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2014年1月29日

Notebook: CBシールズとの交渉続く

2014年1月22日

来季の対戦相手

パッカーズの来季16戦の対戦相手は下表のとおり。NFC北地区チームは、NFC南地区およびAFC東地区と対戦するローテーションとなっている。それに加えて同カンファレンス同順位の2チームと対戦するので、パッカーズは東地区1位のイーグルスおよび西地区1位のシーホークスと対戦する。(今季NFCはパッカーズ以外の地区優勝チームがすべて入れ替わった)

対戦相手の今季成績を合計した"Strength of Schedule"は.504となっている。同地区3球団の成績が悪かったものの、それ以外の10チームのうち今季負け越しているのは2チームしかない。とはいっても、前年の数字などアテにはならないもの。2013年開幕時点でパッカーズの"Strength of Schedule"は.539だったが、終わってみれば.453と不振の対戦相手が多かった。

なお具体的な日程は毎年4月後半に発表される。

Packers 2014 Regular Season Opponents
  Opponent Division 2013年成績 前回の対戦
  Atlanta Falcons NFC南 4 12     W   22-21 '13
  Carolina Panthers NFC南 12 4   W 30-23 '11
  Philadelphia Eagles NFC東1位 10 6   L 13-27 '13
  New England Patriots AFC東 12 4   L 27-31 '10
  New York Jets AFC東 8 8   W 9-0 '10
  Chicago Bears 同地区 8 8    1勝1敗
  Detroit Lions 同地区 7 9    1勝1敗
  Minnesota Vikings 同地区 5 10 1  1勝1分
             
                 
@ New Orleans Saints NFC南 11 5   W 28-27 '12
@ Tampa Bay Buccaneers NFC南 4 12   W 35-26 '11
@ Seattle Seahawks NFC西1位 13 3   L 12-14 '12
@ Buffalo Bills AFC東 6 10   W 34-7 '10
@ Miami Dolphins AFC東 8 8   L 20-23 '10
@ Chicago Bears 同地区 8 8    1勝1敗
@ Detroit Lions 同地区 7 9    1勝1敗
@ Minnesota Vikings 同地区 5 10 1  1勝1分
     計 128 126 2  
  Strength of Schedule .504  

2014年1月19日

2013 Packers Individual Report Card

昨年とおなじく、地元両紙およびProFootballFocusによるパッカーズ全選手のシーズン通知表を以下にまとめた。

Milwaukee Journal Sentinel紙はボブ・マッギン記者、Green Bay Press-Gazette紙はロブ・デモフスキー記者がESPNに移ったので今年はマイク・ヴァンダーマウス記者が担当している。下表はプレーオフを含めた17試合での評価。「NFLで何年目か」 「出場試合数」 「先発試合数」 「出場スナップ数」も明記した(オフェンスは全1141スナップ、ディフェンスは全1137スナップ)。QBフリンのような途中入団や途中退団した選手はパッカーズ在籍分だけ。

Packers 2013 Final Report Card
Pos. Name Exp. Game Start Snap   J.S. P.G. P.F.F.
QB Aaron Rodgers 9 10 10 656    B   A - 18.0
QB Seneca Wallace 10 2 1 58    D  D - 1.6
QB Scott Tolzien 3 3 2 160    D  D + 0.1
QB Matt Flynn 6 5 4 331    C +  C - 5.4
                   
RB Eddie Lacy R 16 16 726    B +  A - 18.9
RB James Starks 4 14 1 239    B  C + 6.7
RB Kahlil Bell 5 3 0 0    -  -
RB Johnathan Franklin R 5 0 62    D  D + - 0.4
FB John Kuhn 8 15 6 337    C +  B - 9.6
                   
WR Jordy Nelson 6 17 17 1165    A  A - 24.7
WR James Jones 7 15 15 925    B -  B - 2.9
WR Randall Cobb 3 7 5  385    B  B 8.4
WR Jarrett Boykin 2 16 8 701    B -  C 5.1
WR Miles White R 7 0 125    -  - - 1.9
WR Jeremy Ross 4 2 0 7    -  - 0.4
WR Chris Harper R 2 0 2    -  - 0.0
                   
TE Jermichael Finley 6 6 5 259    B  B - - 2.8
TE Andrew Quarless 4 17 11 752    D +  C - - 6.9
TE Ryan Taylor 3 14 1 173    D +  D + - 7.6
TE Brandon Bostick 1 10 0 144    D +  D + - 3.5
TE Jake Stoneburner R 7 0 9    F  D - - 1.0
                   
OT David Bakhtiari R 17 17 1191    C +  C - 11.0
OT Don Barclay 2 15 15 1043    C  C - - 10.4
OT Marshall Newhouse 4 10 2 261    F  D - - 9.2
OT Derek Sherrod 4 1 0 6    -  - - 0.3
OG Josh Sitton 6 17 17 1205    A -  A - 36.4
OG T.J. Lang 5 17 17 1177    B -  B - 10.8
OG Lane Taylor 2 3 0 14    -  - - 0.7
C Evan Dietrich-Smith  4 17 17 1137    C -  C + 14.2
                   
                   
DT B.J. Raji 5 17 17 666    C -  C - 14.8
DT Ryan Pickett 13 17 17 546    C  C - 1.2
DT Mike Daniels 2 17 2 553    B +  B - 22.4
DT Johnny Jolly 5 13 8 294    C -  C - - 2.8
DE Datone Jones R 17 0 276    D  D + - 7.6
DE Josh Boyd R 9 0 117    D +  D - - 0.8
DE C.J. Wilson 4 9 0 127    D +  D - 2.4
DE Jerel Worthy 2 3 0 14    -  - - 0.4
                   
OLB Clay Matthews 5 11 11 571    B  B - 1.2
OLB Nick Perry 2 12 6 433    C  C - 2.3
OLB Mike Neal 4 17 11 751    B -  C - 12.6
OLB Andy Mulumba R 13 4 361    D +  D + - 9.4
OLB Nate Palmer R 6 0 200    D  D - 7.9
ILB A.J. Hawk 8 17 17 1078    C  C + - 12.8
ILB Brad Jones 5 13 13 649    C -  C - - 6.9
ILB Jamari Lattimore 3 11 4 272    C -  D + - 0.1
ILB Rob Francois 4 1 0 13    -  - - 2.0
ILB Sam Barrington R 1 0 1    -  D 0.0
ILB Vicror Aiyewa R 0 0 0    -  -
                   
CB Tramon Williams 7 17 17 1124    B +  B 6.6
CB Sam Shields 4 15 15 902    B  B +  0.4
CB Micah Hyde R 17 3 448    B  C + 3.2
CB Davon House 3 15 5 533    C  C - - 2.0
CB Jarrett Bush 8 9 0 129    B -  C - 1.9
CB Casey Hayward 2 3 1 88    -  - 1.0
CB James Nixon 1 2 0 2    -  - 0.0
CB Jumal Rolle R 0 0 0    -  -
S Morgan Burnett 4 14 14 938    D +  C - 3.4
S M.D. Jennings 3 17 17 855    D -  D - - 5.2
S Jerron McMillian 2 9 2 196    -  F - 10.5
S Chris Banjo R 12 1 192    D +  D - 1.9
S Sean Richardson 2 7 0 174    D  D + 0.5
                   
K Mason Crosby 7 17 17      B +  A - 9.0
P Tim Masthay 4 17 17      B -  B 17.1
LS Brett Goode 6 17 17      C +  B - - 4.0

ProFootballFocusの評価は、1プレーごとに+2点から-2点の間で各選手の点数をつけたもの(0.5点刻みなので9段階評価)。たとえば、相手のミスでワイドオープンとなってイージーなボールをキャッチしただけでは±0点と評価され、難しいボールをキャッチしたり、個人技でオープンになって初めてプラス評価される。同サイトはその集計結果を各選手の評価として毎週掲載し、今回の数字はプレーオフを含めた17試合を集計したもの。

以下はProFootballFocusの評価について。

2014年1月18日

ケヴィン・グリーンOLBコーチが辞任

就任5年目を終えたばかりのケヴィン・グリーンOLBコーチが突然の辞任を表明した。理由は家族とともに過ごすためだという。 球団から発表された声明の中で彼は、「妻のタラ、子供のギャヴィンとガブリエルたちとの時間を増やすため、今はNFLから離れることを決めた。コーチングから離れることをきっと寂しく思うだろうし、子供たちが大学に進んだら私は復帰を試みるだろう」と説明している。(息子は高校生、娘はその2つか3つ下)

「グリーンベイ・パッカーズでの私の経験はポジティブ以外のなにものでもない。このチャンスをくれたマッカーシーHCとトンプソンGMに、私はいつまでも感謝し続けるだろう。この5年間、預かった若者たちの成長を助けることができて私は大きな満足感を抱いている。彼らがこのリーグで成し遂げたことを誇らしく思う」

マッカーシーHCは、「最近になって彼から『コーチングから離れて家族と過ごしたい』という話を聞かされた。球団を代表し、5年にわたる彼の貢献とハードワークに感謝したい。ケヴィンは素晴らしいエネルギーと情熱と知識を我々にもたらしてくれた。彼の献身的な努力は選手たちの能力を最大限引き出してくれた。我々にとって彼が抜けるのは痛手になるだろう。彼とその家族の幸せを願ってやまない」と述べている。

後任OLBコーチについては、まだなにもあきらかになっていない。

◆ ◆ ◆

ケヴィン・グリーン Kevin Greene はオーバーン大出身の51歳。1985年のドラフト5巡指名でNFL入りし、ラムズ(8年)、スティーラーズ(3年)、パンサーズ(1年)、49ers(1年)、パンサーズ(2年)と太く長いキャリアを築いた。通算160サックはNFL史上3位(LBとしては1位)、プロボウル5回、オールプロ1stチーム3回、1990年代の All-Decade Team にも選ばれている。34歳だった1996年には、14.5サックで「史上最年長サック王」に。そうした実績により、今年も殿堂入りの最終候補に選ばれている。

オーバーン大では通常の学位のほかに予備役将校の訓練課程(ROTC)も修了。陸軍予備役の大尉を16年間務めた。NFL現役中にプロレス挑戦したことも話題になった。数球団でコーチのインターンを務めたあと、2009年にはケイパースDCの誘いで念願かなってパッカーズのOLBコーチに就任。現役時代に手の届かなかった優勝リングも手にすることができた。

パッカーズファンにとって印象深いのは、4点差に追い上げられたスーパーボウルの第4Q初めのできごと。TVタイムアウトの間にOLBマシューズを呼び寄せて "It is time. It is time." と言い聞かせたシーンだ。お前が大仕事をすべき時だ、という叱咤に応え、直後のプレーでOLBマシューズがファンブルフォースを決めて流れを引き戻した。

スティーラーズではスーパーボウルに進出

愛弟子のOLBクレイ・マシューズと

サイドラインから指示を飛ばす

2014年1月15日

Notebook: マカドゥーはNYGのOCに

2014年1月11日

ヘッドコーチ解任と採用の現実

長文になるが、例によってアンドリュー・ブラントの興味深い回顧談を紹介したい。彼は1999年から2008年までパッカーズに在籍し、選手サラリー/サラリーキャップ担当の副社長だった。その前は選手の代理人を務め、またNFLヨーロッパでバルセロナ・ドラゴンズのGMを務めたこともある。パッカーズ退団後は各NFLメディアで金銭面・法律面の解説に重宝されているほか、ペンシルヴェニア大経営大学院でスポーツ・ビジネスの教鞭を執っている。

◆ ◆ ◆

レギュラーシーズンが終わるとともに何人ものヘッドコーチとそのスタッフが球団を追われることは、この時期の恒例行事となっている。ライバル球団が急激な成績アップを果たすのを目の当たりにしたNFLオーナーたちは以前よりも忍耐力をなくし、そのぶんコーチたちの賞味期限は短くなってきている。

しかも、純資産が$1ビリオン(1千億円)にちかづく、あるいは超えているオーナーもおり、契約期間内のコーチを解雇することで、残る契約期間の支払い義務を果たすことは彼らにとってわずかな負担にすぎない。たとえば、$1ビリオンでブラウンズを買ったジミー・ハスラムにとって、ロブ・チャジンスキー元HCに$10.5ミリオン(残り4年分)支払うことはわずかなコスト負担だ。

頻繁にヘッドコーチが解任(昨年8人、今年7人)されるのは、将来の成功のために若手を起用することが多くのコーチにとって難しい、という問題を示してもいる。マネジメント部門が「ドラフトと育成」をモットーとしていても、コーチ(とその代理人)は、「NFLではいま勝たなければ意味がない」というプレッシャーを常に感じている。このジレンマが消えることはなく、最近の大量コーチ解雇で問題は複雑になるいっぽうだ。

私はパッカーズ副社長を務めた9年間で、「別の方向に進む」(管理人注: 「解雇」という言葉を避けるためにこうした偽善的な表現がしばしば使われる)を2回どおり見てきた。じっさいの解雇通告はごく短く、1分間か2分間のことだが、その余波は長く続く。選手の解雇と同じく、愉快なものでは決してない。こうした決断は人々の自尊心を痛めつけ、非常に感情的な出来事になることもある。

私が経験した解雇プロセスの2つの例を振り返ってみよう。

最初の解任

私がパッカーズに加わったのは1999年。マイク・ホルムグレンがシアトルに去ったことにともない、レイ・ローズが新しいスタッフとともにヘッドコーチに着任した直後のことだった。私とレイはともに新入りで、ランボーフィールドから道をはさんだモーテルで数か月暮らした「寮の仲間」だった。そのため、やがて家族が到着すると家族付き合いをするようにもなった。

8勝8敗シーズンが終わる直前、妻と私は大晦日にミレニアム・パーティを開いた。陽気な集まりで、スタッフはみな夜通しダンスを楽しんだ。2日後のシーズン最終戦の日、ロン・ウルフGMから「試合後も残っているように」と私は指示された。そして試合終了後、レイとそのスタッフを解雇することを告げられた。私にとっては青天の霹靂だったが、前々日のパーティが「解任のショックを和らげるためのものだった」という誤った認識が広まらぬよう自己弁護する必要が出て来てしまった。これは私にとって、フットボール界における人生についての厳しい洗礼となった。妻と私は、フットボール界の外に友人関係を作らなければいけない、と思い知らされた。

レイ・ローズHCとロン・ウルフGM

レイ・ローズは真の”プレーヤーズ・コーチ”であり、結局のところ、タレント豊富だが規律に欠けるチームのために解雇されることになった。彼が第16週の@タンパ戦のあと、数人の選手がタンパに2日ほど残ることを許した件を、ウルフはとくに怒っていた。この件がとどめになったことを、私は解雇の夜に知った。

レイに解雇を知らせるのは最終戦の翌朝、というのが当初の予定だった。ところが、私たちがランボーフィールドから出ていくと、レイが駐車場にいて、自然と機会が生まれてしまった。ロンとレイは私から数歩離れた。話はごく短く、だいたい90秒ぐらいだっただろうか。レイがロンの、そして私の手を握って言った。「チャンスをくれてありがとう」。 それで終わりだった。

その余波は長く続いた。私はアシスタントコーチたちと面談し、契約のオフセット条項(契約期間のサラリーは保証されるため、浪人する場合は全額、次の仕事で減俸になるならばパッカーズが差額を負担する)について説明し、できるだけ人間味をもって接することを心がけた。それから私はジェシー・ジャクソン師の相手もしなければならなかった。就任わずか1年、8勝8敗で解任する理由を(管理人注: 人種偏見が一因ではと)詰問してきたのだ。私はできるだけ情報を開示した。(レイ自身はジャクソン師の口出しに困惑していたが)

最初のコーチングスタッフ解任は私にとって厳しいものになった。残念なことに、6年後にまた同じことを経験することになる。

2回目の解任

マイク・シャーマンHCは無名の存在からわずか2年で、ロン・ウルフの引退によりゼネラルマネージャーも兼任するようになった。彼は難しい役回りを引き受けることになった。選手から好かれ信頼されなければならないのに、同時にマネジメント面で財布の紐を引き締めなければならない。そこで、私が悪者の役回りを求められた。契約交渉においてはそれが必要だと、私は100%理解していた。しかし、ヘッドコーチ兼GMがまったく無感情な人間でないかぎり、こうした事業モデルはうまく機能しない。マネジメント上の決断は、現場から離れた人間の役割であるべきなのだ。

GMを兼任していたマイク・シャーマンHC ドラフトのウォールームにて

2005年にテッド・トンプソンがシアトルから帰ってくると、シャーマンはヘッドコーチとして留任したものの、GM職を奪われることになった。あの年は難しい状況だった。私もいくつかのミーティングに加わったが、コーチ側の短期的な要求と、GM側の長期的な利益がせめぎ合っていた。QBアーロン・ロジャースをドラフト指名したのがその典型例だ。

1年後にトンプソンはシャーマンを解任した。その会談は(私は加わらなかったが)わずか数分で終わったことを私は知っている。トンプソンはたいへんに言葉すくない人で、メッセージは簡潔明瞭。よきコーチであり、堅実な家庭人であるシャーマンはパッカーズで大きな成功を収めたが、これで球団を去ることになった。

こうして、私はNFLコーチのはかない運命をまたも間近で目撃することになった。

宙ぶらりんの人々

ヘッドコーチ解任後に残されるのは、十数人のアシスタントコーチとその家族。彼らの人生は先の知れない混乱に追い込まれることになる。通常、彼らアシスタントコーチは「次のヘッドコーチが決まるまで残るように」と指示される。彼らの運命は新ヘッドコーチに委ねられるのだ。しかし現実には、たいていのアシスタントコーチは解任されたヘッドコーチを追うように球団を去り、新ヘッドコーチはあらかじめ決めてあったコーチングスタッフを率いて乗り込んでくる。延命のチャンスはたいへん小さい。

彼らにとっては、数日か数週間のことが数か月にも思えることだろう。彼らはオフィスにやってきては、新しい職場を探してインターネット上を調べ、コーチ界の友人たちと電話で連絡を取り合う。妻たちは不動産屋、引っ越し業者、学校と連絡を取り合っている。これまでのコーチ人生で培った人間関係の恩恵を受けられないものかと期待しつつ、先行きへの不安に支配されることになる。 

新人QBアーロン・ロジャースが契約にサインしたときもアンドリュー・ブラントが相手

今どきのヘッドコーチ選び

ヘッドコーチを選ぶアプローチはチームによってさまざまだ。私が働いた球団はパッカーズだけで、そこにはオーナーがいない。私の経験したGMはロン・ウルフとテッド・トンプソンの2人で、彼らは選考プロセスにおいて100%の権限と裁量権を持っていた。

選考に誰が加わるかはチームによって、球団の構造によって違ってくる。管理職人材斡旋会社(ヘッドハンター)を利用する球団もある。会社のCEOを探すためものだったそうした会社は、今では球団幹部やコーチを選ぶ1つの方法として定着してきている(管理人注: パッカーズも2008年に新社長を探す際にそうした会社を利用して一次選考を行った)。しかも高額なビジネスだ。斡旋会社への手数料は、選ばれた人物の1年目のサラリーの20%から30%となっている。この業界のトップ、ジェド・ヒューズは元コーチの経験をNFLでのコーチ選考に活かしている。

私の考えでは、ヘッドコーチ探しは広範かつ徹底的なものであるべきだ。最初から特定の候補に集中するチームがあるのもわかるが、1月の早いうちに慌ててヘッドコーチを決めてしまうのは私には理解できない。選手が球団施設に戻ってくるのは4月だというのに。

ヘッドコーチ経験者、コーディネーター経験者といった既成概念にとらわれない選び方をするチームは残念ながら多くない。イーグルスがチップ・ケリーを口説き落としたことを、昨年私は称賛した。彼のコーチング、スタッフ構成、運営上のアイディアはふつうと違うだけでなく効果的だ。ケリーの準備メソッドを模倣するチームがいずれ現れるだろうと私は感じている。

さて、私が経験したグリーンベイでの2回のヘッドコーチ選考プロセスを振り返ってみよう。

マイク・シャーマン当選

1999年シーズン後のレイ・ローズHC解任にともない、ロン・ウルフGMは前回より幅広いヘッドコーチ探しに乗り出した。前年ローズを選んだときには、NFLヘッドコーチとして実績のある人物に限定してしまったからだ。

候補との面談において、ロンはポジションごとのロースター構成を説明し、私が財政面での現在と将来について話したこともあった。そしてコーチの側は、彼のプラン、哲学、コーチングスタッフの候補、ロースターについての考えを話した。

マイク・ホルムグレンの推薦もあって、我々はマイク・シャーマンと面談した。以前グリーンベイで1年間(管理人注: 実際は2年間)TEコーチをした人物だ。シャーマンとの面談の日のことを私は鮮明に覚えている。私が別の候補と電話で話しているとロンが私のオフィスにやってきて、喉を切る仕草をして会話を終わらせた。「見つけた」と。

ロンによると、彼はシャーマンに度肝を抜かれたという。シャーマンは2月1日からシーズン終了まで毎週の詳細なスケジュールを披露した。コーチングスタッフ選びも、コーディネーターからクォリティコントロールまですべて終えていた。そして、我々のロースターに関する完全かつ詳細な知識を備えていた。今後難しい状況に陥った場合はどうする、という設問にも適切な返答が返ってきた。大穴候補に過ぎなかった彼が、見事な面接内容で仕事を勝ち取ったのだ。

QBブレット・ファーヴとマイク・シャーマンHC

多数のコーチを抱える代理人

ホルムグレン門下の多くのコーチと同じように、ボブ・ラモンテがシャーマンの代理人を務めていた。毎年数人のヘッドコーチ候補を売り出してみせる彼は、大事な瞬間がきたときのために、大量かつ詳細なノートをコーチに準備させる。興味深いことに、今年彼が売り出している1人がパッカーズのベン・マカドゥーQBコーチであり、ブラウンズとの面談も報じられている(面白いことに15年前、当時パッカーズのQBコーチだったアンディ・リードをヘッドコーチに採用したのが現ブラウンズのジョー・バナー社長)。ブラウンズはラモンテの顧客ととりわけなじみ深い。最近だけでもマイク・ホルムグレン(元社長)、パット・シャーマー(元HC)、トム・ヘッカート(元GM)のトリオがいる。

ラモンテはまた、このほどレッドスキンズの新HCに選ばれたジェイ・グルーデンの代理人でもある。兄ジョンの代理人も長年にわたって務めていた。ジェイ・グルーデンはワシントンの次に他のチームを訪れて面談を行う予定だったが、それは(契約締結によって)キャンセルされた。彼が球団施設にいるうちにワシントンが獲得してしまわないと逃げられるぞ、という印象をラモンテが作り出したのだろう、と私は感じている。

ラモンテは2006年にもヴァイキングスで似たような状況を生み出した。ブラッド・チルドレス(当時イーグルスOC)はヴァイキングスと面談し、次はグリーンベイで面談を行う予定となっていた。そこでラモンテは、チルドレスがグリーンベイ行きの飛行機に乗ってしまったらライバルに奪われる、という印象をヴァイキングスに植え付けた。結果としてチルドレスはグリーンベイに向かうことはなく、ミネソタとの5年契約がまとまった。

いずれ劣らぬ両候補

2006年、マイク・シャーマンの解任にともない、テッド・トンプソンGMは広範かつ包括的なヘッドコーチ探しに乗り出した。相手のいる街に行って面談したこともあるし、こちらのオフィスに招いて行うこともあった。こちらのオフィスに来たのは、ウェイド・フィリップスショーン・ペイトンマイク・マッカーシーたちだった。

若き才能をドラフトし育成する、という方針からも予想できるように、トンプソンの面談では人事面の話し合いに重点が置かれた。選考プロセスでまず前面に出たのは、ジョン・シュナイダーレジー・マッケンジージョン・ドーシーだった(いまは3人とも他球団のGM)。彼らがロースターの詳細を説明し、特定のポジションの将来、どのベテランが長期的プランから外れるか、といったことを話し合った。ヘッドコーチ候補の側は、選手たちについての見方、チームのビジョン、コーチングスタッフの候補について話をした。私自身も、短い時間だが候補と面談し、こちらの財政状況を説明した。

最終候補はペイトンとマッカーシーになった。どちらになってもハズレではなかった。"boundary"、"edge"、"perimeter"といった用語を駆使する彼らのオフェンス哲学を聞くのは楽しい経験だった。(管理人注: ともに優勝を成し遂げ、通算成績もよく似ている。ペイトンはパッカーズでのHC就任を強く望んでいたという)

二人三脚でスーパーボウル制覇を成し遂げた マッカーシーHCとトンプソンGM

ショーン・ペイトンよりもマイク・マッカーシーを選んだ決断についてテッドは多くを語らなかったが(彼は何事についても多くを語らない)、過去のつながりが要素になったのはたしかだ。マッカーシーは1999年にレイ・ローズHCの下でパッカーズのQBコーチを務め、ジョン・シュナイダーとはチーフス時代から長い付き合いがあった。(後に、妻になる女性をマッカーシーに紹介したのもシュナイダー)

テッドはマイクの"ピッツバーグ・タフネス"と謙虚さが気に入った。私がマイクと一緒に過ごした2年間でもっとも感心したのは、彼の選手に対する「心の知能指数」(感情を理解する能力)だった。彼は勝っても負けても人間が変わらず、もっとも効果的なタイミングを選んで感情的爆発を示すことができる。

◆ ◆ ◆

残念ながら、コーチの解雇と採用の季節はNFLカレンダーの重要な一部として組み込まれ、それはプレーオフと同時進行している。球団の資産的価値がうなぎ上りとなり、最下位からトップへといった成功例が増えるにつれ、短期間でコーチが解任される流れが弱まることはないようだ。最高レベルでコーチすることの見返り、とくに経済的な部分はたしかに素晴らしいが、雇用の安定に関しては毎年悪くなるいっぽうだ。

 

管理人より

これまでにもアンドリュー・ブラントの興味深い話を何度か取り上げましたので、まだご覧になっていない方は以下のリンクからどうぞ。

2014年1月 9日

Notebook: マッカーシーHCの会見から

マイク・マッカーシーHCは月・火で選手全員との面談を終え、シーズン最後の会見を行った。

2014年1月 8日

Notebook: マカドゥーQBコーチがHC候補に

2014年1月 7日

Notebook: シーズンの終わり

シーズンが終わった。選手たちはロッカールームの私物をまとめ、仲間に挨拶をし、ランボーフィールドを後にした。取材セッションの時間内にロッカールームに姿を現す選手はごくわずか。このあと選手たちは数日かけてマッカーシーHCやポジションコーチと面談したあと正式に解散となる。コーチたちは2週間ほどかけて今季の分析をし、総括を行う。

パッカーズは今春FA予定の選手が多いが、その分析はまたいずれ。

Packers - 49ers Notebook

2014年1月 6日

Packers 20 - 23 49ers

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
49ers (13-4) 6 7 0 10 23
Packers (8-8-1) 0 10 0 10 20

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気温-15℃と冷え込んだランボーフィールド。7mほどの風が吹き、体感気温はさらに10℃以上低い。序盤からオフェンス不振のパッカーズはディフェンスの頑張りをなかなか活かすことができない。第4Qに入ってようやく逆転に成功したものの、最後は相手のラン攻撃を止めることができずサヨナラ決勝FGを許した。

パッカーズは序盤からケガ人が続出したこともあって地の利を活かすことができず、波瀾万丈のシーズンがついに幕を閉じた。これで49ers戦はプレーオフ2敗をふくめて4連敗に。

◆ ◆ ◆

試合は序盤から49ersディフェンスが圧倒。パッカーズはオフェンスが3連続3&アウトの間にディフェンスが2シリーズ連続でFGを許す。第2Qに入ったところでCBトラモン・ウィリアムズのインターセプトから逆転に成功するが、すぐに逆転TDランを許し、3点ビハインドでハーフタイムへ。後半は相手攻撃を3連続パントに追い込むが、こちらのオフェンスも連続サックなどで波に乗れない。

第4Qに入ると、4thダウン2からQBロジャースがWRコブへ見事なパスを通し、FBクーンのTDランでようやくリード。しかしQBキャパニックのスクランブルから再逆転TDを許し、直後のオフェンスもゴール前に迫りながら同点FG止まり。残り5分06秒からのディフェンスでは、二度の3rdダウンロングをQBスクランブルで成功され、タイムアップと同時に49ersの決勝FGが決まった。

◆ ◆ ◆

オフェンスはラン守備4位の49ersに対してよく124ydsもランを出したが、パス攻撃の不調が痛かった。1stダウンはランが10回、パスが8回とパッカーズらしくない数字。相手の強力ディフェンスにくわえ、厳寒と風の影響があったのもたしかだが。WRジョーンズは惜しいロングパスを2回とも確保できず、悔いを残した。

ディフェンスはケガ人状況を考えれば23点なら上出来か。CBシールズを欠きながら相手のパス成功率を53.3%に抑えたのは立派だったが、大事な3rdダウンでQBキャパニックに何度もスクランブルでロングゲインされたのが直接の敗因となった(リードオプションはごくわずか)。スペシャルチームはWRコブをキックオフリターナーに起用してビッグプレーを狙ったが不発。

ただでさえ弱いディフェンスにとって、ケガ人続出は痛かった。最初のシリーズでCBサム・シールズ(ヒザ)とOLBマイク・ニール(ヒザ)が負傷退場。第4Q初めにLTデヴィッド・バクティアリが脳震盪を起こして退場。OLBムルンバとCBハウスは一時退場したが次のシリーズで復帰している。

第1Q

  • GB陣26 : RBレイシーの1yd、6ydsランで3rdダウン3、FBクーンが止められて3&アウト。
  • SF陣27 : RBゴアの7ydsラン、WRクラブトリーへの15ydsパスで1stダウン。3rdダウン9、WRクラブトリーへの12ydsパスでGB陣へ。RBゴアの-5ydsロス、WRクラブトリーへの13ydsパスで3rdダウン2、QBが-4ydsロスで4thダウン6、WRクラブトリーに31ydsパスが通ってゴール前04ydsへ。連続パス失敗で3rdダウン4、WRクラブトリーへのパスは通らず。22ydsFG成功
  • GB陣26 : RBレイシーの1ydラン、サック、フォルススタートで3rdダウン16、パス失敗で3&アウト。(29ydsのミスパント)
  • GB陣49 : RBゴアの9ydsラン、4ydsランで1stダウン。ロングボム失敗、WRボルディンへのクイックスクリーン9yds、4ydsランでさらに1stダウン。WRボルディンへの11ydsパスでレッドゾーンへ。3rdダウン6、WRクラブトリーへのパスは通らず。25ydsFG成功で3点追加。
  • GB陣24 : サック&ファンブルをRGラングがリカバー。スクリーンパス不発で3rdダウン15、RBレイシーの3ydsランでまたも3&アウト。
  • SF陣41 : QBスクランブル8ydsで第2Qへ。

第2Q

  • RBゴアの2ydsランで1stダウン。WRボルディンへの17ydsパスが通ってFG圏内へ。3ydsランのあと、CBウィリアムズがインターセプトして17ydsリターン
  • GB陣30 : RBレイシーの4yds、2ydsランで3rdダウン4、FBクーンへの8ydsパスで初1stダウン。WRジョーンズへの8ydsパス、4ydsランでSF陣へ。WRネルソンへの7ydsパス、4ydsランでさらに1stダウン。TEクウォレスへの8ydsパス、3ydsラン、WRネルソンへの8ydsパス、4ydsランでゴール前09ydsへ。パス失敗と4ydsランで3rdダウン5、WRネルソンに5ydsTDパス成功
  • SF陣31 : RBゴアの3ydsラン、TEデイヴィスへの9ydsパスで1stダウン。QBスクランブル42ydsでレッドゾーンへ。3ydsランのあと、RBゴアが10ydsTDラン成功
  • GB陣24 : 残り2分42秒。RBレイシーの3ydsラン、QBスクランブル9ydsで2ミニッツへ。SFオフサイド、WRネルソンへの19ydsパスでSF陣へ。RBレイシーへの2ydsパス(GBタイムアウト#1)、RBスタークスへの13ydsパスでFG圏内へ(GBタイムアウト#2)、WRネルソンへの6ydsパス、GBイリーガルユースオブハンド、WRジョーンズへの11ydsパスでレッドゾーン。RBスタークスへのパス失敗で残り04秒。34ydsFG成功でハーフタイムへ。

第3Q

  • SF陣18 : 連続パス失敗で3rdダウン10、サック(DEダニエルズ)で3&アウト。初パント。
  • GB陣44 : RBレイシーへの3ydsパス、-1ydロスで3rdダウン8、WRジョーンズへのロングパスは通らず。
  • SF陣18 : QBラン16yds、RBゴアの2ydsラン、WRクラブトリーへの22ydsパスでGB陣へ。1ydラン、FBディクソンへの10ydsパスでFG圏内へ。WRパットンのエンドアラウンドは1ydロス、TEセレックへの6ydsパスで3rdダウン5、サック(OLBペリー)でFG圏内から出てしまう。
  • GB陣16 : RBスタークスの6ydsラン、5ydsランで1stダウン。連続サックで3rdダウン22、WRネルソンへのロングパスは通らず。
  • SF陣49 : パス失敗と1ydランで3rdダウン9、WRクラブトリーへのパスは5yds止まり。
  • GB陣20 : RBレイシーの8yds、8ydsランで1stダウン。7ydsラン、3ydsランでさらに1stダウン。WRネルソンへのクイックパス6yds、RBスタークスの10ydsランで最終Qへ。

第4Q

  • WRジョーンズへのロングパス失敗、RBスタークスの6ydsランで3rdダウン4、2ydsランで4thダウン2、WRコブへの26ydsパスが通ってゴール前04ydsへ。RBレイシーの3ydsラン(LTバクティアリ負傷)のあと、FBクーンが1ydTDランで逆転
  • SF陣37 : RBゴアの6ydsラン、TEデイヴィスへのロングパス失敗で3rdダウン4、QBスクランブル23ydsでGB陣へ。GBホールディングでさらに1stダウン。TEデイヴィスに28ydsTDパス成功
  • GB陣33 : RBレイシーの1ydラン、WRネルソンへの11ydsパスで1stダウン。RBレイシー落球、5ydsランで3rdダウン5、FBクーンへの8ydsパスでSF陣へ。RBレイシーの8ydsラン、WRコブへの25ydsパスでゴール前09ydsへ。WRコブの1ydラン、ノーゲインで3rdダウン8、QBスクランブル2ydsでTDならず。24ydsFG成功で同点に
  • SF陣20 : 残り5分06秒。WRクラブトリーへの11ydsパス、TEデイヴィスへのロングボム失敗、INT失敗で3rdダウン10、WRクラブトリーへの17ydsパスでさらに1stダウン。RBゴアの1ydラン、11ydsパスでGB陣40まで進んで2ミニッツ。2ydsラン、パス失敗で3rdダウン8、QBスクランブル11ydsでFG圏内へ。5ydsラン(GBタイムアウト#2)、2ydsラン(GBタイムアウト#3)で残り56秒。3rdダウン3から3ydsランで1stダウン成功。3ydsランで03秒まで進めてSF最後のタイムアウト。33ydsFG成功で試合終了
Final Team Statistics
  Packers 49ers
Points 20 23
Total Yards 281yds 381yds
First Downs 18回(ラン10・パス8・反則0) 22回(ラン9・パス12・反則1)
     
Rushing 124yds (31回・平均4.0) 167yds (30回・平均5.6)
     
Passing  177yds (17/26・1TD・0INT) 227yds (16/30・1TD・1INT)
Sacked 4回20yds 3回13yds
Passer Rating 97.8 75.3
     
3rd Down Efficiency 3/11 (27%) 6/12 (50%)
     
Turnovers 0回 (INT0/FUM0) 1回 (INT1/FUM0)
     
Field Position 自陣27yds 自陣33yds
Punt 5回39.4yds(ネット35.4yds) 3回36.7yds(ネット30.0yds)
Kickoff Return 5回平均21.0yds 3回平均26.0yds
Punt Return 0回 2回平均10.0yds
Field Goals 2/2 3/3
     
Penalty 3回20yds 2回10yds
Time of Possession 30分54秒 29分06秒

トータルヤーデージはパッカーズがわずか281yds。49ersは381ydsだった。

タイムオブポゼッションはパッカーズが30分54秒。

3rdダウン成功率はパッカーズが3/11の27%。49ersは6/12の50%と勝負強く、この差が大きな敗因となった。

オフェンスの犯したターンオーバーはゼロ。ヤーデージで完敗しながら互角の勝負ができた理由だろう。

ディフェンスの奪ったターンオーバーは1つ。

  • 第2Q初め、TEヴァーノン・デイヴィスへのパスをCBトラモン・ウィリアムズがインターセプトして18ydsリターン(ビデオ)。パスがアンダースローになったところをよくジャンプしてキャッチした。17ydsのリターンもアグレッシブで、不振のオフェンスに勢いをつけてくれた。
  • その他にも2回のインターセプトチャンスを逃している。第1QにはエンドゾーンでCBウィリアムズが絶好のチャンスボールを確保できず(写真)、その後FG成功。第4Q最後のドライブでは、高いパスをCBハイドがあと少しでキャッチできるところだった(写真)。これを捕っていれば試合結果はまったく違っていたはず。

先発QBアーロン・ロジャースは17/26、177yds、1TD、0INTでレーティング97.8。

  • パスラッシュがきつかったが、それでも一瞬で突破されるようなサックはなく、それなりにパスプロはもっていた。相手のカバレッジがよく手詰まりになるプレーが多い。相手はブリッツを入れずにプレッシャーをかけられるので強い。
  • 序盤はオフェンスが大不振で、初めてのパス成功は第2Qに入ってから。
  • WRネルソンへの5ydsTDパス(ビデオ)も彼らしい好プレーだったが、この日最高のプレーは第4Q初めの4thダウン2。完全にサックされたと見えたが、そこから抜け出してWRコブに26ydsのパスを通した。(ビデオ
  • スクランブルは2回11yds。

チームラッシングは31回124yds(平均4.0)、1TD。 相手はラン守備4位(1試合平均95.9)ということを考えればよくやったと言える。

  • 先発RBエディー・レイシーは21回81yds(平均3.9)。力強い走りに、第3Qにはスタンドからエディー・コールが湧き起こった。レシービングで超イージーな落球あり。
  • RBジェームズ・スタークスは5回29yds(平均5.8)。レシービングは1回13yds。先週に続いて活きのよい走りで貢献してくれた。
  • FBジョン・クーンは2回2yds・1TD(平均)。最初のランでファンブルしたが自分で押さえることができた。第4Qには1ydの逆転TDラン(ビデオ)。フェンス手前で足を滑らせてランボーリープできず。(ビデオ
  • 第4Q最初の逆転TDドライブは、12プレーのうちランプレーが9回。

WR/TE陣は以下のとおり。

  • WRジョーディ・ネルソンは7回62yds・1TD(ターゲット8回)。第2Qのタッチダウン(ビデオ)は、QBロジャースが右に流れながらの息の合ったプレー。
  • WRジェームズ・ジョーンズは2回20yds(ターゲット5回)。ロングパスを競り合いながら捕るチャンスが2回あったが、どちらも確保できず。とくに第3Q最初の3rdダウン(写真)は惜しかった。
  • WRランドール・コブは2回51yds(ターゲット2回)と機会が少なかったが、その2回とも第4Qの得点につながるビッグプレーだった。(ビデオ1ビデオ2
  • WRジャレット・ボイキンは出番が少なく、パスキャッチゼロ(ターゲット1回)。
  • TEアンドリュー・クウォレスは1回8ydsのみ(ターゲット1回)。

先発OL陣はLTバクティアリ、LGシットン、Cディートリック=スミス、RGラング、RTバークレー。

  • 第4Q初め、LTバクティアリが退場し、マーシャル・ニューハウスが代役LTに。ひどい突破を許したプレーもあったが、QBロジャースが個人技で逃れてくれた。
  • パスプロテクションは全体的にまずまずといったところ。被サック4回といってもほとんどがカバレッジサック気味で、簡単に突破されたものではない。
  • ランブロッキングは49ers相手ということを考えればよくやったと言える。とくに後半はよく頑張った。

ディフェンスの陣容は以下のとおり。

  • 先発OLBはニールとムルンバ。ペリーは足が悪いのでローテーション要員どまり。第1シリーズにニールが退場すると、ペリーとムルンバが出ずっぱりとなった。第3Qにムルンバが一時退場してOLBがいなくなったため、DEデイトン・ジョーンズがOLBをプレーした。
  • 先週インアクティブだったDEウィルソンを含め、DL全員がアクティブ登録された。ラン守備重視のためだろう。
  • セーフティでは今回もSジェニングスが先発したが、後半途中からはSリチャードソンがプレーした。
  • 最初のシリーズでCBサム・シールズ(足首)が負傷退場、CBデヴォン・ハウスが代役に。

ディフェンスは前半4シリーズのうち、インターセプトのシリーズを除いてすべて失点。パントなし。

パス守備はQBコリン・キャパニックを16/30、227yds、1TD、1INTのレーティング75.6に抑えたが、QBスクランブルが問題だった。

  • スクランブルで何度も1stダウンを許したのがディフェンスの最大の敗因に。QBランは7回98yds(平均14.0)。
  • パス成功率53.3%とパスカバレッジはよく頑張ったが、パスのコントロールもかなり悪かった。
  • とくにアウトサイドはコンテイン重視のため、プレッシャーはほとんどかけることができない。たまにプレッシャーをかけても逃げられてロングゲインされてしまう。
  • パッカーズ守備のサックは3回13yds。第1Q、スクランブルをアウトオブバウンズ(ノーゲイン)に追いやってILBジョーンズのサック扱い。第3Q、DEダニエルズがブルラッシュからスクランブルを捕まえて好サック。第3Q、OLBペリーがサック。
  • 最も苦しめられたのはWRマイケル・クラブトリーで、8回125ydsを許した(ビデオ)。CBハイドなどカバレッジが簡単に振り切られた。
  • 開幕週に13回208yds・1TDを許したWRアンクアン・ボルディンは3回38ydsに抑えることができた。TEヴァーノン・デイヴィスも2回37ydsに抑えたが、28ydsのTDパスキャッチを許した。Sバーネットが前に飛び込んだがわずかに及ばず。(ビデオ
  • 最後のシリーズではCBマイカ・ハイドにインターセプトのチャンスがあったが、高いボールをわずかに確保できず。捕っていればそのままタッチダウンできたかもしれない。

ラン守備は30回167yds(平均5.6)。

  • そのうちQBキャパニックが7回98ydsを占める。
  • 先発RBフランク・ゴアは20回66yds(平均3.3)、最長10yds。最近のパッカーズとしてはかなりよく頑張ったといえる。インサイドのDT陣がよく押し込んでいた。

スペシャルチーム

  • キックオフリターナーにWRランドール・コブを起用したのがサプライズ。一発勝負のプレーオフだけに、最もビッグプレー能力の高い選手を使いたかったのだろう。コンスタントに20yds地点を超えたもののビッグリターンはできず、4回平均21.8yds。RBカリル・ベルが1回18yds。
  • パントリターンはCBマイカ・ハイドだったが、リターン機会なし。フェアキャッチ1回、ダウン1回、タッチバック1回。
  • Pティム・マステイのパントは5回平均39.4yds、ネット平均35.4yds。2回目は29ydsのミスパントだった。
  • Kメイソン・クロスビーのフィールドゴールは2/2。34ydsと24ydsを危なげなく成功させた。
  • キックオフは今回は今回もKクロスビーが担当し、コーナーに高く蹴る戦術。まずまずの成果だった。
  • カバレッジチームは可もなし不可もなし。パントカバレッジはRBラマイケル・ジェームズ相手に2回平均10.0yds。キックオフカバレッジはおなじくRBラマイケル・ジェームズ相手に3回平均26.0yds。第4Qには37ydsの好リターンが相手の逆転シリーズにつながった。

反則は3回20yds。49ersの反則は2回20yds。悪天候のゲームによくあるが、ラインのホールディングもパスカバレッジ関連の反則もほとんど取らない審判団だった。

  • 第1Q : LTバクティアリがフォルススタート。
  • 第2Q : LTバクティアリがイリーガルユースオブハンド。
  • 第4Q : CBハウスがホールディング。

ケガ人

  • 最初のシリーズでCBサム・シールズがヒザを負傷して退場。復帰できず。
  • おなじく最初のシリーズでOLBマイク・ニールがヒザを負傷。復帰できず。
  • 第3Q、OLBアンディ・ムルンバがヒザを負傷して退場。これでOLBが足りなくなったが、次のシリーズから復帰。
  • 第4Q初め、LTデヴィッド・バクティアリが脳震盪を起こして退場。復帰できず。
  • 第4Q、CBデヴォン・ハウスが負傷退場したが次のシリーズで復帰。脚がつっただけかも。
  • アクティブ登録から外れたのは、QBトルジーン、WRハーパー、Cトレッター、OGテイラー、OLBマシューズ(親指骨折)、OLBパーマー、CBロール。(太字はケガ人)

その他

  • プレーオフを通じてのキャプテンは、QBロジャース、WRネルソン(オフェンス)、ILBホーク、Sバーネット(ディフェンス)、CBブッシュ、Kクロスビー(スペシャルチーム)の6人(写真)。いつも背後で"Photobomb"するロジャースに代わってQBフリンとWRコブが映り込んでいる。
  • 2日ほど前の予報よりも気温が高くなり、試合開始時は気温は5°F(-15℃)。史上4回目の華氏マイナスの試合にはならなかった。試合終了時は3°F(-16℃)だった。強めの風が吹き、互いに長いパスが通らない。

2014年1月 4日

Notebook: オールプロにRBレイシーとLGシットン

天気予報は多少マシになり、最高気温-17℃となっている。雪の可能性は20%。金曜の練習はおよそ半分を屋内練習場、半分を屋外フィールドで行った。

Green Bay Packers Injury Report
Player Pos. Injury Wed Thu Fri Status Notes
Clay Matthews OLB Thumb Out Out Out Out 欠場
Eddie Lacy RB Ankle Probable 出場
Ryan Pickett DT Knee Probable 出場
Mike Neal OLB Abdomen × × Probable 出場
Nick Perry OLB Foot × × Probable 出場
Brad Jones ILB Ankle Probable 出場
San Francisco 49ers Injury Report
Player Pos. Injury Wed Thu Fri Status
Dan Skuta LB Foot Questionable
Carlos Rogers CB Hamstring × × × Questionable
Eric Wright CB Hamstring Questionable
Frank Gore RB Knee Probable
Michael Crabtree WR Quadricep Probable
Jon Baldwin WR Illness × Probable
Mike Iupati OG Knee Probable
Jonathan Goodwin C Not Injury Related × Probable
Justin Smith DT Shoulder × Probable
Navorro Bowman LB Wrist Probable
Tarell Brown CB Ribs Probable
Probable : 75% chance a player will play
Questionable : 50% chance a player will play
Doubtful : 25% chance a player will play
Out : Player will not play
     
: Full Participation
: Limited Participation
× : Did Not Participate
: Not Listed

2014年1月 3日

Notebook: RBレイシーは順調

日曜の天気予報は日を追うごとに悪くなり、なんと最高気温-21℃の予想となっている。雪の可能性は30%。風速7.2mと風が強い。予報どおりであれば球団史上2番目の低温ゲームとなる。最高気温-12℃のこの日、パッカーズはチーム・ドリルを屋外のレイ・ニチキ・フィールドで行った(フルパッド)。金曜も一部を屋外で行う予定。

2014年1月 2日

Notebook: QBロジャースは体調良好

今週は水曜にフィールドでの練習を行わず、ウォークスルー等にとどめるようだ。