グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2009年4月18日

The Green Room

例によって元パッカーズの選手サラリー担当副社長のアンドリュー・ブラントのコラムから。

これまでNFLはふつう6人のトップ候補をドラフト会場に招待してきたが、今年は9人か10人にまで増やすことになったらしい。ドラフト1巡上位から待ち続けるのは、選手たちにとってつらいものだ。1巡下位か2巡で指名されることになれば ? 数千人の大学選手からすれば夢のような出来事なのに ? まるでドラフトデーが失望の日のような気がしてしまうだろう。

2005年のドラフトデー、私はアーロン・ロジャースのそうしたつらい待ち時間に終止符を打つ機会に恵まれた。49ersからトップ指名を受ける可能性もかなりあったのだが、彼らはアレックス・スミスを選んだ。各球団が次々と彼をパスしていくのをアーロンは見続けていた。バッカニアーズ(5位)もその1つ。ジョン・グルーデンHCはアーロンに面と向かって、もし君が残っていたらタンパが指名する、と言っていたのに。グリーン・ルームには次第に人がいなくなり、やがてアーロンと代理人のマイク・サリヴァン、ESPNの撮影クルーと清掃係だけになった。

5時間後、我々の24位指名の番が来て、テッド・トンプソンGMが私に、「マイク・サリヴァンに電話し、おそらく我々が指名する、と伝えるように」と言ってきた。私が電話をすると、サリヴァンでなく別の声がした。 「ハロー」 「マイク?」 「いえ、こちらはアーロン。どなた?」 「こちらはパッカーズのアンドリュー・ブラントだ。アーロン、マイクと話せるかな?」 アーロンに直接伝えられないのは気の毒に思えたが、我々は待たなければならなかった。アーロンは電話をサリヴァンに手渡した。

選手や代理人にとって緊張の瞬間であるのは私にもわかっていた(管理人注: ブラントは元代理人)。彼らは6時間近くも待っていたのだ。たくさんのチームが彼らを見送り、巨額のボーナスマネーが失われていくのを見ながら、本当に指名は来るのだろうかと。私が電話を手にESPNの映像を見ると、マイクが平静を装っているのがわかった。声をひそめ、歯を食いしばるようにしてこう言った。 「アンドリュー、君たちが彼を指名するのか?」 私はテッドが言ったとおりに伝えた。指名するつもりだが、もう数分間待ってもらわなければならない、と。(いつものとおり、どんなトレードの申し出が来るか我々は待つ必要があったからだ)

この5分間は私には5時間にも思え、アーロンとマイクにとっては5日間にも感じたことだろう。やがてテッドがゴーサインを出し、マイクにアーロンの指名を伝えるよう言った。ただし、あくまで24位としての契約交渉であり、事前の上位指名予想を基に法外な要求をしないよう確認してからのことだ。翌日にアーロンはグリーンベイにやってきて私は彼と笑い合い、我々はよき友人関係をスタートさせた。(彼がカリフォルニア大で私がスタンフォード大出身であるにもかかわらずだ)

2年後、今度はQBブレイディ・クインが似たような経験をした。トップ10指名予想からさらに10位ほど落ち(22位でブラウンズ指名)、つまりグリーン・ルームで3時間待たされることになった。しかし今回はありがたいことに、アーロンの件で教訓を学んだロジャー・グッデル・コミッショナーがQBクインのグループをプライベートルームに移し、カメラの前でさらし者になるのを避けることができた。

今年は招待選手の人数が増えるだけに、似たような状況が起こる可能性も高くなる。1人また1人と部屋を出て行くのを見ながら、自分が最後でありませんようにと願うことになる。しかし考えてみれば、待つのも悪いことばかりではない。昨年アーロン・ロジャースは総額$66ミリオンの契約を手に入れた。1位指名のQBアレックス・スミスは入団時に$49ミリオンの契約にサインしているが、つい最近、大きなペイカットを受け入れて49ersに残留したばかり。「待てば海路の日和あり」というものだ。(Good things sometimes do come to those who wait. )

カテゴリ : Draft, Player