1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Packers (2-2) | 17 | 7 | 0 | 14 | 38 |
Bears (0-3) | 0 | 6 | 3 | 14 | 23 |
記念すべき新ソルジャーフィールドのこけら落とし。気温は14℃、天気は晴れ。
第1QからRBグリーンのランを中心に順調に得点を重ねるパッカーズは、ブリッツを多用したアグレッシブなディフェンスでも圧倒。パントブロックもタッチダウンに結びつけ、18点差で前半を終了。しかし次第にベアーズのラン(コーデルのランを含め)を止められなくなってきたパッカーズは、オフェンスでもランが止められて失速し、第4QのはじめにはRBトーマスの67ydsTDランを許して8点差に迫られてしまう。しかしそこから再びオフェンスが勢いを取り戻し、WRウォーカー、TEフランクスへのTDパスでダメ押し。終了間際のベアーズの反撃を7点で抑えて完勝。
薬物違反で4試合の出場停止処分を受けているLBトランス・マーシャル。ベアーズ戦が終われば、ようやくチーム合流が許される。ピッツバーグ周辺のスポーツ・キャンプで4週間を過ごした彼は、すでに金曜日にグリーンベイに帰ってきている。彼と連絡を取り合ってきたダフナーLBコーチによると(ただし、期間中はフットボール関連の会話をチーム関係者と交わすことは禁止だそうだ)、体調も問題ないとのこと。
彼のロースター復帰にあたっての問題は、誰が代わりに解雇されるのか、ということ。また、今週は試合間隔が中5日しかないため本格的な練習は少なく、復帰間もないLBマーシャルがすぐにシーホークス戦に出場できるかは微妙だ。
WRファーガソンは土曜日の練習にスカウト・チームで参加。今週こそ休ませるかも。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ベアーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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昨シーズンも1240ydsラッシングを記録したRBアーマン・グリーンだったが、シーズン後半はさまざまなケガに悩まされ、明らかに精彩を欠いた。しかし、それ以上に彼の気持ちを落ち込ませたのは、トラブル続きの家庭生活のことだった。妻シャリリンとの関係は完全に破綻し、昨年3月には、大喧嘩から治乱紊乱罪で二人とも告発されたことさえあった。そしてついに離婚。
昨年はロッカールームでも暗い表情を見せることが多かった、彼の気持ちを180度方向転換させたのは、ヘザー・ウォルターズという女性。彼女自身も離婚を経験している。彼女はすでにグリーンベイに移ってRBグリーンと同居し、来年のバレンタインデーには結婚式が待っている。「どんな経験だって、自分を強くするのに役立つものだ。僕らは2人とも、最初の結婚ではうまくいかなかった。だからこそ、もう一度やり直すんだ」とRBグリーン。シーホークス時代にシアトルで出会い、お互いの悩みを長電話で話し合ううちに、友情が愛に変わっていったのだと言う。
もともと外交的でなく、声を出してチームメイトを叱咤するタイプの選手ではない。昨年は私生活の悩みのせいで、その傾向がよけいに強かった。しかし今年は、性格的に明るくなっただけでなく、チームのリーダーとしても積極的になった。「おそらく、リーダーとしても一歩成長したんじゃないかな。『俺たちはこうするんだ』と言うこともあるし、『俺がこうするから、あとは俺についてこい』ってこともある。去年は必ずしもそうじゃなかった」と証言するのはRBフィッシャーだ。「今年の彼は全てに対して、気持ちの準備ができている。心底フットボールに打ち込んでいるよ」とロスリーOCも満足そうだ。
ふくらはぎのケガが治り、ようやく復帰したFBニック・ルーチーが、最初の練習で左手の親指を骨折してしまった。ディフェンスにティップされたパスが指に当たったということらしい。「全く、地獄のようなシーズンだよ。ようやく復帰したとたんにこれだ」とFBルーチーは悔しそうだ。ピンを埋め込む手術を行えば数週間の欠場となるし、そうでなくともギブスをはめた状態では、ブロッキング以外には何もできない。ベアーズ戦の出場は、ドクターとコーチたちの判断しだいとなりそうだ。
二人が出会ったのは1992年春のミニキャンプのこと。若いQBはトレードで、中堅センターはフリーエージェントでグリーンベイにやってきた。QBブレット・ファーヴは初めてCフランク・ウィンタースに会った日のことをよく憶えている。当時(遊びすぎのせいか)245ポンドもあったファーヴを一目見たウィンタースは、「おまえ、ラインバッカーかよ」とひとこと。その日から二人は親友になった。しかも、そのシーズン途中からスターターに昇格したというところまで、二人は一緒だった。
試合の前の晩は、アウェーゲームに限らずホームゲームでも、パッカーズの選手・コーチは全員ホテルに泊まる。ほとんどの選手は二人一組だ。ファーヴとウィンタースは、1992年以来ずっと同室だった。QBピダーソンは言う。「Kロングウェルと僕は3年間ずっと一緒で、すごくうまく行っているけど、ファーヴたちのように12年も一緒ってのは前代未聞じゃないかな。彼らの友情に取って代わるなんて不可能だよ」
飛行機に乗り込むところから、二人の行動は、まるで儀式のように決まっていた。「フランキーは通路側に座りたいもんだから一番に空港にやってくる。そして、僕が現れると必ず、『おい、一度ぐらい時間通りに来られないのか?』って言うのさ。それから大仰に立ち上がって荷物をどけて、僕の場所を作るのが決まりだった。それから彼は本を取り出し、僕はクロスワードパズルに取りかかる。僕だって上手い方じゃないが、彼ときたらひどかったよ。『4文字の言葉だ』というと『Florida? 違う?』って言うんだ(笑)」
「どんなホテルに泊まろうと、彼はその部屋を罵るんだ。部屋に入ると必ず、『おい、この部屋ひでえな』って。それがタージ・マハールだろうと関係ないんだ。むこうが先に眠ると最悪だったな。特に前の晩に遊び歩いた時は。あんまりイビキがひどいもんだから、水でもぶっかけてやろうと思ったぐらいだ。でも結局はこっちが笑い出すんだけど」とファーヴは懐かしそうに振り返る。
そのCウィンタースが今年はついに戦力外となって解雇され、今シーズンのファーヴは個室で過ごすことになった。「最初はちょっと違和感があった。いつもの部屋に行くと、『向こうの個室だよ』って言われるしね。飛行機でもホテルでも」 とファーヴは少し寂しそうだ。「ホテルの部屋で何も言わずに二人でただ座っているだけ、ってこともいっぱいあったけど、本当に一人になってしまうと、もっとずっと静かなものだな」
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Packers (1-2) | 0 | 10 | 0 | 3 | 13 |
Cardinals (1-2) | 7 | 3 | 3 | 7 | 20 |
試合開始時の気温はパッカーズ史上最高タイとなる38℃。湿度はわずか7%。第1QにRBグリーンのファンブルロストから先制タッチダウンを許したパッカーズは、第2Qに逆転するが前半終了間際に追いつかれてしまう。後半はカーディナルスに徹底したボールコントロールを許し、最後のチャンスも同点TDを決めることができず、あまりにも痛い敗戦を喫した。
第1Q。GB陣24からのパッカーズは、RBグリーンのランとTEマーティンへのパスでGB陣37へ。しかしRBグリーンのファンブル(自分でリカバー)やロスタックルが響いて結局パント。ARI陣14からのカーディナルスは、RBエミット・スミスの7ydsラン、DTハントのオフサイドで1stダウン。ARIの反則が続いて3rdダウン9、WRマカデリーへの25ydsパスが通ってGB陣48へ。2ndダウン、SシャーパーがディフレクトしたパスをLBバーネットがインターセプト。しかし最初のプレーでRBグリーンがファンブルロスト。3rdダウン10から、WRボルディンへの38ydsパスで一気にGB陣1へ。QBブレイク自身が飛び込んでタッチダウン。GB陣21からのパッカーズは、RBグリーンのラン3回で3&アウト。ARI陣30からのカーディナルスは、RBスミスの10ydsランが出るがそこまで。GB陣34からのパッカーズは、WRファーガソンへの10ydsパスが決まったところで第1Q終了。
第2Q。パッカーズは反則などで3rdダウン13、スクリーンパスで9ydsゲインするが1stダウンならず。ARI陣13からのカーディナルスは3&アウト。GB陣39からのパッカーズは、WRドライバーへのパス初成功、RBグリーンのランで1stダウン。RBグリーンへの14ydsパスでARI陣36へ。RBフィッシャーの4ydsランのあと、RBフィッシャーに23ydsパスが通ってARI陣9へ。RBグリーンのラン2回を止められてARI陣4での3rdダウン、TEマーティンへのパスが通ってタッチダウン。ARI陣26からのカーディナルスは、3rdダウン7からパスが通らずパント。GB陣25からのパッカーズは、RBグリーンのラン2回で1stダウン。FBヘンダーソンへの22ydsパスでARI陣39へ。RBグリーンのラン2回でARI陣29へ。3rdダウン10からRBグリーンにパスを通すが2yds足りず、40ydsのFGが成功。前半残り1分17秒、ARI陣20からのカーディナルスは、RBスミスの4ydsランのあと、GBがタイムアウト。WRDEジョー・ジョンソンへの14ydsパス、WRボルディンへの22ydsパス、スパイク、WRジョンソンへの25ydsパスでGB陣15へ。残り12秒、WRジョンソンへの12ydsパスでGB陣3へ。しかしタッチダウンはならずに残り8秒、同点FGが決まってハーフタイム。
第3Q。ARI陣19からのカーディナルスは、3rdダウン6からWRボルディンへの6ydsパスで1stダウン。RBスミスの11ydsラン、WRジョンソンへの15ydsパスでGB陣45へ。ホールディングのあと、WRボルディンへの20ydsパスでGB陣35へ。RBシップ、QBブレイク、RBスミスのランで1stダウン。3rdダウン6、エンドゾーンへのパスは失敗し、37ydsのFG成功で再びARIがリード。GB24陣からのパッカーズは、WRファーガソンへの15ydsパスでGB陣39へ。FBヘンダーソンへの14ydsパスでARI陣47。3rdダウン6、WRウォーカーへのパスが通らず結局パント。ARI陣1でおさえる。しかし3rdダウン10、TEジョーンズへの13ydsパスが通って1stダウン。ARIの反則2つで3rdダウン14、WRジョンソンへの15ydsパスでまた1stダウン。
第4Q。ARIの反則などで3rdダウン21、19ydsパスが決まるが足りず、ようやくパント。KRチャットマンの33ydsリターンでGB陣41からのパッカーズ。WRファーガソンへの9ydsパス、RBグリーンの4ydsランでARI陣46へ。FBヘンダーソンへの11ydsパス、RBグリーンの11ydsランでARI陣24へ(WRファーガソン負傷退場)。3rdダウン8、WRドライバーへのパスが通らず、40ydsのFG成功で同点に。ARI陣32からのカーディナルスは、GBのパスインターフェアで一気にGB陣40へ。さらにラン3回で1stダウン。RBシップの9ydsラン、ARIのホールディング反則のあと、WRボルディンへの13ydsパスが通ってGB陣13へ。FBホッジンズへの9ydsパス、RBシップの3ydsランでGB陣2へ。2ndダウン、FBホッジンズへのパスが決まってタッチダウン。残り3分59秒、GB陣25からのパッカーズ。RBグリーンへの3ydsパスのあと、WRウォーカーへの34ydsパスが決まってARI陣38へ。WRドライバーへの4ydsパス、TEフランクスへの4ydsパス、RBグリーンの3ydsランで1stダウン。2ミニッツ。WRウォーカーへの10ydsパスが決まってARI陣17へ。WRウォーカーへのパス失敗、TEフランクスへの9ydsパスで3rdダウン1。RBグリーンの1ydsランで、ARI陣7での1stダウン。残り10秒、TEフランクスへのパスがインターセプトされ、万事休す。
昨年夏に現役を引退した名セーフティ、リロイ・バトラーが、パッカーズ公式サイトの"スペシャル・アナリスト" となることが発表された。この発表によると、彼は毎週2本のコラムを執筆し、終わった試合の論評、次の試合のプレビュー、それにファンからの質問にも答える、とのこと。さっそくカーディナルス戦のプレビューが掲載されている。「現役時代から、僕のオープンで率直なコメントを高く評価してくれるファンがたくさんいた。ともに戦った僕のような元選手が、チームの詳細な情報をファンに提供できることは、素晴らしいことだ」とバトラー。
WRドナルド・ドライバーは金曜日の練習すべてに参加し、1stチームでプレーした。シャーマンHCは、「土曜日にチャックしてみて、状態がよければ、 "Probable" に格上げするかもしれない」と、出場に前向きな発言。「もし僕の首がこれほど強くなければ、骨折していただろう、とドクターに言われた。もしあれが人工芝だったら、折れていたかもしれない。僕にセカンド・チャンスをくれた神に感謝している」とWRドライバー。
パッカーズ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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カーディナルス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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あの恐ろしいアクシデントから10日、WRドナルド・ドライバーがフィールドに戻ってきた。日曜日まではこのようなブレースを首につけていたが、ついに水曜日、通常のチーム練習に復帰を果たした。コンタクト練習ではないが、フルパッドでの練習だ。「とてもいい感じで走り回っていた。以前のドライバーと同じに見えたよ」とロスリーOC。今は練習が非公開のため、関係者のコメントをもとに推測するしかないが、QBノールのパスを受けたとのことなので、スターター組ではなくスカウトチームだったようだ。
次のステップは、コンタクト練習でなんらかのヒットを受けること。「ただ練習に出ることと、ヒットを受けるということは、また別の話だからね。今日はそのような許可は出さないが、一日一日、彼の様子を見ながら進めていくつもりだ」とシャーマンHC。ドライバー本人によると、もう頭痛もなく、首の可動範囲もほとんど元通りとのこと。今週末のカーディナルス戦については、"Questionable" と発表されているので、ひょっとすると間に合う可能性も出てきた。
「自分のプレーを変えるつもりはない。ドクターは、『あんなに高くジャンプするな』 とか言うけど、高いパスが来たら、やはり捕りに行くさ。あんなことがあれば神経質にもなるけど、フットボールをするからには、どんな状況でも恐れずにプレーしなければならないし、それが僕のやり方なんだ」 と強調するドライバー。 彼の動きを見たQBファーヴは、「もし知らない人が見たら、あんな事故があったなんてわからないだろうね。まだヒッティングはないわけだが、彼はよく見えたよ」と語っている。「出場できることを願っている。彼が十分回復したことを確認する必要はあるが、彼が出てくれればチームも勢いづく」とロスリーOC。
今年パッカーズからドラフト指名された8人の選手は、まだ開幕第2週ながら、それそれ違った形でルーキーシーズンを送っている。以下は彼らルーキーたちの現状だ。(なお、今年のドラフト外ルーキーは一人も開幕ロースター入りを果たせなかった)
最初のミニキャンプから評判は良かったが、シーズンに入ってもさらに評価を上げている。第2週のライオンズ戦では12ソロタックル、1INTの大活躍でルーキー・オブ・ザ・ウィークの最有力候補。今年どこまでやれるかは別として、いずれ彼が優れたLBになることを疑う声は聞かれなくなった。パッカーズは久しぶりに1巡指名を成功させた。
ドラフト直後は 「いい指名だ」と言われたが、7月、8月とキャンプが進むにつれ、そのような声は聞かれなくなった。「サイズもスピードも中途半端」というドラフト前の指摘が、現状では当たってしまっている。1週、2週とアクティブ登録されず、まだ初出場を果たせずにいる。
キャンプ初日にヒップの痛みで退場し、全く練習できないままインジャリー・リザーブに。NTギルバート・ブラウンの後継者に、と期待されただけに残念。今年はしっかり鍛えて来年に期待したい。
LBバーネット、LBレノン、LBマーシャルとMLBをプレーする選手が3人もいるため、キャンプでもプレシーズンゲームでも出番が少なかったのは気の毒。シーズン第1週はアクティブ登録から外れ、WR補強のあおりで解雇。ベアーズのプラクティス・スクワッドに入ったが、今日見た限りでは、ベアーズのリストに名前がない・・・。
右タックル専門かと思われたが、キャンプでは左タックルもこなせるフットワークの良さを見せ、ベクトルOLコーチを喜ばせた。将来性は評価されたものの、今年はまだ修業中の身。第1週、第2週とアクティブ登録はされず、上位選手にケガ人が出ない限り、出場のチャンスはなさそうだ。
キャンプを通じて、LBバーネットの次に評価が高かった。CBウェストブルックの戦線離脱で4番手CBを確保し、3番手を争う勢いだったが、彼自身もヒザを悪くしてインジャリー・リザーブ入りとなった。素晴らしいパスカバー能力を見せていただけに残念だが、来季への期待は大きい。
リターン・スペシャリストとして期待されたが、ミニキャンプ、トレーニングキャンプとケガばかり。開幕ロースターに残れずに解雇され、今のところ無所属のようだ。
かなりの細身ながら、意外に完成度の高いプレーを見せて5番手WRの座を確保。さらに4番手をうかがう勢いだったが、プレシーズン最終戦でヒザをケガしてインジャリー・リザーブへ。それほど大きなケガではないだけに、CBクリス・ジョンソン同様、来季に期待。
キャンプでは、粗削りながら高いポテンシャルを見せて、将来性を評価する声も多かった。大方の予想通りプラクティス・スクワッドで開幕を迎えたが、シーズン中の昇格はよほどケガ人が出ない限り無理か。
パッカーズは、元セインツのCB/Sマイケル・ホーソーンと契約した。CBクリス・ジョンソンのインジャリー・リザーブ入り、そしてSアンダーソンの不振に対応したものだ。ホーソーンは身長6フィート3(191cm)の長身DB。2000年のドラフト6巡でセインツ入りし、主に控えDB兼スペシャルチーマーとしてプレー。7試合の先発経験がある。昨季はパッカーズを倒した第2週にも先発したが、シーズン中盤にヒザを痛めてインジャリー・リザーブ入り。先日、開幕戦の直後に解雇されたのは、セインツがRBキジャナ・カーターと契約するためだった。
ホーソーン自身は、昨季のインジャリー・リザーブ入りを含め、古巣セインツに対する恨みつらみは相当あるようだが、聞き苦しいのでここでは省略する。セインツ時代、スカウトチームでWRをプレーした経験のある彼は、「自分はWRとしても貢献できるスキルがある」ともアピールしているが、「いや、DBとしてだけ見ている」 とプロ人事部長マッケンジーは一笑に付している。「彼は良いスピードを持っている。"great" ではないが "good" なスピードをね。たぶんCBの方が本来のポジションだろう。しかしせーフティをこなした経験もある」
「次の対戦相手にとっては、こちらのランを止めることが大きなテーマになるだろう。前をしっかり固めて、『先週のようには走らせないぞ』という感じで来るはずだ。もしそうであれば、そこにまともにぶつかっていくわけにはいかない。バランスのとれたオフェンスがやはり必要なのだ」 とマイク・シャーマンHC。RBアーマン・グリーンの通算43先発のうち、連続で100ydsを達成したのはわずか5回だ。「あれだけランが出た試合を、一番喜んでいるのは私だろう。しかし相手はそれを研究してくるだけに、翌週はより困難になるものだ。先週うまくいったプレーが、翌週になると効果的でなくなってしまう」
開幕から2試合続けて、数字的には不振だったQBファーヴについて。「まだリズムがつかめていないようだ。しかし練習の内容を見ても、あとは時間の問題だと考えている。開幕戦の後半は非常にシャープだったし、今回はWR陣が大幅に入れ替わったことも理解してやらなければ。彼のために言い訳をしているのではない。彼自身言い訳などしないだろうし。ただ、まだ少し落ち着かないのだと私は思う」
2年間待ったチャンスを目の前にして、痛いなどとは言っていられない。今ほど自分が必要とされている時はない・・・。そう心に決めたWRロバート・ファーガソンだったが、ウォームアップを進めるうち、ヒザが固くなり、走ることさえできなくなった。「やはり行けそうにない」とシャーマンHCに告げに行ったが、すでに出場登録は済んでおり、もう取り消しはできない。ロッカールームに戻り、ヒーティング・パッドをヒザに当てて暖めると、なんとか動けるようになった。「自分がプレーできるかどうか、それだけに集中して考えた」。ついに出場を決断したのは試合の30分前だ。
「あいつがもし出なくても、誰も文句は言わなかっただろう。でも出場することが、彼には非常に大事だったんだ。プレーするだけでなく、大きなプレーを決めることがね」とQBファーヴ。オフェンス最初のプレーで、13ydsのパスキャッチを決め、次のRBグリーンのTDランでも重要なブロックで貢献。第3Qには試合を決定付ける14ydsのTDパスをしっかりキャッチ。QBファーヴらしい矢のようなパスだった。
「根性がある。彼は今のチームに必要な、勢いをもたらしてくれた」とWRフリーマン。「プレーしたこと自体が驚きだよ。だって、ドクターは3週から5週の欠場だと言ったんだ。そんなレシーバーが金曜日には練習に出て、フルスピードで走るんだから。彼が片足でプレーしていることに、みんなが勇気付けられたんじゃないかな」とTEフランクス。
試合直後のファンとのチャットで、JS Onlineのコラムニスト Cliff Christl は皮肉った。「ドラフトでLBボス・ベイリー(DETへ)でなくLBニック・バーネットを指名したとき、シャーマンHCをボロクソに言ったやつが50人以上いたが、そいつらは一体どこに行った?」。 LBバーネットとLBボス・ベイリーの初めての対戦は、バーネットの圧勝となった。ただし現状ではLBボス・ベイリーは、派手な数字を残しにくいストロングサイド(いずれはウィークサイドに、と言われている)を担当しているため、比較するのは気の毒だ。「お互いに連絡を取り合ってるんだ。彼はすごい選手だし、僕もそうなれたらと思う。いつかプロボウルで会えたら楽しいだろうね」とバーネット。
「今回は、現時点で僕のベストゲームだったけど、今後はこれ以上の試合もきっとあるよ。僕は成長を続けているし、まだ学ぶべきことはたくさんある。まだ少し躊躇してしまうこともあるしね」。 今回タックル数が多かったのは、ダイム隊形(1LB・6DB)のときに、肩を負傷しているLBディッグスに代わってプレーしたせいでもある。「すごく面白かった。いつだってフィールドに出してもらえれば僕はハッピーなんだ。もちろんLBディッグスは必要だけど」
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
---|---|---|---|---|---|
Lions (1-1) | 0 | 6 | 0 | 0 | 6 |
Packers (1-1) | 14 | 3 | 7 | 7 | 31 |
小雨が降り続き、気温は17℃と肌寒いランボーフィールド。WRドライバーを首のケガで欠き、WRファーガソンも足首のケガを押しての強行出場。金曜日からの雨のせいで下がぬかるみ、レシーバーたちは鋭いカットが切れない。そのせいかパッカーズはQBとレシーバーとの息が合わず、またライオンズもレシーバー陣が落球を繰り返してリズムに乗れない。そんな中、勝負を分けたのは、序盤のパッカーズのラン攻撃。2つめのプレーでRBグリーンの65ydsTDランで主導権を握ったパッカーズは、好調なディフェンス陣(というより相手オフェンスの不振)にも支えられて無難に逃げ切った。
第1Q。GB陣22からのパッカーズ。右にブーツレグしたQBファーヴからWRファーガソンへの13ydsパスで1stダウン。RBアーマン・グリーンの65ydsのTDランが飛び出し、わずか2プレーで7点を先制。ライオンズはTEとRBが連続でパス落球し、3&アウト。GB陣41からのパッカーズは、TEマーティンへの7ydsパスとRBグリーンの13ydsランでDET陣へ。さらにRBダヴェンポートのラン2回でDET陣24へ。両者反則のあと、RBダヴェンポートとRBグリーンのラン3回でさらに1stダウン。フェイクリバース付きのランでDET陣4。フォルススタートなどで3rdダウン5、WRフリーマンが初登場して大歓声を浴びた瞬間、RBフィッシャーへのショベルパスでTD。ライオンズはDET陣40から。3rdダウン10、WRロジャースへのパス成功で初の1stダウン。しかしエンドゾーンへのロングパス失敗などでパント。GB陣11からのパッカーズは、3rdダウン2からのランを止められて、初のパント。DET陣46からのライオンズは、イージーなパス落球とフォルススタートがたたって結局パント。しかしLBウィルキンズの脚にボールが当たってしまい、GB陣15でライオンズボールに。
第2Q。TEリックスへの10ydsパスでGB陣4へ。しかしタッチダウンはならず、21ydsのFGが成功。GB陣29ydsからのパッカーズは、3rdダウン9、WRフリーマンへのパスが初めて通って1stダウン。大歓声。3rdダウン8からパスインターフェアで一気にDET陣35へ。しかし3rdダウン3でパスが通らず、46ydsのFGを決めて再び14点差。KRドラモンドのナイスリターンでDET陣48からのライオンズだったが、ラン3回で1stダウンが奪えず。GB陣12からのパッカーズは、3rdダウンでWRフリーマンへのパスが通らず、3&アウト。パントが短く、DET陣46からのライオンズの攻撃。フォルススタートのあと、WRシュレーダーへの12ydsパスが出るが1stダウンは更新できず。GB陣9からのパッカーズは、TEフランクスへの12ydsパスで1stダウン。2ミニッツ。3rdダウンでショベルパスを失敗しパント。残り1分41秒、DET陣24からのライオンズは、LBバーネットのホールディングで1stダウン。しかし3回連続パス失敗でパント。残り58秒、GB陣31からのパッカーズは、WRウォーカーへの19ydsパスのあと、DBブライにインターセプトを喰らう。残り33秒、DET陣45からのライオンズは、ホールディング反則の後、RBブライソンのドロープレー、パス、パスでGB陣34に進み、前半終了と同時に52ydsのFGが成功。11点差。
後半最初のライオンズはDET陣29から。3rdダウン7、WRロジャースへのパスをDET陣40でCBマッケンジーがインターセプト。しかし1stダウンが奪えずにパント、タッチバック。ライオンズ攻撃は3rdダウン4から、LBバーネットがインターセプト。DET陣19からのパッカーズは、3rdダウンでWRファーガソンへのTDパスが成功し、18点差に。DET陣25からのライオンズは3&アウト。GB陣27からのパッカーズは、RBグリーンの25ydsランでDET陣へ。しかし後が続かずパント。3rdダウン6、WRアンダーソンへの42ydsパスが通ってGB陣42へ。4thダウン3、エンドゾーンへのパスが通らず、ギャンブル失敗。GB陣35からのパッカーズだが3&アウト。リターンの際の反則でDET陣5から。TEフィッツシモンズへのパスで1stダウンを更新して第3Q終了。
第4Q。WRロジャースへの10ydsで1stダウンを更新するが、ロングパスが通らず結局パント。パッカーズはRBグリーンの11ydsランが出るが、後が続かず。ライオンズはWRシュレーダーへのパス2回で50ヤードまで進むが、CBアル・ハリスのINTリターンTDが飛び出して25点差に。DET陣15からのライオンズは、ディフレクトされたパスをQBハリントンがキャッチするなど、1stダウンを更新するが結局パント。GB陣28からのパッカーズは、ラン主体に3つ1stダウンを重ね、6分間使ってDET陣33へ。2ミニッツ明け、FG隊形から、KロングウェルがフェイクパントしてDET陣5へ。RBブライソンのドローで2回1stダウン。WRジェファーソンへのパスでGB陣に入るが、GB陣20まで進んだところで試合終了。
期待の7巡指名ルーキー、CBクリス・ジョンソンがインジャリー・リザーブ入りし、今季はプレーできないことになった。キャンプ終盤でヒザを痛め、それ以来プレーできなかったCBジョンソンだが、どの程度のケガなのかは発表されていない。CBウェストブルック、WRカール・フォード、そしてこのCBジョンソンと、キャンプで非常に評判の良かった選手ばかりがIR入りとなってしまったのは大きな誤算だ。
先発CB2人、そして3番手のCBバウ・ジューまでは問題ないものの、4番手以降がCBデレック・コームズ、CBアーウィン・スウィニーの2人では物足りない。Sシャーパーの状態しだいでは、CBバウ・ジューもセーフティとして駆り出される可能性もあり、厚いデプスを誇ったパッカーズのDB陣は、控えの層が非常に薄くなってしまった。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ライオンズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(注) RBジェームズ・スチュワート、CBクリス・キャッシュ、CBクリス・ワトソンは大きなケガのため、インジャリー・リザーブに入っている。
火曜朝に首脳陣の前でワークアウトを行ったWRアントニオ・フリーマン。代理人とパッカーズ側の交渉は火曜深夜に及んでも合意に至らなかったが、水曜朝、ようやく契約が結ばれた。Wisconsin State Journal 紙によると、198ポンドと体も絞れており、なかなか良い内容のワークアウトだったようだ。この記事によると、今週の対戦相手ライオンズも彼の獲得に乗り出して事態が複雑になったが、これはむしろライバルチームの補強を妨害する意図の方が強かったのではないかと見られている。
おなじみの背番号86は、ルーキーのWRカール・フォードが着けていたが、彼はヒザの負傷でインジャリー・リザーブ入りしてしまったため、ちょうどいいとばかりに、元の持ち主のフリーマンが着けることになった。
また、フリーマンと同時にワークアウトを行ったWRクリス・ジャクソンとも契約した。彼は、昨夏パッカーズのキャンプに参加し、やはりケガ人の続出した第4週CAR戦だけ契約して出場。今年はドルフィンズのキャンプに参加し、8月末に解雇。今回ワークアウトが終わったあとは、フリーマンの契約がまとまるまで、ホテル待機を命じられていた。
WRフリーマン、WRジャクソンと入れ替わりに解雇されたのは、先日ハムストリングを痛めたWRカーステン・ベイリーと、ドラフト5巡ルーキーのLBハンター・ヒレンマイヤー。次にカットされるならCBコームズかCBスウィニーだろうと見られていただけに、ヒレンマイヤーが犠牲となったのはやや意外だ。一日経っても他チームから声がかからなければプラクティス・スクワッドに入れ、負傷したWRが復帰しだいWRジャクソンをカットしてヒレンマイヤーをロースターに戻す、というシナリオも考えられる。
また、パッカーズはWRフランク・ライスをプラクティス・スクワッドに加えた。コロラド州立大の出身で、昨年はブロンコスのプラクティス・スクワッドにいた選手とのこと。代わりに解雇されたのは、先日契約したばかりのOGカウラナ・ノア。
WR陣のケガ人続出で、急きょフリーエージェントを探すことになったパッカーズ。第一候補は、やはりパッカーズのオフェンスになじみの深いアントニオ・フリーマンのようだ。彼はすでに月曜の夜グリーンベイを訪れ、シャーマンHCはじめチーム関係者と会談。条件面での提示を受けて、火曜日中には彼自身が決断を下すはずだ。「フリーマンなら、システムをよく知ってるし、非常に豊富なプレー経験もある。かつてのスピードはないだろうが、本当に賢い選手で、相手のカバレッジを察知したり、ゾーンの隙間を見つけることに長けている」とロスリーOC。
フリーマンがサラリーカットを拒否して昨年6月にパッカーズを解雇されるまで、シャーマンHCとの関係が、必ずしもしっくり行っていなかったのは周知の事実だ。そのことを聞かれたシャーマンHCは、「契約の見直し交渉ともなれば、多少の悪感情が残るのはいつものことだ。でも正直言って、私はアントニオとはなんの問題もないよ」と説明している。
障害となりうるのはやはり条件。金銭面と、プレー機会の両方で、彼のプライドを満足させることができるかどうか。ドライバーもファーガソンもベイリーも、長期欠場を要するほどのケガではない、という点が問題となる。フリーマンにしてみれば、今週はチヤホヤされて先発出場できても、2週間経ったら4番手に降格、またはクビ、というのでは馬鹿らしい。そのあたりをチーム側がどう説得するかがカギになりそうだ。レイ・シャーマンWRコーチも、「その点はヘッドコーチとフリーマンが話し合って解決する必要があるだろうね」と認めている。
「不幸なことに、私は多くのケガ人が出ることを十分に経験済みだ。しかし先日の試合ではWR陣にあまりにも負傷者が多く出たため、あらゆる可能性を検討せざるをえない」とシャーマンHC。
首を痛めて開幕戦を途中退場したWRドナルド・ドライバーは、月曜日も病院で過ごし、火曜日の朝に退院の予定。首の捻挫という診断は変わっていないが、吐き気など脳震盪の徴候もあるため、少なくとも今週末の試合を欠場することはほぼ確実だ。その後のことは、「まだ決め付けるのは早すぎる。もっと様子を見てみないと」とシャーマンHC。
右ヒザと足首を痛めたWRロバート・ファーガソンは、ロッカールームをおっかなびっくり歩き回っている。さいわいヒザの方は軽い捻挫だったが、足首の捻挫の方が問題。もう数日様子を見ないと、出場できるかはわからない。本人は「以前にも痛めたことはあるし、この状態でプレーできることはわかっている」とヤル気マンマンだが、やはり一試合は欠場の可能性が高い。
ハムストリングを痛めたWRカーステン・ベイリーも、シャーマンHCによると出場の可能性は50%以下とのこと。
今年のパッカーズは、わずか$3万ドルしかサラリーキャップに余裕を持たずにシーズン入りした。本来なら、$1ミリオンか$2ミリオンは余裕を持ちたいところだ。今回のように急きょFA補強が必要になることもあるし、来春FAとなる選手との契約延長をシーズン中に済ますにも、キャップの余裕が必要になる。今回パッカーズはWRとの契約が必要になったため、Sシャーパーの契約を見直すことによって、キャップの空きをひねり出した。
具体的には、Sシャーパーの今季の$3.1ミリオンのサラリーのうち$2ミリオンを"guarantee"した。こうして"guarantee"したサラリーは契約ボーナスと同じ扱いとなり、残りの契約年数の均等割りでキャップに計上すればよい。つまり、トータルでSシャーパーに支払う金額は変わらないが、今年のキャップ計上分を将来に先送りしたわけだ。こうしてSシャーパーの契約を見直すのは今年2回目。これで、現在のパッカーズのサラリーキャップには$1.525ミリオンの余裕ができた。
本来ならQBファーヴの高額契約をいじるのが最も効率がいいはずだが、やりすぎるとQBファーヴが引退した時に一気にサラリーキャップにしわ寄せが来て、かつてのカウボーイズや49ersと同じ轍を踏むことになる。それを避けるため、できる限りQBファーヴの契約はいじりたくない、というのがパッカーズ首脳の方針なのだ。その点、Sシャーパーなら、引退したり、能力が落ちて解雇したくなるようなことはだいぶ先の話だ。
頭から落下したあと、フィールドに横たわって動かないWRドナルド・ドライバーの姿に、多くのチームメイトが凍りついた。ドクターによれば、最初から意識はあり、四肢を動かすこともできたようだ。しかしほんのかすかにしか指を動かさなかったため、それを確認できずに心配が募った選手も多かった。「本当に怖かった」と語るのは、親友の一人、ロングスナッパーのロブ・デイヴィス。「奥さんのベティーナもよく知ってるが、きっと狂ったようになってるはずだよ。僕は彼が大丈夫だと確認したくて、そばに行ったんだ。手が動くのを見てほっとした・・・」
本人が首のひどい痛みを訴えるため、ドクターたちは最高度の慎重さで彼を扱い、病院に送り出した。さいわい、X線やMRI検査の結果は全く問題なく、診断は首の捻挫。月曜日にはさらに検査を行うことになっている。チームドクターは来週以降の試合について、"week to week"と表現しているが、腫れがひどかったりすれば数週間の欠場もありうる。
記者会見でシャーマンHCは、WRドライバーよりもむしろ、WRロバート・ファーガソンの負傷に関する懸念の方が大きいことを示唆した。第4Q、エンドゾーン寸前で倒された時に、ヒザと足首を同時にひどく痛めたのだ。ヒザは内側側副靭帯(MCL)の捻挫。足首も重度の捻挫のようだ。こちらも月曜日に詳しい検査をすることになっているが、当初の診断が正しければ、数週間の欠場は避けられそうもない。
ドライバーとファーガソンが戦線離脱し、4番手WRのベイリーもハムストリングを痛めて途中退場した。ウォーカーとチャットマンだけでは、WR陣の数が足りないのは誰が見ても明らかで、今週前半にはフリーエージェントのWRと契約する必要があるだろう。いまFA市場に残っているのは、アントニオ・フリーマン、トロイ・エドワーズ、マーテイ・ジェンキンズ、ジェームズ・ジェット、チャールズ・リー、デドリック・ワード、ジャクェス・グリーンなどなど。そして代わりに解雇されるのは誰なのか。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
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Vikings (1-0) | 10 | 10 | 7 | 3 | 30 |
Packers (0-1) | 0 | 3 | 8 | 14 | 25 |
新ランボーフィールドのこけら落としは、悪夢のような試合展開となった。パッカーズにとっては、昨季最後の連続大敗の続きのようなぶざまな内容で、攻守ともに全くいいところがなく、点差以上の惨敗。ディフェンスは3rdダウンで止められず、ずるずると失点を重ねる。オフェンスはターンオーバーを繰り返し、得点機を何度も逃した。いっぽう、ヴァイキングスは、パス成功率こそ低いものの、QBカルペッパーが3rdダウンで効果的にパスを決め、素晴らしい試合運びだった。パッカーズにとっては敗戦もショックだが、全く動かないまま担架で退場したWRドライバーの容態が心配だ。
MIN陣24からのヴァイキングスは、WRモスへの15ydsパス、WRキャンベルのリバースで簡単にGB陣46へ。LBネイヴィーズのサックで3rdダウン12となるが、QBカルペッパーのスクランブルで1stダウン。RBウィリアムズのランなどでゴール前に進み、最後はRBエイブリーへのパスで先制のタッチダウン。パッカーズはGB陣26から。QBファーヴがインターセプトされたかに見えたがレビューで判定が覆る。しかしけっきょくパント。MINリターナーがファンブルロストしたかに見えたが、これもレビューで判定が覆る。ヴァイキングスは3&アウト。GB陣35からのパッカーズは、スクリーンパス不発で5ydsロス。WRウォーカーが胸ではじいたボールをCBチェイバスにインターセプトされ、GB陣48でのピンチ。RBウィリアムズの13ydsラン、WRモスへの15ydsパスなどでゴール前に迫るが、なんとか止めて22ydsのFG成功で10点差に。KRチャットマンの46ydsリターンと相手反則でMIN陣46からのチャンスとなるが、RBグリーンがファンブルロスト。ヴァイキングスはWRベイツへの13ydsパスでGB陣に入って第1Q終了。
2Q最初、DEバジャ=ビアミラのサック、続けてDEキャンプマンがサック&ファンブルフォースを決め、DEバジャ=ビアミラがリカバー。50ヤードからのチャンス、WRドライバーへのパスインターフェアで29ydsのゲイン。RBグリーンのランなどでMIN陣11。しかしあとが続かず、27ydsのFG成功で7点差に。MIN陣33からのヴァイキングスは、WRモスへの23ydsパスでGB陣36へ。さらにWRモスへの11ydsパス、22ydsパスでGB陣7へ。WRベイツへのパスが通ってタッチダウン。パッカーズはGB陣15から。RBグリーンへのパスで1stダウン。RBグリーンの16ydsランでGB陣41。オフサイド反則とWRファーガソンへのパスでMIN陣へ。2ミニッツ明け、TEマーティンへのロングパスをインターセプトされ、得点ならず。MIN陣8からのヴァイキングスは3&アウト(この間にGBタイムアウト使い切る)。前半残り1分21秒、MIN陣47からの攻撃。WRウォーカーへの22ydsパスでMIN陣25へ。TEマーティンとRBグリーンへのパスでMIN陣10へ。しかしエンドゾーンへのパスをインターセプトされ、77ydsリターンされてしまう。46ydsのFGが決まって17点差に。大ブーイングとともにハーフタイム。
後半。GB陣27からのパッカーズは、RBグリーンのランとWRファーガソンへのパスで1stダウンを獲得するが、QBファーヴがサックされて、結局パント。フェイスマスク反則もあり、ヴァイキングスはMIN陣41から。WRモスへの27ydsパスで一気にGB陣32へ。Sアンダーソンのレイトヒットでさらに15yds。WRモスへのTDパスが決まったかに見えたが、パスインターフェアで取り消し。しかし3rdダウン7、WRモスへのTDパスが成功。GB陣22からのパッカーズは、RBグリーンへの10ydsパスで1stダウン。さらにRBグリーンへのショベルパスで17ydsゲインしてMIN陣へ。WRファーガソンへのパス2回、TEフランクスへのパス2回で1stダウンゴール。RBグリーンのランでようやくタッチダウン。2ポイントはTEフランクスへのパスが成功。MIN陣20からのヴァイキングスは、3rdダウン7からRBチャップマンのスクリーン成功で1stダウン。第4Qへ。
WRモスのクイックスクリーンで23ydsゲインしてGB陣へ。次の3rdダウン5もQBカルペッパーのスクランブルで1stダウン。次の3rdダウンはようやく止めるが、34ydsのFGが決まって19点差。パッカーズはGB陣21から。WRドライバーへの21ydsパスでGB陣47へ。相手クリッピングでMIN陣42へ。WRドライバーが負傷退場。RBグリーンのランとWRウォーカーへのパスでMIN陣20へ。WRファーガソンへの19ydsパスでMIN陣1へ(WRファーガソン負傷)。RBグリーンがエンドゾーンに飛び込んでタッチダウン。12点差。オンサイドキック成功でGB陣49からのパッカーズ攻撃。WRウォーカーへの18ydsパスでMIN陣33へ。しかしフォルススタート、ホールディングで2ndダウン25となり、エンドゾーンへのロングパスをインターセプトされてしまう。残り5分13秒から、ヴァイキングスは全てランで1stダウンを2つ重ねるが、MIN陣41でQBカルペッパーがファンブルロスト。RBグリーンへの17ydsパスでMIN24へ。WRウォーカーへの24TDパスが決まって5点差。これで2ミニッツを切り、GBタイムアウトはゼロ。二度目のオンサイドキックは失敗に終わり、万事休す。
パッカーズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヴァイキングス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(注) これ以外に、RBマイケル・ベネットがPUPリストに入っており、最低6試合は欠場。TEバイロン・チェンバレンは開幕から4試合の出場停止処分。
喜びのドラフト指名を受けてから4ヶ月、彼ら2人のルーキーシーズンは、思わぬ形で終わりを告げた。5巡指名のDTジェームズ・リーは、腰からヒップにかけての原因不明の痛みが治まらず、インジャリー・リザーブへ。7巡指名のWRカール・フォードはプレシーズン最終戦でヒザの内側側副靭帯(MCL)を断裂し、同じくインジャリー・リザーブに入ることになってしまった。
キャンプ初日の練習を途中退場したDTジェームズ・リーは、そのまま一度もチーム練習に参加できないままキャンプを終えた。さいわい、最近は痛みも治まった。外部の専門家の診断を仰いだところ、神経の圧迫によって、腰から左脚への痛みが起きているのだと判明し、注射などの治療が効いてきたためだ。「ちょっと遅すぎたけどね」と寂しそうに笑うDTリー。「だってルーキーだからね、こんなことは予想もしてなかったよ。チームに加わって、いきなりIR入りなんて。ほんとに落ち込んだけど、なんとか頑張ってきた」
食生活を改善して懸命に減量に取り組んだことは、シャーマンHCから高い評価を受けた。「いったんきちんと絞り込んでから、良いウェイトをつけていく」というのが、当初からの育成方針なのだ。肉類はガマンし、15ポンド落として315ポンドに。「それでも、サラダやフルーツはかなり食べるけどね」とDTリー。来季へ向けて、一日4、5時間のトレーニングを続けている。「遠回りをしたことになるけど、少なくとも僕は(解雇されずに)ここにいる。自分は必要とされている、という気持ちになるよ」
DTリーと比べて、悔しい気持ちがより強いのはWRカール・フォードだろう。キャンプでは新人離れしたプレーを見せ、4番手WRの座をうかがう勢いだった。しかしプレシーズン最終戦で右ヒザを痛め、「手術は不要だが、100%に戻るには3ヶ月かかる」というチーム側の判断で、インジャリー・リザーブ入りとなってしまった。「何試合か欠場して、また復帰できると思ってた。それなのに、今季はこれで終わり、と言われてしまった」と残念そうなWRフォード。「でもこれはチーム側にとって必要な決断であり、それを責めるつもりはない」
「このことが逆にプラスに働けばいいと願っている。来年はより強く、より大きくなって戻ってこられると思う。今はそのことに集中してトレーニングしている」と前向きなWRフォード。それでも、仲間の試合をジャージ姿で観戦するのがつらいことに変わりはない。「12歳でフットボールを始めて、シーズンを棒に振るのはこれが初めてなんだ。試合のある日曜日は本当につらくなると思う」
パッカーズは、シーホークスから解雇されたSカーティス・フラーをwaiver から獲得した。Sフラーと入れ替わりに解雇されたのはDTラリー・スミス。セーフティ陣の拡充を図るパッカーズは、他にもSラモント・トンプソン(元CIN)とSデヴィッド・ギブソン(元IND)にもclaimを入れていたのだが、第一希望のSフラーが獲得できたため、あとの2人のclaimは取り下げた。
Sカーティス・フラーは、テキサス・クリスチャン大出身の3年目。2001年のドラフト4巡でシーホークスに指名され、控えセーフティとして3年間プレーしてきた。昨年は全試合に出場し、先発も1試合。シャーマンHCは、「以前から我々は彼に目をつけていた若手選手で、トレードをもちかけたこともあったのだが、今回は解雇されてwaiverをクリアできるのを待つことにした。しっかりした選手で、ハードワーカーだ。パッカーズの他のセーフティと比べて小さい(180cm)が、守備範囲が広い」とのこと。
waiverシステムについては、うまい訳語が見つからないので説明を避けてきましたが、だいたいこんな感じだと思います。ある選手を解雇した場合、NFL経験が4年以上の選手なら、自動的に無制限フリーエージェントとなり、すぐに好きなチームと契約できます。
しかし4年未満の選手は、解雇されるとwaiverのシステムにかけられます。解雇から24時間以内に獲得希望チームが現れなければ、そのまま無制限FAに。獲得希望(claim)が複数チームから出された場合、前年の順位の低いチームに優先権があり、自動的にそのチームへの移籍が決まります。もちろん今回のパッカーズのように、24時間が経過してもclaimを入れたチームが一つだけなら、そのチームが獲得する、というわけです。
また、下記の記事にも関連することですが、プラクティス・スクワッドに契約するにもこのシステムが絡んできます。waiverにかけられて24時間が経過し、どこからもclaimが入らなかった選手だけを、プラクティス・スクワッドに契約することができるのです。
パッカーズは、下記の4選手をプラクティス・スクワッドに契約した。5人の枠があるので、あと1人と契約できる。
Steve Josue | LB | ドラフト7巡指名。非常にスピードがあり、将来性を高く評価する記者もいる。一年修業して、来年に期待か |
Terdell Sands | DT | キャンプ序盤には素晴らしい動きで評判になった巨漢NTだが、足首の捻挫に泣いた。ケガ人が出れば昇格のチャンスがあるかも |
Jason Jimenez | OT | サザン・ミシシッピ大出身。ドラフト外でブラウンズと契約するが、先日カットされた |
Scottie Vines | WR | ワイオミング大出身。ドラフト外でライオンズと契約するが、先日カットされた |
とりあえず53人を選んだものの、やはりこのままシーズン突入というわけでもなさそうだ。他チームからカットされた選手の中にも、魅力的な素材はいる。「これから水曜日の間に、たくさんのことが起こり得る」とシャーマンHC。
長年オフェンスラインを支えてきた功労者がついにチームを去ることになった。これは、この4年間でもっともつらい決断だったかもしれない、とシャーマンHCも認めている。「私は昨夜、この現実と格闘しなければならなかったし、今でもそうだ。フランクはそうならないことを願っていたはずだ。しかし彼は真のプロであり、このビジネスの現実を理解していると思う」
控えC/Gを争ったウィンタース、ブラント、フェラリオ、ルーガマーの中から、ルーガマーを選んだことについて、「最終的には、センターとガードの両方をプレーできる器用さを主眼にして決めなければならなかった」とシャーマンHCは説明している。シャーマンHC自身が、カンザスシティにいたウィンタースに電話でこの決断を伝えた。もしCフラナガンに何かがあったら、シーズン中にもウィンタースを呼び戻す可能性はあるようだ。
若く勢いのあるFBルーチーに押され気味で、しかもサラリーの高いFBヘンダーソンを、パッカーズはトレードに出そうと考えたが、結局買い手が付かず、残留することになったようだ。「FBヘンダーソンがスターターであり、その座を危うくするようなことは、彼は何もしていない」とシャーマンHCは擁護するが、「もしある時点で、FBルーチーが彼を上回るようなことがあれば、我々は別の方向へ向かうだろう」と語り、スターターの座が100%安泰ではないことを示唆した。
けっきょく、昨年と同じDTギルバート・ブラウン、DTロッド・ウォーカーで行くことになった。「戦っていけるだけの十分なタレントがあると思う。ギルバートのケガのために常に不安はつきまとうし、シーズン中も私は眠れない夜を過ごすことになるだろう。もし2人がケガを乗り越えられれば、非常に良いコンビになる」とシャーマンHC。昨年、DTロッド・ウォーカーは肩を痛め、大きな痛みをこらえながらプレーした。オフに大きな手術を行い、この夏の復帰は遅れたが、「あとは良くなる一方だ、とドクターが保証してくれた。昨年と比べ、痛みははるかに小さいようだ」とシャーマンHC。
当初、復帰までは4週間から6週間と診断されたが、100%回復するまでには10週から12週もかかる、というドクターの判断が、インジャリー・リザーブ入りの決断につながった。「3週から6週ぐらいなら待っても良いが、シーズンの4分の3ともなると、そうもいかない。彼のMCLのケガは、RGリヴェラよりもずっと悪いのだ。しかも、レシーバーというポジションは、ストップ、ゴー、方向転換など鋭い動きが要求される。オフェンスラインマンと比べ、本格復帰までは長くかかる」とシャーマンHC。
CBデレック・コームズ、CBアーウィン・スウィニーの2人がロースターに残ったことに、驚きの声が上がっている。2人とも、キャンプでもさして評判は良くなかったからだ。CBクリス・ジョンソンがヒザのケガのため出場が微妙になっていることと関係があるのか。それとも2人のうちどちらかをトレード材料にするため残したのか。CBバウ・ジューがセーフティもこなせるとはいえ、トレードで獲得したばかりのSマギャラハンを解雇したため、セーフティ陣は3人しかいない。CBコームズとCBスウィニーは、他の選手を犠牲にしてまで残すようなタレントなのだろうか。
パッカーズは、下表の10人を解雇し、これで53人ロースターへの絞込みが完了した。しかし、必ずしもこのまま開幕を迎えるとは限らない。例えば、WR陣はKRチャットマンを含めて5人だけだし、CBは6人もいて、Sは3人しかいない。トレードなど、さらなる補強が行われる可能性は十分ある。
ヒザを痛めたWRカール・フォードはインジャリー・リザーブへ入り、ルーキーシーズンを棒に振ることになった。また、4試合の出場停止処分が始まったLBトランス・マーシャルは、処分期間中はロースター枠にカウントされずにすむ。1ヵ月後に復帰する際に、彼を解雇するか、他の誰かを解雇するかを決断することになる。
Lamar Smith | RB | 実績あるベテランRBだが、キャンプではヒザのケガに泣いた |
Herbert Goodman | RB | プレシーズンゲームでは活躍したが、軽量快速タイプは今の首脳陣の好みではないようだ |
Frank Winters | C | 長年QBファーヴの相棒を務めた名センター。今年のキャンプでもよく頑張ったが、39歳という年齢がやはりネックに |
Bill Ferrario | C/G | 2001年のドラフト4巡指名。ガードもセンターも期待はずれだった |
David Brandt | C/G | 控えC/G争いはルーガマーが勝ち残った |
Jerry Wisne | OT | ガードもこなせるスプリッグスに軍配 |
Steve Martin | DT | 控えNT争いはラリー・スミスに軍配 |
Steve Josue | LB | 今年のドラフト7巡。プラクティス・スクワッド入り濃厚 |
Tony Donald | LB | |
Scott McGarrahan | S | マイアミとのトレードで獲得したばかりだが |
3番手RBはフィッシャーが勝ち残り、RB陣は昨年と同じ3人。WR陣はKRチャットマンを含めて5人しかいない。OL陣は9人だが、ルーキーのOTカーティンに加えてT/G兼任のスプリッグスをロースターに残し、ガードよりもタックルの控えを優先した形だ。
DL陣は昨年と同じく、10人の大所帯。ケガを押してプレーするギルバート・ブラウンの負担を減らすためだろう。新加入の問題児、NTラリー・スミスもなんとか残った。LB陣は大方の予想通りだが、LBマーシャルの復帰明けの時が問題。DB陣がアンバランスだが、セーフティ陣の層の薄さはトレードやFAで補強するのか。CBバウ・ジューを使うのか。
JS OnlineのBOB McGINNによると、パッカーズはファルコンズを解雇されたばかりのWR/KRマーテイ・ジェンキンズに興味を示しているようだ。ファルコンズは、ジェンキンズとアレン・ロッサムという、リターナーとして優れた実績のある2人を抱え、パッカーズ側は「どちらかカットされた方を」と以前から考えていたらしい。「彼らは、ジェンキンズをトレードで獲る気は最初からなかった。たぶんロッサムの方を解雇しないかと望んでいたのだろう」と、ファルコンズのプロ人事担当リー・スニード。
ジェンキンズはプロ入り5年目の28歳。カーディナルズでの4年間は、主にキックオフリターナー兼3番手WRとして活躍。先発は6試合。素晴らしいスピードを生かしたキックオフリターンで実績を残し、2000年にはシーズン2,186ydsのNFL記録を作っている。この春にはファルコンズにFA移籍したが、キャンプでは落球も多く、WRとしてのプレーがどうも期待はずれだったようだ。
パッカーズには、WRカール・フォードがヒザを痛めてしばらく出られない、という事情もある。チャットマンのリターンにはまずまず満足していても、WRとしてはかなり不満が残り、ジェンキンズなら4番手・5番手WRとしてはアップグレードになる。ただし問題は、ジェンキンズはパントリターンの経験が全くないことだ。