グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2014年7月25日

トレーニングキャンプの見どころ 2

今週末にスタートするトレーニングキャンプのみどころ、後半はディフェンスについて。昨季大不振だっただけあって、オフェンスとくらべて不確定要素が多い。なおスペシャルチームはリターナーを除いて無風なので割愛する。

◆ セーフティの向上なるか

昨季ディフェンス不振の元凶がここ。M.D.ジェニングスとは再契約せず、マイカ・ハイドをCBからコンバートし、1巡でハハ・クリントン=ディクスを指名してV字回復を目指している。ミニキャンプまではSSモーガン・バーネットとFSハイドが1stチームだったが、開幕までにクリントン=ディクスがスターターになるだろうという見方が多く、キャンプでは彼らの先発争いがディフェンス最大の注目ポイントとなる。敗れた方がダイムバックか。CBウィリアムズ、CBシールズ、CBヘイワード、Sバーネット、Sクリントン=ディクス、Sハイドというダイム隊形の陣容はかなりのものだ。

ロースター枠は通常4人なので、残る枠は1つ。昨季それぞれ出場機会をもらったクリス・バンジョーとショーン・リチャードソンの争いか。

◆ ディフェンシブラインの再編成

NTライアン・ピケット(34歳)およびDEジョニー・ジョリー(31歳)との再契約を見送り、ルトロイ・ガイオン(27歳)とFA契約。 B.J.ラジとは再契約したが、1年契約にとどめ、優勝時に活躍したノーズタックルに戻すことに。ピケットとジョリーの退団でラン守備に不安は残るが、若手が成長する楽しみも大きい。重さよりもクイックネス、という方針変更が奏功するかどうか。

ノーズタックルはラジ、ガイオン、ジョシュ・ボイド(昨年5巡)の3人が有力。3巡指名のカイリー・ソーントンもいずれNTとして将来のスターターに育てるかもしれない。

ディフェンシブエンドでは、昨年マイク・ダニエルズが6.5サックを挙げる活躍でDL陣の中心選手となった。昨年の1巡指名デイトン・ジョーンズも同じように2年目の成長を見せてほしいところ。パスシチュエーションでは彼ら2人がインサイドラッシャーとなる予定。小兵のダニエルズがラン守備で無駄に消耗しないよう、他の若手DLがローテーションに加わって働いてくれなければならない。一昨年の2巡指名ジェレル・ウォージーはケツに火がついており、開幕前の解雇もありうる。

ロースター枠は7人あるいは6人。開幕ロースター確実といえるのはラジ、ダニエルズ、ジョーンズ、それに3巡指名ソーントンまでか。ケガ人が出ればピケットを呼び戻す選択肢もある。

◆ インサイドLB

A.J.ホークブラッド・ジョーンズの先発コンビ(どちらも契約は2015年まで)は今年のディフェンス最大の弱点とみなされている。それなりに堅実だが、ラン守備では受け身なプレーが目立ち、パスカバレッジではアスレチックなTEたちについていくスピードやクイックネスがない。今年はFAでもドラフトでも補強がなかったことから、ジャマリ・ラティモア待望論が強まっている。代役出場で光るものを見せた彼が今キャンプで先発コンビをどれだけプッシュできるかが注目。昨年の7巡指名サム・バーリントンもチャンスがあるかもしれない。

ロースター枠は4人あるいは5人。LB全体で10人のことが多く、今年はOLBが人材豊富なのでILBは4人だろう。上記の4人ですんなり決まってしまいそうだが、バーリントンしだいではドラフト外ルーキーたちにもチャンスが出てくる。

◆ アウトサイドLB

昨季はクレイ・マシューズニック・ペリーがともにケガに苦しみ、OLB転向1年目のマイク・ニールが10試合、7巡指名ネイト・パーマーとドラフト外のアンディ・ムルンバがそれぞれ3試合に代役先発せざるをえなかった。タレント不足は目をおおうばかりで、パスラッシュもラン守備もガタガタになってしまった。

今年はジュリアス・ペッパーズ(通算119サック)とFA契約し、再契約したマイク・ニールの進歩も見込める。4巡指名のカール・ブラッドフォードも面白そうなタレントだ。マシューズとペリーの2人が元気ならばかなりの戦力アップが見込めそうで、ケイパースDCが2009年に就任して以来もっとも充実した陣容といえるかもしれない。

ペッパーズ、ニール、ペリー(いずれも元DE)はエレファント・エンド(DEとのハイブリッド)として使う、という首脳陣のコメントもあり、今年は戦術面の変化にも注目が集まる。それが実現するなら、実質3-4と4-3のハイブリッドディフェンスといっていいのでは。昨年ペリーは右サイドからのラッシュが非常に得意であることを証明したので、マシューズは左サイドでの起用が増えるかもしれない。ペッパーズは左右サイドを選ばず、インサイドからのラッシュもいい。

今年のロースター枠はおそらく6人。マシューズ、ペッパーズ、ペリー、ニールにくわえて新人ブラッドフォードもほぼ当確か。2年目のムルンバとパーマー、それにドラフト外ルーキーたちで最後のイスを争うことになりそう。

◆ コーナーバック

ベテランのトラモン・ウィリアムズ、大型契約を手に入れたサム・シールズの2人がスターター。ハムストリング断裂で昨季のほとんどを棒に振ったケイシー・ヘイワードがニッケルバックに復帰する見込み。ウィリアムズ(キャップナンバーは$9.5M)は契約最終年を迎えているが、31歳という年齢もあって契約延長の話はいまのところない。チームは彼と再契約せずシールズ&ヘイワードの先発コンビを考えている証拠だろう。

上記3人に次ぐCBはマイカ・ハイドだが、彼がセーフティに完全に移るのであれば4番手はデヴォン・ハウスジャレット・ブッシュの争い。ブッシュはかつて実戦に弱かったが、昨季はダイムバックとしてファルコンズのTEゴンザレスを封じ込める活躍を見せた。ハウスは昨季が予想外の不振だったが、今年は契約最終年なのでなんとかしたいところ。6巡指名のディミトリ・グッドソンはフットボール経験が浅く(バスケからの転向)、キャンプが始まってみないとわからない。

ロースター枠は通常6人。ドラフト外や元プラクティス・スクワッド組はグッドソンと最後のイスを争う。

カテゴリ : Camp, Player