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2015年3月31日
ガイオンに続き、NT B.J.ラジもパッカーズとの1年契約に合意した。NFL Networkによると$3.5ミリオン、インセンティブを合わせると総額$4ミリオンとのこと。ラジはケガのため、ガイオンは不祥事のため、2年連続の1年契約を受け入れた。2人とも予想よりは高くなってしまったが、この2人を合わせて$6ミリオン強なら悪くない。昨季を戦ったDL陣にラジが加わり、2年目・3年目選手たちの伸びシロも期待できる。ドラフトではLBやCBの強化を優先できる形ができたと言えそうだ。
◆ ◆ ◆
B.J.ラジ B.J. Raji はニュージャージー州ワシントン・タウンシップ出身の28歳。ボストン・カレッジから2009年1巡9位でパッカーズに入団し、2年目には6.5サックの大活躍で優勝に貢献。とくにベアーズとのNFC決勝でのINTリターンTDは球団史上に残るビッグプレーだった(ビデオ)。その後の2年間は主にDEをプレーして今ひとつの出来。初FAとなった昨年は$4ミリオンの1年契約に甘んじた。DEからNTに戻って順調なキャンプを過ごしていたが、プレシーズン第3戦で上腕二頭筋を断裂してシーズンエンド。地元ニュージャージーでリハビリを手伝うトレーナーによると、彼はトレーニングにきわめて熱心で筋力の回復ぶりは目覚ましいとのこと。
2015年3月30日
NTルトロイ・ガイオンがパッカーズとの1年契約に合意した。詳細は不明。先日パッカーズが$1.3ミリオンをオファーしたらしいが、その後シーホークスを訪問したことで金額を引き上げたかもしれない。昨年パッカーズに移籍した彼は開幕からフルタイムのスターターとなり、B.J.ラジ(上腕二頭筋断裂で全休)の穴をよく埋める働きをした。今春は契約延長にむけて交渉を進めていた矢先、マリファナ大量所持で逮捕。司法取引により不起訴となったものの、安価な1年契約を受け入れざるをえない立場になった。
追記: ESPNのアダム・キャプラン記者によると、総額$2.75ミリオンとのこと。予想されたより高額だが、出場停止も予想されるのでインセンティブを多くしてあるかもしれない。そうでなくても、出場停止分はサラリーが支払われない。
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ルトロイ・ガイオン Letroy Guion はフロリダ州スターク出身の27歳。フロリダ州立大から2008年ドラフト5巡指名でヴァイキングスに入団、徐々に成長してローテーションの一角に加わった。4年目を終えてFAとなり、総額$9ミリオンで再契約して先発ノーズタックルに。しかし期待されたほどの成長を見せられず、昨年3月に解雇されてパッカーズにやってきた。パッカーズの環境を "football heaven" と呼ぶほど気に入っており、逮捕後もマッカーシーHCと頻繁に面談するなど残留に前向きな姿勢を見せていた。あとはNFLからの処分がどうなるか。
2015年3月28日
- DBカイル・セベティック Kyle Sebetic と契約。デイトン大から昨年ドラフト外でジャイアンツに入り、プラクティス・スクワッドにも1週間だけいた。大学ではずっとCBだったがジャイアンツでセーフティにコンバートされ、パッカーズでもセーフティをプレーする見込み。ウィスコンシン州プレザント・プレーリーの出身で、祖父母はパッカーズの株主。身長6-0(180cm)、体重197ポンド(89kg)、40yds走は4.51秒。
- WRジャレット・ボイキンはパンサーズと1年契約。パッカーズからRFAとなる予定だったがテンダーをオファーされず、無制限FAとなっていた。2013年にはWRコブ(10試合欠場)の穴をよく埋めたが、昨年はただの「遅いWR」になってしまった。
- パッカーズが再契約を望んでいるといわれるNTルトロイ・ガイオンだが、金曜にシーホークスを訪問。マリファナ所持の事件では司法取引が成立し、$5000ドルの罰金と訴訟費用の負担だけで決着している。NFLからの処分はまだわからない。
- NT B.J.ラジはパッカーズとの再契約に向けて交渉中、との報道あり。
- CBダレル・リーヴィス(5年$70ミリオンでNE→NYJ)が先日のインタビューで、「パッカーズも獲得に動いていた球団の1つ」とコメント。しかしこんな大物を相手に本気で高額オファーをするはずはなく、おそらくちょっと感触を探ってみただけだろう。
- ESPN(有料コーナー)は今年のFA補強のランキングでパッカーズを単独トップの「A評価」としている。自前の有力選手としっかり契約延長していることが理由。
- ここまでILBを補強する動きがまったく見られないことから、来季もクレイ・マシューズをILBで使うつもりだろう、という見方が強まりつつある。
- QBロジャースがふくらはぎを痛めていた時期に多用したピストル隊形だが、今後もこれを活用していくことをマッカーシーHCが示唆。リード・オプションをやるわけではないが、QBロジャースの負担を減らしつつ、RBレイシーのパワーランニングも犠牲にしなくて済む。
- WRジョーディ・ネルソンはプロボウル後に股関節の手術を受けたことをマッカーシーHCがあきらかに。深刻なものではなく、6週から8週で回復する見込みとのこと。そのとおりならば、悪くてもオフシーズンプログラムへの合流が遅れる程度で、キャンプに影響するようなことはないだろう。
- Compensatory Pickは発表翌日になってNFLから訂正があり、パッカーズの6巡指名権2つが1つずつ下がることに。元から持っていた205位が206位に、Compensatory Pickの2つ目が212位から213位に下がった。
- 2015年シーズンにはスローバック・ジャージを新調する、とマーク・マーフィ社長。いつの時代のデザインが選ばれるかはあきらかにしなかった。
- かつてパッカーズで活躍したSダレン・シャーパー(在籍1997-2004)はドラッグを用いたレイプ容疑で複数州から訴追を受けた。有罪を認めることで各州と司法取引がまとまり、ルイジアナ州では禁固20年、アリゾナ州では禁固9年、ネヴァダ州では禁固8年と決まった。単純加算して37年服役するのではなく、ルイジアナ州での20年にすべて含まれてしまうらしい。
- パッカーズはランボーフィールド西の商業地帯の買収を完了し、"Titletown District" として再開発することになっている。ロンバルディ・アベニューに沿って東はリッジ・ロードから西はマーリー・レーンまでパッカーズの所有となり(地図へ)、以前はスーパーやガソリンスタンドやモーテルなどだった場所がすでにサラ地になった模様。パッカーズが直接経営するというより、価値を上げたうえで大家として安定した収入を手に入れるということだろう。レストラン、ホテル、小売店が入ることが想像できるが、中には公共の広場も作ることをマーフィ社長は明言している。テナント選定については「すでに多くの問い合わせが来ている。正式発表となればもっと増えるだろう。ただ、慎重に、ゆっくり進めたい」とのこと。
- こうした開発でもっとも成功しているのがペイトリオッツ(というよりオーナーのボブ・クラフト)。ボストンから数十キロ離れた森の中に、スタジアムだけでなくホテル、ショッピングモール、レストラン街、映画館、ヘルスケアセンターまで建設し、巨大な複合商業施設を作り上げている。(写真)
- ランボーフィールド内では選手エリアでトレーニング施設をさらに拡充中。また、ファンから要望の多いWiFiシステムの導入や、ボックス席の窓を開けられるよう改善を計画しているとのこと。
2015年3月24日
NFLから配布されるCompensatory Draft Pick(補償ドラフト指名権)として、今年のパッカーズには6巡指名権が2つ与えられた。これは前年のFA市場で流出の方が大きかった球団に配布されるもので、NFLの戦力均衡策の1つ。今年は14球団に32指名権が配布された(全リスト)。計算方法は公開されていないが、おもに契約の大きさと移籍後の出場時間を元に算出される。なお、この指名権はトレードできない決まりとなっている。
これで今年のパッカーズの指名権は以下の9つとなった。
1巡30位
2巡30位 (全体62位)
3巡30位 (全体94位)
4巡30位 (全体129位)
5巡30位 (全体166位)
6巡30位 (全体205位)
6巡35位 (全体210位) ← Compensatory Pick
6巡37位 (全体212位) ← Compensatory Pick
7巡30位 (全体247位)
昨年パッカーズから出て行った高額FA選手は、Cイヴァン・ディートリック=スミス(4年$14.25MでTBへ)、WRジェームズ・ジョーンズ(3年$10MでOAKへ)の2人。あとはOTマーシャル・ニューハウス(CIN)とDE C.J.ウィルソン(OAK)がともに1年80万ドル前後で、彼らの分はカウントされなかったようだ。逆にパッカーズが獲得したFA選手はゼロ。OLBペッパーズもNTガイオンも解雇選手のため、このFA収支にはカウントされない。(元々それを見越して獲得している)
1994年に同制度ができて以来パッカーズは35指名権を受け取っていて、これはレイヴンズ(44)に次いで多い。近年では、RGジョシュ・シットン(2008年4巡)、DEマイク・ダニエルズ(2012年4巡)といった中核選手がこの指名権で入団している。
2015年3月17日
フリーエージェントとなっていたCBトラモン・ウィリアムズがブラウンズとの契約にサインした。3年総額$21ミリオンと報じられている。彼は前日からブラウンズを訪問し、またレイヴンズも興味、という噂が出た矢先のことだった。ブラウンズはこの契約前の時点で約$41ミリオンものキャップスペース(NFL最高)があり、2年総額$8ミリオンあたりをオファーしていたパッカーズはとても対抗できなかった。CBデヴォン・ハウスに続き長年のスターターを失ったチームにとって、ドラフトでのCBの重要度が大きくアップすることになった。
◆ ◆ ◆
トラモン・ウィリアムズ Tramon Williams はルイジアナ州ナポレオンヴィル出身。この日がちょうど32歳の誕生日だ。高校ではフットボールの他にバスケや陸上でも活躍したが奨学金オファーはなく、エンジニアになるつもりでルイジアナ工科大へ。フットボール部の練習を見ているうちにその気になり、トライアウトを受けてウォークオンで入部した。2年間スターターを務めたもののドラフト指名されずに2006年ドラフト外でテキサンズに入団。開幕前に解雇され、シーズン半ばにパッカーズのプラクティス・スクワッドにやってきた。
翌2007年に初めて開幕ロースター入りを果たすと、シーズン末までに3番手/ニッケルバックの座を手に入れた。アル・ハリスとチャールズ・ウッドソンの下で、時おり代役スターターを務めながら着実に成長。2010年にハリス(大ケガで退団)の後任スターターになると、シーズン6INT(さらにプレーオフで3INT)の大活躍でスーパーボウル制覇に大きく貢献した(当時はパントリターナーも兼ねた)。ランサポートに脆さはあるものの柔軟な動きで球際に強く、高いボールスキルがある。通算28インターセプトは球団史上10位タイ。これまで8年間でわずか1試合しか欠場していない。
2015年3月15日
FA解禁からこれまで、外部からの補強をしていないのはパッカーズだけとなった。
- CBトラモン・ウィリアムズが訪問したセインツはCBブランドン・ブラウナーと契約し、CBウィリアムズとの契約はなくなった。FA市場でたなざらしになる時間が長いほど、待っているパッカーズにとって有利。市場のFAマネーが枯渇してくるにつれて買い手市場になってくるからだ。これはNTラジやNTガイオンについても言えること。
- QBスコット・トルジーンの契約の内訳は、契約ボーナスが$10万ドル、ベースサラリー$99万ドル、ワークアウトボーナス$10万ドル、ロースターボーナス$1万ドル。
- ILB A.J.ホークがベンガルズと結んだのは総額$3.25ミリオンの2年契約と判明。ILBブラッド・ジョーンズ(PHI)より少し高い。
- 先日パッカーズから解雇されたWRケヴィン・ドーシー(2013年7巡)はペイトリオッツと契約。
- ベンガルズからFAとなっていたOTマーシャル・ニューハウス(パッカーズ在籍2010-13)はジャイアンツと契約した。総額$3ミリオンの2年契約とのこと。
2015年3月12日
RTブライアン・ブラガがサインした契約の詳しい内容が以下のとおり判明した。契約ボーナス$8ミリオンをふくむ総額$33.75ミリオンの5年契約で、来年春に$2.25ミリオンのロースターボーナスがある。1試合出場するごとのロースターボーナスが設定されているのはこれまでのパッカーズ主力と同じだが、それが毎年少しずつ増えていくのは初めてではないか。年平均$6.75ミリオンはLGシットンと並んでパッカーズのOL中最高額タイで、全OT中24位らしい。
WRコブとRTブラガの今年のキャップナンバーを合わると$8.95ミリオン。QBトルジーンやRFA選手たちへのテンダーを合わせ、現在パッカーズのキャップスペースは$21.8ミリオンほどと見られている。
Bryan Bulaga's new contract |
Year |
契約ボーナス |
ロースターボーナス |
ベースサラリー |
ワークアウト |
出場ボーナス |
キャップナンバー |
キャッシュバリュー |
2015 |
(1.600,000) |
|
1,250,000 |
250,000 |
500,000 |
3,600,000 |
10,000,000 |
2016 |
(1.600,000) |
2,250,000 |
950,000 |
250,000 |
550,000 |
5,600,000 |
4,000,000 |
2017 |
(1.600,000) |
|
5,400,000 |
250,000 |
600,000 |
7,850,000 |
6,250,000 |
2018 |
(1.600,000) |
|
5,850,000 |
250,000 |
650,000 |
8,350,000 |
6,750,000 |
2019 |
(1.600,000) |
|
5,800,000 |
250,000 |
700,000 |
8,350,000 |
6,750,000 |
計 |
8,000,000 |
|
|
|
|
33,750,000 |
33,750,000 |
- 1試合出場するごとのロースターボーナスが毎年少しずつ増えていく新しいパターン。1試合あたりは今年が$31250、2016年が$34735、2017年が$37500、2018年が$40625、$43750となっている。
- ワークアウトボーナスが年$25万ドルというのはこれまでのパッカーズ主力よりも少ない。
先日WRランドール・コブがサインした4年契約の内容が以下のとおり判明した。契約ボーナス$13ミリオンをふくむ$40ミリオンちょうどで、来春にロースターボーナス$3.5ミリオンが設定されている。1試合出場するごとのボーナス、オフシーズンのワークアウトボーナスなど、これまでのパッカーズ主力選手の契約と同じ形だ。年平均$10ミリオンはブランドン・マーシャル(CHI→NYJ)とならび全WR中8位タイとのこと。
Randall Cobb's new contract |
Year |
契約ボーナス |
ロースターボーナス |
ベースサラリー |
ワークアウト |
出場ボーナス |
キャップナンバー |
キャッシュバリュー |
2015 |
(3,250,000) |
|
1,200,000 |
400,000 |
500,000 |
5,350,000 |
15,100,000 |
2016 |
(3,250,000) |
3,500,000 |
1,500,000 |
400,000 |
500,000 |
9,150,000 |
5,900,000 |
2017 |
(3,250,000) |
|
8,600,000 |
400,000 |
500,000 |
12,750,000 |
9,500,000 |
2018 |
(3,250,000) |
|
8,600,000 |
400,000 |
500,000 |
12,750,000 |
9,500,000 |
計 |
13,000,000 |
|
|
|
|
40,000,000 |
40,000,000 |
- 契約ボーナス$13ミリオンは今すぐ受け取るボーナス。サラリーキャップ上は$3.25ミリオンずつ4年に分けて計上される。保証されているのはこれだけ。(メディアや代理人が話すときは1年目のサラリーも「保証」に加えてしまうが、厳密には違う)
- 通常のロースターボーナスは来年の$3.5ミリオン。期日は「2016年度の第3日」なので3月11日あたりか。
- 1試合出場するごとに$31,250ドルのロースターボーナスが設定され、16試合すべて出場すれば$50万ドル。WRネルソンやCBシールズやOLBペッパーズもまったく同じだ。ケガのリスクを軽減するため、パッカーズは大型契約にこうした出場ボーナスを盛り込んでいる。ここでの「出場」の定義は、試合当日の46人ロースターに入ること。
- 「ワークアウトボーナス」とはオフシーズン練習の何%かに参加すればもらえるボーナス。これもパッカーズの中心選手の契約にはみな盛り込まれている。
- 「キャッシュバリュー」とは、その年に実際に支払われる金額。合計するとキャップナンバーの合計とかならず同額になる。
2015年3月11日
火曜午後4時(米東部時間)NFLは新年度に入り、FA/トレードが解禁となった。今は3日間の事前交渉期間が設けられているため、解禁前に契約延長したWRコブやRTブラガも、他球団からのオファーを見た上で選べるメリットがあった。今年のNFLのサプライズはFA契約よりもトレード連発の方だった。
- RTブライアン・ブラガが正式にサイン。総額$33.75ミリオンの5年契約(年平均$6.75M)とのこと。「パッカーズは年$7Mは出すつもりはない」と事前に報じられていたが、結果はそのとおりになった。WRコブとおなじく、あきらかにホームタウン・ディスカウント。
- CBデヴォン・ハウスはジャガーズとの契約に合意。4年総額$25ミリオン弱とのこと。パッカーズとの金額の開きは大きく、チームは早いうちに再契約を断念していた。ジャガーズのドゥウェイン・ウォーカーDBコーチは、ハウスがニューメキシコ州立大にいたときのヘッドコーチ。先発経験の少ないハウスにこの契約は驚きだが、来年パッカーズは補償ドラフト指名権として4巡あたりがもらえるのでは。
- 次の焦点はCBトラモン・ウィリアムズの引き留めなるか。彼は現地火曜夜の時点でセインツを訪問中。ニューオーリンズは彼の故郷にほど近く、パッカーズ残留を悲観視する見方が増えてきている。彼が退団した場合、3番手CBまで(シールズ、ヘイワード、ハイド)はまずまずだが、4番手がディミトリ・グッドソンになってしまう。しかもヘイワードは本来スロットが得意のタイプでアウトサイドが心許ない。デプスの重要なポジションだけに、FAかドラフト上位での補強が必須となりそうだ。
- ILB A.J.ホークはベンガルズと2年契約。金額は不明。シンシナティは故郷オハイオ州センターヴィルから50kmほどで、彼の地元といっていい。CBハウスと違って解雇選手なので、補償ドラフト指名権の計算には関係ない。
- 以下の3選手が制限つきFAだったが、パッカーズはOLバークレーとSリチャードソンにしか"Qualifying Offer"を行わなかった。最近は規定の金額がどんどん上がり、今年の最低額オファーは$1.54ミリオン(4年目選手の最低額は$66万ドル)。RFA選手は他球団とFA交渉ができるが、パッカーズはそのオファーにマッチすることで引き留めが可能だ。
- WRジャレット・ボイキンにパッカーズは"Qualifying Offer"せず。昨季は4番手WRながらわずか3キャッチに終わり、49回681yds・3TDだった2013年とくらべて評価も暴落してしまった。無制限FAとなったWRボイキンはパンサーズ訪問を予定している。
- OLドン・バークレーには$1.54ミリオンの最低額オファー。18試合の先発経験があり、OLのほとんどをこなせる貴重な控えなので、引き留めは当然。
- Sショーン・リチャードソンも最低額オファーで$1.54ミリオン。彼クラスならばオファーをせず無制限FAにしたうえで安く再契約する手もあったが、首脳陣の評価が意外に高いのか。
- Exclusive-Rights Free Agent だったRBドゥワン・ハリスにパッカーズはオファーをせず、退団が決まった。ERFA(NFL経験2年以下で契約が切れる選手)には最低額オファーをするだけで引き留めが可能。それさえしないのは、在籍選手を解雇するのと同じようなものだ。昨季は3番手RB兼キックオフリターナーを担当したが、リターンは散々な出来で、プレーオフではアクティブ登録もされなかった。RBとしても首脳陣から見切られてしまったということだろう。
- おなじくERFAのSクリス・バンジョーにはオファーを行い、事実上残留が決まった。
- NFL.comのイアン・ラポポートによると、「B.J.ラジは複数球団からのオファーを検討中。残留を望んではいるが、確実ではない」とのこと。
- 月曜に正式サイン(写真)したWRランドール・コブが電話会見を行った。
- パッカーズ残留を決心したとき、他球団からのオファーがすでに5つ来ていて、もう1つも来るのを待っている状態だった。
- 「退団の可能性もあると覚悟はしていたけど、けっきょくのところ自分の気持ちはグリーンベイにあった。ここにいたいのだと僕にはわかっていた。契約をまとめられて本当にうれしい」
- 「WRグレッグ・ジェニングスやWRジェームズ・ジョーンズに相談はしなかったけど、移籍後の彼らのことは見てきた」
- チーム最高給WRとなったプレッシャーについて。 「それはとくに感じない。コントラクトイヤーだった昨年の方がプレッシャーを感じた」
- 契約に至るまでのストレスについて。 「たぶん先週がいちばんキツかった。間違った情報がいっぱい出て、それを元に批判されるのがね。僕は一歩離れなければならなかった。ツイッター等から離れてネガティブなことを読まないようにし、今の状況を正しく認識することに集中した」
- 「何度も言ったことだけど、アーロンは史上最高のQBになると思う。彼と一緒にプレーしてその伝説の一部になり、彼がもう1つリングを獲得するのを助ける・・・。その偉業に参加できるのは幸運なことだし、そうした機会を楽しみにしている」
- 「マッカーシーHCとコーチングスタッフは、非常にクリエイティブに、僕の能力を最大限に活用してくれていると思う」
- 2011年までパッカーズの先発センターを務めたスコット・ウェルズがラムズから解雇。移籍後はケガに苦しみ、また年齢あってか、昨季のプレー内容は芳しくなかった。(ProFootballFocusの評価は-29.7で全センター中最下位)
WRコブにつづき、RTブライアン・ブラガがパッカーズとの契約延長に合意した。詳細は不明だが、5年契約で年平均$7ミリオン弱、と報じられている。チーム側の当初の希望額より高くなってしまったが、他球団からのオファーはもっと高かったという。31歳のRTダグ・フリー(DAL)が3年総額$15ミリオンで契約延長するなど、ここ数日は相場が上がって来ていた。パッカーズは最大の懸案だった2人との契約延長に成功し、先発OL5人、先発QB、先発WRトリオ、先発RBを2016年末まで確保できたことになる。
ブライアン・ブラガ Bryan Bulaga はイリノイ州クリスタルレイク出身の25歳。アイオワ大ではレッドシャツを経ずいきなり先発左ガードとなり、その後先発左タックルを2年務めてNFLへ。2010年1巡23位でパッカーズに入団すると、先発RTとしてスーパーボウル制覇に貢献。3年目・4年目と大ケガが続いたものの、復帰した昨年は素晴らしい働き。第9週以降プレーオフをふくめてサックを1回しか許さず、ProFootballFocusの評価も全RT中4位だった。前十字靭帯手術から2年経つ来季はランブロッキングのさらなる回復も期待できそうだ。
パッカーズにとって2010年ドラフトは大きな成功で、指名7人中5人が契約延長/再契約を果たした。移籍したOTマーシャル・ニューハウスとDE C.J.ウィルソンもスターターとしてちゃんと貢献している。
2015年3月 9日
控えQBのスコット・トルジーンがパッカーズとの契約延長に合意した。$1.35ミリオンの1年契約で、昨年の$64万5千ドル(4年目選手の最低額)からほぼ倍増となる。おなじくQBマット・フリンもフリーエージェントとなるが、Journal Sentinel紙によるとパッカーズはフリンとは再契約せず、トルジーンに2番手を任せると決めたようだ。3番手はドラフト下位またはドラフト外のルーキーでまかなうことになる。
スコット・トルジーン Scott Tolzien はシカゴ近郊ローリング・メドウズ出身の27歳。ベアーズファン一家の中で彼ひとりパッカーズファンとして育った。ウィスコンシン大では2年間スターターを務め、最終年のパス成功率74.3%は同大記録。2011年ドラフト外でチャージャーズに入団、開幕前に解雇されて49ersで3番手QBとなった。2013年夏に解雇されてパッカーズのプラクティス・スクワッドに移り、ロジャース戦線離脱とともにロースター昇格。不振のセネカ・ウォレスに代わって2試合に先発した。ヤーデージは稼ぐがTD/INT比率が悪く(レーティングは66.8)、未勝利のままマット・フリンと交代となった。
昨年プレシーズンではレーティング112.0の活躍を見せたものの、おしくも2番手QBの座は奪えなかった。ポケットでの落ち着きとダウンフィールドに積極的に投げ込める肩があり、研究熱心さも大変なもの。ルーキー年に49ersへ移ったときには選手ラウンジで数週間寝泊まりして勉強に没頭した、という逸話もある。
2015年3月 8日
交渉の続いていたWRランドール・コブが、総額$40ミリオンの4年契約に合意した。詳細はまだあきらかでないが、$40ミリオンのうち$17ミリオンが「保証」されている、と報じられている。今年のWR市場ではデズ・ブライアント(DAL)とデマリアス・トーマス(DEN)がフランチャイズ指名されたため、最有力FAとしてコブの価格高騰が心配されていたところだ。年平均$10ミリオンはけっして安くないが、FA市場に出れば年$11、12ミリオンのオファーも可能性は十分あった。それよりも本人はパッカーズでキャリアを続けることを選んだということだろう。
昨年7月に契約延長したネルソンと合わせ、先発WRコンビが2018年まで確保できたことになる。年平均でいえばネルソン(契約詳細)を上回ってしまうが、これはネルソンが実力よりも安すぎたためで致し方ない。(そういうことは後から気にしない、とネルソンは明言している)。
ランドール・コブ Randall Cobb はテネシー州アルコア出身の24歳。ケンタッキー大では途中までQB(主にワイルドキャット)をプレーしていた。2011年2巡指名でパッカーズに入団、まずリターナーとして頭角を現した。2年目にパスキャッチ954yds・8TDを挙げて一流の仲間入り。2013年は腓骨骨折で10試合欠場したものの、復帰した最終週CHI戦で劇的な逆転ロングTDパスをキャッチ(ビデオ)。昨年は1287yds・12TDの大活躍でFA市場注目の存在となった。得意はスロットだがアウトサイドでも進境著しい。元QBらしく戦術眼にすぐれ、プレーが崩れた時のアジャスト能力は特筆に値する。WRらしいわがままさが全くなく、小柄ながらランブロックも効果的。
◆ ◆ ◆
最大の課題だったコブとの契約がまとまったことで、次の焦点はRTブライアン・ブラガとなる。Journal Sentinel紙が関係者から聞いた話によると、ブラガ側は年平均$7ミリオンから$8ミリオンの間を希望しているとのこと。興味を示しているのは今のところ、ジャガーズ、レッドスキンズ、バッカニアーズらしい。彼も今年のOT市場では最有力選手と見なされていて、(より値段の高い)左タックルとして評価するチームがあれば、パッカーズ側との開きが大きくなりすぎる心配がある。
2015年3月 7日
今年パッカーズからフリーエージェントとなる選手たちを下表にまとめた。今年のFA解禁は3月10日(東部時間午後4時)となっている。交渉の行方に気の揉める時期だが、昨年のパッカーズの契約した日付リストを見れば、あまり心配する必要のないことがわかるはず。(FBクーンやQBフリンにいたっては4月になってからだった)
今年のサラリーキャップは$143.28ミリオンと決定。全球団がその枠内に収めて3月10日の新年度を迎えなければならない。パッカーズは昨年のキャップスペース$7.8ミリオンを今年に繰り越し、$32.19ミリオンのキャップスペースがある(NFLで多い方から9番目)。
◆ ◆ ◆
無制限フリーエージェントとは、「NFLで4年以上の経験があり、契約が切れる選手」のこと。パッカーズは下表の11選手が無制限FAとなる予定。
制限付きフリーエージェント(RFA)の定義は、「NFL3年目を終えて契約が切れる選手」。現在の労使協定ではドラフト指名選手全員が4年契約(1巡選手は5年目が球団側のオプション)なので、RFAとなるのはドラフト外や、ドラフト入団後いったん解雇された選手に限られる。チームがRFA予定選手に "Qualifying Offer" (3段階)をしない場合、その選手は無制限FAとなる。球団側はFA解禁までにそのオファーをする必要があるが、今年のパッカーズはまだしていない模様。
2015 Packers Unrestricted Free Agents |
Name |
Pos |
Age |
備考 |
Matt Flynn |
QB |
29 |
2013年ロジャース長期欠場時の救世主。今度こそお別れか |
Scott Tolzien |
QB |
27 |
昨夏プレシーズンで活躍も3番手どまり。再契約で2番手昇格か |
John Kuhn |
FB |
32 |
3rdダウンバックの出番失うも2回目のプロボウル。スペシャルチームも |
Randall Cobb |
WR |
24 |
今年のFA市場の目玉の1人。ネルソンを超える金額になりそう |
Bryan Bulaga |
OT |
25 |
ACL手術明けシーズンだったが鉄壁のパスプロで評価急上昇 |
B.J. Raji |
DT |
28 |
上腕二頭筋断裂でシーズンを棒に振る。安価で再契約か |
Letroy Guion |
DT |
27 |
契約延長交渉していた矢先にマリファナ所持で逮捕。安値で残留も |
Jamari Lattimore |
ILB |
26 |
いったん先発昇格も第9週以降は出番ゼロ。再契約はなさそう |
Tramon Williams |
DT |
31 |
頼りになる先発CBだがもうじき32歳。金額で折り合えるかどうか |
Davon House |
CB |
25 |
アウトサイドのカバーだけなら先発級だが、タックリングなど課題も。ケガも多い |
Jarrett Bush |
CB |
30 |
スペシャルチームの鬼。CBの出番はなくなったがそこそこ使える実力あり |
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2015 Packers Restricted Free Agents |
Name |
Pos |
Age |
備考 |
Jarrett Boykin |
WR |
25 |
4番手WR。2013年は681ydsの活躍も昨年は出番激減 |
Don Barclay |
T/G |
25 |
OLのほとんどをこなせる貴重な控え。ACL手術明けも残留は必須 |
Sean Richardson |
S |
25 |
ラン守備要員としてちょいちょい出番をもらった |
2015年3月 5日
18日間サボっていた間に起きたできごとのまとめ。
- 2月には解雇が相次いだ。
- 先月25日、ILB A.J.ホークが解雇された。ディフェンスのお荷物になって久しいが、昨年半ばにはフルタイムのスターターでなくなり、プレーオフ2試合はどちらも20スナップ未満の出場にとどまった。あれほどタックルの多いポジションにいながら、先発9年間でファンブルフォースがわずか3回。一昨年減俸を受け入れ(記事へ)、今年契約最終年を迎えるところだった。ずっと批判を浴びながら恨みがましいことをいっさい口にせず、チームプレーヤーに徹したところは地元メディアからも称賛されている。解雇によって$3.5ミリオンのキャップスペースが空き、デッドマネーは$1.6ミリオン。
- Journal Sentinel紙の最新情報によると、ILBホークと再契約の可能性も残っているとのこと。
- おなじく先月20日、ILBブラッド・ジョーンズが解雇された。2012年に成長を見せて$11.25ミリオンの3年契約を手に入れたが、その後はパッとしなかった。昨年もフルタイムのスターターとして開幕戦を迎えたものの、不振のためやがて出番はダイム隊形だけに。スピードを期待されたパスカバレッジでもよいところを見せることはできず、NFC決勝では出番ゼロ。ホークとおなじく今年が契約最終年のはずだった。解雇によって$3.75ミリオンのキャップスペースが空き、デッドマネーは$1ミリオン。
- 2人の解雇で計$7.25ミリオンのキャップスペースが空いた。
- その後ILBジョーンズはイーグルスと契約。契約ボーナス$50万ドルふくむ総額$2.85ミリオンの2年契約と報じられている。
- 先月17日、TEブランドン・ボスティックを解雇。NFC決勝、オンサイドキックでの致命的なミスが記憶に新しいが、タイトエンドとして将来性の高さを見せていたらこうして解雇はされなかっただろう。その後ウェイバーでヴァイキングスに拾われた。
- おなじく17日、WRケヴィン・ドーシーを解雇。2013年の7巡指名選手で、昨年半ばにプラクティス・スクワッドからロースターに昇格したが、11月に入って足を負傷してインジャリーリザーブへ。十分な成長を見せることができないまま退団となった。
- インドアリーグのウィチタフォールズでプレーしていたILBジョシュ・フランシス(ウェストヴァージニア大出身)と契約、との情報があったが、その後1週間経っても正式発表がない。フィジカルチェックでなにか問題があったのだろうか。追記: その後正式に契約発表があった。
- 解雇された選手にとっては一足早いFA市場の開幕。すでにいくつか契約がまとまっているが、パッカーズが誰かに興味を示したという話はまだない。
- FA解禁が今月10日に迫っているが、FA予定選手の契約延長交渉にに大きな進展は見られない。
- 今年のサラリーキャップは$143.28ミリオンに確定。昨年より約$10ミリオンのアップとなった。オフシーズンの間は上位51人分しかカウントされないが、開幕直前週からはIRやPUPやプラクティス・スクワッドも含め支配下選手全員がカウントされる。
- パッカーズは昨季からの繰り越し分$7.8ミリオンを含め、約$33ミリオンものキャップスペースがある。
- フランチャイズ/トランジション・プレーヤーの指定期限が過ぎたが、パッカーズは誰も指名せず。
- 10日(東部時間午後4時)のFA解禁直前が交渉の最大のヤマ(昨年のCBシールズがそうだった)となるが、解禁後に他球団のオファーを見た上で再契約に至ることも少なくない。
- FA予定選手の中でもっとも注目されるのはWRランドール・コブとRTブライアン・ブラガ。もちろん球団側は契約延長を強く望んでいる。彼らのような「中核選手が初FA」のときに手放した例は、ここ十数年のパッカーズではないはず。
- WRコブの代理人ジミー・セクストンは年平均$12ミリオンを希望、との噂あり。若さを考えればWRネルソン(年平均$9.7M)より高くなってもおかしくないが、さすがに$12Mはどうなのだろう。レイダーズが獲得に乗り気、という噂も。
- 今年のWRでは、デズ・ブライアント(DAL)とデマリアス・トーマス(DEN)がフランチャイズ指名された。WRの場合は$12.8ミリオンとなる。
- CBトラモン・ウィリアムズ(今月32歳になる)とCBデヴォン・ハウス(25歳)がどちらもFAとなるが、引き留められるのはどちらか一方だろう、という見方が大勢を占めている。
- パッカーズはCBハウスとの再契約を望んでおり、本人も同様。ただし問題は値段だ。年平均$5ミリオン以上のオファーが他からあったらとても太刀打ちできないだろう。
- CBウィリアムズがFAとなったらシーホークスが獲得に乗り出す、とJournal Sentinel紙。先発CBバイロン・マックスウェルがFA退団のためだ。すでにシーホークス側がウィリアムズ側に意向を伝えてある、とのこと。
- NT B.J.ラジ(28歳)はパッカーズとの再契約が濃厚、との一部報道あり。1年契約で力を証明して来年ふたたびFAに、という形か。昨年プレシーズンで上腕二頭筋を断裂して以後もチームに帯同して仲間のサポートを続けた(写真)、という点でも首脳陣の心証はよい。
- OLBジュリアス・ペッパーズ(35歳/3年契約の2年目)は今年のベースサラリーが$8.5ミリオン、キャップナンバーは$12ミリオンになってしまうが、このまま残留の見込み。契約をいじって今年のキャップナンバーを引き下げる小細工もできるが、高齢のベテラン相手にそれをするのは将来のキャップを苦しくするだけだ。インタビューでペッパーズ残留について聞かれたマッカーシーHCは、「なぜ彼の話題が出るのかわからない」としている。
- 控えQBが2人ともFAとなるが、Press-Gazette紙は「スコット・トルジーンと再契約し、もう1人はドラフトで指名するのでは」と予想している。
- QBアーロン・ロジャースは、第16週@バッカニアーズ戦でふくらはぎを痛めたのはレイモンド・ジェームズ・スタジアムの芝の状態が悪かったせい、と振り返っている。 「フィールドコンディションの均一性を調べる必要があると思う。ケガを生んでしまうスタジアムがいくつかあるように思うから。素晴らしいサーフェスのスタジアムはいくつもあるが、再検討が必要なスタジアムもある。タンパはその1つで、行われる試合数が多いことが理由だと思う(サウスフロリダ大の本拠地であり、アウトバック・ボウルも開催)。芝土が非常に多く、それでいて不均一で柔らかいことがケガを多く引き起こしていると思う」
- 先月初めに逮捕されたNTルトロイ・ガイオンについてQBロジャース。 「こういうときには非難したり背中を向けるのではなく、チームメイトとして彼を支えることが必要だと思う。これはNFLの旅路における1つの障害であり、ルトロイにとってこれがよい結果になることを僕らは願っている」 「僕らは常にパッカーズを代表していることを忘れてはならない。こうしたことはずっと話し合ってきた。パッカーであることには大きな意味があり、パッカーらしい行動をする、ということをね。それはコミュニティにおいてよい人間であり、よきチームメイトであり、正しいやり方で球団を代表する、といったことだ。ルトロイはフリーエージェントだ。チームが再契約を検討しているらしい、ということは僕も知っている。今回の逮捕がそうした状況をどう変えるかは僕にはわからないけど、僕らはルトロイを愛している」
- マッカーシーHCによると、NTガイオンは逮捕後まもなくグリーンベイに戻り、何度もヘッドコーチと話し合いを重ねていたという。事件によって大型契約の望みが潰えたとはいえ、本人が再契約を強く望んでいる証拠では。警察側はまるで麻薬ディーラーであるかのように印象付けようとしているが、所持していた$19万ドルはパッカーズがサラリーとして振り出したもの。拳銃はミネソタ州で登録され、箱に入れられて弾薬は装填されていなかった。
- 昨日NTガイオンの弁護士があきらかにしたところによると、彼は検察側と司法取引で合意し、収監は避けられる見込みとのこと。おそらく、長時間の公共奉仕、定期的な薬物検査、罰金の支払いなどの課題をクリアしたら起訴しない、という形だろう。犯罪歴も残らない。ただNFLからの処罰は別で、大量のマリファナ所持となれば何試合かの出場停止処分を科されるのでは。
- 今月1日未明、CBジャレット・ブッシュが「公衆での酩酊」のため逮捕された。彼もまたFA予定選手だが、NTガイオンとは違ってたいしたトラブルではなかったようだ。深夜イタリアンレストランのそばで大きな喧嘩沙汰が起き、取り囲んでいた群衆に警官が解散を命じたのにもかかわらず彼が従わず、逮捕せざるをえなくなった、ということらしい。すぐに釈放され、訴追もされない模様だ。
- ロン・ウルフ元GMは、今夏の殿堂入りセレモニーでのプレゼンターに息子のエリオット・ウルフ人事部長を選んだ。 「私はパッカーズの一員として殿堂入りするし、彼はパッカーズを代表する立場にある。パーフェクトだよ」
- エリオット・ウルフがパッカーズ入りしたのは父が引退して3年後の2004年。 「私から見て素晴らしいと思うのは、彼が独力でここまでやってきたことだ。私が引退してからのことだからね。妻も私も彼の実績や能力をとても誇りに思っている。グリーンベイの連中はみな、彼には明るい将来があるという。あれほど早く階段を上ってきたことからして、きっとそれは本当なのだろう」
- ブレット・ファーヴのパッカーズ・ホール・オブ・フェーム入り(および永久欠番)セレモニーが7月18日にランボーフィールドのアトリウムで開催されるが、一般ファンのためスタンドからも観られるようにすることになった。同セレモニーは(おそらくスポンサー関係とゲストだけで埋まり)一般公募しないうちに売り切れの発表。ファンから批判の声が上がるとともに、QBファーヴ本人も「アトリウムでなくフィールドでやりたい」と要望が出た。そこで殿堂側も検討はしたが、天候の心配があるため、「会場はアトリウムのままとし、スタンドからも大型ビジョンで観られる」という折衷案が最善となったようだ。入場料は$4ドル、経費を差し引いた利益はファーヴの運営する慈善団体に寄付される。
- 上記の最終決定をボブ・ハーラン名誉会長が発表しなければならなかったところにも、この問題の微妙さが感じられる。ハーランは1989年から2007年まで社長を務め、ファンからの支持はいまだに絶大。ウィスコンシンでは「理想の上司」と「理想の父親」を合わせたように敬愛されている人物で、彼が言うならそうなのだろう、とファンも納得せざるをえないからだ。なお、パッカーズ・ホール・オブ・フェームはもともとファンが勝手に設立したもので、スタジアムに併設された今でも球団とは別団体。ハーランも理事に名を連ねている。
- 同セレモニーはアトリウムの本会だけで過去最高の1600人以上が出席すると見られるが、かつてのコーチやチームメイトなどゲストもかなり豪華になるようだ。元同僚のQBマット・ハッセルベック(在籍1998-2000)も、送られてきた招待状をツイッターで紹介している。(写真)
- ESPNのメル・カイパーは今季もっとも新人が貢献したチームとしてパッカーズを1位に選んでいる。2位SF、3位NYG、4位BAL、5位CAR、6位OAK、7位STL、8位MIN、9位CLE、10位JAXとDAL。
- ドラフト関連ではスカウティング・コンバインが終わり、各大学でプロ・デイが始まっている。スケジュールはこちら。いくつもの有力大が同じ日に行うため、スタッフは手分けして回らなければならない。
- 2010年以来パッカーズは第3のユニフォームとして、1929年版のスローバックジャージを着用してきたが、今年はそれが変わるかもしれない。第3のユニフォームを選んだら5年間は変えることができない、という規定があり、その5年間が満了したためだ。球団からはまだ何も発表はない。