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2014年7月31日
休養日が終わり、今夏2回目のフルパッド練習。OLBマイク・ニール(腹部)がPUPリストから外れて初参加したが、Sモーガン・バーネットが足首を痛めて途中で退いている。
- 昨日レイヴンズから解雇されたWRジェラード・シェパード Gerrard Sheppard をウェイバーで獲得し、これでロースターがぴったり90人となった。コネチカット大からFCSのタウソン大に転校した選手。昨年ドラフト外でレイヴンズに入団し、プラクティス・スクワッドでシーズンを過ごした。身長6-2(188cm)、体重211ポンド(96kg)のサイズがある。
- ファンが写した番記者たちの様子。パッカーズの地元メディアは質・量ともに素晴らしく、選手たちの一挙手一投足を事細かにツイートや報道してくれるのでありがたい。
- オフェンス
- この日も練習の初めはオフェンス選手が屋内練習場に。
- 珍しくQBアーロン・ロジャースにパスミスが多かった。それでも最後の2ミニッツ練習(今キャンプ初)では、4thダウンでTEボスティックに1ydのTDパスを通している。
- QBスコット・トルジーンはレッドゾーンドリルであわやインターセプトのパスミスをしたり、ポケットでなぜかボールを落としたり。 「ここまでの4日間ではあきらかにQBマット・フリンに軍配」とPress-Gazette紙。
- 2TEではなく3WR・1TE隊形になるとTEブランドン・ボスティックが1stチームに入るパターンが多い。「彼はより大きく、より強くなっている。ただ健康でい続ける必要があるだけだ。彼の成長を我々は喜んでいる。今日も素晴らしいキャッチがあった。ランブロッキングは向上させなければならないが、その能力はある」とマッカーシーHC。
- 5巡指名WRジャレッド・アブレデリスはCBブッシュ相手の1on1ドリルでシャープな動きを連発した。
- レッドゾーン・ドリルでの5WR隊形の顔ぶれは、ネルソン、コブ、ボイキン、2巡指名アダムズ、クリス・ハーパー。
- レッドゾーン・ドリルでRBエディー・レイシーがアウトサイドのランで12ydsのタッチダウン。ある記者によると、「今夏初めての2バックセットかも」とのこと。
- RBドゥワン・ハリスの役どころについて聞かれたマッカーシーHC。「RBたちはすべて3ダウン・プレーヤーとなるよう鍛えている。RBを交代させるとき、この選手はあれができないこれができない、ということでは困るから」
- RG T.J.ラング(肩)は引き続き制限付き。ただしコンタクトありの個人ドリルや、チームドリルにも一部参加するようになった。ドン・バークレーは1stチームの代役右ガードだが、2ndチームの右タックルもプレーしている。
- C J.C.トレッターについてマッカーシーHC。 「常にミスなしでいけるわけではない。それだけに、彼は練習でたくさんのスナップ数をこなすことが必要だ。頭脳面について言えば、彼ほどよく準備ができている選手は他にいないはずだ」
- 5巡指名Cコーリー・リンズリーは、DEボイド、DEジョーンズら相手のパスラッシュドリルで3連勝。2日間で5勝0敗。 「すごく感心しているよ。とても嗅覚に優れているようだ。前にいる敵が離れていったときの目の動かし方とか、そういった細かい部分がいい。力もしっかりある。よいプレーヤーだ」とLGシットン。
- ディフェンス
- 1stチームディフェンスの顔ぶれは基本的にこれまでと変わりなし。ただしSモーガン・バーネットが足首をひねり、、練習後半は見学に回った。
- Sバーネットが退いた後の1stチームにはSクリントン=ディクスとSハイド。この組み合わせは初めてだ。また、この日はSバンジョーに代わってSショーン・リチャードソンが2ndチームに入った。
- Sハハ・クリントン=ディクスはWRコブの弾いたパス(ビハインドだった)をキャッチできず、初INTのチャンスを逃した。
- CBデヴォン・ハウスは好調なプレーを続けていて、この日はQBロジャースからWRネルソンへのバックショルダーをブレークアップする好カバレッジもあった。 「オフシーズンから続いているのだが、今年は彼にとってプロ入りして以来最高の年だ。一昨年は先発争いをリードしながら、プレシーズンのSD戦で不運なケガを負った。入団したときは粗削りだったが、順当に進歩してきた」とマッカーシーHC。
- ジョシュ・ボイドが1stチームのノーズタックルに入る場面あり。
- NT B.J.ラジは1on1のランブロックドリルでCトレッターとCリンズリー相手に連勝するなど今日も好調。 「彼は素晴らしい体ができている。キャンプイン時の体調と体重に、トレーニングスタッフはとても喜んでいた。役割が変わったこともB.J.の助けになっている。彼にとってより自然な仕事だ」とマッカーシーHC。
- パスラッシュドリルでDEマイク・ダニエルズは控えOL陣相手に3連勝。先発組でないと相手にならない。
- 今年さらに減量したOLBマイク・ニールは、昨年と違い、パスシチュエーションでDTとしてラッシュする仕事はなくなるらしい。この日のパスラッシュドリルでも、ブルラッシュよりスピードで勝負していた。
- ダイム隊形(1ILB)ではILBホークが退きILBブラッド・ジョーンズがフィールドに残っている。
- 2年目のILBサム・バーリントンはフルパッド練習になって存在感を増している。
- スペシャルチーム
- キックオフカバレッジの1stチームはルーキーなし。TEテイラー、RBハリス、ILBラティモア、OLBパーマー、CBシールズ、CBヘイワード、CBブッシュ、CBハウス、Sバンジョー、Sリチャードソン、Kクロスビー。
- 2ndチームではPティム・マステイもキックオフを蹴っている。飛距離そのものはKクロスビーを上回るので昨季前半は彼が担当していたが、第8週MIN戦で新人WRパターソンにリターンTDを喰らって以降はKクロスビーが専任に。
- パントカバレッジの1stチームは、CBブッシュ、CBハウス(この2人がガンナー)、RBスタークス、TEボスティック、OLBパーマー、ILBラティモア、ILBジョーンズ、Sクリントン=ディクス、Sハイド、LSグード、Pマステイ。
- ガンナーの2ndチームはWRドーシーとCBヘイワード。
- WRマイルズ・ホワイトはパントを3回もマフ。ようやくキャッチに成功したときは、スタンドから皮肉めいた歓声が上がった。
- ケガ人情報
- Sモーガン・バーネットが足首をひねり、練習後半は見学した。ただ、足首をアイスパックで冷やしたりすることもなく見学していたので、重いものではなさそう。
- ドラフト外ルーキーのSタナー・ミラーも足首を痛めて途中退場。
- OLBマイク・ニールは腹部のケガが回復し、PUPリストから出て練習にフル参加。2011年から昨年までは、「PUP明けの2日間はフルパッド練習できない」という規定があったが、今年はNFLと選手会が合意して規定を撤廃している。
- 2日間休んだILBジャマリ・ラティモア(胃)も練習に復帰。
- その他の見学組4人は変わりなし。WRジャニス(体調不良)、DEウォージー(腰)、DTガイオン(ハムストリング)、OLBペリー(足/ヒザ)。
- WRジェフ・ジャニスの病気について聞かれたマッカーシーHCは詳述を避けた。「私には説明できない。復帰はさほど遠くないと思うが」
- DEジェレル・ウォージーは、5月にウェイトトレーニング中に腰を負傷して手術を受けたとのこと。「感じはいいよ。走ったりウェイトを挙げたりするのはできてるし、元の自分に戻ってきている感じ。復帰時期は球団側の判断しだい。明日かもしれないし来週かもしれない」と本人。
- キャンプ練習ではどこを見ているか、という質問にトンプソンGM。 「チームのすべてをつかもうとしている。一度にすべてやろうとしてもダメだから、毎日いくつかのグループ(ポジション)に注目し、3日か4日ですべてのグループを消化することにしている」
- 元RBジョナサン・フランクリンは今日もフィールドに姿を現している。
- RBエディー・レイシーがスポーツ・イラストレイテッド誌のファンタジー特集号の表紙に(写真)。4つの地域で異なる選手になっているうちの1つ。
パッカーズがテッド・トンプソンGMとの複数年の契約延長を発表した。年数も金額もあきらかにされていない。また選手の場合と違い、数日後に詳しい契約内容がわかるということもない。前回2011年には年平均$2.5ミリオン(これも正確なところはわからない)の5年契約をむすび、契約があと2年残っていた。すでに就任10年目で61歳という年齢にくわえ、今春はリーグの会合を欠席したことから(理由は明かされずじまいだったが、病気を疑うのは当然)、「引退のときも遠くないのでは」という憶測が出始めていた。
トンプソンGMのキャリアについては人物紹介ページを参照。2008年、2011年とマッカーシーHCとぴったり足並みを揃えて契約延長を重ねており、今日の会見でも「つぎはマイク・マッカーシーHCとの再契約が優先事項だ」と明言している。なお、パッカーズは指揮系統がシンプルで、ヘッドコーチの任免はGMに全権、GMの任免は社長に全権がある。
引退時期について聞かれたトンプソンGM。 「さんざん質問されてきたが、引退のことは考えてもいない。いつまで続けるかは、自然な成り行きに任せるつもりだ。何歳まであと何年やる、と決めている人たちもいるが、こういうことは人それぞれだ。人生の終盤にさしかかってから良い仕事をする人もたくさんいるようだし。私は仕事を楽しんでいる。とても元気が出ているよ」
「私はスカウトだ。それが仕事であり、とても楽しんでいる。ダイヤモンドを探し、商売敵の上を行こうといつも考えている。だから今でもスカウティングしているんだ」
2014年7月30日
先日WRジョーディ・ネルソンがサインした契約は下表のように判明した。契約ボーナス$11.5ミリオンをふくむ総額$42.55ミリオンの5年契約。大幅ディスカウントとは言わないが、昨季1314ydsレセプションを記録した力からすれば、年平均$8.51ミリオンは決して高くない(WRの契約ランキング)。今年のキャップナンバーは$5.925ミリオンとなり、契約前の$4.375ミリオンから$1.55ミリオン増えただけだ。
ベースサラリーは最初の3年間が低く抑えられ、4年目の2017年(32歳)に跳ね上がるバックロード型となっている。そのころ力が衰えてきていたら、契約の見直しあるいは解雇となるかもしれない。しかしキャップ枠が増えていく見通しであることを考えると、衰えが最小限なら契約満了までいってもおかしくはない。たとえば、今年のパッカーズはCBトラモン・ウィリアムズのキャップナンバー$9.5ミリオン(チーム3位)を受け入れいている。
パッカーズのキャップスペースは$13.6ミリオンほど残っていて、まだまだ主力級の選手と契約延長する余裕はある。今年使い切れなかったキャップスペースは来年に繰り越すこともできる。
Jordy Nelson's new contract |
Year |
契約ボーナス |
ロースターボーナス |
ベースサラリー |
ワークアウト |
出場ボーナス |
キャップナンバー |
キャッシュバリュー |
2014 |
(2,300,000) |
|
2,000,000 |
|
500,000 |
*5,925,000 |
14,250,000 |
2015 |
(2,300,000) |
|
1,300,000 |
500,000 |
500,000 |
4,600,000 |
2,300,000 |
2016 |
(2,300,000) |
|
5,500,000 |
500,000 |
500,000 |
8,800,000 |
6,500,000 |
2017 |
(2,300,000) |
|
8,250,000 |
500,000 |
500,000 |
11,550,000 |
9,250,000 |
2018 |
(2,300,000) |
|
9,250,000 |
500,000 |
500,000 |
12,550,000 |
10,250,000 |
計 |
11,500,000 |
|
|
|
|
|
42,550,000 |
- 契約ボーナス$11.5ミリオンは今すぐ受け取るボーナス。サラリーキャップ上は$2.3ミリオンずつ5年に分けて計上される。保証されているのはこれだけ。(メディアや代理人が話すときは1年目のサラリーも「保証」に加えてしまうが、厳密には違う)
- 今年のベースサラリーはもともとの$3.05ミリオンから$2ミリオンに減額。2年目の2014年がさらに安いのが興味深い。
- 1試合出場するごとに$31,250ドルのロースターボーナスが設定され、16試合すべて出場すれば$50万ドル。ケガのリスクを軽減するため、パッカーズは大型契約にこうした出場ボーナスを盛り込んでいる。ここでの「出場」の定義は、試合当日の46人ロースターに入ること。
- 「ワークアウトボーナス」とはオフシーズン練習の何%かに参加すればもらえるボーナス。これもパッカーズの中心選手の契約にはみな盛り込まれている。ワークアウトボーナス、出場ボーナスともCBシールズとまったく同額。
- ロースターボーナスはなし。
- *印をつけた今年のキャップナンバーには、前回契約の未償却分も含まれている。契約ボーナス$3.5ミリオンを4年で割った$87万5千ドル。そして、すでに完了したワークアウトボーナス$25万ドル。
- 「キャッシュバリュー」とは、その年に実際に支払われる金額。
2014年7月29日
さすがグリーンベイというべきか、朝8時20分の練習開始時は13℃と冷え込んでいる。キャンプは3日目となり、お待ちかねのフルパッド練習がスタートした。とくに攻守ラインマンにとってはこれからが本番。ハーフラインのラン練習(キャンプでもっともフィジカルな練習)や1on1のパスラッシュドリルの勝負に注目が集まった。ただし「ライブタックリング練習」ではないので、ボールキャリアーを地面に倒すまではしない。この日の練習は2時間26分だった。
キャンプ3日目を終え、現地火曜は休養日となる。選手たちは完全なオフとのこと。
- フルパッド初日を終えてマッカーシーHC。 「全体のエネルギーはよかった。まだインストール作業の途中で、今日の焦点は3rdダウンだった。プレッシャー練習は攻守どちらにとっても難しかったと思う。(選手について)学ぶにはよいフィルムが手に入った。いますぐ試合をするだけの準備はできていない」
- オフェンス
- この日も最初の10分間、オフェンスは屋内練習場だった。
- この日もチームドリルではRGラング(肩)に代わってドン・バークレーが右ガード。RGラングは見学に飽きたのか、ブリッツ練習で1プレーだけ飛び入りする場面があった。
- ノーハドル練習で、TEではアンドリュー・クウォレスが最初に1stチームに入った。
- 3巡指名TEリチャード・ロジャースはQBロジャースからの鋭いミドルパスをきれいにキャッチ。ミニキャンプから引き続いて高いキャッチング能力を見せている。「すごくいい手(キャッチ能力)をしているし、力強さがあって体でディフェンダーを押しのける感じ。すごく大きくて厚みがある。こちらはまるで壁にぶつかってるみたいで守るのは難しいよ」とSハイド。CBウィリアムズも、「彼みたいに下半身が分厚いTEは珍しい。それでいて上半身を見るとアスリートなんだ」と評している。
- TE陣についてマッカーシーHC。「まだ始まったばかりだ。パッドを着けた練習ではタイトエンドは大変になってくる。ハーフラインドリル(でのランブロッキング)は彼らにとって非常に重要になるだろう」
- WR対CBの1on1ドリルのビデオ映像。
- WRジャレット・ボイキンは昨季後半とおなじく安定感あるプレーを続け、3番手の座をキープ。ノーハドル練習だけでもQBロジャースから12yds(クロッシングルート)と26yds(右サイドライン際でバックショルダー)のパスをキャッチしている。
- ディフェンス
- この日のチーム・ドリルでは、DEダニエルズ、NTラジ、DEジョシュ・ボイド(昨年5巡)の3人が1stチーム。DEデイトン・ジョーンズを使うよりもラン守備寄りの布陣。
- OLBクレイ・マシューズがQBロジャースのハードカウントにつられて今キャンプ3回目のオフサイド。実戦では少ない選手だが。
- OLBジュリアス・ペッパーズがブルラッシュでLTシェロッドをアオテンに。
- OLBペッパーズが(これまでほとんどなかった)カバレッジに下がる動きについてマッカーシーHC。 「彼は非常にアスレチックだ。スペースでのプレーが非常によいことは驚くに値しない。彼のようにリーチの長い選手が守ると、投げるQBにとっては厄介だ。たしかに彼が移籍してきたのはQBにラッシュするためだが、ドロップバックした時のカバレッジ能力も高い。ボールスキルもまるでオフェンス選手のようだ」
- OLBの仕事についてペッパーズ本人。 「楽しんでるよ。これまでの仕事とは少し違っているけど。じっさい、毎回手をついて構えるよりも自分のスキルセットにフィットしていると思う。僕にとって新しいチャレンジだし、ペッパーズには無理だと思っている外部の人たちが間違っていたと証明するのが楽しみだ」
- 先日腹部を痛めて見学しているOLBマイク・ニールだが、オフシーズンの体作りはしっかりやってきた。DEだった一昨年は305ポンド、OLBにコンバートされた昨年は275ポンドでプレーし、今年はさらに絞って263ポンドだという。「特別なことをしたわけじゃない。たぶんこれがこの体の本来の姿なんだと思う。大学に入って以来最軽量だね。大学へ入った瞬間から、大きくならなきゃいけない、大きくならなきゃいけないって言われ通しだった」
- Sハハ・クリントン=ディクスは数スナップだけ1stチームに加わってSバーネットとコンビを組む場面あり。
- ダイム隊形ではセーフティの3人ともフィールドに入った。スロットにハイドとヘイワード、セーフティにバーネットとクリントン=ディクス。
- Sクリントン=ディクスがハイドの後塵を拝しているのは経験の差が大きい。とくにセーフティは複雑なパッカーズディフェンスをマスターするのに時間がかかるからだ。 「いちばん大事なのは、考えることなく速くプレーすること。考えているようでは、準備ができていないということ。僕はまだやるべきことが多い。まだ知らないことが多いから、そこを向上させていかないと」と本人。
- この日ディフェンス最高のプレーはSショーン・リチャードソンだった。ブリッツ練習でQBロジャースのパスをインターセプト。いちどはWRネルソンがワイドオープンに見えたが、完璧なタイミングでボールに届いた。また、ドラフト外のSタナー・ミラー(アイオワ大でハイドの後輩)も好プレーを見せていた。
- DEデイトン・ジョーンズはRGバークレーやTEボスティックにつっかかり、即座にマッカーシーHCにサイドラインへ下げられた。 「まあフットボールだからね。こういうものだ」とマッカーシーHC。
- 注目はOL対DL/LBのパスラッシュドリル。
- RTブラガはOLBマシューズとOLBペッパーズ相手に3戦3勝。ヒザ手術明けの最初の試練をクリアした。
- CトレッターはNTラジに2戦2敗の苦しいスタート。センターはふつう1on1にならないので気にしすぎる必要はないが。
- NTラジは前述のトレッター、それにOGアンドリュー・ティラー(昨季プラクティス・スクワッド)相手に合計3戦3勝と絶好調だった。彼は毎年このドリルの成績がいい。
- DEデイトン・ジョーンズは控えOL相手に3戦3勝。
- チームドリルでOLBペッパーズにアオテンされたLTシェロッドだが、パスラッシュドリルではOLBマシューズ含め2戦2勝。
- スペシャルチーム
- 全体練習開始の20分前からスペシャルチーム練習がスタート。今年スペシャルチームの早出・居残り練習が目立つのは、全体練習の密度を濃くするためだろうか。(ST練習の間、オフェンス/ディフェンスの主力選手はただ待つことになる)
- 今夏初めての本格的なキックオフリターン練習。リターナーはRBドゥワン・ハリス、RBラジオン・ニール、RBラダリアス・パーキンス、Sマイカ・ハイド、WRケヴィン・ドーシーの順番。
- キックオフリターンの1stチームの顔ぶれは、RBハリス(リターナー)、TEテイラー、DEダニエルズ、FBクーン、OLバークレー、OLBパーマー、WRドーシー、CBブッシュ、Sバンジョー、Sクリントン=ディクス。
- ケガ人情報
- 最初の3日間を大きなケガ人なしで終えることができた。
- 見学組は前日と変わりなし。WRジャニス(体調不良)、DEウォージー(腰)、DTガイオン(ハムストリング)、OLBペリー(足/ヒザ)、OLBニール(腹部)、ILBラティモア(胃)。
- RG T.J.ラング(肩)は前日とさほど変わらず。「(持病を抱える)彼とシットンについては、他の選手にもスナップ数を分配していくつもりだ。T.J.の肩について私は心配していない」とマッカーシーHC。
- 7巡指名WRジェフ・ジャニス(体調不良)は3日目にして初めてサイドラインに姿を見せた。DTルトロイ・ガイオン(ハムストリング)はパッドを着けて登場したが、練習には参加せず。
- 首のケガで引退を余儀なくされた元RBジョナサン・フランクリンがフィールドを訪れ(写真)、同期入団のRBレイシーたちと談笑ししていた。 「なんらかの役割で球団に関わってくれたら素晴らしい。そう望んでいるよ。今のところはとくにそういう話が進んでいるわけではないが」とマッカーシーHC。
2014年7月28日
キャンプ2日目は雨の予報があったため10分ほど早く始まったが、最後まで雨に降られることなく2時間37分の練習を行うことができた。
- 練習中の栄養補給タイムについてマッカーシーHC。 「もともと選手エリアのカフェテリアやウェイトルームに常備していたもので、それをフィールドに拡大しただけ」
- "Director of Performance Nutrition" としてアダム・コーザンを採用したことを球団が発表。パッカーズでは新しいポストで、日本語にするならスポーツ栄養学ディレクターという感じだろうか。コーザンは米国オリンピック委員会、米国スキー&スノーボード協会で働いたあと、2012年からオレゴン大体育局の同ディレクターを勤めていた。NBAのクリーヴランド・キャヴス、MLBのクリーヴランド・インディアンズでコンサルタントをしたことも。
- 子供たちの自転車で練習フィールドに出勤する選手たちだが、子供を横に乗せるサイドカー型のようなものが登場している(写真)。この日曜だけの企画かもしれない。
- オフェンス
- 初日に続き、練習最初の15分ほどはオフェンスだけ屋内練習場で練習していた。新しいプレーのインストールだろう。
- 最後のノーハドル練習では、昨日とちがってQBスコット・トルジーンが2ndチームを率いた(フリンと1日おきか?)。TEボスティックへの好パスで1stダウンを取ったが、WRアブレデリスへの横パスをSクリントン=ディクスにショートゲインで止められ、最後はパス失敗で得点ならず。
- QBトルジーンについてマッカーシーHC。「昨年のスコットは(開幕前の加入で)このオフェンスをすべて学ぶチャンスがなかった。今年はオフシーズン練習をすべてこなし、その成果はフィールドに表れている」
- QBマット・フリンはやや不調で、パスミスが何度もあった。
- ドラフト外のQBチェイス・レティグはまだチームドリルでの出番なし。
- CBヘイワードにしっかりカバーされながら、QBロジャースから2巡指名WRダヴァンテ・アダムズへと左サイドライン際のアウト・ルートでパス成功。
- ウィスコンシン大出身の5巡指名WRジャレッド・アブレデリスがゴー・ルート(つまり縦一直線)でCBウィリアムズを抜いてQBフリンからのロングパスをキャッチすると、観客席からこの日最大の歓声があがった。
- 最初の2日間、オフェンスはアンドリュー・クウォレスと3巡指名リチャード・ロジャースを使ったダブルTE隊形を多用している。彼らを両方スプリット・アウトさせる珍しい隊形もあった。TEロジャースはクロッシング・ルートでQBロジャースからのナイスパスをキャッチ。練習最後のノーハドル練習でも彼らコンビが最初に1stチームに入った。
- TEクウォレスについてマッカーシーHC。「彼はオフシーズン練習をずいぶん休んだ。まだ本来の脚が戻ってくる途上だ」
- いっぽうTEブランドン・ボスティックも1stチームでの出番は多く、QBロジャースからのナイスパスキャッチあり。TE陣の先発争いは予想がつかない。
- TEコルト・ライエラは昨日の2落球に続き、この日はボールセキュリティ・ドリルでボールをこぼした。同じドラフト外ならTEジャスティン・ペリロ(FCSのメイン大出身)の方がよくやっている。
- レシーバーとしても期待されるRBエディー・レイシーだが、CBシールズが前に迫っていたせいか落球。
- おなじみのボールセキュリティドリルの1つ(写真)。ボールにゴムひもをつけて後ろから引っ張らせる。
- RG T.J.ラングはこの日も個人ドリルの一部にとどめ、チームドリルではドン・バークレーが右ガードに。
- OGレーン・テイラーも左ガードで1stチームに入る場面があった。LGシットンはOTAの一部を休んでいるので(腰か)、練習量を制限するためだろうか。OGテイラーは昨年オクラホマ州立大からドラフト外でロースター入りし、14スナップだけ実戦出場している(OLに複数のケガ人が出た試合のみ)。
- ディフェンス
- この日もディフェンスの1stチームは変化なし。
- 依然として1stチームのSマイカ・ハイドは、WRネルソンをシングルカバーして長いパスをブレークアップする好プレーあり。QBトルジーンからWRアブレデリスへのパスに飛び込んでブレークアップも。「セーフティへの転向は順調で、まったくシームレスに見える。彼はどこにでもラインナップできる。彼はプレイメーカーだ」とマッカーシーHC。
- 1巡指名Sハハ・クリントン=ディクスはSクリス・バンジョーとともに2ndチーム。
- 新加入OLBジュリアス・ペッパーズはあちこちからラッシュしている。右サイドから、左サイドから、ループしてインサイドから。
- この日は、昨年6巡指名のOLBネイト・パーマーが1stチームに入るプレーが何度かあった。(OLBペリーとOLBニールが負傷中)
- DEマイク・ダニエルズとDEデイトン・ジョーンズは昨年のようなパスラッシュ限定でなくフルタイムのスターターとなった印象。今年はNTピケット、DEジョリー、DEウィルソンの3人が抜け、かなり軽量・アスレチックな先発組となった。今年のディフェンシブラインは2ギャップのリード&リアクトではなく、1ギャップでアグレッシブに攻める方向性なのだろう。
- 上記のDL陣入れ替えについてB.J.ラジ。「これまでよりアグレッシブな考え方だ。以前の僕らは、スティーラーズが続けているような、伝統的なリード&リアクトのディフェンスだった。今年はそれを少しいじって、自分たちの才能を活かしてスクリメージをアタックするようにした」
- NT B.J.ラジについてDEダニエルズ。「彼はずっと批判されてきた。僕は気に入らないし、彼自身も気に入らない。彼は真剣に仕事に取り組んでいて、以前とは違った心構えでいる。いや、以前から心構えはしっかりしていたけど、さらによくなったってことだ。また1年彼の隣でプレーし、僕らがどれだけやれるか見るのが楽しみだよ。ノーズタックルへ移ったことかい? 彼はプロボウルに選ばれた年はノーズタックルだっただろ。それが答えさ」
- 練習中、DEマイク・ダニエルズがにオフェンスを挑発。「明日パッドを着けたら違うぜ! グリーンシャツ(ディフェンスを指す。オフェンスは常に白ジャージ)がケツを蹴っ飛ばす!」
- パントリターン練習ではSマイカ・ハイドが1番手。その後はWRコブ、WRアブレデリス、WRマイルズ・ホワイト、CBトラモン・ウィリアムズの順。
- 契約問題についてWRランドール・コブ。 「僕の知るかぎり、とくに進展はない。代理人には、いい話がくるまでは僕に言いにこなくていい、と言ってあるし」 「それ(大型契約)に値するような仕事をまだ自分はしてないと感じてる。それは僕の働きにかかっている。昨季が違ったものになっていればとは思うけど、これが現実だからしょうがない。不運なケガで10試合休んだ。僕は毎日フィールドに出て自分のやるべきことをやる。それを続けていれば自分の(契約の)番が来ると信じたい」
- ケガ人情報
- あらたにILBジャマリ・ラティモアが見学組に加わった。ケガではなく胃の問題とのこと。
- その他の見学組は初日と変わりなし。WRジャニス(体調不良)、DEウォージー(腰)、DTガイオン(ハムストリング)、OLBペリー(足/ヒザ)、OLBニール(腹部)。
- RG T.J.ラング(肩)は前日とほとんど変わらず、個人ドリルの一部だけにとどめた。しかし、早ければ休日明けの水曜からフル参加できるかも、と本人。 「肩はとくにいつ痛めたというんじゃなく、ここ数年かけて積み重なったものだ。深刻なものでは全然ない。ヒザの腱炎とかと同じようなものだよ。完全復帰までにすこし炎症をしずめなきゃいけないだけ」
2014年7月27日
キャンプ初日の練習がおこなわれ、数多くのファンがレイ・ニチキ・フィールドに集まった。規定により最初の2日間はノーパッド練習。昨年は記者たちがさかんにVineにショートビデオをアップしてくれたが、今年はそうした撮影も球団から禁止されてしまった。この日は2時間ほどの練習の間にWRジョーディ・ネルソンの契約延長が報じられ(前の記事参照)、フィールドでも選手たちがネルソンを祝福する姿がみられた。
- ケガ人情報
- 見学組はWRジャニス(体調不良)、DEウォージー(腰)、DTガイオン(ハムストリング)、OLBペリー(足/ヒザ)、OLBニール(腹部)の5人だけ。詳しくは2つ前のまとめ記事で。
- OLBクレイ・マシューズは親指(昨季2回骨折)の手術から7か月。親指の付け根あたりに小さな添え木を当てているが、指は自由に動かせる状態。練習にはフル参加だった。
- RG T.J.ラングは肩のケガのため、ごく一部しか参加せずほとんどは見学。「ただ慎重に進めているだけ」とマッカーシーHC。
- 昨年まではジョグスルー(ごく軽いフォーメーションチェックのようなもの)を練習の始めに行っていたが、今回は練習の最後に20分ほど行った。今年はOTAからこのようにしているが、クーリングダウンの意味合いだろうか。ケガ予防を研究した結果のはず。
- 試合を模した「TVタイムアウト」の間、選手たちには水分だけでなくグミ・キャンディらしきものやグラノーラ・バーなどが支給されている。昨年にはなかったことで、こうした栄養補給もケガ予防策の一環なのだろう。
- オフェンス
- 興味深いことに、練習開始直後の10分ほど、1stチームオフェンスは屋内練習場で練習していた(人工クラウドノイズ付き)。なにか特別なフォーメーションでもやっているのか。
- 最初の11on11練習では1stチームのタイトエンドにブランドン・ボスティック。3巡指名リチャード・ロジャースも1stチームの機会があった。いっぽうランプレー練習ではアンドリュー・クウォレスと新人ロジャースが左右に入ってダブルTEに。
- ヒザ手術明けのRTブライアン・ブラガはよい動きをみせている。本人は具体的な数字をあきらかにしなかったが、公称の314ポンドを超える体重を目標にトレーニングを続け、バルクアップを達成したとのこと。「少し重くなり、動きは以前と同じ。身体的にはすごくいい感じだよ」
- RG T.J.ラング(肩)はごくわずかしか参加せず、ドン・バークレーが代役RGを務めた。 「バークレーはどのポジションもできる。センターの経験も多少あるし、必要なら左タックルもできる。タフで技術のしっかりした選手だ」とマッカーシーHC。
- 2ndチームOL陣は左からLTシェロッド、LGアンドリュー・ティラー(昨季プラクティス・スクワッド)、5巡指名Cリンズリー、RGレーン・テイラー、RTアーロン・アダムズ(昨季プラクティス・スクワッド)。
- センターは先発がJ.C.トレッター、2番手が5巡指名コーリー・リンズリー、3番手がガース・ゲアハートという序列。
- 新人王RBエディー・レイシーはエヴリダウン・バックとなるべく、オフシーズンからパスキャッチ練習などに力を入れてきた。 「彼はより洗練され、細かい部分までこのオフェンスに馴染んできたと思う。言うまでもなくランナーとして非常に優秀だが、パスプロテクション、ディフェンスのスキームの認識、チェックダウン、ルートランニングといった部分でね。今日もとてもよいキャッチが2つほどあった」とマッカーシーHC。
- QBロジャースからWRジョーディ・ネルソンへのホットラインが絶好調。WRネルソンはダブルカバーされながら矢のようなパスを2回キャッチし、最後のノーハドル練習でも41ydsのロングTDパスをキャッチ。まるでロジャースが契約延長を後押ししているかのようだったが、実際は練習が始まる前にサインを済ませていた。
- 練習中にトンプソンGMからマッカーシーHCに、WRネルソン契約延長の報が伝わった。マッカーシーHCから聞いたのか、チームメイトたちもフィールドで彼を祝福。
- チームメイトの契約延長についてQBアーロン・ロジャース。「これでカンザス全部を買い占められるね。僕もとても嬉しい。素晴らしいチームメイトであり、傑出した選手であり、彼のようないいヤツは報われるものだ。これがこの球団のやり方だよ」 「次はぜひランドール(コブ)であってほしい。彼は何事にも正しいやり方で取り組む、素晴らしいチームリーダーの1人だ。昨年は不運なケガに見舞われたけど、彼はコンスタントに結果を出しているし、ロッカールームでも素晴らしい人間だ」
- 昨年の7巡指名WRケヴィン・ドーシーは速いパスを2回ナイスキャッチ。今年はオフシーズン練習からずっと評価が高いらしい。
- TEコルト・ライエラ(ドラフト外)はQBフリンからのナイスパスを胸に当てて落球。直後にもう1つ(パスも低かったが)落球があった。注目のルーキーとしてはよくないスタート。
- ディフェンス
- 1stチームディフェンスは、NTラジ、DEダニエルズ、DEデイトン・ジョーンズ、OLBマシューズ、OLBペッパーズ、ILBホーク、ILBブラッド・ジョーンズ、CBウィリアムズ、CBシールズ、Sバーネット、Sハイド。
- セーフティ陣はミニキャンプと同じくマイカ・ハイドとモーガン・バーネットのコンビ。1巡指名ハハ・クリントン=ディクスは2ndチームでクリス・バンジョーとコンビを組んでいる。
- 1stチームDL陣はNTラジ、DEデイトン・ジョーンズ、DEダニエルズの3人。ノーハドル練習ではラジとダニエルズがインサイドラッシャーだった。
- ペッパーズ加入の効果か、パスシチュエーションではOLBクレイ・マシューズをあちこちに動かしてのパスラッシュの試みがあるようだ。「変化する要素が多いほど、相手オフェンスにとっては厄介になるからね。ただ決まった場所からラッシュするばかりでなく、こうすることで僕も自分の武器を最大限に生かせる」と本人。
- 2ndチームOLB陣はアンディ・ムルンバとネイト・パーマーの2年目コンビ。3rdチームOLB陣はカール・ブラッドフォード(4巡)とエイドリアン・ハバード(ドラフト外)の新人コンビ。
- CBケイシー・ヘイワードは素晴らしいプレー内容で復活への好スタートを切った。ディープボールで2回(TEクウォレスと2巡指名WRアダムズ)攻められながら密着カバーで防ぎ、3回目はWRアダムズへのパスをダイビングでブレークアップ。
- スペシャルチーム
- Kメイソン・クロスビーはフィールドゴール練習で8本中7本成功。33、33、36、36、44ydsと5本連続成功させたあと44yds(左ハッシュ)を右に失敗し、その後50ydsを2本とも成功させた。
- 全体練習終了後にリターナー候補たちが練習。キックオフリターナーはRBドゥワン・ハリス、RBマイケル・ヒル、RBラジオン・ニール、RBラダリアス・パーキンズ、FBクーン、WRケヴィン・ドーシー、WRクリス・ハーパー、CBディミトリ・グッドソン。パントリターナーはWRコブ、WRアダムズ、WRアブレデリス、WRマイルズ・ホワイト、CBウィリアムズ、CBライアン・ホワイト。
- 先日まで背番号91番を着けていた4巡指名OLBカール・ブラッドフォードが54番に変更。今年は背番号のダブりがない。
WRジョーディ・ネルソンが2018年までの4年契約延長にサインした。詳細は不明だが、契約ボーナス$11.5ミリオンをふくむ総額$39ミリオンで、うち$14ミリオンが保証されているとのこと。Press-Gazette紙によれば今年のもともとのサラリー$3.5ミリオンはそのまま残るとのことなので、5年総額$42.5ミリオン(年平均$8.5M)ということになる。球団側にとって今オフの最大の目標だったネルソンとの契約延長がシーズン前に完了したのはうれしい。次の焦点はおそらくWRコブになるはず。
契約のニュースは、なんとキャンプ初日の練習中にネットに流れた。 「早出で練習するスペシャルチームに僕は加わっていなかったので、ぎりぎりまで時間があった。みんながロッカールームを出て行ったあと僕が最後に残り、書類が来るのを待ってサインした」と本人は振り返っている。(交渉は代理人がするので、本人はサインをするだけ)
WRジョーディ・ネルソン Jordy Nelson はカンザス州ライリー出身の29歳。実家は農場。高校ではQBとして活躍したものの奨学金のオファーがなく、ウォークオンで地元カンザス州立大へ進んだ。大学2年目にセーフティからワイドレシーバーへコンバートされると、またたくまにスターWRへ。ビッグ12のカンファレンス記録を作る活躍で、2008年の2巡指名でパッカーズに入団した。最初の3年間はドライバーやジェニングスの影に隠れて目立たなかったが2011年に1263yds・15TDを挙げる活躍でエースに成長。昨年はシーズンの半分ちかくエースQBを欠きながらパスキャッチ85回1314yds(ともにキャリアベスト)を挙げている。
前回契約延長したのはブレーク直前の2011年10月で、契約はわずか$13.1ミリオン。結果的に大ディスカウントとなってしまったのに、本人は文句ひとつ言わずプレーを続けてきた。技術的にもまだ進歩を続けており、とくにサイドライン際のキャッチングは芸術の域に。昨季はコブ負傷のため、これまで少なかったスロットでも貴重な経験を積んでいる。
キャンプ初日にフィジカルチェックやコンディショニングテストが行われた結果、以下の5人がサイドラインでキャンプを迎えることがあきらかになった。昨年キャンプイン時は各種ケガ人リストに8人が入っていたことを考えれば、5人だけの今年はマシになったといえる。
- PUPリスト(Physically Unable to Perform)に入ったのは、OLBニック・ペリー(足/ヒザ)とOLBマイク・ニール(腹部)。ペリーは昨季後半にケガを抱えながらプレーを続けたので、それが尾を引いているかも。ニールはオフシーズン練習にフル参加できていたのですこし意外だが、昨季中のケガも腹部(詳しい部位は不明)だった。「彼ら2人の復帰は遠くない」とマッカーシーHC。
- PUPリストというと大ごとに聞こえるが、キャンプ初日にフットボールができる体でないと判断された選手はとりあえず全員ここに入れておくもの。逆にキャンプイン時にPUPリストに入っていなかった選手を後から加えることはできないためだ。わずか数日でアクティブ・ロースターに戻ってくることも多い。
- "Non-football injury list" はDTルトロイ・ガイオン(ハムストリング)とDEジェレル・ウォージー(腰)。 チーム施設以外で負傷したり、私生活でケガをした選手がここに入る。「DEウォージーはしばらくかかるだろう」とマッカーシーHC。はやくも開幕ロースター入りに黄信号か。
- "Non-football illness" には7巡指名WRジェフ・ジャニス。どんな体調不良なのか、マッカーシーHCもあきらかにしなかった。
- オフシーズン練習を全休したOLBクレイ・マシューズとTEアンドリュー・クウォレスが上記のリストに名前がないのは喜ばしい。OTAでハムストリングを痛めたWRクリス・ハーパーも元気にキャンプ参加。
2014年7月25日
毎年恒例のパッカーズ株主総会が開催され、14759人ものファンがランボーフィールドに集まった(写真集)。例によって、フィールドに設置された壇上から、東側スタンドにむけて呼びかける形式。新株発行から2年半経って熱気が収まってきたため、以前のように「株主1人につき4人のゲストを同行できる」という特典が復活している。
- 株主総会および終了後の記者会見において、マーク・マーフィ社長からいくつか注目すべき発言があった。
- 今年は永久欠番セレモニーを行わないが、ブレット・ファーヴが6年ぶりにグリーンベイに帰還する機会を作るべく調整中。どの試合になるかはまだわからない。昨年も球団側はそうした働きかけをしたが、実を結ばなかったらしい。
- パッカーズは今後数年のうちにロンドンで公式戦を行う見込み。ただしホームでなくアウェーゲーム。(パッカーズ戦は地元コミュニティにとって重要なので、できるかぎりホームゲームは手放したくない)
- NFLはプレーオフを14チーム制に拡大すると信じているが、それは早くても2015年から。
- 昨年の総収入$324.1ミリオンはNFL9位だった。
- 球団の貯金箱"corporate reserve fund"は過去最高の$272ミリオン。過去4年間で$90ミリオン増。
- シーズンチケットのウェイティングリストは112,000人。
- ランボーフィールドの正式な収容人員は80,750人となり、メットライフ・スタジアムに次いでNFL2位に。
- NFLはドラフトを持ち回り制に変えたので、グリーンベイでも行いたいと希望している。来年はシカゴまたはLAで開催することがすでに決まっている、と話したところでスタンドからブーイング。「そう、私もそれは悪い考えだと思う(笑)」
- チケット価格(額面)はNFL17位。
- 珍しくプレーオフチケットの販売で苦しんだ反省からチケットポリシーを再変更し、「事前購入でも支払いはプレーオフが行われる場合のみ」とする。(昨季は有無を言わさず前払いさせられ、プレーオフが行われない場合その代金は翌年のシーズンチケット購入代金に、というあこぎなやり方だった)
- チケット価格の変動制をちかく取り入れる予定。具体的にはプレシーズンゲームを安くするらしい。「以前と比べて選手の体がしっかりできているので、プレシーズンの必要性が下がり、試合の質が落ちてきている」とマーフィ社長は説明。(どちらにせよ10試合分一括でシーズンチケットホルダーに渡るのだから一般ファンにはあまり関係なさそうだが)
- テッド・トンプソンGMからはチームの現状についてざっと説明。もっとも大きな歓声が上がったのは、5巡指名WRジャレッド・アブレデリス(ウィスコンシン大)の名前を挙げたとき。 "Go Pack Go." でスピーチをしめくくっている。
- キャンプインを目前に控え、セント・ノーバート大学のヴィクター・マコーミック寮ではパッカーズ選手たちの入寮が始まっている。(写真集)
- WRジョーディ・ネルソンは年平均$10ミリオンの契約を望んでいる、との報道あり。現在WR中7位のブランドン・マーシャル(CHI)がちょうど年平均$10ミリオンとなっている。
- ILBコーリー・ジョーンズと契約した。ワイオミング大出身、身長6-1(185cm)、体重232ポンド(105kg)。昨年ドラフト外でカーディナルズに入団し、8月下旬に解雇。その後CFLのB.C.ライオンズで活躍したことが認められたようだ。
- 入れ替わりに、ドラフト外ルーキーのILBショーン・ルイス(オクラホマ州立大)が解雇されている。ルーキーキャンプにトライアウト参加して正式契約を手に入れた選手。現在ロースターは89人となっている。
ながらく懸案となっていた「街路にマイク・マッカーシーHCの名前をつける」件がようやく決着し、このほどマイク・マッカーシー・ウェイの命名セレモニーが行われた。選ばれたのは、これまで Potts Avenue と呼ばれた通り(地図)。屋内練習場ドン・ハトソン・センターや練習場レイ・ニチキ・フィールドの南に面し、西はランボーフィールド、東へ行けばホルムグレン・ウェイと交差してフォックス川に突き当たる。近くにはトニー・カナデオ、バート・スター、ブレット・ファーヴといった道路もある。ホルムグレン・ウェイもそうだが、「ストリート」や「アヴェニュー」でなく「ウェイ」なのは、「誰々のやり方」という意味合いを持たせたダブル・ミーニングなのだろう。
スーパーボウル祝勝会の際にグリーンベイ市長が宣言しながらここまで時間がかかったのは、ふさわしい通りを選ぶのに地元政財界の調整が必要だったため。アメリカでは道路の名前が変わることは住所表示が変わることを意味する。以前候補になった アシュランド・アヴェニューは車どおりが多く南北に長く、そのぶん企業がたくさんあって彼ら経営者の同意を集めるのが困難だった。今回のマッカーシー・ウェイでも、正式な住所変更に6か月の猶予期間が設けられ、その間は住所ラベルや封筒など、これまでのものを使えることになっている。
セレモニーでグリーンベイ市長は、「我々はその人の残した数字に基づいて街路を命名するのではない。人格に基づいて命名するのだ」とし、マッカーシーHCの人柄や地元自治体への貢献を称賛。マッカーシーHCは若いころ苦労したキャリアを振り返って感極まったのか、涙で声を詰まらせながらスピーチを行った。なかには、「コーチ・ホルムグレンには最大の敬意を抱いている。彼とロン・ウルフGMがチームを軌道に乗せたのだ。テッド・トンプソンと私はその伝統を受け継いでいるのだと感じている」という発言もあった。
市長たちを交えて記念撮影
(右から3番目はマッカーシーHCの長女アレックス)
涙ながらにスピーチする マイク・マッカーシーHC
(背後はレイ・ニチキ・フィールド)
今週末にスタートするトレーニングキャンプのみどころ、後半はディフェンスについて。昨季大不振だっただけあって、オフェンスとくらべて不確定要素が多い。なおスペシャルチームはリターナーを除いて無風なので割愛する。
◆ セーフティの向上なるか
昨季ディフェンス不振の元凶がここ。M.D.ジェニングスとは再契約せず、マイカ・ハイドをCBからコンバートし、1巡でハハ・クリントン=ディクスを指名してV字回復を目指している。ミニキャンプまではSSモーガン・バーネットとFSハイドが1stチームだったが、開幕までにクリントン=ディクスがスターターになるだろうという見方が多く、キャンプでは彼らの先発争いがディフェンス最大の注目ポイントとなる。敗れた方がダイムバックか。CBウィリアムズ、CBシールズ、CBヘイワード、Sバーネット、Sクリントン=ディクス、Sハイドというダイム隊形の陣容はかなりのものだ。
ロースター枠は通常4人なので、残る枠は1つ。昨季それぞれ出場機会をもらったクリス・バンジョーとショーン・リチャードソンの争いか。
◆ ディフェンシブラインの再編成
NTライアン・ピケット(34歳)およびDEジョニー・ジョリー(31歳)との再契約を見送り、ルトロイ・ガイオン(27歳)とFA契約。 B.J.ラジとは再契約したが、1年契約にとどめ、優勝時に活躍したノーズタックルに戻すことに。ピケットとジョリーの退団でラン守備に不安は残るが、若手が成長する楽しみも大きい。重さよりもクイックネス、という方針変更が奏功するかどうか。
ノーズタックルはラジ、ガイオン、ジョシュ・ボイド(昨年5巡)の3人が有力。3巡指名のカイリー・ソーントンもいずれNTとして将来のスターターに育てるかもしれない。
ディフェンシブエンドでは、昨年マイク・ダニエルズが6.5サックを挙げる活躍でDL陣の中心選手となった。昨年の1巡指名デイトン・ジョーンズも同じように2年目の成長を見せてほしいところ。パスシチュエーションでは彼ら2人がインサイドラッシャーとなる予定。小兵のダニエルズがラン守備で無駄に消耗しないよう、他の若手DLがローテーションに加わって働いてくれなければならない。一昨年の2巡指名ジェレル・ウォージーはケツに火がついており、開幕前の解雇もありうる。
ロースター枠は7人あるいは6人。開幕ロースター確実といえるのはラジ、ダニエルズ、ジョーンズ、それに3巡指名ソーントンまでか。ケガ人が出ればピケットを呼び戻す選択肢もある。
◆ インサイドLB
A.J.ホークとブラッド・ジョーンズの先発コンビ(どちらも契約は2015年まで)は今年のディフェンス最大の弱点とみなされている。それなりに堅実だが、ラン守備では受け身なプレーが目立ち、パスカバレッジではアスレチックなTEたちについていくスピードやクイックネスがない。今年はFAでもドラフトでも補強がなかったことから、ジャマリ・ラティモア待望論が強まっている。代役出場で光るものを見せた彼が今キャンプで先発コンビをどれだけプッシュできるかが注目。昨年の7巡指名サム・バーリントンもチャンスがあるかもしれない。
ロースター枠は4人あるいは5人。LB全体で10人のことが多く、今年はOLBが人材豊富なのでILBは4人だろう。上記の4人ですんなり決まってしまいそうだが、バーリントンしだいではドラフト外ルーキーたちにもチャンスが出てくる。
◆ アウトサイドLB
昨季はクレイ・マシューズとニック・ペリーがともにケガに苦しみ、OLB転向1年目のマイク・ニールが10試合、7巡指名ネイト・パーマーとドラフト外のアンディ・ムルンバがそれぞれ3試合に代役先発せざるをえなかった。タレント不足は目をおおうばかりで、パスラッシュもラン守備もガタガタになってしまった。
今年はジュリアス・ペッパーズ(通算119サック)とFA契約し、再契約したマイク・ニールの進歩も見込める。4巡指名のカール・ブラッドフォードも面白そうなタレントだ。マシューズとペリーの2人が元気ならばかなりの戦力アップが見込めそうで、ケイパースDCが2009年に就任して以来もっとも充実した陣容といえるかもしれない。
ペッパーズ、ニール、ペリー(いずれも元DE)はエレファント・エンド(DEとのハイブリッド)として使う、という首脳陣のコメントもあり、今年は戦術面の変化にも注目が集まる。それが実現するなら、実質3-4と4-3のハイブリッドディフェンスといっていいのでは。昨年ペリーは右サイドからのラッシュが非常に得意であることを証明したので、マシューズは左サイドでの起用が増えるかもしれない。ペッパーズは左右サイドを選ばず、インサイドからのラッシュもいい。
今年のロースター枠はおそらく6人。マシューズ、ペッパーズ、ペリー、ニールにくわえて新人ブラッドフォードもほぼ当確か。2年目のムルンバとパーマー、それにドラフト外ルーキーたちで最後のイスを争うことになりそう。
◆ コーナーバック
ベテランのトラモン・ウィリアムズ、大型契約を手に入れたサム・シールズの2人がスターター。ハムストリング断裂で昨季のほとんどを棒に振ったケイシー・ヘイワードがニッケルバックに復帰する見込み。ウィリアムズ(キャップナンバーは$9.5M)は契約最終年を迎えているが、31歳という年齢もあって契約延長の話はいまのところない。チームは彼と再契約せずシールズ&ヘイワードの先発コンビを考えている証拠だろう。
上記3人に次ぐCBはマイカ・ハイドだが、彼がセーフティに完全に移るのであれば4番手はデヴォン・ハウスとジャレット・ブッシュの争い。ブッシュはかつて実戦に弱かったが、昨季はダイムバックとしてファルコンズのTEゴンザレスを封じ込める活躍を見せた。ハウスは昨季が予想外の不振だったが、今年は契約最終年なのでなんとかしたいところ。6巡指名のディミトリ・グッドソンはフットボール経験が浅く(バスケからの転向)、キャンプが始まってみないとわからない。
ロースター枠は通常6人。ドラフト外や元プラクティス・スクワッド組はグッドソンと最後のイスを争う。
2014年7月24日
今年のトレーニングキャンプは現地25日(練習は26日)にスタートする。期待の補強ポイント、懸念が残るポジション、先発争いやロースター争いなど、注目すべきポイントについて大雑把にまとめてみた。前半はオフェンスについて。
なお、トレーニングキャンプ全般の紹介はこちらの常設ページで。練習スケジュールは公式サイトを参照のこと。今年は公開練習の回数が減ったほか、午前中の練習が増えたことも特徴となっている。スケジュールの変更は、ケガを減らすのが目的だろう。
◆ 新センター
暫定スターターはプロ2年目のJ.C.トレッター。4巡指名入団直後に足首を骨折してシーズンを棒に振ったが、12月前半に復帰して1か月ほど練習できた。フロントが今春Cディートリック=スミスとの再契約に動かず、外部のFAにも興味を示さなかったのは、それだけトレッターを高く評価した証拠だろう。とはいえ、大学時代にはTEとLTしかプレーしておらず、センターの実戦経験はゼロ。パッカーズはアップテンポ志向でノーハドルも多いだけに、プロテクションのアジャストメントなどセンターの役割は大きいはず。もしここがコケればオフェンス全体がおかしくなってしまう。左右を固める両ガードがしっかりしている点は心強い。
2番手センターはコーリー・リンズリー(5巡指名ルーキー)とガース・ゲアハート(昨年プラクティス・スクワッド)の争い。リンズリーはトンプソンGMが就任以来初めて指名したセンター専業選手だ。トレッターが不振ならば彼が先発候補になる。両ガードの控えはOTドン・バークレーが兼ねるとはいえ、インサイド3ポジションの控えの層は薄く、誰かドラフト外ルーキーが台頭してほしいところ。
◆ フィンリーなきタイトエンド
ジャーマイケル・フィンリーがFAで退団し、アンドリュー・クウォレス(2年$3ミリオンで再契約)が暫定スターターに。昨季終盤はレシーバーとして時おり光るものを見せたが、ブロッキングは期待外れだった。優勝した2010年も彼がスターターだったとはいえ、伸びシロはもう見込めず、今夏は先発の座を脅かす若手が出てきてほしいところ。候補は2年目のブランドン・ボスティック、今年3巡指名のリチャード・ロジャースあたり。今春のOTAやミニキャンプで好評だった彼らがフルパッドでどれだけやれるか、キャンプ序盤の注目ポイントとなりそうだ。
その他、4年目のライアン・テイラー、昨年ドラフト外からプラクティス・スクワッドを経てロースター入りしたジェイク・ストーンバーナー、超問題児のドラフト外選手コルト・ライエラなどがロースター枠(3または4)を争う。スペシャルチームでの働きも重要になる。
◆ 控えワイドレシーバー
WR陣はネルソン、コブ、ボイキンまでしっかりしていて、ジェームズ・ジョーンズがFA退団した穴を2巡指名ダヴァンテ・アダムズが埋めてくれれば戦力ダウンはなさそう。さらに5巡指名ジャレッド・アブレデリス、7巡指名ジェフ・ジャニス、昨年7試合出場した小兵のマイルズ・ホワイト、昨年の7巡指名ケヴィン・ドーシー、昨年シーホークスの4巡指名クリス・ハーパーといった選手たちがいる。ネルソン、コブ、ボイキン、アダムズの4人は安泰なので、残るWRたちは1枠か2枠を争わなければならない。敗れた選手はプラクティス・スクワッドでチャンスを待つことになるが、他球団に引き抜かれる可能性も高い。
ロースター枠は通常5人だが、リターナーをこなせる選手がいれば6人枠に増えるかもしれない。アブレデリスは大学時代にリターナー経験が豊富なのでそれだけチャンスが大きい。地元ウィスコンシン大出身なのでキャンプでは大きな声援を集めるだろう。
◆ 2番手QB争い
マット・フリン(29歳)と地元ウィスコンシン大出身のスコット・トルジーン(26歳)が2番手を争う。フリンは昨季半ばに出戻って2勝1分けをチームにもたらし、ちょっとした救世主となった。いっぽうトルジーンはその前の3試合を担当し、勝てなかったがポテンシャルの高さは示した。トルジーンは今春初めてパッカーズのオフシーズン練習に参加。どれだけ成長できたかプレシーズンゲームが楽しみなところだ。伸びシロではトルジーンに魅力を感じるが、最終的にはフリンの安心感が勝ることになるのではないか。
どちらが勝つにせよ、昨年の今ごろはグレアム・ハレルとB.J.コールマンの争いだったことを考えれば、大幅な戦力アップを果たしたのは間違いない。例年QB陣は2人枠のことが多いが、昨年の反省から3人枠にするのではないか。ドラフト外でチェイス・レティグ(ボストン・カレッジ)も入団したが、キャンプ練習ではなかなか4番手までプレー機会が回らない。よくてプラクティス・スクワッドだろう。
◆ その他の注目選手
- RTブライアン・ブラガはヒザ前十字靭帯断裂からの完全復活なるか。昨季代役を務めたドン・バークレーも先発の座を狙っている。
- 2011年1巡指名のOTデレク・シェロッドはすね骨折の大ケガで2年以上を棒に振り、ろくに働けないまま契約最終年。キャリアの正念場を迎えている。今年もスターター奪取のチャンスはなさそうで、来春はFA退団が濃厚に思われる。それでも今夏がんばって成長を見せれば、来年は他の球団で先発のチャンスがあるかもしれないい。
- FBジョン・クーンはFAとなって再契約したとはいえ1年契約($1ミリオン強)だった。オフェンスは1バック隊形が主体でフルバックの出番は減る一方。レイシーのパスプロが予想以上によかったので、パスシチュエーションで1バックとして出場する機会も今年は減るだろう。31歳という年齢を考えても、これからは一年一年が勝負となるはず。イーナ・リアイナ(サンノゼ州立大から昨年ドラフト外)を退けるのは難しくなさそうだが。
2014年7月21日
ずっと怠けていたので、最近のニュースをまとめて。
- 非営利団体グリーンベイ・パッカーズが昨会計年度(3月末まで)の収支報告を発表した。総収入は今回も過去最高を記録したものの、選手コストの上昇により利益がダウンしている。
- 総収入は$324.1ミリオンで、前年度より5.2%(16M)のアップ。下記のローカルおよびナショナル・レヴェニューを合わせたもの。
- 支出は$298.6ミリオンで、前年度より17.6%(253.8M)のアップ。
- 経常利益は$25.6ミリオンとなり、前年度より52.9%のダウン。
- 純利益は$25.3ミリオンとなり、前年度より41.3%のダウン。
- 支出増は選手コストによるもので、チームを代表する高給取りのQBロジャース(契約ボーナス$35M)とOLBマシューズ(契約ボーナス$20.5M)が昨年春に契約延長を迎えたため。
- ローカル・レヴェニューは前年比6.4%増の$136.4ミリオン。 ローカル・レヴェニューとは、一般席チケット売り上げの3分の2、ボックス席チケット、ラジオ契約、プロショップ売上げ、各種スポンサー契約など、各球団の経営努力によるもの。昨年夏のランボーフィールド7000席増設も役立っている。
- ナショナル・レヴェニューは前年比4.3%増の$187.7ミリオン。 ナショナル・レヴェニューとは、放映権料、ライセンス収入などにくわえ、各球団一般席チケット売上げの3分の1をリーグが集めて均等分配したもの。今後はTV契約更新によりさらなる増加が予想される。
- TEジャーマイケル・フィンリー(首)は今月17日にもグリーンベイを訪れてチームドクターの診察を受けたが、状況は変わりなし。スティーラーズからの安いオファー(2回)断ったこともあきらかになった。昨年負傷直後に本人があきらかにしたように、「負傷で引退に追い込まれた場合には$10ミリオンを無税で受け取る」保険に入っているが、いちおうオファーがあったからには保険会社は支払いを拒否できるのではないか。(契約の文言しだいだろう)
- 今年もブレット・ファーヴの永久欠番セレモニーは行わない見通しであることをマーク・マーフィ社長があきらかにした。ファーヴに対して観客の一部からブーイングが出ることを懸念しているため。せっかくやるからには、ファンの気持ちが「そろそろやってもいいか」程度ではなく、「待ってました」となることが望ましい。理屈でなく時間が必要なだけだ。
- レイク・タホのセレブリティ・ゴルフ・トーナメントに出場したILB A.J.ホークが、熱烈なファンの求めに応じて彼をサック。おおいにウケていた(ビデオ)。同大会にはQBロジャースも参加した。
- この時期に選手が起こすトラブルの恐怖について、例によって元副社長のアンドリュー・ブラントがユニークな思い出話を語ってくれている。
- ランボーフィールドのアトリウム前に新ハーラン・プラザが完成。今月10日にセレモニーが行われ、ボブ・ハーラン前社長(現・名誉会長)も元気に出席した(ビデオ)。ランボーとロンバルディの銅像が新しい位置に移り、ロンバルディ・アヴェニューからも見えやすくなった。
- 改装なったパッカーズ・プロショップが今月17日にグランド・オープン(ビデオ)。床面積はこれまでの2倍以上となり、とてもゆったりとした印象。さまざまなデコレーションもゴージャスになった。今ページ下端のビデオもどうぞ。
- 今年のパッカーズ・ホール・オブ・フェイム入りセレモニーがランボーフィールドのアトリウムで開催された。今年殿堂入りしたのは元RBアーマン・グリーンと元LTケン・ルトガーズの2人。
- RBアーマン・グリーン Ahman Green はネブラスカ大から1998年3巡指名でシーホークスに入団。2000年にトレードでパッカーズにやってきた。エースRBレヴェンズのケガをきっかけにスターターとなり、7年間で1000ydsラッシング6回、4年連続プロボウルの大活躍。FA移籍したテキサンズではケガに苦しんだが、2009年にパッカーズと再契約して8322ydsの球団最多ラッシング記録も達成した。シーズン1883ydsラッシング(2003年)、ラン・パスキャッチ合わせて通算11048ydsも球団記録。
- グリーンは引退後もグリーンベイに住み、さまざまな慈善活動に参加を続けている。また、グリーンベイ・サウスウェスト高校でフットボールと陸上を教えているほか、インドア・フットボールのグリーンベイ・ブリザードの共同オーナーでもある。
- LTケン・ルトガーズ Ken Ruettgers はUSCから1985年ドラフト1巡7位でパッカーズに入団。2年目に先発定着すると、以後10年間にわたって不動の先発左タックルを務めた。1992年にホルムグレン新HCが旧政権から引き継いだ選手の中で、WRスターリング・シャープやSリロイ・バトラーに次ぐ中核選手だったと言える。残念ながら1996年はケガのためスーパーボウル制覇をサイドラインから見届け、そのまま引退となった。
- ルトガーズは、引退したアスリートが生きていくための支援をする非営利団体 Gameover.org を2000年に設立したほか、現在はコミュニティ・カレッジで社会学を教えている。
フィールドを見下ろして記念撮影
元RBアーマン・グリーン 殿堂入りセレモニーにて
元LTケン・ルトガーズ 殿堂入りセレモニーにて
パッカーズ・プロショップ新装開店を伝える地元ニュース