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2002年6月29日

ロースター展望 QB編

今オフの補強

「ファーヴ後のエースQB探し」が重要なテーマ。やや期待はずれだったヘンリー・バリスとは再契約せず(その後ベアーズへ)。元ドルフィンズのジョシュ・ハイプルや、デイヴ・メイヤーと契約するが、ドラフト5巡指名のクレイグ・ノールが良かったこともあって2人とも解雇。2番手候補としては、セインツのDelhomme(読めん)や、元ライオンズのバッチを呼んでワークアウトを行ったが、契約せず。ピダーソンと2番手争いさせるベテランの獲得がないとは言い切れないが、可能性は低い。ロースター枠はおそらく3人。ファーヴ、ピダーソン、ノールですんなり決まりそう。それに加えて若手が1人プラクティス・スクワッドに入るかもしれない。

ブレット・ファーヴ

昨年の活躍で、あと数年は高いレベルでプレーできる見通しは十分立った。QBレーティングが94.1というのは優勝した'96シーズン以来の好成績。今年はWR陣の顔ぶれが一新されたため、早く彼らとのコンビネーションを確立させることが急務。彼自身の問題はコンディショニングだけ。2年前のヒジ痛を再発させなため、オフの間も、週に何度か軽くパスを投げるという、昨年と同じ調整法をとっている。

ダグ・ピダーソン

ベテラン最低額で再契約。もう34歳なので、一年一年が勝負。昨年はミニキャンプでの出来がかなり悪く、彼の尻を叩くためにビリー・ジョー・トリヴァーと契約して競わせたのだが、今年は首脳陣もそこまでの心配はしていないようだ。 昨季終了時にシャーマンHCから「春までにしっかりトレーニングしてこないと契約しない」と言い渡された。それがこたえたのか、筋力トレーニングや走り込みをきっちりやり直した成果が出て、これまでになくいいパスを投げている、という評判。FGの際のホールダー。

クレイグ・ノール

ドラフト5巡指名ルーキー。6月20日のルーキー紹介参照。クイックリリースは評価が高く、3番手としてロースター入り確実。まだプロのシステムに不慣れなため、拙いパスを投げることもあるが、現時点ではじゅうぶん合格点とのこと。判断に自信を持って投げれた時のパスはかなり良いらしい。昨年のキャンプでは2番手QB争いが激しかったせいで、3番手のヘンリー・バリスが投げる機会が少なくて気の毒だったが、今年の3番手のノールは、キャンプでもプレシーズンゲームでも出場機会が多そうでラッキー。

マーカス・ブレイディ

スモールカレッジ出身のルーキーFA。身長が6フィート0インチ(183cm)に満たず、サイズ不足。評判は芳しくなく、開幕ロースターに残れる可能性はほとんどない。あるとすればプラクティス・スクワッド。

2002年6月28日

今年のTE陣への期待

ジェフ・ジャゴジンスキーTEコーチは、彼がグリーンベイに来た1999年のことを思い出すたびに寒気がすると言う。エースTEマーク・チュムラは首のケガでほとんど欠場し、2番手のタイロン・デイヴィスはケガもあって極めて不安定。結局シーズン終了時のスターターはジェフ・トマソンだったのだ。「あの名TEたちはどこへ行ったのだ?グリーンベイと言えば優秀なTEで有名だったのに、と思ったもんさ」とジャゴジンスキーは振り返る。その時期と比べればいかに層が厚くなっていることか。

昨年、2年目のエースTEババ・フランクスは9TDを挙げて初のプロボウルに選ばれた。 ルーキーだったデヴィッド・マーティンもスムーズにWRからの転向に成功し、2年目の今年は、本来のスピードを落とさずにバルクアップに成功。パスレシービングTEとしてはいずれフランクスを上回るのでは?と期待を集めている。ベテランのタイロン・デイヴィスも若手2人の成長でうかうかしていられず、必死で体を絞っている。

「うちの3人のTE陣を他のチームのTE陣と取り替えたいなんて全く思わないよ。スターターが3人いるようなもんだ。つまり、この3人ならどこへ行ってもスターターが務まるってことだ」とジャゴジンスキー。 「3年前にこの仕事に就いたとき、シャーマンHCからは『TEというポジションは、このチームではプロボウル・ポジションなのだ。それ以外は受け入れられない』と言われたんだ。今はまさにそういう状況になっているし、これからは良くなる一方だと思うね」

2002年6月27日

ルーキー紹介 その6 OT/OG マイク・ホウトン

ドラフト6巡200位,サンディエゴ州立大,196cm,143kg

経歴

生まれてからずっとサンディエゴで育つ。高校時代は円盤投げでも活躍。"ウォーク・イン"(奨学金なし)でサンディエゴ州立大へ進み、1年後にようやく奨学金を得る。このころ、練習では現パッカーズのDEバジャ=ビアミラを相手に毎日鍛えられる。2年時からはスターターになり、左タックルと右タックル。3年時はセンターと右タックル。4年時は主に右ガードをプレー。

セールスポイント

5つのポジション全てをこなしたヴァーサティリティがなんといってもセールスポイント。毎年違うポジションをプレーできたこと自体、器用さや適応力、学習能力の高さを示しているとも言える。もちろん複数のポジションをこなせれば、NFLで生きていく上で非常に有利なのは間違いない。重心が低く、手の使い方が非常に素早い。横への動きも良い。

弱点?

悪く言えば器用貧乏か。ただし、それは一つのポジションに固定せず、いくつものポジションをやらされたことが、成長を妨げた面もあるのかもしれない。

指名のいきさつ

全くの無名選手で、スカウティング・コンバインにも招待されず、ドラフト前の各種資料でも全く触れられていない。本人もドラフトされるとは思わず、FAルーキーとしてプロ入りするつもりだった。パッカーズ首脳は同大学の別のOT(ドラフト2巡でテキサンズに指名されたChester Pitts)のビデオをチェックしている際に彼を発見したらしい。ベクトルOLコーチは、同大学のOLコーチから何度も何度もホウトンを強力に推薦され、渋々ビデオテープを見たら、彼の能力に惚れ込んだ、とのこと。「今年のドラフト指名選手の中では間違いなく最もヴァーサタイルな選手だ」とベクトルOLコーチ。

メンタル面

ハードワーカー。精神的にはタフ。情報が少ないため、よくわからない。

DEバジャ=ビアミラを相手に

「高校を出てすぐ、DEバジャ=ビアミラのような素早い相手と練習しなきゃならないっていうのは、ものすごく厳しい試練だった。でも僕はいつか彼をやっつけようとあきらめずに頑張ったよ」とホウトン。そのバジャ=ビアミラは2年先にNFL入りし、昨年は13.5サックの大ブレークで話題の人になった。「彼はNFLですでに成功を収めている。彼とまた会えて一緒にプレーできるというのは素晴らしいことだと思う」

パッカーズにとって

本人が言うには、「1年しかやっていないけど、ガードが一番向いていると思う。でもチームからやれと言われればどこだって喜んでやるよ」とのこと。しかしとりあえず、チーム事情から、手薄な左タックルと左ガードの控えとして試してみることになっている。これまでのミニキャンプではフルコンタクトではなかったため、まだ彼の能力はわからない。7月のトレーニングキャンプが本番。昨年までのバリー・ストークスのようにLT/LGの控えを兼ねてくれれば理想的だが、1年目からそこまで望むのは無理かもしれない。

2002年6月26日

Sバトラーがサラリーカットを語る

先日、$1.5ミリオンのサラリーカットを受け入れて今年の年俸はわずか$750,000になったリロイ・バトラー。普通、サラリーカットというものは球団側が選手にお願いするものだが、リロイ・バトラーの場合は逆だった。「彼らの方から電話してきたわけじゃないよ。僕の方から、『もし助けが必要なら言ってくれ』と申し出たんだ」とバトラーは語る。

「ドラフト指名選手全員と契約して、そしてできればあと何人かベテランを獲れるようにしたかった。ドラフト1巡のWRジャヴォン・ウォーカーがホールドアウトすることがないようにね。もし彼が契約でモメた場合、それが僕の契約のせいであっては困る。それに、どのチームも多少のキャップの余裕を持ってシーズンに入りたいものなんだ」

現代のNFLで、バトラーのような存在は時代遅れですらある。「99%の選手が、金のことを心配する。でも僕は残りの1%でありたいんだ」とバトラー。「それでも75万ドルっていうのは大金だよ。他のどこに行けば僕にそんな金が稼げるって言うんだ? この世界では$75万ドルなんて大したことないかもしれないけど、やっぱり大金には違いない」と彼は真顔で言う。「インセンティブの条件に足りなくて稼ぎが少なくなっても、別に構わないさ。そんなことは心配してない。ただ僕は絶対に他のチームに行かずにパッカーズでキャリアを終える、ということを確実にしたかっただけ」

「若い選手たちに『ホールドアウトなんてする必要はない』ということを示すことができたと思う。僕はこれまで一度もそういう問題を起こしたことはない。僕が思うに、選手たちはみんなエージェントに何から何まで任せすぎなんじゃないかな。自分自身でチーム側と話すことをしないんだ。僕の場合、交渉担当のアンドリュー・ブラントに直接電話をかけて、相談すればそれで決まりだ」

2002年6月25日

伝統を受け継ぐ

ご存知のように、新ランボーフィールドは、旧スタジアムを壊して全く新しいものを作るのではなく、大きく掘り下げ式になっているフィールド部分をそのままで、それを取り囲むスタンドなど建物の部分を建て替えるものだ。ファンたちが長い間愛してきたスタジアムの雰囲気を出来るかぎり残しつつ、最新の設備に作り替えようというのがその意図である。

完成するのは来秋だが、今オフの間にも着々と工事は進み、来月には球団事務所も新しく完成したところに移ることになっている。工事が進むということは、取り壊しが進むということでもある。そこでシャーマンHCの出した要望は、旧ヘッドコーチ室のドアを、ドア枠ごと新ヘッドコーチ室に移設すること。ロンバルディーHCが毎日通ったドアを、これからも使い続けたい、というのだ。

「新しいオフィスにこのドアを付けることによって、ロンバルディーHCの"オーラ"が取り憑いてくれることを期待しているんだ。また毎日そのドアを通ることによって、私がこのフランチャイズとファン達に対して負っている大きな責任を、私に思い出させてくれると思う」 とシャーマンHCは語る。

そのドアと同じく、シャーマンHCの要望で新スタジアムに移されることになったのが、パッカーズの選手が入場するトンネルのコンクリート壁だ。これまでフィールド北側のエンドゾーンからの入場だったのだが、工事の進行に伴って昨シーズン末でそのトンネルの使用は終了。今シーズンからは新しい南東側の新トンネルからの入場になっている。そこへ壁だけでも移そうというのだ。「これまでにたくさんの偉大なコーチや選手たちが通ってきたトンネルをなくしてしまうのはあまりにも惜しい。グリーンベイを歴史的なフランチャイズにした過去の偉大なチームとのつながりを、少しでも保つことになればいいと思う」とシャーマンHC。

2002年6月24日

WRジャヴォン・ウォーカーの好み

ドラフト1巡ルーキー、WRジャヴォン・ウォーカーへの質問から抜粋。(Packers.comより)

好きだったスポーツのヒーローは?
  「マイケル・ジョーダン」

有名人同士のボクシングで見てみたい組み合わせは?
  「ジェニファー・ロペス対マライア・キャリー」

ディナーの相手に、好きな3人を選べるとしたら?
  「キング牧師とマイケル・ジョーダンとジェニファー・ロペス」

無人島で2人だけで過ごすとしたら相手は?
  「絶対ジェニファー・ロペス」

2002年6月23日

リロイ・バトラーが$1.5ミリオンのサラリーカット

本人がかねてから公言していたとおり、リロイ・バトラーがサラリーカットに合意した。$2.25ミリオンから$1.5ミリオンもカットして(10年以上経験)ベテラン最低年俸の$750,000となる。昨年も$1ミリオンのサラリーカットを受け入れたことと合わせると、2年で$2.5ミリオンもチームのサラリーキャップを助けたことになる。また今回の契約では、プレー数に応じて$750,000のインセンティブを受け取ることになっており、これは昨年ケガのために9試合しか出場できなかったことを利用したもので、おそらくサラリーキャップにはカウントされないはず。(用語集を参照)

パッカーズのサラリーキャップには、すでにルーキー全員と契約するだけの余裕があったのだが、バトラーのおかげで、ある程度高額のFAと契約することも可能になった。必ずしもチーム側がそうするとは限らないが、FAをこれ以上追いかけないとすれば、その分で(来年FAとなる)DEホリデイとの契約延長を済ますことも考えられる。

LBハーディ・ニッカーソンは1年契約

先日契約したLBハーディ・ニッカーソンの契約は、わずか1年契約であることが明らかになった。契約ボーナスが$750,000で、ベースサラリーが同じく$750,000。また参加したプレー数に応じて、最大$250,000のインセンティブを受け取る契約内容になっている。

本人は「まだ2年はプレーしたい」と言っていただけにこの1年契約は意外だ。「目先の勝利のために高額ベテランと契約して、将来のサラリーキャップを圧迫する」というのが一番懸念されるパターン。それだけに、「1年やってみて、そこでまた考えればいい」というのはパッカーズ側にとっては理想的。逆に考えれば、ニッカーソン本人は、1年後にまた『欲しい』と言わせる自信はあるということか。

2002年6月22日

Power Pack Clinic

アメリカの子供たちはもう夏休み。日本と違うのは、向こうの子供たちは、夏休みになればなんらかのサマーキャンプに参加するのがいわば定番。そのぶん親たちはラクが出来る仕組みだ。 先週末、パッカーズのミニキャンプが終わったばかりの Clarke Hinkle Field では"Packers' Junior Power Pack Clinic"が開催され、14歳以下の子供たち500人以上が集まった。

パッカーズから参加した選手はWRドライバー、LBマーシャルら。 キッズファンたちは様々なドリルに参加したり、NFLエクスペリエンスのようなアトラクション、そして選手と話をしたり、サインをもらったり。もちろん親バカ達はフェンスの向こうに並んでカメラを構えている。

同じようなキャンプはこの夏、ウィスコンシン各地で開催されることになっている。

2002年6月21日

QBファーヴのヒジの調整は昨年と同じ

一昨年のキャンプからシーズン前半にかけて、ヒジの腱炎に悩まされたQBブレット・ファーヴ。オフの間は腕を完全に休ませ、トレーニングキャンプになってから急に投げ始める、という彼独特の調整法が仇になった。その反省を踏まえ、昨年は6月のミニキャンプが終わってミシシッピに帰ってからも、家族や親戚の人を相手に少しずつ投げて慣らしておく、という調整法に変え、それが上手くいった。プレシーズンゲームから絶好調だったファーヴは、シーズンに入っても、打撲や腰の痛み以外は全くケガなしでシーズンを終えることが出来た。

もちろん今年もそのやり方は変わらない。首脳陣は、チーム最大の資産であるQBファーヴの黄金の腕の状態を、より細かくチェックし続けている。トレーニングキャンプに入っても、パスを投げる回数を細かくモニターし、腱炎を避けるために最大限の努力を払うことになる。

2002年6月20日

ルーキー紹介 その5 QB クレイグ・ノール

ドラフト5巡164位,ノースウェスタン州立大(ルイジアナ州),191cm,103kg

経歴

フロリダ大の誘いを断ってルイジアナ州立大へ。しかしLSUでの3シーズン、毎年のように先発QBの座を争うが、ケガをしたり、Josh BootyやRohan DaveyがいてQBの層が厚かったこともあってチャンスを活かせず。WR陣にケガ人が続出した時には志願してWRをプレーしたり、スペシャルチームに参加することもあった。2001年春、出場機会を求めてノースウェスタン州立大に移る。即スターターとなり、大学記録となる2022ydsを投げてチームをディビジョンI-AAのプレーオフに導く。インターセプトはわずか3回(全てディフレクトされたもの)。両大学で陸上の槍投げの選手としても活躍。

セールスポイント

サイズはまずまず。肩もまずまず。足もまずまず。つまり、NFLの中では強肩と言えるほどではないが、水準以上の肩の強さはある。俊足といえるほどではないが、ウェストコーストオフェンスをこなすのに十分な、ファーヴ並のフットワークの良さがある。メカニカルが非常にしっかりしていて投球フォームに無駄がない。それによってクイックリリースが可能になっている。

弱点?

上に書いたように、どのポイントもそこそこである。鉄砲肩ではなく、走りまくれるような脚ではない。ややミスが多い。ただ、弱点を指摘する方も、LSU時代のプレーしか見ていない人ばかりなわけで、転校後のことはよくわからない。結局のところ、QBというのはプロでやってみなければわからない。

指名のいきさつ

全くの隠し球。名門校からマイナー校への、いわば「都落ち」であり、しかも転校先で1年しかプレーしなかったこともあって、ほとんどのスカウトの視界には入っていなかったようだ。スカウティング・コンバインにも招待されず、興味を示したのは3チームほど。「うまく隠しおおせたと思うよ。これなら6巡まで待っても指名できたかもしれないけど、下位指名でこれほど使えそうな本格QBを見たのはハッセルベック以来だしね」とシャーマンHC。本人はドラフトで指名されることはほとんど期待せず、ドラフト外ルーキーとしてどこかのキャンプに参加できればいい、と思っていた。

メンタル面

ディフェンスをよく読み、判断力もよい。リーダーシップにも優れている。LSUで苦労したこともあって、精神的にはしっかりしている。信仰心の篤さが、ポジティブな生活態度を支えている。転校後、すぐに結果を出したことは、頭のよさ、理解の速さを示しているのかもしれない。ドラフト指名後も、プレーブックの理解が進むにつれてミスは減ってきている。

アウトドア・ガイ

狩猟やフィッシングの好きな完璧なアウトドア派。夏は水上スキーやウェイクボード。冬はスキーやスノーボード。どれも親戚ぐるみで楽しむらしい。

パッカーズにとって

昨年あたりから、シャーマンHC/GMは「ファーヴ後のエースQBも探さなければ」と公言しており、彼の指名はその方針の一環でもある。2度のミニキャンプでの評価は高く、それはQBジョシュ・ハイプルの解雇にも表れている。現時点では、3番手QBの座はほぼ確定。「ひょっとしたら2番手のピダーソンを脅かすかも」とコーチたちは言っているが、さすがに1年目でそこまでは無理ではないか。

2002年6月19日

親子NFL選手

6/16は父の日だった。そこでNFL.comによる、親子でNFLでプレーした選手のリスト。非常に数が多いことに驚かされる。最近では、父アーチーと息子ペイトンのマニング親子とか、父ボブと息子ブライアンのグリーシー親子あたりが有名。名RBトニー・ドーセットの息子アンソニーもCBとして活躍している。

パッカーズがらみでは、名RBイライジャ・ピッツと息子のDBロン・ピッツが親子ともパッカーズでプレーした(ロン・ピッツは現在FOXのサイドライン・レポーターとしてもおなじみ)。昨年パッカーズにいたDTジム・フラニガンは、父もLBとしてグリーンベイでプレー。また、グリーンベイからシアトルに移ったQBハッセルベックの父ドンは、ペイトリオッツ他でプレーしたTE。DTサンタナ・ドットソンの父アルフォンスは同じくDTとしてレイダーズ他でプレー。

2002年6月18日

RBグッドマンがNFLヨーロッパのラッシングリーダー

NFLヨーロッパのレギュラーシーズンは15日で終了。あとは優勝を決める22日の"ワールドボウル"を残すだけとなった。スコティッシュ・クレイモアズのRBハーバート・グッドマンは最終戦でも72yds、2TDを挙げる活躍で勝利に貢献。シーズン通算を877ydsとしてNFLヨーロッパのラッシングリーダーに輝いた。

ドイツのデュッセルドルフで行われるワールドボウルは、ライン・ファイアーとベルリン・サンダーの間で争われることになったが、パッカーズから派遣されている選手たちは、この両チームには誰も所属していない。

昨年度の会計報告

2001会計年度のパッカーズの会計報告書。それによると、昨年度の収入は一昨年よりやや増えてはいるものの、NFL全体での順位は31チーム中20位。1997年の9位から15位、16位、18位そして20位と次第にランクが下がってきているのは、スタジアムがやや老朽化してボックス席などが少なく、新しいスタジアムを持つ他チームと比べると収益が上がらないため。「だから新スタジアムを作ることにしてよかったでしょう?」という内容の報告になっている。

新ランボーフィールド完成の暁には、ショップも大幅拡張し、スタジアム内に併設される"Titletown Atrium"は365日オープンのため、試合のない日にランボーフィールド詣でに訪れるファンからの売上もかなり見込める。それやこれやの新しい収入が、次の世代もパッカーズの競争力を支えていくことになる、とのこと。

また、グッズの売上について、「他のショップでパッカーズのグッズを買っても、ライセンス料は全チームに配分されるので、ベアーズまで潤すことになってしまいます。だからチームの勝利を助けるために、Packers Pro Shopで買いましょう」とパッカーズは訴えている。

2002年6月17日

今年のKライアン・ロングウェル

昨年は大型契約を結んだものの、FG失敗が11回という、キャリア初めての不振に苦しんだキッカーのライアン・ロングウェル。昨オフはキックオフを含めた飛距離アップを目指して筋力トレーニングに励んだのだが、結局それが裏目。脚に疲れを残したまま試合を迎えることで逆に飛距離もダウンしてしまった。ようやくそれに気が付いたのが昨季の終盤になってからだった。

「今年は少しトレーニングのやり方を変えてる。もっとスマートにね」とロングウェル。重い負荷をかけて少ない回数、という昨年のやり方を、軽い負荷で回数は多めにし、ランニングなどを増やす、という形に変えたのだそうだ。「必ずしも昨年のトレーニングが多すぎたとは思わない。ただやり方が間違っていた」

昨年のトレーニングキャンプでは、2人目のキッカーを早めに解雇してしまったために、(キックオフ練習など)ロングウェルの練習量が多くなりすぎてしまった。チームとしてもその反省を踏まえて、キャンプでのロングウェルがオーバーワークにならないよう、2人目のキッカーを活用していくことになりそうだ。キックの正確性に関しても、本人は昨季終盤に行った修正に手ごたえを感じている。「昨季の終わりの方はすごく良かった。そのやり方を続けるだけだよ」

2002年6月16日

RBキジャナ・カーターと契約

パッカーズは元レッドスキンズのRBキジャナ・カーターと契約した。契約年数は1年。金額はべテランの最低年俸である$650,000と見られていて、その場合サラリーキャップには$450,000しかカウントされない(用語集を参照)。パッカーズはサラリーキャップ上の理由から2月にレヴェンズを解雇しているが、その後もレヴェンズとの再契約を最優先にしてきた。しかしさすがにもう待てない、とチーム側は判断したようだ。

「アーマン・グリーンがサイドラインに下がった時もランニングゲームを続けることが僕の役割だと理解している」とRBカーターは語る。「これは僕にとって良いチャンスだ。できればトレーニングキャンプで2番手RBの座を勝ち取って、3rdダウンとか、グリーンに休みが必要な時に出て行けたら、と思っている」

ご存知のとおり、RBカーターは1995年ドラフトでベンガルズから栄光の1位指名を受けた。しかしルーキー年のプレシーズンゲームでヒザの靭帯を断裂したところから彼のケガまみれのキャリアが始まった。翌96年・97年にはほぼ全試合に出場するが2年間でラッシング計728yds(平均3.5yds)。98年は手首を骨折、99年は再びヒザをケガして、2年間で4試合にしか出場できず。2000年は全くプレーしなかった。

2001年、彼をレッドスキンズに招いたのが、現在はパッカーズのフロントにいるジョン・シュナイダー。S・デイヴィスの控え、そして3rdダウンバックとして14試合に出場したRBカーターは、ラッシング308yds(平均4.9yds)とまずまずの働きを見せた。平均4ydsを超えたのも、キャリアで初めてのことだ。

キジャナ・カーターとの契約によって、レヴェンズとの再契約の可能性はほぼ消え、2番手RBの座をブルッキンズ、そして3年目のロンデル・ミーリーと3人で争うことになる。

LBジョーンズとQBハイペルを解雇

ハーディ・ニッカーソンと入れ替わりに、5月に契約したばかりのLBロバート・ジョーンズが解雇された。彼はウィークサイドに移ってウェインの控えを務める、と思われていただけにやや意外。ミニキャンプでの彼の動きが期待したほどではなかったことに加え、「スペシャルチームをプレーするなら、もっと安くて若くてイキのいいのを」ということらしい。こうしてみると、ニッカーソンと契約できなかった時のための保険、という存在だったのか。

また、今年2月に契約したばかりのQBジョシュ・ハイプルも解雇された。オクラホマ大を全米王座に導いたハイペルは、昨年のドラフト6巡でドルフィンズに指名されたが、手首のケガのためにロースターに残れず解雇。昨季終了後にパッカーズと契約したが、これまで2度のミニキャンプでの評判は芳しくなかった。元々、「肩は弱いが、判断力のよさを活かして速いテンポで正確なショートパスを投げる」という触れ込みのQBだったが、あまりにもプレー内容が悪くて3番手QB争いにも不十分、ということのようだ。まだ手首が万全ではないのかもしれない。

2002年6月15日

LBハーディ・ニッカーソンの入団会見

グリーンベイで笑顔の入団記者会見を行ったLBハーディ・ニッカーソン。「この決断する上で一番考えたことは、"パッカーになる"ということだ。このチームの伝統、歴史の一部になりたい、ということだ。ファンとしても、リーグの歴史を読んでみれば、真っ先に思いつくのはグリーンベイ・パッカーズだ。私にとって、その一員になるというのは一生に一度のチャンスだと思った」とニッカーソンは語る。マスターカードの有名なCMシリーズをもじって、"Being a Packer is priceless."と笑った。

そう言うニッカーソンだが、イーグルスとパッカーズの間で、相当悩んだのは確からしい。「非常に厳しい接戦だった。カリフォルニアの自宅に帰ってからも、家族みんなに相談した。母、叔父、妻、義理の母、親友たち。それから自分で結論を出した」とニッカーソン。そしてブレット・ファーヴの存在も決め手の一つになったようだ。彼自身、ランボーフィールドに乗り込むこと9回、一度も勝てずにいる。何回か、あと一歩のところまで追い詰めたのだが、その度にファーヴに逆転されたからだ。「だからランボーフィールドの逆サイドを経験できるのを楽しみにしてるよ」

ニッカーソンは1987年、カリフォルニア大からドラフト5巡指名でスティーラーズ入り。2年目から先発に定着し、92年までプレー。93年にバッカニアーズに移ってからは、強力ディフェンス陣の中核として、5回のプロボウル出場を果たしている。ジャガーズに移った2000年はケガで6試合にしか出場できなかったものの、昨年は15試合で116タックル、3インターセプトと活躍し、改めて存在感を示した。

全盛期と比べれば多少は守備範囲が狭くなっていることは認めたものの、今オフシーズンもトレーニングは非常に上手く行っていて、経験とハードなプレーと合わせれば、フィジカル的に失ったものを補って余りある、と本人は考えている。「今、体は非常にしっかり出来ている。この年齢でどれくらいのプレーが出来るか、昨年のプレーが目安になるとすれば、今年はもっと良いプレーができると思っている」

2002年6月14日

LBハーディ・ニッカーソンが正式に契約

パッカーズはLBハーディ・ニッカーソンと正式に契約した、とシャーマンHC/GMが発表した。相変わらず契約内容はわかっていないが、3年契約では?という説はブラント交渉担当が否定しているので、たぶん2年契約。イーグルスの方がわずかに高い金額を提示したようだが、パッカーズがスターターの座を確約したことが大きかったと見られている。

これで今年も控えに留まることが決まった2年目のトランス・マーシャル。ニッカーソンの下で1年か2年修行を続けることになる。「マーシャルの能力について、私が失望したとか心配している、ということでは全くない。ニッカーソンのような選手と一緒にやることで、彼はよりよい選手に成長するだろう」とシャーマンHC。また、マーシャルはディッグスの控えとしてストロングサイドLBの練習もすることになるかもしれない。

同じく新加入のLBロバート・ジョーンズは、今回のミニキャンプではミドルLBだったが、ニッカーソンの加入によって、ウィークサイドLBのネイト・ウェインの控えに移ることになる。もともとジョーンズは3つのLBのポジション全てをこなせることが評価されて契約したので、本人も納得ずみ。

Notebook: ミニキャンプ終了

2002年6月13日

LBハーディ・ニッカーソンがグリーンベイを選ぶ!

ESPNのレン・パスカレリ記者によると、パッカーズとイーグルスの間で迷っていた名LBハーディ・ニッカーソンがついに心を決め、「グリーンベイを選ぶことに決めた」と両チームに伝えた模様。まだ正式に契約したわけではないので詳細はわからないが、本人の「あと2年プレーしたい」という希望からして、2年契約以上であろうと思われる。(彼の通算スタッツはこちら

アンディ・エビーは将来のセンター?

カンザス州立大からドラフト外でパッカーズに入ったアンディ・エビー。大学時代は2年間ガードをやったあと、その後タックルへ、そして4年生の途中からセンターに転向したばかり。本人の希望に反してドラフト指名されなかったのは、体重275ポンドとタックルとしてはサイズが小さすぎ、センターとしては経験が少なすぎたため。しかしこれまでのミニキャンプでは、その欠点を忘れさせるような動きの良さで、チームからも高く評価されている。

フルコンタクト練習のないミニキャンプでは、ラインマンの見せ場は1on1のパスブロッキングドリル。「エビーは手の使い方が素晴らしいし、非常に良いフットワークをしている」とOLアシスタントコーチのパット・ルーエル。「彼がサイズが足りない、と言う人が多いけど、すでに300ポンドぐらいあるんだ。彼は上の方でドラフトされると評価していたから、どこからも指名されないなんて驚いた」

彼は大学時代、全てのOLのポジションをこなしてきたが、今はセンターに専念している。「センターが好きだ。自分でも一番向いていると思う」とエビー。しかし現在パッカーズには、先発のフラナガンに加え、控えには大ベテランのウィンタースがいて、3人目のセンターが最終ロースターに残る可能性はまずない。今年はなんとかプラクティス・スクワッドに残って、(おそらく)来年ウィンタースが引退したら2番手センターになる、というのがチームにとっても理想的なシナリオ。そうするためにも、彼には現在ロングスナッパーとしての練習も始めさせている。

2002年6月12日

DTギルバート・ブラウンの息子が事故に

DTギルバート・ブラウンは、親権訴訟のために今回のミニキャンプに全く参加していないが、今週の練習もひきつづき欠席することになりそうだ。訴訟がようやく片付き、今週月曜日からの練習に参加しようとグリーンベイに向かった彼だったが、彼の9歳になる息子が頭蓋骨骨折の重傷を負ったという知らせがあったためだ。

「旅の途中でその知らせがあったらしいんだ」語るのは電話で彼と話したリロイ・バトラー。「ヤツはひどく落ち込んでたよ。僕だって自分の子供がそんな事故に遭ったら、自分がどうなるかわからないな」

6人目のWRはカーステン・ベイリー?

現在、開幕ロースター入りするWR陣は、グレン、ファーガソン、ウォーカー、ドライバー、リーの5人まではほぼ固まっている。昨年のパッカーズは6人のWRをロースターに残したが、今年は5人になるか6人になるか、まだわからない。しかしもし現時点で6人目のWRを選ぶとすれば、最有力候補はカーステン・ベイリーだ。

1999年、オーバーン大からドラフト3巡でシーホークス入りしたベイリーは、2000年には11試合でパスキャッチ6回、62yds。肩の大ケガのために大事なプレシーズンをほとんど棒に振ったのが痛かった。「2000年のケガは大きな後退だったよ。スターターになるチャンスだと思っていたからね」とベイリー。ホルムグレンHCはその後、ドラフト1巡でコーレン・ロビンソンを指名し、ベテランWRボビー・イングラムとも契約。ベイリーはあまりチャンスをもらえないまま、昨年の開幕前にカットされてしまう。

そのまま昨季はプレーしなかったベイリーは、シーズン終了直後にパッカーズと契約。5チームから誘いがあったが、その中からグリーンベイを選んだのは、シアトル時代にコーディネーターだったシャーマンHCがいることと、システムがシーホークスとほぼ同じだ、ということ。「これは僕のキャリアを再スタートするチャンスだと思っている。僕はこのレベルで十分やれると思っているからね。あとはチャンスをもらえるかどうか」

ロスリーOCは、「彼がロースターに残るためには上位5人と同じぐらいにならなければダメだ。スペシャルチームで貢献できるかというのも大事だ。その最後のスポットは控えFBになるか、3番手TEになるか、それともレシーバーになるか」 と厳しい。リターナーをやれるなら大きなセールスポイントになるが、ベイリーはこれまで、パントリターンもキックオフリターンもあまりやったことがない。

2002年6月11日

チャリティー・ソフトボール大会

QBファーヴの豪快なフォームファーヴ主催のチャリティー・ソフトボール大会は今年で3回目。今年は好天に恵まれ、アップルトンのFox Cities Stadium に6573人の観客を集めて行われた(ビデオ映像はこちら)。オフェンスとディフェンスに分かれて戦うこの試合は、毎年、大男たちのパワーのためにホームラン競争になってしまうため、今年は外野フェンスを下げ、ボールも飛距離の出ないものに変更された。

ルール変更に素早く対応したのがディフェンスチーム。 長打狙いを避けて30安打を効果的に積み重ね、ショートを守るファーヴの暴投にもつけこんで24-14で勝利した。これでディフェンスチームが通算2勝1敗と勝ち越した。

勝利の立役者は、3安打に加えてランニングホーマーも放ったKロングウェルと、4安打のSスコット・フロスト。一方、オフェンス陣はQBピダーソンとRBグリーンが柵越えを放ったが、元マイナーリーガーの新人WRウォーカーは不振。「野球とは全然勝手が違って、今日はタイミングが合わなかった」

チケットは10ドルから。収益金は"Brett Favre Forward Foundation"を通じて、ウィスコンシン州の恵まれない子供や障害を持つ子供たちのために役立てられることになっている。

アントニオ・フリーマン激白

Wisconsin State Journal に掲載されたWRアントニオ・フリーマンのロング・インタビュー。あまりに言いたい放題な内容に、少しは彼に未練を残していた地元のファンたちも激怒しているようだ。自分が$42ミリオンの男だということを棚に上げ、この3年活躍できなかったのはすべてはシャーマンHCが悪い、と言いたいらしい。あまりの馬鹿さ加減に筆者も訳す気になれないが、せめて要約だけ。

Too close to call

LBハーディ・ニッカーソンは、イーグルスとパッカーズの間で心が揺れているようだ。代理人によると、「問題は金じゃない。彼ぐらいのキャリアになると、欲しいのは優勝なんだ」とのこと。しかし両チームともNFCではラムズを追う優勝候補の一角と見なされていて、甲乙つけがたい。

もうひとつの要素は、ちゃんと試合に出られるかどうか。パッカーズは彼にスターターの座を確約しているらしいが、イーグルスは若手LBのガードナーと競わせる方針。この点ではわずかにパッカーズが有利か。またサラリーの面では、10ミリオン近くキャップに余裕があるイーグルスがかなり有利。

2002年6月10日

WRチャールズ・リーにチャンスはあるか

2000年のドラフト7巡のWRチャールズ・リーは、今年も5番手WRという位置付け。開幕ロースター入りは確実視されているが、それだけではもう満足できない。昨年は53人のロースターには入ることが出来ても、試合当日の45人アクティブ・ロースターには入ることが出来ないことばかりが続いた。「正直、つらかったよ。試合に備えるチームメイトの目つきを見ていることしか出来なかったのは」とリーは振り返る。「ママやエージェントに電話で愚痴を言ったりね」

しかし母親はなぐさめだけではなく、有益なアドバイスも忘れなかった。「ママは『あなたはもっとフィジカルにならなきゃ』って言うんだ。そう言われて僕も考えた。チームのビデオルームに行って、古いスターリング・シャープのビデオを探して、見てみたんだ。彼のプレーぶりを見て、本当に役に立ったよ」

今オフは精力的にトレーニングに取り組んだリーは、昨季から10ポンド(4.5キロ)ものバルクアップに成功し、彼の熱心さはレイ・シャーマンWRコーチや、QBファーヴも高く評価している。「彼は非常に自信をつけている。いつでも迷わずに試合に投入できるよ。彼はもう準備が出来ている」とWRコーチ。だからといって、試合で出番がもらえるとは限らないが、彼は常にポジティブな姿勢をくずさない。練習中でも、一番大きな声を出してチームメイトに声援を送るのは彼なのだ。

OL陣の目標はプロボウラー輩出

オフェンシブライン陣の今年の目標は、「誰かひとりでもプロボウラーに」ということに決まったらしい。ベクトルOLコーチは、「1982年からプロボウルに選ばれていないんだ。そんなに悪いわけじゃないのに」と残念がる。Cウィンタースは96年にプロボウル出場を果たしているが、それは補欠からの繰り上がりだった。

昨年、パッカーズのオフェンシブラインは、わずか22サック(NFL3位)しか許さず、しかもRBアーマン・グリーンは1387ydsラッシングを記録した。ホールディングの反則を犯したのは、わずか10回(NFL2位)。それなのにプロボウルにはCフラナガンが補欠に選ばれただけだった。「一番大事なのは、僕らはもっと安定したプレーをしなきゃいけないってことなんだ」とOTタウシャー。

2002年6月 9日

楽しいゴルフ大会

シャーマンHC時代になってから毎年恒例になったミニキャンプ中の金曜日の"遠足"。単なる息抜きではなく、チーム全体のケミストリーを高めるのが目的。新加入の選手たちが少しでも早くチームになじみ、7月のトレーニングキャンプにはお互いのことがわかっているように、という意味合いもある。一昨年はボーリング大会、昨年はペイントボールを使った戦争ゲーム。今年はゴルフ大会になった。

選手に加え、コーチやフロントのスタッフまで参加したこの大会は、4人ずつ30組に分かれての大規模なイベント。木曜日の晩に、30人のベテランがチームキャプテンとなってドラフト指名を行い、チーム編成をした。その準備のため、キャプテンたちは今週、各選手のゴルフの実力についてのスカウティングに余念がなかったらしい。「プレーブックもそれぐらい熱心に勉強してくれるといいんだが」とシャーマンHC。

Cウィンタースは1巡でOL仲間のOTタウシャーを指名。勝負に徹するSバトラーは、ゴルフの上手いPビドウェルを獲得。QBファーヴはルーキーQBのクレイグ・ノールを仲間に加えた。Sシャーパーは、ドラフトの中位でTEマーティンを指名したが、ニアピン・コンテストの説明の際にマーティンの「ピンって何?」という質問を聞いて愕然とする。「だって俺、ゴルフコースに出ること自体が初めてだし、ルールも知らんし」とマーティン。

というわけで、若手選手の通った後には、大量の穴ぼこが残ることになったが、ともかくチーム全体の親睦には大いに役立ったようだ。なお、大会の結果についてはどこにも掲載されていないが、「ドラフトの時点で勝負は決まっていた」とのこと。

えらい所にいる
DEホリデイ
OTタウシャーとCウィンタース
2人あわせて283キロ
RBグリーン
パット外してがっくり
超初心者の
TEマーティン

2002年6月 8日

ハーディ・ニッカーソン来たる

昨日もお伝えしたように、名LBハーディ・ニッカーソンがグリーンベイを訪問。水曜日の夜に到着し、フィジカルチェックを受け、翌木曜日はミニキャンプの練習を見学したり、工事中のランボーフィールドを見学したりした。この後ニッカーソンはフィラデルフィアを訪問の予定。(右写真はドナテルDCと談笑するニッカーソン

パッカーズ側は完全に歓迎ムード一色で、いわゆる「赤じゅうたん待遇」。QBファーヴは「彼は今でも、高いレベルでプレーしているし、リーグ中のたいていのLBよりは優れていると思う。それ以上に彼のリーダーシップや経験豊富さは素晴らしいし、対戦してきた我々にとってはやっかいな相手だった。もし彼が来てくれれば素晴らしいことだよ。契約できるかどうかはまだわからないけど、ウチとしてはそうなるように全力を挙げるだろうね。

OTアール・ドットソンが左ヒザを手術

OTアール・ドットソンは、今回のミニキャンプには参加していないが、それは左ヒザの関節鏡手術を受けるため。状態はそれほど深刻なものではなく、今日にもグリーンベイで行われる手術は、痛みの原因になっている遊離軟骨を除去するもの。7月下旬のトレーニングキャンプの開始には間に合うものと思われる。「だから、後で問題にならないよう、今のうちにやっておかなきゃいけないんだ」とドットソン。トレーニングキャンプまでは、フェニックスでリハビリを行うことになっている。

2002年6月 7日

QBは上位3人以外出番なし

本来ならミニキャンプではエースQBはそれほどプレーせずに若手にチャンスを与えるものだが、今年のパッカーズは少し事情が違う。なにしろ昨年のトップ3WRが全てチームを去り、現在のトップ3は、QBファーヴのパスを試合で一度もキャッチしたことがないのだ。「今回のミニキャンプのカギは、QBファーヴと若手WRたちとのコンビネーションが合うようにすることだ。そのためにファーヴの投げる量がやや多くなっている」とロスリーOC。

そのような事情のためにチャンスが大幅に減ってしまったのが、ジョシュ・ハイプルとマーカス・ブレイディの2人。「まあこれも仕事のうちだよ。ブレイディと僕は、見学しながら出来るだけ勉強するつもり。特にQBというポジションでは、いつかチャンスが来た時のために、準備を怠らないようにしなくては」とハイペル。しかしそれほどチャンスをもらえないうちに、2人はカットされてしまう可能性が高い(開幕ロースター入りするQBはふつう3人)。

ドラフト5巡指名のクレイグ・ノールは、4月のミニキャンプではプレーブックを渡されたばかりで、頭がパニック寸前になってしまっていたが、今回はずいぶん落ち着いてプレーできているようだ。「彼は全く物怖じしていない。現時点では、彼は非常によくやっている」とロスリーOCも評価。

また、ライオンズをカットされたQBチャーリー・バッチには興味を持っていない、とヘイトリー副GM。

WRジャヴォン・ウォーカー好調

4月のミニキャンプでは、動きに硬さが目立ち、落球も多かったドラフト1巡ルーキーのWRジャヴォン・ウォーカーだが、今回のミニキャンプではかなり良くなってきて、首脳陣の舌も滑らかだ。「彼は非常に良くなってきて、スムーズに動けている。それが大事なんだ。我々のようなオフェンスシステムでは、若い選手が理解するのには時間がかかるものだが、彼はその理解も進んできた」とシャーマンHC。

ウォーカー本人も「4月の時には、考えながら動かなくちゃいけなかった。ただ言われたとおりのポジションに入って必死に学ぶだけだった。でも今は全然違う」と語る。「これまで彼のために多くのミーティングを行ってきたが、彼も勉強してずいぶん準備が出来てきた。それがプレーにも表れている」とシャーマンHCも認めている。

LBハーディ・ニッカーソンがグリーンベイ訪問

サラリーキャップ問題のためにジャガーズをカットされたばかりのLBハーディ・ニッカーソン。36歳という年齢にも関わらず、まだまだ並みのラインバッカーより優れたプレーを見せている彼に、パッカーズ、イーグルス、バッカニアーズあたりが興味を示している。本人が親しい友人に漏らしたところによると、今のところグリーンベイが最有力とか。

パッカーズは今週中にも彼をグリーンベイに招くことになっている。「(タンパ時代に)長いこと彼と対戦してきて、彼のスピードやプロフェッショナリズムには敬意を持っている。きっと我々の助けになるはずだ」とシャーマンHC。

2002年6月 6日

DTサンタナ・ドットソンはレッドスキンズへ

2月末にパッカーズから解雇されていたベテランDT、サンタナ・ドットソンはレッドスキンズと契約した。契約の詳細はまだ不明だが、おそらく(10年以上の)ベテラン最低年俸の$750,000あたりではないかと見られている。今のところレッドスキンズの先発DTはウィルキンソンしか決まっておらず、ドットソンが仮のスターターとなる。しかしレッドスキンズは元レイヴンズのサム・アダムズとの契約も狙っているらしい。

ドットソンは92年にドラフト5巡でバッカニアーズに指名され、4年間をタンパで過ごしたあと、96年にグリーンベイへ。2度のスーパーボウル出場に大きく貢献した。しかし、キャリア最高ともいえる活躍を見せていた2000年シーズン途中にヒザ上の腱を断裂する大ケガ。2001年の開幕には間に合ったものの、やはり全盛期の力は戻らず。そのため今年の2月にはジョン・シエリーらとともにカットされていた。

RBグリーンは今後も左手でキャリー

左利きのRBアーマン・グリーンは、必ず左手でボールを持つことがライバルチームにも知れ渡ってきた。今回のミニキャンプでは右手で持つ練習もしてみたグリーンだが、結局いままでのやり方を大きく変えずに行くことになったようだ。 「やり方を変えることによって、余計にファンブルしやすくなってしまうと思うんだ。彼はキャリアを通じて左手でボールを抱えてきた。それを変えるつもりはない」とクルームRBコーチ。「一番大事なのは、ボールを持っている方の前腕を武器に使わないことだ。そういう時に問題が起きる」

チームメイトもグリーンを支持する。「左手で持つのが一番しっくりするなら、そうすべきなんだ」とダレン・シャーパー。控えRBのロンデル・ミーリーも「変えちゃダメだよ。今のやり方で快適なら、問題はない」と語る。彼によると、グリーンはボールを持ったままで側転やバック転もできるらしい。

シアトル時代にはホルムグレンHCによって「ファンブラー」というレッテルを貼られていたグリーンだが、昨年は304キャリーでファンブル6回(ロスト5回)というのは決して多すぎる数字ではない。「僕自身、ファンブラーだなんて思ったことはない。いつだって起こりうることなんだ。雨のせいってこともあるし、手が滑ることもあるしね。心配なんてしてないよ。ファンブルしたとしても、それを乗り越えていかなきゃ」

ロン・ウルフがグリーンベイ訪問

現在のパッカーズを築いた功労者といってもよい元GMのロン・ウルフが、シャーマンHCの招待に応じてグリーンベイを訪れた。ウルフが"コンサルタント"の地位に退いてちょうど一年。今回の訪問も表面的なもので、後継者にアドバイスを与えるためではなかったようだ。「あくまで自分の楽しみのためだよ。たった1年のうちに見知らぬ顔が増えるというのは面白いね」

3月にはファルコンズのGM就任の直前まで行ったように、ロン・ウルフがいずれどこかのチームのGMに就任するのでは、という憶測は根強い。「GMの仕事をするにはもっと若くなくては。私はもう戻るつもりはない。『絶対にない』ということは言うべきではないけれど、私にはもう興味はない」とウルフは強調する。あとは、後継者の仕事ぶりを称えることに終始した。

2002年6月 5日

ミニキャンプ始まる

月曜日から10日間のミニキャンプがスタートした。

2002年6月 4日

WRアントニオ・フリーマンを正式に解雇

長い間続いた減俸交渉はけっきょく合意に至らず、大方の予想通りパッカーズはWRアントニオ・フリーマンを解雇した。シャーマンHCは「先週の金曜日、フリーマンと私はとても実りある話し合いができた。彼は『現在のチーム内での立場を考えると、他チームでチャンスを得たいのだ』と率直に話してくれた」と説明する。「契約見直しが合意に達しない以上、FA市場を試すのが現時点でベストだ、というのが彼の考えだ。その考えを尊重して、我々は彼を解雇することになった。

1995年にドラフト3巡でグリーンベイ入りしたフリーマンは、2年目となる96年の優勝シーズンには骨折で4試合欠場しながらも933ydsを記録してエースWRに成長。翌97年には1257yds、そして1998年に1429yds、14TDを記録し、オールプロにまで登りつめた。 しかしそこで総額$42ミリオンという巨額の7年契約(当時のWR史上最高額)を手にしたことが、彼のグリーンベイでの立場を逆に苦しくさせることになってしまった。99年には1072yds、2000年には917yds、2001年には818ydsと数字は下がりつづけ、まだ30歳にもかかわらず「全盛期のキレを失った」という評価を覆せないまま。

マンツーマンでCBを振り切れないWR陣に業を煮やしていた首脳陣は、今オフになってスピード重視の補強を敢行した。シュレーダーとの再契約を見送り、テリー・グレンをトレードで獲得。ドラフト1巡でジャヴォン・ウォーカーを指名し、2年目のファーガソンも急成長してスターターを確保する勢い。そんな中でフリーマンの居心地は悪くなる一方。そして昨年・今年とチーム側からのサラリーカット要請を承諾しない意固地さが解雇につながった。

グリーンベイでの7年間にフリーマンが記録した通算57TDパスキャッチは、ドン・ハトソン、スターリング・シャープに続いてチーム史上3位。通算417パスキャッチはチーム史上5位。QBブレット・ファーヴとのコンビで記録した57TDパスキャッチは現役最多。NFL史上5位。

フリーマンを解雇したことで、ギリギリだったパッカーズの今年のサラリーキャップには$4.3ミリオンもの空きができる。それだけでルーキー全員と契約した上に、何人かの(安い)ベテランの補強もできるはずだ。しかし来年は$4.2ミリオンの"Dead Money"がサラリーキャップを圧迫することになる。

また、残るWR陣はテリー・グレンがほぼエース確定。2番手は2年目のファーガソンがいまのところ最有力で、それをドラフト1巡のウォーカーが(順調なら)追う。ドナルド・ドライバーは3番手争い。チャールズ・リーは4番手争いか。

2002年6月 3日

ミニキャンプはディフェンス陣の欠席多し

週明けから始まる今オフ2度目のミニキャンプ。昨シーズン中からオフェンスよりもディフェンスにケガ人が多かったが、それは今になっても続いているようだ。主力選手の中で、ミニキャンプの練習に参加しないのは、Sバトラー、Sエドワーズ、LBウェイン、LBギジー、DEレイノルズなど。そのため、若手に多くのチャンスが与えられることになる。

Sリロイ・バトラー(肩甲骨の骨折)

「我々にとって前例が少ないケガなので、骨がくっつくまでは慎重に」とドナテルDC。

Sアントワン・エドワーズ(ヒザの前十字靭帯断裂)

シーズンエンドの大ケガを負ったのが昨年の9月30日。その後のリハビリは非常に順調。「今回のミニキャンプ中にも、フォーメーションチェックなどの軽い練習に参加させるかも」とドナテルDC。

LBネイト・ウェイン(膝蓋腱の手術)

膝蓋腱を修復する手術をしたのは2月。「もうじきランニングもできるだろう。でも練習に参加させるのは早すぎる。やろうと思えばたぶん可能だろうけれど、何故そんなに慌てる必要がある?」とペリーニLBコーチ。

LBクリス・ギジー(腰の椎間板ヘルニア)

腰の手術をしたのは昨年12月。「よくわからない。もう少し様子を見ないとね。ただ、先週あたりからかなり良くなってきているようだ」とペリーニLBコーチ。

DEジャマール・レイノルズ(ヒザの遊離軟骨除去手術)

「このミニキャンプが終わった直後ぐらいから、みっちりとトレーニングを始められるだろう」とドナテルDC。

2002年6月 2日

RBブルッキンズの契約について

パッカーズと契約したばかりのRBジェイソン・ブルッキンズだが、やはり2番手RBを確約されたわけではなかったようだ。水曜日にグリーンベイを訪れてワークアウトを行ったブルッキンズに対し、パッカーズはすぐに契約交渉を開始。なんと契約ボーナスなしの2年契約に成功した。ブルッキンズの代理人は「2番手に決まったわけではないが、私が得た情報では、レヴェンズはもう戻らないのではないか」と語る。また、グリーンベイの他にもタンパベイやバッファローからも誘いがあった、とのこと。

解雇される直接の原因になった体重オーバーの問題だが、昨年は235ポンドだったのが、レイヴンズのミニキャンプに現れた時は252ポンド。それがビリックHCの怒りを買った。しかし代理人は「去年の実際にプレーしていた時期の体重は245ポンドだった。だから今だってそれほど増えているわけではない」と主張している。

ブルッキンズはLane College出身の26歳。2000年にドラフト外ルーキーとしてレイヴンズ入りしたが、最終ロースターに残ることができず、シーズン中はレイヴンズ、レイダーズ、ジャガーズのプラクティス・スクワッドを渡り歩いた。そして昨春、NFLヨーロッパでプレーしたあと、再びレイヴンズでチャンスをつかんだ。

大型のパワー・バックであるブルッキンズと契約したのは、フルバックの控えとしてもアテに出来る、とパッカーズ側が判断したからのようだ。ドラフト4巡指名のダヴェンポートがヘンダーソンの控えになるはずだったが、足の骨折からの復帰が遅れ、来週のミニキャンプには参加できない見通し。ブルッキンズを確保しておけば、今後ダヴェンポートが再手術をするようなことになった場合の保険にもなる。

またブラント交渉担当によると、パッカーズは今でもRBレヴェンズとの再契約を目指している、とのこと。しかしその金額はベテラン最低保証年俸あたりでしかないようで、レヴェンズ本人は他チームと契約する方に気持ちが大きく傾いている、という見方が支配的になりつつある。

2002年6月 1日

新ランボーフィールド建設がちょうど中間点に

新ランボーフィールド建設が、進捗状況のうえでも建設費用のうえでも、完成までのほぼ中間地点に達した。これまでのところ非常に順調で、全て予定通り。今後の大きなハードルは、8月26日のプレシーズンゲーム(CLE戦)までに作業の65%から70%を終わらせて、仮オープンにまでもっていくこと。そしてレギュラーシーズン中にも平行して建設は続け、来季終了時点には、80%まで完成させる見込み。

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