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2013 NFL Draft Primer
グリーンベイ・パッカーズ ニュース
2013年4月25日
日本時間26日朝に迫った2013年NFLドラフトについて、例によって概要をまとめておこう。内容は例年とほぼ同じ。
- 会場は8年連続でニューヨークのRadio City Music Hall。
- 長らく2日制で行われてきたが、3日制へと移行してから今年で4年目となる。
- 1日日は4月26日(金)朝9時(米東部時間20時)から。1巡のみ。各球団の持ち時間は各10分。
- 2日目は4月27日(土)朝7時30分(米東部時間18時30分)から。2巡および3巡。持ち時間は2巡が各7分、3巡が各5分。
- 3日目は4月28日(日)深夜1時(米東部時間正午)から。4巡から7巡。持ち時間はすべて5分。
- 昨年は初日終了まで3時間しかかからなかった(1球団あたり平均5分37秒)。2巡が2時間6分、3巡が1時間42分で、合わせて2日目は3時間48分。4巡は1時間42分、5巡は1時間53分、6巡は1時間39分、7巡は2時間だった。
- 昨年のペースであれば、パッカーズの1巡指名は日本時間午前11時14分ごろとなるが、年によってばらつきがあるので予想は難しい。トレードアップで時間が早まったり、トレードダウンで初日指名がなくなったり。
- 持ち時間の間にトレードがあれば、残り時間のカウントダウンは数え直しになる。つまり、残り1分の時点でトレードアップしたチームでも、残り1分で指名する必要はない。
- アメリカでの生中継は今年も ESPN および NFL Network が担当。
- 日本では昨年に続き GAORA が初日を生放送してくれる。村田斉潔/近藤祐司/有馬隼人という理想の陣容。
- ネットの指名速報はNFL.comのこちらやESPNのこちらで。
- ドラフト2日目(2巡および3巡)は各球団のOBが壇上で指名アナウンスを行う(全球団リスト)。パッカーズを担当するのは今年殿堂入りしたデイヴ・ロビンソン。ロンバルディ時代後期を支えた名アウトサイドLBだ。
- これまでに成立した指名権トレードはウィキペディアで。
- アーリーエントリーした選手のリストはウィキペディアで。
- パッカーズの指名権は以下の8つ。
- 1巡26位
- 2巡23位 (全体55位)
- 3巡26位 (全体88位)
- 4巡25位 (全体122位)
- 5巡26位 (全体159位)
- 5巡34位 (全体167位) ← Compensatory Pick (トレード不可)
- 6巡25位 (全体193位)
- 7巡26位 (全体232位)
- パッカーズはシーホークスと交互に26位と25位で指名を行うが、2巡は2球団が指名権を失ったため2つ繰り上がる。ブラウンズが昨年7月の Supplemental Draft でWRジョシュ・ゴードンを2巡指名したため失い、セインツは"Bountygate"のスキャンダルで昨年と今年の2巡指名権を没収されている。
- 今年ドラフト会場への招待を受諾したのはこちらの23選手。
- ドラフト会場にはファンが無料で入場できる。ただし希望者は前日の21時(現地時間)に会場前で登録してリストバンドを受け取る必要がある。これは早い者勝ち。ドラフト当日18時(現地時間)から本受付が始まり、リストバンドと入場チケットを交換できる。席の良し悪しはランダムで、早い者勝ちではない。2日目、3日目分のチケットも同様にして配布される(詳しくはこちら)。混乱を避けるため今年からこういうシステムになったらしい。
- 日本のプロ野球ドラフトとは違い、各球団首脳はドラフト会場に姿を見せない。球団本部に"War Room" つまり作戦司令室を設営し、そこで戦略を話し合ったり、電話でトレードの交渉をしたりする。普段着でリラックスし、合間にサンドウィッチをパクついていたりする。途中で出てきてインタビューに応えることもある。
- ドラフト会場には球団の代表者(実際は使いっ走りの役)が派遣され、"War Room" からの電話指示を待つ。指名選手が決まると、電話を受けた代表者がカードに書いてリーグ側に提出する。直接コミッショナーに手渡すのではなく、球団代表者のそばにNFL職員2人が付き、彼らに手渡したカードがコミッショナーに渡る、という手順。
- 昨年のパッカーズの"War Room"の写真はこちら。ドラフト本番中にも公式サイトでは画像が見られるはず。
- "War room"では長テーブルの端にトンプソンGMが陣取り、その右にマッカーシーHC。昨年までは3番目がジョン・ドーシー人事部長だったが、今年は彼がチーフスに移ったため、マッカーシーHCの隣はカレッジスカウト部長のブライアン・グートクンスト、その隣がプロ人事部長のエリオット・ウルフとなるのではないか。隣りの長テーブルにもスカウトたちが居並び、必要に応じてコーチングスタッフやチームドクターたちも出たり入ったりする。
- "War room"の壁の1つにはドラフト・ボード、つまり選手のランキング表が掲げられている。長い長いスカウティングと果てしない会議の末に作り上げた努力の結晶だ。現在進行中のドラフト指名を表示した壁、NFL全チームのロースター表を掲げた壁(トレードを検討するため)、パッカーズのデプスチャートを示した壁もある。大型モニタで展開を見ながら話し合っている。
- パッカーズの場合、電話をかけるのはスカウト部長クラスであることが多いようだ。トレード交渉というほどかしこまったものではなく、常に多くの球団と連絡を取り合っているもの。断り切れないようなオファーが来るかどうか待つため、指名は制限時間ぎりぎりになることが多い。自信のほどを示すためか短時間に指名してしまう球団も中にはあるが、パッカーズは几帳面に時間を使う方だ。
- NFLではシーズン中のトレードがほとんどなく、ドラフト中の指名権トレードが最大のヤマ場と言える。
- 指名選手が決まると、電話で選手本人に連絡を取ってから正式指名を行うのが慣例となっている。アンドリュー・ブラント元交渉担当は、「我々が指名を行う直前、いつもロン・ウルフ(当時GM)が 『本人を電話で呼んで生きてるかどうか確かめろ』 と言ったものだ。2005年にはDEマイク・モンゴメリー(6巡)に電話をしたがなかなか出ず、もう少しで別の選手を指名するところだった」と振り返っている。
- ドラフト候補選手は親族や友人でホームパーティをしながらTV中継を観ることが多いが、指名を待つ苛立ちを嫌い、釣りなどをしてのんびり待つ選手も中にはいる。上記のような事情により、携帯電話だけは必要だ。充電は忘れずに。
- 指名された選手が球団から電話を受ける映像が先に放送されてしまい、ポディウムで発表する瞬間が盛り上がらない場面もこれまでは多かった。発表の瞬間のドキドキを取り戻すため、昨年あたりからNFLがいろいろと工夫をしているが、ツイッターなど超速報メディアもあって情報漏れを完全に封じるのは難しい。