グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2004年7月19日

ボブ・ハーラン社長がパッカーズHOF入り

ボブ・ハーラン社長が今年のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りに選ばれ、式典が行われた(地元ニュース映像)。1971年、当時のデヴァインHC/GMの誘いで副GMとしてパッカーズ入りしたハーランは、副社長を経て、1989年に第9代の社長に就任。市民所有であるパッカーズにはオーナーがいないため、社長が実質的にオーナーの役割を務める。負け犬チームを名門復活に導き、困難なランボーフィールド大改修を地元自治体の協力で成し遂げ、将来的にも経営を安定させたことなど、彼の功績は数え切れない。

球団運営の手腕だけでなく、非常に率直で温かい人柄は、チーム内外から絶大な信頼を得ている。「自分たちスタッフはあくまでもファンの代わりにこのチームを運営しているだけなのだ」という彼の教えは、チームの隅々まで浸透している。「彼は本当に純粋で、温かい人間だ。われわれ誰もがあのようでありたいと思うものだが、実際はなれない。しかし彼はそうなんだ」とロン・ウルフ元GM。

就任当時は20年以上にわたる低迷期にあったパッカーズだが、ハーランはロン・ウルフをGMに雇い、フットボールの全てを任せて一切口出ししないという方針を貫いた。極めて良好な関係の下で、ウルフはホルムグレンHC、QBファーヴ、DEレジー・ホワイトを獲得するなど、完全に名門復活を果たし、スーパーボウルも制覇した。シャーマンHC/GMに代わっても12年連続で「負け越しなし」のシーズンを続けている。

現在67歳のハーラン社長は、昨年秋に皮膚がんと診断されたが、早期発見だったため順調に回復。70歳となる2007年春まで現職を務めて引退する予定だ。ちなみに、長男のケヴィン・ハーランはCBSでスポーツアナとして活躍しており(独特の声を聞き覚えのある方は多いはず)、NFLはもちろん、NBAやNCAAバスケットボールも数多く担当している。

NFLコミッショナーのポール・タグリアブーも今回の式典に駆けつけ、ハーランの殿堂入りを祝った。「ボブの殿堂入りに立ち会えるのは、とても名誉なことだ。彼が過去15年間に成し遂げたことは、驚異的なことだと心底思っている。ボブの最も大きな功績は、人々のグリーンベイに対する見方を、この長期にわたる成功によって変えたことだ。いまや誰もが言う。"あそこの成功の秘訣はなんだろう?"とね。そして、新スタジアムとファン・サービス。対戦チームがここを訪れるたび、相手オーナーは、"なぜウチもランボーフィールドのようなスタジアムを持てないのだ・・・"と言いながら帰途につくのを私はよく知っている」

かつてピート・ロゼールからコミッショナーの座を引き継いだ時、タグリアブーはアドバイスを受けたのだという。「ロゼールに言われたのは、"おそらく、リーグにとって最大の挑戦は、グリーンベイが成功できるような仕組みを持ち続けることだろう" ということだった」とタグリアブーは振り返る。ハーラン社長も、「断言してもいい、もしレベニュー・シェアリングの仕組みがなければ、このフランチャイズは生き残って行かれなかっただろう」と口を揃える。

ロゼールが1960年代にレベニュー・シェアリング(入場料・放映権料を各球団に平等に配分するシステム)を導入し、タグリアブーは1990年代に、FA制と共にサラリーキャップ制を導入した。「彼は、我々のためにそうしてくれたのだ。我々にとってどれほど大きかったことか。我々が競争力を保っているということは、とりもなおさず、このシステムがしっかり機能しているということだ。このシステムは極めて重要であり、彼はその導入に尽力し、今も維持してくれている」とハーラン社長はコミッショナーに感謝の意を述べている。

(パッカーズの殿堂を訪れたコミッショナーのニュース映像

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