就任5年目を終えたばかりのケヴィン・グリーンOLBコーチが突然の辞任を表明した。理由は家族とともに過ごすためだという。 球団から発表された声明の中で彼は、「妻のタラ、子供のギャヴィンとガブリエルたちとの時間を増やすため、今はNFLから離れることを決めた。コーチングから離れることをきっと寂しく思うだろうし、子供たちが大学に進んだら私は復帰を試みるだろう」と説明している。(息子は高校生、娘はその2つか3つ下)
「グリーンベイ・パッカーズでの私の経験はポジティブ以外のなにものでもない。このチャンスをくれたマッカーシーHCとトンプソンGMに、私はいつまでも感謝し続けるだろう。この5年間、預かった若者たちの成長を助けることができて私は大きな満足感を抱いている。彼らがこのリーグで成し遂げたことを誇らしく思う」
マッカーシーHCは、「最近になって彼から『コーチングから離れて家族と過ごしたい』という話を聞かされた。球団を代表し、5年にわたる彼の貢献とハードワークに感謝したい。ケヴィンは素晴らしいエネルギーと情熱と知識を我々にもたらしてくれた。彼の献身的な努力は選手たちの能力を最大限引き出してくれた。我々にとって彼が抜けるのは痛手になるだろう。彼とその家族の幸せを願ってやまない」と述べている。
後任OLBコーチについては、まだなにもあきらかになっていない。
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ケヴィン・グリーン Kevin Greene はオーバーン大出身の51歳。1985年のドラフト5巡指名でNFL入りし、ラムズ(8年)、スティーラーズ(3年)、パンサーズ(1年)、49ers(1年)、パンサーズ(2年)と太く長いキャリアを築いた。通算160サックはNFL史上3位(LBとしては1位)、プロボウル5回、オールプロ1stチーム3回、1990年代の All-Decade Team にも選ばれている。34歳だった1996年には、14.5サックで「史上最年長サック王」に。そうした実績により、今年も殿堂入りの最終候補に選ばれている。
オーバーン大では通常の学位のほかに予備役将校の訓練課程(ROTC)も修了。陸軍予備役の大尉を16年間務めた。NFL現役中にプロレス挑戦したことも話題になった。数球団でコーチのインターンを務めたあと、2009年にはケイパースDCの誘いで念願かなってパッカーズのOLBコーチに就任。現役時代に手の届かなかった優勝リングも手にすることができた。
パッカーズファンにとって印象深いのは、4点差に追い上げられたスーパーボウルの第4Q初めのできごと。TVタイムアウトの間にOLBマシューズを呼び寄せて "It is time. It is time." と言い聞かせたシーンだ。お前が大仕事をすべき時だ、という叱咤に応え、直後のプレーでOLBマシューズがファンブルフォースを決めて流れを引き戻した。
スティーラーズではスーパーボウルに進出
愛弟子のOLBクレイ・マシューズと
サイドラインから指示を飛ばす