3-4ディフェンス初年度のインサイドLB陣は、リーグ最重量ディフェンシブラインの活躍もあって、まずまずの働きをみせた。前十字靭帯(ACL)断裂から復帰したニック・バーネットは期待以上の活躍。A.J.ホークはよかったり悪かったりだが、移籍2年目のブランドン・チラーが(元気なときは)ヴァーサタイルな働きで契約延長を勝ち取った。
他のポジションと比べて補強の優先度は低く、しかも3選手に大枚をはたいているので、補強があるとしてもドラフト下位指名だろう。サラリーが$4ミリオンを超えるA.J.ホークは放出される可能性もある。
2008年11月に負ったヒザの前十字靭帯(ACL)断裂からみごと復活。チーム最多タックル(キャリア5回目)、最多ロスタックルを記録するなど高いレベルで活躍し、NFL2位のディフェンスに貢献した。復活途上だったシーズン序盤はILBチラーとのローテーション起用をしぶしぶ受け入れ、バイウィーク明けからフル出場。シーズンが深まるとフィジカルなプレーが戻り、プレーコーラーとしてもしだいに向上した。
パスラッシュではILBホークとのクロス・ブリッツが定番で、キャリア最多の4サックを挙げた。ただ、チーム最多の116回ブリッツしてプレッシャー15回は物足りない、と見る向きもある。パス守備のミスがやや多く、カーディナルスとのプレーオフでは2TDパスを許した。
ウィークサイドLBから、3-4ディフェンス導入にともなってインサイドのストロングサイドへ。入団から3年間はフルタイムでプレーしてきたが、昨年はパスシチュエーションで出番を失い、ILBチラーの欠場時だけフル出場した。3WRがベースのチーム相手では、10スナップ以下しか出番のないゲームも。シーズン全体をならすとまずまずのプレー内容だったが、試合ごとにかなり波があった。
インサイドのランに対してはILBチラーよりもフィジカルなプレーをするが、サイドラインからサイドラインまで追う守備範囲の広さに欠け、1on1のパスカバレッジもよくない。ブリッツでのプレッシャー率(プレッシャー3回/ブリッツ70回)はチーム最悪で、ビッグプレー不足は相変わらず。ILBチラーと契約延長したこともあり、アーリー・ダウン専用のホークに$4.6ミリオンのサラリーは高い。残留できたとしても、契約延長(今年が契約最終年)の話は出てきそうにない。
ニッケル守備ではホークに代わってフィールドに入り、実質ホークと並立のスターターといっていい。ILBバーネットが万全でない間はベースディフェンスでも出場。パスカバレッジやパスラッシュにも優れた非常にヴァーサタイルな選手で、5LBの"Big Okie"パッケージでは実質ストロングセーフティとしてプレーした。シーズン前半はよかったが、シーズン半ばで手を骨折すると、復帰後のプレー内容はいまひとつだった。
今春FAとなるはずだったが、昨年12月半ばに4年の契約延長。今年以降のベースサラリーは$1.9ミリオン、2.0ミリオン、$2.7ミリオン、$3ミリオンと比較的リーズナブルで、どうしてもホークを放出しなければならないほど高額ではない。
キャンプでの評判は非常によかったが、今年もスターターになれなかった。"サイコ"パッケージ(1-5隊形)以外はスペシャルチームのみの出場で、スペシャルチーム最多の22タックル。キャンプでは時おりビッグヒットをぶちかまして「ビショップ待望論」が再燃するが、実戦でディフェンスに入ると、判断の拙さや守備範囲の狭さが気になる。ブリッツ22回でプレッシャーわずか1回。
気がつけば勝負の4年目だが、スターターの座はいっこうに近づいてこない。チャンスがあるとすれば、ホークが退団した場合ではないか。