グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年6月 2日

心を入れ替えるTEフィンリー

TEジャーマイケル・フィンリーはプロ2年目の昨季、出場13試合でパスキャッチ55回676yds、5TDを挙げ、プレーオフのARI戦では6回159ydsの大活躍を見せた。「僕はすべてが欲しい。リーグ最高のタイトエンドになりたい。最高の父親、最高の夫、最高のチームメイトになりたい。人々がジャーマイケル・フィンリーを見て、『あれこそパッカーだ』 と言うようになってほしい。それが僕の目標だ」

しかしそうなるためにはオフフィールドでの成長が重要だと彼は覚悟している。ひどい失敗をやらかしたわけでは決してない。逮捕されたことも、薬物違反を犯したこともない。チームは全体としてはこの2年間の彼の成長に満足し、さらなる飛躍に期待している。しかしこれまでの自分に失敗があるとすれば、それは愚かで未成熟だったことだとフィンリーは言う。

どう愚かだったのかと聞かれ、彼が明らかにしたのは次のような行状だ。昨年はミーティング遅刻が6回。プレーオフ前夜も門限違反を犯した。トレーニングキャンプ中も(3マイル離れた)自宅のベッドで寝るために合宿を抜け出している。

「よくいる若造だった。自分は大物だと思っていたんだ。キャンプではちょっと息抜きをしようとして、それがバレてしまった。すごく大きな失敗だったよ。その負い目があったから、頑張ってプレーしなきゃいけなかった。ほんとうにバカだった。コーチ全員が知ってるよ。チームの誰もが知ってる。それに僕はチームに対して必ずしも正直じゃなかった。口先だけで反省を口にする、そんな人間だった」

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このオフに彼が犯した愚行といえば、尊敬されている代理人ブレーク・バラッツを解雇し、評判の悪いメイジャー・アダムズの元に戻ったことだ。NFL関係者の評判では、アダムズの指導が悪かったせいでフィンリーは2008年コンバインで失敗して指名順位を下げたらしい。なのにバラッツをクビにして、アダムズの指導のもと、テキサスでQBヴィンス・ヤング(テキサス大のチームメイト)らとトレーニングしたりしていた。

「でも目が覚めたよ。オレは何をやってるんだろうって。ブレークを離れてメイジャーの元に舞い戻り、(テキサス州)オースティンに行ったのは大失敗だった。なんてバカだ。正しい道からそれほど逸れなかったのは幸運だった。そしてグリーンベイに戻り、今はすごく集中してやっている」

ブレーク・バラッツ代理人は、こうしたフィンリーに振り回されるのを嫌がり、しばらく渋ってからようやく再契約を受け入れた。耳に快い話を顧客に吹き込むのではなく、本人のために言うべきことを言うタイプだからだ。「私にとっては単純なイエスかノーの問題じゃないんだ。ジャーマイケルを助けたい気持ちはたしかにあるが、心底から望んだ契約でなければ。彼が人生すべての面で自分を変える心構えが固まっていなければならない」

フィンリーは言う。「僕は子供の頃から、常に注目されチヤホヤされてきた。NFLに入ってもそれを求めたけれど、1年目を過ごして、これは大変な仕事だと気がついた。2年目はかなり気合いを入れたのはたしかだ。以前の僕は、フィールド上で活躍すればなんでも許されると思っていた。でも、目標に到達するにはフィールド外での行いこそ大事だ。今はそれが理解できる」

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心を入れ替えた彼が行ったのは、"チーム・フィンリー"を組み立て直すこと。この2ヶ月ほどの間に、マッカーシーHC、トンプソンGM、ラス・ボール交渉担当、チームの世話役ロブ・デイヴィス(昨日の記事参照)、ベン・マカドゥーTEコーチといった人々と一対一でじっくりと話し合った。彼らに対してこれまでの悪行をすべて白状し、行いを改めると誓った。

「すべてを洗いざらい話したよ。2010年シーズンにはリーダーの1人になってプロボウラーになり、スーパーボウル・チャンピオンになりたいと思うからだ。それが起こせる男だと知ってほしいからだ」

それから妻のコートニーとの関係も築き直した。代理人と同じく、耳の痛いことも怖れずに言う女性だ。「今のような行動は気に入らない、もしそれを続けるなら私は一緒にいられない、と言われたよ。そんなのまっぴらだからね。今は自分の周りによき人々を集めようと努力してる。それが僕を成功へと導く道だ」

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プロ3年目を迎え、そろそろ大型の契約延長が視野に入ってきている。「チームがどんな選手を望むかはわかっている。グレッグ・ジェニングス、アーロン・ロジャース、ニック・コリンズ、ライアン・ピケット。僕はグリーンベイにいたい。家族を養うのに素晴らしい街だし、これほど素晴らしいファンに恵まれたことはこれまでなかった。ここで長く長くプレーする自分が想像できるよ」

「こうしたことを話す僕に対し、『それは素晴らしい。こうしてくれて我々はとても喜んでいる。しかしこれからは、それを行動で示さなければならない。人が判断するのは言葉ではない、行動なのだから』 というのがチームからのメッセージだった。僕はこの2ヶ月間そのとおりにしている。ずっとここでワークアウトをして、仲間と遊び歩くこともない。今後もそれを続けていく」

「僕を信頼できる、信じることができる、とファンに思ってほしい。"若く未熟なフィンリー"はバカだった。"ニュー・フィンリー"は、仕事に通い、すべきことをし、球団やファンが期待したとおりの選手になる。僕は準備ができている。成功を収め、次のレベルに進むべき時だ」

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