先週金曜に契約延長にサインしたQBアーロン・ロジャースの詳しい契約内容が以下のとおり判明した。先日の記事で計算したとおり総額130.75ミリオンの7年契約で、契約ボーナスは$35ミリオン。来年と再来年に$9.5ミリオンずつのロースターボーナスが設定され、そのぶんベースサラリーが安く抑えられている。
今年のベースサラリーが$4.5ミリオンに減額されたためキャップナンバーは$12ミリオンに抑えられ、旧契約での$9.75ミリオンから$2.25ミリオン増えただけ。Journal Sentinel紙によると先週の時点でパッカーズには$15.48ミリオンのキャップスペースがあったので、$13.23ミリオンのキャップスペースが残っているはず。NTラジやCBシールズなど主力選手の契約延長にこれから取り組むことができそうだ。
Aaron Rodgers' new contract | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Year | 契約ボーナス | ロースターボーナス | ベースサラリー | ワークアウト | 出場ボーナス | キャップナンバー | キャッシュバリュー |
2013 | (7,000,000) | 4,500,000 | 500,000 | 12,000,000 | 40,000,000 | ||
2014 | (7,000,000) | 9,500,000 | 900,000 | 500,000 | 17.900,000 | 10,900,000 | |
2015 | (7,000,000) | 9,500,000 | 1,000,000 | 500,000 | 600,000 | 18,600,000 | 11,600,000 |
2016 | (7,000,000) | 11,500,000 | 500,000 | 600,000 | 19,600,000 | 12.600,000 | |
2017 | (7,000,000) | 12,550,000 | 500,000 | 600,000 | 20,650,000 | 13,650,000 | |
2018 | 19,800,000 | 500,000 | 600,000 | 20,900,000 | 20,900,000 | ||
2019 | 20,000,000 | 500,000 | 600,000 | 21,100,000 | 21,100,000 |
もともと8個の指名権を持っていたパッカーズは2日目のトレードダウン3回(3巡→4巡)で4つ増やし、最終日にはトレードアップで1つ減らし、最終的に11人を指名した。
リストを見ると同一ポジションの複数指名がやけに目立っている。RB2人は即戦力になってくれなければ困る。OT2人はデプスを確保しつつ将来性に期待。WR2人はどちらかが戦力になってくれれば御の字といったところ。一般にロースター枠が(事実上)保証されているのは4巡あたりまでで、5巡以降の6人はキャンプでの競争しだい。ドラフト外の選手に敗れることもザラにある。
指名のなかったポジションは、セーフティ、センター、タイトエンド、クォーターバック、キッカーといったあたり。セーフティは現状の若手トリオで十分と首脳陣が考えていることがはっきりした。控えセンターは今年のルーキーたちを含め、若手を育てていく考えだろう。
2013 Green Bay Packers Draft Picks | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Pick | 全体 | Pos. | Name | College | 備考 | No. | |
1巡26位 | 26位 | DE | Datone Jones | UCLA | サイズとスピードを兼ね備えたDE | 95 | |
2巡29位 | 61位 | RB | Eddie Lacy | Alabama | 名門アラバマ大を全米王座に | 27 | |
4巡12位 | 109位 | OT | David Bakhtiari | Colorado | タックルのまま行くのかインサイドか | 69 | |
4巡25位 | 122位 | OT | J.C. Tretter | Cornell | 同上 | 73 | |
4巡28位 | 128位 | RB | Johnathan Franklin | UCLA | トレードアップでまたRB。またUCLA | 23 | |
5巡26位 | 159位 | CB | Micah Hyde | Iowa | ゾーン得意でボールスキルに優れたCB | 33 | |
5巡34位 | 167位 | DE | Josh Boyd | Mississippi State | ラン守備に強いDL | 93 | |
6巡25位 | 193位 | OLB | Nate Palmer | Illinois State | 無名校のアスレチックなパスラッシャー | 51 | |
7巡10位 | 216位 | WR | Charles Johnson | Grand Valley State | 長身かつアスレチックな無名WR | 17 | |
7巡18位 | 224位 | WR | Kevin Dorsey | Maryland | 昨年はQB問題で大損したWR | 16 | |
7巡26位 | 232位 | ILB | Sam Barrington | South Florida | フィジカルだがスピード不足が心配 | 58 | |
2巡23位 | 55位 | トレードアップダウンして2巡29位へ | |||||
3巡26位 | 88位 | 2回トレードダウンしてけっきょく4巡12位(全体109位)へ | |||||
5巡13位 | 146位 | 4巡28位へトレードアップ | |||||
6巡05位 | 173位 | 5巡から4巡へのトレードアップで譲渡 |
パッカーズは7巡26位(全体232位)でサウスフロリダ大のLBサム・バーリントンを指名し、今年のドラフト指名を終えた。大学ではOLBだったが、3-4ディフェンスではILBとなる。
Bio : フロリダ州ジャクソンヴィル出身。高校ではRBとLBの両方で4年間ずっとスターターを務めた。サウスフロリダ大ではレッドシャツを経ずいきなり全試合に出場し(先発1)、2年目にはミドルLBではやくもスターターとなった。3年目はストロングサイドLB、4年目の昨季はLB3ポジションすべてプレー。80タックル・3.5サック・6.5ロスタックルを挙げてビッグイーストのカンファレンス2ndチームに選ばれた。
3年間で36先発、258タックル、6.5サック、21.5ロスタックル、5ファンブルフォース、1インターセプトを記録している。しっかりしたガタイでブロッカーを受け止める馬力があり、インパクトあるタックラー。ただ判断の速さや嗅覚に問題ありとする評価もある。コンバインでは40yds走を4.85秒(4.91秒とも)で走って失望させたが、プロデイでは多少盛り返した。
免停中の運転や免許取り消し後の運転などで3回も逮捕されたことがあり、2試合の出場停止を経験している。ただ頭は悪くなく、すでに昨年12月に学位を取得して卒業している。声に出すタイプのリーダーで、練習熱心さも問題なし。
チーム事情 : ILB陣からはD.J.スミスがドラフト前日に解雇されているが、デプスは充分にある。バーリントンがロースター枠を争うにはスペシャルチームでの貢献も重要になる。
いっぽうドラフト中に「デズモンド・ビショップをトレードに出す構え」と一部で報道されて話題になった。トンプソンGMは、「私はそうしたことには一切コメントしない。ドラフトの時期には首脳同士でさまざまな会話(交渉)をするもので、たいていは実を結ばずに終わるものだ」と説明している。おそらく現実もそのとおりで、会話の中でビショップの名前を聞いた他球団首脳がすかさずリークしたのだろう。フィジカルなチーム作りを目指すなか、チーム随一のハードヒッターを放出するのが現実的とは思えない。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / サウスフロリダ大
パッカーズは7巡18位(全体224位)でメリーランド大のWRケヴィン・ドーシーを指名。2人連続のWRとなった。こちらも主要メディアに情報が少なく、どのようなレシーバーなのかわからない。
Bio : ワシントンDCに近いメリーランド州フォレストヴィル出身。高校はミリタリー・アカデミーで、WR兼FSとして大活躍した。地元メリーランド大に進むと、レッドシャツ(足のケガのため)を経た1年目から全試合に出場。2年目まではスペシャルチーム中心だったが、3年目の2011年にスターターとなって45回573yds・3TDを記録。4年目はキャプテンの1人にも選ばれた。
昨年わずかパスキャッチ18回311yds・4TDと成績が落ち込んだのは、同大の深刻なQB状況(3人が戦線離脱の大ケガ)のためと言われている。WRドーシーにとってはこれがドラフトにきわめて不利に働いた。頭がよく、高校は飛び級で卒業している。先に指名されたWRチャールズ・ジョンソンほどではないものの、プロデイの数字はよかった。
チーム事情 : 7巡a指名のWRジョンソンの項で述べたとおり。
紹介記事 : CBS Sportsline / メリーランド大
パッカーズは7巡10位(全体216位)でグランドヴァレー州立大(ミシガン州)のWRチャールズ・ジョンソンを指名。イースタン・ケンタッキー大から同大へ転校した選手で、素晴らしい身体能力を持ちながら、ここまでかなり遠回りをしてきた。
Bio : ケンタッキー州エルスメア出身。オハイオ川のむこうにシンシナティがある。ルイヴィル大に進むはずが成績不足で奨学金オファーを取り消され、イースタン・ケンタッキー大に進んだ。1年目からパスキャッチ3回を記録したものの不祥事のため出場停止となり、転校の道を選んだ。コミュニティカレッジを経て2010年にディビジョンIIのグランドヴァレー州立大(ミシガン州)へ。
レッドシャツ後の1年目はパスキャッチ56回1030yds・15TD、昨年はパスキャッチ72回1199yds・16TDと目覚ましい活躍を見せた。生年月日がわからないが、イースタン・ケンタッキー大での1年目が2007年とのことなので、もう24歳にはなっているはず。大学はもう卒業している。
プロデイでの数字をコンバイン組WRたちと比べると、40yds走4.38秒は4位相当 / 垂直跳び39.5インチは1位タイ相当 / 立ち幅跳び11フィート1インチは3位相当 / 3コーンドリル6.96秒とショートシャトル4.31秒はともに16位以下相当。この素晴らしい身体能力で、一部メディアからも下位指名候補と目されるようになった。下の映像を見ると見事な体つきだ。
チーム事情 : WR陣は先発3人がしっかりしているものの、ジェニングスのFA移籍とドライバーの引退で、久しぶりにデプスに不安のある状況となっている。今回7巡で指名された2人でロースター最後の枠を争うか。
紹介記事 :CBS Sportsline / グランドヴァレー州立大
パッカーズは6巡25位(全体193位)でイリノイ州立大のOLBネイト・パーマーを指名。ディビジョンI-AAの選手で情報がたいへん少ない。
Bio : シカゴ出身。ベアーズファンとして育った。イリノイ大ではレッドシャツを経た1年目からスペシャルチームで全試合出場し、アカデミック・オール・ビッグテンに。2年目は足の骨折もあってわずか6タックル止まり。出場機会を求めて2011年にイリノイ州立大(ディビジョンI-AA)に転校すると2年間で17サックを挙げる活躍を見せ、2年連続のカンファレンス2ndチームに選ばれた。
ポジションは基本的にディフェンシブエンド。同校のディフェンスは3-4を織り交ぜるマルチプル・フロントで、3-4の際はアウトサイドLBとしてスタンドアップでプレーしていた。
プロデイでの数字をコンバイン参加組のLBたちと比較すると、40yds走4.70秒は9位相当 / ベンチプレス20回は15位相当 / 垂直跳び35.5インチは4位相当 / 立ち幅跳び10フィート5インチは5位相当 / ショートシャトル4.37秒は10位相当 / 3コーンドリル6.98秒は3位相当。
高校3年時は足首の骨折、イリノイ大の2年目にはスクーターとの接触事故で足を骨折している。ドラフト前にパッカーズを訪問したが、NFL球団から招ばれたのはそれだけだというから、注目度の低さがわかる。本人はドラフト外だと思っていて、指名にたいへん驚いていた。
チーム事情 : OLB陣では、昨年の1巡指名ニック・ペリーがマシューズの逆サイドで先発予定。ドラフト外のデズマン・モーゼスは期待以上のルーキーシーズンだったが、その次の控えがいないので指名は必至と見られていた。モーゼスもDE出身でプロ入り後にOLBに転向している。
紹介記事 : イリノイ州立大
パッカーズは5巡34位(全体167位)でミシシッピ州立大のDEジョシュ・ボイドを指名。今年2人目のDL指名となった。4-3のDTだったがパッカーズではDEをプレーするようだ。
Bio : ミシシッピ州フィラデルフィア出身。全米15番目のDTと評価されて、アラバマやLSUなど名門校からの誘いを蹴ってミシシッピ州立大へ。レッドシャツを経ず、大学入学1年目から全試合に出場(先発1)。2年目には先発に昇格し、3年間一度も欠場せず先発出場を続けた。通算8.5サック、18ロスタックル。コンバインでのベンチプレス32回は全DL中4位。
Strengths : ヴァーサタイルなランディフェンダーで、多様なスキームにフィットする。クイックなフットワークでギャップをアタックする。姿勢を低くしてブロックを受け止め、ポイントオブアタックで容易に押し込まれない。決して足を止めず、ボールキャリアを追いかける。(ゾーンブリッツで)カバレッジに下がる仕事も多かった。リーダーというタイプでないがハードワーカー。
Weaknesses : サイズはやや小さ目で、NFLでダブルチームのブロッカーを受け止めるにはまだ馬力不足。スピードやアジリティは今ひとつで、パスラッシュのバリエーションが少ない。試合後半に息切れすることが多い。
チーム事情 : DL陣の状況は1巡指名DEデイトン・ジョーンズの項で書いたとおり。ボイドが今年DLのローテーションで働けるかどうかはわからないが、DLたちが来春大量にFAになるため、今のうちから育てておきたいところだ。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / ミシシッピ州立大
パッカーズは5巡26位(全体159位)でアイオワ大のCBマイカ・ハイドを指名。大学では主にコーナーバックで、セーフティ経験もすこしある。球団側によると、パッカーズではコーナーバックをプレーさせるとのこと。
Bio : 人口230人のオハイオ州フォストリア出身。高校ではクォーターバック(兼セーフティ兼キッカー)としてさまざまな賞を受賞し、バスケや野球でも活躍した。アイオワ大ではレッドシャツを経ず1年目から全試合に出場し、主にスペシャルチームでプレー。2年目から先発CBに昇格すると38試合連続先発し、通算8インターセプトを記録した。昨年はパスブレークアップ14回などの活躍で、ビッグテンのカンファレンス最優秀DBおよび1stチームに選ばれた。
2011年序盤にはセーフティで2試合先発したが、すぐにコーナーバックに戻った。パントリターナーとしてもまずまずの実績がある。兄マーカスはミシガン州立大でセーフティとして2年間スターターを務めた。
Strengths : サイズとバルクがありスピードもまずまず。ゾーンカバレッジがうまく、QBの目を読むのも得意。高いところでパスを叩き落としたりインターセプトするボールスキルに優れている。キャッチ後のレシーバーをしっかりタックルできる。サイズを活かしてアグレッシブなランサポートをする。スペシャルチームで貢献できる。
Weaknesses : 一流クラスを相手にするにはトップスピードやクイックネスが物足りない。ディープへのスピードについていけず苦労することがある。バックペダルやターン&ランのテクニックを磨く必要がある。そうした理由でプロではセーフティ向きとの見方も。「公共の場での酩酊および公務執行妨害の疑い」で昨年10月に逮捕されている。
チーム事情 : 層の厚いパッカーズのCB陣になんとか食い込みたいところ。サム・シールズが契約最終年を迎え(契約延長交渉中)、トラモン・ウィリアムズの給料が高いので、チームとしては選択肢があるに越したことはない。ゾーン向きのCBは昨年2巡のヘイワードに続いて2年連続。
今回の指名直後は「セーフティとしての獲得か」と取沙汰されたが、すぐに球団から否定された。今ドラフトでセーフティを指名しなかったことについてトンプソンGMは「ジェロン・マクミリアンとM.D.ジェニングスは昨年よいプレーをしたし、彼らを信頼している」と説明。ジョー・ウィットCBコーチは、「ハイドをセーフティに移す予定はないが、ヴァーサタイルなところはいい」としている。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / アイオワ大
パッカーズは5巡13位からトレードアップして4巡28位(全体125位)でUCLAのRBジョナサン・フランクリンを指名。2人めのRB指名はほんとうに驚きだ。サイズは小さめだが4.49秒のスピードとクイックネスがあり、ワンカット&ゴーの得意なゾーンブロッキング向きRBのようだ。
5巡13位(全体146位)から21スポット分トレードアップした代償は6巡5位(全体173位)。これで残る指名権は5巡・5巡・6巡・7巡・7巡・7巡の6つとなった。
Bio : ロサンゼルス出身。地元UCLAではレッドシャツを経た1年目からスターターの座をつかみ、4年間先発RBを務めた。昨季は1734yds(平均6.1)・13TDの大活躍でPAC-12南ディビジョン優勝の原動力となり、カンファレンスの2ndチームに選ばれた。パスキャッチも33回323yds・2TD。チームキャプテンを務め、練習熱心さにも定評がある。
貧困と犯罪にまみれたサウスセントラル地区に育ち、すでに多くの友人がドラッグやギャング抗争などで死んでいったという。それだけに、NFLの後はロサンゼルスの市長になって状況を変えたいと強く希望している。現ロサンゼルス市長のそばで1か月半にわたってインターンをした。
Strengths : スピードとクイックネスに優れ、バランスもいい。ワンカットで鋭く突っ込む。パッカーズのゾーンブロッキング・スキームにうってつけの選手。小柄だがコンタクトを恐れず、ハードに走る。ビジョンがよく、レーンをうまく選ぶ。パス攻撃ではルートランニングが非常によく、アンダーニースでは鋭い加速でマッチアップ相手を引き離せる。
キャッチング能力が高く、体から離れたボールでも容易にアジャストして捕ることができる。サイズのわりに効果的なパスプロテクションができる。これまで大きなケガをしたことがない。
Weaknesses : サイズと馬力は物足りず、NFLのディフェンダーをオーバーパワーするのは難しそう。先発RBとして多数のキャリーをこなすのは荷が重いかもしれない。横方向のアジリティはそれほどでもない。時おり忍耐を欠き、簡単に外へカットバックしてしまうことがある。昨季改善されたが2011年(6ファンブル)までボールセキュリティの問題があった。
チーム事情 : 2巡でエディー・レイシーを指名しており、RBがニーズとはとても言えない。それでもトレードアップしたのは、それができるだけの指名権数があったこと、この時点ではかなりのバリューピックと考えこと、それにRBアレックス・グリーンやRBジェームズ・スタークスの伸び悩みに業を煮やしたということだろうか。RBレイシーと組ませるのに理想的なタイプに見える。すでにパッカーズはRBスタークスのトレードを画策中と報道されている。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / UCLA / Journal Sentinel紙
パッカーズは4巡25位(全体122位)でコーネル大のOT J.C.トレッターを指名。こちらもセンターなどへのコンバート含み。パッカーズはアスレチックな左タックルをコンバートすることを好み、現OL陣の多くが大学時代は左タックルだった。昨年ドラフト外のG/Cグレッグ・ヴァンローテンに続いてアイヴィーリーグ出身。
Bio : バッファローに近いニューヨーク州アクロンの出身。高校ではバスケでも大活躍した。大学では最初の2年間は控えタイトエンドだったが、3年目に左タックルに移って成功。一昨年はオール・アイヴィーリーグの2ndチーム、昨年は満票で1stチームに選ばれた。おじ3人と妹もコーネル大で学んでいる。
Strengths : タイトエンドをプレーしていたようにアスレチック能力が高い。フットワークが軽く、パスラッシャーにしっかりついていける。フレキシブルでしっかりヒザを曲げてブロックできる。スタントやブリッツのような変化球をしっかり認識できる。学習能力が高い。
Weaknesses : サイズは理想的ではない。体幹の馬力も上体の強さもまだ物足りない。オフェンシブライン経験が浅い。OTとしてやっていくにはクイックなフットワークをさらに磨く必要がある。
チーム事情 : オフェンシブライン状況は前項OTバクティアリのところで述べたとおり。OL経験の浅さは伸びシロの大きさ、とパッカーズ側は思っていそうだ。インサイドへのコンバートも当然視野に入れているだろう。ESPNやCBSはすでに"OG"と表示している。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / コーネル大
パッカーズは3巡からトレードダウンした4巡12位(全体109位)でコロラド大のOTデヴィッド・バクティアリを指名した。やや軽量だがフットワークに優れた左タックルで、右タックルの先発経験もある。バルクアップすればガードもプレーできると見られている。
Bio : サンフランシスコ南郊バーリンゲーム出身。ユニークな姓はイラン系のもの。コロラド大ではレッドシャツを経た1年目から先発右タックルに。翌年LTネイト・ソルダー(現NE)がプロ入りすると左タックルに移り、2年間左タックルを務めた。通算33先発のうち右タックルが11試合、左タックルが22試合。2年連続でPAC-10カンファレンスの2ndチームに選ばれた。昨季1勝11敗の不振でコーチ陣が交代したこともあり、ドラフトへのアーリーエントリーを選んだ。
7歳上の兄エリックはドラフト外からDE/OLBとしてタイタンズや49ersでプレーしている。ドラフト外入団からプラクティス・スクワッド暮らしが多く、49ersをこの1月に解雇されたばかり。本人のコメントによると、その兄とOLBクレイ・マシューズが友人で、自分もマシューズとこの2週間半にわたって練習してきた。また、QBロジャースの弟アーロン(ヴァンダービルト大QB)とも親しく、アーロンとも2回会ったことがあるとのこと。
Strengths : 一歩目のキックが速く、常に低い姿勢を保つ。腕が長く下半身もがっちりし、バランスの取れた体型をしている。相手のセカンド・ムーヴを読むのがうまく、インサイドを突破されにくい。ブロッキングのアングルがよく、手の置き方もいい。いい意味でいやらしさがあり、最後までブロックできる。複数ポジションをこなせるヴァーサタイルな選手。
Weaknesses : 左タックルとしては身長がやや低く(LTニューハウスと同身長)、エリート級のスピードはない。1on1のパスプロテクションではアウトサイドへのスピードで負けやすく、動くターゲットに対してアジャストに苦しむ時がある。それを考えると将来的にはガード向きかもしれない。同大ではダブルTE隊形が多く、タイトエンドのヘルプがあるプレーが多かった。
チーム事情 : 左タックルの弱さは周知のとおり。2011年1巡指名のLTシェロッドはスネ骨折から復帰してくるところで、先発LTニューハウスは成長ぶりがやや物足りず、しかも今年が契約最終年。LTバクティアリとLTトレッターの連続指名で左タックルを強化しつつ、インサイドへのコンバートも。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / コロラド大
パッカーズは3巡指名権を2回トレードダウンして4巡・5巡・7巡指名権(2つ)を49ersとドルフィンズから受け取り、ドラフト2日目は1人指名しただけで終了した。3日目の指名権は以下の10個になった。
パッカーズは2巡で6スポット分トレードダウンし、2巡29位(全体61位)でアラバマ大のRBエディー・レイシーを指名した。1巡下位の予想が多かった選手で、2巡末なら相当なバリューピックとの評判が多い。長らくRBを軽視してきたパッカーズについに大物RBがやってきた、という印象だ。
トレードの代償として49ersから6巡5位(全体173位)指名権を受け取っている。これによりドラフト3日目の指名予定は4巡・5巡・5巡・6巡・6巡・7巡の6つとなった。
Bio : ニューオーリンズ近郊で生まれ育ったが、ハリケーン・カトリーナのため同州ゲイズマーに引っ越しを強いられた。州内の強豪LSUでなくアラバマ大へ。レッドシャツを経た1年目から406yds・6TDを挙げ、2年目は631yds(平均7.5)・7TDを走った。昨年は全試合に先発し、1322yds(平均6.5)・17TDを挙げる大活躍でアラバマ大の全米王座に貢献した。
出場資格を1年残してドラフトにアーリーエントリー。ハムストリング負傷のためコンバインでは走れず、今月11日に個人ワークアウトを披露した。
Strengths : 力強い下半身に恵まれ、パワフルかつバランスに優れたワークホース。忍耐強くブロッキングの展開を待ち、思い切りよく縦に突っ込む。ビジョンがよく、よいパッド・レベルを保ち、クイックで滑らかに動けるアジリティがある。簡単に倒れずタックラーを引きずる。キャッチングやパスプロテクションもまずまず。
マーク・イングラム(現NO)、トレント・リチャードソン(現CLE)と強力な先輩RBがいたためフルタイムの先発経験が1年しかなく、そのぶん使い減りしていない(3年間で355キャリー)。ウィスコンシン大のモンティー・ボールは昨季だけで356キャリー、4年通算924回もキャリーしている。
Weaknesses : アウトサイドへのスピードや、穴を抜けてからの加速はエリート級でない。レシーバーとしてはルートランニングに改善の余地がある。大学キャリアを通じて小さなケガが多かった。プロデイの代わりに行った個人ワークアウトを最後まで終えることができず、体調管理に疑問を残した。そうしたことよりも、1巡指名OLが2人もいる強力ラインの後ろで走っていたことが最大の懸念ポイントではないか。
チーム事情 : 過去43試合にわたって100ydsラッシャーを出していないパッカーズだけに、久々の大エースRBとしてパス攻撃の負担を減らしてほしいところ。軽量スピード型のRBドゥワン・ハリスとの組み合わせもいい。これでおそらくRBセドリック・ベンソンとの再契約はなくなっただろう。背番号は27番に決定。
紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / Yahoo! Shutdown Corner / Journal Sentinel
交渉の続いていたQBアーロン・ロジャースが5年総額$110ミリオンの契約延長に合意し、予想されていたとおりNFL史上最高給プレーヤーとなった。詳細はまだあきらかでないが、あと2年$20.75ミリオン残っていた契約に5年$110ミリオンをプラスすると、実質は2019年までの7年総額$130.75ミリオンとなるはず。最初の3年間で$62ミリオンを受け取り、1年目に$40ミリオンが保証(ほとんどが契約ボーナスのはず)と報道されている。
心配なサラリーキャップへの影響だが、仮に契約ボーナスが$40ミリオンとしても5年分割で計上するので年$8ミリオン。今年のベースサラリーは元々の$9.25ミリオンから減額するはずなので、今年のキャップスペース(先日の時点で$15.66ミリオン)を極端に圧迫せずに済むだろう。
また、「キャップナンバーが$21ミリオンを越える年は1つもない」とも報じられている。つまり、さほどバックロード型でないフラットな(より健康な)契約内容ということになる。今春契約延長したQBジョー・フラッコ(BAL)は4年目に$29ミリオンという年があるらしい。
パッカーズは1巡26位でUCLAのDEデイトン・ジョーンズを指名。「26位で彼が残っていればいいが・・・」といった前評判も多かった選手で、26位としては順当な指名と見られている。ファーストネームの読みは DAY-tone とのことなので、「デイトン」とカナ表記することにする。
注 : 指名選手の評価記事は主だったドラフトガイドの評をごっちゃにしたもので、Strength と Weakness が矛盾した内容になることも珍しくない。実際にプロで使ってみると全然違ってしまうことはザラで、だからこそ選手評価は難しい、ということで御勘弁を。
Bio : ロサンゼルス南郊コンプトン出身。地元UCLAに進学し、レッドシャツを経ずいきなり10試合出場。2年目にはフルタイムのスターターとして4サックを挙げたが、2010年は右足の骨折でレッドシャツとして過ごした。一昨年は物足りない成績に終わったものの、昨季は62タックル、6.5サック、19ロスタックルと目覚ましい活躍を見せた。通算ロスタックルは36.5回。
高校の初め頃までは身長こそ高かったが体重185ポンド(84kg)と細く、バスケのポイントガード(最も俊敏なポジション)をプレーしたり、陸上短距離(200mを22.47秒)でも活躍した。そこからフットボールのため急激に体をバルクアップしたらしい。2月のシニアボウル練習ではクイックかつ力強いプレーを続けて評価を上げた。コンバインでのショートシャトル4.32秒は全DL中3位の好タイム。
Strengths : 理想的なサイズと高い運動能力に恵まれ、まだバルクアップできる骨格がある。DLのインサイドでもアウトサイドでもプレーできるヴァーサタイルな選手。一歩目が鋭く、手の使い方が非常によく、ペネトレートする能力に長けている。足を止めることなく、しっかり抱え込んでタックリングできる。相手につかまっても手を動かし続ける。昨年ジム・モーラJr.新HCの下で3-4ディフェンスをプレーしたのもプラス材料。
Weaknesses : 3-4のベース隊形のDEとしては線が細く、ダブルチームをがっちり受け止める馬力はまだないかもしれない。腰高になって相手OLにつけこまれる時があり、いったんつかまると振り払うのに苦労する時がある。ブレークアウトしたのは大学最終年のことで、それまでは目立った成績を残していない。
チーム事情 : パッカーズは昨季終盤やプレーオフ49ers戦でDLの弱さを露呈し、しかも昨年2巡指名のDEジェレル・ウォージーがヒザ前十字靭帯断裂。そのうえNTラジ、NTピケット、DEウィルソン、DEニールが契約最終年を迎えているため、今ドラフトではDL強化が最大のテーマと見られていた。また、今オフのパッカーズは「より大きく強くフィジカルに」といった方向性と報じられている。「ベース隊形のDEとしてはまだ細いが、サブパッケージ(ニッケル等)ではインサイドからラッシュできる」とトンプソンGM。身長6-4は現DL陣でもっとも高く、コンバインでの数字はすべて昨年のDEウォージーを上回っている。
ドラフト前の紹介記事 : NFL.com / CBS Sportsline / Yahoo! Shutdown Corner / Journal Sentinel
ともにプロ3年目のILB D.J.スミスとRBブランドン・セインが解雇された。とくにILBスミスは昨季6試合に先発出場しただけに驚きだ。どちらも昨季第5週にヒザ前十字靭帯を断裂し、今回の解雇理由も「フィジカルに合格せず」となっているが、実際には同様の選手でも実力があれば解雇はされない。やはり昨年のプレー内容が理由だろう。パッカーズは伸びシロを重視して若手にチャンスを与えるかわり、2年目で伸びなかった選手はあっさりと切ってしまうことが多い。
ILB D.J.スミス D. J. Smith はアパラチアン州立大から2011年ドラフト6巡指名で入団。1年目は3試合、2年目の昨季はILBビショップの代役として6試合に先発出場した。イキのよい動きを見せた1年目と比べ昨季はプレーぶりがパッとせず、第6週テキサンズ戦でヒザ前十字靭帯を断裂してシーズンエンド。その代役ブラッド・ジョーンズが活躍を認められて再契約したのとは対照的な結果となってしまった。
ILB陣は先発を争うビショップ、ホーク、ジョーンズの3人に加え、スペシャルチーマーのジャマリ・ラティモアとロバート・フランソワ、それに昨年5巡指名のテレル・マニングもいてデプス的には足りている。この解雇でILBを上位指名する可能性が高くなったとは言えないだろう。
RBブランドン・セイン Brandon Saine はオハイオ州立大出身。2011年ドラフト外入団からプラクティス・スクワッドを経てロースター昇格すると、ラッシング18回69yds、パスキャッチ10回69ydsを記録した。キャッチングの上手さから将来の3rdダウンバック候補と期待されたが、2年目の昨季は成長が見られず、出場6試合はすべてスペシャルチームのみだった。ケガ人が多くしかも低レベルのRB陣において出番ゼロというところに首脳陣の評価が表れている。彼もまた第6週テキサンズ戦でヒザ前十字靭帯を断裂し、リハビリ途上だった。
いっぽう、FAとなっていたRBセドリック・ベンソンがパッカーズを訪れ、負傷した足(昨季第5週)のチェックを行った。セインが解雇されたといっても、入れ替わりにベンソンと今すぐ再契約するわけではないらしい。ドラフトの結果を待ってからということだろう。
日本時間26日朝に迫った2013年NFLドラフトについて、例によって概要をまとめておこう。内容は例年とほぼ同じ。
今年のモックドラフト集も最終回。あいかわらずポジションはバラバラだが、セーフティの1巡指名予想がさらに増え、最多の8件となった。内訳はSマット・イーラム(フロリダ)が4、Sジョナサン・シプリーン(フロリダ・インターナショナル)が2、Sエリック・リード(LSU)が2となっている。続いてTEが5、OLが4、DLが4。3週間前は4つあったOLB予想がわずか1つだけとなった。
今年のオフェンスのニーズ分析はディフェンスよりさらに難しく、記者やファンも意見がかなり分かれている。けっきょくはドラフト本番での流れしだいで、その時点でのベストプレーヤーを獲ればいいのだろう。以下のポジション順はあまりアテにしないでほしい。
Cイヴァン・ディートリック=スミス(FA2014)が先発センターを長く務められる器なのか、まだわからない。しかし大事なプレーオフを控えたところでCジェフ・サタデーを降格させたのは、首脳陣が彼の能力を高く評価している証拠だ。昨季終了時点では「平均より少し力の劣るセンター」といったレベルだったが、伸びシロはまだまだあるはず。今年スターターとしてさらに向上すれば、契約延長の目も出てくる。
出場経験のあるセンターが控えに1人もいないので、補強はかならず必要だろう。2巡あたりのセンター指名予想は多いが、そうするからには即先発、ディートリック=スミスより明らかなアップグレードになってくれないと困る。そうすればディートリック=スミスが再びインサイド3ポジションの控えを兼ねることになり、OL全体の安定感は増す。
ガードのスターターはLGラング(FA2017)とプロボウラーのRGシットン(FA2017)の2人で問題ない。控え選手はグレッグ・ヴァンローテン(C兼任)とドン・バークレー(RT兼任)のドラフト外2年目コンビ。ヴァンローテンは昨夏キャンプでパスプロ能力の高さを見せ、シーズンではエキストラ・ブロッカーとして数試合に出場した。プレシーズンでは左ガードに専念していたが、今年はロースター表で"G/C"と表示されているので、センター修業もするのだろう。バークレーが7試合にわたってRTブラガの代役スターターを務めたのは既報のとおり。
こうしてみるとガードのデプスはそこそこあり、純粋なガードであれば指名は4巡以降ではないか。前述のとおり、先発級のセンターを指名できればインサイド3ポジションともデプスが向上する。
LTマーシャル・ニューハウス(FA2014)は先発2年目の成長が期待したほどではなかった。パスプロはまずまずだが(それでも2年連続でチーム最多プレッシャー)、ランブロックはあまりに頼りない。そろそろ伸びシロもなくなってきて、しかも契約最終年。
ただ控えには2011年1巡指名のデレク・シェロッド(FA2016)がおり、今年は先発奪取に向けてプッシュすることが期待できる。ルーキーシーズン終盤にスネ(骨2本とも)を骨折して昨季を棒に振ったが、今年はオフシーズンのトレーニングにフル参加できるはず。彼が先発LTになってくれれば来年ニューハウスがFA退団しても問題なくなる。昨年の7巡指名アンドリュー・ダトコは1年目をプラクティス・スクワッドで終え、先発を狙える器とは考えにくい。
右タックルはブライアン・ブラガ(FA2015)が復帰してくれれば問題なし。ただ、股関節の骨折は予想外に時間がかかってもおかしくなく、その場合は昨季後半と同じくドン・バークレーが代役を務める。
というわけで、ドラフト指名がしたくなるのは1巡か2巡で優秀な左タックルが残っていた場合。ただ今年の1巡26位では、右タックル専用タイプしか残っていない可能性が高い。そうした選手を獲ると、ブラガを左タックルにコンバートしなければならなくなってしまう。ブラガは大学時代に左タックルだったが、NFLではルーキーイヤーに33スナップしか実戦経験がなく、大きな賭けになる。
デプス的にはブラガ、ニューハウス、シェロッド、バークレーの4人にダトコがいて人数は問題ない。左タックルを向上させられるレベルの選手がいなければ、1人も指名せずに終わる可能性もある。
ランドール・コブ(FA2015)、ジョーディ・ネルソン(FA2015)、ジェームズ・ジョーンズ(2014)の3人で先発は問題ない。NFL屈指のデプスを誇った強力ユニットだが、ジェニングスがFA移籍し、ドライバーは引退し、ジョーンズは契約最終年を迎えている。昨年ドラフト外からロースター入りしたジャレット・ボイキンの成長は楽しみだが、将来3番手以内に食い込めるかというとそれは難しいだろう。同じくジェレミー・ロスは実質まだリターナーとしてしか出場経験がなく、WRとしては未知数。
そのため、今年はかならずWR指名があるはずで、展開しだいでは上位指名があってもおかしくない。育成に時間のかかるポジションなので、早め早めに指名してパッカーズは成功してきた。タイプ的にはスピードやクイックネスに優れたタイプが好ましい。今年はコブをリターナー任務から解放してやりたいので、とくにパントリターンのできるWRが理想。
昨季最後に活躍したドゥワン・ハリス(FA2015)が暫定スターター。バネのある走りっぷりはたしかに魅力があり、首脳陣の評価も高いが、身長173cmの小兵にフルタイムの先発RBを任せてよいものかどうか。アレックス・グリーン(FA2015)は昨季4試合に先発して平均わずか3.4yds。前十字靭帯断裂の影響が残っていたとはいえ、どうやら先発RBの器ではない。今年はブロッキングを磨いて3rdダウンバックの座を目指してほしい。いつまでもFBジョン・クーンが3rdダウンバックでは破壊力がなさすぎる。
昨季開幕時のスターター、セドリック・ベンソン(現在FA)は足のリスフラン関節を負傷してシーズンエンド。完全に回復すれば再契約もあるが、今のところ球団側は動かず、FA市場ではアマド・ブラッドショー(NYG)に興味を示している。WR指名の上手いトンプソンGMだがRB指名は下手で、2007年2巡のブランドン・ジャクソン、2011年3巡のアレックス・グリーンと失敗続き。ならばいっそドラフトはやめて安めのFAを狙った方がいい、という議論も成り立つ。ドラフト後は競合球団が減ってさらに買い手市場になる。
RBを軽視し続けてきたパッカーズもいいかげん本格RBを獲るべき、という声は一部で根強く、今年は上位指名があってもおかしくない。しかし攻守ラインやセーフティの強化を後回しにしてまでパッカーズがRBを上位指名するのかという気もする。今年のドラフトでは中位あたりでも先発級RBが獲れる、という声もあり、指名はあっても3巡以降ではないか。これまで1巡RB指名の可能性があったのは2007年、マーショーン・リンチを狙っていた時だった。
いっぽう、ジョン・クーン(FA2014)はチーム唯一のフルバックであり(2年連続)、今年は契約最終年。今のオフェンスではFB1人体制でいっこうに構わないが、よいタレントがいれば下位指名はありうる。7巡やドラフト外で獲ってプラクティス・スクワッドで育てるのが現実的か。
ジャーマイケル・フィンリー(FA2014)がけっきょく残留し、アンドリュー・クウォレス(FA2014)が一昨年の前十字靭帯断裂から復帰、さらにブロッキング専門のマシュー・マリガンをFAで獲った。今年のデプスはまったく問題なく、しかも彼らはみな今年が契約最終年なのでいっそうの頑張りが期待できる。
いっぽう、2011年ドラフト組のD.J.ウィリアムズとライアン・テイラーはプレー機会が少ないせいか、やや伸び悩んでいる。上記選手たちに代わって将来スターターになれるのか、今年の成長がカギを握っている。
モックドラフトではTEタイラー・アイファート(ノートルダム)の1巡指名予想が少なくないが、他のニーズを考えると上位指名権を使うのはもったいなく思える。あるとすればよほど魅力的なレシービングTEが残っていた場合のみ。そのときはおそらくWRの上位指名が消えるだろう。ジェニングス退団で4WR隊形が使えなくなっても、ペイトリオッツのようにダブルTEを活用するパスオフェンスにしてしまえばいい。
昨季の控えQBはグレアム・ハレルだけで、プラクティス・スクワッドに7巡指名のB.J.コールマン、という2.5人体制。今年はこの2人をオフシーズンプログラムで鍛えてキャンプで争わせれば十分と首脳陣は考えていそうだ。強肩コールマンが弱肩ハレルをあっさり逆転するようなら面白いが、ハレルではあまりにもスケールが小さい。
QB不作の年でもあり、よほど魅力的な選手が残っていた場合のみ下位指名を検討するのでは。ドラフト外で1人獲る方がありそうに思える。
昨季スランプに陥ったKメイソン・クロスビーの後継キッカーを指名する可能性がかなりある。ルーキーイヤー以来ライバルの入団がなかったクロスビーだが、今オフはすでにジョルジオ・タヴェッキオが契約している。ドラフト下位またはドラフト外でもう1人獲り、2人に絞った上でトレーニングキャンプを迎えることになるのでは。
Pティム・マステイとLSブレット・グードはまったく問題なし。おそらくドラフト外でも両ポジションは獲らず、今年のキャンプも無風だろう。リターナーについてはWRの項で書いたとおり、今年はコブに代わる選手を模索することになる。
ドラフト本番まであと5日、大急ぎでパッカーズのニーズ分析を進めていこう。ドラフト候補選手については管理人はまったく不勉強なので、各自で調べていただくことに。
フットボールでは、勝った時は過大評価され負けたときは過小評価されるもの。プレーオフで敗れれば次の試合まで8か月ちかくあるのだから、つらい敗戦やチームの弱点が頭にこびりつくのが当然だ。しかしそれはそれとして、シーズン全体として評価しなければならない。
GMたちがよく言うのは、「自分のチームを評価するのが最も難しい」ということ。とくに2年目・3年目選手の成長の見極めがチーム作りのきわめて重要なカギであり、そこを見誤るとFA市場やドラフトで無駄を重ねることになる。以下のポジション分析では、昨季終了時点の戦力だけでなく、そうしたカギを握る若手を重点的に見ていく。
また、ニーズを順番に埋めるようなドラフトをしてもなかなかうまくいかないものだ。2000年のLTクリフトン、2005年のQBロジャース、2008年のWRネルソン、2011年のWRコブといった指名は、当時は「本当に要るのか」と言われていた。逆に、2006年のILBホークは当時「もっとも安全な指名」と言われたものだ。現代NFLでは穴のないチームなど作ることはできない。強力な中心選手がチームを引っ張り、弱いところはなんとかごまかす、それで十分優勝に届くものだ。当時は不要と見えた指名がけっきょくチームの牽引車となっていく。
以下のポジション分析は、管理人の考えるニーズ順にしてある。FA予定年も併記してみた。
フロントがFA市場でもっとも積極的(パッカーズにしては)だったのがこのポジション。向上が必要だと球団側が考えている証拠だ。なにしろ、他のポジションのディフェンスFA選手にまったく興味を示していないのだから。しかもDL陣は契約最終年を迎えている選手が多い。
先発右DEがC.J.ウィルソン(FA2014)ではどうにも弱い。ラン守備に強いといってもサイズ・馬力とも物足りず、パスラッシュとなるとまるで頼りにならない。伸びシロもあまり残っていないだろう。しかも将来のスターターと期待した2巡指名ジェレル・ウォージーがヒザ前十字靭帯を断裂してしまい、今年はちょっと計算できない。出場停止処分から復帰のジョニー・ジョリーが戦力になれば面白いが、3年ぶりではアテにしようがない。
リード・オプション対策が重要になってきただけに、相手OLに押し込まれずリーチのある、ラン守備に強いDEがほしい。欲を言えば、後ろのOLBマシューズと相乗効果を生むようなパスラッシュ能力もほしい。DEマイク・ニール(FA2014)と4巡指名DEマイク・ダニエルズはパスシチュエーションではペネトレーション能力を見せたが、ラン隊形で使えるガタイはない。
ドラフトではできれば1巡か2巡で指名したい。タイプとしては4-3の軽量パスラッシャー型ではダメで、300ポンド以上あるDTでないと即戦力DEにはならないのでは。契約最終年の選手が多く、DEウォージーがPUPリストでシーズンを迎える可能性があるので、2人指名もありうる。
ノーズタックルはB.J.ラジとライアン・ピケット(どちらもDE兼任)で問題なさそうだが、2人とも今年が契約最終年。先日NTスティーヴ・マクレンドン(PITと再契約)に興味を示したのもそのせいだろう。ラジは契約延長交渉といってもOLBマシューズと比べれば確実でなく、希望金額が高すぎれば決裂の可能性も大いにある。ピケットは出場スナップ数(全体の52.2%)が限られるせいか33歳のわりに使い減りしておらず、衰えは見せていない。
FA市場でベテランを獲るべき、という声もあったが、チームはこれまでまったく動かず。モーガン・バーネットが契約最終年ということもあり、ディフェンスではDEと並んでもっとも大きなニーズ、という見方が地元記者には多い。
ウッドソンの退団はさほど大きな痛手ではないが、今年2年目のジェロン・マクミリアンやM.D.ジェニングスの伸びシロで十分なのか、見極めが非常に重要なところ。先発確定のモーガン・バーネット(FA2014)はさらなる成長が期待されるシーズン。リロイ・バトラーもダレン・シャーパーもニック・コリンズも3年目までは頼りなく、4年目に急成長してプロボウル常連となった。
パッカーズではフリーセーフティとストロングセーフティの区別はあまりなく、両方こなせる能力が必要。とくに「4人目のLB」のような旧式のストロングセーフティタイプは現代NFLでは通用しないので、パスカバレッジ能力の高い選手が望ましい。今年のドラフトでは珍しくセーフティが豊作らしい。遅くとも3巡までに指名がありそうで、1巡指名があってもおかしくない。逆にもし3巡までに指名しないようなら、マクミリアンをそれだけ買っている、という証拠だろう。
たしかに昨季終了時点ではパスラッシュ力が物足りないが、今年は1巡指名ニック・ペリーの成長に期待する年。大学でDEだったためにOLBに慣れるのに時間がかかっているが、パワフルなプレーぶりはパスラッシュでもラン守備でも魅力がある。手首の手術で昨季後半を棒に振ったとはいえ、おそらく今オフのトレーニングにあまり影響は残らないだろう。
ペリーとマシューズに1巡指名権を使い、さらに$69.77ミリオンの大型契約をしたわけで、OLBにこれ以上の高額投資はしたくないところ。ただウォルデンのFA退団で、まともな控えがデズマン・モーゼス(昨年のドラフト外。成長が楽しみ)だけになってしまった。マシューズが毎年ハムストリングを痛めているだけにローテーション要員の確保は重要で、ドラフト中位以降で指名がかならずあるだろう。1巡や2巡で指名があるとすれば、よほど素晴らしい選手が残っていた場合のみ。
デズモンド・ビショップ(FA2015)がハムストリング負傷で昨季をまるまる棒に振り、彼のビッグプレー能力が欠けたのはチームにとって痛手だった。回復は順調でオフシーズン練習はほぼフル参加の見込み。高額サラリーがネックだったA.J.ホーク(FA2016)は大幅減俸を受け入れて残留した。代役スターターとして頑張ったブラッド・ジョーンズもいったんFAとなってから再契約。ILB経験は浅く、まだ伸びシロがある。D.J.スミスは前十字靭帯断裂明けで、完全復活の時期は読めない。
今夏のキャンプではビショップ、ホーク、ジョーンズの3人による先発争いと見られ、D.J.スミスが回復してそれに加われるかどうか、といったところ。他にもテレル・マニング(昨年5巡)の成長は楽しみなところで、スペシャルチーマーのロバート・フランソワ(FA2014)やジャマリ・ラティモア(RFA2014)もいてデプス的には十分すぎるほど。
というわけで、後述のCB陣とくらべると先発陣のレベルは低いが、上位指名は考えにくい。よほど魅力的な選手が残っていた場合を除き、指名があるとしてもかなりの下位だろう。
トラモン・ウィリアムズ(FA2015)、サム・シールズ(FA2014)、2巡指名ケイシー・ヘイワード、デヴォン・ハウス(FA2015)とスターター級が4枚揃い、5番手には先発経験もあるジャレット・ブッシュ(FA2015)もいる。人もうらやむ陣容であり、このユニットがディフェンスの最大の強みと言える。シールズは契約延長交渉が始まったところ。ウィリアムズは給料が高いので、場合によっては今季限りで放出する可能性もなくはない。
そうしたわけで、ディフェンスではILBと並んで上位指名の可能性がもっとも低いポジション。指名があったとしても、下位で1人、といったところではないか。
2013年のレギュラーシーズンスケジュールが下表のとおり正式発表された。
Packers 2013 Regular Season Schedule | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Date | Opponent | Time | 米TV | 備考 | ||
09/08 | @ | San Francisco 49ers | 4:25 p.m. | FOX | ||
09/15 | Washington Redskins | 1:00 p.m. | FOX | |||
09/22 | @ | Cincinnati Bengals | 1:00 p.m. | FOX | ||
- | - | Open Date | - | - | ||
10/06 | Detroit Lions | 1:00 p.m. | FOX | |||
10/13 | @ | Baltimore Ravens | 1:00 p.m. | FOX | ||
10/20 | Cleveland Browns | 4:25 p.m. | CBS | |||
10/27 | @ | Minnesota Vikings | 8:30 p.m. | NBC | Sunday Night | |
11/04 | Chicago Bears | 8:40 p.m. | ESPN | Monday Night | ||
11/10 | Philadelphia Eagles | 1:00 p.m. | FOX | |||
11/17 | @ | New York Giants | 8:30 p.m. | NBC | * Sunday Night | |
11/24 | Minnesota Vikings | 1:00 p.m. | FOX | * | ||
11/28 | @ | Detroit Lions | 0:30 p.m. | FOX | Thanksgiving Day | |
12/08 | Atlanta Falcons | 8:30 p.m. | NBC | * Sunday Night | ||
12/15 | @ | Dallas Cowboys | 4:25 p.m. | FOX | * | |
12/22 | Pittsburgh Steelers | 4:25 p.m. | CBS | * | ||
12/29 | @ | Chicago Bears | 1:00 p.m. | FOX | * |
OLBクレイ・マシューズの新契約は総額$69.77ミリオンの6年契約と判明した。詳しくは下表のとおり。契約ボーナスが$20.5ミリオン(本当に「保証」されているのはこれだけ)、来春のロースターボーナスが$5ミリオンとなっている。年$50万ドルのワークアウトボーナスに加え、出場試合数に応じたロースターボーナスが年$50万ドル設定され、ケガのリスクを軽減する内容。今年のキャップナンバーは$6.71ミリオンとなった。
だんだんと増えていくバックロード型の契約とはいっても、数年後には新しいTV放映権契約が発効してキャップ総額が大幅アップするので、ある程度は相殺されるはず。今年のキャップナンバーは旧契約の$4.91ミリオンからわずか$1.8ミリオンしか増えず、パッカーズのキャップ・スペースはまだ$15.66ミリオンも残っている。
さて次はQBロジャースだが、彼のキャップナンバーは現状でも$9.75ミリオンもあるので、新契約でアップするにして$4ミリオンから$8ミリオン程度で済むはず。
Clay Matthews' new contract | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Year | 契約ボーナス | ロースターボーナス | ベースサラリー | ワークアウト | 出場ボーナス | キャップナンバー | キャッシュバリュー |
2013 | (4,100,000) | 1,020,000 | 500,000 | 6,710,000 | 22,020,000 | ||
2014 | (4,100,000) | 5,000,000 | 1,000,000 | 500,000 | 500,000 | 11,100,000 | 7,000,000 |
2015 | (4,100,000) | 7,600,000 | 500,000 | 500,000 | 12,700,000 | 8,600,000 | |
2016 | (4,100,000) | 8,650,000 | 500,000 | 500,000 | 13,750,000 | 9,650,000 | |
2017 | (4,100,000) | 10,100,000 | 500,000 | 500,000 | 15,200,000 | 11,100,000 | |
2018 | 10,400,000 | 500,000 | 500,000 | 11,400,000 | 11,400,000 |
契約最終年を迎えていたOLBクレイ・マシューズが2018年まで5年の契約延長にサインした。詳細はまだあきらかでないが、いわゆるニュー・マネーは5年総額$65ミリオンと報道されている。年平均$13ミリオンはしばらく前から噂されていたとおりの金額で、NFLのLBとしては史上最高額。今年のサラリーが$3.73ミリオンだったので、ニュー・マネーと合わせると6年総額$69.73ミリオンとなる計算だ。
代理人をおなじくするOLBマシューズとQBロジャースの契約延長交渉は同時進行しており、「同時に締結・発表となるのでは」との見方もあった。しかしQBロジャースの方はまだ金額に開きがあるために、OLBマシューズの方を先にまとめてしまったのだろう。今オフの重要課題が1つでも片付いたことはとにかくめでたい。契約書にサインする姿をマシューズ自身がツイートしている。
◆ ◆ ◆
クレイ・マシューズ 3世 Clay Matthews III はカリフォルニア州アゴウラ・ヒルズ出身の26歳。父クレイJr.が殿堂入り候補の名LB、叔父ブルースはらくらく殿堂入りの名OL、弟ケイシーも従弟ケヴィンもNFL在籍中という有名なフットボール一族に生まれ育った。しかし身体的には遅咲きで、USCでスターターに定着したのは大学最終年のシーズン途中のこと。目覚ましい働きで1巡候補にのし上がると、パッカーズが珍しいトレードアップを敢行して1巡26位でドラフト指名。1年目から4年連続でプロボウルに選ばれ、2010年にはディフェンス最優秀選手の次点だった。通算42.5サックはすでに球団史上5位。
今週からオフシーズン・プログラムが始まり、選手たちが3か月ぶりにランボーフィールドに集まってきた。名目上は自由参加だが、先発確定でないクラスの選手は、コーチににらまれるのが怖くてそうそう休めない。
以前は3月半ばからだったが、新労使協定によって1か月遅れてのスタートとなり、内容もかなり制限された(記事へ)。練習は1週間のうち4日間に限られる。最初の2週間は「フェーズ1」と呼ばれ、ボールを使うこともポジションコーチが指導することもできない体作りだけの期間。
オフシーズン・プログラムに参加する選手の日給は$175ドルで、週給に直すと$700ドル。契約にワークアウトボーナスが設定されている選手はその限りではなく、「オフシーズン・プログラムの90%以上に参加すれば$10万ドル」といった数字が設定されている。QBロジャースの$50万ドルはNFLで4番目に多いとのこと。
寒冷な気候のグリーンベイだけに、以前は(とくに高給の)選手たちが練習に集まりたがらない傾向がたしかにあった。ワークアウトボーナスを活用することでそうした状況を変えることができている。パッカーズのロースターボーナス総額$3,672,500ドルはNFLで最も多く、10万ドル以上受け取る選手が17人もいる。
マイク・マッカーシーHCは昨年のオフシーズン・プログラムの成果に大きな不満を表明しており、今年は3フェーズとも変更を加える、としている。NFLでは2年目・3年目選手の成長幅が非常に大きく、シーズン本番においては新人選手の加入よりも大きな意味を持つことが多い。「昨季を終えて解散するとき、新人たちに言い渡した。『プロ2年目は君たちにとって最も重要な年だ。経験から言うが、2年目に成長しない選手はこの世界では長続きしないものだ』とね」とマッカーシーHC。
毎年恒例モックドラフト集の第2回。前回から更新されていないサイトも残してある。
DTシルヴェスター・ウィリアムズを予想した Sports Illustrated 誌のドン・バンクスのコメント。「今でもTE(タイラー・アイファート)やRB(エディー・レイシーまたはモンティー・ボール)を指名するのがニーズ的に理にかなっていると私は思うが、そうしたポジションに1巡指名権を使うのはテッド・トンプソンGMのスタイルではないということは認めざるをえない。今年はその例外になる可能性もあるが、今のところはDTウィリアムズを予想しておこう」
元ラムズのTEマシュー・マリガンがパッカーズとの1年契約に合意した。典型的な白人のブロッキング・タイトエンドで、アスレチック能力には欠けるタイプ。先日FA移籍したTEトム・クラブトリーの穴を埋める形になる。4年間で50試合に出場してパスキャッチはわずか14回144yds・1TDのみ。クラブトリーよりかなり遅く(40yds走は4.9秒)、インラインでのブロッキング能力はあきらかに上、スペシャルチーム能力はやや下というところか。
今回の契約は1年で、最低保証額$715,000ドルを少し上回る金額とのこと。つまり、パッカーズがクラブトリーに望んでいた金額だ。TE陣にはエースのフィンリーに加えて2番手のクウォレス、プロ3年目のD.J.ウィリアムズとテイラーがおり、開幕ロースター入りはかならずしも容易でない。マッカーシーHC時代に入ってからはこれほどブロッキングに偏ったTEはいなかったが、より大きくフィジカルに、というチーム作りの方向性なのだろうか。
マシュー・マリガン Matthew Mulligan はメイン大出身の28歳。2008年ドラフト外でドルフィンズに入団、その後タイタンズ、ジェッツのプラクティス・スクワッドを渡り歩き、2009年12月にジェッツで公式戦初出場を果たした。2011年には初めて全試合出場し、昨春FAとなって2年契約でラムズへ。ラムズがTEジャレッド・クックと契約したためか先月23日に解雇されていた。(通算スタッツ)
昨年ラムズでのマリガンはオフェンスの411スナップ(37.9%)に出場。411スナップのうちパス・ルートを走ったのは93回だけで、残りの77%はブロッカーだった。出場スナップ数、起用法ともクラブトリーとよく似ている。Pro Football Focus によると、昨季1サックだけ許したマリガンの Pass Blocking Efficiency はNFLのTE中6位。ランブロッキング採点では10位だった。
ここ1週間ほどの情報をまとめて。
プレシーズンゲームの対戦相手と大まかなスケジュールが下表のとおり発表された。4戦のうち昨年と同じなのはチーフスだけで、珍しく3戦もNFC球団との対戦となった。CBSで全国放送される第3週シーホークス戦だけが日時まで確定している。それ以外の日程は今月16日にレギュラーシーズンのスケジュールと一緒に発表されるはず。
なお、プレシーズンの対戦相手は各球団がそれぞれ独自の話し合いで決めるもので、対戦相手の埋まらなかった球団だけはNFLが斡旋することになっている。
Packers 2013 Preseason Game Schedule | |||||
---|---|---|---|---|---|
Date | Opponent | Time | 米TV | ||
8/8 - 12 | Arizona Cardinals | 未定 | state | ||
8/15 - 19 | @ | St. Louis Rams | 未定 | state | |
8/23 | Seattle Seahawks | 08:00 | CBS | ||
8/29 - 30 | @ | Kansas City Chiefs | 未定 | state |
毎年恒例モックドラフト集の第1回。今回は記事の日付を併記した。
パッカーズのニーズ分析はやはりバラけていて、OLBに予想が集中していた昨年とは様相がかなり違う。1巡予想21件のポジション内訳は、多い方からTE(5)、OLB(4)、S(4)、RB(3)、OT(2)、DT(2)、OG(1)となっている。TEはすべてノートルダム大のタイラー・アイファートだった。