グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年7月27日

ロースター展望 スペシャルチーム

4年間正パンターを務めたジョシュ・ビドウェルがFA移籍したため、なんとドラフト3巡でB.J.サンダーを指名。かなりの批判を受けている。異例の上位指名についてパッカーズ首脳は、「グリーンベイは気候条件が悪く、スタッツが落ちてしまうので、有力なFAはなかなか来てくれない。だから無理してでもドラフトで良い選手を」と考えたようだ。 サンダーは素晴らしいセンスを持っているのは確かだが、1年目から期待していいものかどうか。飛距離自慢のトラヴィス・ドーシュとキャンプで争うことになる。

ロースター枠は、キッカーとパンターとロング・スナッパーが1人ずつ。KロングウェルもLSデイヴィスもロースター入りは確実で、キャンプでのポジション争いはパンターだけだろう。

Kライアン・ロングウェル

NFL8年目の29歳。カリフォルニア大から1997年のドラフト外で入団。その年はKブレット・コンウェイが異例の3巡指名を受けたがケガもあってうまくいかず、ドラフト外入団のロングウェルが正キッカーの座を奪い、活躍を見せて、当時のロン・ウルフGMのドラフト失敗を救った。飛距離は出ないが非常に正確で、悪天候にも強い、まさにランボーフィールド向きのキッカー。

昨季は40yds未満を1本も外さず、成功率88.5%は、屋外フィールドを本拠地とするキッカーの中では最高だった。唯一のスランプは2001年(成功率64.5%)で、それ以外の年は全て80%以上をキープしている。キックオフの距離が出ないのが弱点だが、コントロールよく狙った所に落とすことでカバーしている。通算844得点は、偉大なるドン・ハトソンを上回ってチーム史上1位。通算182FGも、Kクリス・ジャッキーを上回ってチーム史上1位。

P B.J. サンダー

オハイオ州立大から今年のドラフト3巡指名。ルーキー紹介参照。トップクラスの飛距離となると疑問だが、非常にセンスがよく、敵陣ゴール前に落とす"プーチ・パント"が素晴らしく上手い。リターナーが捕りにくい左利きというのもプラス。ドーシュと比べると飛距離では劣っているが、安定性ではかなり上回っているので、正パンターの座は確保できそうな情勢。

P/Kトラヴィス・ドーシュ

パデュー大から2002年のドラフト4巡指名でベンガルズへ。しかし正パンターにはなれず、1試合の出場にとどまった。昨年開幕前にベンガルズから解雇され、ペイトリオッツのプラクティス・スクワッドを経て、プレーオフの頃にパッカーズと契約。身長198cmとサイズがあり、ハマった時の飛距離は素晴らしいものがある。しかしかなり不安定で、ミスが非常に多い。短いパントのコントロールなどは、サンダーにはるかに及ばない。

パッカーズ首脳は、彼をキッカーとしてはアテにしていないようだ。しかし、もしロースター入りすれば、ロングウェルに代わってキックオフを担当することは考えられる。

Pネイサン・チャップマン

今春契約したオーストラリア人パンター。名パンターのダレン・ベネットと同じく、オーストラリアン・フットボール・リーグ(以下AFL)の出身。1992年のドラフトでAFLブリスベンに全体2位で指名された期待の若手選手だった。しかしケガに苦しんだ彼は2000年にAFLを引退し、NFLを目指しつつ、オーストラリアのアメリカンフットボールチームでプレーしていた。昨年はクイーンズランド・レイヴンズでパントとキックオフを担当。

ビザの関係で、2回のミニキャンプには参加できなかった。しかしNFLに挑戦する意思は固いようで、家族もアメリカに連れてきている。今年はパッカーズのロースター入りは無理そうだが、来年以降はNFLでやっていける可能性は十分ある。

LSロブ・デイヴィス

1997年からパッカーズの正ロングスナッパーを務める35歳。103試合連続出場中。昨季はケガで満身創痍になりながら全試合出場した。極めて安定性の高い、NFLでもトップクラスのロングスナッパー。Kロングウェルの成功は、彼の安定したロングスナップによるところも大きい。面倒見がよく、若手選手たちのよき兄貴分。欠点があるとしたら、彼が全くのロングスナップ専門で、他のポジションでの使い道はないこと。

今年は、新加入のTEスティーヴ・ブッシュが控えLSを務めることになりそう。

ホルダー

QBピダーソンが務めてきた、FGの際のホルダーだが、もしQBピダーソンがロースター争いに敗れて解雇されると、3年ぶりにホルダー交代となる。Pサンダーはかなり上手いという評判なので、彼が最有力候補か。QBノールも練習はしてきたはずだが、能力のほどはよくわからない。ずっとスターだったQBカウチはたぶん無理だろう。

キックオフ・リターナー

昨年平均31.6ydsと素晴らしい記録を残した、RBダヴェンポートでほぼ決まりの情勢。普通のリターナーと比べてスピードはないが、250ポンドの体でタックラーを薙ぎ倒すように走る姿は迫力満点。ブロッカーいらず、という感じ。リターナー専門の選手を獲得する場合は、そちらに任せてRBに専念させる可能性もある。

パント・リターナー

WR/KRチャットマンが昨年は務めたが、可もなし不可もなしだった。彼を解雇する場合、WRフォードやWRファーガソンが有力候補となる。新たなリターナーを獲得する可能性もある。

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