グリーンベイ・パッカーズ ニュース

2010年4月19日

ドラフトの焦点 ディフェンス編 1

今ドラフトでのパッカーズのニーズ、今回はLBおよびDLについて。 

アウトサイドラインバッカー (昨季の総括はこちら

右サイドではドラフトでトレードアップして獲ったOLBクレイ・マシューズが大当たり。10サック、45.5プレッシャー、35ノックダウン(すべてチーム最多)を挙げ、新人ながらプロボウルに繰り上げ出場した。いっぽう左サイドではアーロン・キャンプマンの「OLB不向き説」がほぼ的中。OLBとしての柔軟な動きができず、チームとしてはむしろ彼が戦線離脱したあとのブラッド・ジョーンズの方がよかった。今春はキャンプマンがFAで退団し、ジョーンズが仮スターターとなっている。

ジョーンズは7巡ルーキーにしては大健闘だったが、パスラッシュでは荒々しい迫力に欠け、(すくなくとも現状では)スターターとして物足りない。マシューズが止められるとプレッシャーが全くかからないことが、PIT戦やプレーオフでの大量失点の原因だった。

といったわけで、パス守備向上のためにはパスラッシュの強化が不可欠だ。ジョーンズの成長やILBブランドン・チラーをアウトサイドで起用する手もあるが、やはりドラフトでパスラッシャーを獲りたい。LTやCBと並んで、ニーズ的には3本柱といってよく、1巡指名の可能性は高い。

インサイドラインバッカー (昨季の総括はこちら

ニック・バーネットが予想以上のペースでACL断裂から復活し、A.J.ホークもまずまずの働き。ブランドン・チラーも万能ぶりを発揮して実質ホークと並立スターターを務め、昨年12月には契約延長(記事へ)も済ませている。かなり充実したユニットといってよく、この3人で問題ないだろう。

ホークは今年が契約最終年なのでトレードしてもおかしくはないが、これまでそういう噂はまったく出てきていない。控えでは、今年4年目のデズモンド・ビショップ(こちらも契約最終年)がやや伸び悩み中。キャンプ練習では期待感をいだかせるものの、実戦で出場機会をもらうと大きなミスが多い。

順当ならば昨季と同じこの4人で来季開幕を迎える可能性が高く、たとえホークが来年いなくなってもチラーを先発させればよいとチームは考えているのではないか。ドラフトのニーズとしてはかなり低く、指名があるとしても下位のはず。

ディフェンシブエンド (昨季の総括はこちら

右サイドのカレン・ジェンキンズと左サイドのジョニー・ジョリーが期待を大きく上回る活躍で、ディフェンス躍進の原動力となった。2人がフル出場したうえNT兼任のB.J.ラジもローテーションにも加わるので、実力・デプスとも十分だった。

控えは6巡ルーキーのジャリアス・ウィンとベテランのマイケル・モンゴメリーで、内部情報ではドラフト外のロナルド・タリーの評判がいい。今春は、3-4に不向きのモンゴメリーがFAで退団。腰の問題で昨季を棒に振ったジャスティン・ハレル(2007年1巡指名)は今春はここまで順調らしいが、いつまた腰痛が再発しないともかぎらない。ジョリーが有罪となれば出場停止処分必至なので、デプス的には多少不安がある。

ジョリーが契約最終年を迎え、(たとえ無罪判決が出ても)やや契約延長しづらい問題児タイプ。またジェンキンズも4年契約の最終年で、ぜひ契約延長したいところだが、本人は4-3のチームを望んで渋るかもしれない。体作りが重要なポジションなので早めに後継候補を確保して育てる必要があり、今ドラフトでは意外に上位指名があるかもしれない。ただ、3-4のDEはあまり派手なパスラッシュ力を必要としない「縁の下の力持ち」タイプで十分なので、DEとDTのトゥイーナー的な選手がドラフト中位以降で手に入りやすい。

ノーズタックル (昨季の総括はこちら

ライアン・ピケットが期待以上の働きでライン中央をしっかり固め、1巡指名のB.J.ラジも粗削りながらポテンシャルの高さを示した。3番手にはアンソニー・トリビオがいて、シーズン末にプラクティス・スクワッドから昇格し、1試合だけ出場した。

今春ピケットと大型契約(記事へ)を結んだのは、ラジが2年目から安心してスターター任せられる、とまで確信が持てなかったからか。または、ラジのパスラッシュ力をアテにして今後もDE兼用で使いたいからか。それでも、DEとくらべてニーズは低く、魅力的な素材がいれば下位指名がある程度だろう。

カテゴリ : Draft