グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年7月24日

ロースター展望 CB編

エースCBマッケンジーの移籍希望で、今オフは大混乱となったユニットだ。FAやドラフトで補強する一方、マッケンジーのトレード希望には応じず合流を待つ、という状態が何ヶ月も続いている。昨年はスターターは堅実ながら、ニッケル・ダイムに不安があった。今年は逆に、全体の底上げはできたが、マッケンジーがいない場合のスターターが問題だ。もし、ハリスとホーソーンが先発することになると、NFLで最もスピードのない先発CBコンビとなってしまう。ルーキーの2人がどれだけやれるか、キャンプやプレシーズンゲームに注目が集まる。

ロン・ウルフ元GMはテレル・バックリーの失敗から、「グリーンベイでは小さいCBは使えない」という方針を堅持したが、そのせいか、アントワン・エドワーズやバウ・ジューなど、CBとSとどっちつかずの選手も多かった。今年のドラフト1巡、アマド・キャロルはパッカーズにとって久々の、小柄なスピードスターだ。

ロースター枠はDB陣全体で通常10人。9人にする時もある。そのうちCBは6人、Sが4人となるのが普通だが、CB/S兼業の選手もいるので境い目は曖昧だ。なお、バウ・ジューは今年からセーフティを本業にするようなので、そちらの項で紹介する。

マイク・マッケンジー

先発左CB。1999年のドラフト3巡指名からルーキーで先発の座をつかみ、不動のスターターを務めてきた。トップクラスのCBとしてはスピードがないが、不思議とタマ際に強く、勝負強いプレーが持ち味。2002年1月に5年の契約延長をしたが、今になってその額が不満になったようで、2月からチーム側にトレードを要求して譲らない。これまでは問題を起こすようなタイプでは全くなく、ファンの人気もかなりあった選手なのだが。

チーム側は、ドラフト1巡プラスアルファならトレードに応じてもいい、という実質トレード拒否の方針。悪しき前例にならぬためにも当然の処置だ、と内外の支持を得てはいる。一方、「チームに合流するならいつでも歓迎する」という姿勢は保っている。本人としては、このままではホールドアウトするか引退するかしかない。口数は非常に少ないが、かなり強情な選手なのは確かで、本当に引退してしまう可能性もなくはない。

アル・ハリス

先発右CB。プロ7年目の29歳。イーグルスでの5年間、トロイ・ヴィンセントやボビー・テイラーがいるために先発には定着できなかったが、ニッケルバックとして評価が高かった。昨春トレードでパッカーズに移籍し、念願のスターターに。スピードはないが、185cmのサイズを活かしたフィジカルなプレーが持ち味で、パッカーズ向きのタイプ。アグレッシブで、大試合に強い。ギャンブル的なプレーが裏目に出ることもある。

どう見てもエースCBには物足りず、これ以上の上がり目は期待できないが、プロフェッショナリズムには定評があり、コンディショニングは怠りない。そのせいかケガが非常に少なく、プロ2年目の1998年からプレーオフを含めて全試合に出場しているのは立派のひとこと。

マイケル・ホーソーン

2000年に6巡指名でセインツに入団。昨季開幕直後にセインツから解雇され、パッカーズと契約。バウ・ジューの伸び悩みもあって、3番手CB/ニッケルバックを務めた。191cmの長身が特徴で、セーフティもこなすが、デカいぶん、やはりスピードに欠ける。シーズン終盤にマッケンジーが欠場した時には彼が2試合先発し、大きな穴を開けることなく無難に務めた。

マッケンジーがこのままホールドアウトするなら彼が開幕スターターとなるのが順当だが、できればルーキーのどちらかが出てきてほしいところ。セインツ時代はトラブルメーカー気味だったが、グリーンベイでは今のところ問題なくやっているようだ。

アマド・キャロル

アーカンソー大から、ドラフト1巡25位指名で入団。ルーキー紹介参照。身長177cmと小兵ながら、スピードやクイックネスは今ドラフト全体でもトップクラス。大学時代は陸上とのかけもちだったこともあり未熟な点は多いが、その分未開発のポテンシャルも大きいと期待したい。精神的には非常に真面目なハードワーカーで、その点でのリスクは小さいはず。最初のミニキャンプでは3巡指名のCBトーマスにやや遅れをとったが、次第に追いついてきたとのこと。

ジョーイ・トーマス

ディビジョンI-AAのモンタナ州立大から、ドラフト3巡7位指名で入団。ルーキー紹介参照。キャロルほどではないが40yds走4.4秒台のスピードと、183cmのサイズがある。自信家で鼻っ柱の強いタイプなのは、これもキャロルと対照的。最初のミニキャンプからキャロルを上回る堂々としたプレーを見せたが、ディビジョンI-AAでのレベルの問題があるのは確かで、今は細かい部分を基本から叩き直されているところ。 マッケンジーも3巡指名からルーキーでスターターとなったように、トーマスにかかる期待も決して小さくない。

クリス・ワトソン

イースタン・イリノイ大から1999年のドラフト3巡でブロンコスへ。14試合に出場(先発は1試合)し、主にリターン・スペシャリストとして活躍した。翌2000年にトレードでビルズへ。2002年までの3年間で44試合に出場、12試合に先発した。昨年春に解雇されてライオンズと契約したが、キャンプで背中を痛めてしまい、1試合も出場できないまま解雇され、昨季はフットボールから離れていた。

スピードはそこそこだが、185cmのサイズがあり、経験もまずまず豊富。リターナーとしての実績もある。控えCBのレベルが低かった昨年なら簡単にロースター入りしたはずだが、層が厚くなった今年は、ボーダーライン上かもしれない。

クリス・ジョンソン

ルイヴィル大から昨年のドラフト7巡で入団。40yds走を4.2秒前後で走り、昨年のドラフトでは最速だったらしい。大学ではスキームの問題もあって能力を出し切れなかったが、パッカーズのプレスカバレッジがよほど合うのか、昨年のキャンプでは非常に良い動きを見せ、ロースター入りどころか3番手CBをうかがうところまで来ていた。しかしヒザをケガしてしまい、そのままシーズンエンド。6月のミニキャンプではまだ横方向の動きなど万全ではなかったが、そろそろ100%に戻るはず。

今年は競争が激しいため、ただケガが治っただけでは不十分だろう。ロースター枠ぎりぎりをワトソンらと争うことになりそうだ。

アーウィン・スウィニー

ネブラスカ大から2002年のドラフト外で入団。プラクティス・スクワッドからシーズン半ばに昇格し、2シーズンで9試合に出場した。スペシャルチームでのプレーが中心。ドラフト外からここまで来ただけでも立派だが、今年の開幕ロースターに残るのは難しそうだ。

ジェイソン・ホートン

ディビジョンI-AAのノースカロライナA&T出身、CFLのトロントに所属していた。昨年のドラフトにアーリーエントリーしようとしたが書類の不備でエントリーできず、大学での出場資格も失ってしまったとのこと。

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