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2005年7月31日

Day 1: DTハントは半分別メニュー

WRジャヴォン・ウォーカーが心境を語る

ホールドアウトを解除してキャンプ初日の練習に参加したWRジャヴォン・ウォーカーが、現在の心境を語った。非常にポジティブな態度で、契約問題はいったん棚上げにして、フィールドでベストを尽くす意思を強調している。「今の僕の仕事は、フットボールをプレーすること。フットボールをして、良い結果が出せなければ何にもならないんだ。フィールドに出てプレーをして、そのパフォーマンスが良ければ全ては上手く行くものだ」

「キャンプ出席を決めたのは、火曜日の夜のことだった。家族や代理人と話し合って、これがベストだと結論を出した。僕はフットボールシーズンを休むつもりは全くなかったし、キャンプに出てスーパーボウルを目指すのが最善の道だった。(交渉のことは)公にするよりもチーム内に留めた方がいいしね」

「確かに、なんとかしたいと思っている(契約の)問題はまだある。でもだからと言って、フットボールに関して僕がすべきことが減るわけじゃない。今は契約のことは置いておいて、何事もなかったように、フットボールをプレーしたい。フットボールに関して、去年の僕はハングリーだったけど、今年はさらにハングリーになっている」

ミニキャンプを2回とも休んだことに関して、QBファーヴはウォーカーへの批判をメディアを通して繰り返していたが、すでに2人はロッカールームで話し合い、互いに何のわだかまりもないことを確認している。「互いに何も悪気はないんだ。彼には彼の意見があるし、僕にも僕の意見がある。個人攻撃などとは思っていないよ」

この話し合いを持ちかけたのはファーヴの側だったらしい。「ジャヴォンが戻ってきてくれて、どれだけ僕が喜んでいるか伝えたかったんだ。その上で、僕が(メディアを通じて)言ったことを変えるつもりはないと言った。知っての通り、僕はジャヴォン個人のことを悪く言ったことはない。気に入らなかったのは、契約問題の扱い方だ。彼の本当の人柄が、(チームに合流したことに)表れたと思うよ。ホールドアウトするつもりなど最初からなかった、と彼は言っていた。交渉のための手段に過ぎなかったんだ。彼は素晴らしいヤツだし、すごいプレーヤーだ。きっとチームを助けてくれるに違いない。彼が来てくれて嬉しいよ」

WRウォーカーは、昨年と同様に今年のオフも、アリゾナ州フェニックスのトレーニング施設で厳しいトレーニングを積んだとのこと。トレーナーのブレット・フィッシャーは、「プロボウル出場を達成した選手の中には、満足してしまって悪い方向に向かう者もいる。ジャヴォンはそのようなことはなく、さらにハングリーになっている。昨年の好成績で彼がどのように変化するか私は見守っていたが、悪い兆候は全くなかった。体作りに関して、チーム側が心配するようなことは全くない」と太鼓判を押している。

DTグレイディ・ジャクソンはPUPリスト入り

DTグレイディ・ジャクソンは前日のフィジカルチェックを合格せず、Physically Unable to Perform (PUP)リスト入りしてのキャンプスタートとなった。チーム側から許可が出るまではチーム練習には参加できず、個人ワークアウトのみに限られる。本人はなぜ自分がPUPリストに入ったのかわからないとし、「ヒザは問題ない。どこも悪くない。どうなっているのかわからないよ」と語っている。

もしこのリストに入れず、無理に練習に参加させてケガをした場合、(たとえ解雇しても)1年分のサラリーを支払わなければならないルールがあるらしい。昨日の記事のように、いまや彼は完全に不満分子化し、解雇の可能性が十分あるだけに、チーム側は慎重にリスク管理を考えているのかもしれない。

2005年7月30日

DTグレイディ・ジャクソンが放出を希望

サラリーへの不満からホールドアウトを示唆していたDTグレイディ・ジャクソンは、時間通りにキャンプ地に合流した。しかしフロントへの不満はむしろエスカレートした様子で、「解雇かトレードしてくれ、とチーム側に言った」と本人は語っている。彼がキャンプに来たのは、不満が和らいだからではなく、罰金(無断欠席1日につき$6000ドルを科せる)を恐れてのことのようだ。

キャンプ地に来てすぐに球団首脳と直談判した彼は、「彼らは僕をリスペクトしたくないようだ。もし僕がトップ10かトップ20のランストッパーであるなら、それを尊重してほしい、ということなんだ。今は尊重してくれてはいない。もし他の誰かにできる仕事なら、そいつにさせればいい。そういう気持ちだ。間違えてほしくないが、僕はパッカーズに不満があるんじゃない。フロントに対してだけだ。不満なのはビジネス面だ」

2巡指名WRテレンス・マーフィが5年契約に合意

2巡指名のWRテレンス・マーフィが契約に合意し、金曜日の全体練習初日に間に合うことになった。Press-Gazette紙によると、昨日のSニック・コリンズと同様にこちらも5年契約で、契約ボーナスは$1.5ミリオンとのこと。Sコリンズの契約ボーナスは$1.83ミリオンと報じられている。これで未契約のルーキーは1巡のQBロジャースだけとなった。

Day 0: TEフランクスはまだ合流せず

2005年7月29日

WRジャヴォン・ウォーカーがキャンプ合流

今春2回のミニキャンプを欠席し、トレーニングキャンプもホールドアウト確実と見られていたWRジャヴォン・ウォーカーが、時間通りにキャンプ地に到着し、水曜夜7時の全体ミーティングに出席した模様だ。水曜午後5時ごろ、グリーンベイ空港に到着したところをJournal Sentinel紙のトム・シルバースタイン記者に発見され、時間通りにキャンプに出席することだけは認めたウォーカーだが、それ以外についてはいっさいノーコメント。

同じく契約延長を求めてホールドアウトの可能性があるTEババ・フランクスとDTグレイディ・ジャクソンについては、ベテラン集合時間の水曜夜7時までに到着しているのかは不明。誰が来ていて誰が来ていないか、チーム側が明らかにしていないためだ。

グリーンベイ・パッカーズ株主総会

2巡指名S/CBニック・コリンズが5年契約に合意

キャンプ2日目の午後、2巡指名のS/CBニック・コリンズが契約に合意した。パッカーズ側の希望通り、5年契約となった模様だ。代理人によると、コリンズは合意後にオーランドから飛行機に乗り、グリーンベイに向かったとのこと。グリーンベイ到着後に正式サインの運びとなる。これで、残る未契約ルーキーは1巡のQBロジャースと2巡のWRマーフィのみとなった。

ベテランを含む全選手が水曜夜に集合し、木曜日は練習はなしで、体力測定と地元商工会との昼食会が予定されている。金曜朝から全体練習がスタートするため、それまでに両ルーキーとの契約が間に合うかが次の焦点と言えそうだ。

2005年7月28日

Camp Notebook: 上位指名3人は間に合わず

2005年7月27日

College again

月曜日、つかの間の夏休みを終え、ルーキーを含む若手選手たちが街に帰ってきた。水曜日にはベテランたちも合流する。彼らはおよそ3週間にわたってSt. Norbert Collegeの狭い学生寮に2人1組で押し込まれ、まるで学生時代に戻ったような日々を過ごすのだ。学生と違うのは、朝から晩までフットボール漬けであること、そして寝坊は許されないこと。

朝食は6時半、消灯は23時。1階から3階にわたって選手たちの部屋が並ぶが、基本的に年功序列で、ベテランが1階、中堅が2階、ルーキーには3階が割り当てられる。各部屋にはベッドが2つ、机が2つ、バスルーム、空調は完備。テレビなどは各自で持ち込むしかない。収納スペースは小さい。フロアごとに、飲み物などが入った冷蔵庫がある。McCormick Hall が選手たちのラウンジとなっていて、テレビ、PC、ビリヤード台などがある。

1957年にパッカーズがこのSt. Norbert Collegeをキャンプ地に選んでから、48年にわたって、同大学とパッカーズは良好な関係を続けてきた。マイケル・マースデン学生部長は、「我々とパッカーズとの関係は、50年に近づこうとしています。我々がすることは、選手たちのプライバシーを守り、彼らが仕事に集中できるようにすること。まるで避難所のようでもあります」と語っている。

4巡指名の2人と契約

4巡指名のSマーヴィール・アンダーウッドとLBブレイディ・ポピンガとの契約が月曜日に発表された。詳細は不明だが、どちらも4年契約とのこと。これまでのところ、5巡指名のC/Gジュニアス・コストンが5年契約を結んでいるが、それ以外は全員が4年契約だ。

これで残るは1巡のQBロジャース、2巡のSコリンズ、2巡のWRマーフィの3人。チーム側と代理人との話し合いは精力的に続けられているが、QBロジャースは数日間合流が遅れる可能性もある。

2005年7月26日

ロースター展望 ST編

ここ数年パッカーズのスペシャルチームは、キッカーは優秀、パンターはイマイチ、キックオフリターンはまあまあ、パントリターンはそこそこ、カバーチームはまずまずだった。昨年は3巡指名を裏切ったPサンダーが立派なスターターになれるかが、今年の最大の課題だ。ホルダーとして優秀なFGチームに貢献してきたQBピダーソンとPバーカーが抜け、今年は新ホルダーとなるのも不安要素だ。リターナー候補は充実してきた。

ロースター枠は、キッカー、パンター、ロングスナッパーが1人ずつ。KロングウェルとLSロブ・デイヴィスは確定で、パンターはPサンダーがリード。パントリターナーは控えWR陣の争い。キックオフリターナーはそこにRBダヴェンポートも加わる。

ライアン・ロングウェル Ryan Longwell

正キッカー。プロ9年目の30歳。カリフォルニア大から1997年のドラフト外で入団し、1年目からスターターとなって以来、全試合に出場している。NFL史上4位の通算82.4%の成功率は、悪条件の多いチームとしては素晴らしい数字。常に冷静で勝負強い。キックオフの飛距離だけが不満だが、強風など悪天候への強さは、それを補って余りある。昨季は試合最後の決勝FGを計4回も成功させ、これは1970年以来NFL最多とのこと。

現在はロースター上にキッカーは他におらず、ロングウェルへの信頼の厚さを表している。来春には契約が切れるため、いずれ契約延長交渉をすることになるだろう。

B.J.サンダー B.J. Sander

今のところ正パンター。昨年のドラフト3巡指名で入団。シャーマンHC/GMはパンターを3巡指名したことで批判され、そのうえスターターの座を確保できないのにロースターに残したことで、さらに大きな批判を浴びた。今春はNFLヨーロッパに派遣され、多少はたくましくなって帰ってきたようだ。安定性が一番の課題だが、相手レッドゾーンに落とすパントは非常に上手い。公式デプスチャートではホルダーとしても1番手になっている。

ロースター上には下記のベネコスしかライバルがいないが、キャンプ・プレシーズンゲームで出来が悪ければ、チーム側はベテラン選手を補強するつもりのようだ。サンダーにとっては、目に見えないベテランとのスターター争いと言える。

ブライス・ベネコス Bryce Benekos

2番手パンター。テキサス大エルパソ校から今年のドラフト外で入団。6チームからの誘いがあったが、$5,000ドルの契約ボーナスを提示したパッカーズへ。身長196cmの大型選手で、脚力が強く、今年のルーキーの中ではトップ5以内の評価をされていたようだ。しかしここまでの2回のミニキャンプでは、出来はあまりパッとしない。

ロブ・デイヴィス Rob Davis

1997年からパッカーズの正ロングスナッパーを務める、プロ9年目の36歳。レギュラーシーズン119試合連続出場は、QBファーヴとKロングウェルに次ぐ現在のチーム内では3番目。極めて安定した、NFLトップクラスのロングスナッパーだ。精神的にも、若手選手たちのよき兄貴分となっている。ロングスナップ以外のポジションはプレーしない。

デイヴィスがケガをした場合の代役として、公式デプスチャート上ではルーガマーが2番手LSとなっている。その他の選手のロングスナップの能力については不明。

ホルダー

一昨年まではQBダグ・ピダーソン、昨年はPブライアン・バーカーが非常に優れたホルダーとしてKロングウェルの高い成功率に貢献していたが、今年は全く新しいホルダーを迎えることになる。現状ではPサンダーが1番手、次は控えQBのうち2番手QBを確保した選手ということになる。3番手QBが試合に出るのはルール上の制約があるので、2番手QBでないと不都合がある。

キックオフリターナー

昨年はWRチャットマン(25回)とWRファーガソン(21回)とRBダヴェンポート(14回)の3人が交代で務め、ファーガソンの平均25.0ydsはNFL7位の好成績だった。今年も今のところ公式デプスチャートではファーガソン、ダヴェンポートの順となっているが、ドラフト指名WRたちもリターナー経験は豊富で、誰がエースとなるのかはプレシーズンゲームの出来によるだろう。

パントリターナー

過去2年間はWRチャットマンがエースで、NFL全体で真ん中ぐらいの数字を残してきた。今年は2巡指名のWRマーフィ、6巡指名のWRブラッグなどルーキーとの争いとなりそうだ。

2005年7月25日

Notebook: マコウスキーとベネットがパッカーズHOF入り

2005年7月24日

ロースター展望 S編

確固たるスターターがおらず、NFLでも屈指と言われる弱体ユニット。昨年はシャーパーのケガに加えローマンが次第にスランプに陥り、ディフェンス不振(相手QBの平均レーティング99.1)の最大の要因となってしまった。今年は超高給のシャーパーを放出し、FAでフリーマンとリトルを安価で獲得、ドラフトでは2巡・4巡で補強した。ディフェンスの方針がコロコロ変わったことが昨季のスランプの原因だと指摘する声も多く、新コーチ陣による立て直しに期待がかかる。

ロースター枠は、DB全体で通常9人。多い年で10人。セーフティは4人が普通だ。両先発とも未定で、完全にオープンな競争がキャンプでは繰り広げられる。2巡・4巡指名ルーキーを解雇するとは考えにくいので、ベテランのフリーマン、リトル、ローマンの中から1人が脱落することになりそう。2巡指名のコリンズをCB扱いにする場合は、セーフティをもう1人残せる。

アーテュロ・フリーマン Arturo Freeman

プロ6年目の28歳。サウスカロライナ大から2000年の5巡指名でドルフィンズ入りし、ジム・ベイツDCの元でずっとプレーしてきた。3年目に先発SSとなったが、翌年にはサミー・ナイトの加入で控えに。昨季半ばにベイツDCがHC代行になると再びスターターに昇格し、4INTの活躍を見せた。スピードがあってカバー能力は高いが、これまでのプレー内容は不安定で、コンスタントな活躍ができるかが課題。

ベイツDCのシステムに馴染んでいることもあって、ミニキャンプ2回を終えてスターター争いを一歩リードしている。

アール・リトル Earl Little

プロ8年目の32歳。マイアミ大からドラフト外でセインツ入りし、プラクティス・スクワッドを経て2年目にロースター入り。翌年にはブラウンズに移り、プロ4年目でついにスターターの座をつかんだ。昨季途中で先発降格となったのはデイヴィスHCとの不和のせいとも言われるが、「スピードが衰えたので当然」と見る向きもある。上記のフリーマンとよく似たFSタイプで、ドラフト外からの叩き上げだけにしっかりしたプロフェッショナリズムがある。

セーフティ陣で最も経験豊富な通算52試合先発。公式デプスチャートではSSのスターターとしてフリーマンと併記されているが、ベイツDCのシステムではFSとSSの区別がほとんどないとのこと。上記フリーマンがスターター争いをリードしているため、リトルとローマンの敗れた方がチームを去る、と見てよさそうだ。

マーク・ローマン Mark Roman

プロ6年目の28歳。ルイジアナ州立大から2000年のドラフト2巡でベンガルズ入りし、最初の2年はCB、3年目からFSに。昨年FAとなり、安価な3年契約でパッカーズ入りした。先発SSとしてプレーしたが、シーズンが深まるほどスランプがひどくなり、合計18ミスタックル。「派手なプレーはないがタックルのしっかりした堅実なタイプ」という前評判を完全に裏切った。INTもファンブルフォース/リカバーもなし。

ニック・コリンズ Nick Collins

今年のドラフト2巡指名で、ベスーン・クックマン大から入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。40yds走4.37秒と、SだけでなくCBとしても上位クラスの素晴らしいスピードを持つ。1年目からスターターとなる可能性は十分ある、とコーチ陣は言うが、ディビジョンI-AA出身、それにあまり学習能力の高いタイプではなさそうで、即戦力と期待するのは無理かも。S/CB兼任となっており、セーフティ修業がうまく行かなければニッケルバックあたりでの起用もありうる。

マーヴィール・アンダーウッド Marviel Underwood

サンディエゴ州立大から、今年のドラフト4巡指名で入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。上記のコリンズがCBとSを行ったり来たりしていたのとは違い、セーフティ専門で3年間の先発経験がある。身長5フィート10(178cm)と小さくスクリメージ近くでのプレーは得意ではないが、4.3秒台のスピードがあり守備範囲が広い。コリンズよりもこちらの方が即戦力だろうと見る記者もいる。

トッド・フランツ Todd Franz

タルサ大から、2000年のドラフト5巡でライオンズ入りしたが開幕前に解雇され、ブラウンズに移って2年間、主にスペシャルチームでプレー。2002年にはパッカーズのプラクティス・スクワッドからロースターに昇格し、2試合にリリーフ出場した。その後レッドスキンズに移り、2003年には2試合に先発、スペシャルチームタックルを21回決める活躍を見せた。今春FAとなってパッカーズに戻ってきたが、ルーキー2人がドラフト指名されたこともあり、開幕ロースター入りは望み薄だ。

ジュリアス・カリー Julius Curry

ミシガン大から、2003年のドラフト外でベアーズ入りしたが開幕ロースターに残れず、ライオンズのプラクティス・スクワッドからロースターに昇格して3試合に出場。昨年はパッカーズのプラクティス・スクワッドにいた。最近は、不動産取引で5万ドルをある女性から騙し取ったとして訴追されている。

2005年7月23日

ロースター展望 CB編

ベテランのアル・ハリスは不動のスターターで、トーマスとキャロルの2年目コンビが逆サイドで先発の座を争う。昨季は若いCBたちの度重なる失策でパス守備不振の元凶となってしまったが、今年はどこまで成長を見せられるか。ハリスを除く全員が3年目までの若手で、不安も大きいが伸び盛りのポジションとも言える。

ロースター枠はDB全体で通常9人。多い年で10人。CBは5人か6人。ロースター入り確定なのはハリス、トーマス、キャロルの3人だけで、残りの6人で2つのイスを争うことになりそう。また、ドラフト2巡指名のニック・コリンズはS/CB兼任となっており、セーフティとして不振の場合はCBに回ってくる可能性もある。

アル・ハリス Al Harris

プロ8年目の30歳。テキサスA&Mキングズヴィル校から1997年の6巡指名でバッカニアーズ入りしたがロースターに残れず、2年目の開幕前にイーグルスに移ってチャンスをつかんだ。プロボウルCBたちの後ろで着実に実績を積み、2003年のトレードでパッカーズへ移ってようやく常時スターターに。マッケンジーの抜けた昨季は、サイドを固定せず常に相手エースWRをカバーし、20パスディフェンド(NFL5位)の活躍を見せてプロボウルの補欠にも選ばれた。

6フィート1(185cm)の長身で、スリムな体型だがフィジカルなプレスカバレッジを得意とする。ゾーンは苦手。実績の少ない若手が多いディフェンス陣の中で、ジム・ベイツ新DCからは大きな信頼を寄せられている。ケガも少なく、1998年の開幕以来全試合に出場。本来は右サイドが本職のはずだが、今年もまたサイドを固定せずに行くのかどうか。

ジョーイ・トーマス Joey Thomas

昨年のドラフト3巡指名でモンタナ州立大から入団。昨季は同期のキャロルに敗れて一度も先発出場できず、シーズン終盤にようやくニッケルバックの座を確保した。しかし今春のミニキャンプではキャロルを抜いて1stチームでプレーしており、このままスターターの座をキープできるか、キャンプでのポジション争いが注目だ。ハリスと同じ6フィート1(185cm)のサイズがあり、直線のスピードではキャロルにやや劣るが、最近のプレーぶりは安定している。

アマド・キャロル Ahmad Carroll

昨年のドラフト1巡指名でアーカンソー大から入団し、第6週からスターターとなった。身長5フィート10(177cm)ながら抜群のスピードを持つ。しかしホールディングやパスインターフェアなどペナルティが13回、抜かれそうになると相手のシャツを引っ張る悪癖が最後まで矯正できなかった。カッとなりやすく、コーチの指導を素直に受け入れない、やや傲慢で扱いにくいタイプだと見なされるようになっている。

マイク・ホーキンズ Mike Hawkins

今年のドラフト5巡指名入団。オクラホマ大をわずか1年で退部し、アリーナリーグを経てのNFL入りとなった。詳しくはルーキー紹介参照のこと。「これほどのアスリートは見たことがない」とスカウトが絶賛するほどの素材で、懸念材料は経験の少なさと線の細さ。4月のミニキャンプでは素晴らしいインターセプトを見せて注目を集めたが、ヒザの半月板を損傷して6月のミニキャンプではプレーできなかった。キャンプを通して健康でいられるかが大きな課題だ。

ジェイソン・ホートン Jason Horton

ノースカロライナA&TからCFLを経て、昨年のキャンプで認められてロースター入りを果たした。主にスペシャルチーマーとして14試合に出場し、シーズン序盤にはニッケルバックとしての出場もあったが、良いプレーができず降格となった。今春は、サルコイドーシスという病気(レジー・ホワイト急死の遠因にもなった)を患い、2回のミニキャンプともプレーできなかった。ロースター枠当落線上の選手だけに、健康を取り戻してキャンプで活躍できるかがカギとなる。

クリス・ジョンソン Chris Johnson

2003年のドラフト7巡指名でルイヴィル大から入団。40yds走4.2秒台の素晴らしいスピードを持ち、1年目のトレーニングキャンプまでは非常に評判が良かったが、それ以後はケガ続きで2年間全くプレーできていない。今春も左の腓骨(すね)を疲労骨折し、2回のミニキャンプとも参加できず。今夏のキャンプでもこの調子なら、このまま1試合も出場できずに解雇される可能性も十分ある。

クリス・デイ Chris Day

グランブリング州立大(最初の2年はトロイ州立大にいた)から昨年のドラフト外で入団し、開幕前に解雇。今春はNFLヨーロッパに派遣されたが、スターターにはなれなかったようだ。キックオフリターナーとしては37回で平均21.1ydsとまずまず。

パトリック・デンディ Patrick Dendy

ライス大出身のドラフト外ルーキー。2000年から03年まででフットボールのプレーは終え、昨年は経済学の学位を取得することに専念していたらしい。上記のホーキンズとホートンとジョンソンが欠けた6月のミニキャンプではかなり評判がよく、ロースター入りのダークホースかもしれない。

リー・トレンス Leigh Torrence

スタンフォード大出身のドラフト外ルーキー。3年間スターターを務め、通算11インターセプトを記録している。

2005年7月22日

Notebook: WRウォーカーの代理人がホールドアウト宣言

2005年7月21日

ランボーフィールドの場内アナウンサーが引退

1964年から40年間にわたってランボーフィールドの場内アナウンサーを務めてきたゲイリー・カナフェル Gary Knafelc が、このほど引退することになった。有名な1967年のアイス・ボウルで、QBバート・スターがエンドゾーンに飛び込んだ時、 "Bart Starr. Quarterback Sneak. Touchdown. Champions." とシンプルかつ感動的なアナウンスをしたのも彼だった。

1954年から62年までの9シーズン、WRおよびTEとしてパッカーズでプレーしたカナフェルは、通算2162yds、23TDと決して大スターではなく、63年に1年だけ49ersでプレーして現役を退いた。そんな彼だが、独特の勝負強さがあり、素晴らしい球団記録を2つ保持している。1956年に旧シティ・スタジアム最後のタッチダウンを決め、翌57年にランボーフィールド最初のタッチダウンを挙げたのが一つ。

もう一つはいわば非公式記録だ。1955年のライオンズとの開幕戦、試合終了直前にQBトビン・ロートからの高くハードなパスを見事にキャッチして28ydsの逆転TDを決めた彼は、フィールドに雪崩れ込んできた観衆にかつぎ上げられて旧シティ・スタジアムから退場した(写真)。旧シティ・スタジアムとランボーフィールドの歴史を通して、観客にかつがれて退場した選手は彼ひとりしかいないのだ。「あの時は、ある子供から50セントもらったよ」

カナフェルは強度の吃音を克服するため、オフシーズン(安い給料のためにオフは副業をする者が多かった)には、ビールのミラー社のPR部門で働いたり、さまざまなスピーチや司会の仕事を経験した。努力の甲斐あって、引退するとすぐに、パッカーズのロンバルディHCから場内アナウンサーの声がかかった。仮採用となった彼は、1964年夏のキャンプで試合形式のスクリメージ練習を実況することになった。すぐ隣のプレスボックスには、ロンバルディHCが陣取った。

QBバート・スターからのピッチをRBポール・ホーナングが受けてロングゲインしたプレーを、カナフェルは「"Peerless" Paul Hornungのキャリーでした」と洒落た形容詞を付けてアナウンスした。すると隣のボックスから、折り畳みイスを壁に投げつける音がして、ロンバルディHCがこちらに突進してきた。そしてクナフェルクに指を突きつけ、「たわ言はいいかげんにしろ!」と怒鳴りつけたのだ。「コーチ・ロンバルディは、ただ事実が聞きたかったのさ。美辞麗句じゃなくてね。だからあれ以来ずっと、私はこのような(潤色を極力抑えた)やり方をしている」

絶対権力者を怒らせては就職も失敗かと覚悟したが、幸いロンバルディHCからは正式なアナウンサーのオファーを貰った。「考えるよりも前にイエスと答えてしまったよ。それぐらい、彼にイエスと答えることに慣れきってしまってたんだ。コーチ・ロンバルディにまともに話せる人などいなかった。誰もね」とカナフェルは懐かしそうに振り返る。こうして、長い長い第二のキャリアがスタートした。場内アナウンサーの仕事に加え、学用品の会社や事務用家具およびインテリア・デザインの会社も経営してきた。

試合開始2時間半前に到着し、選手名の発音を確認するカナフェルだが、苦手な名前というのはやはりある。「十数年前のノーズタックル、Esera Tuaoloが一番苦手だったね。2年かけてようやく大丈夫になったと思ったら、彼は解雇されてしまった。最近だとカビーア(バジャ=ビアミラ)かな。今はうまく言えるようになったけれど、いつだって大変だ。セントルイスにも2人いるね。Pisa Tinoisamoa と Brandon Manumaleuna」

時代が進むにつれて、原稿の量は大幅に増え、試合当日のアナウンサーの仕事はより過酷になってきた。読まなければならないコマーシャルは以前の5倍にもなり、さまざまなイベントも増えた。「もう大忙しだよ」とカナフェルは言う。こうして73歳のカナフェルは、40年目を終えた今オフ、ボブ・ハーラン社長に引退を告げた。「せっかくフロリダに家があるのに、娘や孫とホリデーシーズンをそこで過ごせないのもつまらないしね」

すでに1976年に、カナフェルはパッカーズの殿堂入りに選ばれている。ハーラン社長は、カナフェルが去ってもホームゲーム全試合で彼のためにプレスボックスを用意しておく、と語っている。「今後もチームの一員だと彼には思っていてほしい。かつてチームに貢献してくれた人々を、パッカーズは決して忘れない。彼らはファミリーの一員であり、ゲイリーもまたファミリーの一員なのだから」

2005年7月20日

ロースター展望 LB編 2

今日はLBの控え選手たちを紹介。ドラフト下位指名、ドラフト外、そしてNFLヨーロッパ帰りなどの地味な経歴の選手たちがロースター枠ぎりぎりを争う。LBのロースター枠は通常6人で、一時的に5人にする時もある。バーネット、ディッグスに加えてトンプソンもほぼ当確で、残り3つのイスをネイヴィーズと今日紹介する若手たちが争う。

パリス・レノン Paris Lenon

リッチモンド大出身の27歳。XFLやNFLヨーロッパを経て、2002年にパッカーズのロースター入りを果たした。スペシャルチーマーとしての貢献がほとんどだったが、3年目の昨季は負傷のディッグスやネイヴィーズに代わって4試合に先発出場した。スピードもサイズもそこそこだが、3つのポジション全てをこなせる器用さがあり、嗅覚に優れている。

ブレイディ・ポピンガ Brady Poppinga

ブリガムヤング大から今年のドラフト4巡指名で入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。大学3年までは主にDEをプレーし、4年目にアウトサイドLBにコンバートされた。パッカーズではストロングサイドLBとして育てているが、「本来は3-4のOLB向き」と言われているようにパスラッシュ能力は定評がある。パスラッシュDEたちが不振の場合は彼がそちらで使われる可能性も十分ある。

カート・キャンベル Kurt Campbell

アルバニー大から、今年のドラフト7巡指名で入団。同大学初のNFLドラフト指名選手となった。詳しくはルーキー紹介参照のこと。コーナーバックやセーフティもプレーしていたように素晴らしいスピードを持っているが、技術的にはかなり荒削りなようだ。ロースター入りするにはスペシャルチームでの貢献も重要になるだろう。

ニック・マクニール Nick McNeil

ウェスタン・カロライナ大から昨年のドラフト外で入団し、昨季はプラクティス・スクワッド。大学時代はDEをプレーしていたようだ。今春はNFLヨーロッパに派遣され、ハンブルグ・シーデヴィルズの先発MLBとして61タックルの活躍を見せ、オールNFLEに選出された。今年のパッカーズのNFLヨーロッパ派遣組でロースター入りするとしたら、Pサンダーの他には彼だけかもしれない。

ロイ・マニング Roy Manning

ミシガン大出身のドラフト外ルーキー。3年目までは主にスペシャルチーマーだったが、4年目でようやくアウトサイドの先発に昇格して活躍を見せた。パッカーズではミドルLBとなっている。

ザク・ウッドフィン Zac Woodfin

アラバマ大バーミンガム校出身のドラフト外ルーキー。やや小型のアウトサイドLB。大学では35試合連続先発したとのこと。

2005年7月19日

ロースター展望 LB編 1

今日はLBの上位4人だけ紹介。過去2年間はディッグス、バーネット、ネイヴィーズの3人で先発を固定してきたが、今年はトンプソンをウィークサイドの先発候補としてFA補強した。バーネットを大学時代にやっていたウィークサイドに移すというプランもあったが、ドラフトでミドルLBを獲らなかったことでバーネットのMLB留任は決定。トンプソンが期待通りならば、ディッグスをかつてのストロングサイドに戻し、ネイヴィーズはスターターからあぶれることになりそうだ。

ロースター枠は通常6人。他のポジションが苦しい時は一時的に5人にする時もある。バーネット、ディッグスに加えてトンプソンもほぼ当確。残り3つのイスをネイヴィーズとレノンとドラフト指名ルーキーの2人、それにNFLヨーロッパ帰りのニック・マクニールあたりが争うか。

ニック・バーネット Nick Barnett

先発ミドルLB。一昨年のドラフト1巡指名でオレゴン州立大から入団。1年目からディフェンスの中心となる活躍を見せたが、2年目の昨季はやや伸び悩んだ。ベイツDC好みの軽量スピード派のMLBで、彼を活かすためにはDT陣がしっかりと守ってやらなければならない。パスカバレッジの守備範囲が広く、ダイム守備では(今年も変更がなければ)彼が唯一のLBとしてフィールドに残る。精神的にも非常にしっかりしていてリーダーシップを発揮する。

ナイル・ディッグス Na'il Diggs

プロ入り6年目の27歳。オハイオ州立大から2000年のドラフト4巡で入団し、1年目からストロングサイドでスターターの座を確保した。ミスタックルが非常に少なく堅実な守備で高く評価されていたが、2003年にウィークサイドに移ってからは、細かいケガが多かったせいかもしれないがプレー内容はイマイチ。最新のデプスチャートではウィークサイドのスターターとしてトンプソンと併記、ストロングサイドでもネイヴィーズと併記されている。ストロングサイドに戻れば、昨季までのネイヴィーズよりはグレードアップとなりそうだ。

レイ・トンプソン Ray Thompson

今春カーディナルスからFA移籍してきた、先発ウィークサイドLBの最有力候補。テネシー大から2000年のドラフト2巡指名(大学の同僚LTクリフトンの3つ上)でカーディナルス入りし、1年目からスターターとなり、2002年には109タックル、3サックを記録した。ややケガが多く、全試合に出場したのは5年間で1回だけしかない。

もう一つの懸念材料は私生活のことで、2001年10月に飲酒運転で事故を起こし、(マリファナなどの薬物と同じように)NFLの監視プログラム下に。2003年10月に$11.2ミリオンの4年契約を結んだ直後に二度目のアルコール違反が発覚し、4試合の出場停止処分を受けた。昨季はヒザのケガから復帰してもスターターの座を取り戻せず、けっきょく今年の4月に解雇され、パッカーズとベテラン最低額の1年契約を結んだ。次に違反を犯したら1年の出場停止処分というリスクがある。

余談だが、現在パッカーズのテネシー大出身者は、LTクリフトン、Cウェルズ、TEマーティン、そしてこのLBトンプソンと4人もおり、全員がロースター入り確実だ。また、2000年のドラフト2巡指名選手は、Sローマン(2巡3位でCIN)、LBトンプソン(2巡10位でARI)、LTクリフトン(2巡13位でGB)、LGクレム(2巡15位でNE)と4人も集まっている。

ハンニバル・ネイヴィーズ Hannibal Navies

プロ7年目の27歳。1999年のドラフト4巡でパンサーズに入り、3年目からスターターとなった。しかしケガが多く、4年間で15試合しか先発出場できず。2003年にパッカーズにFA移籍してストロングサイドのスターターとなってからは、1試合にしか欠場していない。今春は再びFAとなったが高額オファーはなく、最低額の1年契約でパッカーズと再契約。ストロングサイドでディッグスと先発の座を争うが、やや不利な情勢だ。

2005年7月18日

ロースター展望 DT編

本来なら、若手の押し上げでデプスは十分となるはずだったが、グレイディ・ジャクソンが契約延長を求めてホールドアウトも辞さない情勢、クリディアス・ハントは6月のミニキャンプをサボって、なんだかきな臭くなってきた。チーム側との関係がさらにこじれれば、2人とも解雇がありうる。

ロースター枠はDL全体で通常9人。多い年で10人。上記のようなゴタゴタがなければ、ジャクソン、ハント、ウィリアムズ、ワシントンまでが当確で、DL9人目のイスをリー、コール、ピーターソン、モンゴメリーあたりが争うだろう。

グレイディ・ジャクソン Grady Jackson

先発ノーズタックル。プロ9年目の32歳。ノックスヴィル大から1997年のドラフト6巡でレイダーズに入団、2年目からローテーションに入り、4年目にはスターターに昇格して8サックを記録した。2002年にセインツに移籍したが首脳陣とうまく行かず、翌2003年シーズン半ばに解雇されてパッカーズに移り、すぐに実質スターターとなった。340ポンド級の巨漢ノーズタックルで、ランストッパーとしてだけでなく、ペネトレートしてのパスラッシュも迫力がある。

能力的には申し分ないが問題はケガで、ヒザに爆弾を抱えるため、シーズンを乗り切るのはまるで綱渡りだ。それに加えて32歳という年齢もあってチーム首脳は長期契約に消極的だが、それを不服としたジャクソンは、悪名高いドリュー・ローゼンハウスに代理人を代え、ホールドアウトも辞さない姿勢。

クリディアス・ハント Cletidus Hunt

いわゆる"3テクニック"のスターター。ケンタッキー州立大から1999年のドラフト3巡で入団し、今年でプロ7年目の29歳。2002年に先発に昇格し、2003年春には総額$25ミリオンの6年契約を手にした。サイズに恵まれ身体能力は高いが、典型的なナマケモノ系で、モーティベーションが続かない。また、先発昇格の前はDEホリデイの欠場時にパワー・エンドもプレーしていたが、ベイツDCはそのような意図はなさそう。

4月のミニキャンプはコンディショニング不足で現れてすぐにケガ。6月のミニキャンプは無断欠席し、首脳陣との関係は悪化するばかりだ。上記のジャクソンンとともに波乱含みだ。

コーリー・ウィリアムズ Corey Williams

DT/DE兼任。アーカンソー州立大から昨年のドラフト6巡指名で入団。下位指名ながら1年目からローテーションの一角に加わり、ノーズタックルを除く全ポジションでプレーした。バジャ=ビアミラの控えとしてパスラッシュDEをプレーすることが多かったが、今年は主に"3テクニック"でプレーすることになりそうだ。公式サイトのデプスチャートではスターターとして、ハントと併記されている。

ドネル・ワシントン Donnell Washington

昨年のドラフト3巡指名でクレムソン大から入団。足のケガのため開幕前にインジャリー・リザーブ入りしてしまったため、実質今年がルーキーシーズンとなる。6フィート6(198cm)の大型選手で身体能力も申し分ない。DT/NT兼用のはずだが、公式デプスチャートでは、ノーズタックルでグレイディ・ジャクソンに次ぐ2番手となっている。ジャクソンがホールドアウト含みだけに、今年のキャンプは大きなチャンスと言える。

ジェームズ・リー James Lee

オレゴン州立大から一昨年のドラフト5巡指名で入団。1年目はケガで棒に振ったが、昨年は控えノーズタックルとなり、9試合に出場した。しかしプレーぶりはイマイチで、最新の公式デプスチャートでも上記ワシントンに次ぐ3番手ノーズタックルとなっている。320ポンド級の大型選手にしては優秀な4.9秒台のスピードがあるが、姿勢が高いためか、身体能力をフィールド上で活かせない。今年はロースター枠の当落線上で、キャンプが勝負となりそう。

コリン・コール Colin Cole

アイオワ大から2003年のドラフト外でヴァイキングス入りするが開幕前に解雇され、ライオンズに移るが出場はなし。昨季はパッカーズのプラクティス・スクワッドからシーズン終盤にロースター昇格し、3試合で7タックルを記録。主にノーズタックルとしてのプレーだったようだが、今年のデプスチャートではDTの方になっている。上記のリーと同様、ロースター枠ぎりぎりを争う。

A.J. リンゼイ A.J. Lindsay

テンプル大出身のドラフト外ルーキー。ジュニア・カレッジでの2年を含め、4年間で1試合しか欠場していないとのこと。サイズがあるノーズタックルのタイプ。

2005年7月17日

ロースター展望 DE編

バジャ=ビアミラを助けるパスラッシャーがなかなか確保できない。ジョー・ジョンソンで懲りたのか今年も有力FAの獲得はなく、ドラフトでもモンゴメリーを6巡指名するに留まった。新戦力があるとしたら、それはジム・ベイツDCではないかと期待されている。両DEをワイドにセットさせ、比較的自由にラッシュをさせるシステムで、QBへのプレッシャーを増やしたいところ。

ロースター枠はDL全体で通常9人。10人の年もある。バジャ=ビアミラとキャンプマンの両先発に加えジェンキンズまではロースター入り当確だが、その後は競争が激しい。今回紹介するジェンキンズとピーターソンの他にも(DTの項で紹介する)コーリー・ウィリアムズがDE/DT兼任となっており、彼らをどのように起用していくのかはまだ不透明だ。

カビーア・バジャ=ビアミラ Kabeer Gbaja-Biamila

プロ6年目の27歳。サンディエゴ州立大から2000年のドラフト5巡で入団し、1年目はプラクティス・スクワッドだったが、2年目に13.5サックを挙げてエースとなり、以後毎年2ケタサックを記録している。2003年のプロボウルには繰り上げ出場。250ポンド級の軽量スピードラッシャーで、当然のことながらラン守備はあまり得意ではない。試合によって波が大きいのは、彼自身の問題よりも、他からのパスラッシュが弱いため彼にマークが集中してしまうからかもしれない。

アーロン・キャンプマン Aaron Kampman

ストロングサイドの先発DE。プロ4年目の25歳。アイオワ大から2002年のドラフト5巡で入団し、1年目から代役で6試合に先発した。昨季から完全なスターターに定着、DL陣最多の67タックルを記録した。スピードでぶち抜くような派手なプレーはできないが、極めて研究熱心で賢いプレーをするハードワーカー。昨季は4.5サックだった数字をベイツDCの元で引き上げることができるかどうか。

なお、公式サイトでは"pronounced CAMP-man"と書かれているので、遅ればせながら、「カンプマン」から「キャンプマン」にカタカナ表記を変更することにする。

カレン・ジェンキンズ Cullen Jenkins

DE/DT兼任。セントラル・ミシガン大からドラフト外で入団し、NFLヨーロッパ派遣を経て昨年ロースター入りを果たした。グレイディ・ジャクソンの欠場した6試合にDTとして先発出場し、4.5サックを記録している。昨季は主にパスシチュエーションでDTに入りインサイドからパスラッシュするパターンが多かったが、今年は少し体重を絞ってDEをプレーする機会を増やすものと予想されている。

アールカル・トゥルーラック R-Kal Truluck

昨季開幕直前にドラフト5巡+6巡指名権と交換でチーフスから獲得した。アリーナリーグやCFLを経て、2002年にようやくチーフスでNFL初出場を果たした苦労人で、実はもう30歳。255ポンドの軽量で、バジャ=ビアミラを逆サイドから助けるパスラッシュ・スペシャリストだ。しかし昨季はわずか2.5サックしか挙げられず、期待には応えられなかった。今夏のキャンプでは若手との競争となるが、年齢の分だけやや不利か。

ケニー・ピーターソン Kenny Peterson

DE/DT兼任。オハイオ州立大から一昨年のドラフト3巡指名で入団。2年間で18試合に出場し(先発なし)、合計14タックル、サックはゼロと、完全な期待はずれに終っている。DTにはサイズや馬力が足りず、DEにはスピードやクイックネスが足りない、悪い意味での典型的な"Tweener"だ。今夏のキャンプでも成長が見られなければ、解雇の可能性は十分ある。

マイケル・モンゴメリー Michael Montgomery

今年のドラフト6巡指名でテキサスA&Mから入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。先日発表された最新デプスチャートでは、右DEでバジャ=ビアミラ、トゥルーラックに次ぐ3番手と表示されている。ミニキャンプ2回を終えての評判はなかなかよく、上記2人を蹴落としてロースター入りするチャンスは十分にありそうだ。

シャンテ・ウィリアムズ Seante Williams

ジャクソンヴィル州立大から昨年のドラフト外で入団。開幕前に解雇され、プラクティス・スクワッドを経て今春はNFLヨーロッパでプレーした。リーグ3位タイの5サックを記録している。

2005年7月16日

ロースター展望 C編

マイク・フラナガンを中心に、質量ともに十分なポジション。昨年は2番手センターのルーガマーが、フラナガンのケガのため、11試合に先発出場した。しかし今年はプロ2年目のウェルズを2番手とし、ルーガマーにはガードで先発争いをさせている。ロースター枠はOL全体で9人。センターの控えは1人だけなのが普通だが、ルーガマーがロースターに残ることになれば、センターを3人確保できることになる。

マイク・フラナガン Mike Flanagan

今年でプロ10年目の31歳。UCLAから1996年のドラフト3巡で入団したが、1年目に脚の大ケガを負い、3年目まで棒に振った。ようやく4年目からCウィンタースに次ぐ2番手となり、2001年からスターター。順調に評価を上げ、2003年にはプロボウルにも出場している。LTクリフトンが戦線離脱した2002年には7試合にわたって左タックルを務めた。軽量ながらアスレチック能力が非常に高い。RGリヴェラが抜けた今年はOL陣最古参となり、リーダーシップも期待される。

昨年はヒザの手術のために第4週以降を全て欠場したが、今春のリハビリは順調で、すでにミニキャンプからフル参加できている。来春にはフリーエージェントとなるが、「来年はウェルズに世代交代させてよいのでは」と見る地元記者も一部にはいる。

スコット・ウェルズ Scott Wells

テネシー大出身、昨年のドラフト7巡指名。昨季はプラクティス・スクワッドでシーズン開幕を迎えたが、上記フラナガンの戦線離脱とともにロースター昇格。さらにルーガマーも負傷欠場した2試合に先発出場、十分な働きを見せて首脳陣の信頼を勝ち取った。188cmと小柄ながらパワーとボディバランスに優れ、高校時代に全国チャンピオンだったレスリングの経験を活かしている。精神的にもタフ。

グレイ・ルーガマー Grey Ruegamer

ガードの項も参照のこと。昨年は2番手センターだったが、今春はガードとして再契約し、新先発の座を争っている。もし上記2人にケガがあれば、彼が2番手センターも兼ねるだろう。

クリス・ホワイト Chris White

サザンミシシッピ大出身のドラフト外ルーキー。身長6フィート2(188cm)、体重285ポンド(129kg)とサイズが小さい。大学では主に左タックルをプレーしていたようだが、パッカーズではセンターとガードをやらせている。

2005年7月15日

Notebook: 5巡指名CBホーキンズと契約

2005年7月14日

ロースター展望 OG編

プロボウル級の2人、RGマルコ・リヴェラとLGマイク・ウォールが移籍し、左右両ガードとも新スターターを迎えることになった。エイドリアン・クレムとマット・オドワイヤーをFAで獲得し、ルーガマーとは再契約。左ガードはクレムでほぼ決まりの情勢だが、右ガードはルーガマーとオドワイヤーらが僅差で争っている。

ロースター枠はOL全体で9人。タックルの控えを2人確保するとすると、ガードとセンターで合わせて2人しか控えをキープできない計算だ。2番手センターのスコット・ウェルズがロースター入り当確とすると、下記のガード陣から先発2人、控えは1人ということになる。

エイドリアン・クレム Adrian Klemm

先発左ガードの最有力候補。2000年の2巡指名(LTクリフトンの2つ下)でペイトリオッツ入りしたものの、5年間ケガ続きで、出場26試合、わずか10試合しか先発出場できていない。それでも彼のアスレティシズムは高く評価されており、LGウォール同様に俊敏なプルブロックでランオフェンスの重要な一部となることを期待されている。ハワイ大では主に左タックル、ペイトリオッツでは右タックルが多かったが、パッカーズ移籍後は左ガードに専念している。

グレイ・ルーガマー Grey Ruegamer

先発右ガードの候補。アリゾナ州立大から1999年のドラフト3巡でドルフィンズに入団したが、翌2000年開幕前に解雇され、スティーラーズのプラクティス・スクワッドを経てペイトリオッツへ。2003年春にFAとなってパッカーズにやってきた。ガードよりも控えセンターとしての経験が豊富で、Cフラナガンが戦線離脱した昨季は11試合に先発し、大過なく務めている。どちらかというと技巧派で、ミスは少ないが、パワーもスピードも目立ったところはない。

パッカーズ首脳は、彼よりもCスコット・ウェルズ(昨年の7巡指名)にセンターとしての将来性を見ており、今春ルーガマーと再契約したのは、控えセンターとしてではなくガードとして先発を争わせるため。システムに習熟しているためミニキャンプでは右ガード争いで優位に立っていたが、トレーニングキャンプで先発の座を確保できなかった場合、ロースターに残れる保証はない。

マット・オドワイヤー Matt O'Dwyer

先発右ガードの候補。プロ11年目の32歳。ノースウェスタン大から1995年のドラフト2巡指名でジェッツ入りし、2年目からスターターに昇格して以後はジェッツとベンガルズでの7年間で102試合に先発。しかしこの2年間は大きなケガが続いて4試合ずつしか出場できていない。パワーに優れ、フィジカルなプレーが持ち味だが、パスプロテクションはイマイチらしい。また昨年胸筋を断裂しているだけに、力が完全に戻るのかどうか。

ジュニアス・コストン Junius Coston

今年のドラフト5巡指名で、ノースカロライナA&Tから入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。大学1年目は左ガード、2年目は右タックル、3年・4年とセンターをプレーしていたが、パッカーズでは今のところ左ガードをやらせている。クイックネスやアスレティシズムに優れているが、ハイレベルでの経験が不足し、即戦力タイプには程遠い。

ウィリアム・ウィティカー William Whitticker

今年のドラフト7巡指名でミシガン州立大から入団。詳しくはルーキー紹介参照のこと。大学では右ガードが専門だったが、6月のミニキャンプでは右タックルとしてもテストされている。素晴らしいサイズに恵まれたパワフルなランブロッカーで、OTケヴィン・バリーとよく似たタイプと言われている。時おり体重問題がある。

アトラス・ヘリオン Atlas Herrion

アラバマ大から、昨年のドラフト外でパッカーズに入り、昨季を通してプラクティス・スクワッドにいた。ここまでのミニキャンプでは、左ガードでクレムに次ぐ2番手をプレーしている。大学ではOLの5つのポジションを全て経験しているとのこと。

ジョー・ヘイズ Joe Hayes

サンノゼ州立大から昨年のドラフト外でパッカーズ入り。今春はNFLヨーロッパのベルリンに派遣されたが、ケガのためインジャリー・リザーブのままシーズンを終えている。

2005年7月13日

ロースター展望 OT編

ビッグネームはいないがかなりレベルの高いユニットで、両先発ともプロボウルの少し下、といったあたり。LTクリフトンとRTタウシャーの同期コンビは、ルーキー年から5年間先発を務め、昨季はフランチャイズ記録の被サック14(NFL1位タイ)に貢献した。控えの層もまずまずで、大きな問題は見当たらない。ロースター枠はOL全体で通常9人。左右に控えOTが1人ずつで、OTは合計4人となることが多い。

チャド・クリフトン Chad Clifton

先発左タックル。2000年のドラフト2巡指名、今年でプロ6年目の29歳。昨年春に総額$32ミリオンの6年契約を結んだが、その評価を裏切らず、昨季は彼にとってのベストシーズンだった。何といってもパスプロテクションの安定性が素晴らしく、名だたるパスラッシャーを相手にしながら、昨季彼が許したサックはわずか2つ。課題とされていたランブロックも進歩し、彼が原因の"Bad Run"(1yds以下に抑えられたランプレー)はOL陣最少の6回。

マーク・タウシャー Mark Tauscher

先発右タックル。2000年のドラフト7巡指名、今年でプロ6年目の28歳。ウィスコンシン大にウォークオン(奨学金なし)で入学し、退部して教師への道を歩もうとしたこともある。なのにプロ入り1年目から堂々のスターターとなってしまった。ヒザの前十字靭帯断裂からリハビリ中の2002年秋に総額$16.5ミリオンの6年契約を結んでいる。見た目はパッとしないがボディ・バランスに優れ、器用に相手を丸め込んでしまう、玄人筋からの評価が高い選手。

ケヴィン・バリー Kevin Barry

地元ウィスコンシンからアリゾナ大に進み、2002年のドラフト外入団で1年目からロースター入りを果たしている。右タックルのタウシャーの控えで、スターター級の力があると首脳陣は評価している。パワフルなランブロックで相手をパンケーキにする。また、おなじみの"U-71フォーメーション"でエキストラTEとして入ることも多い。

不器用な選手で、左タックルはできず、右ガードもどうやら難しいようだ。今春はRGマルコ・リヴェラが抜けた右ガードで先発争いが続いているが、バリーを右タックルに入れ、タウシャーを右ガードに移す案も首脳陣は検討している。

ブラッド・ベデル Brad Bedell

左タックルのクリフトンの控え。2000年のドラフト6巡でブラウンズに入り、その後レッドスキンズ、ドルフィンズを経て、昨年夏にトレードでパッカーズへ。2番手LTといっても昨季は実際はLGウォールが務めており、ベデルはアクティブ登録されることさえほとんどなかった。しかし今春はかなりパワーアップしたと首脳陣は高く評価しており、今年は名実ともに2番手LTとしてロースター入りできそうな雰囲気。

ブレナン・カーティン Brennan Curtin

ノートルダム大から、2003年のドラフト6巡でパッカーズへ。6フィート9(205cm)の長身OT。左右両タックルをプレーするが、右タックルが得意のようだ。大事な2年目の昨季は、プレシーズンゲームでヒザの前十字靭帯を断裂してしまい、シーズン終了。今春のミニキャンプもまだリハビリ途上で参加できず、トレーニングキャンプに間に合ったとしても、100%の力が戻っているかどうか。キャンプでよほどの頑張りを見せないと、ロースター残留は難しそうな情勢だ。

スティーヴ・モーリー Steve Morley

カナダ南東部ノヴァスコシア州のハリファックス出身。左タックルおよび左ガードをプレーする。CFLのドラフト全体1位で指名され、1年だけカルガリでプレーして昨年春にパッカーズと契約した。CFL選手としては異例な額の契約ボーナスを貰っての入団だったが、ここまでの出来はかなり期待はずれ。今春はNFLヨーロッパに派遣されたが、シーズン前半にスターターの座を失ってパッカーズ首脳を落胆させている。おっとりしていてガッツに欠ける、というのがベクトルOLコーチの見方のようだ。

2005年7月12日

ロースター展望 TE編

エースのフランクスを脅かす若手の存在がなく、やや伸び悩みが目立つユニット。WR陣のレベルが上がってきたため、パスオフェンスでの重要性は相対的に低下している。フランクスのスピード不足を補う若手を育てたいところだが、毎年ディフェンス補強が優先で、TE育成までなかなか手が回らない。ロースター枠は通常3人。2番手のマーティンはほぼ当確で、最後のイスをマキューとスティールとドラフト外ルーキーたちが争うことになりそう。

ババ・フランクス Bubba Franks

2000年のドラフト1巡14位指名、今年でプロ6年目の27歳。NFCのスターTE不足にも助けられ、2年目から3年連続でプロボウルに出場したが、昨季は選出されなかった。長身を活かしたパスキャッチが非常に上手く、ほとんど落球しない。ブロッキングも年々向上し、ランオフェンスの重要な一部になっている。唯一の弱点はスピード不足で、彼の足ではディフェンスをストレッチできないことは、もうはっきりしている。

性格は地味だが非常に真面目な選手で、体重問題は一切なく、自己管理は文句のつけようがない。5年間全試合に出場し、練習を休むことさえ滅多にない。しかし、トランジション指名された今年はまだ契約にサインせず、長期契約してもらえない不満を態度で表している。ただし、本人が希望する(TEのトップクラスの)金額が高望みであることは、今春獲得に乗り出すチームがなかったことにより証明されてしまったようなもので、フランクス陣営としては立場が弱いかもしれない。

デヴィッド・マーティン David Martin

2001年のドラフト6巡指名、今年でプロ5年目の26歳。今春FAとなり、契約ボーナス$25万ドルで2年契約を結んだ。フランクスのスピード不足を補うだけの速さは持っているが、ルート取りやキャッチングなどプレー振りは不安定で、フランクスをプッシュする気配は全くない。プロ入り後にWRからTEに転向したが、ブロッキングはずいぶん向上してきた。

いわばぬるま湯体質の選手で、自己管理の甘さがケガの多さにもつながっている。キャンプでの競争しだいでは解雇もありうるが、追いかける若手たちがイマイチなため今年は2番手を確保できそう。

ショーン・マキュー Sean McHugh

昨年のドラフト7巡指名で、ペン州立大からタイタンズへ。開幕前に解雇され、パッカーズへやってきた。大学では主にFBをプレーしていたとのこと。195cmとサイズがあり、ブロッキングTEとして期待されている。今夏は下記の選手たちとロースター枠を争う。

ベン・スティール Ben Steele

メサ州立大から2001年のドラフト外で49ersに入り、プラクティス・スクワッド、NFLヨーロッパ、解雇、レイダーズ、解雇、シーホークス、解雇、ヴァイキングス、解雇。そしてついに昨年9月、パッカーズのプラクティス・スクワッドからロースターに昇格した。15試合に出場し、主にマーティンの負傷時に出番を貰った。スピードのあるレシービングTEとの触れ込みだが、イージーな落球が多かった。今春のミニキャンプでも落球癖が治らず、評判はかなり悪い。

ギャレット・クロス Garrett Cross

カリフォルニア大出身のドラフト外ルーキー。1巡指名のQBロジャースとはジュニアカレッジ時代からの同僚で、そもそもカリフォルニア大のテッドフォードHCは彼を勧誘しようか調べていた際にQBロジャースの才能に気が付いた、というエピソードがある。パスキャッチ力に優れたレシービングTEのようで、昨季は28回339yds、5TDを挙げている。しかし6月のミニキャンプは足首のケガのため全くプレーできず、かなり出遅れてしまった。

スティーヴ・フレミング Steve Fleming

アリゾナ大出身のドラフト外ルーキー。ドラフト直後にジャイアンツと契約したが、フィジカルチェックではねられてすぐに解雇となり、6月半ばにパッカーズと契約した。昨季はパスキャッチ23回332ydsを記録している。

2005年7月11日

ロースター展望 WR編 2

前回紹介した4人のWRは全員がロースター当確。WRの枠は5人か6人なので、残り1つか2つのイスを、今日紹介する8人が争うことになる。リターナーとしての活躍が重要なのは言うまでもない。

アントニオ・チャットマン Antonio Chatman

シンシナティ大出身、アリーナリーグでの2年を経て2003年にパントリターナーとしてパッカーズのロースター入りを果たした。1年目はWRとしては全く出番がなかったが、昨季は成長を見せて4番手を確保し、22回246yds、1TDを記録。ケガ人が出た時などに頑張りを見せた。いっぽうパントリターンは1年目が8.4yds、2年目が7.7ydsとやや平凡な数字で、スペシャリストとしては物足りない。

今春のミニキャンプではさらにWRとしての成長を見せ、簡単にCBを振り切ってフリーになるところを見せている。しかし、いかんせん5フィート9(175cm)の小兵なのが最大の懸念材料で、どの程度将来性を期待していいものか。やはりパントリターナーとしての活躍が、ロースター残留のカギになりそう。今年はリターナーもできそうなルーキーを2人ドラフトで獲ったこともあり、キャンプでの競争は楽ではない。

クレイグ・ブラッグ Craig Bragg

UCLA出身、今年のドラフト6巡指名ルーキー。通算193レセプションなどUCLA記録をいくつも塗り替えた実績を持つ。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。サイズ(6フィート1)もスピード(4.45秒)もまずまずで、パスキャッチはかなり安定しているようだ。パントリターナーとして優れた実績があり、そのあたりも期待されている。今夏はチャットマンらとの開幕ロースター争いに勝ち残らなくてはならない。

アンドレ・サーマン Andrae Thurman

サザン・オレゴン大から昨年のドラフト外で、ジャイアンツを経てパッカーズに入団。WR陣にケガ人が出た昨季終盤にはプラクティス・スクワッドからロースターに昇格し、2試合に出場した。パスキャッチ2回12yds、キックオフリターン3回59yds。

ヴィンス・バトラー Vince Butler

ノースウェスタン・オクラホマ州立大出身のドラフト外ルーキー。身長6フィート0(183cm)でスピードはそこそこだが、ルート取りがかなり優れている。ミニキャンプを見た地元記者たちの評価は非常に高く、ひょっとするとロースター枠を争うかもしれない。ダメならプラクティス・スクワッドの有力候補。

ジャマール・ジョーンズ Jamal Jones

ノースカロライナA&Tから、昨春のドラフト外でラムズに入団。開幕前に解雇され、12月はじめにパッカーズのプラクティス・スクワッドへ。今春はNFLヨーロッパに派遣され、フランクフルトでパスキャッチ31回388ydsとまずまずの働きを見せた。キックオフリターンは5回114yds。

サム・ブリーデン Sam Breeden

上記のWRバトラーと同じ、ノースウェスタン・オクラホマ州立大出身。昨年のドラフト外でパッカーズに入団し、開幕前にカット。今春はNFLヨーロッパに派遣され、フランクフルトでパスキャッチ10回144yds、1TD。

チャド・ルーカス Chad Lucas

アラバマ州立大出身で、昨春ドラフト外でタイタンズへ。キャンプ直前に解雇され、アリーナリーグでプレーしていたようだ。

クリス・サンプ Chris Samp

ウィノナ州立大出身のドラフト外ルーキー。地元グリーンベイ出身で、現在パッカーズのWRでは唯一の白人選手でもある。昨季はディビジョンIIトップの1,587ydsを記録している。

2005年7月 9日

ロースター展望 WR編 1

ウォーカー、ドライバー、ファーガソンの3人が立派に成長し、また4番手以降のデプスも、今年は2人をドラフト指名して層が厚くなってきた。フリーマン/シュレーダー時代にはどちらかというとファーヴの足を引っ張ることの多いユニットだったが、2003年シーズン後半あたりからは、ベテランQBを助けられるようになってきた。

ロースター枠は5人または6人。ケガ人が出て人数が足りない時はRBフィッシャーやTEマーティンをWRとして使うこともある。6人枠とするには、このユニットからリターナーを出すことが必須だろう。WRは人数が多いので2回に分けて紹介する。

ジャヴォン・ウォーカー Javon Walker

今年でプロ4年目の26歳。6フィート3の長身に4.4秒弱のスピードを併せ持つディープスレットで、昨季は1,382ydsを記録して堂々のプロボウラーとなった。落球をほとんどしなくなり、ジャンプボールへの競り合いに非常に強い。ファーヴが昨季4,000ydsを記録したのも、彼に思いっきりロングボムを投げられ、アバウトなボールでも捕ってもらえるようになったのが大きい。ショートからミドルレンジのルート取りはまだ改善の余地あり。

オフシーズンにWRテレル・オーウェンスと一緒にトレーニングしてプロボウラーに成長したところまではよかったが、今年は代理人をローゼンハウスに代えたり、契約延長を求めてホールドアウトしたり、悪いところまでオーウェンスの影響を受けてしまったような感じ。どこまで強気にホールドアウトを続けるのか、この夏の動向が注目される。

ドナルド・ドライバー Donald Driver

プロ7年目の30歳。ドラフト7巡指名からプロボウラーに上りつめた努力の人。一昨年は首と頭のケガで苦しんだが、昨季は1,208yds、9TDを挙げて復活した。身長もスピードもさほどではないが、大学時代には走り高跳びでオリンピック級の選手だっただけにジャンプ力があり、高いボールに強い。メンタル面の素晴らしさはチーム内でも特筆すべきもので、謙虚で常にポジティブな態度でファンからも愛されている。

ロバート・ファーガソン Robert Ferguson

プロ5年目の25歳。着実に成長しプレーの質は上がっているが、過去3年で1,180ydsしか挙げられていないのは、細かいケガが多く、無理して出場する試合が多いせいか。ガッチリめの体型で競り合いにも強く、上記の2人よりもむしろウェストコースト向きのタイプ。スピードとガッツとタックル力があるのでスペシャルチームでの使い勝手がよく、ついつい便利使いされてしまうきらいもある。今年こそブレークしたい彼にとって、ウォーカーがホールドアウト中なのは大きなチャンス。

テレンス・マーフィ Terrence Murphy

今年のドラフト2巡指名で、上記ファーガソンと同じテキサスA&M出身。詳しくはルーキー紹介参照のこと。タイプ的にもファーガソンとよく似ており、ガタイがしっかりしていて競り合いに強いタイプ。2回のミニキャンプを終え、ルーキーの中では最も評判がよく、プレーぶりも精神面も高く評価されている。順調に行けば今年は4番手WRか。キックオフリターナーとしての実績が豊富で、今夏はKR/PRの有力候補でもある。

2005年7月 8日

7巡指名のLBカート・キャンベルと契約

ドラフト7巡(全体245位)で指名されたLBカート・キャンベルとの契約が発表された。詳細は不明だが、おそらく4年契約と思われる。すぐ一つ下の全体246位で指名されたOGウィティカーは、契約ボーナス$41,000ドルを含む総額1.607ミリオンの4年契約だった。彼ら下位指名の選手は開幕前に解雇されることも多く、トレーニングキャンプやプレシーズンで活躍できるかが開幕ロースター入りのためには重要になる。

2005年7月 7日

契約問題のまとめ

2005年7月 6日

ロースター展望 FB編

まずまず充実していてデプスにも問題のないユニット。ベテランのヘンダーソンの後継者とする予定で一昨年にルーチーを獲得したが、ヘンダーソンの頑張りとルーチーの足踏みで世代交代には至っていない。ロースター枠は通常2人だが、昨季半ばからはリーチをスペシャルチーマーとしてロースターに昇格させ、異例の3人体制でシーズンを終えた。

今春はFA選手もドラフト外ルーキーも獲らず、昨季の3人がロースターにいるだけ。しかし今季も3人枠となる保証はなく、伸び悩みのルーチーと伸び盛りのリーチが2番手を争う展開になりそう。なお、緊急時にはRBダヴェンポートもフルバックをプレーできる。

ウィリアム・ヘンダーソン William Henderson

今年でプロ11年目となる34歳。スーパーボウル制覇を知る数少ないベテランとして、リーダーシップにも定評がある。フルバックとして延べ7人の1000ydsラッシャーを助けたのはNFL最多記録とのこと。パッカーズのRB/FBとしては史上最多の通算278パスレセプションも記録している。昨季は10年目にして初のプロボウル出場とオールプロ選出を果たし、衰えるどころか円熟の域に達している。

10年間で欠場わずか2試合。一年を通して体作りに手を抜かない真のプロフェッショナルで、年齢による衰えを寄せ付けない。これほど実績のあるベテランながら、「毎年が競争」という心構えを崩さず、若手に隙を見せないところがすごい。いまだにスペシャルチームでも活躍している。

ニック・ルーチー Nick Luchey

プロ7年目の28歳。280ポンド級の大型FBで、やや雑な面もあるが、ハマった時の破壊力はヘンダーソンを上回る。ヘンダーソンの後継者となるべく2003年春にベンガルズからFA移籍してきたが、なかなか先輩を追い抜けない。それでも2番手FBにしてはかなり出番が多く、ダヴェンポートと組んだ合計530ポンドのパワーランは迫力がある。緊急時にはRBとしてボールキャリーもできるが、ヘンダーソンと違ってパスオフェンスでの貢献はゼロに近い。

スターターの座を奪えないのは、やはりプロフェッショナリズムの点か。オフの体重管理に問題があり、その分ケガも多い。下記のヴォンテ・リーチの評判もよく(サラリーも安い)、ルーチーがこのまま伸び悩むようだと、今年はロースター枠を確保できない可能性もある。

ヴォンテ・リーチ Vonta Leach

イースト・カロライナ大から、昨年のドラフト外で入団した。シーズン半ばまではプラクティス・スクワッドにいたが、11月末にロースターに昇格し、主にスペシャルチーマーとして6試合に出場した。大学2年まではLBをプレーし、3年からFBに転向。FB経験が少ないため荒削りだが、伸びシロは大きそうで、またLB経験もスペシャルチームに役立っている。今夏はルーチーとのロースター争い。

2005年7月 5日

ロースター展望 RB編

グリーン、ダヴェンポート、フィッシャーのトリオは2002年シーズン以来、今年で4年目となる。スピードとパワーを兼ね備えた不動のエースRBグリーン、250ポンド級で破壊力満点の2番手RBダヴェンポート、パスキャッチに優れる3rdダウンバックのフィッシャーと、バランスも取れている。ロースター枠は3人。ケガ人が出れば、一時的に4人にする時もある。今春は控えRB陣をプッシュするFA選手の獲得もなく、上記の3人ですんなり決まりそう。

アーマン・グリーン Ahman Green

今年でプロ8年目となる28歳。2000年にシーホークスから移籍して以来、5年連続で1,100yds以上を走り、4年連続でプロボウルに出場。キャリア通算で平均4.7ydsラッシングは素晴らしいが、ファンブルの多さ(毎年シーズン前半に集中)が玉に瑕だ。左手オンリーの持ち方が問題だったが、昨季途中からは右サイドへのロングゲインの際はボールを右手に持ち変えるようになった。オフシーズンの体調管理などは完璧で、プロフェッショナリズムは文句の付けようがない。

2001年夏に結んだ約$18ミリオンの5年契約が今年いっぱいで切れる。ウォーカーと違い、契約延長を求めてホールドアウトなどしないのは有難いところだが、今季中に契約延長をしてしまうか、シーズンが終るのを待つのか、GMの判断が難しいところ。RBは若くとも金属疲労のようなものが必ずあり、エースとして酷使されてきたツケが回ってくることが多いからだ。他に来春FAとなるのはCフラナガンやKロングウェルだが、今季中に契約延長するとすればやはりこのグリーンが最優先だろう。

4月には家庭内暴力事件で逮捕されたが、実際には手を出しておらず、さほど重い罪にはならない可能性が高い。

ナジェ・ダヴェンポート Najeh Davenport

2002年のドラフト4巡指名、今年でプロ4年目の26歳。250ポンドの巨体に似合わぬスピードがあり、相手ディフェンスが疲れた終盤にパワーランを繰り出して試合を決定付けるのが勝ちパターン。3年間の通算5.1ydsラッシングは立派のひと言。ファンブルが多く首脳陣から睨まれた時期もあったが、昨年は大幅に改善した。パスキャッチはまだ少し雑な時がある。

グリーンと比べて大幅に見劣るのは、ケガの多さや自己管理の部分だ。体重問題もある。グリーンがほとんど欠場しないのに対し、彼は3年間で14試合も欠場している。今春RFAとなった彼に、スターターとして誘いをかけるチームがなかったのはそのせいだろう。来春は完全なFAとなるので、今年は信頼性の向上もアピールしたいところ。キックオフリターンもなかなか良いが、ケガが多いのでイマイチ活用しきれていない。

トニー・フィッシャー Tony Fisher

ダヴェンポートと同じくプロ4年目だが、こちらはドラフト外入団。ブロッキングを含め全てをソツなくこなす3rdダウンバックで、パスキャッチはWR級だが、ラッシングは上記2人と比べて迫力に欠ける。ダヴェンポートが欠場し、グリーンが序盤に負傷退場した昨季テキサンズ戦では、彼を3rdダウンバックに温存したままウォルター・ウィリアムズをエースとして起用したことがあった。来春にはFAとなるが、高額オファーでの誘いはなさそう。

ウォルト・ウィリアムズ Walt Williams

グランブリング州立大出身の27歳で、ドラフト外からNFLヨーロッパも経た苦労人。昨季はケガ人が続出した中盤にプラクティス・スクワッドから昇格し、テキサンズ戦で大きなチャンスを貰った。しかし、6回42ydsと活躍を見せたところで足首を痛め、シーズンエンドとなってしまった。大学ではWRやKRの経験もあるヴァーサタイルな選手。3番手のフィッシャーをプッシュするとしたら彼だろう。

クリス・ロバートソン Chris Robertson

ドラフト外から、昨年はパッカーズのプラクティス・スクワッドにいた選手。テキサス大で2年間過ごした後にヒューストン大に転校している。

チャズ・ウィリアムズ Chaz Williams

ジョージア・サザン大(ディビジョンI-AA)出身のドラフト外ルーキー。大学ではオプションQBとして3年間スターターを務めていた。

2005年7月 4日

ロースター展望 QB編

アーロン・ロジャースを1巡24位で指名したことで、ようやく一応、ファーヴの後継者問題からは解放されることになった。ロースター枠は通常3人。クレイグ・ノールとJ.T.オサリバンの争いで、敗れた方がチームを去る。といってもロジャースが2番手に決まったわけではなく、ノール/オサリバンの勝者とロジャースの良い方が2番手となる。

ブレット・ファーヴ Brett Favre

今年でプロ15年目となる35歳。レギュラーシーズン205試合連続先発、昨季はキャリア4回目のシーズン4000ydsを達成した。さほどの衰えは感じられず、問題は気力だけと言ってよさそう。現役続行するか否かはシーズンが終った後に家族とともに熟慮して決める、というのが毎年の恒例行事になっている。今春は妻ディアナの乳がん治療のためかなりの引退の危機だったが、さいわい順調に回復したため、現役続行を決断した。

この2年間私生活での不幸に見舞われたファーヴが精神的に燃え尽きないよう、シャーマンHCはいろいろと工夫を凝らしている。ミニキャンプに参加させず、自宅で個人トレーナーとワークアウトをさせたのは、そうした配慮の一環だ。チームのケミストリーを重視するシャーマンHCにとって、このような特別扱いはかなりのギャンブルだが、ファーヴの現役続行の価値を極めて重視していることの表れでもある。

クレイグ・ノール Craig Nall

2002年のドラフト6巡入団で、今年がプロ4年目。2003年春にNFLヨーロッパを経験している。毎年のように解雇の危機を迎えるが、一昨年はアキリ・スミス、昨年はティム・カウチを退けてしぶとくロースターに残ってきた。昨季はピダーソンの戦線離脱で第5週から2番手QBに昇格。4試合でパスを投げ、22/33、314yds、4TD、0INT、レーティング139.4と素晴らしい数字を残した。

今春もオサリバンを一歩リードし、ロジャースもまだ不慣れなため、6月のミニキャンプ終了時に「現時点ではノールが2番手」とシャーマンHCが明言している。2番手QBがFGの際のホルダーを務める可能性が高いため、そちらでの向上も求められている。

J.T. オサリバン J.T. O'Sullivan

ノールと同じくプロ4年目。2002年のドラフト6巡でセインツに入団し、昨年10月にCBマッケンジーのトレードの一部としてパッカーズに移籍してきた。昨年春にはNFLヨーロッパも経験している。ノールと比べると少し肩が弱いが、足があり、動き回りながらチャンスを見つけていくタイプ。今春のミニキャンプで、さほど良くはなかったノールを下回ったということは、期待通りには成長していないのかもしれない。

ノールとオサリバンの争いで敗れた方を、できればトレードに出したいところだが、解雇されるとわかっている選手をわざわざ獲りに来るチームがあるかどうか。

アーロン・ロジャース Aaron Rodgers

この4年にわたってパッカーズはファーヴの後継者候補を探してきた。アキリ・スミスやティム・カウチを試し、ドリュー・ヘンソンに興味を示し、J.P. ロスマンを1巡指名する直前まで行ったこともある。そして今年、1巡24位まで落ちてきたロジャースを指名し、ようやく後継者探しが一段落したことになる。就任早々のトンプソンGMにとっては、自分の評価を将来にわたって左右しかねない大きな人事だ。

ファーヴの下で修業してチャンスを待つロジャースだが、すでに精神面については先輩選手から高く評価されており、地元メディアの受けもよい。6月のミニキャンプでは頭と体がバラバラで正確性を欠いたが、1年目から結果を求められることはないので、じっくりやればいいだろう。

2005年7月 2日

CBアル・ハリスの真価

先日のミニキャンプでのこと。ドッジボール大会のことを取材しようとした地元メディアに対し、「ここはフットボールのロッカールームだ。オレはフットボールの質問にしか答えないよ!」とCBアル・ハリスは言った。彼は常にフットボールに本気で取り組んでいる一本気なタイプで、下積みから一流CBへと叩き上げたカギはそこにあると言っていい。

ジム・ベイツ新DCからも、最も厚い信頼を寄せられているのが、このアル・ハリスだ。自分は数多の有力CBたちを扱ってきたが、そのトップクラスと比べてもハリスは全く遜色がないとベイツDCは強調する。「アルはいい選手だ。本当にいいね。私がこの10年ほどやってきたバンプ・カバレッジに関して、彼はその誰にも劣らぬほど優れている。もちろん、ディオン(サンダース)は別格だ。ケヴィン・スミスは、アキレス腱を断裂する前は凄いコーナーだった。そしてマイアミではパット(サーテイン)とサム(マディソン)が素晴らしかった。アルは、彼ら3人と同じクラスだ。本当にそうなのだ」

このような評価を得るに至るまで、ハリスにとっては長い道のりだった。学業成績の問題で、予定していたフロリダ州立大に進めなかったため、短大を経てディビジョンIIのテキサスA&Mキングズヴィル校へ。1997年の6巡指名でバッカニアーズに入団したものの、開幕ロースターに残れず解雇され、プラクティス・スクワッドで1年目を終えた。2年目の開幕前にバッカニアーズから解雇されてイーグルスへ移り、彼はそこでチャンスをつかんだ。トロイ・ヴィンセント、ボビー・テイラーという豪華プロボウルCBコンビの下で学びながら、ケガ人が出るたびに代役で先発をこなすなど、着実に実績を積んでいった。そして2003年にトレードでパッカーズへ移り、28歳にしてようやく常時スターターとなった。CBというポジションで、このように遅咲きの選手は珍しい。

CBマッケンジーの抜けた昨季は、サイドを固定せずに常に相手エースWRをカバーした。それだけに毎回シャットアウトとはいかなかったが、素晴らしい活躍を見せてプロボウルの補欠にも選ばれた。彼以外のDB陣がガタガタだったため失点が増え、彼の功績もやや霞んでしまったが、(スターCBが少なかった)昨季のNFCならプロボウルに出場してもおかしくない出来だった、と見る向きも多い。

そして今年、ジム・ベイツ新DCの用いるスキームは、ハリスの長所を最大限に活かすものだ。「僕のプレーを見た人は、『彼はゾーン・カバレッジでは苦戦してる』と言うかもしれない。しかしバンプ&ランなら、僕の最も得意とするところだ。人それぞれ得手不得手があるし、僕は大口を叩くタイプじゃない。だけど、毎週毎週プレスカバレッジを僕のようにできる選手はそうはいないと思う」

常に真摯なハリスは、若手揃いのCB陣の中で良きお手本となっている。「どうすれば安定感のある選手になれるか、真のプロフェッショナルは毎日どのように仕事をするか、彼を見ていると勉強になるよ。要は、正しい行動をするってことだ。自分もこんな選手になりたい、というお手本がいるとすれば、それはアル・ハリスだ」とCBジョーイ・トーマスは語っている。

2005年7月 1日

ジム・ベイツ新DCのディフェンス

練習フィールドに、ジム・ベイツDCの大声が響きわたる。小柄な体で走り回っては、選手をほめ、叱咤し、手取り足取りの指導をしていく。「あの情熱はものすごいよね。それに彼はとても直接的な教え方をするんだ。たいていのコーディネーターは、何をどうすべきか口頭で伝えるだけなんだけど、彼は実際に体を屈めて、どうやるかをやって見せてくれる」とDEバジャ=ビアミラ。

極めてアクティブな自分のコーチング・スタイルについて、「これが私の教え方なんだ。選手のあとを追いかけ、良いプレーの時は褒めてやり、悪いプレーの時は叱ってやる」とベイツDCは語る。控えLBのパリス・レノンは、ベイツDCの就任が決まった時、ベイツの下でプレーした経験のある友人たちに、新DCのことを聞いて回ったのだと言う。「ドルフィンズの選手たちにすごく好かれていた、と皆が口を揃えていたよ。エネルギッシュな人だとは予想してたけど、あんな風に走り回るとまでは思わなかった」

彼のアグレッシブなディフェンスの中で特に重要なのが、LBたちのプレーだ。「私のスキームで、おそらく最も難しいのがラインバッカーだろうね」とベイツDCも認めている。大型のDTが中央でブロッカーを引き受け、その後ろで、軽量・スピード派のLBたちがサイドラインからサイドラインまでを駆け回る。LBが自由に飛び回り、相手を仕留めるようにデザインされているのだ。また、プレー判断についてもスピードが要求され、LBはスナップ前に素早くプレーを読まなければならない。

ベイツのディフェンスではセカンダリーは主にマンツーマン。スクリメージ近くで手を使ってバンプし、レシーバーに思うようなルートを走らせないことが重要になる。「大事なのはスクリメージラインでのコンタクトだ」とCBパトリック・デンディ。

NFL25位だったパス守備を改善するには、パスラッシュも向上させなければならない。ベイツのディフェンスでは、ディフェンシブエンドたちはOTやTEに対し、角度をつけてかなりワイドにセットする。「僕らDEは、普通より少し自由に動けるようになる。ブロッカーに対して有利に立てることが増えるだろう。真ん前に相手がいない分、より素早いプレーがしやすい」とDEキャンプマン。

パスラッシュの主役、DEバジャ=ビアミラも、ワイドにセットできることを喜んでいる。外側をコンテインする義務がなくなったわけではないが、昨年までのディフェンスと比べると制限が少ないのだと彼は言う。「パスラッシュだけでなくランに対してもDEが貢献できることが増えるだろう。バックサイドからもランプレーを追いかけられるし、ダウンフィールドでもそうだ」

2回のミニキャンプを終え、ベイツDCはすでに全体の85%のプレーを選手たちにインストール済みとのこと。「全く新しいディフェンスをやるわけだから僕らにとっては難しいけど、以前のディフェンスと比べると複雑ではないし、理解しやすいね」とDEキャンプマンは語っている。