グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2013年10月31日

TEジャーマイケル・フィンリーが胸の内を語る

ブラウンズ戦で首を負傷したTEジャーマイケル・フィンリー。いまは専門医たちの意見を聴き、現役続行が可能なのか、復帰できるのはいつかを検討することになっている。家族の元で休息中の彼が、負傷した当時の恐怖や復帰への意欲など、きわめて率直に胸の内を語ってくれた。

倒れた時に心をよぎったこと

「神は僕を罰しているのか? これはカルマ(因果応報)なのか? フィールドに倒れて最初に思ったのはそれだった。これまでしてきたすべての過ちが、この瞬間に襲いかかってきたように感じた」

どのようなプレーだったか

「あっという間の出来事だ。ディフェンダーが視界の隅に現れ、僕は頭と肩を下げてヒザを守ろうとした、そのことは覚えている」

倒れていたとき

「意識ははっきりとあった。でも動けなかった。顔を覗き込むTEアンドリュー・クウォレスの目を見て僕はささやいた。『 Q、助けて。体が動かない。息ができない』と。一番恐ろしかったのは、Qの目に浮かんだ恐怖を見たことだ。何かがおかしいのはわかっていたけど、それが彼のリアクションで確かめられた。身も凍る思いだった」

「じっさい両脚には感覚があったけど、それ以外はあまり感覚がなかった。フィールドで倒れている時、ドクターたちは通常の手順を進め、感覚をテストし、僕にたくさんの質問をした。でも僕は少しパニクっていたから呼吸ができず、答えるのに苦労した。ドクターに『脚を閉じてみて』と言われ、できなかったのを覚えている。けっきょく僕のフェイスマスクをネジで外し、持ち上げてストレッチャーに載せられた」

ストレッチャーでフィールドを去る

「ランボーから出ていく時、僕は手を動かしてファンに親指を立てようとした。でもその半分ほどしか腕を動かすことができなかったんだ。僕は神経外科医に『また歩けるようになるのか?』と何度も聞いた。彼は『できます。いま両脚を動かせていますから』とはっきり答えてくれた。『また腕が使えるようになる? またフットボールができるようになる?』といった質問には、『まだはっきりとしたことは言えません』という答えだった。明らかに問題があるとわかり、僕は本当に怖かった」

病院にて

「地元の病院のICUに運び込まれ、最初の夜はクレイジーだった。その階の誰もが生死の境にいるというのに、僕は24時間の介助を受けるためだけにICUにいる。最初にドクターが来るまで、自分がICUにいることを僕は理解していなかった。『フィンリー、貴方はいまICUを麻痺させていますよ。訪問者が多すぎ、この階にいる患者までもが貴方に会いたがっている。こんな混雑は困る』と言われたんだ。僕としては、『おいおい、オレはボードにストラップで固定されてるんだよ。いったいどうしろっていうんだ』と言いたかった。必死でこらえたけど」

「僕はずっと友人や家族やチームメイトたちと冗談を言い合っていた。状況がいくら深刻でも、僕らはなんとか笑おうとし続けた。それが大いに役に立った」

検査結果を待つ

「シナリオがまったくわからない、それが一番恐ろしかった。呼吸をするのも話すのも問題があった。日曜夜に撮った最初のCTスキャンで、首の骨が折れていないことがわかった。家族と僕にとって素晴らしいニュースだった」 

「月曜になると、体調がずっとよくなってきた(写真)。動きが回復し始め、じっさい立ち上がって、試合後初めてシャワーを浴びることもできた。バランスや体の各部の協調がまだ少しおかしく、そこは心配なところだった。でもそれも時間が経つにつれ回復してきた。テキサスから祖母と継父が来たり、ミネアポリスから代理人事務所の連中が来たりした。その夜になって一般病棟に移り、半分ものチームメイトやコーチたちが見舞ってくれた。僕は本当に恵まれていると感謝した。グリーンベイではいろいろなことがあったのに、こうしてチームメイトやコーチやファンから愛され、サポートしてもらえるのは本当に素晴らしいことだった。自分にとってどれほど大きな意味のあることか、とても言葉では説明しきれない」

回復について

「詳しい検査を続け、ケガの程度を調べた。月曜午後には、チームドクターや代理人が6人もの専門医にコピーを送って意見を聞き始めた。またも脳震盪のように見えたかもしれないが、脊髄打撲といわれる状態であることがわかった。脊髄が衝撃を受けて、2cmほどにわたって打撲が生じた。それは時間をかければ回復する」

「僕は申し分のない最高の治療を受けている。そしてパッカーズと代理人が協力し、専門医の診断を仰ぎ、過去の症例や、次のステップについて意見を聞いているところ。現時点では回復へのタイムラインははっきりしない。だからこのケガで僕のシーズンが終わるのかも、まだわからない。言うまでもないけど、いま一番大事なのは休息すること、打撲した脊髄が癒えるようにすることだ。その後は、何人かの専門医を国じゅうに訪ね、首と頭についてのセカンド、サード・オピニオンを聴くことになるだろう」

「僕のフィールド外の人生についていろいろ報道されてきたし、僕がこの1年、成熟した人間になろうといかに努力してきたかも知ってもらっていると思う。人生が正しい方向に向かうよう助けになってくれる人々に僕は囲まれている。まだ成長の余地が残ってはいるが、僕は2年か3年前と比べてはるかによい状況にある。そのうちの1つが金銭面だ」

金銭面での将来

「身体障害保険の重要性を、代理人やフィナンシャル・アドバイザーからずいぶん説教されてきた。アスリートというのは自分が無敵の存在のように感じがちで、だからこそ感情を排して判断してくれる信頼できるアドバイザーが重要なんだ。そして僕はそのアドバイスに従ったおかげで、多くのアスリートが抱えるプレッシャーと無縁でいられる」

「僕は$10ミリオンの保険に入っている。もしこのケガでフットボールができなくなった場合、僕は無税で$10ミリオンを受け取ることができる。これは税引き前の$16ミリオンから$17ミリオンのNFLサラリーに相当するんだ。僕がプレーするのは絶対にお金のためじゃないが、何が起きようと僕の家族が将来にわたって経済的に問題ない、と安心して夜眠ることはできる」

フットボールへの復帰は

「もちろん僕はまたフットボールをプレーするつもりでいる。僕はフットボールを愛してる。日曜を愛してる。これまでドクターたちから聞かされた話を元にすれば、問題は『復帰できるか』でなく『いつ復帰できるか』だ」

「恐れはあるか? もちろんある。この4週間でこれだけ経験すれば、恐れずにいるなんて不可能だ。僕は人生を通じてフットボールフィールドでのプレーを続けてきたけど、ストレッチャーでフィールドを去るほど怖いことはない。落球癖とか、フィールド外でのトラブルがどうだろうと、僕が偉大なプレーヤーになるためにどれだけ努力してきたかは誰にも疑問の余地はないはずだ。僕はフットボールがしたい。そうすることが必要なんだ。僕にとって全てだから」

「ひどい自動車事故に遭ったような感じだけど、体調は毎日よくなってきている。体を動かす能力、各部の協調、バランスはみな元通りに戻った。こうして何もせず待つのは気がもめるけど、首が治ってきているのは感じられる。頸部や頭部の外傷を乗り越えて復帰を果たした新しい症例になれると僕は自信を持っている。ヒザ前十字靭帯の回復が毎年よくなっているのと同じように、意思や献身や優れたサポートシステムの助けがあり、科学や医学は日進月歩だから」

家族の反応 (注: 9月に脳震盪を起こした際には息子が『もうプレーしてほしくない』と言った)

「試合の前にはいつも5歳の息子ケイドン(写真)が僕の健康と安全を祈ってくれる。『今度はなぜ神様は僕らの祈りを聴きいれてくれなかったの?』と質問されたよ。神様は聴いてくださってる、ただときどき僕らを違ったやり方で助けてくださるんだ、と僕は話した。『パパ、きっとそうだね。僕らの祈りを聴いて、パパを治して元気にし、またフットボールをプレーできるようにしてくれてるんだ』と息子は言ってくれた」

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