上記のように今年は競争が激しく、ロースター入りは難しそうだ。

カテゴリ : Player