パッカーズは下表の18選手を解雇、4選手をインジャリーリザーブに入れて最終ロースターカットを完了した。かならずしもこれが開幕ロースターというわけではなく、他球団から解雇された選手を獲得することもありうる。ポジションごとの詳しいまとめは次回。
最大のニュースはフリンが生き残ってQB3人体制となったこと。OL8人、DL5人と攻守ラインが手薄で、ここは開幕までに補強があってもおかしくない。スターター経験者の解雇はなかったが、ちょっとしたサプライズはSクリス・バンジョーやCBジュマール・ロールが落選し、6巡指名CBディミトリ・グッドソンが残ったこと。現在の力より伸びシロということなのだろうが、プレー内容にかなりの隔たりがあっただけに、すでに批判の声が多い。
喜びの当選組は、ドラフト外のNTペネル、OLBエリオット、4巡指名OLB/ILBブラッドフォード、6巡指名CBグッドソンといったところ。3巡指名DTソーントンはインジャリーリザーブ入りとなった。
◆ ◆ ◆
NFL経験4年未満の解雇選手は自動的にウェイバー公示の対象となり、獲得希望(claim)を出した中で最も優先順の高い(昨年の順位による)球団が獲得できる仕組み。解雇から1日のあいだ"claim"がなければ無制限FAとなり、いつでも好きな球団と契約できる。経験4年以上の選手はそうした期間が必要なく、解雇即FAとなる。
10人枠のプラクティス・スクワッド(以下 PS)に契約ができるのも、解雇から1日経ってウェイバー期間が終了してから。下表の解雇選手の中にも、球団から「PSに入れるつもりなので街に残っていてくれ」と伝えられた選手はすでに何人もいる。必ずしもパッカーズと契約する必要はなく、自分のポジションの層の薄い球団を選ぶのも1つの道だ。
Packers 2014 Final Roster Cuts | ||||
---|---|---|---|---|
Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
RB | Michael Hill | Missouri Western | 2 | 今年のRB陣は層が厚すぎ。PS候補 |
RB | LaDarius Perkins | Mississippi State | R | 同上 |
WR | Kevin Dorsey | Maryland | 2 | 2年目の成長が今ひとつ。PS候補 |
WR | Alex Gillett | Eastern Michigan | 1 | 2年連続でPSか |
WR | Myles White | Louisiana Tech | 2 | WRジャニスとの争いに敗れてPS候補 |
TE | Justin Perillo | Maine | R | 将来性は感じさせた。PS候補 |
OT | Jeremy Vujnovich | Louisiana College | R | ロースター争いに食い込めず |
OT | John Fullington | Washington State | R | ロースター争いに食い込めず |
OG | Jordan McCray | Central Florida | R | PS候補 |
C | Garth Gerhart | Arizona State | 1 | 惜しくもロースター入りならずPS候補 |
DE | Carlos Gray | North Carolina State | R | PS候補 |
DE | Luther Robinson | Miami | R | PS候補 |
OLB | Adrian Hubbard | Alabama | R | プレ最終戦でヒザ負傷 |
ILB | Jake Doughty | Utah State | R | PS候補 |
CB | Jumal Rolle | Catawba | 1 | 惜しくもロースター入りならず |
CB | Ryan White | Auburn | R | S兼任で悪くないキャンプだった。PS候補 |
S | Chris Banjo | Southern Methodist | 2 | 急に層が厚くなりロースター入りならず |
S | Tanner Miller | Iowa | R | PS候補 |
To Injured Reserve | ||||
---|---|---|---|---|
Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
TE | Jake Stoneburner | Ohio State | 2 | どこを痛めたのか不明 |
OT | Aaron Adams | Eastern Kentucky | 1 | プレ最終戦でヒザ前十字靭帯断裂 |
DT | Khyri Thornton | Southern Mississippi | R | 3巡指名もプレーは期待外れ |
OLB | Nate Palmer | Illinois State | 2 | プレ最終戦でヒザ内側側副靭帯を損傷 |
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Chiefs (1-3) | 0 | 7 | 7 | 0 | 14 |
Packers (3-1) | 7 | 13 | 7 | 7 | 34 |
気温21℃、曇り空のランボーフィールド(第3Q途中から雨)。長いプレシーズンもようやく最終週を迎え、今週は控え組のロースター争いが焦点となっている。パッカーズは主力16人を温存し、先発オフェンスではCリンズリーとTEリチャード・ロジャースだけが出場した。チーフスもQBアレックス・スミスやRBチャールズなど多数を温存している。
試合は序盤からパッカーズが攻守に好調。オフェンスは両QBが勝負強くパスを通し、相手反則にも助けられて得点を重ねる。ディフェンスはパス守備が安定し、チーフスの追い上げを許さず楽々と逃げ切った。3勝1敗でプレシーズンは終了。土曜夕方の最終ロースターカット期限に向け、難しい作業に入る。そしてパッカーズとシーホークスは開幕まで1週間しかない。
◆ ◆ ◆
注目の新先発センター、Cコーリー・リンズリーはまずまずの内容か。QBフリンとQBトルジーンはどちらもよい働きで、2TDずつを記録。QBフリンは今夏最高の内容だったが、それでもQBトルジーンの出来が上回っている。WRジェフ・ジャニスは33ydsTDパスキャッチのほか、62ydsのキックオフリターンを繰り出してロースター入りに前進。
ディフェンスではルトロイ・ガイオンがノーズタックルで初登場。ドラフト外のOLBジェイロン・エリオットは3試合連続5回目のサック。ラン守備はこれまでよりも不安定だったが、DB陣(主力3人を温存)の好カバレッジが勝因の1つになった。
フィールドポジションで35対22と圧倒したこと、チーフスが反則14回131ydsを量産したことも、こちらが試合を優位に進められた要因だった。
◆ ◆ ◆
ケガによる途中退場は。OTアーロン・アダムズ(ヒザ)、DTカイリー・ソーントン(ハムストリング)、OLBエイドリアン・ハバード(ヒザ)、OLB/ILBネイト・パーマー(ヒザか)の4人。どれも軽傷ではなさそうに見える。
Final Team Statistics | ||
---|---|---|
Packers | Chiefs | |
Points | 34 | 14 |
Total Yards | 379yds | 281yds |
First Downs | 28回(ラン9・パス13・反則6) | 18回(ラン7・パス7・反則4) |
Rushing | 145yds(38回・平均3.8) | 107yds(22回・平均4.9) |
Passing | 241yds(19/33・4TD・0INT) | 189yds(17/32・1TD・1INT) |
Sacked | 1回7yds | 2回15yds |
Passer Rating | 120.1 | 68.4 |
3rd Down Efficiency | 6/13 (46%) | 5/13 (33%) |
Turnovers | 1回 (INT0/FUM1) | 1回 (INT1/FUM0) |
Field Position | 自陣35yds | 自陣23yds |
Punt | 1回45.0yds(ネット45.0yds) | 4回45.0yds(ネット38.5yds) |
Kickoff Return | 3回平均36.0yds | 6回平均24.5yds |
Punt Return | 3回平均8.7yds | 1回0yds |
Field Goals | 2/2 | 0/0 |
Penalty | 9回81yds | 14回131yds |
Time of Possession | 34分09秒 | 25分51秒 |
ケガでなく温存した選手は、オフェンスがQBロジャース、RBレイシー、FBクーン、WRネルソン、WRコブ、LTバクティアリ、LGシットン、RGラング、RTブラガ。ディフェンスはDEダニエルズ、DEデイトン・ジョーンズ、OLBマシューズ、OLBペッパーズ、ILBホーク、CBウィリアムズ、CBシールズ、Sバーネット。
オフェンスの犯したターンオーバーは1回。
ディフェンスの奪ったターンオーバーは1回。
QBロジャースはやはり欠場。QB2人の合計は19/33、241yds、4TD、0INTでレーティング120.1。
チームラッシングは38回yds(平均3.8)。
WR/TE陣は以下のとおり。
OL陣は主力4人を温存し、LTシェロッド、LGテイラー、初先発Cリンズリー、RGゲアハート、RTアダムズ。
パス守備は17/32、189yds、1TD、1INTのレーティング73.2。(QBアレックス・スミス欠場)
ラン守備は22回107yds(平均4.9)・1TD。先週までとくらべると、コンスタントにランを出されて3rdダウンショートの場面を作られた。(RBジャマール・チャールズは欠場)
ディフェンシブライン
ラインバッカー
ディフェンシブバック
スペシャルチーム
反則は9回81yds。チーフスの反則は14回131ydsにもおよんだ。
ケガ人
その他
キャンプもいよいよ最終日。1時間01分のノーパッド練習で今年最後の公開練習を打ち上げた。円陣を解いた選手たちはいっせいに観客席に歩み寄り、ファンとハイファイヴをして感謝の気持ちを伝えている(写真)。次のファン公開練習は来年5月のOTAとなる。
パッカーズは下表の6選手をインジャリーリザーブに入れることでロースターを75人とし、第1次ロースターカットを完了した。最終ロースターカット(53人へ)は30日の午後4時(米東部時間)となっている。
6人の中で本当にシーズンエンドのケガなのはWRアブレデリス、RTバークレー、NTラジの3人。いっぽう、RBニール、OGティラー、ILBトーマスは重傷ではないはずなので、近いうちに "Injury settlements" (回復期間を見積もり、その分のサラリーを前払いする)にサインして退団するかもしれない。そうした場合、6週間はパッカーズと再契約できないが、その後はパッカーズと再契約したりプラクティス・スクワッド入りすることも可能だ。
To Injured Reserve | ||||
---|---|---|---|---|
Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
RB | Rajion Neal | Tennessee | R | プレシーズン初戦でヒザ負傷 |
WR | Jared Abbrederis | Wisconsin | R | 地元の人気選手。ヒザACL断裂 |
OT | Don Barclay | West Virginia | 3 | "6人目の先発OL"だったがACL断裂 |
OG | Andrew Tiller | Syracuse | 2 | ふくらはぎ負傷 |
NT | B.J. Raji | Boston College | 6 | 右上腕二頭筋断裂 |
ILB | Joe Thomas | South Carolina State | R | プレシーズン初戦でヒザ負傷 |
今週唯一のフルパッド練習は2時間02分。ハムストリング負傷で全休していたNTルトロイ・ガイオンがついに復帰し、初日からフィジカルな練習に参加している。夏の休暇シーズンが終わり学校が始まったため、観客席には空席が多い。今年のファン公開練習は明後日を残すのみとなった。
休日明けのこの日はノーパッドで1時間40分の練習。ファンには非公開だがメディアには公開された。練習直前に発表された解雇選手のリストは前の記事を参照。
新センターのJ.C.トレッターがレイダーズ戦でヒザを負傷し、復帰まで1か月以上かかることが確実になった。昨日のB.J.ラジに続くショックだ。ILBブラッド・ジョーンズ(太もも)も休んでいるが、こちらは開幕戦に間に合う見通し。CBケイシー・ヘイワード(ハムストリング)は練習に復帰している。
第1次ロースターカット(75人)の期日より2日早く、パッカーズは以下の7選手の解雇を発表した。順当な顔ぶれの中で、WRクリス・ハーパーがやや意外なところ。キャンプイン時は5番手争いの筆頭格だったが、キャンプが進むにつれ順位がどんどん下がっていた。ただ、彼ら解雇選手はプラクティス・スクワッド(以下PS)に戻ってくる可能性がある。
これでパッカーズのロースターは81人となり、26日午後4時(東部時間)の期日までにあと6人減らす必要がある。大ケガでシーズン終了が決まっているNTラジ、RTバークレー、WRアブレデリスの3人をインジャリーリザーブに入れるとすれば、解雇はあと3人となる。(最終ロースターカットは8月30日)
Packers 2014 Roster Cuts | ||||
---|---|---|---|---|
Pos. | Name | College | Exp. | 備考 |
QB | Chase Rettig | Boston College | R | PSに残す価値があるとも思えない |
FB | Ina Liaina | San Jose State | 1 | PSに戻ってくる可能性あり |
WR | Chris Harper | Kansas State | 2 | 期待の2年目もキャンプでは期待外れ |
WR | Gerrard Sheppard | Towson | 1 | キャンプ途中での加入 |
ILB | Korey Jones | Wyoming | 1 | プレシーズンの出来が悪かった |
CB | Antonio Dennard | Langston | 1 | CB陣の層が厚すぎ |
S | Charles Clay | Hawai’i | R | 例年より控えS陣のレベルが高かった |
レイダーズ戦で負傷したNT B.J.ラジは右上腕二頭筋の断裂と判明。詳しい検査の結果、今季はもうプレーできないことが確認された。今夏はこれまで大きなケガが先発組を避けてくれていたが、ついに主力の1人が重傷を負ってしまった。重量級DLを並べた昨季のディフェンスからクイックネス重視に転換した今季だったが、その戦略も頓挫することになる。本人としてはパッカーズとの1年契約で頑張って来年またFA市場で勝負したいところだった。
FA加入したルトロイ・ガイオン(ハムストリング)がキャンプを全休中、2年目のジョシュ・ボイドと新人マイク・ペネルはまだフルタイムのスターターを任せるには未熟すぎる。となれば、あらたなノーズタックル候補を外部に求めなければならないはず。FAとなったまま浪人中のライアン・ピケットを呼び戻すべき、という声は当然多いが、ESPNのロブ・デモスキー記者は、「パッカーズにとってピケットは後任候補のリスト上位にはない。チームは速いフロントラインを望んでいるが、彼は年老い、遅い」と書いている。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Raiders (1-2) | 7 | 0 | 0 | 14 | 21 |
Packers (2-1) | 8 | 14 | 3 | 6 | 31 |
パッカーズは今季初めてのホームゲーム。天気は曇り、気温は26℃。パッカーズは序盤から攻守にレイダーズを圧倒し、先発オフェンスは前半だけで3TDを挙げ、ディフェンスも最初のロングTDランのあとはシャットアウトに成功。最終盤のガーベッジタイムに2TDを許しただけだった。この日は試合前にも試合中にも、球場全体でSチャールズ・ウッドソンを顕彰する機会があった。
◆ ◆ ◆
主力RBトリオは前半だけでラン78yds、パスキャッチ74ydsの大活躍で勝利に貢献。QBロジャースは成功率こそ低かったがTDドライブを3回成功させた。今回の2番手QB争いはスコット・トルジーンに軍配。WRよりもRBとTEへのパス成功の多いゲームだった。3rdダウンとレッドゾーン成功率の高さが勝利につながった。
先発ディフェンスは第1シリーズでミスタックルからロングTDランを許したものの、その後は4シリーズ連続で3&アウトに抑える素晴らしい働き。中でもOLBジュリアス・ペッパーズ(1サック・2ロスタックル)とCBデヴォン・ハウス(パスブレークアップ3回)の活躍が目立った。
先週に続き、反則(11回)が多かったのが反省材料。タッチダウン後はすべて2ポイントコンバージョン(2回成功2回失敗)を敢行したため、KクロスビーはPATを蹴る機会なし。Sハイドがパントをマフしている。
ケガ人は、途中退場したNT B.J.ラジ(右上腕)の状態が心配なところ。ILBブラッド・ジョーンズも脚のどこかを痛めたかもしれない。そのほかOGアンドリュー・ティラーがヒザか足首を痛めて退場している。
Final Team Statistics | ||
---|---|---|
Packers | Raiders | |
Points | 31 | 21 |
Total Yards | 392yds | 311yds |
First Downs | 24回(ラン8・パス12・反則4) | 18回(ラン3・パス12・反則3) |
Rushing | 115yds(37回・平均3.1) | 77yds(17回・平均4.5) |
Passing | 283yds(21/41・3TD・0INT) | 272yds(23/44・2TD・0INT) |
Sacked | 2回6yds | 3回38yds |
Passer Rating | 87.8 | 86.6 |
3rd Down Efficiency | 9/19 (47%) | 4/14 (29%) |
Turnovers | 1回 (INT1/FUM0) | 2回 (INT0/FUM2) |
Field Position | 自陣26yds | 自陣36yds |
Punt | 6回42.8yds(ネット41.7yds) | 7回45.6yds(ネット40.1yds) |
Kickoff Return | 3回平均25.7yds | 2回平均21.0yds |
Punt Return | 3回平均6.0yds | 4回平均1.8yds |
Field Goals | 1/2 | 0/0 |
Penalty | 11回109yds | 9回84yds |
Time of Possession | 34分48秒 | 25分12秒 |
オフェンスの犯したターンオーバーは1回。
ディフェンスの奪ったターンオーバーは2回。
QB3人の合計は21/41・283ydsでレーティング87.8。
チームラッシングは37回115yds(平均3.1)、1TD。
WR/TE陣は以下のとおり。RBやTEへのパス成功が多く、成功21回のうちWR陣はわずか7回だけだった。
先発OL陣はLTバクティアリ、LGシットン、Cトレッター、RGラング、RTブラガ。
パス守備はQB2人を相手に23/44、272yds、2TD、0INTのレーティング86.6。
ラン守備は17回77yds(平均4.5)・1TD。
ディフェンシブライン
ラインバッカー
ディフェンシブバック
スペシャルチーム
反則は11回109ydsと非常に多かった。レイダーズの反則は9回84yds。
ケガ人
その他
試合前日なので、ノーパッドで58分間の練習。速いテンポでキビキビとした内容だった。試合前日の練習が公開されるのはこれが初めてのことだ。
この日は2時間16分の熱のこもったフルパッド練習。明日は練習が休みだが、通常のミーティングやフィルム・スタディ、ウォークスルーなどは行われる。
今夏初めて、雨のため練習が屋内練習場に移された。ノーパッドで1時間29分と軽め。メディアは開始から20分間待たされてから入場が許可されている。
チームは先週金曜朝にセント・ノーバート大学の学生寮を引き払い、今週から自宅通勤となっている。練習が続くとはいっても気分的にはこれでキャンプ打ち上げ。今後の練習スケジュールはシーズン中とほぼ同じで、公開練習はこの日を含めて5回を残すのみ。なお先日書いた通り、試合前日に通常練習を行うことが今季の特徴となっている。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Packers (1-1) | 7 | 3 | 8 | 3 | 21 |
Rams (0-2) | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 |
2年連続のエドワード・ジョーンズ・ドーム。パッカーズはQBロジャース、RBレイシー、WRネルソンをふくめて主力が全員プレーし、先発組の多くが2シリーズ出場した。ラムズではQBサム・ブラッドフォード(ヒザACL)が300日ぶりの実戦出場。
パッカーズはQBロジャース率いる1stチームオフェンスが、2シリーズともノーハドルでロングドライブを成功させて10得点。ディフェンスは2シリーズ目にTDパスを許した。控え同士の戦いになるとやや貧攻戦の様相となったが、パッカーズはQBフリンからWRジャニスへのTDパスなどでリードを広げ、ディフェンスは7サックを挙げる活躍で追い上げを許さなかった。
◆ ◆ ◆
今夏初出場のQBロジャースは非常にキレのよい内容で、今すぐでもシーズンに入れそう。RBレイシーも同様。強力DL相手で注目された新先発Cトレッターだが、今回も問題なく試合を終えることができた。第3Qには、こちらも初出場の7巡指名WRジェフ・ジャニスがいきなり34ydsのタッチダウンを決めている。2ndチームのOTシェロッドはパスプロ不振で、控えQBたちの足を引っ張る結果に。RBハリスは走りこそよかったが痛いファンブルロスト。
試合終盤、ドラフト外ルーキーのOLBジェイローム・エリオットが立て続けに3サックを決める大活躍。DTマイク・ペネルも先週に続いてよい内容だった。
両軍とも非常に反則が多く、計22回もイエローフラッグが乱れ飛んでいる。今年から厳しくなったパスカバレッジの反則にくわえ、攻守ラインマンによるイリーガルユースオブハンド・トゥ・ザ・フェイス、スペシャルチームでのホールディングが目立つ。パッカーズはTDパス2回とインターセプトを反則でフイにした。
ケガによる途中退場はTEブランドン・ボスティックだけ。「下肢を負傷」とだけで詳しい場所はわからない。
Final Team Statistics | ||
---|---|---|
Packers | Rams | |
Points | 21 | 7 |
Total Yards | 386yds | 216yds |
First Downs | 22回(ラン6・パス12・反則4) | 17回(ラン2・パス11・反則4) |
Rushing | 125yds(30回・平均4.2) | 78yds(27回・平均2.9) |
Passing | 279yds(23/31・2TD・0INT) | 187yds(16/28・1TD・0INT) |
Sacked | 3回18yds | 7回49yds |
Passer Rating | 122.9 | 89.4 |
3rd Down Efficiency | 4/12 (33%) | 3/14 (21%) |
Turnovers | 1回 (INT0/FUM1) | 0回 (INT0/FUM0) |
Field Position | 自陣23yds | 自陣24yds |
Punt | 5回47.8yds(ネット49.4yds) | 8回44.1yds(ネット43.0yds) |
Kickoff Return | 2回平均18.0yds | 5回平均27.0yds |
Punt Return | 3回平均3.0yds | 2回平均-4.0yds |
Field Goals | 2/2 | 0/0 |
Penalty | 12回95yds | 10回76yds |
Time of Possession | 27分20秒 | 32分40秒 |
オフェンスの犯したターンオーバーは1回。
ディフェンスの奪ったターンオーバーはゼロ。SバンジョーのインターセプトがDLの反則で取り消されたのが残念。
QB3人の合計は23/31・279ydsでレーティング122.9。
チームラッシングは30回125yds(平均4.2)。
WR/TE陣は以下のとおり。
先発OL陣はLTバクティアリ、LGシットン、Cトレッター、RGラング、RTブラガ。
パス守備はQB4人を相手に16/28、187yds、1TD、0INTのレーティング89.4。先発QBブラッドフォードに127.4を許している。その他は80以下。
ラン守備は27回78yds(平均2.9)。とくに1stチームディフェンスがよく、2シリーズで6回6ydsとシャットアウトできた。試合を通して、ランによる1stダウンが2回だけだった。
ディフェンシブライン
ラインバッカー
ディフェンシブバック
スペシャルチーム
反則は12回95ydsもあった。ラムズの反則は10回76yds。
ケガ人
その他
今夏最大の乱闘騒ぎが勃発。ハーフラインドリルの際にILBラティモアとLGシットンが乱闘となり、オフェンスとディフェンスが全員飛び出しての大騒ぎになった。それだけでは終わらず、キャンペンOLコーチとモスLBコーチが顔を突き合わせるように怒鳴り合っていた。こんなのは初めて見た、と記者たち。その後も、NTラジ対Cリンズリー、WRジャニス対CBデナード、CBブッシュ対RGラング、WRシェパード対Sリチャードソンと、小競り合いが繰り返された。
明日は休養日、明後日は軽い非公開練習。ラムズ戦後の休養日をはさみ、次の公開練習は18日(月)となる。
この日の練習終了後、DEジェレル・ウォージーをペイトリオッツへトレードすることがあきらかになった。関係筋によると、代償は「ロースター入りした場合のみ7巡」というごく安いもの。腰のケガを抱えているので、フィジカル不合格となってトレード不成立に終わる可能性もある(ただ診断基準は臨機応変なもので、かならずしも100%健康体である必要はない)。元2巡指名としてはバストと言わざるをえず、開幕ロースター入りが難しくなっていたので、わずかでも見返りが手に入るならパッカーズとしてはありがたいところ。
インサイドのパスラッシュ強化のため、ミシガン州立大から2012年ドラフト2巡で指名されたウォージーだったが、ルーキーシーズンの働きは芳しくなく(ProFootballFocusの採点では-14.8)、しかも最終週にヒザ前十字靭帯を断裂。2年目の昨季はシーズン半ば過ぎに復帰したものの、6試合のうち出場は2試合、わずか11スナップにとどまった。今年は勝負の3年目だったが、キャンプ直前に腰を痛め、これまで練習を全休している。チームの中核選手へと成長した同期4巡のDEダニエルズとは対照的な結果だ。
◆ ◆ ◆
この日は半月ぶりのノーパッド練習で、コンタクトの少ない練習となった。WRネルソン、DEボイド、Sタナー・ミラーの3人が復帰している。夜のうちにかなりの雨が降ったが、なんとか屋外で公開練習を行うことができた。正午の気温はなんと16℃。スタンドのファンもみな長袖だった。
休養日明けの月曜は非公開練習だが、記者たちには公開された。場所はいつものレイ・ニチキ・フィールドで、南北の道路側には目隠しのため緑のシートが張られている(写真)。1時間55分の短い練習だった。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Packers (0-1) | 7 | 0 | 6 | 3 | 16 |
Titans (1-0) | 6 | 0 | 7 | 7 | 20 |
LPフィールドはたいへんな大雨となり、第2Qの一部を除いて強い雨がずっと降り続いた。パッカーズはQBロジャース、RBレイシー、WRネルソンの3人を温存し、QBフリンが先発出場。ガラガラのスタンドにはパッカーズファンが目立ち、後半には"Go Pack Go"のチャントも聞こえてきた。
パッカーズは先発組がランで先制タッチダウンを挙げたものの、新人WRアダムズがパントをファンブルロストして流れを手放してしまう。前半のほとんどを担当したQBフリンはパスわずか49ydsの不振で追加点を挙げられない。第3Qには両軍がタッチダウンを挙げて同点で最終Qへ。2つのターンオーバーを奪いながら3点止まりだったパッカーズに対し、タイタンズはロングパスなどで逆転TDドライブを成功させた。
◆ ◆ ◆
パス攻撃ではQBトルジーン(レーティング100.7)が好調。いっぽうQBフリン(64.2)とQBチェイス・レティグ(43.8)は不振だった。ラン攻撃ではRBスタークス(6回49yds)とRBラジオン・ニール(5回39yds)がよい活躍を見せている。新先発Cトレッターはラン・パスとも安定したプレーを見せて合格点。
1巡指名Sクリントン=ディクスは良いプレーも悪いプレーもあった。CBブッシュはパスカバレッジとブリッツで好プレー。スペシャルチームでは2巡指名WRアダムズがパントリターナーで2回もマフ(うち1回ロスト)する大失態で敗因の1つに。この天候のせいで、両軍ともリターナーのキャッチミスは多かった。
ケガによる途中退場はILBジョー・トーマス(ヒザ)とRBラジオン・ニール(ヒザ)のみ。さいわい主力にケガはなかったようだ。
Final Team Statistics | ||
---|---|---|
Packers | Titans | |
Points | 16 | 20 |
Total Yards | 294yds | 267yds |
First Downs | 19回(ラン8・パス9・反則2) | 17回(ラン6・パス8・反則3) |
Rushing | 146yds(35回・平均4.2) | 105yds(32回・平均3.3) |
Passing | 183yds(14/25・0TD・0INT) | 186yds(15/24・1TD・1INT) |
Sacked | 4回35yds | 2回24yds |
Passer Rating | 79.3 | 83.0 |
3rd Down Efficiency | 4/12 (33%) | 6/13 (46%) |
Turnovers | 1回 (INT0/FUM1) | 2回 (INT1/FUM1) |
Field Position | 自陣34yds | 自陣26yds |
Punt | 5回39.0yds(ネット35.0yds) | 6回39.2yds(ネット37.8yds) |
Kickoff Return | 4回平均27.0yds | 1回13.0yds |
Punt Return | 3回平均2.7yds | 0回 |
Field Goals | 1/1 | 0/0 |
Penalty | 6回62yds | 4回56yds |
Time of Possession | 29分22秒 | 30分38秒 |
オフェンスの犯したターンオーバーは1回。
ディフェンスの奪ったターンオーバーは2回。
QBロジャースは欠場。QB3人の合計は14/25、183ydsでレーティング79.3。
チームラッシングは35回146yds(平均4.2)、2TD。
WR/TE陣は以下のとおり。
先発OL陣はLTバクティアリ、LGシットン、Cトレッター、RGラング、RTブラガ。Cトレッターを除き、1シリーズだけで退いた。
パス守備はQB3人を相手に15/24、186yds、1TD、1INTのレーティング83.0。
ラン守備は32回105yds(平均3.3)・2TD。最長は第1Qの13ydsTDランだった。左へオーバーパスートしたILBジョーンズのミスか。
ディフェンシブライン
ラインバッカー
ディフェンシブバック
スペシャルチーム
反則は6回62yds。タイタンズの反則は4回56yds。
ケガ人
その他
気温が高かったためか、マッカーシーHCは最後の3ピリオドを行わず、2時間12分で練習を切り上げた。これで今週の公開練習は終了。木曜は休養日、金曜は非公開練習、そして土曜にプレシーズン初戦を迎える。
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レギュラーシーズンの試合前2日間の練習スケジュールに関して、マッカーシーHCとトレーニングスタッフは大きな変更を決定した。これまでは金曜に通常練習を行い、試合前日の土曜はジョグ・スルーだけ。今年はこの2日間を入れ替え、金曜にジョグ・スルー、土曜に短いながらも通常の練習を行うことになった。GPS等を用いた近年のさまざまな研究にもとづき、ケガの防止とパフォーマンス向上をめざしたものだ。
その根拠は、試合前日にジョグ・スルーを行うとゆっくり動くことに体を慣らさせてしまい、試合でフルスピードで動くのにマイナスの効果をおよぼす、つまり練習の効果を減らすことになってしまう、という考え方らしい。
昨年はイーグルスのチップ・ケリー新HCが伝統的な練習スケジュールに変革を行い、月曜を全休日(他球団は火曜)、火水木と練習、金曜にジョグ・スルー、土曜に短い通常練習、とした。パッカーズのスケジュール変更はそれに続くものになる。
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今夏もっとも短い1時間41分の練習。オフェンスおよびディフェンスのインストールのフェーズは前日で終了し、今日からはシーズン中に近い練習フォーマットになったらしい。主力同士のコンペティティブなチーム・ドリルはほとんどなくなり、次の対戦相手を模したスカウトチーム相手の練習が主体となる。
負傷退場したRTドン・バークレーは前十字靭帯断裂であることが、練習後まもなくあきらかになった。WRアブレデリスにつづくシーズンエンドだが、チームへの影響はずっと大きい。センター以外4ポジションの控えを兼ねる、事実上「6人目のスターター」だったからだ。実戦ではふつう7人しかOLをアクティブ登録しないが、それが容易なのは彼がいてくれるから。いなくなればOTシェロッド、OGレーン・テイラー、Cリンズリーの3人が必要になってしまう。今後はCリンズリーがガードの練習もするのだろうか。
今日は今キャンプで唯一、夕方5時半からの練習。理由はよくわからないが、家族と過ごす自由時間(1日半)を設けたのだろうか。ファミリーナイトで途中退場したNT B.J.ラジ(足首)が元気に練習参加し、これまで休んでいた7巡指名WRジェフ・ジャニス(帯状疱疹)も初参加している。
パッカーズは月曜昼に記者会見を行い、来年7月18日にブレット・ファーヴがパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りすること、その際に永久欠番セレモニーも行うことを発表した。ファーヴ本人は電話での参加だったが、この会見にはマーフィ社長、ハーラン名誉会長、トンプソンGM、マッカーシーHCも出席。球団が一致してファーヴを歓迎することを、形の上でも表している。なお現在HOFは移転・拡張工事中で、ファーヴは完成後最初の殿堂入りとなる。
通常パッカーズHOF入りは1月後半に発表されるが、今回は半年ちかく前倒しとなった。ここ数年ずっと球団との関係修復が取り沙汰されてきただけに、そうした論議に早く決着をつけてすっきりさせたい、という考えで両者が一致したのかもしれない。なおファーヴは先日のコメントで、最近パッカーズとの間を取り持ってくれたのがボブ・ハーラン名誉会長であることをあきらかにしたばかり。
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会見の最初はパッカーズHOF(球団からは独立した組織)のペリー・キダー社長。選考委員会による全員一致の選出であること、単独で殿堂入りするのはわずか6人目であること(例年は2人か3人同時に行う)、チケットの発売は年明け以降であることなどを説明した。
続いてマーフィ社長がファーヴの功績を賞賛。また、今回のことを実現したのはハーラン名誉会長のおかげであると感謝の言葉を述べた。7月のセレモニーだけでなく、来年のレギュラーシーズンゲームで序幕式を行い(北側スコアボード下のこれ)、それにはファーヴだけでなく家族も出席する(ふつうそれが永久欠番セレモニーだと思われていたのだが)。パッカーズHOF入りセレモニーは毎年アトリウムにてバンケット形式(写真)で行われているが、今回はファンを収容しきれないのでスタジアムのスタンドを使うことも示唆している。
そしてもっとも古い付き合いであるハーラン名誉会長が登場。自分がパッカーズに来た70年代から80年代がいかに苦しかったか、それがウルフGMとホルムグレンHCとファーヴが来たことですべてが変わった、と振り返っている。 「旧友を再び迎えられるのは素晴らしいことだ」との結びの言葉を受け、ファーヴ本人が電話で登場となった。例によって話がダラダラと長いので、要点だけかいつまんで。(声明と質疑応答で28分もあった)
第14回パッカーズ・ファミリー・ナイトが開催され、過去最高となる67,336人ものファンがランボーフィールドに集まった。天気は快晴、午後7時で気温25℃。昨年までの試合形式と違い通常練習にすぎないので、いまひとつ盛り上がりに欠けた観は否めない。
このイベントは公式戦とくらべるとやはり家族連れが目立つ。たとえば家族4人で公式戦に来ると(シーズンチケットホルダーでないかぎり)$800ドルや$1000ドルはかかってしまうが、チケット$10ドルのファミリーナイトなら、食事や駐車場代を入れても4人で$100ドル前後。「たかが練習を金出して観に行くのか」という声もあるが、夏休みに家族でスタジアムの雰囲気を楽しむにはちょうどいい。ただスクリメージ練習でなくなったことが商品価値をどのくらい下げたのか、球団としては観客の感想が気になるところだろう。
5巡指名のWRジャレッド・アブレデリスはヒザ前十字靭帯断裂の大ケガであることがあきらかになった。現在はさらなる検査で確かめているところだが、確定した場合は再建手術を受け、来季の復活に向けて長いリハビリ生活をすることになる。
3日連続のフルパッド練習だからか、この日の練習は2時間11分の短いものになった。過去2日は15ピリオドと17ピリオドだったが、今日の練習は12ピリオドだけ(その日の練習予定表がメディアに配られるらしい)。朝8時20分からの練習はこの日が最後となり、来週からは昼前後からの練習開始が多くなる。
リロイ・バトラーが初ランボーリープ
昨日のOLBニールに続き、OLBニック・ペリー(足/ヒザ)も練習に復帰。昨日負傷したSバーネット(足首)はやはり休んでいる。この日の練習は2時間31分。
筋肉自慢でおなじみのエド・ホーキュリ主審ひきいるチームがキャンプを訪れ、練習フィールドでの審判を担当。ふだんは高校の審判にお願いしている。毎年こうしてNFLの正規審判団が全球団のキャンプを回り、今年のルール改正や判定基準の変更について、選手たちにレクチャーすることになっている。今回のチームは今週土曜のファミリーナイトでも審判を担当する。